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2013.11.04

 秘密保護法案:恣意的指定に懸念 野党が猛反発 

カテゴリ安倍政権出典 毎日新聞 11月04日 朝刊 
記事の概要
国家機密を漏えいした公務員や民間業者に厳罰を科す特定秘密保護法案は7日にも衆院で審議が始まる。

自民、公明両党は同日の衆院本会議で国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案を可決し、特定秘密保護法案の審議に入る構え。

野党側は3日のNHK討論番組で特定秘密指定のあり方に改めて疑問を示し、与党と激しく対立した。

閣僚ら行政機関の長は、(1)防衛(2)外交(3)特定有害活動(スパイなど)防止(4)テロ防止−−の4分野で特定秘密を指定。

これを漏らした公務員には最高10年の懲役、秘密を知る立場の民間人には最高5年の懲役が科せられる。

指定期間は原則5年で、更新が可能。30年を超える場合は内閣の承認が必要になる。

民主党の大島敦政調会長代行は番組で「何が特定秘密で、いつ解除し、公開するかなどをすべて政府が決める」と批判した。

特定秘密の指定や解除を決める基準づくりには有識者の意見も反映されるが、指定そのものに有識者は関与できない。

日本維新の会の山田宏国会議員団筆頭副幹事長も「秘密指定が恣意(しい)的に行われる」と懸念を表明した。

一方、法案は「国民の知る権利に資する報道または取材の自由に十分配慮しなければならない」と明記した。

しかし、知る権利への配慮は努力義務規定に過ぎず、どこまで担保されるかは不透明。

自民党の中谷元・元防衛庁長官は「国の安全なくして外国に占領されると、主権も権利も言えなくなる」と述べ、制約はやむを得ないとの認識を示した。

民主党は保護法案の歯止め策として、行政による情報非開示決定の妥当性を裁判所が検証できるよう情報公開法改正案を今国会に提出し、保護法案との同時採決を求めている。

しかし、公明党の上田勇政調会長代理は番組で「法案には評価すべき点がある」と理解を示しつつ、「継続して論議していく」と述べ、早期採決に慎重な考えを示した。

民主党案は「国の防衛、外交や公共の安全、秩序維持に重大な支障を及ぼす場合」、政府が裁判所への情報提供を拒否できる余地を残す。

「政府は例外規定をたてに、裁判所に情報を出さない」(与党幹部)との指摘もあり、実効性に疑問もある。

保護法案が国会の秘密会に限って特定秘密を提示できると定めたことに対し、民主党は「政府提出法案が国会の自治権に踏み込むのは前代未聞」と反発している。

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特定秘密は40万件 (毎日新聞 11月04日 朝刊)

特定秘密保護法案を担当する磯崎首相補佐官は共同通信のインタビューに応じ、機密保護の対象となる「特定秘密」は約40万件になるとの見通しを示した。

国会への特定秘密の提供については、現行の秘密会は情報管理が不十分なため困難だとし、漏えい防止措置の整備を国会に求める考えを明らかにした。

磯崎氏は「いま政府が機密扱いしているのは約80分野で40万件ある。防衛装備品の規格などテクニカルなものが山ほどある。密約が40万件もあるわけではない」と説明。

現在の機密は防衛省と内閣情報調査室にしかないが、今後は外務省、警察庁、公安調査庁の情報が加わり、指定解除される機密との差し引きで約40万件になるとした。
コメント
これで外務省がアクセス出来なかった防衛(国防)情報や警察の治安情報などがアクセス可能になる。

また、日本版NSCの中枢(第2班と第3班)に外務官僚を配置することで、米国、韓国、北朝鮮、中国の情報を外務省が統括することが可能になる。

また日本政府が入手した秘密情報は、そのまま特定秘密に指定すれば、政治家からメディアに漏れることはない。

もう外務省のやりたい放題のことが可能になる。

外務省は自らの天下に油断するだろう。しかし、実は日本のように高等教育が充実し、高い法治国家のレベルを持ち、メディアも言論の自由を経験した国は、北朝鮮のような情報統制をすることは無理である。

今の日本で人権や法律を無視し、社会正義に反する情報の秘密指定には、内部告発という別の情報公開という方法がためされるからだ。

米国のスノーデン容疑者のように、個人であっても政府が道徳を無視した秘密の情報収集活動を暴露する者が必ず出てくるだろう。

また、担当職員の過失漏えいも必ずでてくる。秘密情報の資料が入ったカバンを落としたり、車内に忘れるような場合である。

私は政治家や官僚の秘密情報管理がいい加減であったことを知っている。その中には確信犯として秘密情報をする者もいた。その場合は、情報源が特定されないように記事を工作した。

高くて頑丈な壁を作れば、必ずその壁を崩そうとするものが出てくる。政治や軍事の歴史はその繰り返しである。

特に今回の特定秘密保護法案は悪法である。その悪法が日本を厳しく管理できるとは思えない。

日本を発展させ繁栄させて、平和を追求する国にするには、秘密保護法の強化やりも、これからは情報公開の方が大事である。

政治の怠慢を国民の責任を転嫁させて、秘密保護法の強化で国民と政治を切り離すことができるのか。それほど日本人は馬鹿ではないと思っている。




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