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2013.03.18

 中国軍幹部、射撃レーダー認める 「艦長判断」「領空侵犯は作戦」 

カテゴリ 中国 出典 共同通信 3月18日 電子版 
記事の概要
中国海軍のフリゲート艦が1月に海上自衛隊の護衛艦にレーダー照射した問題で、中国軍の将官級など複数の高級幹部は17日までに、共同通信の取材に対し、攻撃用の射撃管制レーダーを照射したことを認めた。

その上で「艦長の緊急判断だった」と述べ、計画的な作戦との見方を否定、偶発的な事案と強調した。

一方、昨年12月に中国の国家海洋局の航空機が、尖閣諸島付近で領空侵犯した問題については、「軍の作戦計画だった」と認めたが、「軍は、(領空侵犯以上に)事態をエスカレートさせるつもりはなかったし、今もない」と言明した。

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「レーダー照射 艦長判断」 毎日新聞 3月18日 朝刊 

中国の複数の幹部によると、1月30日午前10時ごろ、尖閣諸島の北約110キロ〜130キロの海域で、中国海軍のフリゲート艦「連雲港」と、海自護衛艦「ゆうだち」が約3キロまで急接近。

恐怖を感じた中国艦の艦長は、武器使用の基準などを定めた交戦規程(ROE)に基づいて射撃用レーダーを照射した。
コメント
レーダー照射は艦長の個人判断と思っていたので驚きはないが、この毎日新聞の中国軍の幹部(複数)の話にはウソがある。

それは艦長が交戦規程(ROE)に基づいて射撃レーダーを照射したという部分である。これはROEのことを知らなかった者の話し方である。

まともなROEでは、艦長が危険を感じたときに射撃レーダーを照射しろとは絶対に書かれていない。さらなる不要な危機を高めるからである。

しかし中国軍の幹部の口からROEという言葉が出たことから、中国軍が射撃レーダー照射事件を受けて、新しく中国海軍向けのROEを作ったことがうかがえる。

もし中国海軍が、その初めてのROEに「艦長が外国軍艦の接近で危険を感じたときは、射撃用レーダーを照射しろ」と書かれてはいないと思う。

そんな危ないROEでは、逆に不要な軍事摩擦を誘発するし、国際的なルールにも反することになる。

だからウソだとわかるし、新たにROEを作ったことも推測できるのだ。軍事とはそういう世界である。

それにしても、中国の全人代が終わるとすぐにこの変化(軟化)である。これから尖閣周辺での挑発も姿を消す可能性が高くなった。日本と領土問題で緊張関係にあるほうが中国の国益にとって損失である。




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