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2015.05.26

 集団的自衛権行使を容認へ安倍政権、今国会成立目指す 野党全力で阻止・安保法案審議 

カテゴリ自衛隊政策出典 時事通信 5月26日 電子版 
記事の概要
安倍政権が最重要課題に位置付ける安全保障関連法案が26日午後の衆院本会議で審議入りする。

法案は、集団的自衛権の行使を限定容認し、外国軍の後方支援など自衛隊の任務を拡大することが柱で、専守防衛を掲げてきた日本の安全保障政策を大きく見直す内容。

政府・与党は今国会での成立を目指すが、民主党など野党は自衛隊の活動に「歯止め」がなくなると主張、成立阻止に全力を挙げる構えだ。

本会議では、中谷元防衛相が趣旨説明を行い、自民党の稲田朋美政調会長が質問。安全保障法制見直しの必要性などについて、安倍晋三首相らに説明を求める。

続いて民主党の枝野幸男幹事長が質問に立ち、先の党首討論で「一般に海外派兵は許されていない」と答弁した首相と、他国領土での武力行使の可能性を否定していない中谷氏との発言の食い違いを追及。

与野党の論戦が本格化する。

関連法案は、自衛隊法、武力攻撃事態対処法など関連10法の改正案を束ねた「平和安全法制整備法案」と、自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法「国際平和支援法案」の二本立て。

法案では、わが国の存立が脅かされる明白な危険が生じる場合は、日本への武力攻撃がない場合でも「存立危機事態」と位置付け、集団的自衛権の行使を可能とする。

また、国際平和支援法案に基づく自衛隊派遣では、例外なく国会での事前承認を義務付けた。

本会議に続いて衆院平和安全法制特別委員会が開かれ、中谷氏から法案の提案理由説明を聴取。

首相と関係閣僚が出席した同委員会での実質的な審議は27日から始まる。
コメント
北朝鮮を想定した敵地攻撃に対して、安倍首相、菅官房長官、中谷防衛相と、各自がバラバラな見解を表明している。

これから自衛隊員が課せられるリスクについても、バラバラである。

これは与党内でよく練られていないというよりも、それぞれが別々の方向を向いて、互いに擦り合わせをしないで、思い思いに勝手な見解を述べているためではないか。

これから軍事のリアリティが挑んでくれば、与野党ばかりか、与党(自民と公明)内や自民党内からも異議が出てくるだろう。

ことは自衛官ばかりか、国民の生命(戦死)にも関係する重大事項である。机上空論では通用しない。その空論に対して、軍事のリアリティが試される。

軍事のリアリティを知る自衛官たちは、これからの国会の議論に注目する。

このままでは、自衛官の命はアメリカに差し出す”生け贄(いけにえ)”でしかないからだ。

2003年、イラクのサマワに陸上自衛隊の部隊を派遣すると決まった時、「(アメリカのために)そんなに自衛隊員の命を差し出したいなら、若い奴を殺すな。おれが代わりに死んで来てやる」と男泣きした同期生(大隊長)の姿が忘れられない。




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