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所長
神浦元彰
軍事ジャーナリスト
Director
Kamiura Motoaki
Military Analyst

English Column of This Month!VOICE OF Mr.KAMIURA

Re:メールにお返事

日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。(1999年11月)

2010.05.23

 哨戒艦事件、CS放送の田岡さんの見解です。 

届いたメール
韓国哨戒艦天安沈没事件について

いつもホームページを拝見してます。

今日5月22日(土)放送の朝ズバ(TBS)土曜日拝見しました。北朝鮮の待ち伏せ作戦なかなか強かだと思いました。

また降格した将軍が元の階級に復権した話も興味深く、まるで犯人は自分であると堂々と告白している様に思えました。

個人的には、もし将軍様のご命令で攻撃目標が海自の護衛艦だったら、果たして護衛艦はその攻撃を防御出来たのかな?と心配にもなりました。

特別な訓練を受けた工作員が、特別な装備を用いた特別な作戦でも無い。と言うお話でしたので、余計にそう思います。

さて、本日11時より生放送のCSニュースター朝日ニュースター

「愛川欽也のパックイン・ジャーナル」でも田岡俊次さんの解説で取り上げてました。

私は田岡さんの軍事知識に基づく話が楽しみで見ている番組ですが、田岡さんの話と神浦さんの話は少し違います。

この件で北は核恫喝とも受け取れる発言をしているようです。

長文乱筆なので別の機会でもいいですから、神浦さんのご見解が聴ければと思いメールいたしました。

田岡さんの話

*韓国の発表した報告書は、大きな文字で僅か数枚程度。内容も日本の報告書の様に5H1Wが無い。だから検証可能な発表ではない。(これはいつもの韓国的な発表形式かも知れないとは言われてましたが...)

*哨戒艦天安が沈没までの行動が一切発表されていない。
これが日本の場合なら、何月何日何時哨戒艦天安は何処何処から何処何処へ航行中で進路○○速力○○で、沈没地点は東経何度北緯何度白りょう島○○岬南方○.○m沖という風に詳しく記載される。

*哨戒艦天安の艦長の処置の記載もない。
どの様な状況であったか?例えば魚雷の音を聞いたとか、天候や潮流はどうであったかとかの、それまでの状況が一切記載されていない。(これは、軍事機密には当たらない)

*ハッキリしてるのは水中爆発によって沈没した事だけ。艦内の爆発ではない事は疑いのない事実。

*漁師が引き上げた魚雷の貝殻の付き方が不自然(アルミの破片の話は一切ありませんでした)
魚雷は沈没事件の海域で引き上げた物である事は間違いないが、これが天安を撃沈した魚雷という確証はない。

*水深について (田岡さんが最も注目した点だそうです。)
韓国の報道では沈没地点は白翎島西南2.5kmの地点なので、海上保安庁の海図で詳しく調べたら14.6のマーク地点周辺で水深は10mから20mの間である。潜水艇が潜航出来る場所には不向き。遠くから狙った事も考えられるが魚雷は普通当たって爆発する物。この場合、常識的に疑われるのは機雷である。磁気探知の機雷や音響探知の機雷などがある。

*北の魚雷としても音響探知魚雷なので直撃させた方がいい。艦艇直下で爆発させる必要はない。音響探知魚雷なので当たる。(命中はしなかったが、磁気機能で結果的に撃沈させたという話はありませんでした)

*「韓国海軍は察知出来ないのか?」の質問に対しては、報告書には普通事故に至る状況が記載されている。(ソナーの使用状況や魚雷のスクリュー音が聞こえたなど)報告書には、事件までの経緯や艦長の話、乗組員の話が一切記載されていない。
記載されているのは、左舷の見張り員の波を被った話と白りょう島の陸上の見張り員(陸軍)の話は詳細に記載されている。

*これは中間報告では無く、最終報告書で北の魚雷による撃沈と記載されているだけ。

*北の目的は? 圧倒的軍事力格差の前に一矢報いた事は考えられなくもない。

*韓国の証拠の捏造も考えにくい。共倒れ回避の為に北崩壊を最も恐れているのは韓国。だから最も援助もしている。韓国の基本姿勢は北崩壊の防止。だからインチキ発表までして北を窮地に追い込む事は考えにくい。

*色々仮説を立てるが、次々それを打ち消す話がでてくるのでどうなるかは言いにくい。

*哨戒艦天安は何をしていたのか?報道を見る限りよく解らない。

*南北とも政治的には不利益な事件なので、それぞれ軍人が勝手にやった事も考えられなくもない。仮に南はドジって操作ミスで自国の機雷で自爆。そんな大恥を隠す為に北の仕業にしてる事も考えられなくもない。北の方もは軍が一矢報いる為に勝手に行動したも無きにしも非ず。

*国連安保理できた制裁を中国が何処まで反対か疑問である。
中国も国連や韓国から嫌われるのは損だから。米中関係は日米関係を凌ぐ程親密である。

*軍事関連の話は一般の人には馴染みが無いので、だから我言えばそう信じてしまうところがある。それは報道機関の記者もまた同様である。

*南か北かと言われれば、“北の犯行”だと思う。どちらかと言えば北という程度。

*北は「核がどんな物か味合わてやる」と言っている。だからソウルに核を... 

北は虚勢を張るだけでなく、以外と有言実行の国である。

*哨戒艦天安の艦長や乗組員に韓国の記者が会えないので証言が報道されていない。普通誰かが出てきて証言するものだ。今回は哨戒艦天安の艦長の名前さえ報道されていない。
コメント
このCS番組を私は見ていませんでした。貴重な情報をありがとうございます。

この田岡さん発言レポートで意外だったのは、魚雷の破片を漁師が引き上げたという部分と、哨戒艦の沈没海域の水深が海図で10〜20メートルだったという点です。

私は水深が45メートル前後と新聞で読んだ記憶があります。それに魚雷の推進部は哨戒艦を引き上げる時に潜水士が発見したと思っていました。

もし水深が10〜20メートルでは、むろん潜水艇が潜航して航行するには不十分な深度です。

韓国政府は今回、わざわざ軍民共同の国際調査団で沈没原因を調査・分析しています。北朝鮮から「でっち上げ」という反論を防ぐためです。

それらの点から、攻撃は機雷と魚雷を間違えたり、何十年前の放置魚雷と今回の魚雷を間違えるはずはないと思います。

ただし韓国の哨戒艦に油断があったことは確かですが、毎日の哨戒活動で潜水艇の待ち伏せ魚雷攻撃に対応することは難しいと思います。

米韓軍もそのことに気がついて、今回の事件を契機に同海域の海底に水中聴音システムを設置するそうです。
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