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難民救援なぜ空自機 (朝日 9月30日 朝刊) [要約]内閣国際平和協力本部は、国際平和維持活動(PKO)協力法の「人道的な国際救援活動」に基づいて、難民支援のために航空自衛隊のCー130輸送機の派遣を決めた。10月上旬にもパキスタンに飛ぶ予定だ。しかしなぜ空自機なのか、効率的な民間の輸送機ではだめなのか。C−130輸送機では制約が多く、輸送量も少ない。あくまで第一目的は、自衛隊による「日の丸」を見せにいくためだからか。遠竹郁夫空幕長は記者会見で、「私の判断ではなく、情勢を見て、政府が決める」と答えた。

[コメント]日本の政治家に軍事常識を期待しても無理なことは知っている。しかし私のように、日本国憲法の精神を理解して、軍事を多少でも勉強した者として、この問題に対し率直かつ常識的な考えを述べさせてもらう。日本がアフガンの難民支援に物資の空輸を行うなら、まずパキスタンへ拠点空港(基地)を設置すること。日本からパキスタンへの空輸は、民間機の輸送機をチャーターしてパキスタンの拠点空港に運ぶ。そこで仕分けされた物資は、こんどは航空自衛隊のC−130機でパキスタン各地の空港に運ぶ。なお、その際にCー130機の塗色は、迷彩やモス・グリーンをやめ、機体全体を白色に塗り替えること。その際に主翼や胴体に「日の丸」を描くのは問題ない。だが垂直尾翼には「国連旗」を描くことを忘れてはいけない。これならC−130輸送機を守るために、兵員や武器を配備して厳重に警護する必要はない。これに似た話しが、むかし本当にあったのでお話します。もう20年ぐらい前のことである。その国名は忘れたが、中米のある国で政府軍とゲリラが道路を挟んで戦闘を行っていた。そこに日本の農業援助団体の人が乗った車がやってきた。その白い車にはその援助団体のマークと日の丸が描かれていた。農業援助団体は近くに実習農園を開き、現地の人に農業改良指導を行っている人たちだった。その車が戦闘地域の前で立ち止まると、突然、銃声がぴたりと止んだのである。わずかに戦闘が中断したとき、その車はゆっくりと道を走り出した。そしてその車が戦闘地域を走り抜けたとき、再び、政府軍とゲリラの戦闘は始まった。戦闘を行っていた政府軍もゲリラも、その車に乗っている人たちが、自分たちにとって大切な人であることを知っていたからだ。私は自衛隊機に白い塗色をして、日の丸と国連旗を掲げてくださいというのは、この話しを知っているからだ。今まではあまり好きではなかったが、自民党の野中元幹事長と自由党の小沢党首なら、この話しがわかってもらえるような気がする。だれか、この話しを二人に伝えてもらえませんか。
アフガニスタンで米特殊部隊員3人が逮捕? 衛星TV報じる (CNN 9月29日 Cnn.co.jp) [要約]本日 カタールの衛星テレビ局「アル・ジェジーラ」は29日、アフガニスタンの治安当局がイラン国境近くで、米軍の特殊部隊員3人を含む5人を逮捕したと報じた

[コメント]これはデルタフォースかCIA要員の可能性が高い。あくまで情報収集のために潜入しようとして捕獲したのではないか。の5人の身柄は一人一人バラバラに確保されるために、特殊部隊による奪還作戦は難しい。かつてアフリカのソマリアでは、殺された米兵(特殊部隊員)が車で引きずられ、その映像が全米のテレビで流されたことがある。それでアメリカはソマリアの活動から撤退した。今回、タリバンがそんなこと(見せしめの虐殺)をすれば、アメリカ人の怒りに油を注ぐようなものだ。だから殺さない(と願う)と思うが、最大限に政治取引に利用されるだろう。しかしこれで報復の本格作戦が早まるようなことはない。デルタは特殊部隊の中から、特に選抜して厳しい訓練を行い、特別な装備を装備して部隊を編成している。英国のSASのように少人数の作戦を行うためである。しかし少人数のため、部隊としての戦力は弱い。この点は特殊部隊を知る上で大事なことである。
コンピューター・ウイルス「ニムダ」にタイマーコードを発見 (サンケイ 9月29日 朝刊) [要約]このコーナーで9月20日で掲載しているが、あの「ニムダ」に感染後10日後に活動を作動させるタイマーが仕掛けられていることが発見された。専門家の話しによれば、「ニムダが発生したのは19日午後零時30分(日本時間)で、29日の深夜に再びウイルス添付の電子メール送信で活動を開始する」と警告している。

[コメント]最初(20日)に「ニムダ」の記事を読んだとき、このウイルスにはタイマーが仕掛けられていないので、これは国家規模のサイバーテロではなく、あくまでいたずら、警告、愉快犯クラスの仕業と思っていた。すぐに感染がわかるので、対応がとりやすいからである。事実、私は直後に対策ソフトを作動させた。しかしタイマーが仕組んであれば、10日間の潜伏期間があるので被害は爆発的に増加する。潜伏期間の間にもウイルスが増幅するからである。まさに国家規模のコンピューターネット災害が発生する可能性がある。皆さんにも、できるだけ早くワクチンソフトを導入することをお奨めします。そんなに高いものではありません。
空母キティホークの横須賀帰港は10月1日前後?(9月28日) [コメント]本日のさとし軍事通信員の報告によれば、空母キティホークの横須賀帰港は9月30日前後の可能性が高いという。これは米軍の第一次陽動作戦が終了したことを意味している。「空母3隻体制でアフガン空爆」「アフガンに特殊部隊が展開」「ビンラディン氏を追跡中」「英軍特殊部隊がタリバンと交戦」、そのような情報は米軍の陽動作戦として使われた。なにを隠すための陽動作戦かといえば、ウズベキスタンやタジキスタンに特殊部隊を展開さす作戦から目をそらすためだ。初期の非常に戦力の弱体な先遣隊が、タリバンの武装勢力に襲撃されないためである。しかし襲撃を撃退できる十分な戦力が移駐完了したので、第一次陽動作戦は終了した。これから当分は、空軍の輸送能力を最大限に発揮して、特殊部隊の緊急移駐を雪が降りだす前に終了させる気だろう。パキスタンへの移駐(戦力集中)は空軍の輸送力に、余裕が出てから始められる。あせらない、あせらない。ブッシュ大統領も国民に、「これからは忍耐が必要である」と話している。大規模な軍事作戦は準備に時間がかかることを知っておこう。
NATO集団的自衛権発動 米「現時点ではない」(サンケイ 9月27日 夕刊) [要約]米国のウォルトフォウィッツ国防副長官は、26日、ブリュッセルで開催されたNATO国防相理事会後の記者会見で、「集団的自衛権の発動について、現時点では考えていない」と表明した。NATOには戦闘への直接参加ではなく、テロ組織の情報収集や、資金遮断などを期待していることを表明した。

[コメント]初めて戦争を体験する若い人はこの発言に興味をもって欲しい。これが戦争外交の根幹に関わる部分だからである。アメリカはNATO条約第5条「集団的自衛権」の発動を求めないというのだ。逆にNATOは第5条の発動を期待しているというのにである。日本人なら「なぜ?」という気持ちだろう。しかしアメリカの立場に立てば、もしここで第5条を初めて発動させると、次にヨーロッパで大規模テロが起きた場合、アメリカは大規模な報復戦争を戦う義務を生じることになる。そのことを防ぎたいからである。具体的にいうと、もしパリやロンドンで今回と同じような大規模テロ事件が発生したとする。そしてその背後にイラクの秘密情報機関の関与があることがわかった。しかしフランスやイギリスには単独でイラクに報復する戦力がない。するとアメリカはイギリスやフランスに代わってイラクに報復するようになる。そのような連鎖を防ぎたいから、アメリカは第5条の発動を安易に求めないのである。逆にNATOは第5条をアメリカに発動させて、その法文の実績を残したいからである。国が戦争を行うというのは、それほど国家の一大事である。条約がどうの、法律がどうのといった問題ではない。今ごろは、日本に「旗を見せろ」といったアミテージ国務副長官は、「やばいことをいっちゃた」と反省しているだろう。日本では、アメリカの報復作戦に軍事支援する法案が国会で審議される。しかしRMA(軍事革命・情報軍事革命)の進んだアメリカは、日本の参戦が負担(お荷物)になることを恐れるかもしれない。ちょうど今回のNATOに対する対応のようにである。昨年のコソボ空爆の時、NATO軍はアメリカ軍の情報提供がなければ、空爆の目標を選定できなかった。NATO軍はRMAが遅れ、アメリカ軍の助けがなければ戦えない軍事組織になってしまっている。日本の国会の騒動を見ると、ちょっと軍事的センスがはずれていて、世界の笑いものになっているような気がする。
中央アジア5カ国 原理主義勢力排除に最大限の対米協力 (読売 9月27日 朝刊) [要約]アフガニスタンの北に位置する旧ソ連・中央アジア諸国が、基地提供や領空通過許可で最大限の対米協力を見せている。これは浸透する親タリバン派のイスラム原理主義勢力を排除するためと、石油や天然ガス田開発の投資を米国から得ようとしているからだ。

[コメント]米国の対タリバン作戦は、米軍特殊部隊と空挺部隊(ヘリを使った空輸機動部隊)を、アフガン北部に緊急展開できるかどうかに、作戦成功の80パーセント以上がかかっている。とにかく今は、アメリカからアフガン北部への緊急移駐が最大の緊急課題である。この忙しい時期に、だれもいない施設に、空爆や巡航ミサイルの発射をしている暇はない。米軍は本格的な冬が来る前に、空軍の輸送機を総動員して、3〜5万人規模の部隊と兵器を移駐できれば、このタリバン攻撃作戦は極めて楽になる。いまはその準備に必死である。米軍特殊部隊と空挺部隊のアフガン北部への移駐と配備がが完了して、こんどはパキスタンに米軍の大移駐が始まる。それがやがてアフガンの東と南から進攻し、タリバンを北の山岳地帯に追い払う。それを特殊部隊や空挺部隊が北部の山間部で待ち構えて撃滅する。それが米軍の基本作戦である。昨日、ラムズフェルド国防長官とブッシュ大統領が大規模な地上戦を否定したが、これはパキスタンからアフガンに進攻する部隊の規模を示している言葉だ。もしパキスタンに戦車師団を配備すれば、その補給やメンテナンスで大部隊が必要になる。カラチに大規模な揚陸施設と、海岸線からアフガンに向かう道路も確保しなければいけない。そんなことはしないで、米海兵隊を主力に軽歩兵部隊と空中機動部隊の一部との合同編成で、東と南からタリバンを追い出すつもりなのだろう。決してパキスタンに大戦力を集中しないわけではない。揚陸施設の必要のない、空輸できる部隊に限定するつもりと分析できる。今、パキスタンにはアメリカや日本ばかりか,EUなどの外交団が押しかけているが、それにはそれなりの訳がある。公然とアメリカの作戦を支援する態度表明の場所が、ワシントンとパキスタンであるからだ。地図は北極圏を中心とした地図。アフガン北部へ特殊部隊の緊急移駐と補給はアメリカからロシア領空を通過して行われる。アフガンとアメリカの位置関係を考える場合は、海軍はインド洋や太平洋の地図が必要だが、空軍の空輸作戦はこのような北極圏の地図で行われる。
空母キティホーク いったん横須賀へ帰港も(朝日 9月27日 朝刊) [要約]硫黄島で夜間離発着訓練をしていたキティホークの艦載機が厚木基地に飛来した。神奈川県大和市が昨夜までに17機を確認した。このため同空母は、いったん横須賀に帰港する可能性がでてきた。

[コメント]この情報については、昨夜、当ホームページの「さとし軍事通信員」(厚木在住)から、詳細なレポートが届いていた。私はいつも言っているが、今の段階で米軍が急いでタリバンを空爆したり、巡航ミサイルで攻撃する必要はないと思うし、イラクの不穏な動きもサウジやトルコに空軍機を緊急展開すれば、十分に牽制できると思っている。それにインド洋には2隻の空母がすでに配備についている。さらにさとし通信員のレポートを読むと、私の気持ちは「キティホークが横須賀に帰港する可能性が高いというより、帰港を確信する」にかわった。これはさとし通信員の大スクープに間違いない。このホームページを見ている皆さんを代表して、拍手、パチパチパチパチ、さとし軍事通信員、すごいレポートをありがとう。ところで本当に高校生?ところで沖縄の軍事通信員の方、海兵隊に動きはありましたか。
予告 9月28日(金) 朝5時〜6時 FM東京で生放送 今回の同時多発テロと報復戦争について解説します。 (9月26日) [コメント]28日金曜日、朝5時〜6時までの1時間、FM東京に生出演して今度の「同時多発テロと報復戦争」についてガンガン話すことになりました。お相手はプロ・サーファーの鈴木けいぞうさんです。まだお会いしたことはないけど、素朴な質問をガンガンとぶっつけてくるタイプの人だそうです。(木村デェレクター談)。放送時間は1時間、音楽は気休め程度の構成で、もうガンガンとやってくださいと木村さんが言っていました。早起きして聞いてくださいとは言わないけど、タイマーつきのラジカセを持っている方は、タイマーをセットすることをお奨めします。もうテレビも新聞も真っ白になるような情報をバンバン流します。これを聞けば、あのニュースはウソ(謀略に乗った)だったと気がつくはずです。
日米首脳会談 テロ対策に日米連携 (各紙 9月26日 朝刊) [要約]訪米中の小泉首相はブッシュ大統領と会談し、日米がともにテロを根絶するために連帯していくことを確認した。小泉首相は声明を発表し、「日本は武力行使以外(憲法の許す範囲)の面で、できることはたくさんある」と強調した。

