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2009.06.12

北朝鮮核実験 空自T4による浮遊塵採取終了 放射性物質検出されず

カテゴリ北朝鮮出典 朝雲新聞 6月11日付け 防衛専門紙
記事の概要
政府は6月5日、北朝鮮が核実験を実施した5月25日から、空自のT4中等練習機を使って大気の浮遊塵を採取し、放射性物質のモニタリングをしていた活動を終了させた。

モニタリングの分析結果で異常値は検出されなかった。

浮遊塵の採取は北部(三沢基地)、中部(百里基地)、西部(築城)から浮遊塵採取ポットを取り付けたT4を使い、3空域で高度1万メートルと3000メートルを、毎日1〜2回実施。述べ18回採取し、日本分析センター(千葉市)で核種分析を実施していた。
コメント
朝雲新聞とは安保・防衛問題の専門紙(週刊)である。いわば自衛隊の機関紙のような役割を担っている。

これで日本は北朝鮮の核実験を検証することは難しくなった。06年の核実験でも日本は核実験の核物質を採取できなかったが、米空軍のWC135大気観測機や韓国政府が浮遊塵の核物質を検出したと公表した。それを受けて、日本も公式に北朝鮮の核実験実施を認証した。

しかし今回、頼みのアメリカと韓国から核物質検出の発表がない。

それより変なのは、日本でそのことが全く問題にならないことである。北朝鮮の核実験を疑うことは、これから北朝鮮に課する制裁の邪魔になると思うからか。

中国やロシアが浮遊塵の核物質を検出しても、北朝鮮への国際的な制裁を回避するために情報を出さないことは理解できる。しかしアメリカ、韓国が情報を封じることはないと思うのだが。

もし本当に米韓両国も放射性物質を検出できなかったなら、日本のように正しく情報公開をすべきと思う。そして北朝鮮の核実験が偽装された可能性を排除しないことである。爆発力4キロトン(TNT火薬4000トン分)クラスの地下爆発なら、多少の時間と労力をかければ不可能ではない。

第2次朝鮮戦争に備えて掘られた地下弾薬庫を活用すれば、意外と簡単に偽装できるように思う。

嘘つき北朝鮮なら、それくらいの謀略はやりかねない。



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