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所長
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Military Analyst

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2015.05.01

 安倍首相 北朝鮮・中国を名指し ガイドライン改定巡り 

カテゴリ安倍政権出典 毎日新聞 5月1日 朝刊 
記事の概要
安倍晋三首相は30日放送の日本テレビの番組で、自衛隊と米軍の役割分担を規定する日米防衛協力の指針(ガイドライン)の改定について「アジア太平洋には北朝鮮の脅威がある。同時に中国による南シナ海、東シナ海の活動と軍備拡張もある。

そうしたものにしっかりと対応していく新しいガイドラインをつくった」と述べ、中国や北朝鮮への対応のためと明言した。

防衛政策を説明するには、特定の国を名指しせず摩擦を回避するのが通例で、名指しするのは異例だ。

首相はこの後、「ガイドラインは特定の国を対象としたものではない」とも述べたが、「日本の領海や排他的経済水域に入ってくる船や公船がある。抑止力としての日米同盟であったことを忘れてはならない」と、念頭に中国があることを改めて示唆した。

インタビューは30日未明(米国時間29日午後)に収録された。
コメント
この発言は中国や北朝鮮に向けられたものではなく、安倍氏はアメリカに向けて発言したものだと思った。

安倍首相は中国と北朝鮮との戦争にアメリカを呼び込むためである。だからこの発言に当惑するのはアメリカである。

日本(安倍政権)が単独で中国と戦争できる訳がない。あくまでアメリカの軍事力を背景にして日本が戦うことが絶対条件である。

しかしアメリカは中国に対して、軍事力での直接対決を避けているところがある。明らかにソ連時代の米ソ冷戦とは違う対応である。

逆に安倍政権の東アジア戦略は、日本の対中国対決路線にアメリカを巻き込むことである。

アメリカは中国軍が暴走しなければいいと考えている。中国軍が暴走を止めれば、中国と軍事対決する必要はないとしている。

しかし今回の安倍首相の発言のように、アメリカは対中国戦略で安倍首相の暴走を警戒し始めている。

中国にとって安倍首相のような単純な好戦的なやり方は、軍事力ではなく外交力で簡単に孤立させることができる。まさに中国人が最も得意とするやり方である。

それが日本の外交の敗北となる。日本は中国と戦争が出来ないからだ。




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