最新記事へリンク

所長
神浦元彰
軍事ジャーナリスト
Director
Kamiura Motoaki
Military Analyst

English Column of This Month!VOICE OF Mr.KAMIURA

What's new

日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。(1999年11月)

2013.12.18

 中国念頭に自衛隊増強 「国を愛する心」明記 安保戦略 

カテゴリ安倍政権出典 朝日新聞 12月18日 朝刊 
記事の概要
安倍内閣は17日、外交・安全保障の基本方針となる国家安全保障戦略(NSS)を初めて策定し、防衛計画の大綱(新防衛大綱)、中期防衛力整備計画とともに閣議決定した。

NSSに「愛国心」を盛り込み、中国の軍事的台頭や北朝鮮への懸念を強調。周辺国に対抗するため、集団的自衛権の行使を視野に、日米同盟の強化と自衛隊の増強をはかる「軍事力重視」の内容だ。

■集団的自衛権も視野

安倍晋三首相は、17日に開かれた私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)でNSSの策定に触れ、「日本が個別的自衛権だけで国家の存立を全うすることができるのか。集団的自衛権が本当に必要ないのか」と憲法解釈の見直しによる集団的自衛権の行使容認を訴えた。

NSSは12月に発足した外交・安保政策の司令塔である国家安全保障会議の行動指針となり、基本理念に「国際協調主義に基づく積極的平和主義」を掲げた。

第1次政権で果たせなかった国家安保会議の設置とNSSの策定にたどり着いた安倍首相が次に目指すのは、米国とのさらなる軍事協力を軸とする集団的自衛権の行使容認だ。

安保法制懇は17日、年明けの次回以降、報告書の取りまとめに入ることを確認した。

NSSでは、中国の尖閣諸島付近の領海侵入や防空識別圏設定への懸念を示し、「日米安全保障体制の実効性を高め、多面的な日米同盟を実現していく」として集団的自衛権の行使容認をにじませた。

NSSでは、中国の尖閣諸島付近の領海侵入や防空識別圏設定へ懸念を示し、「日米安全保障体制の実効性を高め、多面的な日米同盟を実現していく」として集団的自衛権の行使容認をにじませた。

NSSを支える新防衛大綱では「防衛力は安全保障の最終的な担保で、脅威を排除する意思と能力を表す」と明記した。

ただ行使容認に向けた道のりは容易ではない。連立を組む公明党が反対姿勢を崩しておらず、菅官房長官はこの日の会見で「(行使容認は)来年度以降の課題になる」と語った。

■「国を愛する心」明記

NSSには、「我が国と郷土を愛する心を養う」という文書が盛り込まれた。

NSSはその理由を、「国家安全保障を身近な問題として捉え、その重要性や複雑性を深く認識することが不可欠」と記す。

(略)

この表現は、有識者会議で出た「開かれた愛国心明記すべき」という意見を受けて盛り込まれた。第1次安倍政権で取り組んだ教育基本法の改正で、「愛国心」条項の新設を主導した安倍首相の意向も反映された。

(略)

「愛国心」をめぐっては、1957年に閣議決定した国防の基本方針にも「民政を安定し、愛国心を高揚する」と明記されている。

閣議決定時の首相は安倍氏の祖父、岸信介氏だった。
コメント
安倍首相の暴走が止まらないどころか、、ますます加速してきた。

今朝のNHKニュースでは、空自がF4戦闘機の後継としてF35戦闘機を43機導入する計画を、さらにF15戦闘機(そのうち100機分)の後継してF35を追加導入を決めたという。合計で100機ぐらいになるという。

先日はオスプレイを5年で17機を取得すると次期中期防衛力整備(中期防  平成26年〜平成30年)に機数を明記したばかりである。

オスプレイは導入を検討するために、防衛省で調査(検討)を開始するといわれていたものが、それが一気に17機導入と機数まで決まったことになる。

ちょうど自衛隊のミサイル防衛が決まったときもこれと同じだった。その時の防衛白書ではミサイル防衛は研究中(評価調査)と表記されていたが、石破防衛庁長官(当時)が初の訪米をしたとき、一夜にしてミサイル防衛を導入すると発表した経緯があった。

これは国民の軍事知識がないうちに、政治主導で一気に導入を決めてしまえば、あとはなんとでもなると考えているような気がしてならない。

日本の防衛を総合的に考えれば、オスプレイ輸送機よりもCH101輸送ヘリを配備した方が効率的であるのに、アメリカで開発費がかかりすぎたオスプレイを日本が導入すれば、きっとアメリカが喜ぶとでも思ったのか。

また、愛国心のことだが、愛国心を高めることは難しくない。私は自衛隊で徹底的に愛国心を叩きこまれた。

まず愛国心を育てるには敵(今は中国や北朝鮮)が必要である。その敵が美しい国土や愛する家族や友人に襲って(侵略)くる。それを守るのが愛国心と教える。さらに愛国心を進化させて、その戦いのために選ばれた者(選民化)という自覚(使命感)を持たせる。

一部の政治家や官僚は、国民が国家のために戦って死ぬことができる人間を育てることが愛国心だと思っている。私はそのような愛国心教育を受けた経験がある。

愛国心は恋愛や自然を愛するような気持ちとはまったく別である。だから自分の国を愛して何が悪いという話ではない。

そのような優しい気持ちを利用して、国家に従い、政府の命令で戦って死ねる人間を作り変えることが愛国心教育なのである。

自分の生まれた国や懐かしいふるさと、優しい家族や友人を大事に思わない人はいないと思っている。しかし一部の政治家は、そんな程度の愛国心ではだめなのである。

軍事組織(テロ組織を含む)によって研究され、計算され、実践された愛国心教育では、3ヶ月間で普通の愛国心から”戦って死ねる愛国心”に変えることが可能と言われている。

そのような感情をコントロールする技術を悪用したのが「オウム真理教」であるのだ。

政治家が国民に愛国心を求める時は、国民はまず注意して政治家が説く愛国心の正確な意図を見抜くことが大事である。

今の北朝鮮で行われている愛国心教育を冷静に見ることも、日本の政治家の愛国心教育に騙されない参考になる。





関連記事