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2015.05.10

 安倍政権 閣議平均13分 発言の事前提出で形骸化 

カテゴリ安倍政権出典 毎日新聞 5月10日 電子版 
記事の概要
安倍政権が今年3月までの1年間に開いた閣議、閣僚懇談会の平均所要時間は約13分で、閣僚の発言の大半は事前提出した文書の朗読だった。

国民への説明責任を果たすとして政府が昨年4月から作成・公開している議事録から、閣議と閣僚懇談会が形骸化している実態が浮かんだ。

閣議は首相ら全閣僚が出席して定例で週2回開き、政府提出法案や政令、国会議員の質問主意書に対する答弁書などを決定する。

引き続き開かれる閣僚懇談会は所管に関わらず自由に意見交換する。

いずれも非公開で、明治時代の内閣制度創設以来、議事録も作られていなかったが、安倍政権は昨年4月から作成を始め、約3週間後に首相官邸ホームページで公開している。

毎日新聞が議事録を調べたところ、昨年4月1日から今年3月31日で閣議・閣僚懇談会は105回開かれ、3分の1の35回は10分未満で終了。

最長は今年2月10日の42分だったが、通常国会の施政方針演説案の朗読に多くが費やされていた。

集団的自衛権の行使容認を決めた昨年7月1日の臨時閣議は23分かかったが、ほとんどが決定案の読み上げ。続く閣僚懇談会では誰も発言しなかった。

菅義偉官房長官は昨年9月、閣議・閣僚懇談会での発言は原則として事前に文書で提出するよう求めていた。

このため、事前提出以外とみられる発言があるのは全体の5分の1以下の20回程度に過ぎず、いずれも閣僚懇談会だった。

地方の産科・小児科不足(小野寺五典・元防衛相)や大雪の孤立集落対策(山口俊一沖縄・北方担当相)を訴える発言、錦織圭選手のテニス全米オープン準優勝をたたえる発言(竹下亘復興相)があった。

2012年の政府の調査では、日本と同じ議院内閣制を採る英国の閣議は週1回で通常1時間半開かれる。

ドイツも週1回で平均1時間半開き、最短で約5分、最長で約3時間議論している。

NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は、「形式的なものを公開しても政策決定過程を検証できず、説明責任を果たしたとは言えない。手続きが国民に分かるような仕組みを作るべきだ」と批判している。
コメント
これは昨日の電子版だが、毎日新聞の本日(11日)の朝刊に「議論場面少なく 意思決定たどれず [閣議と閣僚懇 議事録公開]」という特集記事が掲載されている。

特集記事も同じ記者が書いたものである。

ぜひ、この件で関心を持たれた方は、本日の朝刊の特集記事も読むことを勧めます。

今日の産経新聞によれば、これからは閣議やNSCの審議も電話で可能にするようだ。各省庁間の緊密な協力と対処能力を向上するためという。

しかし現在の閣議さえも形骸化しているのに、電話連絡だけで審議が完了すれば、政治家や官僚の暴走をチェックするものはいなくなる。

また国民が政府の動きを監視することも不可能だ。さらに特定秘密保護法までも加われば、政治家や官僚のやりたい放題で、メディアなどのチェックはできない。

日本という国が根底から作り替えようとさえている。かつてドイツと組めば敵なしとして日独伊軍事同盟を結んだ同じ理由である。

日本国民は軍国主義や戦争ではなく、軍事力に依存しない平和大国を決意したと思っていた。

どうやら違う考え方の政治家や官僚が、暴走を始めている。




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