[コメント]じつはこのテロ対策だが、姿が見えない敵(テロリスト)といわれるように、取り締まる方法は意外と限られている。ひとつは通信傍受である。国際的盗聴組織「エシュロン」を使って、テロリストの通信を記録したり、通信を封じる方法がある。この弱点は、暗号を使われると事前の兆候をつかむことが難しくなる。ふたつめは国際的な麻薬取り締まりに使われた方法だが、テロを支える資金面で追跡していくことだ。銀行の資料などから、資金の流れを追跡して、テロリストの関与を証明する方法だ。これもテロ活動を抑制する効果がある。このふたつは、テロが実施されたあとでも、証拠を固めて報復を行うことにも活用される。三つ目は行動監視である。テロリストと関係が深いと思われる人物を、各国の捜査当局がマークし、その行動を常時監視していくのである。誰に会った、どこに手紙を出した、どんなものを買った、どこを旅行したなど、捜査員が徹底的にマークする。この3点が特に重要で、対テロ情報機関が行う手紙のチェックに至っては、放射性物質を含ませた便箋や封筒をマークした人物に使かわせ、郵便局の中で特定の郵便物を放射線探知機で見つけ出すようなやり方もある。他にはテロリストに仲間を裏切らせたり、組織内に捜査員が偽装潜入したりする例もある。このようにテロ対策を強化することは、市民社会が国家の厳しい監視のなかに置かれることも意味している。そのことも知っておく必要がある。写真はホワイトハウス前で共同声明を発表する小泉首相とブッシュ大統領。
米軍の作戦シナリD (9月25日) [コメント]最近、アフガン国内で米軍の無人偵察機が撃墜されたり、カブール近郊でSAS(英軍特殊部隊)と思われる4人が、タリバン兵と交戦したことが明らかになった。これを受けて、開戦まじかと報道するマスコミがあるので、この辺でこれからの作戦シナリオについて、軍事常識の範囲内で説明しておきます。
 今の段階で最も重要なことは、アフガニスタンの北にあるウズベキスタンやタジキスタンに、米軍の特殊部隊や空挺部隊を素早く移駐させ、本格的な冬がくる前に1〜2万人の部隊を展開させることです。それが2日前にウズベキスタンに到着したC−130輸送機である。このときに移駐した100人が第1陣の特殊部隊である。これから続々と特殊部隊の緊急移駐が行われるが、今は兵員も少なく装甲車などの武器も不足している。先遣隊が奇襲攻撃を受ければもっとも弱い期間である。そこで先遣隊の安全を守るために、タリバンに対して陽動作戦が実施される。先遣隊の到着をタリバンの目からそらせるためである。無人偵察機をわざと低空で飛ばせタリバンに撃墜させたり、カブールでSASがタリバンと交戦したのは、この陽動作戦と推定できる。(本来は極秘のはずの特殊作戦を、英国のBBC放送がカブールの銃撃戦を素早く放送した) このように数名の英特殊部隊の隊員が、陽動作戦の任務を帯び、アフガン国内で秘密作戦を実施している。タリバンに米・英の特殊部隊がアフガンに潜入し、すでに本格作戦を開始していると思わせ、全土で警戒を厳重にさせ行動を封じるためだ。また北部同盟がいっせいに攻撃を始めたのも、この特殊部隊の陽動作戦に関連している可能性が高い。この特殊部隊移駐がアフガンの北に移駐を完了するのは数ヶ月先と想定できる。その間にも、特殊部隊の一部はアフガン北部や北部同盟の支配地区に入り、情報の収集や作戦の協議を行うだろう。また本格的な作戦を行うに必要な物資は、この北部同盟などの支配地区に運び込まれる。
 次に重要なのは、パキスタンへの兵力集中である。海兵隊や空挺部隊の一部は北部に送らないで、パキスタンへの橋頭堡を築く任務が与えられる。この進攻作戦が行われるのは、まだまだ先の話だ。まだ海兵隊は本格的に動き出していない。海兵隊が上陸作戦を行うためには、大量の物資を集め、事前に輸送船でアラビヤ海やデエゴガルシア島に送る必要がある。まだその準備が出来ていないので、海兵隊はそれほど急ぐ必要はない。米軍はデエゴガルシア島やアラビヤ湾に戦争物資を船や輸送機で集積して、それから本格的なパキスタン上陸作戦(飛行場への移駐と港湾施設)が始まる。もちろんこの上陸作戦が行われる時は、再び大規模な陽動作戦が行われる。上陸作戦初期に、ゲリラの攻撃を受けないためである。それから数ヶ月間、再び、パキスタンに大量の兵員や物資の集中が行われ、それからやっとアフガンのタリバンへの本格攻撃が開始になる。米軍はパキスタンの東(ペシャワール)と南(クエッタ)から進撃し、米軍の特殊部隊や軽歩兵部隊は北から南下して攻撃を開始するのである。私は3方面での本格的な進攻が始まるのは来年の春頃と予測している。このようにたとえ準備に時間がかかっても、米軍の被害を最も少なくするためは必要な作業なのである。
 ベトナム戦争でアメリカ軍が多くの戦死者を出した理由のひとつに、戦力の遂次投入の愚をやってしまったというものがある。ベトナム戦争初期には数千人の米軍事顧問団が、敗北を重ねるうちに3万、8万、10万、17万、25万、40万、最後には50万を越える米兵がベトナムに展開した。このように少しずつ兵員を増やすやり方は、「戦力の遂次投入(軍事専門的には遂次戦闘加入)」として、作戦立案では「愚作」と戒められている。戦争をやるなら、少々の怒りは我慢して、忍耐強く、ひたすらに戦力の集中を行い、攻める時は一気に攻めた(軍事学的には戦力の統一戦闘加入)ほうが、確実に勝利をものにできるし、味方の損害を少なくでき、戦争の期間も短縮することができる。今回は戦争の様相から、アメリカは必ず正攻法でやる。
中国新疆ウイグル自治区過激派 タリバンで軍事訓練 (読売 9月25日 朝刊) [要約]中国の社会科学院世界宗教研究所の王建平・副研究員が読売新聞の記者に語ったのもで、「ソ連崩壊後、新疆の分離独立派がタリバンと接触し、軍事訓練を受けたり、武器や宗教宣伝用のものを持ち帰ったとしている。その数は未確認だが、ウイグル族では400人程度だ」という。イスラム教を信仰するのは、ウイグル族800万人のうち99パーセントでほとんどが穏健派。しかし一部が地下組織をつくり、漢族に協力するウイグル族幹部の暗殺を行ったという。王副研究員は、「中国は国際テロに対する打撃・情報交換などで米国と協力できる」と語った。

[コメント]中国はアメリカの同時テロに対して、拒否権をちらつかせながら「国連での決議が必要」と主張し、認める代わりの代償を求めていることはミエミエだった。しかし1昨日、ライス安全保障補佐官に、「これはアメリカの自衛権の戦争で、国連の議決を求めない」とバッサリやられてしまった。あせったのは中国で、このまま国際的にアメリカの報復戦争支持が高まると、中国は外交的権益に大きなマイナスと気がついた。参戦は見送りながら、アメリカへの強い協力姿勢をみせたロシアのプーチン大統領とは対照的だった。そこで中国は外交戦術を変え国際テロの共通の被害者を演じて、アメリカとの関係を修復せる作戦に出たようだ。したたかな外交術が得意な中国も、今回のような戦時下の強引な外交術は下手だった。中国はアメリカに失望を与えたことは確かだ。そこで日本の対米外交だが、自衛艦の派遣や後方支援新法にしても、なにか空周りしていて日本の外交オンチをさらすことになっている。これではアメリカに軽く見られるのではないか。そんなにあわててパニックになるほど日本は弱くない。アフガン攻撃終了後に始まるアフガンでの国連平和維持活動も、対テロの観点からすればアメリカは日本に土下座(言葉は悪いが、これが率直な気持ち)してでもやってほしい仕事である。戦後のアフガンに米軍は駐留できないし、アフガン国民の生活が悪化すれば、さらにテロを生む温床になるからだ。今の段階で日本がアメリカに過剰なサービスをすると、日本は戦後のアフガンPKOをやりたくないから、今のあやふやな段階で貢献したように見せかけようとしているのではないかと疑われる。
パキスタン 3空港を米軍に提供 人里離れた地 選ぶ (朝日 9月24日 朝刊) [要約]パキスタンの軍事筋によれば、パキスタン政府は米軍に3空港を提供することを決めた。3つの空港は、ペシャワールから60キロ南のコハト空港、クエッタから南120キロのシャムシ空港、インド国境に近いパンジャブ州ムルタンの南80キロのラジャプール空港である。パキスタンのムシャラブ政権はアフガン進攻に都合がいいペシャワール空港やクエッタ空港は、民間機も多く発着し、米軍機や米兵に反発を招く上に、テロの攻撃になりやすい恐れもあり避けたようだ。

[コメント] この3空港は、あくまでパキスタンに移駐してくる米軍や同盟軍のための橋頭堡としての拠点である。米軍や同盟軍はこの3空港に移駐した後、空港警備に必要な兵力が集まれば、必ず、ペシャワール空港、クエッタ空港、アラビア海に面したカラチ空港に軍事力を展開する。アフガン進攻作戦にはペシャワール、クエッタ、カラチ空港は絶対に必要な戦略拠点であるからだ。ムシャラブ政権もそのあたりは十分に承知していて、まずは人目の少ない3空港に米軍を移駐させ、十分な戦力がそろったら他の空港の使用を許可するつもりだろう。戦時下の軍事作戦のためには、あらゆるものに優先して軍事政策が決定される。それが軍事の本質である。人の気持ちを大切にして、環境にやさしいに軍事作戦などありえない。(地図は本日の朝日新聞から) 
反タリバン「北部同盟」司令官がタジク首都入り (CNN 9月23日 Cnn.co.jp)
[要約]アフガニスタンの反タリバン「北部同盟」のファヒム最高司令官は22日、隣国タジキスタンの首都ドゥシャンベに入った。ロシアとタジキスタンの軍事、外交関係者と会談した模様。タジキスタン訪問中のクワシニン・ロシア軍参謀総長と会談したとの情報もある。 ファヒム最高司令官は死亡したマスード元国防相の後任者。「北部同盟」は以前からロシアと緊密な関係を保っている。

[コメント] アフガン西のイラン国境は封鎖した。東のパキスタンはアメリカに恭順を示した。後は北をどう固めるかである。ウズベキスタンに特殊部隊が展開中と下記に書いた。タジキスタンにもファヒム最高司令官が入り、タジキスタンと北部同盟の軍事関係を打ち合わせた。着々とタリバン包囲網が築き上げられていく。今後、反米色を強めるパキスタンのデモを威嚇するために、空母艦載機の低空飛行がパキスタンで行われる可能性がある。攻撃はしない。あくまで威嚇のためである。
米軍輸送機、ウズベキスタン入りか(CNN9月23日 Cnn.co.jp) [要約] ロシアのインタファクス通信は22日、ウズベキスタン政府筋の話として伝えたところによると、米空軍のC130中距離輸送機が2機、タシケントに到着した。兵士100人以上と通信関係機材など軍事物資を運びこんだという。 ウズベキスタンのカリモフ大統領は親米派として知られ、米政権に対アフガニスタン攻撃の協力をすでに約束している。ウズベキスタン国内には、旧ソ連のアフガニスタン侵攻に使われた軍事施設が数多く残る。ウズベキスタンは、米国によるアフガニスタン攻撃の重要拠点のひとつになると見られている。一方、プーチン・ロシア大統領は22日、セルゲイ・イワノフ国防相らと保養地ソチで緊急協議に入り、ブッシュ米大統領と約1時間にわたって電話会談した。11日の同時多発テロ事件以来、米ロ両大統領の電話会談は3回目。

[コメント]ブッシュ大統領とプーチン大統領の話は、軍事作戦の細分の部分まで打ち合わせが進んでいると予測できる。このタシケントに到着した米特殊部隊・先遣隊の任務は、現地司令部と本国とを軍事通信回線で結ぶことと、後続で飛来する本隊のために準備態勢を整えるためである。そのため、まだ弱体な先遣隊へ攻撃(テロ)を防ぐために、すでに特殊部隊がアフガン北部に侵入し、活動中といった偽情報が流される。それは地元での口コミのほか、短波でのラジオ国際放送などで行われる。また必要なら、速度の遅い無人偵察機をタリバン支配地区で飛ばし、わざとタリバンに撃墜させて潜入したと思わせる謀略をとることもある。軍事常識的に考えれば、まだアフガン国内に特殊部隊は入っていない。アフガンに入っているのは、アフガン出身者たちで組織されたスパイたちである。とにかく作戦初期の段階では、謀略や偽情報が多く流される。それに引っかかっては、軍事作戦が正しく予測できなくなる。迷ったら、軍事常識に従うように。
アフガン進攻作戦のエンドライン? (9月23日) [コメント]米軍がアフガンという不安定な地域で戦争をするために、どの段階で作戦を完了させるかが、地域紛争の泥沼に入らないためには必要項目である。すなわち作戦の目的と、戦後処理の構想である。私はこれをタリバンの武装解除(殲滅ではない)と思う。全面攻撃(おそらく春期)から数ヶ月間のうちに武装を解除し、来年の冬が来る前に米軍の主力はアフガンを撤退することがベストだと思う。その後はアフガンを国連統治にまかせ、アフガンに新しく統治する政権を育てるのである。それを北部同盟とすることは難しい。北部同盟と長い間ににわたり激しい戦闘を行い、武装を解除された元タリバン兵士の憎悪と恐怖が強く(民族的にも)、ロシアとの関係が深い北部同盟を前面にだすことは、アメリカの同意を得るのが難しいからだ。ともあれ、このように戦争のエンドラインを決める。そして統治機関を失ったアフガンに、国連の働きで新しい統治体制を誕生させ定着させる。そのような戦略的思考がなくて、外国で戦争をしてはいけない。タリバンの武装解除が終了すると、長い戦争で疲弊したアフガン国民を救助するために、国際的な救援組織が大挙してアフガン入りするし、世界中から救援物資が大量に届けられる。自衛隊はがむしゃらに参戦を希望するより、戦後のアフガンで国連活動(平和維持活動)を目標に検討・準備することをお奨めする。いまのように強引に参戦を決めると、国民が自衛隊に強い警戒心をいだくようになる。米軍も今の段階で自衛隊の参戦を希望しない。(アミテージの発想も朝鮮半島が統一されれば、変更になる) 世界には日本の自衛隊にしかやれない重要な役割があると思ってほしい。中谷防衛庁長官、肩の力を抜いてあごを引いてください。
ウズベキスタンに米軍機到着 米がアフガン周辺に特殊部隊の前線司令部を設置 (サンケイ 9月23日 朝刊」) [要約]ウズベキスタンの首都タシケントのAFP通信が、タシケントから約15キロ離れたトゥーゼル軍用空港に偵察機器を搭載した米軍機が到着したと伝えた。ウズベキスタンはロシアのプーチン大統領の強い影響下にある。同通信は、機数については明らかにしていない。またアメリカのUSA TODAY紙はアフガンと国境を接する国に米特殊部隊の前線司令部が設置されたと報じた。

