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2009.11.02
普天間移設「閣内不一致」 従属脱皮へ首相達観 岡田外相現行計画に不信
カテゴリ米軍再編出典 毎日新聞 11月2日 朝刊
記事の概要
米軍普天間基地返還合意から13年。9月の政権交代を経て再び米軍基地返還問題が迷走をし始めた。
10月23日夜、ASEAN関連の首脳会談に向かう鳩山首相は政府専用機から平野官房長官に電話して伝えた。「岡田さん、北沢さんが一生懸命やっていますから私は見守りたい。君も見守ってください」。
06年に日米合意したキャンプ・シュワブ沿岸にV字滑走路案を新設する案を覆し、日米で消えたはずの嘉手納基地統合案を提議する岡田外相。現行案のキャンプ・シュワブ沿岸案の踏襲を主張する北沢防衛相。「閣内不一致」批判が高まっていた。
普天間問題が火を噴いたのは、10月20日にゲーツ国防長官が現行合意の履行をオバマ訪日までに結論を出すように突きつけたからだ。民主党は衆議院選で県外移設の検討を表明し、ゲーツ長官の現行履行要求で公約の整合性が問われることになった。
鳩山首相の心中を周辺はこう語る。「米国の言いなりになれば、自民党政権の『対米追随路線』に追随することになる」。「米国に従属的な外交」(10月30日 参院本会議)からの「脱皮」の試金石とする思惑が透けて見える。
民主党の「県外移転」は08年7月にまとめた党沖縄ビジョンにある。同年6月、策定責任者の武正公一氏(現副外相)と訪米した前原氏(現国土交通相)は、普天間返還合意の当事者で、後にキャンプ・シュワブ案の変更を唱えたキャンベル元米国防次官補(現国務次官補)らと会談。「オバマ政権になれば普天間問題は白紙から議論できる」との確信を持ったことが伏線にあった。
しかしオバマ政権発足後、米国防総省は現行計画の推進を確認した。前原氏の読みが外れ、マニフェストでは「在日米軍基地のあり方について見直しの方向で臨む」という抽象的な表現に後退した。
しかし鳩山氏が7月19日の沖縄市で、「最低でも県外移設に向けて積極的に行動を起こす」と表明したことは、沖縄で「公約」と受け止められており、その期待を安易に裏切れない。
さらに岡田外相は、辺野古基地移設を協議する段階で、何度も巨大公共工事に姿を変えたことに不信感を持っているいう。それを主導したのが自民党だった。そのことを知る長島氏(現防衛政務官)たちが民主党内で勉強会を開き、衆議院選前の7月、岡田幹事長(当時)にコストの安い嘉手納統合案を提言した。
「4000億円かけてあの海を埋め立てるのは、どう考えてもピンとこない」と岡田氏は外相就任後、現行計画への不信感を外務省幹部に伝え、経緯を検証するよう指示した。
オバマ大統領来日まであと10日だが、首相は「来日まで結論を出す必要はない」と繰り返す。自公政権からの転換、「緊密で対等な日米同盟」の構築、沖縄への思いーー。複雑に絡み合う立場と思惑をどう一つにまとめ上げるか。鳩山首相の指導力が問われる場面が続く。
米軍普天間基地返還合意から13年。9月の政権交代を経て再び米軍基地返還問題が迷走をし始めた。
10月23日夜、ASEAN関連の首脳会談に向かう鳩山首相は政府専用機から平野官房長官に電話して伝えた。「岡田さん、北沢さんが一生懸命やっていますから私は見守りたい。君も見守ってください」。
06年に日米合意したキャンプ・シュワブ沿岸にV字滑走路案を新設する案を覆し、日米で消えたはずの嘉手納基地統合案を提議する岡田外相。現行案のキャンプ・シュワブ沿岸案の踏襲を主張する北沢防衛相。「閣内不一致」批判が高まっていた。
普天間問題が火を噴いたのは、10月20日にゲーツ国防長官が現行合意の履行をオバマ訪日までに結論を出すように突きつけたからだ。民主党は衆議院選で県外移設の検討を表明し、ゲーツ長官の現行履行要求で公約の整合性が問われることになった。
鳩山首相の心中を周辺はこう語る。「米国の言いなりになれば、自民党政権の『対米追随路線』に追随することになる」。「米国に従属的な外交」(10月30日 参院本会議)からの「脱皮」の試金石とする思惑が透けて見える。
民主党の「県外移転」は08年7月にまとめた党沖縄ビジョンにある。同年6月、策定責任者の武正公一氏(現副外相)と訪米した前原氏(現国土交通相)は、普天間返還合意の当事者で、後にキャンプ・シュワブ案の変更を唱えたキャンベル元米国防次官補(現国務次官補)らと会談。「オバマ政権になれば普天間問題は白紙から議論できる」との確信を持ったことが伏線にあった。
しかしオバマ政権発足後、米国防総省は現行計画の推進を確認した。前原氏の読みが外れ、マニフェストでは「在日米軍基地のあり方について見直しの方向で臨む」という抽象的な表現に後退した。
しかし鳩山氏が7月19日の沖縄市で、「最低でも県外移設に向けて積極的に行動を起こす」と表明したことは、沖縄で「公約」と受け止められており、その期待を安易に裏切れない。
さらに岡田外相は、辺野古基地移設を協議する段階で、何度も巨大公共工事に姿を変えたことに不信感を持っているいう。それを主導したのが自民党だった。そのことを知る長島氏(現防衛政務官)たちが民主党内で勉強会を開き、衆議院選前の7月、岡田幹事長(当時)にコストの安い嘉手納統合案を提言した。
