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所長
神浦元彰
軍事ジャーナリスト
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Military Analyst

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日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。(1999年11月)

2009.07.03

 戦闘部隊の撤退から1ヶ月 英、イラクで「投資戦」 首相「1,4兆円の契約取る」

カテゴリイラク復興出典 朝日新聞 7月3日 朝刊 
記事の概要
駐留米軍の都市部からの撤退が完了したイラクで、一足先に戦闘部隊を撤退させた英国がイラクでの「ビジネスの戦場」の旗振りを始めた。

ブラウン首相は6月の下院で「英企業は150億ドル(約1兆4500億円)の契約を勝ち取るために競争している」と述べ、イラクでのビジネスを英政府が重視している姿勢を強調した。

英政府は4月、マンデルソン民間企業相が英大手企業23社の幹部とバグダッドを訪問し、「イラクへの投資」と銘打った国際会議を開催。これには約250社が参加した。

イラクの魅力は天然資源。確認原油埋蔵量はサイジ、イランに次ぐ世界で第3位で、天然ガスも豊富だ。イギリスはイラク戦争につぎ込んだ多額の戦費をビジネスで取り戻したいというのが本音だ。

天然資源だけでなく、英国中部のヒンターランド旅行社は6年振りにイラク観光を再開させた。バグダッドやバビロンなどイラクは観光資源に恵まれているという。また、ブリティッシュ・ミッドランド航空は、来年にもロンドンーバグダッド直行便の復活を検討中だ。

このような動きにイラク戦争で親族を戦地で失った遺族には割り切れない重いがわだkまる。英国はこれまで約10万人の兵士をイラクに送り、179人の犠牲者を出している。
コメント
先月、イラク戦争開始から6年が経過して、6月末に米軍はイラク都市部からの撤退を完了した。さらにオバマ政権は13万人のイラク駐留米軍は完全撤退に向けた動きを加速させる。

そうなればスンニ派とシーア派の抗争が激しくなるという見方があるが、私はその見方に懐疑的(反対)である。イラク国民の伝統的な協調感覚で激しい両派の対立は再燃しないと思う。それがイラク国民の伝統思考であるからだ。イラクの長い歴史を見れば、フセイン大統領の独裁政権(対立時代)など短いものである。

かつて、もし南ベトナムが北ベトナムに制圧(統合)されると、ベトナムの共産化は東南アジア全域の共産化に拡大すると宣伝されていた。いわゆるドミノ理論である。

しかし現実は、元南ベトナム兵士の大量失業に困ったベトナム政府は、その元兵士を集めてカンボジアに軍事侵攻した。それに怒った中国はベトナムに懲罰戦争を仕掛けて大敗した。

東南アジアは共産化するどころか、社会主義を掲げた中国やベトナムも開放改革を行って資本主義化している。米政府が宣伝したドミノ理論を信じてインドシナで戦い、犠牲になった人々は民間人を含めれば500万人を超えるのではないか。

イラク戦争後のイラク内戦も、アメリカ軍という存在によって過激になった要素は確かになる。そのアメリカ軍がイラクから消えれば、イラクが安定化するのは人間が歴史から学んだバランス感覚だと思う。

私が若い頃、かつて防衛研究所(防衛省)で第一研究室長だった方に聞いた話しだが、日本で考えられる戦争原因のNO1は、在日米軍の存在だと指摘された。私が「ソ連軍が北海道に侵攻するのでは?」と問うと、「なぜ北海道に攻めてくる必要がありますか。ソ連に日本との全面戦争を覚悟して北海道を軍事占領する意味がありません」

今の中国脅威論と同じである。

先日も、もし北朝鮮軍と自衛隊が戦えばどのような戦争になるか、原稿を書いてくれと依頼があった。わざわざ北朝鮮軍が日本まで攻めて来てくれれば自衛隊は喜んで完全に撃破できる。しかし北朝鮮軍には日本まで攻めてくる力はないし、日本でテロを起こす政治的な目的もない。バカバカしいので断った。

話しをイラクに戻すが、すでに日本企業もイラク南部の油田復興を受注すべき動きが本格化している。イラクの復興事業を受注するビジネス活動はすでに遅いくらいの意識で取り組む必要がある。

軍事的な感覚をビジネスに生かせば、大きな事業を動かすことも容易になる。軍事的に読めば、今のイラクの混乱は急速に収束する。そして巨大な復興事業が始まる。

同時に隣国イランで改革派が保守派に勝てば、イランでも巨大な復興事業が起こるだろ。まだまだイランの改革派が負けた訳ではない。イラクが安定化すればイラン革命防衛隊の存在価値は下がる。
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