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2010.08.10

 韓国の海上機動演習中 北方限界線向け 北朝鮮軍が砲撃 韓国軍に被害なし 

カテゴリ北朝鮮出典 毎日新聞 8月10日 朝刊 
記事の概要
韓国軍当局によると、北朝鮮軍が9日午後5時半ごろ、断続的に、北朝鮮南西部の沿岸から国連軍が設定した黄海上の軍事境界「北方限界線」(NLL)に向けて砲撃した。

砲弾は100発以上に上ったが、砲弾は韓国側には至らなかった。

韓国側に被害は出ていない。

韓国軍は、海軍哨戒艦沈没事件を受けた北朝鮮への対抗措置で、5日から9日まで海上機動演習を黄海で実施していた。
コメント
8月3日に北朝鮮軍前線西部地区司令部が、この韓国軍の対潜演習に対して「強力な物理的打撃で鎮圧する」と宣言していた。

しかし誰もいない海に向かい、130発の砲弾を撃つことが、物理的打撃になるとは知らなかった。

しかし鎮圧したことは間違いない。韓国の対潜演習の終わる頃を狙って、砲弾を発射すれば、砲撃とは関係なく5日間の演習は終了する。

それを以て、北朝鮮では「鎮圧した」と呼ぶのだろうか。

北朝鮮軍は潜水艇による待ち伏せ攻撃は出来ても、韓国軍の水上艦艇30隻、航空機50機、陸海空軍と海兵隊員4500人、潜水艦3隻を投入した韓国軍の演習には「手も足も出なかったようだ。(産経新聞 8月10日 朝刊より)

ひとまず北朝鮮では、3月27日の韓国軍哨戒艦沈没事件で始まった軍事騒動は、これで熱い軍事の季節は終了することになる。

9月上旬には労働党代表者大会が開かれ、「最高指導機関選挙」のための人選を行うという。言うまでもなく、金正日の後継者として、三男のジョンウン氏を選任する政治的な儀式のためである。

北朝鮮では熱い政治の季節の始まりである。

しかし韓国、アメリカ、そして中国も、北朝鮮が再びジョンウン氏を粉飾するために、あらたな軍事攻撃や核実験を試みる可能性があると見ている。

北朝鮮は昨年12月に、秘密裏に韓国政府に接近し、南北首脳会談を持ちかけ、見返りに化学肥料を要求している。しかし韓国政府がこの要求を拒否すると、3月に哨戒艦攻撃を仕掛けたとの情報もある。

間もなく北でも、秋の収穫期を迎えるが、春に肥料をまかなかった田畑から、収穫量が激減することは間違いない。

やがて厳しい冬の季節を迎えることになるが、冬の飢餓と寒さに北朝鮮の人々は心細い不安な気持ちで過ごしていると思う。

それにしても昨日、米空母ジョージ・ワシントンがベトナムに入港した。アメリカは先日、黄海での空母演習を発表したが、今度は中国が最も嫌うベトナムに空母を入港させた。

今、中国とアメリカの間で何が起きているのか。



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