「4000億円かけてあの海を埋め立てるのは、どう考えてもピンとこない」と岡田氏は外相就任後、現行計画への不信感を外務省幹部に伝え、経緯を検証するよう指示した。
オバマ大統領来日まであと10日だが、首相は「来日まで結論を出す必要はない」と繰り返す。自公政権からの転換、「緊密で対等な日米同盟」の構築、沖縄への思いーー。複雑に絡み合う立場と思惑をどう一つにまとめ上げるか。鳩山首相の指導力が問われる場面が続く。
コメント
普天間飛行場の代替え施設をキャンプ・シュワブ沿岸に建設することは、自民党国防族や守屋元防衛事務次官などが主導して行われた。
これは効率的な基地建設というよりも、巨大公共工事による利権政治の象徴そのものだった。
そのような冷めた感覚があったから、アメリカ側は13年間も日本の利権政治を見つめてきた。(軽蔑しながら)。
しかし放置できない新たな事情が生まれた。それは海兵隊のグアム移設の問題である。もし在沖海兵隊がグアムに移転すれば、その基地面積の狭さや居住環境の悪さから、大きな不満が海兵隊からわき起こるだろう。
その最大の問題はグアムには海兵隊の演習場が作れないことである。グアムには米海軍と空軍がいるが、海兵隊が使うような演習場は作れない。
ジャングル戦はフィリピンで、砂漠戦や上陸作戦はオーストラリアの演習場で行っても、空地が共同して大規模な市街戦を行う演習場がグアムにはできない。たとえ無理に作っても、演習場を飛び出した銃弾や砲弾はすぐに市街地に飛び込むだろう。それほど狭い。
また、グアム島が狭すぎて、兵士と観光客(主に日本人の若者)の距離が近すぎ、不幸な事件を多発させる恐れがある。日本にとってグアムは格安の海外旅行で、若者にはきれいな海のイメージと重なり、人気がある。
2万円台で往復の飛行機代と2泊のホテル代の海外ツアーが楽しめる。今は治安も良いので、観光客の大部分が若いグループ旅行であった。その若い観光客の中には、危なくて見ているのが怖いような光景もあった。
それが海兵隊の指揮官になれば、そのような環境に若い兵士を出したくない気持ちになると思う。
ーーーーーーー
そこで言えることは、この問題でアメリカが行うことは、在沖海兵隊のグアム移転の見直しを急ぐことである。そのことが正しく行われ、海兵隊の再編が練り直され、海兵隊戦略の方向性が決まってから、新基地建設の問題を議論すべきだ。
今は嘉手納弾薬庫跡地に新たなヘリ滑走路を建設し、普天間飛行場のヘリ部隊を移転させても問題ない。
このままアメリカが辺野古沿岸基地建設を強引に迫れば、辺野古基地建設が反米、反基地、反戦争の象徴になることは間違いない。私のように日米同盟を重視する者にとって不幸な結果となる。
この普天間問題を政争の具にすべきでないように思う。巨大公共事業としての基地利権を切り離し、沖縄の基地負担を軽減させ、効率的な日米軍事同盟を図るためを考えるべきと思う。
普天間飛行場の代替え施設をキャンプ・シュワブ沿岸に建設することは、自民党国防族や守屋元防衛事務次官などが主導して行われた。
これは効率的な基地建設というよりも、巨大公共工事による利権政治の象徴そのものだった。
そのような冷めた感覚があったから、アメリカ側は13年間も日本の利権政治を見つめてきた。(軽蔑しながら)。
しかし放置できない新たな事情が生まれた。それは海兵隊のグアム移設の問題である。もし在沖海兵隊がグアムに移転すれば、その基地面積の狭さや居住環境の悪さから、大きな不満が海兵隊からわき起こるだろう。
その最大の問題はグアムには海兵隊の演習場が作れないことである。グアムには米海軍と空軍がいるが、海兵隊が使うような演習場は作れない。
ジャングル戦はフィリピンで、砂漠戦や上陸作戦はオーストラリアの演習場で行っても、空地が共同して大規模な市街戦を行う演習場がグアムにはできない。たとえ無理に作っても、演習場を飛び出した銃弾や砲弾はすぐに市街地に飛び込むだろう。それほど狭い。
また、グアム島が狭すぎて、兵士と観光客(主に日本人の若者)の距離が近すぎ、不幸な事件を多発させる恐れがある。日本にとってグアムは格安の海外旅行で、若者にはきれいな海のイメージと重なり、人気がある。
2万円台で往復の飛行機代と2泊のホテル代の海外ツアーが楽しめる。今は治安も良いので、観光客の大部分が若いグループ旅行であった。その若い観光客の中には、危なくて見ているのが怖いような光景もあった。
それが海兵隊の指揮官になれば、そのような環境に若い兵士を出したくない気持ちになると思う。
ーーーーーーー
そこで言えることは、この問題でアメリカが行うことは、在沖海兵隊のグアム移転の見直しを急ぐことである。そのことが正しく行われ、海兵隊の再編が練り直され、海兵隊戦略の方向性が決まってから、新基地建設の問題を議論すべきだ。
今は嘉手納弾薬庫跡地に新たなヘリ滑走路を建設し、普天間飛行場のヘリ部隊を移転させても問題ない。
このままアメリカが辺野古沿岸基地建設を強引に迫れば、辺野古基地建設が反米、反基地、反戦争の象徴になることは間違いない。私のように日米同盟を重視する者にとって不幸な結果となる。
この普天間問題を政争の具にすべきでないように思う。巨大公共事業としての基地利権を切り離し、沖縄の基地負担を軽減させ、効率的な日米軍事同盟を図るためを考えるべきと思う。
