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2015.03.23

 イエメン全土で内戦に発展も 

カテゴリ 中東出典 NHK朝のニュース 3月23日 電子版 
記事の概要
大統領と反体制派の対立が続く中東イエメンで反体制派の武装勢力が大統領の拠点に近い南部の空港を制圧し、全土で内戦に発展する懸念が強まっています。

20日に宗教施設で起きた自爆テロとみられる攻撃で反体制派の支持者など137人が死亡したイエメンでは、反体制派のイスラム教シーア派の武装勢力が首都サヌアを掌握し、南部に逃れたハディ大統領と対立しています。

現地からの報道によりますと反体制派が22日、大統領が拠点とする南部の都市アデンからおよそ150キロほどのところにある要衝タイズの空港を制圧し、これに抗議するデモ隊と治安部隊とが衝突しているということです。

一方、ハディ大統領は「反体制派によるクーデターに対抗する」と述べ、アデンを暫定的な首都と宣言し、全面的に対決する姿勢を示しています。

さらに20日の攻撃については、過激派組織IS=イスラミックステートを名乗る組織が犯行声明を出したほか、イエメンでは国際テロ組織アルカイダ系のグループも活動を活発化させています。

反体制派は「全土で団結しよう」と呼びかけて、2012年に「アラブの春」と呼ばれた民主化要求運動を受けて退陣したサレハ前大統領の支持者とも連携を強めていて、イエメンではさまざまな勢力が加わる内戦に発展する懸念が強まっています。
コメント
イエメンは地政学上、ペルシャ湾の入り口や紅海の入り口、それにソマリア沖に接している。さらに隣国はスンニ派の大国サウジアラビアで、イランに近いシーア派の反体制派とは犬猿関係にある。

イランにとってイエメンを押さえることは、アメリカに近いキューバをソ連が同盟国にしたほどの衝撃が生まれることになる。

同時にスンニ派のイスラム国にとっても、イエメンをイランが影響下に置くことに危機感を持っている。

だから入り乱れて、イエメンは内戦状態に突入する可能性が高いと推測できるのである。

アメリカとして大事なことは、中東の戦争をスンニ派とシーア派の宗派戦争にしないことで、そのためイエメンの内戦は何としても防ぎたいと思っているようだ。

絶対にイエメン内戦にアメリカ軍が巻き込まれることは避けたいと思っている。

しかしアメリカがイエメンで傍観すれば、今回のようにシーア派の反体制派が南部に侵攻してくる。難しい関係になってきた。

アメリカが世界の警察官をやめたい気持ちがよくわかる。しかしアメリカが抜け出せることができないのも現実である。




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