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2015.05.16

 陸自 統一司令部「陸上総隊」を17年に創設 司令官はナンバー2 

カテゴリ自衛隊政策出典 毎日新聞 5月16日 朝刊 
記事の概要
防衛省は15日、陸上自衛隊の全国5方面隊などを束ねる統一司令部「陸上総隊」を、2017年度をめどに陸自朝霞駐屯地(東京都練馬区など)に創設すると発表した。

東日本大震災で部隊間調整が不十分だったことや、沖縄県・尖閣諸島など南西諸島の防衛を担う「水陸機動団」の新設で海、空自との統合運用の必要性が高まったことを踏まえた対応。

約300人で構成され、司令官は陸自トップの陸上幕僚長に次ぐナンバー2ポストとなる。
コメント
新たな司令部の設置だが、陸海空の統合運用のためなら、すでに統合幕僚監部(統幕)が新設された。

また、東日本大震災では阪神大地震を教訓にして、東北方面総監部が陸海空と米軍との調整をおこなっている。

また、この記事にあるように、「陸上自衛隊の全国5方面隊などを束ねる統一司令部」という文章の、「など」という部分である。

ならば、この陸上総隊・司令部は、中央即応集団(神奈川県・座間市)の指揮権を持つことを意味しているようだ。方面に属さない第一空挺団、第一ヘリ団、中央即応連隊の指揮権である。

今までは、防衛大臣の命令は各方面総監に行き、方面総隊ごとに動き出していた。だから陸幕には命令権がなかった。(これは自衛隊のクーデターを防ぐためと言われたこともある)

陸上総隊司令部が設置されれば、防衛大臣の命令は総隊司令官に行き、そこから方面総監に行くか、中央即応司令官に行くことになる。

そのため総隊指揮官は強い命令権限を持つことになる。階級は陸幕長が上でも、それ以上に強い権限を総隊指揮官が持つ可能性がある。

また、仮に陸幕長の任期が2年間とすれば、防大が16期、18期、20期と偶数期で交替していく。そこで奇数期の防大の17期、19期、21期を総隊司令官にすれば、陸自のトップ争いの弊害を解消できることになる。

日本版NSCは、この陸幕長になれない防大期を制服自衛官として入れたいといっていたが、これは日本版NSCの自衛隊支配を防ぐための新組織なのか。

また、海自は横須賀に日米両軍の司令部を置いている。空自は横田基地に日米両軍の司令部を置いた。陸自は、米陸軍の座間を避けて、朝霞駐屯地に陸自総隊・司令部を置くことになる。

まあ、南西諸島防衛戦略では、陸海空自衛隊の連携は欠かせない。次は統幕監部に代わる陸海空の統合司令部が出来るのだろうか。司令官は各幕僚長より上で、統幕長より下の全自衛隊のナンバー2のポストである。




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