[コメント]軍事常識に従うなら、まずは納得できる展開である。ウズベキスタンはアフガンと非常に高い高度の山岳地帯と接している。本格的な冬が来る前に特殊部隊をウズベキスタンに緊急移駐させ、アフガンの反タリバン勢力の北部同盟(1.5万人)と関係を密接にしつつ、冬季の間に監視機材をアフガン国内に設置するのだろう。しかし北部方面からアフガンに進攻する軽歩兵部隊(軽歩兵師団)や空挺部隊などの展開は、冬が越すのを待って行うのではないか。特殊部隊(SOF)だけでも米軍には、陸軍15300人(同予備役10600人)、空軍9320人(同予備役2300人)、それに海軍4000人(予備役1400人)もいる。ベトナム戦争で米軍が犠牲を大量に出した原因は、戦場監視機材の開発と配備を怠ったことも、重大な失敗原因の一つである。今回は電子機器を使った戦場監視機材がアフガン各地に設置され、山岳部でのタリバンの移動を厳しく監視することになる。写真はノースカロライナに駐屯する米陸軍の空挺部隊。米軍の中でも精鋭部隊である。
撃墜は「北部同盟」のヘリコプター タリバン情報省(CNN 9月22日 Cnn.co.jp) [要約]イスラマバード(ロイター) タリバン政権の情報省は22日、「北部同盟」のヘリコプターを撃墜したと発表した。アフガン・イスラム通信は当初、撃墜されたのは無人偵察機と伝えていた。 情報省の当局者はロイター通信に対し、撃墜したのはヘリコプターだと確認した上で、「何人が乗っていたのかは分かっていない」と述べた。 アフガン・イスラム通信は当初、無人偵察機が撃墜されたとし、アラブ首長国連邦のテレビ「アル・ジェジーラ」は米軍機だとしていた。 米国防総省は、この報道について、一切コメントしていない。

[コメント]今の段階で撃墜されたのが、ヘリか無人偵察機(PRV)か不明である。しかし米軍が無人偵察機を投入するのはまだ早いような気がする。無人偵察機の一種であるパイオニアは赤外線カメラや送信機を搭載し、8時間ほどの偵察飛行が可能である。全長が4.3メートル、全幅が5.2メートル、巡航速度は120キロ/時、重量は190Kgというのがだいたいの性能。なぜまだ早いかといえば、この機体は戦術偵察の段階で多用される。味方の部隊が展開し、目前の敵の布陣などを上空から探るのだ。このPRVを操作するには、トラック1台分程度の資材と人員が必要である。アフガンの山岳地域で偵察飛行を行うなら、1ヶ月程度の訓練期間が必要である。まだちょっと投入は早い。写真上は米軍が採用している無人偵察機パイオニア。イスラエルが開発したゲリラ対策のハイテク兵器である。対空レーダーの周波数を探るとか、無線通信を傍受させるなど、いろいろな活用が考えられている。無人偵察機にはこの他にもより広範囲を偵察できるジェット推進式のものも存在する。写真下は撃墜したとされるサマンガン州の位置。
米特殊部隊の出動を命令 (読売 9月22日 朝刊) [要約]ラムズフェルド国防長官はフォート・グラッグ基地(ノースカロライナ)の陸軍特別作戦司令部に対し、特殊部隊の出動を命令した。出動命令を受けたのは第75レインジャー連隊,第160特殊作戦航空連隊、心理戦部隊など。派遣先や任務については公表されていない。

[コメント]この記事によれば、このほかに海兵隊2200人、B−52戦略爆撃機、長距離戦略爆撃機B−1、空中給油機KC−135が出動したという。この特殊部隊や爆撃機、それに海兵隊の派遣は、いざ紛争が発生したり、紛争が予測される場合、もっとも早い段階で出動が命じられる部隊である。今回の場合、特にどこかを攻撃するためでなく、反米的なイラクや中東のイスラム過激派を牽制する意味が強い。特殊部隊が出撃したというニュースだけで、反米的な勢力は警戒を厳重にして、緊張状態で奇襲に備える必要がある。米軍は敵にそうさせることによって、それらの部隊の動きを封じたり、警戒任務などの兵力負担を増加させるのである。対タリバン戦で予想される特殊部隊の主な任務は、北部同盟の戦力強化、本格的進攻前の情報収集、空中機動部隊の誘導などがある。一般的に言われている、ビンラディン氏の身柄確保(暗殺・逮捕)を特殊部隊にやらせることは、極めて正確な居所情報が絶対に必要である。不必要に投入すれば、罠や待ち伏せにあったり、大兵力で包囲される危険がある。そのような場合には、コンバット・レスキュー部隊のような手当て(事前配備)が必要である。そう考えると、今はタリバンやイラクに心理的なプレシャーをかけるための出動と思われる。写真はMH−53Jペイブロウ特殊戦へり。いわゆるコンバット・レスキューを担当し、敵地で撃墜されたパイロットなども救出する。米本土のほか英国と韓国の鳥山基地にも配備されている。乗員を銃弾から守る装甲板を多用し、敵地での行動を想定して夜間低空飛行が可能な地形追随レーダーをなどを装備している。兵装に7.62ミリミニガンを装備している。1秒間に50発発射できる高速機関銃だ。特殊部隊の特徴については、軍事常識のABC「自衛隊の特殊部隊」をお読みください。
変わるか 米・イラン関係 (読売 9月21日 朝刊) [要約]フランス・フィガロ紙の記事からの転載である。タリバン勢力は隣国イランにとっても共通の敵で、先週のテヘランの金曜礼拝では、初めて「アメリカに死を!」という叫び声が消えた。200人の若者がろうそくを灯し、テロの犠牲者に哀悼の意を表明した。またそれを見ていた警官も、同様に沈痛な表情をしていたという。イランには毎年,何万人のアフガン難民が流入している。その中にはタリバンについて詳細な情報をもっているものもいる。イランが今度のテロ事件でアメリカに接近すれば、麻痺したイラン経済にアメリカの投資が入る可能性がある。イランはそれを喉から手が出るほど欲しがっている。

[コメント]日本の新聞では、アメリカの攻撃の時期をめぐって様々な情報が飛び交っている。しかし軍事を本当に知っているものは、今の時期はアフガンの包囲網を固め、外から援助物資やアフガンからの逃亡を防ぐ処置が重要とわかっている。イランはアフガンの国境を固め、アフガンに入る燃料や弾薬などの流入をストップさせた。さらにタリバンの情報をアメリカに提供するだろう。それのよってアメリカとの関係が劇的に改善される。中国がアメリカの武力行使は国連の決議が必要といっているのは、この報復攻撃を認めるかわりの見返りを求めているからだ。ロシアも同様である。タジキスタン、ウズベキスタンのロシア軍基地をアメリカに提供すれば、この地域にアメリカの影響力が強まることを警戒して、基地の使用を断わるのではない。あくまで基地使用料をアメリカ軍に高く支払わせる交渉術なのである。それらをアメリカ軍の攻撃に非協力と分析するのは間違いである。もし本当にロシアが基地提供を断われば、アフガン北部で航空戦力の支援が受けられない地上軍に損害が拡大する。そうなるとアメリカとロシアの関係は改善できないほど悪化する。アメリカが戦争状態なら、ロシアや中国は敵対(あるいは利敵)行為として認定されるから断われないのである。また今の段階で空母や空軍を中東に移動させるのは、アフガン周辺にむけて米軍の兵力の集中を行う間、そのスキをついてイラクやイスラム過激派が軍事行動を起こす危険がある。緊急展開中のアメリカ軍を分断させるためと、パキスタンへの戦力集中を混乱させるためである。そのために米国は空母や空軍をイラク周辺に展開させ、いつでも火が消せるように消火体制をとる。いわばパキスタンへの大兵力集中を、障害なく行うための軍事的予防処置なのである。子供が花火をするときに、バケツに入れた水を用意しておくのと一緒だ。それをあたかも米空軍機や空母艦載機がアフガンを攻撃すると判断してはいけない。日本全体(主に政府やマスコミ)が、まるで一時期のテポドン報道と同じように、「日本も戦争だ!」「日本にもテロだ!」「さあ空爆開始だ!」「特殊部隊の投入だ!」と、軍事知らずの馬鹿騒ぎをしている。もっと冷静になって、アメリカの軍事行動や戦争外交を分析する必要がある。写真はロシア製装甲車に乗って移動するタリバン兵士。
ニムダ、国内でも猛威 同時テロと関連か (サンケイ 9月20日 朝刊) [要約]コンピューター・ウイルスのニダムが猛威をふるっている。ニムダはプログラム言語「Java Script」を通じて感染するため、添付ファイルを開かなくても、ホームページを見ただけでも感染する危険がある。日本国内でも感染被害が広がっており、警察が捜査に乗り出した。

[コメント]昨日,知り合いの新聞社と放送局で感染したと連絡があった。気持ち悪くて,自社のコンピューターに接続できないと話していた。そこで当ホームページも、本日、専門家を呼んでセキュリティーやバックアップを強化することにした。この戦争が終了するまで、当ホームページに送られてきた写真など添付データは開かないのでご承知ください。さてこのウイルスだが、今までは国防省内ネットワークや政府機関などのコンピューター・ネットワークに潜入することを警戒し、対策を講じていたが、これはその周辺を麻痺させることを狙った新たなサイバーテロのテクニックだと思う。例えば、米軍はこれから報復戦争のために、膨大な物資を民間に発注する。また民間業者はそれを民間の運送会社に運ばせる。それらの事務作業は、ほとんどがインターネットを通じて行われる。その回線が使えなくなると、戦争のために軍が民間に発注した物資が届かなくなる。それでは報復戦争が出来ないのである。今までは軍は自分たちの入り口を固め、攻撃から身を守る努力を行ってきた。しかしその軍の砦に通じる水道や電気を遮断したのである。これは同時多発テロのように民間機を乗っ取って、高層ビルや主要な建物に激突させるテロに似たものを感じる。とにかく今では民間のインターネットを破壊されたら、米軍が海外に出動して戦争をやることは不可能になる。
展開命令受けた米空軍機がペルシャ湾へ (CNN 9月20日 Cnn.co.jp) [要約]ワシントン(CNN) 11日に発生した同時多発テロの報復攻撃に備え、前方展開命令を受けた米軍機の第一陣が、ペルシャ湾に向かっていることが19日明らかになった。国防総省筋が伝えた。早ければ20日にも目的地に配備される。第2弾の展開命令が下れば、配備される米軍機は総数で100機以上になるかも知れないという。

[コメント]この配備は対アフガンではない。あくまでイラクの不穏な動きを牽制するためと、将来のイラク攻撃に備えるためである。今,アメリカは今回の同時多発テロ事件の実行犯と、イラクを結びつける証拠探しに必死である。この機会に、イラクを再び攻撃し、フセイン大統領を始末したいからである。それにアフガンの戦闘では、陸軍の空中機動部隊や特殊部隊、それに海兵隊の戦力で十分に戦える。逆にハイテク航空機や精密誘導兵器は山岳移動のタリバンには使えない。そこで出番を失った、海・空軍のために活躍の場を作る必要がある。それがイラクである。この米陸・海・空・海兵隊のライバル意識は相当なものである。将来の軍事予算の配分にも結びつくから、簡単に後ろに控えておくわけにはいかないのだ。写真は米空軍のF−15戦闘機。航空ファン「アメリカ空軍の翼」(文林堂)空軍創立50周年特集(98年)より。
兵力集中の原則 ランチェスターの第2法則 (9月19日) [コメント]マスメディアではアメリカの素早い報復攻撃の話題や分析があふれています。しかし軍事理論を正しく勉強する者は、決して感情的な分析や戦争映画のような想定を楽しんではいけません。大部隊を動かす軍事計画は計算された理論で実施されます。それではなぜ、アメリカはこれからパキスタンに大兵力を集結させるのか、その基本になる「集中の原則」について説明します。これはランチェスターの第2法則といって、経済活動にも応用されている理論です。できるだけわかりやすく説明しますから、数学が苦手な人も拒絶反応をしないで読んでください。ビジネスにも役立つ理論です。写真は反タリバンの北部同盟のアフガニスタン兵士。今回はアメリカと共同して戦うことを決定した。

