最新記事へリンク

所長
神浦元彰
軍事ジャーナリスト
Director
Kamiura Motoaki
Military Analyst

English Column of This Month!VOICE OF Mr.KAMIURA

What's new

日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。(1999年11月)

2010.10.11

 北、軍事パレード 新型ミサイル?登場 射程3000キロ以上、8基確認 

カテゴリ北朝鮮出典 産経新聞 10月11日 朝刊 
記事の概要
北朝鮮の労働党65周年を祝い10日、平壌で行われた軍事パレードと閲兵式で、金正日総書記の後継者に確定した三男の正恩氏が、10万人を超える市民や観衆が見守る中、ひな壇に姿を見せた。

北朝鮮は今回の軍事パレードと閲兵式を、国内の朝鮮中央テレビが実況中継したほか、日欧米の一部メディアにも取材を許可し、異例の態勢で臨んだ。内外に”金王朝の3代世襲」を強く印象付ける狙いがあったとみられる。

軍事パレードは約2時間にわたって続き、過去最大規模になったとみられる。軍事パレードが行われたのは、軍創建75周年の07年4月以来3年半ぶり。

戦車部隊や対空砲部隊のほか、中距離弾道ミサイル「ムスダン」とみられる新型ミサイルも登場した。

ラジオプレスによると、ムスダンは旧ソ連製の潜水艦発射弾道ミサイル「SSN6」を北朝鮮が陸上発射型に改良したもので、射程3千キロ以上、パレードではミサイル発射台つき車両に搭載され、8基が確認されたという。

韓国の聯合ニュースによれば、パレードには中距離弾道ミサイル「ノドン」(射程1300キロ)のほか、短距離ミサイルのスカッドB,Cと推定されるものもみられたという。
コメント
今回、戦車がパレードに登場したことはわかったが、どのような戦車で何両が参加したことがわからない。また軍事パレードから姿を消していた自走砲や航空機(小型のプロペラ機やヘリは除く)が登場したか不明である。

以前なら、私は軍事パレードが始まる前からテレビ局に待機し、夕方のニュースに間に合うように、外国の通信社から配信されるパレードの画面を見ながら解説するのが普通だった。

しかし今回は、事後の兵器の解説を含めて、日本のメディアから軍事パレードに関する問い合わせはまったく無かった。

それだけに、今回の軍事パレードの主役は後継者の正恩氏の映像だったこととわかる。その点では、北朝鮮は世界中のメディアを通じて正恩氏の後継を強く印象づけることに成功した。

ーーーーーーーー

こうした北朝鮮の姿勢について、韓国の康仁徳(カンインドク)元統一相は、「パレードには軍事的に驚くような内容はなかった。金正恩の姿も、既に公開されている。そうした中で、海外を含めたメディアを総動員したのは、『世界に開かれた新しい世代が登場した』というイメージのためではないか」と話す。(この部分、毎日新聞 10月11日 朝刊より)

ーーーーーーーー

さてムスダンのことだが、射程が3000キロ以上といっても、北はイランに運搬して発射実験を行ったかもしれないが、ムスダンの発射実験が成功して命中精度がどれくらいか全く分かっていない。

だからムスダンらしきものが姿を現しても脅威にはならない。またムスダンの先端部をみると、小型核弾頭を搭載できるタイプと推測されるが、北が小型核弾頭の開発に成功したという話も聞かない。

だったら、北朝鮮はムスダンの先端(弾頭部)に核物質を示すマークを描いた方がわかりやすかった。(ジョークです)

それにしても北の徒歩部隊の歩き方だが、あのスタイルでは足の膝の関節に相当悪いように思える。あの歩調でパレードを行う兵士に同情する。

ともあれ、軍事パレードのために使った燃料と整備部品のために、北朝鮮軍はさらに疲弊したことだけは確かである。北朝鮮軍が暴走する可能性が低くなった。まずはそれを以て、今回はヨシとしたい。



関連記事