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2009.06.15

イラン大統領選、結果に不信の市民が一部暴徒化

カテゴリイラン出典ロイター通信 6月14日 Yahooニュース
記事の概要
イラン大統領選でアハマディネジャド大統領の圧勝を当局が発表したことを受け、テヘランでは13日、選挙で不正が行われたとするムサビ元首相の支持者数千人が抗議活動を展開。一部が暴徒化し、警官隊と衝突した。

 内務省の発表によると、アハマディネジャド大統領が62.6%の得票を獲得。ムサビ元首相の33.7%に倍近い大差をつけた。
コメント
イランと北朝鮮がミサイル開発などで強い協力関係にあるが、北朝鮮とイラン社会はまったく異質なものである。

以前、休日にたまたま上野公園に行ったことがある。そこには関東周辺で働く多くのイラン人たちが集まっていた。その数は数千人だったと思う。それほど多くのイラン人が日本に来ているのは驚きだった。

しかし今は、上野公園から締め出され、各地の公園などに分散して集まっているようだ。一部のイラン人犯罪組織が、ニセ・テレホンカードなどの密売を組織的に行ったことが上野公園から締め出された原因ではないか。

だからイラン国内でも、日本などの出稼ぎ者から、海外の情勢は詳しく伝わっているし、衛星放送などの受信から国際ニュースをよく知っている。

ムサビ元首相の「アハマディネジャド大統領の強硬策は国際的な孤立を招いた」という指摘に、多くの国民が同調できる下地はあった。

しかしアハマディネジャド大統領を支える革命防衛隊などの反米勢力は、イスラエルのように戦争への危機感を国民に煽って支持を得るしか存続の方法がないのも事実である。

そのための核開発という見方も間違いではない。すなわちエネルギー政策のための核開発ではなく、危機を高めるための核兵器開発なのだ。

だから大部分のイラン国民は、エネルギー政策のための核開発に同意しても、核兵器保有国になるための核兵器開発には同意していない。

これは濃縮ウランを得るために、高速遠心分離器を稼働させて原発(軽水炉)の燃料になる純度20%程度の濃縮ウランを得ることは支持しても、原爆に必要な純度90%以上の高濃縮ウランを作り出すことを、多くの国民が支持している訳ではない。(革命防衛隊などは核武装を支持している)

一昨日、北朝鮮がウラン濃縮への着手を発表したが、パキスタンから密輸した20基の高速遠心分離器と、その連結のためにロシアから02年6月に輸入した150トンのアルミニウム菅程度では、ウラン核爆弾を作るのは当分先の話しである。ちなみにイランが保有する高速遠心分離器は7000基を超えたといわれている。

それにウラン濃縮には大量の電力を必要とする。できれば火力発電所など専用の電力供給施設があればいい。しかし北朝鮮の寧辺にはそのような電力施設や送電線も確認されていない。北朝鮮がウラン原爆を製造するためには多くの問題を乗り越える必要がある。しかし北朝鮮にその体力があるとは思えない。



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