[実戦例] ある海戦で、大砲の口径や射程、それに砲門が同じ戦艦が交戦したと想定します。A軍は5隻、B軍は3隻でした。この場合、海戦が終わったとき、5−3=2でB軍は全滅したのにA軍は2隻残っていたという計算になりません。正しくはB軍は全滅したのに、A軍は4隻残っているという計算があります。これがランチェスターの第2法則で、これを「戦力集中の原則」と呼んでいます。昔の海戦は、精密誘導兵器がありませんから、互いに大砲を撃ち合って海戦をおこないます。砲弾が命中する確率は数パーセントでしょう。そのために、互いの艦隊は、まず相手の1隻に集中して砲撃を行います。まず1隻沈めて、それから次の1隻に砲火を集中するという戦法です。これもランチェスターの法則を応用した戦術です。するとA軍とB軍の戦力差は、√A2(二乗)ーB2(二乗)という公式が生まれてきます。(ルートが苦手な人はそのまま読んでください) A軍の二乗は5の二乗ですから25、B軍の二乗は9です。で、計算をすると√25−9は√16です。√16は4ですから、B軍が全滅したのに、A軍は4隻が残るという計算が成り立ったのです。これが仮にA軍が50隻で,B軍が5隻と計算してみてください。√2500−25=√2475=約49.7という数字がでてきます。すなわちB軍の5隻は全滅したのに、A軍は1隻が軽い損傷(0.3)を受けただけということになります。ですからランチェスターの第2法則から、戦闘は味方の戦力をできるだけ集め、大兵力で臨む方が損害が軽くて済むといえるのです。アフガンにいる6万人程度(4万人?)のタリバンでも、武装ヘリや対地攻撃機を多数配備している米軍・多国籍軍が、10万人,20万人,30万人いう大兵力を集中して戦ったほうが、戦闘期間は少なくなるし、地上軍を投入しても損害を軽減することができます。そのような軍事理論から、私はアメリカの報復戦では、これからパキスタンに大兵力を集中すると予測しているのです。米軍の特殊部隊でも小規模な戦闘はできます。しかし今回、アメリカの首脳は本格的な戦争を行う決心を固めています。ですから、アメリカは戦争を確実に勝利するためと、被害を最小限にするために、特殊部隊のような小部隊を次々に参戦させるより、一気に大部隊を集結させて決戦に臨みます。フガンの対タリバン戦では、そのような戦略的な思考と計算で動いていきます。ランチェスターの第2法則、「戦力集中の原則」、理解できましたでしょうか。これで今日の1時間目の授業を終わります。キンコン、カンコン。
同時多発テロ 早い実行犯特定の理由は? エシュロンのもうひとつの技 (9月18日) [コメント]今回の同時多発事件で、アメリカの捜査当局は実行犯の特定を数日で行いました。あまりの早さに、アメリカはこの事件が起こることを、なんとなく事前に察知していたのではないか、という質問が多く寄せられました。その捜査の仕掛けを説明します。まずこれは「エシュロン」の成せる技なのです。エシュロンはアメリカのNSAが指揮する世界最大の盗聴組織ということは、このホームページを読んでいる方は知っていると思います。あの盗聴組織は、大量の通信を盗聴し内容をデーターとして保存しています。その保存データーを捜査に使ったのです。犯人の一部は、空港の駐車場に乗り捨てたレンタカーの中に、コーラン、操縦マニュアルなど、犯人と特定できるような証拠を残しています。そのレンタカーの借主から、一部の者の名前が特定されました。次の段階で、この犯人が使用していた電話(携帯電話も)の番号から、電話の通信記録をあらっていくと、テロを起こした仲間との通信記録に結びつきます。こうして電話の番号、通信記録、Eメールアドレスなどから、エシュロンの盗聴記録と照合させていきます。といっても、コンピューターが瞬時に情報処理をするので、極めて短時間に実行犯を特定することができたのです。エシュロンはすべてを盗聴し、これから起こる犯罪やテロを防止するというより、今回のように犯罪の事後の捜査により活用できるという特徴があったのです。日本でも携帯電話の通話記録で犯罪者が逮捕されたり、高速道路などに設置されている車のナンバー照合装置から、犯罪の重要な証拠を得ることも日常的に行われています。ここで最大の疑問は、テロの実行犯がなぜレンタカーを実名で借り、車内にコーランなどを残していったかという点です。私は死を目前にした犯人が、この世に生存していた証を残したのではないかと思っています。この世には葉っぱ1枚ほどの未練が無いと言いながら、自爆テロの前に生きてきた証を残す。ここにテロを世界から根絶する鍵が隠されているように思います。
米軍の作戦予測 米軍・多国籍軍のタリバン攻撃作戦を予測する。(9月18日) [コメント]新聞も週刊誌も、米軍の「報復作戦・予測」で紙面を潰しています。やれ「今月下旬の攻撃が有力」「空母部隊の空爆か」「巡航ミサイルで攻撃」と大騒動である。中には「核攻撃の可能性」という見出しのものもありました。これらは軍事作戦を正しく理解していないと思います。新聞には防衛庁や自衛隊幹部(匿名)のコメントで、数日後に攻撃開始を予測、なんてものもあり「唖然」としました。もしそのコメントが本当なら、その人たちに、「もう一度、軍事学を基礎から勉強しなおしなさい」と叱りたいと思いました。

 それでは基本的な報復作戦の軍事シナリオを説明します。アフガンへは地上軍の派遣が不可避です。それはタリバンの勢力と、アフガンの地形に左右されるからです。タリバンは数百人程度の部隊で、小さな町や村などに分散・駐屯しています。それが大きな作戦が始まると、集結して数千人の規模で攻撃を行い、作戦が終了すれば元の町や村に引き上げます。ですからタリバンのような敵を攻めるため、米軍・多国籍軍はパキスタンの4ヶ所の飛行場に軍事拠点を作ります。やり方は、まず空母航空団が空港上空を低空飛行し、親タリバン勢力を轟音で威圧します。次に周辺(国や海上の艦船)などから空中機動部隊、特殊部隊が多数のヘリで飛来し、直ちに空港と空港周辺を確保します。そこに装甲車や火砲を積んだCー17輸送機がデエゴガルシア島などから飛来し、次々と滑走路に着陸し、兵器や兵士を降ろします。またヘリの強襲部隊の第2陣,第3陣は、パキスタン政府の建物や重要施設に配置されます。パキスタン政府を親タリバン勢力から護るためです。こうしてパキスタンの空港と都市を固めると、同時にインド洋に面した海岸に海兵隊が上陸し、海から各飛行場に通じる道路を確保する作戦を開始します。空路が確保されているので、それほど緊急に道路を確保する必要はないでしょう。こうしてインド洋の海上補給部隊と、パキスタンの空港に緊急展開した部隊が道路や空路で結合されます。それから米軍と多国籍軍は続々とパキスタンの戦略拠点に輸送され、兵員や弾薬、戦闘車両なんどの大規模な集結が行われます。(どうも日本人はこの「兵力集中」の重要性が理解できないようです)

 その戦力集結が行われる間に、反タリバンの北部同盟に武器援助や航空攻撃を誘導する特殊部隊の隊員が派遣されます。またアフガン各地の主要な道路や峠を見渡せる場所、それにタリバンが米軍を待ち伏せされると予測される地域には、特殊部隊によってテレビカメラや赤外線カメラなどの各種監視機材が設置され、巧妙にカモフラージュされます。こうして米軍はタリバンの動きが常時監視できるようになります。この間に偵察部隊とタリバンが、予定外の遭遇で小さな戦闘が行われる可能性があります。その場合は、少人数で劣勢な特殊部隊に対して、コンバット・レスキューの部隊が救援に向かいます。Aー10攻撃機やアパッチ攻撃ヘリが、危機が迫った特殊部隊の周辺を制圧し、その間に救出ヘリが着陸して特殊部隊の隊員を収容します。ですから、コンバット・レスキューの部隊がパキスタンなどに展開し終わるまで、特殊部隊の組織だった作戦は発動されません。このほかにアフガニスタン出身者で、今はアメリカに住んでCIAに所属するスパイが、アフガン国内に潜入し親類などに身をよせて情報活動を行います。

 パキスタンに米軍と多国籍軍の大勢力(最大20万人ぐらい)と軍事物資が集結して、いよいよ総攻撃の開始になります。これを仮にアフガニスタンの頭文字のAをとって「Aデー」とします。Aデーは集結する戦力にもよりますが、最短でも3〜4ヶ月はかかると思います。米軍の司令官は厳しいアフガンの冬を考えれば、来年の春先にAデーを設定したいところですが、軍事を知らない政治家が圧力をかけて、早くしろ、早く作戦を開始しろというかもしれません。

 Aデーが開始されると、あらかじめ情報収集活動でタリバンの拠点と特定していた場所に、航空機から集束爆弾が何発も投下されます。これは爆弾が機体から離れ落下すると、1000メートル付近で破裂して子爆弾を放出します。その子爆弾が高度50メートルぐらいの低空で爆発して、周囲に爆風と破片を撒き散らします。地下に潜っていれば助かりますが、地上のトラックなどの車両や家屋はメチャクチャに破壊されます。その次にタリバンを襲うのは武装ヘリの編隊です。攻撃ヘリはまずロケット弾を発射して、火砲や戦車(旧式)を破壊します。次に側面に7.62ミリのチェンガン(発射速度 毎分3000発)を搭載したヘリが、地上で動くものがあれば数秒の掃射を行い、全身を穴だらけにするでしょう。大編隊の攻撃へりによる地上攻撃。これがアフガン戦争の最大の特徴だと思います。ベトナム戦争時代とは比較できないほど進化した大規模なヘリ部隊が投入されます

 こうして地上の敵が壊滅した後、輸送ヘリなどで運ばれてきた歩兵部隊がこの地に着陸し、同じく空輸された戦闘装甲車とともに地下に潜む敵兵を掃討していきます。掃討が終われば、歩兵部隊は数時間後にはヘリで撤退していきます。しかしもし地下に潜った敵が,組織的な反抗を行えば、航空部隊に要請して、簡単な地下貫徹爆弾で爆撃を行います。旧ソ連軍のような戦車を先頭にして、輸送トラックの車列が延々と続くといった様相とはまったく違う戦闘が行われます。そのような対ゲリラ戦闘が、世界の経済やエネルギー事情に関係のないアフガンで、数年間は続くことになると想定しているのでしょう。そうなると米陸軍では、アフガニスタンのようにヘリで輸送できない重戦車や、重い戦闘車両は使いものになりません。また核攻撃は行われないと思います。核兵器は国家存亡の危機を迎えたときにのみ使われる究極の兵器で、いくらアメリカ本土のテロが激しかったといっても、核のボタンに手がかかるような事態ではありませんでした。

 ここで気になるのは、アフガンの戦争では空軍や海軍、それに戦車部隊の出番がほとんどないことです。それでは空・海軍や戦車部隊の不満が高まり、新たな戦争を模索する動きが必ずでてきます。わたしはそれがイラクではないかと思っています。今、アメリカはイラクを攻める理由を必死に探しているのではないでしょうか。例えばイラクを、「テロを資金面で支援した」「ビンラディンの仲間をかくまった」「あらたなテロを準備している証拠がある」という理由で、空・海軍と戦車部隊がイラクの攻撃をするような動きです。今はそのような動きは顕著ではありませんが、トルコ、シリアなどの動きをみると、アメリカがイラク攻撃のための地固めとしている気がしてなりません。それとも単にイラクを威嚇して、イラクの不穏な行動を封じているだけかもしれません。

 長くなりましたが、最近の新聞や週刊誌の記事が、あまりにも素早い報復戦の始まりを予測しているので、あえて軍事常識を知ってもらうために書きました。この解説で、わたしのところに来ているメールの半分ぐらいの質問に答えたことになります。(まだまだ先は長くなりそうです。この段階から,新聞や雑誌などをきれいに整理して保存しておくと、将来は非正規戦を研究する貴重な参考資料になります。高校生や大学生の方で、将来、政治家や自衛官、ジャーナリスト,外交官、政治研究家などを目指しているかたにお奨めします。)
疲れました。本日は寝ます。(9月17日) [コメント]本日は5時に起きて、TVニュースをチェックをしながら、6時台,7時台にラジオの電話出演し、8時から9時まで当ホームページの書き込み。9時から10時半まで月刊誌「丸」の緊急レポート(400字9枚)を書いて送信。11時頃にスーパーで買い物。本日の夕食は焼きそばと餃子と決めて買い物。お昼のニュースを見ながら昼食。おかずは昨日の夕飯の残りもの。食後に着替えてタクシーで日テレへ。途中、銀座のニコンサービースセンターに寄って、修理に出していたニコンFM2を受け取る。日テレ着は13時35分。2時から「ザ・ワイド」に出演。ワイド終了後に、明日、朝、放送分のジパング朝のインタビュー収録。(明日、日テレで6時40分頃に放送)。帰りは送迎のタクシー。タクシーの中で、週刊スパの編集部から取材の電話。続いて週刊誌2社からも取材の電話あり。月刊誌スコラから、電話で次号の緊急特集の打ち合わせ。帰りに自宅近くの印刷屋さんで名刺の受け取り。帰宅は5時40分。自宅で着替えたのち、テレビのニュースを見ながら、夕刊をチェックしつつ、手は缶ビール。その間に新聞社、出版社のインタビューが4件。6時半から夕食の焼きそばと餃子を作る。会社員のカミサンが7時10分に帰宅。夕食。その後、10時半まで電話インタビューが3件。もう疲れました。本日はこれで寝ます。オイ、000新聞社、夜中の2時半に電話をかけて、「先生、寝てました?すいません、ちょっと質問していいですか?」俺にも睡眠時間をくれー。
ビンラディン氏の身柄 「3日以内に引渡し」を パキスタン特使派遣 (各紙 9月17日 朝刊) [要約]パキスタン政府はタリバンに特使を派遣し、「3日以内にビンラディン氏を引き渡さないと米国の軍事行動に直面する」と通告するという。

