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2012.12.26

 米、韓国に最新鋭偵察機を売却へ 北・中国の監視に不可欠 

カテゴリ韓国出典 産経新聞 12月26日 朝刊 
記事の概要
北朝鮮が事実上の長距離弾道ミサイルを発射したことを受け、米政府は24日、朝鮮半島の情報収集能力を強化するため、韓国政府に対し高性能の無人偵察機グローバルホーク(GH)4機を計12億ドル(約1000億円)で売却すると発表した。

米国家安全保障局は、最新鋭偵察機の韓国への売却を正式決定したことについて「韓国は東アジアや西太平洋地域の大国の一つ。地域の平和と安定を確立するための米国の重要なパートナーだ」とし、適切な偵察能力を保持することが必要だと説明した。

同局によると、米政府は米韓協定で高性能軍用機は売却できない。しかし北朝鮮のミサイルや活発化する中国軍の活動を監視するためにも不可欠と判断した。

GHは約2万メートルの高高度からゴルフボールほどの物体を識別できるセンサーを搭載、24時間以上連続して飛行しながら情報収集を行う能力を持つ。

東日本大震災の際には、米軍の救援活動「トモダチ作戦」で東京電力福島第1原発の損傷状況の把握にも活用された。

韓国は国防改革計画でGH導入を決定。日本も中期防衛力整備計画で無人機の導入検討を明記し、GHを含めた選定を進めてきたが、「ハイレベルの情報共有のために現実的な国防計画を進める韓国に先を越された」(日米防衛関係筋)形だ。

日本側も、米軍がグアム基地に配備したGHとの一体的な監視活動を米に要請中だが、中国国家海洋局所属の航空機に領空侵犯を許すなど、どこまで詳細な情報提供を受けているかは不明。

2019年まで本格運用が不可能なステルス戦闘機F35の購入費やその国内組立費として約1900億円の投入を決めるなど、民主党政権時代の装備計画に懸念の声が上がっている。
コメント
北朝鮮軍の監視なら、日米韓3国は、宇宙、地上監視レーダー、偵察機による監視飛行、無線傍受など、あらゆるセンサーが3重、4重の北朝鮮にカバーをかけている。

だから、改めて韓国に無人偵察機(グルーバル・ホーク・GH)の導入は必要ない。

しかし黄海の周辺の中国軍を探るためならグローバルホークは大きな活躍を期待できる。偵察衛星よりもはるかに効率的で運用経費も安い。米韓軍は黄海周辺の中国軍を探るために大型無人偵察機を導入したのだ。

今なら北朝鮮のミサイル脅威を出せば中国の反発を回避できる。だから北朝鮮が長距離弾道ミサイル(人工衛星)を打ち上げたこの機会にグローバルホークの導入を発表した。

中国海軍を巡る黄海、東シナ海、南シナ海で、米海軍が包囲網を固めていることに中国は気がついているのか。

これでは中国海軍の艦艇が中国の軍港を出たときから、濃密な日米韓軍の監視態勢が敷かれ、3国の航空機、海上艦艇、潜水艦、地上発射の対艦ミサイルなどの脅威に包まれて航行することになる。

いや、中国の艦艇が軍港に停泊中もグローバルホークは鷹の目で上空から監視している。




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