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2011.11.23

 イエメン大統領が権限委譲か サウジの仲介案署名へ 

カテゴリ 中東、ペルシャ湾出典 共同通信 11月23日 電子版 
記事の概要
反政府デモが続くイエメンのサレハ大統領は23日、副大統領への権限委譲などサウジアラビアなどが示していた事態収拾案に署名するため、サウジの首都リヤドを訪れた。中東の衛星テレビ、アルジャジーラが伝えた。

イエメンからの報道によると、サレハ氏はハディ副大統領に権限を委譲し、ハディ大統領の下、2年間の政権移行期間を設けるという。

サレハ氏は形式上、デモ隊や野党勢力が求める辞任に応じた格好になり、約10カ月にわたるデモの混乱が改善に向かう可能性がある。
コメント
今日の朝刊各紙によれば、サレハ大統領は野党連合の代表者と23日、サウジの首都リアドで、大統領権限移譲などを盛り込んだ湾岸協力会議(GCC)の仲介案に署名したという。

これで33年間続いたイエメンのサレハ大統領の独裁政権は終止符を打たれることになった。

今回のGCCの仲介案では3ヶ月以内の大統領選挙が決められている。

しかし一部の見方では、今後も治安部隊の軍や警察が反体制派の弾圧を続け、大統領選挙が行われても挙国一致の内閣が樹立するのは難しく、サレハ大統領の支配が続くと言われている。(今朝のNHKニュース)

しかし私はそのような見方とは逆である。なぜなら独裁という政治スタイルは独裁者が神のごとくに統治し、カリスマ性を政治の手段に使ってこそ可能だからだ。

すなわち、例えGCCの仲介でも、独裁者が国内政治で意のままにならないことを証明すれば、独裁政権によって強化した独裁者のカリスマ性が消え去るからである。

今後、サレハ大統領の権力は急速に衰え、新たな指導者がクーデターで権力を掌握するか、あるいは民衆革命で新しいリーダーを誕生させるかである。

しかしクーデターの場合は、サウジやGCCなど背後から支持してくれる外国政府や国益同盟国(GCC)が必要となる。サレハ大統領が亡命する可能性を指摘されているサウジは、イエメンの新たな政権がクーデターによって指導者が誕生することを許さないと思う。

それこそがサウジの王政支配に民衆の反発が跳ね返ってくる可能性があるからだ。

取りあえずイエメンでは、サレハ大統領の独裁は終わるが、もう一波乱あると私は考えている。




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