[コメント]これは本当の意味でビンラディン氏の引渡しを要求する行動ではない。むしろ目的は逆で、タリバンに引渡し拒否の態度を固めさせる目的がある。今日の特使派遣は、タリバンが今まで強行姿勢を見せてきたパキスタン政府である。そのパキスタン政府の特使に、タリバンは口が裂けてもビンラディン氏を引き渡すとは言えない。(弱気なところを見せれば命取りである) またテロ事件から1週間も経過していないし、ビンラディン氏が犯人と断定できる明確な証拠があるわけではない。また重要な組織決定には、なにかと交渉や話し合いに時間がかかるのがあの地方の人の特徴である。それに交通インフラが破壊されているので、3日間という短い時間を設定したのも、引渡し拒否を誘い出す巧妙なテクニックである。アメリカとしては今の段階でビンラディン氏を引き渡されたり、タリバンが降伏を申し出られては困るのである。タリバンへの盛大な報復戦で,アメリカの威信を回復し、全世界に強いアメリカを演出させてみせる。これがアメリカの21世紀最初の戦争目的である。
イランが国境封鎖 タリバンへの燃料補給路 (読売 9月17日 朝刊) [要約]イラン内務省は隣国アフガニスタンとの全長950キロを、軍や警察により完全封鎖したと公表した。イランはすでに国内に200万人のアフガン難民を抱えており、内務省はこれ以上の難民流入を防ぐためと説明しているが、イラン経由でアフガンに燃料などが供給されるのを防ぐ効果もある。

[コメント]この素早い処置によって、アメリカとイランの関係は急速に改善するだろう。ちょうど湾岸戦争を機に、多国籍軍に参戦したシリアとアメリカの関係に似ている。むろんイランはアメリカのための処置ではなく、あくまでアフガン難民流入阻止ためだといっても、燃料のアフガン流入を止めればタリバンへの攻撃と同じである。次はアフガン北部だが、ここには故マスード司令官が指揮した北部同盟がいる。マスード司令官は自爆テロに倒れたが、その報復戦で北部同盟は士気を高めているだろう。北部同盟へのわずかな武器援助や資金援助で強力な北のバリケードになる。アフガンのタリバン包囲網は概ね形を整えたことになる。写真は16日、アフガン北部のパンジシール渓谷で、マスード司令官の遺体埋葬に向かう人々。読売新聞より。
アメリカがタリバンに第一次の攻撃を準備 イスラエル情報筋が語る (9月16日 ) [コメント]先ほど新聞社からの情報によれば、イスラエルの情報筋は間もなくアメリカがタリバンに第1回目の攻撃を行う予定と語ったといいます。その件で、どのような規模の攻撃で、何が目標かという問い合わせがありました。もしこれが事実とするなら、攻撃は巡航ミサイルの発射で、目標はパキスタンとアフガニスタンのタリバン本部と推測できます。攻撃の目的は、タリバンの敵愾心を煽るためで、間違っても降伏などしてほしくないからです。またタリバンの指揮・命令系統を混乱させ、和平に動くような行動を封じるためです。アメリカ政府がもっとも心配するのは、タリバンが降伏し、ビンラディンを差し出すという事態です。それでは報復の目的がなくなり、アメリカ国内で高まっている敵愾心を満足させることが出来ません。そのために、アメリカはタリバンを挑発します。軍事の世界で挑発は立派な軍事行動で、相手を挑発することによって、こちらが待ち構える場所や時間に敵を誘導する目的があります。ここ2〜3日の間に、アメリカが巡航ミサイルを発射したり、限定的な空爆を実施したら、それを報復の始まりと思わないで、タリバンを挑発したと判断してしてください。軍事を正しく見るためには、勝手な想像は間違いのもとです。
米軍が“軍事演習” テロ事件報復攻撃の準備? (CNN.co,jp) [要約]東ティモール・ディリ――ロイター通信は16日、インドネシアからの分離独立を決めた旧ポルトガル植民地東ティモール南西部の海岸で、3000人以上の米海兵隊員らがヘリコプター、水陸両用攻撃型艦艇3隻などを動員した上陸作戦演習を実施した、と報じた。米国で先に発生した同時多発テロ事件を受け、米軍が準備を進めているとされるアフガニスタンへの報復攻撃に備えた作戦との見方も出ている。

[コメント]パキスタンへの進攻を想定して、海兵隊が訓練を始めた最初の兆候である。進攻先はパキスタンの空港で、空港を橋頭堡として確保する任務が与えられる。今回は特別な訓練ではないが、親タリバン勢力が動き出す前に、各空港への移駐を完了する必要がある。作戦開始から2時間。この2時間以内に空港を支配下に置き、周囲からの攻撃を阻止できる素早い移駐が訓練のポイント。そのためには周到な準備と、大胆な行動が要求される。このホームページはどこよりも早く軍事分析を公開しています。写真は戦闘車両を空輸する海兵隊の大型輸送ヘリCH−53E。東チモールでの海兵隊演習。
イランが国境に軍隊と治安部隊を増強 (NHK速報 9月16日 )  [要約]NHKテレビの速報によれば、イランはアフガン国境に軍隊と治安部隊を増強し、アフガンから難民が流入することを防ぐ処置をとることがわかった。

[コメント]イランに関する最初の情報である。アフガン難民の流入防止といっても、実質的には国境の武力封鎖に等しく、タリバンが西(イラン)に逃れてくるのを防ぐ効果がある。アフガン包囲網がだんだんと形を成すことに注目して欲しい。今の段階で、特殊部隊がどうのとか、空爆がどうという情報は大間違い。そのために目標の設定など、必要な情報の1000分の1も集まっていない。
ロシアは参戦せず プーチン大統領表明 (TVニュース 9月16日) [要約]ロシアのプーチン大統領はテレビで声明を発表し、回のテロ組織に対する戦闘にロシアは参戦しないことを表明した。

[コメント]ロシアはアフガン侵攻の傷がまだ癒されていない。ちょうどベトナム戦争に敗北したアメリカが、いまなおインドシナ情勢に関与できないのと同じである。いくらイスラム過激派のゲリラを根絶するチャンスでも、アフガン侵攻の古傷が痛んで動けないと理解すべきだろう。しかし裏の部分では、かなりの分野でロシアはアメリカに協力するだろう。なわちアフガン包囲網を確立させるために、タジキスタン、トルクメニスタンの基地提供は認めるということだ。
米国、アラブ諸国に「反テロ同盟」呼び掛け (CNN 9月16日 CNN.co.jp) [要約]ワシントン(CNN) 国務省は14日、中東地域の14国とパレスチナ自治政府の大使らを集め、米国の軍事行動への支持を訴えた。パウエル長官も同日、サウジアラビア、チュニジア、モロッコ、シリア、バーレーン、クウェート外相に次々と電話した。会議では、バーンズ国務次官補が、「(1)今回の事件の支援者を含めたテロリストの逮捕と起訴、(2)資金の流れの根絶」に協力するように求め、「テロと戦う同盟に加わるのか、加わらないのか」の二者選択を迫ったとされる。エジプトのファミ大使は「中東の地政学を変えるなど目的を広げてはならない」とくぎを刺した。中東地区では米国に近いエジプトやサウジでさえ、テロ捜査に全面協力できないのは、いずれも国内にイスラム教強硬派を抱え、あからさまに協力的な態度は政権基盤を弱めかねないからだ。状況は非常に複雑だ。

[コメント]この呼びかけは、アラブ諸国の戦力提供や基地の使用を求めたものではない。あくまで『報復戦争』の戦後に始まるテロのリスクを抑制したり、分散させたいからである。アラブの反テロ同盟成立の可能性だが、産油国としての富を一部の王族や特権階級が独占している国は加わりたいと思うだろう。しかし国内の原理主義者の批判(抵抗)をどう扱うかである。アルジェリアのように、原理主義者の死体の山を築くというやり方もあるが、自らの犠牲も大きい。そこでアラブ諸国が同盟に加わることによって、アメリカが何を与えるかが問題だ。パレスチナ問題を取引材料にする可能性も否定できない。また表面的には非協力を示しながら、裏(密約)で協力する方法もあるが、政治的な効果を考えると、アメリカはあくまで協力表明を求めるだろう。地図はアフガンと中東の位置関係を示している。さらに展開中の米軍を示している。(朝日新聞 9月16日 朝刊より)
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孫子の兵法 謀攻の編  故に用兵の法は、十なれば則ちこれを囲み、五なれば則ちこれを攻め、倍なれば則ちこれを分かち、敵すれば則能ちこれと戦い、少なければ則能ちこれを逃れ、若かざれば則能ちこれを避く。故に小敵の堅は大敵の檎なり。

 〔訳)戦争の原則は、敵の10倍の戦力があれば包囲する。5倍なら攻撃しなさい。2倍なら敵を分断して戦いなさい。戦力が等しければ戦い。少なければ逃げなさい。まったくかなわないなら隠れる。少数なのに強気なものは大部隊のとりこになる。

[コメント]これから米軍がアフガニスタンのタリバンを攻撃する戦争の原則である。早くタリバンに報復をしなければ、戦争の利が得れないと思うのは素人の考えである。報復戦で勝利を確実にするのは、とにかく10倍の軍勢を集め、アフガニスタンを包囲することである。先陣の功をあせって、包囲が固まっていないのに攻撃をするのは愚人のすることである。またイランがアフガン包囲網に協力せず、タリバンに逃亡ルートを提供すれば「テロリストをかくまう国・テロ支援国家」になり、米軍・多国籍軍の攻撃を受けることになります。そのようにアメリカはイランに圧力を加えています。というのが軍事常識です。ですから空爆や巡航ミサイルで、とりあえずの報復攻撃はありえないのです。本日のマスコミからの質問で、あまりにもこの種の質問が多いいので解説しておきます。
横須賀軍港 ミサイル巡洋艦「カウペンス」あわただしく出航 (神奈川新聞 9月15日 同紙ホームページより) [要約]本日、横須賀米海軍基地からミサイル巡洋艦「カウペンス」が出航した。行き先、任務について横須賀基地は「ノーコメント」としている。

[コメント]行く先は言わずと知れたインド洋である。しかしここで若干気になる動きがある。それは今度の攻撃目標に、イラクも入っている可能性が高くなったことである。まず昨日はトルコが米軍に基地を提供することを表明した。今回のアフガン〔タリバン)攻撃にはトルコの基地はさほど重要ではない。(イラクを牽制するには最高) それなのに基地提供表明は早すぎる。さらに本日はイラクに隣接するシリアのアサド大統領(湾岸戦争時代の息子)がアメリカに協力する旨を申し出た。シリアの反応も早すぎる。アメリカの外交工作が進展している成果と思う。そして本日の横須賀港から「カウペンス」の出航である。巡航ミサイルはタリバンの攻撃には不向きな兵器であることはすでに書いた。にもかかわらず、ミサイル巡洋艦のあわただしい出航をみると、アメリカはイラクが今回の同時多発テロ事件で、首謀者と言われるビンラディン氏がアフガンを脱出してイラクに潜入すれば、一気にイラクを攻撃をするつもりで、攻撃体制を整えているのではないかと思わずにはいられない。〔ただし対イラクは空爆のみ) パウエル国務長官の本日の発言を聞いていると、イラクも報復のターゲットにしているような気がしてならない。あるいは、そのようなメッセージをイラクに送っているのだろうか。まだイラク攻撃は明確ではないが、今後、この可能性にも注目していきます。写真は横須賀港沖で巡航ミサイルを搭載するミサイル駆逐艦「カーティス・ウィルバン」。神奈川新聞のホームページより。
パキスタンの空港に作戦拠点 米海兵隊が橋頭堡 (朝日 9月15日 朝刊) [要約]14日、パキスタン軍の司令官級の会議が行われ、具体的な作戦が検討された。軍や政府関係者の情報を総合すると、首都イスラマバード,アフガニスタン北部国境に近いペシャワール,インド洋に臨むカラチ、アフガン南部に近いクエッタの各空港を米軍に提供する方針。

[コメント]この空港を最初に押さえるのは米海兵隊や空中機動部隊(旧空挺師団)である。この動きにはアフガン進攻以外に、パキスタン政権をタリバン勢力から護衛する任務もある。佐世保の米海兵隊「エッセクス」強襲揚陸艦は現在改装工事をしていて、今は甲板を張り替えている。来週中には横須賀に入り、改修後の検査を受けるようである。インド洋への出撃はそれからである。またアメリカ政府はアフガニスタンに隣接する、ウズベキスタン、タジキスタン両国の空港〔軍事施設)を使用できるように、ロシアに許可を求めると報じた。〔この部分,毎日新聞)。アフガン周辺の空港を押さえて、タリバン包囲網を固める作戦だ。こうなるとイランの動きが気になる。イランが国境封鎖にでれば、タリバン包囲網が完成するからだ。イランは数年前、対タリバンとの戦闘を想定して、国境付近に大部隊を集結させる演習を行ったことがある。まさかタリバンをかくまって米国・多国籍軍の攻撃を受けるようなことはしないと思うが・・・。写真は佐世保に配備されている強襲揚陸艦「エセックス」。2000名の海兵隊員を載せて、ハリアー攻撃機やヘリを使い揚陸作戦を行う能力がある。殴りこみ部隊である。
米上院 400億ドルの緊急財政支出を採決 武力行使の容認を決議 (NHK 9月15日 テレビニュースより) [要約]上院は同時多発テロに関して400億ドルの緊急財政支出を採決した。これは半分の200億ドルを復旧に使い、残りを報復のための戦費に使用する予算処置である。また同時に、大統領に対して、報復のための武力行使を容認する決議を全員賛成で可決した。

