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2010.04.08

 在沖海兵隊「1万8000人」 米軍幹部「日本が言った数字」 根拠のない数字 

カテゴリ沖縄問題 出典 毎日新聞 4月8日 朝刊 
記事の概要
「在沖海兵隊の定数が1万8000人という根拠は何か」。4月5日、沖縄県北谷町など4市町村にまたがるキャンプ端慶覧。沖縄等米軍基地問題議員懇談会会長の川内衆院議員が、在沖米軍トップのロブリンぐ4軍調整官に尋ねた。

これは現行計画のグアムに8000人移転した場合、政府が移転後に沖縄に残るとしている「定数1万人」を足した数字だ。

沖縄県の調べでは在沖海兵隊は1万2400人(08年9月末時点)。

さらに北沢防衛大臣が今年2月、「イラク、アフガンに行っているので、実数は4000人〜5000人」と述べるなど、数字の根拠にあいまいなことへの追求だった。

「1万8000人は守屋(元防衛次官)が出してきた数字だ。そのまま信じるわけにはいかない」と畳みかける川内氏に、「l agree (その通り)」と同意しながらも答えられず、「部下に答えさせる」と退席した。

代わったエリドリッジ次長は「それは日本政府が言った数字だ。私たちの責任ではない」と言い放った。

政府は2日に閣議決定された答弁書で「1万8000人」を「06年5月の日米合意に至る協議の中で米側から説明を受けた」としたが、エルドリッジ氏の発言はこれを真っ向から否定するものだった。

川内氏は「1万8000人にまったく根拠がないことを米側が認めた」と語った。

「『定数1万8000人』は普天間代替施設を建設するための大儀名分だ」。普天間基地を抱える宜野湾市の伊波市長は指摘する。
コメント
在沖海兵隊の隊員数は、沖縄県基地対策室が5年ごとに公表する「沖縄の米軍基地」に詳しく書かれている。

1万8000人という数字は、まったく根拠がない政治的な数字ということは多くの人が知っていたと思っていた。しかし多くの軍事常識が間違ったまま広まっていることもあって、どうせその一種ぐらいにしか考えていなかった。

私は在沖海兵隊の実数は1万2400人(沖縄の米軍基地)で、その内の8000人がグアムに移り、残った4400人が普天間基地の航空隊要員(実際はもっと少ない)で、これが代替施設に移動する人数と思っていた。

しかし06年7月に太平洋軍司令部が公表した「グアム統合軍事開発計画」と、08年8月の国防総省が承認した「グアム軍事統合マスタープラン」には、普天間飛行場の航空部隊もグアムに移転すると書かれていた。

なぜ、普天間の飛行部隊がグアムに移転するのに、沖縄に代替施設が必要になるのか。

それも米政府から、先月になって新基地は海兵隊を統一運用できる条件が課せられた。

だから米政府(米海兵隊)が、グアムの第2基地(予備)の建設を沖縄にすることと私は推測したのである。

このあたりの事情を、米側は日本政府の軍事無知を悪用して、何も説明していないのだ。

普天間移設先の混乱は、その責任がアメリカにないとは言わせないと思ったの、このような理由があったからだ。

今のままでは、普天間飛行場の継続使用(駐留なき)の現実味が増している。沖縄全体を第2グアム基地として活用するためである。

それでは沖縄の基地負担が軽減されないし、米軍基地が日本に返還されることもなくなる。

そろそろまともな議論が出来る環境が出てきたと思っていたが、今回の川内氏の指摘はその一歩になったと思う。

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この記事のことをツイッターに書いたら、「正しい情報ならソースを明かせよ」とメールが殺到した。今朝の全国紙の記事を公表しろいわれても、困ってしまう。これは、とんでもない秘密情報を暴露したと思っていたのだろうか。

軍事情報は新聞記事の読み方次第で大半が把握できる。



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