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2013.10.19

 米英の無人機攻撃、民間人479人犠牲 国連依頼で調査 

カテゴリ国連 国際機関出典 朝日新聞 10月19日 朝刊 
記事の概要
潜伏するイスラム過激派を殺害するとの名目で米英軍などが実施した無人飛行機による攻撃で、パキスタンなど3カ国で少なくとも2004年以降、民間人479人が犠牲になっていることが、国連人権理事会が依頼した専門家チームの調査でわかった。

朝日新聞が入手した調査報告は米国を名指しし、作戦や民間人犠牲者のデータを最大限公開し、説明責任を果たすよう求めている。

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非戦闘地域での無人機攻撃を巡っては、他国の主権を侵害し、多くの民間人を巻き添えにしているという国際社会の批判がある。

こうした批判を受け、国連人権理事会は1月、英国の弁護士で国際人道法の専門家のベン・エマーソン氏に調査を依頼。

民間人の殺害は国際法上、戦争犯罪にあたることから、同氏は専門家チームとこれまでの攻撃例を調査した。無人機攻撃について国連が依頼した調査は初めて。

パキスタンではエマーソン氏が3月に政府関係者に直接確認。全体の死者が2200人に上り、うち民間人が少なくとも400人と判明した。

さらに200人が非戦闘員の可能性がある。

国連の現地組織などの集計ではアフガニスタンの死者は58人。

イエメンでは現地メディアの調査によると、少なくとも21人が殺害されていた。

報告書は武装勢力と民間人を区別した基準を示していない。

リビア、イラク、ソマリア、パレスチナ自治区ガザでも調査を進めている。

作戦を実行しているとされる米英は情報の一部を開示したが、イスラエルは協力を拒んでいるという。

民間の犠牲はもっと多いとの指摘もあり、調査が全容を反映しているかは不明だ。

エマーン氏は今月下旬、人権を担当する国連総会の委員会で中間報告をする。

「無人機攻撃は民間被害を少なくできるできる能力もある」と指摘しているが、攻撃を行う場合の法的根拠や、攻撃を受ける国の同意や必要性などについては、新たな国際法の枠組みを検討するように勧告する。

来年までに最終報告まとめる予定。

報告は国連加盟国への拘束力を持たないが、国連人権理事会が国際人権法違反の有無を最終的に判断し、対応を検討するとみられる。

オバマ米大統領は地上軍などを投入した他国への軍事介入には慎重だが、無人機によるイスラム過激派掃討には積極的とされる。

日本も偵察用の無人機の15年度導入を目指し、中国も訓練を始めている。
コメント
米国の無人機に搭載した監視カメラでは、道路に穴を掘ってIED(簡易仕掛け爆弾)を設置するテロリストと、道路わきの畑で耕す農民の姿が同じに映像に見える。

また深夜に多数の出入りがある建物は、テロリストが密会を開いている可能性があると判断して、そこを空爆すると病院だったという報告もあった。

そのような事例は、すでにテロリスト側は知っているのではないか。逆に、そのことを悪用して、米軍の無人機から隠れ、無人機で民間人への攻撃を誘うことも出来る。

同じようなことは駅や繁華街にある防犯カメラだ。もし犯罪に慣れた犯人ならば、防犯カメラから自分の姿を消し、別の犯人像に警察を誘導することも可能である。(具体的には言わない)

確かに、これからは無人攻撃機の誤射や誤爆どころか、自立型攻撃ロボット兵器の時代が確実にやってくる。

司令部は戦場の一部を立ち入り禁止区域に指定し、そこに立ち入ったものを監視センサー(移動式も含む)で発見し、味方ではないことを識別(IFF)し、抵抗する者を射殺する自立型ロボット兵器である。

もし敵が地雷を仕掛けて移動式・自立型ロボット兵器の移動を妨げれば、地上すれすれに飛行する無人ヘリを使う方法もある。

今の時代は、もはや10年後の戦争の様相を想像することも難しくなっている。例えば高度な巡航ミサイルを開発できなくとも、無人の漁船に大量の爆薬を搭載して、GPSを使って予めオートパイロット(自動操縦)にコースをセットすれば、東京オリンピックの会場付近(東京湾の奥)で大爆発を起こすことが可能だ。

そのような無人攻撃を避ける方法は、法的な規制をかけて攻撃前に阻止することしかない。

すなわち無人攻撃に一定の定義と規制を設けて、それを逸脱すれば国際法違反として攻撃を受けるか、国際的な制裁を課すことと思う。

それが出来るのは国連しかないと思う。安保理の常任理事国だけが懲罰の権利を有しても防げないからである。

ロボットなどの無人攻撃は、これから急速に技術発展し、大きな社会問題化になると思う。




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