[コメント]米国内の課題はすんだ。次の政治課題は国連決議である。国連でテロ組織への武力行使の容認を決議してもらうのである。すると日本国内で、「また日本は,お金だけを出して済ますのか」という意見がでると思います。しかしそれは湾岸戦争の場合であって、あのときは日本もクエートから石油を買っていました。だからアメリカに130億ドルの緊急戦費援助を行ったのです。しかし今回はアメリカの経済や国防の象徴を破壊され、多くの犠牲者を出したアメリカ国内のテロ事件です。アメリカは日本に報復戦に資金援助をしてくれとは絶対にいいません。これにはアメリカの威信がかかっているのです。〔日本の方から、アメリカに軍事資金援助を申し出せば別ですが) ですから「日本はまたお金だけだして自衛隊を出さないのか」という意見は的外れです。日本はテロに対しては厳しく対処する。しかし今は冷静で慎重な対応が必要です。写真はペルシャ湾で待機する米空母艦載機。9月13日。
米軍の作戦予測C 報復戦の概要(一般的な戦略論) (9月15日) [コメント]今回は地上軍の投入は必ず行われる。すでに何度もいってきたが、巡航ミサイル,空爆のみの戦闘はおこなわれない。その理由は、ミサイルと空爆だけでは、報復の規模に達しないからだ。またタリバンは移動する部隊である。橋や建物のように固定目標でないので、ミサイルや空爆では不適なのである。現在の段階でミサイルや空爆を行えば、タリバンを散らしたり、逃がすことになる。また報復戦に陸軍と海兵隊を投入しないと、彼らの不満が高まって士気に影響する。直接の作戦はアフガンの周囲を反タリバン勢力(イランが入るかが鍵)で囲んで、攻撃が始まってもタリバンが逃げ出さないように全周を固めることだ。その間に、周囲の国の了解をとって航空基地など、進攻拠点を確保して戦略物資を運び込む。またアフガン国内に特殊部隊を投入し、偵察活動を行い、情勢を監視できる情報拠点〔攻撃は行わない)を築く。峠や主要道路には、ひそかにテレビ監視カメラや監視センサーを設置する。またイラクなど、この機会に軍事行動を起こす可能性のある勢力には、航空勢力などを近く〔トルコなど)に配備して威嚇する。もし変化の兆候が現れれば、直ちに攻撃を行う。また近くの海上には、あらゆる変化に対応できるように、インド洋には空母を始め、ミサイル駆逐艦、海兵隊の強襲揚陸艦が配置され、動員と移駐が完了するまでアフガンの監視を行う。その間にアメリカを始め、各国からアフガン周辺に部隊の移動と集結が行われる。これからの動員で、戦闘体制が固まってから総攻撃の開始である。今回の主要兵器は武装ヘリ、多連装ロケット、集束爆弾などで、軽度な装甲しか持たない部隊への戦術攻撃が行われる。はっきりいって米軍・多国籍軍とタリバンの戦力や、戦闘能力を比較すれば赤子と大人ほどの差がある。アフガン国内の航空基地(飛行場)に移動した米軍・多国籍軍は、航空偵察でタリバンの部隊を発見すれば、直ちに多連装ロケット(MLRS)や収束爆弾(親子爆弾)で攻撃する。また生き残った敵の部隊には、チェーンガン(高速機関銃 毎分3000発発射)を搭載した武装ヘリが襲いかかる。数十秒の連射で地上に銃弾の雨を降らせる。これで地上に生き残っている兵士は一人もいない。

 タリバンは戦闘機やミサイルはもちろん、ヘルメットや防弾ベスト、空からの攻撃を予知するレーダーさえもっていない。そのような原始的な戦闘部隊に、近代的な米軍やNATO軍は襲いかかるのである。これを報復戦争と呼ぶか、あるいは大虐殺と呼ぶか、もう一度考えておく必要がありそうだ。タリバンが米国や多国籍軍に抵抗の意志を示さず、戦闘が始まる前に投降する可能性が高い。私はそれで、テロを予防する効果は上がったと見る。もともとタリバンは、アメリカがアフガンに侵攻したソ連軍と戦わすために、武器や資金を与えて育てたゲリラ組織である。それが冷戦の終結や湾岸戦争で反米になり、ビンラディンのような過激なイスラム・テロリストを産んでしまった。そういえば、イラクも反米的なイランを潰すために、アメリカがイラン・イラク戦争の間に武器や資金を供与して育てた大軍事国家だった。今回の同時多発テロはアメリカにとって最大の屈辱であることに間違いない。アメリカ人の怒りや悲しみは十分に理解できる。しかしテロ絶滅を口実に、大虐殺を許すような世界秩序を許してはいけないと思う。これからテレビなどで、戦争大好き評論家が兵器や戦術の解説を始める。アメリカ軍が赤子と戦って勝つことはわかっている。しかしそれが虐殺につながる可能性を指摘するだろうか。
「証拠あればラディン氏引き渡しも」ラジオ放送でタリバン (CNN 9月14日 CNN.co.jp) [要約]ロンドン―アフガニスタンのラジオ放送は13日、国土の大半を実効支配するイスラム原理主義過激派「タリバン」が、米国の同時多発テロへのウサマ・ビン・ラディン氏の関与がはっきりすれば、同氏をイスラム法廷に引き渡す用意があると報じた。 英BBCが傍受した。ラジオ放送はラディン氏がテロに関与した「明白な証拠」があれば、「イスラム法廷の1つに引き渡す」と明言したという。 BBCによれば、ラジオ放送はまた、米国での同時多発テロを非難するタリバンの立場を繰り返し強調したという。 ラディン氏はアフガニスタン南部のカンダハル郊外を本拠にしているとされるが、タリバンは同氏の同時多発テロへの関与には否定的な見解を示している。

[コメント]もはやラディン氏は単なる攻撃目標のひとつである。タリバンがラディン氏を引き渡すといっても,アメリカは何かと要求をつけて受け取らないだろう。(側近の首も差し出せとか) さらにタリバンがラディンを射殺(逃亡しようとしたという理由で)して死体を引き渡しても、アメリカ側は納得しない。またラディン氏も引き渡されるぐらいなら死を選んで、イスラム原理主義過激派の英雄になる道を選ぶはずだ。ブッシュ大統領は国民の報復心を満足させ、高い支持率を得たいからである。軍人はアイデンティティーと名誉を求める。国民は報復に満足し強いアメリカに酔いしれる。タリバンの戦力とアメリカ軍と比較すれば、赤子と大人ほどの違いがある。今,アメリカは復讐を成し遂げ、勝利の喜びにひたりたいのである。人類の英知の進化は、まだその程度に止まっている。写真は、ラディン氏 しかしそのあとにくる非正規戦(テロ・ゲリラ)の地獄絵に気がつくものはまだいない。
米軍の戦争予測B  多国籍軍の参戦はイスラム国が加わるかが鍵となる。戦後のリスクを軽減するため (9月14日) [コメント]今回の同時多発テロでは、米軍のほかにNATO軍の参戦は確実になった。それからイスラム・ゲリラに苦しむロシアの参戦も間違いない。パキスタンは中国の指示に従って、多国籍軍に上空通過権を与えアフガン国境の閉鎖を行う。さらに自国に多国籍軍の策原(作戦の拠点)を設置することを許す可能性もある。湾岸戦争でサウジが担った策原と同じである。パキスタンはアフガン戦争で、アフガンゲリラの補給基地を許すことで,アメリカなどから経済援助や武器を提供して力をつけた国である。今回の機会は、再びパキスタンが甘い汁が吸える絶好の機会である。これまでの中国との盟友関係からからアメリカに乗り換えることもあり得る。しかし多国籍軍で最大の関心事は、アラブ国家が参加するかどうかだ。湾岸戦争ではシリアが参戦した。それまでのシリアとアメリカの関係は最悪だった。しかし湾岸戦争をきっかけに関係改善が進んで今は友好国である。エジプトとイスラエルもそうだ。こんどの報復戦でサウジやモロッコなどのイスラム王国が参戦するほか、タリバンと仲の悪いイランが参戦する可能性(あくまで可能性)もある。もしイランが参戦しなくとも、タリバンが逃げ込まないように国境を固めてくれれば、アメリカとの関係は劇的に好転するだろう。またアメリカとして戦後のリスク(こんどはタリバン側の報復戦)を少なくするために、イスラム国家やアラブ国家の参戦を是非得たいことは間違いない。ブッシュ大統領は議会の支持を得れば、つぎは国連決議で「報復戦の支持」を得ることである。写真は記者団に同時多発テロを語るブッシュ大統領。大統領執務室で。
米空母2隻は中東に配備中 (CNN 9月14日 CNN.co.jp) [要約]作戦検討の中心になっているのがフロリダ州タンパにある中東軍司令部。作戦にはドイツに本拠に置く欧州軍も全面参加する見通しが強い。4軍や9つの統合軍の司令官が「危機行動チーム」をつくり、具体案を検討中だという。シェルトン統合参謀本部議長と、マイヤーズ副議長(次期議長)がホワイトハウスと国防総省を頻繁に往復している。現在、中東地区にはカール・ビンソンとエンタープライズの2隻の空母がいる。同時テロの2日前が交代の時期に当たっていたが、現在、2隻とも中東海域に留まっている。 軍当局は、パキスタンの国内の基地が利用できれば、軍事オプションの幅が増すとし、外交交渉によるパキスタンの説得にも期待を寄せている。

[コメント]報復作戦は大規模な軍事作戦が予想される。そのため事前の小規模な攻撃は統一を妨げるとして控えられる。B−2ステレスの空爆や,巡航ミサイルの攻撃では、このよううな大災害の報復にはならないからだ。顔を100発ぐらいめちゃくちゃに殴られ、その報復に相手の足を踏むくらいでは報復ではない。そんの小規模な軍事報復を,アメリカ国民はブッシュや軍部に求めているのではない。軍事には報復の論理といういうものがある。相手が殴ってきたら、その数倍を殴り返し、相手が次の1発を出すのをためらわすのが報復の論理である。戦争は子供の喧嘩ではない。
ハイジャック犯 18人全員の特定が完了 (米ABC 9月14日 テレビニュースより) [要約]ハイジャック犯人全員が確認された。ニューヨークの世界貿易センタービルに突っ込んだ2機に各4人、国防省に衝突した1機とピッツバーグに落ちた1機に各5人である。それぞれ名前や国籍、イスラム過激派としての活動歴なだが判明し、犯人の周囲にこのテロを支援した形跡がないか取調べを受けている。

[コメント]このテロ事件に関して、第一段階の捜査が山場を越した。次は直接の支援体制を解明して、テロの計画性を証明することだ。さらに次の段階で資金援助や情報の提供など、テロをバックボーンの部分で支えていた組織を解明できれば、報復作戦の発動が国防省や国務省に命じられる。しかし本隊が動き出す前に、情報収集の目的でアフガンに小部隊の偵察部隊が潜入する。タリバンの配備状況、武装〔武器)の程度、応戦の準備状況、使える飛行場の程度、地雷などの有無、各部隊の通信手段など、本隊が攻撃を開始するのに必要な情報収集である。
ブッシュ大統領 連邦議会に200億ドル 緊急支出を要求 (朝7時NHKニュース 9月14日 テレビ) [要約]ブッシュ大統領は連邦議会に、今回の同時多発テロに関する予算として、200億ドルの出支を要求した。これは大規模な報復を行う経費の請求だと予測できる。

[コメント]湾岸戦争の時、アメリカは日本から130億ドルの資金援助を受け取った。またクエートやサウジからも多額の資金を得ている。ほとんどアメリカは戦争資金を負担しないで湾岸戦争を乗り切った。こんどは一気にアメリカ自身が200億ドルを支出する。これは巡航ミサイルを撃ちこんだり、ラディン氏の逮捕やゲリラ訓練キャンプを破壊する程度の軍事作戦では、アメリカ国民の支持が得れないと考えているからだ。もはや地上軍投入は不可避になっている。空軍機の爆撃や海軍の巡航ミサイル攻撃では、アフガン(野戦軍のタリバン)では効果が上がらないからだ。また米陸軍や海兵隊から不満が高まる。彼らは報復戦争で成果を上げて英雄になり、軍事予算の増額を求めているからだ。写真は国防省の破壊現場を視察するブッシュ大統領。テレビやラジオで軍事知識のないコメンテーターが、地上軍の投入はないという話をしている。アフガンの地形やタリバンの戦力で、いかに米軍やNATO軍などの空・地共同作戦が効果的なのか、そのたりの軍事知識がないと、今後の展開がまったく読めないだろう。それの報復戦に陸軍,海兵隊をはずしたら、彼らの怒りは想像を絶することになる。彼らは彼らなりに、ここで自分たちのアイデンティティー〔存在感)を示して、英雄になりたいのである。そのような軍人心理にも注目しておくことが必要だ。
米軍の作戦予想 Aアフガンの地形は空・地共同作戦に有利 (9月13日) [コメント]過去のアフガン戦争を例にして、アフガンではゲリラ戦が有利に行え、もし多国籍軍〔アメリカ軍が主体)がアフガンに進攻しれば不利になるという見解があります。これは軍事常識を知らない見解です。アフガンの土地は攻撃ヘリや多連装ロケット、対地攻撃機、ヘリ機動部隊などが有利に戦える地形です。かつてアフガンに侵攻したソ連軍も、攻撃ヘリや対地攻撃機で航空優勢が確保されているときは有利でした。しかしアメリカがアフガンゲリラに携帯式の対空ミサイル「ステンガー」を供与して、ロシア軍が航空優勢を失うと、弾薬・燃料輸送路などをゲリラに攻撃され、一気に劣勢になっていきました。現在のタリバンは戦車や対空ミサイルをわずかしか装備していません。アメリカの海兵隊など空・地共同作戦を実施できる部隊にとっては、まさに理想的な敵軍〔サンド・バッグ)になります。またタリバンは極端なイスラム原理主義で、アフガン国民の支持を得ているとは思えません。「ゲリラとは人民の海を泳ぐ魚」とは程遠い存在です。あえて付け加えるなら、多国籍軍にとって最大の脅威は「地雷」です。しかしヘリなら地雷原を簡単に突破できます。このようにアフガンに地形は,米軍など多国籍軍に不利ではありません。アメリカやNATO軍が喜び勇んで戦える地形です。このことを皆さんは知っていてください。今の段階で作戦開始を予測すれば、Dデー〔戦闘開始)は3月の春頃。作戦期間は3ヶ月。多国籍軍の総戦力は30〜40万人。しかしこれから外交戦が始まります。中国はこの作戦を認める代償に何を求めるか。タリバンは多国籍軍の攻撃を避けるために、ラディン氏の身柄を生死の関係なく差し出す可能性など、基本シナリオが変化する要因もあります。これも軍事の勉強だと思って、これからの変化に注目してください。
日米安保条約 第5条 共同防衛  @各締約国〔日本と米国)は,日本国の施設のもとにある施政の下にある領域における、いずれか1方に対する武力攻撃が,自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続きに従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。

