最新記事へリンク

所長
神浦元彰
軍事ジャーナリスト
Director
Kamiura Motoaki
Military Analyst

English Column of This Month!VOICE OF Mr.KAMIURA

What's new

日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。(1999年11月)

2015.05.29

 南シナ海 「中国、人工島に兵器」 豪紙が報道 米が批判 

カテゴリ 南シナ海問題 出典 毎日新聞 5月29日 夕刊 
記事の概要
周辺国が島などの領有権を争う南シナ海で、中国が埋め立てて造成した人工島に兵器を設置した、とオーストラリアのメディアが27日、報じた。

豪州当局者は今後、長距離レーダーや対空砲、偵察用航空機が配置され主要海運路が中国の軍事的な影響範囲に入ることを懸念しているという。

米国務省のラスキー報道部長は28日、兵器導入には明確に言及しなかったが「領有権問題がある区域の軍事化に反対する」と発言。

南シナ海での中国の行動は「非脅迫的な方法で対立を解決するとの周辺地域の合意に反する」と批判した。

豪紙シドニー・モーニング・ヘラルドによると、兵器導入を受け、豪軍幹部は日本やマレーシアなどと連携して、問題海域での航行、飛行や演習などを行って中国に対抗する選択肢を検討している。

豪情報機関も中国の脅威評価を改定し、「現状を容認すれば中国が強制力を増し、領有権問題のある地域への出入りを規制するようになりかねない」と警告する見通しという。

同紙によるとオーストラリアのリチャードソン国防次官は27日、「中国軍の規模と近代化を踏まえると、軍事目的の埋め立ては特に懸念される」と述べ、南シナ海情勢を問題視する姿勢を強調した。

オーストラリアは7月、米国と続けてきたアジア太平洋地域で最大規模の軍事演習「タリスマン・セイバー」を実施する。

日本の自衛隊も初参加し、上陸や空挺(くうてい)作戦など実戦的訓練を行う予定だ。

一方、ラスキー報道部長は、カーター米国防長官が27日の演説で中国に埋め立ての即時中止を求めたことに触れ、事態の平和的解決を呼びかけた。

一方で、米国は中国が埋め立てた岩礁付近の航行、飛行は「国際法が許す限り継続する」と改めて述べた。

米国は水面下の岩礁を埋め立てた人工島には国際法上、領有権は認められないと主張している。

米軍が最近、南シナ海の南沙(英語名・スプラトリー)諸島付近に哨戒機を飛行させた際、中国海軍は「軍事警戒区域」に接近していると主張して即時退去を求めるなど、外国軍の接近を拒否する姿勢を強めている。
コメント
この緊張した状況下で、中国が兵器類を人工島に搬入したとは信じられない。その兵器の名前や種類がわからないが、軍事常識に従うなら個人防護火器である可能性が高い。

個人防御火器でも、拳銃や自動小銃からサブマシンガン(短機関銃)や軽機関銃がはいる場合が多い。

さすがに重機関銃や携帯式対戦車ロケット砲(ROG7)は個人防御火器には入らないと思うが、中国軍の常識なら島に持ち込んだ可能性もある。

私は携帯式対空ミサイル(携帯SAM)を持ち込んでいないことを願う。これからアメリカ軍は人工島の上空を軍用機で飛行すると思うが、携帯式SAMがあれば、高度5000メートル以上の射程外(アウトレンジ)を飛行させるが、いつでも地上の携帯SAMを攻撃できる手段を取る。

中国政府は南シナ海の人口島をめぐる情勢が、軍事的に極めて緊張していることに気がついているのだろうか。




関連記事