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日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。(1999年11月)
2009.07.06
北ミサイル、命中精度が向上 同じ地点に5発着弾
カテゴリ北朝鮮出典産経新聞 7月6日 朝刊
記事の概要
韓国の聯合ニュースが韓国政府筋の話しとして、北朝鮮が4日に発射した弾道ミサイル7発のうち約5発が、発射台から約450キロ離れた日本海上の同じ地点に着弾していたと報じた。
これは北朝鮮の弾道ミサイルの命中精度が向上していることを示すとしている。
同じ地点に着弾したのは、短距離弾道ミサイルの「スカッド」(射程300キロ〜500キロ)の改良型と、「ノドン」(射程約1300キロ)とみられる。発射された7発のうち3発は飛翔速度が極めて速かったことから、ノドンの射程を短くした発射した可能性が指摘されている。
これまで北朝鮮の弾道ミサイルは命中精度が悪く、ピンポイント攻撃には不向きとされてきたが、スカッドやノドンの命中精度が向上したことに警戒感が強まった。
韓国軍は来年、発射の兆候を探知しにくいスカッドの攻撃に備え、弾道ミサイル早期警戒レーダーを導入する計画だ。
韓国の聯合ニュースが韓国政府筋の話しとして、北朝鮮が4日に発射した弾道ミサイル7発のうち約5発が、発射台から約450キロ離れた日本海上の同じ地点に着弾していたと報じた。
これは北朝鮮の弾道ミサイルの命中精度が向上していることを示すとしている。
同じ地点に着弾したのは、短距離弾道ミサイルの「スカッド」(射程300キロ〜500キロ)の改良型と、「ノドン」(射程約1300キロ)とみられる。発射された7発のうち3発は飛翔速度が極めて速かったことから、ノドンの射程を短くした発射した可能性が指摘されている。
これまで北朝鮮の弾道ミサイルは命中精度が悪く、ピンポイント攻撃には不向きとされてきたが、スカッドやノドンの命中精度が向上したことに警戒感が強まった。
韓国軍は来年、発射の兆候を探知しにくいスカッドの攻撃に備え、弾道ミサイル早期警戒レーダーを導入する計画だ。
コメント
この情報を韓国政府はどのような手段で入手したのか。それは北朝鮮に近い日本海に海軍のイージス艦「世宗大王」を遊弋させ、その自慢のSPYー1D(V)対空レーダーを使ってスカッドやノドンの航跡を探知した。その解析からこのような結論を得たのである。
特に興味深いのは、命中精度の向上というよりも、命中精度の悪いノドンの射程を制限(燃料の軽減)して、短距離ミサイル(500キロ以下)に転用して命中精度を上げたことと思う。
湾岸戦争(91年)の時にも指摘されたが、当時のイラク軍のスカッドミサイルは燃料を積みすぎて命中精度が極端に落ちたという。しかしフセイン大統領は命中精度よりもイスラエルに到達できるミサイルを欲しがった。湾岸戦争にイスラエルを参戦させ、中東各国の支持を得るために、イスラエルを挑発するため必要なミサイルだった。
また、ノドンを短距離ミサイルに転用すれば、飛翔速度(弾道ミサイルは飛行速度とはいわない)が早くなれば、韓国軍や在韓米軍が迎撃(MD)することが難しくなるからである。
だから今回の発射では、誘導装置などのハードを改良して命中精度を上げたのではなく、燃料軽減といったソフト面から命中精度を向上させたとみるべきなのである。
ハード面から命中精度を向上させるためには、日本製品などの高精度ジャイロを使った慣性誘導装置を応用する必要があるが、その輸入(密輸)は失敗して日本の公安当局に関係者が摘発されている。
