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2015.05.14

 韓国報告 北朝鮮、強まる恐怖政治 軍ナンバー3粛清 正恩政権 増える処分 

カテゴリ北朝鮮出典 朝日新聞 5月14日 電子版 
記事の概要
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)第1書記の側近の一人、玄永哲(ヒョンヨンチョル)人民武力相(66)が「反逆罪」で粛清されたと、韓国の情報機関、国家情報院が13日、明らかにした。

正恩氏の意向に逆らえば、最高幹部でも粛清を免れないことを改めて示し、「恐怖政治」で体制を固める狙いがあるとみられる。

玄氏は軍総参謀長などを経て昨年6月、人民武力相に就任。

正恩氏が各地で行う現地指導に頻繁に同行していた。

軍では最高司令官の正恩氏、軍総政治局長の黄炳瑞(ファンビョンソ)氏に次ぐ地位とされる。

最近、北朝鮮と関係を深めているロシアも訪れ、昨年11月にはプーチン大統領、今年4月にはショイグ国防相とそれぞれ会談。

その時点では正恩氏の信頼を得ていたとみられる。

韓国の国家情報院による国会情報委員会(非公開)への報告によると、玄氏は4月27、28日の行事に参加する一方、30日の軍訓練指導官大会参加者と正恩氏との記念撮影に参加しなかったことから、粛清時期をこの頃と推定した。

数百人が見守るなか、高射機関銃で公開処刑されたとの情報もあるという。

ただ、韓国政府内や専門家の中には、正式発表がないことや、北朝鮮メディアのサイトなどに玄氏の名前や写真が残っていることなどから、処刑には懐疑的な見方もある。

国家情報院は、粛清の理由ははっきりしないとしながらも、玄氏が正恩氏への不満を表し、指示に従わなかったことも数回あったと分析。

正恩氏の演説の際に居眠りをしていたことが、問題視されたとの情報もあるという。

北朝鮮関係筋は「もし粛清、それも処刑が事実とするなら、『指導者の権威に対する挑戦』が理由としか考えられない。どこかで不満を漏らしたことが、伝わったのではないか」と言う。

正恩氏は経済建設と核開発の「並進路線」を進める中で、軍に配分されていた予算を経済分野に振り向けているとされる。

それでも成果を求められることへの不満が軍内部にあると指摘されている。

60代後半の玄氏のような旧世代の軍人が、正恩氏の矢継ぎ早の指示に戸惑うケースも想像に難くない。

韓国の専門家は「解任だけならまだしも、処刑が本当なら何か大きな理由があるはずだ」とし、正恩氏が9日にモスクワであった対独戦勝70周年記念式典に参加しなかったことと関係がある可能性も指摘する。

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※ 金正恩政権 増える処刑

金正恩氏が最高幹部に就いてから、幹部らの粛清や解任が相次いでいる。

張成沢氏は処刑され、李英○軍総参謀長や金正覚人民武力相は解任・左遷された。

韓国の国家情報院によると、幹部の処刑は12年は3人、13年が約30人、14年が31人、今年は8人になるという。

政権発足から4年で10人余りを処刑したしたとされる父親の故金正日総書記時代と比べても多い。

処刑後に火炎放射器で遺体を焼き、痕跡を消すケースもあるという。

神浦ーーー※の部分は電子版にはありませんが、朝刊の紙面には掲載されていますので、転載しました。
コメント
処刑した遺体を火炎放射器で焼くのは、死後、墓も作らせないという宗教(儒教)的な意味があるのいではないのか。

また高射機関砲を使うのは、通常は銃殺で心臓や頭を狙って殺害するより、高射機関砲がはるかに威力(破壊力)が強い上に、多数の銃弾で身体(骨格も)をバラバラにするため、残忍性を高める効果と思う。

昔なら、牛や馬を使った「八つ裂きの刑」である。

政治的には、これは独裁政権の末期症状で、思い通りにならないことを主要な部下のせいにして、自分の責任を回避し、部下に恐怖心でさらなる忠誠を求める行為でしかない。

北朝鮮が潜水艦発射の弾道ミサイル(水中発射)を開発することなど無理なのである。北には合成写真で作るしかできないのだ。

米ソでも、最初のSLBMは潜水艦が海面に浮上して発射する式だった。潜水艦搭載の弾道ミサイルの水中発射はそれほど難しい。

金正恩第一書記が軍部に対して潜水艦発射の弾道ミサイル(SLBM)の発射実験をやれといっても、はなから無理なのである。

それを自分の言うことを聞かないと怒ってもしかたない。出来ないものは出来ないのである。

もはや金正恩第一書記に独裁者(恐怖政治)としても、統治能力はないとみるべきで、あとは時間の問題と思う。

中国が北朝鮮を助ける理由もなくしている。まさに墓穴を掘るだけの北の粛清である。




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