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2011.05.17

 シリアで殺害住民の埋葬地発見 数百人不明の情報 

カテゴリ 中東、ペルシャ湾出典 共同通信 5月17日 電子版 
記事の概要
ロイター通信によると、反政府デモに対する激しい弾圧が続くシリア南部ダルアーで16日、殺害された多数の住民を埋葬したとみられる場所が見つかり、13人の遺体が確認された。

地元住民はデモ鎮圧のため治安部隊がダルアーに展開して以降、数百人が行方不明になっているとしており、さらに多数の遺体が埋葬されているとみられる。

シリア国民人権機構のアンマル・クラビ代表も、同日朝に地元住民が「集団埋葬地」を見つけたことを確認した。

ロイターによると、発見された遺体のうち5遺体は63歳の男性と息子4人のものと判明。いつ、どのような状況で死亡したかは明らかではない。
コメント
昔、スペインで陽気なアルゼンチンの大学生と知り合い、意気投合してマドリッド周辺の観光地巡りをしたことがある。

その後、アルゼンチンで軍事クーデターが起こり、民主化を求める人が軍や治安部隊に連行され、数万人が拷問を受けたあとに虐殺された。(左翼狩り事件)

その後、その死体は軍のヘリや輸送機に積まれ、空から海に向かって投棄されたという。その中には生存している者もいて、生きたまま空から海に捨てられた。虐殺の効率をあげるためである。

そんな情報が世界を駆けめぐった時、スペインで知り合った友人の住所に手紙を出したが返事は来なかった。(軍事クーデターから数年後)

あんな陽気な民族が、どうして同じ民族を大量虐殺できるのかと考えたことを思い出した。

かつてカンボジアでは学校の先生、公務員、医者や看護師など、いわゆるインテリを粛正するため、銃殺に使う銃弾1発を惜しんで鉄棒で頭を砕いて殺害したと聞いた。

それらの事は大昔の事ではなく、私が生きてきた今の時代に起きたことである。そして今、世界では同じような市民の大量虐殺が起きている。

その理由は指導者(独裁者)の命令に従わないためである。

中東のアラブ首長国連邦(UAE)では、治安維持のためにイラクで民間人虐殺事件を起こした民間軍事会社ブラックウォーター(現Xe)に5億2900万ドル(約430億円※)で軍事業務を依頼したという。(日本経済新聞 5月16日 電子版)

UAEがXeに出した要請では、隊員は非イスラム教徒の外国人部隊で、800人規模がUAEの治安作戦を担当させるという。何やら問答無用の虐殺作戦の準備が行われているよう気がする。

20世紀はある意味で、大量虐殺の世紀と呼べなくはないか。

再び21世紀を虐殺の世紀にしないために、20世紀にはなかったネット情報を通じて大量虐殺を防ぐことはできないか。

※800人をこの金額で割ると、一人年間5400万円を支払う契約となる。さらに年間365日で割ると一日15万円という額が出てくる。これが傭兵の経費となる。



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