最新記事へリンク

所長
神浦元彰
軍事ジャーナリスト
Director
Kamiura Motoaki
Military Analyst

English Column of This Month!VOICE OF Mr.KAMIURA

What's new

日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。(1999年11月)

2010.02.27

 普天間問題 県内移設へ政権傾く キャンプ・ハンセン、ホワイト・ビーチも浮上 

カテゴリイスラエル出典 朝日新聞 2月27日 朝刊 
記事の概要
米軍普天間飛行場の移設問題で、鳩山政権は県内移転に傾きつつあり、新たにキャンプ・ハンセンやホワイト・ビーチ地区も検討対象に浮上している。

社民、国民新党両党も与党・検討委員会にそれぞれの案を提出。内閣はそれらを含めた複数案を米側に打診する段取りだ。

北沢防衛相はシュワブ陸上案を移設先とする国民新党と足並みをそろえた。

県外移設を強く求める社民党は長崎県大村市の海自基地などを移設先に挙げるが、政権内で有力視されていない。米側がヘリ部隊を県外に移す条件に、陸上部隊の訓練場もセットで移すように求めているためだ。

ただ、シュワブ陸上部での滑走路建設は、隣接する辺野古集落に事故や騒音被害をもたらす可能性が高い。

このため、政権内では、兵舎や演習場があるキャンプ・ハンセン、潜水艦の寄港地であるホワイト・ビーチ地区に1000メートル級の滑走路を作る案もあわせて検討されている。ともに県内移設案だ。
コメント
昨日のシュワブ陸上に第1次案として500メートルの滑走路、それがだめなら第2次案の1500メートル滑走路建設というのは、本命の県内移設案を隠すための「陽動作戦」かと疑った。それほどメチャクチャな可能性の低い代替案なのである。

しかし県内移設反対に拘らないなら、キャンプ・ハンセンとホワイト・ビーチなら、検討する価値がある案と思う。

しかし気になることは、1000メートルという長さである。ヘリ部隊だけの運用ならOKだが、将来のCV22オスプレイの運用を考えるなら、1500メートルは確保したいと思うだろう。

キャンプ・ハンセンなら1500メートルは可能と思うが、ホワイト・ビーチにそれだけのキャパ(広さ)があるのだろうか。

それに1500メートルという滑走路は着陸拘束具(アレスティング・ワイヤー)を装備すれば、緊急時に空母艦載機の戦闘機を着陸させ、また離陸可能な距離なのである。(着陸は短距離でも出来るが、陸上基地の離陸には1500メートルが必要)

だからアメリカは新滑走路の長さは、オスプレイ運用とともに嘉手納で運用する戦闘機の緊急対応能力を求めて1500メートル以上に固守すると思う。

次に重要なことは、基地の防衛を誰が行うかである。地図でホワイト・ビーチの位置を見ると、陸上部隊を移動させても、かなり防衛しにくい環境にあると思う。そこでキャンプ・ハンセンなら基地防衛が極めて容易である。

またハンセンが海に近いという点も、航空機の騒音や事故に対する面からも利点としてあげられる。

前々から言っているように、沖縄の海兵隊8000人がグアムに移転すれば、キャンプ・ハンセンには新設される陸自の旅団(第15旅団?)が移転してくるだろう。この部隊は島嶼防衛の性格上、ヘリ機動力や海上機動能力の高い部隊編成が行われる。

そこでハンセン内にヘリ基地と共存することは利便性が高くなる。

あくまでアメリカ空軍が嘉手納弾薬庫を対中抑止力として手放したくないというなら、次案としてキャンプ・ハンセンに新ヘリ基地をアメリカ側に提案することは理に適っている。

アメリカもこれ以上の同盟関係への悪影響を回避する気があるなら、キャンプ・ハンセンに1500メートル滑走路案に同意する可能性がある。

これなら防衛省の特命作業チームが検討した専門家集団の案として考えられる。

やはりキャンプシュワブ陸上案は本命のキャンプ・ハンセン案を隠すための”陽動作戦”だったのか。

昨日の挑発は効いたようだ。
BACK