[コメント]このように日米安保条約では、アメリカ領土で行われた武力攻撃に関しては、日本の戦力行使を義務づけていない。しかしNATO条約では、どこかの締約国が武力攻撃された場合、自国が武力攻撃されたもとして、共同で軍事行動を起こすことを義務付けられている。
米国の多発同時テロで、容疑者特定進む軍事報復に向け強行姿勢 (各紙 9月13日 朝刊9  [要約]4機の米国旅客機をハイジャックし、主要な建物に激突させた容疑者たちの特定作業が進んでいる。乗客(全員死亡)からの携帯電話によると、犯人は1機あたり3人から5人で、ハイジャック機を操縦するもの、乗員・乗客を制圧するものに分かれていた。旅客機を操縦する者は、あらかじめフロリダの民間の航空機操縦学校に入り、この機種(空軍出身者か?)での操縦訓練を受けていた。航空機が飛び立つと、ナイフで客室を制圧し、乗員を切りつけるなどしてパイロットを客室に呼び出し(救出のため)た。その時に開いたコクピットの扉から操縦室に入り、パイロットに変わって(殺し)操縦席に座った。そして自らが操縦して3ヶ所の目標に、大量の燃料とともに激突させた。残りの1機は乗客と犯人が格闘になり、そのままピッツバーグに墜落したもよう。捜査当局(おそらエシュロン)は、この容疑者たちとラディン氏がこの事件に関する電話の会話を記録したと発表した。

[コメント] アメリカとしては報復の目標をラディン氏と定め、それをかくまうタリバンともども葬りさる絶好の機会と思っているようだ。そのために戦争を宣言し、NATOなど軍事同盟国との間で多国籍軍を組織して、大規模な戦争〔主戦場はアフガニスタン)を開始するつもりのようである。NATOなど軍事同盟条約には、一国が軍事攻撃を受ければ、同盟国は共同して対抗すると決めているからである。今回はこれを使って、タリバンの壊滅を戦争の最終目的に位置付けている。今度の戦争の相手がタリバンなら、イスラム過激派に苦しめられているロシアも参戦するだろう。また中国も文句は言わない。国連の安保常任理事国5カ国が軍事力行使に賛成する。またイラン、サウジなども攻撃目標がタリバンなら暗黙の了解を与える。目標はラディン氏を支えるタリバン。これが次の戦争の攻撃目標である。まずはタリバンに影響力をもち、ラディン氏のキャンプがあるパキスタンに、パウエル国務長官の政治交渉が始まった。タリバンとパキスタンを引き離す必要があるからだ。日本政府は多国籍同盟軍として参戦できるように動き出すだろう。3週間目にラディンがインタビューで語った、「アメリカの若者を戦場に引きずり出す」という宣言は現実になった写真の上は、旅客機の衝突で瓦礫と化した国際貿易センタービル。下はインタビューに答えるラディン氏。戦争を体験したことのない若い人は、これから戦争が動き始めるメカニズムをよく見ておいて欲しい。そして日本の政治が戦争に向かって動く過程も。
アメリカ軍の戦争予測 @ 報復戦は必至 (9月12日) [コメント]アメリカ国民の90パーセントが、テロリストに報復を求めているという。本日の午後から、電話によるマスコミからの問い合わせはの8割は、アメリカの報復についての質問だった。米国民は大統領に報復を求めている。議会もそれを支持している。米軍兵士は戦いにいく命令を待っている。アメリカは世界中のどこでも圧倒的な軍事力を行使できる力を持っている。報復を行うことで、国民の愛国心は高まり、政治家の支持率は急上昇する。しかし報復は簡単ではない。そもそも軍事的な報復とは、相手に再び抵抗する意志を打ち砕くことにある。今回のテロに見合う報復量とはなにか。そのような報復はタリバンを軍事的に全面壊滅させる以外に方法は無い。ダッカの米軍宿舎爆破テロの報復で、アフガンのラディン氏が使っている野戦キャンプに,米軍が巡航ミサイルを打ち込むぐらいでは済まされない。(アメリカ国民が満足しない) ラディン氏が1発アメリカを殴ったのに、報復としてラディン氏の足を軽く踏むぐらいでは、報復としてアメリカ国民が納得できないからだ。しかしアメリカの正規軍がアフガンに進攻すれば、タリバンは非正規戦で抵抗するだろう。アメリカ軍の戦車進撃には、アメリカ本土の高速鉄道の脱線で抵抗する。満員の電車やバスで自爆テロが多発する。また海外のアメリカ人旅行者やビジネスマンを暗殺する。正規軍と非正規軍の戦争は簡単ではない。それが今回の旅客機激突テロだった。本日、パウエル国務長官が、「犯人を法の前に引き出し、法の処罰を受けさす」と発言したのは、正規軍と非正規軍が戦うことの難しさが込められている。きちんと軍事を知れば、報復など泥沼の入り口であることに気がつくはずだ。しかしパウエル氏も政治家である以上、軍の論理より民の感情に影響〔左右)される立場にあるのだろうか。(本日、テレビ,ラジオなど5回の生出演(合計14時間)と、3回の電話での出演〔ラジオ)、それに20件以上の雑誌、新聞の電話インタビュー取材で駆け回った。疲れた)。本日はとりあえず、重要なことだけは書き込んで眠ることにした。(9月12日 午後11時25分)
アメリカで同時テロ 世界貿易センタービル崩壊 国防省炎上 (12日 午前12時30分) [コメント]アメリカにとって真珠湾攻撃以上の軍事攻撃が行われた。民間機をハイジャックして,その機を操縦して自爆テロを行う。これまで想定していなかったテロにアメリカは震撼している。犯人像はこれだけの大規模なテロを起こせる組織力、パイロットを殺し自分で操縦して自爆テロを行う組織力を持った集団のようだ。これからテレビ,ラジオで駈けずりまわります。
[要約]新華社通信によると、中国の銭其シン副首相は10日、北京で開幕した国際会議で、香港などより幅広い自治権を認める「一国二制度」で、台湾との統一を目指す考えを示した。 この国際会議は、「21世紀の中国と世界」国際フォーラム。銭副首相は、21世紀の中国の課題として「祖国統一」を挙げ、「一国二制度」が唯一の方法だと強調した。 銭副首相は、台湾に対しては、「一国」という枠組みの中で、香港やマカオより幅広い自治権を認めるとして、台湾が独自の通貨や軍隊、関税区や政府機構を維持することを挙げた。 銭副首相は、「台湾(当局)は人事権を有し、大陸から公務員を派遣することはない」と述べ、台湾が「一つの中国」の原則下での解決に同意するなら、忍耐強く待つと述べた。

[コメント] これが中国の伝統技の併呑政策である。これから中国とどのように付き合うか。日本人の英知が試される時代がやってきた。
[要約]朝鮮中央通信によると、日本のH2Aロケット打ち上げは軍事利用が可能だとして、強く非難する声明を発表した。 声明は、H2Aロケットは大陸間弾道弾(ICBM)にも転用できると指摘し、日本の軍国主義復活の動きだと非難している。 また、北朝鮮のミサイル開発を脅威とする米国が、日本のロケット開発を黙認しているのは矛盾だと指摘。「日本の企ては危険な段階に達しており、(北朝鮮の)衛星打ち上げの一時停止を再考せざるを得ない」と述べている。

[コメント]北朝鮮らしい声明である。北朝鮮がこれくらいの強烈キャラを見せてくれないと、沖縄や韓国にいる駐留米軍は馬鹿(案山子に怯えるカラス)になってしまう。
[要約]福島県の布引山演習場で起きた誤射事件の原因は、発射薬がフル装填された状態で発射された可能性が強いと陸幕監部が発表した。陸幕によれば、榴弾の発射薬は5本〔5種類?)の薬包〔カートリッジ)で構成されているが、今回は3本を抜き取って2本にすべきところ、フル装填で発射して射距離がに延びたための事故らしい。

[コメント]予想どおりの原因である。マスコミ各社も数日前からそのように報道していた。しかしまだ解明していないことがある。それは通報時間の遅れである。これに関して、演習場現場から部隊への連絡が遅れた。それが夜間になり、県庁の担当者に連絡が出来なかった。防災と違い、このような事例の連絡体制が今まで整備されていなかった。などの理由が上げられている。私はこの中の演習場から部隊への連絡が遅れたことに注目している。155ミリ砲弾を発射したが、着弾を観測する者(FO)が着弾を確認できなかった。そこで射撃訓練はすぐに中断された。この直後に彼らは何をしたかである。彼らは砲術のプロである。すぐに発射薬の確認をしたはずだ。抜きとったはずの発射薬が残っていない。この数分後の段階で、フル装填発射の可能性が高いことに気がついたはずである。そうなればデータが残されている射角などの弾道計算で、着弾点は正確に特定できたはずだ。それなのに、なぜヘリの捜索などに時間をかけたのか。誤射弾の弾道を改めて計算し直し、その飛翔コースを計算すると、温泉街上空を通過して、街から1キロ先の場所に着弾していることに気がついて、動転〔パニック)を起こした。これが現場報告が遅れた理由ではなかったか。ほとんどの自衛官は責任感が極めて強い。たとえ事故であっても、自衛隊という組織に迷惑がかかることに動転したと思う。もしエリートと呼ばれる幹部自衛官なら、この誤射事故の責任を取らされ、幹部としてのエリートコースから外されることに動転するだろう。自衛隊の誤射事故といえば、システムとか、ハードの面で原因が議論される。しかし自衛隊が人間社会であることを忘れてはいけない。彼らは一生懸命やっていても、間違えるし、失敗もする。それから動転〔パニック)もする。このままでこの誤射事故を終わらせれば、自衛官の責任感は「誤魔化した」という汚点のまま,後輩の自衛官たちに記憶される危険がある。誤射事故は事故として反省し、さらに再発を防止するためには、連絡の遅れと,着弾点確認の遅れを究明しなくてはいけない。ヘリで森林上空から着弾点を捜索する映像を見て、嫌な気持ちになった砲術のプロも多かったはずだ。写真は第6師団がマスコミに発表した155ミリ榴弾砲の砲弾。左側の長い筒(3−7と書かれた筒)が発射薬で、上部にある7本の発射薬(カートリッジ)を調整〔抜き取って)して,射距離を微調整する。今回はこれを抜き取らずフル装填で発射された。下は155ミリ砲弾の破片でなぎ倒された樹木。なお、誤射事故後にとった自衛隊のマスコミ対応だが、現地の広報担当者や部隊指揮官を含め、誠意が感じられる対応だったと取材記者のメールが届いている。
[要約]サンフランシスコで中谷防衛庁長官と会談したウォルフォビッツ国防副長官は、9月末に策定するQDR(4年に一度の戦略見直し)で、「兵力の数ではなく、同じ能力を持ちながら、軍を改革する方向で進めている」と、アジア地域でも兵力削減の可能性を示した。また制服組みを含めた防衛庁と国防省の戦略協議を10月初めに開始することを確認した。

[コメント]米軍の東アジア地域での兵力削減だが、北朝鮮の脅威をどのように評価するかで決まる。北朝鮮の奇襲能力を低く評価すれば、韓国配備の陸軍1個師団を若干削減することは可能だし、沖縄の海兵隊を削減することもできる。ここで勘違いしていけないのは、中国の軍事力に沖縄の海兵隊や韓国駐留米軍が対抗していないことである。韓国や沖縄(主として海兵隊)の兵力は、朝鮮半島という局地紛争に対処しているのである。中国の軍事力に対抗しているのは、米空軍は極東配備の第5空軍で、海軍は太平洋からインド洋に展開する太平洋艦隊である。軍事力は兵器や兵員を配置すれば、それで抑止力が成り立つものではない。相手の軍事力の特徴に合わせ、適正な軍事力を適地に配置しなければ抑止効果は生まれない。北朝鮮軍と中国軍では、対抗する軍事力の質が全く違うのだ。とにかくこれで、防衛庁の当分のスケジュールは決まった。今月末にアメリカでQDRが策定する。それを受けて来月から防衛庁は国防省から説明を受ける。それを日本に持ち帰って、日本は防衛計画の大綱などの見直しを始める。防衛庁は見直し案を来年初め頃までにまでに策定する。こんどはそれを国防省に説明して議論(修正)する。こうして修正された防衛計画は、7月に公表される防衛白書にさりげなく記入される。ここで大切なのは、中国の軍事的脅威に対抗するのは、沖縄や九州に配備される軽武装(高い機動性)の部隊ではなく、それは北海道の第7師団(戦車師団)という構図が成り立つことである。そうなるとやっかいな問題も生じてくる。北海道の戦車部隊が中国に対峙しているといっても、中国軍が北海道に攻めてくるわけではない。第7師団が沖縄や南西諸島の島に移動し展開して戦うわけでもない。・・・・・・どう説明するか。今までいい加減な説明で済ましてきた責任が問われる。写真は5つ星(元帥)で古巣に帰ってきた中谷元2尉。防大24期の彼にとっては、8階級昇進しての凱旋だった。9月1日,総合火力演習で3万人の観客に手をふる中谷防衛庁長官。中谷防衛庁長官の今後の5年間は、彼にとって正念場の軍事改革が問われることになった。
[要約]民主党が多数を占める上院軍事委員会は7日、DM予算(政府要求)の83億ドルを13億ドル削減(マイナス分)する修正案を可決した。またABM条約に違反する核実験を行う場合は、議会に通知し、30日以内にその是非を採決するという条項がついている。政権側の単独行動をチェックする目的がある。この修正案は2週間後に上院本会議で採決される。

