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2014.08.04

 イラク過激派組織、国内最大のダムを制圧 

カテゴリイラク出典 CNN日本 8月4日 電子版 
記事の概要
イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が勢力を広げるイラクで、クルド人民兵組織ペシュメルガの司令官は3日、チグリス川に面した同国最大の水力発電ダムがISISに制圧されたと語った。

このダムは同国北西部の都市モスルに電力を供給しており、ペシュメルガが守りを固めていたが、24時間の戦闘の末に占拠された。

職員はまだ施設内に残っているという。また、ズマルやワナの町もISISの戦闘員に包囲されて支援を絶たれ、ペシュメルガは撤退した。

ISISは同日、イラクとシリア、トルコの3カ国が国境を接する地帯に到達したと発表した。

国連によれば、北西部ニナワ県ではシンジャルとタルアファルの両地域が、アインザラとバトマの油田を含めてISISなどの過激派組織にほぼ完全制圧された。

この影響で20万人の市民が過酷な状況に追い込まれ、食料や医薬品などの物資を緊急に必要としているという。

ISISはさらに、ニナワ県と隣接するドホーク県の県境を突破する戦闘を開始したと宣言している。
コメント
モスルに電力を供給していた水力発電所がイスラム国(ISIS)に占拠されたことは、同地域を支配するクルド人勢力は大きな打撃を受けた。

ISISはダムが奪還されるのを警戒して、発電施設に爆薬を仕掛け、奪い返されればダムの一部を破壊するのではないか。

そんな残忍なことをやりかねないのがイスラム国の兵士である。ダムの施設に残った職員が残忍な方法で処刑される危険もある。

対処する方法として、室内なら非致死性のガスを使う方法があるが、モスクワ劇場占領事件のように、ガスの濃度や窓なの有無でガスの効果が違うので、ガス使用を決心することは難しい。

それにしても、イスラム国の素早い部隊の動きと、要所要所を押さえる戦略性、それに相手に心理的な効果をあげる宣伝戦のやり方はうまい。

これを誰が指揮しているのか。その指揮グループを断てば、意外と早く崩れる可能性がある。イスラム国の部隊の指揮がうますぎることが、逆に弱点になる場合もある。

アメリカ軍はイスラム国の指揮中枢を特定して、一気に潰しに行く作戦ではないか。

イスラム国が戦線を広げ過ぎて、指揮がやりにくくなるタイミングを狙うやり方もある。




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