それでは軍事常識で北朝鮮の短距離ミサイルにどのくらいの命中精度が必要かといえば、CEP(半数命中射界)で非核なら300〜500メートルで、核弾頭なら1キロ以下というのが一般的である。
これは同一目標に数発の弾道ミサイルを発射すると、その内の1発の爆発によって、目標に重大な被害を与えられる能力を示す数値である。
また、北朝鮮はなぜこの機会にノドンの短距離・運用を行ったかといえば、中国への配慮があると思う。中距離ミサイルでは日本全土を射程に収めるが、同時に北京にも到達できる距離なのである。今の北朝鮮には人民軍が暴走した5月の核実験時とは別の状況下にある証明だ。
この点も北朝鮮問題を考える上で忘れはいけない重要事項である。日本の北朝鮮の専門家という人は、このあたりの軍事的な発想が弱いと思う。北朝鮮からアメリカ本土に到達できる弾道核ミサイル(ICBM)を開発するとは、北朝鮮からモスクワやヨーロッパの都市を核攻撃できることなのだ。
韓国軍が来年に設置する対弾道ミサイル・レーダーとは、北朝鮮の今の脅威に備えたものではなく、そのことを口実にして、将来の中国の弾道ミサイル脅威に備えた設置と考えるべきである。
この情報を韓国政府はどのような手段で入手したのか。それは北朝鮮に近い日本海に海軍のイージス艦「世宗大王」を遊弋させ、その自慢のSPYー1D(V)対空レーダーを使ってスカッドやノドンの航跡を探知した。その解析からこのような結論を得たのである。
特に興味深いのは、命中精度の向上というよりも、命中精度の悪いノドンの射程を制限(燃料の軽減)して、短距離ミサイル(500キロ以下)に転用して命中精度を上げたことと思う。
湾岸戦争(91年)の時にも指摘されたが、当時のイラク軍のスカッドミサイルは燃料を積みすぎて命中精度が極端に落ちたという。しかしフセイン大統領は命中精度よりもイスラエルに到達できるミサイルを欲しがった。湾岸戦争にイスラエルを参戦させ、中東各国の支持を得るために、イスラエルを挑発するため必要なミサイルだった。
また、ノドンを短距離ミサイルに転用すれば、飛翔速度(弾道ミサイルは飛行速度とはいわない)が早くなれば、韓国軍や在韓米軍が迎撃(MD)することが難しくなるからである。
だから今回の発射では、誘導装置などのハードを改良して命中精度を上げたのではなく、燃料軽減といったソフト面から命中精度を向上させたとみるべきなのである。
ハード面から命中精度を向上させるためには、日本製品などの高精度ジャイロを使った慣性誘導装置を応用する必要があるが、その輸入(密輸)は失敗して日本の公安当局に関係者が摘発されている。
それでは軍事常識で北朝鮮の短距離ミサイルにどのくらいの命中精度が必要かといえば、CEP(半数命中射界)で非核なら300〜500メートルで、核弾頭なら1キロ以下というのが一般的である。
これは同一目標に数発の弾道ミサイルを発射すると、その内の1発の爆発によって、目標に重大な被害を与えられる能力を示す数値である。
また、北朝鮮はなぜこの機会にノドンの短距離・運用を行ったかといえば、中国への配慮があると思う。中距離ミサイルでは日本全土を射程に収めるが、同時に北京にも到達できる距離なのである。今の北朝鮮には人民軍が暴走した5月の核実験時とは別の状況下にある証明だ。
この点も北朝鮮問題を考える上で忘れはいけない重要事項である。日本の北朝鮮の専門家という人は、このあたりの軍事的な発想が弱いと思う。北朝鮮からアメリカ本土に到達できる弾道核ミサイル(ICBM)を開発するとは、北朝鮮からモスクワやヨーロッパの都市を核攻撃できることなのだ。
韓国軍が来年に設置する対弾道ミサイル・レーダーとは、北朝鮮の今の脅威に備えたものではなく、そのことを口実にして、将来の中国の弾道ミサイル脅威に備えた設置と考えるべきである。
