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2010.10.12

 豪雨 ハクサイ不足 北朝鮮もキムチ危機 資金不足で輸入できず 

カテゴリ北朝鮮出典 毎日新聞 10月11日 朝刊 
記事の概要
今夏の豪雨で韓国に続いて北朝鮮でもハクサイが不足しているようだ。米政府系の「自由ラジオ放送」(電子版)が8日、中国の中朝国境地帯で活動する貿易商人の話として伝えた。

韓国は天候の回復や政府の緊急対策(中国から輸入など)で価格の暴騰は沈静化に向かっている。

しかし資金のない北朝鮮では、中国からの緊急輸入もままならないという。

中国遼寧省丹東の中国人商人は、「北朝鮮に金があるなら、ハクサイよりももっと逼迫(ひっぱく)した食糧購入に回さなければならない。ハクサイを中国から購入する余裕はない」と説明した。

別の商人は、「北朝鮮のトラックの運転手が、ハクサイを10株、20株と注文するので、面倒だ」と語った。

一方、韓国の朝鮮日報によると、ソウルにある小売店での価格は、9月末に史上最高の1株1万3800ウオン(約1000円)に暴騰。しかし7日には5600ウオン(約410円)と、例年の4〜5倍の水準に、まで低下した。
コメント
本日は「新聞休刊日」のため、この記事は昨日の新聞記事です。

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この米政府系の「自由アジア放送」だが、日本人ならアメリカの心理戦として、ウソや謀略情報(過大情報など)を放送する可能性はないのかと疑うだろう。

それをやろうと思えばできる。しかしそれは最後の最後にやることで今の段階でそれをやれば「自由アジア放送」の命取りとなる。

だから今の段階はウソや過大させた情報は流せない。また、北朝鮮当局にとって都合のいい情報も流さない。

むろん、「自由アジア放送」の運営資金は米CIAからでていることは間違いない。情報を遮断された北朝鮮の国民に正しい情報を知らせるためである。だから普段の放送では自己否定に繋がるウソをついてはいけないのだ。

しかし最後の最後に謀略を行う可能性は否定しない。ただしその謀略も誰もが真実を報じていると信じているから謀略が成功する。

一例を挙げよう。第2次大戦中にドイツが占領地に作った放送局は、毎日のニュースや天気予報を正確に報じることで信頼されていた。しかしドイツ軍がその地で連合軍に大敗した時、この放送局はドイツが大勝したとウソを報じたのである。

そのため、放送を信じた者たちはドイツ軍に対する暴動に立ち上がれなかった。その間に、大敗したドイツ軍がこの地域から安全に撤退することができた。

この放送局の任務は、ドイツ軍が大敗した時、敗走するドイツ軍を安全に逃がすための謀略放送局だったのである。そのために普段は真実を放送し、リスナーの信頼を得たのである。

だから今の段階では、北朝鮮でこの放送を聞いても、身近な話題で真実だと思うことができる内容を報じている。

日本の大本営発表にように、自国民を騙して士気高揚をすることが放送の心理戦ではないのだ。



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