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2015.04.30

 正恩氏、幹部ら15人処刑 命令異議 見せしめ 

カテゴリ北朝鮮出典 読売新聞 4月30日 朝刊 
記事の概要
韓国の国家情報院は29日の国会で、金正恩キムジョンウン第1書記が今年に入って幹部ら15人を処刑したと報告した。

最高指導者になって以降、処刑された幹部は2012年が17人、13年は10人、昨年は41人に上っている。命令に異議を唱えたことなどを理由に、見せしめに処刑する「恐怖政治」を続けている。

報告によると、1月には森林緑化に不満を漏らした林業省次官を処刑。

2月には平壌市内に建設する「科学技術殿堂」の設計を巡り、「花の形にしろ」という金第1書記の指示に「様々な問題点がある」と語った国家計画委員会副委員長も処刑された。

3月には金第1書記の妻、李雪主氏が歌手として所属していたとされる「銀河水管弦楽団」の総監督ら4人が、スパイ容疑で処刑されたという。

また、報告では、結婚・妊娠説が出ていた金第一書記の実妹、予正氏が5月中にも出産する可能性を指摘。夫は大学時代の同期生との見方があるという。
コメント
独裁者とは残酷なものである。自分に反抗や反対するものはもちろん、批判や疑問を抱く者も処刑して、独裁者の権威を保とうとする。

その独裁者への最大の抵抗は独裁政治を否定することである。

独裁にも”良い独裁”と”悪い独裁”があるなどという馬鹿馬鹿しいことをいわずに、権力を独占して批判を許さない独裁の本質を指摘して否定することである。

私が軍事を勉強し始めた20代の後半、軍事評論家の故小山内宏氏から次のような指摘を受けた。「軍事予測と天気予報は違う。軍事予測で戦争が起きる起きるというと、社会が戦争に向かって動き出すことになる。天気予報で明日は雨と予報しても、雨が降らなければそれで終わりだ。軍事では予測を受けて社会が変化を始める」というものである。

私が北朝鮮の独裁体制が崩壊すると推測したのは1998年頃である。それ以来、今まで北は崩壊すると言い続けてきた。世の中が北朝鮮の崩壊に向けて動き出すことを期待したからである。

その間(20年間)、誰からも北朝鮮が崩壊しないという説は聞いたことがない。北の面倒を見ている中国も、北の体制がいつまでも持続するとは言っていない。

私が北朝鮮は崩壊すると言い続けていると批判されても、北朝鮮が崩壊しないという反論はなかった。

日本の拉致被害者の会の方も、北朝鮮当局と話し合って問題解決をして欲しいと主張していない。北の体制が崩壊してもいいから、北朝鮮に拉致問題の解決に向けた厳しい対応を政府に求めている。

北の独裁体制と話し合って解決するいうのは、日本政府(安倍政権)ぐらいなものである。

私は今回も、北朝鮮の独裁は崩壊すると主張する。金正恩第一書記がモスクワに行っても、中国が北朝鮮に緊急援助しても、北朝鮮は間もなく崩壊すると信じている。

批判的な幹部を処刑して見せしめにしても、1発の銃弾が独裁体制を崩壊させることができるからだ。

日本はその時に備えて、準備を怠ることはできない。北朝鮮の崩壊は近い。日本から食料や医薬品を北に送ることで大量難民が国外に流出することを防ぐことができるからだ。

まずは日本から韓国に援助物資を送り、韓国から北に陸上輸送する方法が最適と思う。海上ルートや輸送機ルートを作るのは北の崩壊の混乱が収まったときからである。

北朝鮮は中国の事情など関係なく崩壊する。




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