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2014.01.20

 菅官房長官:「市長権限限られ移設支障ない」 名護市長選 

カテゴリ沖縄問題 出典 毎日新聞 1月20日 電子版 
記事の概要
菅義偉官房長官は20日午前の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を同県名護市辺野古に移設する現行計画について「できる限り丁寧に説明し、理解を得ながら、淡々と進めていきたい」と表明した。

稲嶺進氏が辺野古移設の手続きや、政府との協議に応じない姿勢を示していることに対し「(市長の)権限は限定されている。支障はないだろう」と強調した。

自民党の石破茂幹事長も20日午前、移設計画を巡る稲嶺氏の対応について「政治目的で『一切、認めない』というのはあまり正しくない」とけん制。

その上で「アジア太平洋地域全体のために、一定の抑止力が必要だ。(移設先が)なぜ名護市なのか、説明を着実にやっていくしかない」と述べた。党本部で記者団の質問に答えた
コメント
辺野古沿岸に新基地を作ることに、昨日の名護市長選の結果が影響しないわけがない。だれが考えても、自民党推薦候補(容認派)が負けると困るから自民党は強引に札束を積んで辺野古計画を押し進めたのである。

それに選挙で民意が示されても政府は関係ないでは済まされない。

それにこれからは、学生の活動家や戦い慣れた労働組合が反対運動の主役になる訳ではない。沖縄戦を体験したジジやババが反対運動の主役になるのだ。

自分の体や命を盾に反対運動の前面に出てくると思う。

政府が強引に基地計画を進めれば、溺れて死ぬものや車にひかれて死ぬものが出てくるだろう。この戦い方の怖さを知らないで、菅官房長官が強がりを言っても仕方ない。

最近はどうか知らないが、陸自の幹部候補生学校では、朝鮮戦争の戦史の授業の中で、北朝鮮軍が難民の女や子供や老人に前を歩かせ、米軍の陣地に向かって攻めてきた戦例を教える。

米軍が陣地の前に作った地雷原や鉄条網で歎民が立ち止まると、北朝鮮軍の兵士は後ろから止まるものを撃ち殺したという。

しかし女性や老人を撃てない米軍は、難民の後に続く北朝鮮軍の兵士によって全滅させられた。(そのような戦史がある)

その場合、女や子供や老人であっても、背後の北朝鮮軍に全滅させられないために、部下に撃たなければ全滅させられると幹部候補生学校で教わるのである。

しかし沖縄では、反対するジジやババの後ろに北朝鮮軍はいない。制圧に沖縄県警の機動隊には無理だとしても、全国から沖縄に派遣される機動隊でも無理であると思う。

政府が米軍基地に入るものは逮捕すると言っても、沖縄の警察の留置所はジジやババで溢れかえるだろう。それでも反対運動が収まることにはならないと思う。

これもまた非対照戦のひとつである。これを戦いの様相で分析すれば成田闘争よりもさらに過酷なものになると思っている。

それを無視して、名護市長選の結果(反対派の勝利)で辺野古基地計画に影響は出ないというのは”火に油を注ぐ”ことに他ならない。

この勝負はすでについた。それに気がついていないだけだ。

そんな感覚だから17年間も混迷したのである。政治家の驕りが今までの混乱を生んだと考えるべきなのだ。




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