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2013.12.13

 中国 信用できない…張氏粛清後、商談取り消し続々 国境では脱北者厳戒 

カテゴリ北朝鮮出典 読売新聞 12月14日 朝刊 
記事の概要
北朝鮮の張成沢前国防委員会副委員長の処刑で、中朝の経済交流は一時的に停滞する可能性が高まっている。

中国吉林省とロシアの企業が50年間の港湾使用権を得て開発を進めてきた、北朝鮮北東部・羅先経済貿易地帯。張氏の死刑判決では、土地使用権を外国に売却したことが「売国行為」と糾弾された。

同省の中朝貿易商によれば、羅先では張氏に近いとされる地元当局幹部が平壌に戻されたほか、羅津港のロシア企業作業員の姿も消えたという。

遼寧省瀋陽では13日、金正日総書記死去2年の追悼行事が開かれ、北朝鮮の金光勲総領事が「金正恩元帥の指導の下、朝中関係をより強固にする」と述べた。

中国外務省もこの日、「中朝間の経済貿易関係の発展は双方の共通利益にかなう」とのコメントを発表したが、多くの関係者は悲観的だ。

張氏粛清後に商談取り消しが相次ぎ、100万元(約1600万円)以上を損失したという同省丹東の貿易商は、「誰が張氏の後継になろうと信用できない」と話した。

また国境一帯では。脱北者を警戒し、警備が強化されている。吉林省延辺朝鮮族自治州では、国境付近への観光客の立ち入りが制限され、幹線道路には検問が設けられた。

中国の瀋陽軍区の部隊が展開したとの情報もある。
コメント
これから北朝鮮では張氏一派と特定された軍人や党の幹部と、その家族らを粛正する大虐殺が行われる。その人数は3万人という説もある。

この数字の根拠は、金正日氏が父親から2代目を世襲した時、世襲に反対した3千人が粛清(処刑)されたという。それに比べ今回は、ひとケタ違う人数が粛清されるという噂を生んで出てきた数字である。

まさに、これが恐怖政治である。疑心暗鬼になった人々が、次は自分(家族)が殺されると想像し、密告などの忠誠合戦を行ったり、外国を目指して逃げだしたりと大混乱が起きる。

さらに今まで北朝鮮の社会を底辺で支えて者も、上司が姿を消して何をしていいかわからなくなる。地方では管理者を失って食糧などの略奪も起きるだろう。

中国軍が瀋陽軍管区で部隊を中朝国境に集結させ、北朝鮮から逃げ出してくるものを阻止する行動もうなずける。

日本も海上保安庁などの巡視船を北朝鮮に近い日本海に集め、厳重に船舶による脱北活動の監視を強化することも大事だ。

これから日本海は海が荒れるので、北から小型の漁船で逃げ出すことは想定しにくい。だから監視も多少はやりやすい。

もし日本に漂着した北朝鮮の脱北船(者)を、日本のどの機関が、どのような手順で上陸させるのか。また、上陸後にどこに移送するのか。

もう張成沢氏の処刑に驚く時間はすぎた。これから北朝鮮の大混乱に備える準備が必要になる。




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