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2010.07.28

 沖縄海兵隊 グアム移転 最大6年遅れ 米、2014年断念を発表 

カテゴリイスラエル出典 読売新聞 7月28日 夕刊 
記事の概要
米国防総省の統合グアム計画事務所は27日、沖縄に駐留する米海兵隊約8000人のグアム移転に関する環境影響評価書の最終版を公表し、日米両政府が合意した「2014年」の移転完了を断念する方針を正式に発表した。

新たな期限は「今後、決定される」としながらも、環境への影響を軽減するため、移転を最大でも6年間遅らせ、20年を完了期限とする「試算」を掲示している。

評価書によると、環境への影響軽減措置として、@海兵隊員の移転速度の緩和 A基地建設の速度がグアムのインフラ能力を上回らないように調整する「適応性のある計画管理」ーーの手法を導入する。

沖縄から移転予定の海兵隊員8552人に短期滞在の2000人を加えた1万552人のうち、14年は「2468人」の移転にとどめ、17年に完了する試案を提示した。

さらに海兵隊の移転速度緩和に「適応性のある計画管理」を組み合わせた場合の試算として、14年に「2019人」、17年に「7408人」と段階的に増やし、20年に移転を完了する案も示した。

グアムのインフラ整備に関しては、日本政府が7億4000万ドル(約650億円)を上下水道などの公益施設整備に拠出するとした上で、「日本政府から必要な拠出の獲得に失敗した場合、拠出が行われるまで基地建設を凍結する必要がある」と指摘した。

日本政府は、事前に米政府から最終版を受けとっており、こうした内容を把握している。ただ、新たな移転完了の期限について、「正式な提案はない」(日本大使館筋)としている。
コメント
机上の空論の2017年の移設完了は無理だと思う。2020年に移転を完了できればいいほうだ。

グアムのインフラ建設工事に従事する作業員の人口増加だけでも、島外から数千人の人口増加を見込む必要がある。

それに年間100万人を超える観光客の受け入れも増加する可能性がある。建設工事の増加で地元に落ちるお金が増え、それに観光経済も刺激されて観光客が増える傾向になるからだ。

グアムのタモン湾付近の観光地が、ラスベガスのように夜に輝く街になる可能性もでてくるのだ。

それにしても、移転完了の2014年が移転開始の14年になるとは、いかに今までのグアム移転計画がずさんであったかを証明している。

それに移転する対象人数も、海兵隊員8552人に短期滞在の2000人を加えた1万552人と実数に近い人数に修正した。

この中には普天間の航空部隊もグアムに移し、沖縄には海兵隊司令部だけを残す案が生きていると思う。

その是非を決めるのは北朝鮮情勢で、北の体制が14年(17年か)までに崩壊すれば、沖縄には司令部だけの機能が残ることになり、佐世保、岩国の海兵隊の艦船・航空機部隊もグアムに移転することが軍事的合理性に適合している。

私は今でも辺野古に約8000億円(一説には4000億円)の新基地を作る必要はないと思っている。戦闘部隊がグアムに行けば辺野古は使わないのである。

それでも必要という裏には、外務省の基地利権を手放したくない根性が隠されていると思う。

沖縄に海兵隊の戦闘部隊が駐留するのは、沖縄を守るためで、抑止力のためであると説明した外務省のあの論理である。

しかし沖縄から戦闘部隊のすべてがグアムに移駐すれば、沖縄の海兵隊の抑止力という論理は根拠を失うことになる。

アメリカの海兵隊に北朝鮮が消滅すれば、沖縄に置いておく理由などないことがわかるだろう。



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