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2013.02.06

 中国海軍艦艇レーダー照射 事実上の「攻撃予告」で危険 先月、東シナ海で2回 

カテゴリ中国軍出典 産経新聞 2月6日 朝刊 
記事の概要
中国のフリゲート艦が海自の護衛艦に照射した射撃管制用のレーダーは「FCレーダー」とも呼ばれ、ミサイルや火砲などを発射する際、目標の距離や針路、速力、高度などを正確に捕捉し自動追尾する「ロックオン」に用いるもの。

照射はいわば「攻撃予告」であり、「照射された側が対応行動として先に攻撃しても、国際法的に何ら問題ではない」(防衛省幹部)ほどの危険な行為だ。

防衛省によると中国側は今回、それぞれ数分間にわたりレーダーを照射した。

発射ボタンを押せばミサイルなどでの攻撃が可能な状態であり、海自側は回避行動を余儀なくされた。小野寺五典防衛相は記者会見で「(日本側に)落ち度があるわけがない」と述べ、中国側の一方的な挑発行為であることを強調した。

海自によると、軍用の艦艇は大別して(1)周辺の艦船や漁船などを捕捉する航海用のレーダー(2)対空監視用レーダー(3)射撃管制用レーダー−の3種類を搭載しているが、通常の警戒監視で射撃管制用レーダーを用いることはない。

海自幹部は「こちらがどういう対応をするかを観察するために使った可能性がある」と中国側の意図を推測した。

中国艦艇から海自がレーダー照射を受けた事実が判明したのは初めてだが、冷戦期の旧ソ連も日本側に対し、砲を向けるなどの直接的な挑発行為を行っていたという。

中国側も今後、さらに挑発行為をエスカレートさせていく可能性がある。
コメント
中国海軍には組織的でかつ軍事的な意図があって行った行為とは思えない。あまりにも無謀で危険すぎるからだ。

私が考えるのは、このフリゲート艦の艦長レベルが、「ちょっと脅してやれ」程度のゆるい感覚でFCSレーダーを作動させたのではないか。

要は、中国は海軍の経験が乏しく、海軍の国際的な常識に欠けているということだ。明治後期の日清戦争で日本の連合艦隊に破れて以来、中国には海軍らしい海軍はなかった。

だから中国海軍は日本(自衛隊)やアメリカ軍との交流で、海軍の国際ルールを知る必要があるのだ。

今頃は、中国のフリゲート艦の艦長が大目玉を食って、震え上がっているのではないか。

実弾が出るわけではないと考えた冗談も、節度や常識を知らないと国際問題になる典型的な例である。軍事はそれほど完璧な知識を求められる。

まあ、日本も絶好のタイミングを狙ってこれを発表し、逆に中国に揺さぶりをかけることに成功した。本当は中国政府や中国海軍のイメージダウンさせることが今回の騒動の成果である。




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