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2010.03.17

 県内経済関係者 1020ヘクタール人工島を提案 勝連沖案で北沢防衛相と面談 

カテゴリ沖縄問題 出典 琉球新報 3月16日 朝刊 
記事の概要
普天間移設問題で、沖縄県経済関係者が政府側に伝えられた勝連半島埋め立て案は、うるま市浜比嘉島の沖合1300メートルのリーフ内に約1020ヘクタールを埋め立てて人工島を造成し、3千メートルの滑走路1本と3600メートルの滑走路2本の計3本を有し、浜比嘉島と宮城島をそれぞれ架橋で接続させるものであることがわかった。

航空自衛隊那覇基地や米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の機能を集約させる案という。

この案の提案者は沖縄県商工会議所の太田範雄名誉会長。民主党の犬塚参議員の仲介で北沢防衛相と会った。太田氏によれば、平野官房長官の側近に説明したという。

この案は05年当時の米軍再編で大阪大学准教授だったロバート・エルドリッジ氏(現在は在沖海兵隊の外交政策部(G5)次長)が、米軍再編で提案した案だという。

これは海兵隊の運用にもかなっているとされた。

関係者によると、今回も、エルドリッジ氏が平野官房長官に会い、構想を説明しているという。

この案では、埋め立て面積が辺野古沿岸案の160ヘクタールの6倍に以上になる。

人工島では第1段階として、普天間移設先として約400ヘクタールを埋めて、3千メートルの滑走路を造る。その後、さらに造成して飛行場とヘリポート部分として710ヘクタールを埋め立てる。

そのうち港湾施設区域に50ヘクタール、米軍補給施設に102ヘクタール、自衛隊基地部分として159ヘクタールを造成して空自那覇基地の部隊を移駐させるという。

これは平安座島と宮城島を埋め立てて石油コンビナートを造った際の埋め立て面積約194ヘクタールの5倍となり、環境への影響は避けられない。
コメント
これは昨日の沖縄の新聞記事だが、とうとう埋め立て面積が1000ヘクタールを超え、3本の3000メートル級滑走路に、人工島には軍港や物資集積施設までも含み、護衛用に那覇基地の航空自衛隊まで引っ張ってくるというバブル案が出てきた。

先日の勝連半島沖に200ヘクタール埋め立てて人工島を作る案はこの一部であったという。

このような大風呂敷が通用するとロバート・エルドリッジ氏は本気で考えているのか。

ここで素朴な疑問があるのは、那覇基地の海自P3C部隊が移設してくると触れていない。那覇基地に海自だけ残していけば那覇空港の民間枠拡大にはならないが。

海自のことを忘れていたのか、それとも海自から馬鹿馬鹿しい案に付き合えないと嫌われたのか。また、嘉手納米空軍基地のことも触れられていない。米空軍からも相手にされなかったのか。

まるで沖縄は米海兵隊の島で、巨大基地建設に必要な資金は日本政府に払わせるという殿様気分なのか。

軍隊にはいるんだよね。やたら勇ましく、声が大きければいいとか、大風呂敷を広げれば立派だと思う者が。

ありもしない脅威に危機感を煽ったり、明日にもミサイルが飛んでくると叫ぶ者。本当に迷惑でしかたない。

今日のある朝刊のコラムにも、中国が東シナ海を支配すると危機を煽っているものがあった。冗談でしょう。日米同盟をなめないで頂きたい。それに自衛隊が何もしないで寝ているわけではない。

危機を煽ることが軍事専門家の仕事と思っているから、こんな巨大な”不沈空母”案が平気で浮上してくる。

キャンベル国務次官補が訪日を中止したのは、こんなバブル案をアメリカの指導で日本政府が提案すれば、日本で反米・反基地の嵐が吹き荒れることを危惧した可能性もある。

それほどメチャクチャな案であることに気がついて欲しい。



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