ロサンゼルス・LAでミニコミ紙を発行する東さん

 アメリカの中でも、ハワイについで日系人の多いカリフォルニアでCULTURAL NEWSというミニコミ紙を発行しているが東さんだ。このミニコミ紙はカリフォルニアの中でも、特に日系人が集中しているLAで取材、編集、配布されている。それをすべて一人でこなしているのが東さんである。

 かつて東さんは、朝日新聞や共同通信のLA支局で働いていたこともあったが、その前は加州毎日という日本語新聞(LA)で記者をやっていたこともあった。二十年も前だろうか。私が仕事でLAに行き東さんを訪ねると、加州毎日新聞の印刷所につれて行ってくれた。そこにあった印刷機は、活字職人が一字一字活字を拾って、新聞の版を作る古いものだった。文字も旧書体だったから、その機械が戦前に日本から運ばれてきたことがわかった。

 東さんとは、彼の出身地の広島で、彼が大学生の頃に知り合った。英語のうまい人だっ た。その後、どういうわけか彼はLAに行き、まもなくアメリカのグリーンカードを取って住み着いた。

CULTURAL NEWSは新しいアイデアを盛り込んだミニコミ紙である。それは地域の日系人社会に、日本語ではなく英語で書かれた情報を伝えるミニコミ紙だからだ。すでにカリフォルニアの日系人は3世、4世の時代がきており、日本語ではなく英語を生活語として使う人が多くなり、日本語のミニコミ紙では情報を理解できない人が多くなった。しかし日系人としてのアイデンテーは強い。日本の文化に強い誇りと関心を持っている。もちろん、日本文化に興味や関心があるアメリカ人にとっては、この情報紙はその心を日本に結びつける役割を担っている。そんな新しい時代に、このミニコミ紙はLAに登場したのだ。

 カリフォルニアで活躍する日系人芸術家、日本からやってきたアーテストや芸能人。そんな文化人にインタビューをしたり、舞台や音楽活動などを取材して、CULTURAL NEWSの記事で紹介している。もちろんこれからLAで予定されている催し物の紹介コーナーもある。                           

 このミニコミ紙が生まれて、まだ2年ぐらいしかたっていない。隔月発刊で本当の意味のミニコミ紙である。LAのリトル東京などのお店やホテルに置いてあるフリー(無料)ペーパーだ。もしLAに行く機会があったら、ぜひCULTURAL NEWSを手にして欲しい。カリフォルニアの日系社会をもっと楽しいものにしたいという、東さんの熱い思いが伝わってくるはず だ。

 最近の東さんからのメールには、CULTURAL NEWSを読んだ人から、取材や編集を手伝いたいという協力者(ボランティア)も現われたいう。また、LAで公演や展示会をする人や、文化活動の表彰式など、そんな取材の依頼が多くなってきたという。このミニコミ紙が地域に根付いて、丈夫な幹に成長するのを実感してきたようだ。将来、LAで生活したいと思ったり、留学を考えている人がいるなら、このCULTURAL NEWSを読んでおくことをお奨めする。東さんに頼むと、郵送料実費で送ってくれるだろう。その際は、郵送料以外に千円ぐらいのカンパを東さんに送ろう。東さんは、別の仕事をしながら、その収入で不足している発行代をおぎなっているからだ。

 東さんのEメールアドレスは、higashi@culturalnews.com である。

 今日の新聞によれば、大学を卒業して就職しても、3人に一人は間もなく会社を辞めると書かれていた。だったら若い頃に数年間、外国で生活してくるのも悪くない。東さんの生き方を見ると、ふとそんなことを考えてしまう。
 東さんには、湾岸戦争やユウゴ空爆の時に、ワシントンポスト紙やLAタイム紙の重要記事や、CNNの報道を電話やEメールで刻々と伝えてもらった。それからインターネットでその情報を検索し入手していた。ダイレクトに長時間にわたって、アメリカの新聞や通信社の情報をチェックできる時間と費用がない。その点で、東さんは私の重要なアメリカ情報の提供者でもある。