[コメント]本日は新聞休刊日のため、昨日の新聞を読んでいたら、この小さな扱いの記事を見つけた。この修正案が2週間後に上院本会議で採決されれば、日本でも大きな扱いの重要記事になる。この軍事委員会では、民主党の13委員が全員賛成、共和党の12委員が全員反対したという。アメリカでは「これほど賛否が割れるのは異例」とレビン委員長が語っている。ブッシュ大統領のMD配備計画やABM条約破棄に対して、アメリカの世論が真っ二つに割れたことを如実に示している。しかしよくよく考えれば、MDシステムそのものには、まだ乗り越えなければならない技術的な問題がいくつもある。国家の生存を委ねる信頼性はできていない。まだ海のものとも、山のものともわからないものに、猛烈に突進するブッシュ政権に危うさを感じる。日本としてはMDの協力に関しては慎重な対応が必要だ。
[要約]福島県布引山演習場で、即応予備自衛官がFH70を使って実弾射撃中、その1発が演習場を飛び越えて民有地に着弾した。実弾射撃は射程6キロで行っていたが、砲弾は14キロ離れたところに着弾した。近くにある二岐温泉では、住民が同じ時間に「ズシン」と雷のような爆発音を聞いている。

[コメント]簡単に原因を予測すれば、発射薬〔火薬)を多く入れすぎたのだろう。もちろん第一原因は人為ミスである。現場の実弾射撃訓練の責任者が、射撃実施者に適切な監視と指導を怠ったためである。しかし同時に、この演習場が狭すぎることも考量しなければいけない。人為的なミスや機械的なミスは、どんなに注意してもある確率で必ず起きる現象だからだ。この種の事故は、現場の責任者を罰すれば、それで誤射事故の再発が防げるものでない。狭い演習場、高性能〔長射程)化する兵器、演習場周辺で進む宅地や農地の開発など、演習場の環境は深刻さを増すばかりである。こんどの誤射は、その場しのぎの責任者厳罰より、根本的な演習場問題として対策を講じるべきである。例えば演習場の広さは、有効射程の3倍以上の広さがなければ、その兵器を使った実弾射撃を禁止するといった処置である。あまりにも厳しい規定に思えるが、これが世界の常識であることをお忘れなく。今の時代性や社会の意識、それに人々の価値観が変化している。発射薬を減量〔射程を短く)すれば、演習場問題が片付く時代ではなくなった。日本に適当な広さの演習地が無いなら、外国〔アメリカばかりではない)の演習場を借りて使うことは、10年後にはあたりまえのことになっているだろう。写真はFH70の実弾射撃。最大射程は通常弾で24キロ、噴進弾で30キロ。「陸上自衛隊パーフェクトガイド」〔学研)より。
[要約]98年8月に打ち上げ、日本列島を飛び越えた北朝鮮の「テポドン」を、北朝鮮は白東山と名づけていることがわかった。これは朝鮮大百科事典の12巻に、カラーの図を入れ「わが国最初の人工衛星『光明星1号』を発射し、軌道に進入させた運搬ロケット」と説明。運搬ロケット〔白東山1号)は3段式と記述している。

[コメント]いい機会なので、白東山1号〔テポドン〕の説明をしておきます。これは間違いなく、人工衛星を打ち上げる運搬用の3段ロケットです。1段目にはスカッドを改良して射程を伸ばしたノドンを数本束ね(おそらく3本)て第1段ロケットとします。2段目はノドンミサイルの本体を使っています。3段目は戦術ロケットなどに使われる固形燃料を使ったロケットが組み合わされました。そして先端には、サッカーボールぐらいの大きさに、アンテナの突き出た「光明星1号」が人工衛星として組み込まれました。重量は約45キロと分析されています。光明星1号の中には、モールス信号を録音したテープレコーダーと、無線発信機、それに電池が組み込まれています。これが地球の周回軌道を回りながら、宇宙から「金日成将軍と金正日将軍を称える歌」の歌詞を、積んである電池を使い切るまでモールス信号を送信する予定でした。しかし白東山1号は、地球の引力から脱する第一宇宙速度(秒速約8キロ)を出せないまま、大気圏で燃え尽きてしまいました。日本列島を飛び越えたのは当然の話で、人工衛星は地球の自転を利用するために、必ず東に向かって打ちあげられます。本当は台湾のように赤道近くに土地を借り、打ち上げ基地を建設するのが良いのですが、北朝鮮の場合はそれができません。だから東に打ち上げれば、その方向は日本やアメリカになってしまったのです。意識して日本上空通過を狙ったわけではありません。このロケット発射実験は、事前に中国やロシアを経由して、アメリカに伝えられていました。中国やロシアのICBMの発射と間違われないためです。日本のイージス艦が日本海で待機したり、アメリカのミサイル追跡艦やミサイル実験の情報収集機が日本近海〔上空)に待機していたのはそのためです。アメリカのミサイル実験情報収集機は、日本海上空を加速中の白東山1号から、微弱な電波(モールス信号)が発信されているのを受信しています。(軍事用なら自らが電波を発信することはありません) しかし日本列島を通過したあたりで、その信号が消えたと報告しています。その時の速度も第一宇宙速度にははるかに及ばなかったようです。しかし北朝鮮には光明星1号の失敗を確認する方法がありません。北朝鮮はモールス信号が受信できないので、行方不明の光明星1号を探すために、数日後に長距離レーダーを作動させたら、再び北朝鮮がテポドンの発射実験をやる兆候が現れたと大騒ぎになりました。以上が、テポドン騒動の真相です。どこにも日米を震撼さすような新技術はありません。先日、私にメールをくれて、「テポドンはミサイルですか、人工衛星ですかか?」を質問してきた方、返事が遅れてすいませんでした。これでよろしいでしょうか。図は北朝鮮百科事典に掲載された白東山1号。朝日新聞より。ところで光明星1号の図はありませんでしたか。光明星1号は、中国の人工衛星第1号(長征1号?)とそっくりです。
[要約]政府は独立後の東ティモールに、300〜400人規模の陸上自衛隊の施設大隊を送る方針で検討を始めた。そのために秋の臨時国会に、PKF凍結解除を目指したPKO法の改正は行わない模様。防衛庁は東ティモールの西部地区を中心に、域内の交通網の整備にあたる任務を想定している

[コメント]こんどはカンボジアと違い、地雷などはないから心配はいらない。実は,カンボジアでも自衛隊の本隊がいたタケオ地区は地雷のない地域で、自衛隊が地雷の被害にあう危険はなかった。またポル・ポト派の支配地区からかなり遠く、ゲリラに襲撃される危険もほとんどなかった。それが政府の情報収集の不足と、マスコミの不勉強で幻の脅威が生まれてしまった。防衛庁は東ティモールのPKO派遣で、きちんと現地の情報収集をやって出かけて欲しい。もう外務省が自衛隊の情報収集を邪魔をすることもないから、情報収集だけはきちんとやってほしい。それと日本の政治家や官僚たちは気をまわしすぎる。外国の政治家や外交的な根回しばかり気を取られないように。それから自衛隊は派遣隊員たちに、きちんとエイズ教育をすることを忘れてはいけない。東ティモールは長くなるよ。写真はタケオに到着した先遣隊の隊員。まだ給食施設ができていないために、当分は炎天下でインスタント食品や缶詰などの食事が続いた。2次隊で派遣された北方〔北海道)の隊員たちには想像できない光景だろう。こんどは輸送艦「おおすみ〔クラス)」を派遣するなら、無理して最初から陸上に天幕を張って野営するより、先遣隊は艦内に居住して拠点基地を建設したほうがいいかも。
[要約]ドイツ駐留米軍は、南部にあるバート・アイブリング基地の通信受信施設を来年9月30日で閉鎖することを明らかにした。この施設は1952年に建設され、直径18メートルのアンテナ14基を備え、NSA(米国国家安全保障局)の職員が約1000名勤務している。エシュロンのヨーロッパ基地のひとつといわれている。もともとは旧ソ連や東欧の通信を傍受していたが、冷戦後は産業スパイ目的で民間の通信も傍受していたとみられている。その証拠に盗聴用に、ドイツ・テレコムが使用している無線周波数に合わされていた。この基地の閉鎖について米軍は、「基地の役割が終わったから」と説明しているが、ヨーロッパで高まっているエシュロン批判をかわすためともみられる。

[コメント]エシュロンに関しての情報は、資料室にあるこのコーナー「What New!」の7月4日の記事を参照してください。
[要約]石原慎太郎都知事の国防論である。脱日米安保を掲げる石原氏は、アメリカは自国の国益のために日米安保を結び、日本に駐留基地を置いて戦力を配備している。日本が感謝することはなにもない。思いやり予算なんてとんでもない。アメリカは日本にために核の傘を提供する言っているが、自国の滅亡(全面核戦争)をかけて日本を救うはずがない。これから日本は米国に関係なく、日本海と東シナ海は日本のイニシアチブでやると発言するといい。日本の安全保障は主体性が大事である。間違いなく、アメリカや中国は日本を恐れている。北朝鮮なんかはめちゃくちゃに恐れている。日本は米国を盲信することなく、決別して、安全保障政策を毅然と主張すべきだ。

[コメント]民族派と呼ばれる人には、「しびれる」ような発言内容だろう。アメリカからのニッポン独立論に等しいからだ。しかし石原理論の最大の弱点は、そのアメリカがある東の方向に目が向きすぎていることだと思う。日本がアメリカと決別し独自の安全保障政策を立案すれば、日本の地理的特性から海には巨大な海軍力を構築し、国土にも中、露、朝からの上陸に備え大陸軍を建造する必要がある。むろん日本上空と周辺の空域を支配できる自前の空軍力も必要だ。(もし日本がアメリカと決別すれば、朝鮮半島は一夜にして統一する。日本の隣国に中,露に後押しされた、南北朝鮮統一軍が誕生するのだ。それも大陸侵攻型の軍ではなく、日本の大軍事力に対抗する海洋侵攻型の軍事力である)。それにオホーツク海も南シナ海も、、西太平洋やインド洋も日本に隣接する海である。東シナ海と日本海だけは日本でやります。あとはアメリカさんにお願いしますでは済まされない。それこそ日本の最大の弱点になる。それに周辺諸国への視点が不足している。周辺諸国が日本を怖れている、恐がらせておけばいいというものではない。日本は北や南や西の情勢の変化にもきちんと目を向け、軍事的に対応しておく必要がある。そういうことを考えると、石原安保理論は威勢はいいが、極めて中途半端で現実性に欠ける点に不安を感じる。本日はこの程度にします。日本には左右を問わず、軍事となると極端な意見が飛び出す傾向がある。写真は防災訓練でビルの中に救出に向かう自衛隊員。9月1日 八王子駅前のロータリー。同じ自衛隊でも、防災(災害派遣)に使う部隊と、戦闘を想定した部隊では、装備や訓練はまったく異なる。
[要約]ロシアのタス通信によれば、3日に行われた金総書記と江主席との首脳会談〔第1回目)で、北朝鮮はミサイル発射実験を自制する意向を表明したと報じた。これは8月の金正日総書記のモスクワ訪問で、プーチン大統領に2003年まで北朝鮮はミサイル発射実験を行わないことを伝えたことの再確認と思われる。

[コメント]だれでも気がつくことだが、ブッシュ大統領が「ならず者国家」のミサイル脅威を根拠に、MDの開発・配備を急いでいるので、中露両国がともに北朝鮮のミサイル発射実験にストップをかけたのだ。北朝鮮のような特殊な国には、バックで支えている国を使って行動をコントロールしたほうが効果的のようだ。もしライス安全保障担当補佐官が、北朝鮮のミサイル技術の拡散(北朝鮮の外貨獲得の主要な手段)と、悩みの種の中露のミサイル輸出をストップさせるために、架空のMD構想で脅しをかけたのなら、これで十分に政治的効果をあげたことになる。このように新兵器や軍事技術で脅しをかけ、敵の行動を封じる方法も軍事作戦のひとつである。孫子の兵法書が説く「謀攻の策」として、古典の時代より効果的な戦法として論じられてきた。これで中国、ロシア、北朝鮮は、ライス補佐官が操った「MDという未完の兵器」に完敗したことになる。前にも田中外相をホワイトハウスの自分の執務室に招き,会談終了30分前に予定外でブッシュ大統領(副大統領も)を執務室に入れて驚かせ、1発で田中外相を黙らせた上に懐柔した凄腕に、ライス補佐官こいつ只者ではないぞと思っていた。まずはお見事!。孫子いわく、「百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり、戦わずして人の兵を屈するは善の膳なる者なり」。写真は11年ぶりに中国のトップとして北朝鮮を訪問した江沢民主席と出迎える金正日総書記。ところでライス補佐官は現在中国を訪問中である。何か江沢民訪朝と関係があるのだろうか。中国とアメリカは大の密談好きである。ブッシュ大統領の父は中国と太いパイプを持っている。ちょっと臭いませんか。
[要約]米軍の機密解除文書で、海上自衛隊の護衛艦や対潜哨戒機P3Cが、84年の米空母機動部隊との共同訓練で、わが国の集団的自衛権に踏み込む形で、空母機動豚部隊の主要攻撃部隊を構成していたことがわかった。その文章(コマンド・ヒストリー誌)によれば、「海自・護衛艦3隻が米軍の戦術指揮下に入り、空母を直接護衛した。・・・・・・海自と米艦軍の戦術曳航ソナーは米海軍対潜指揮官の戦術の下に探査を行った。・・・海自の水上艦3隻とP3C、米海軍の間でデータリンクの画像が切れ目なく維持された」とある。

[コメント]これをすごいスクープ記事と見るか、あるいは当たり前の常識の範囲と見るかで、日本の防衛をどのように認識しているかが違ってくる。私は今も、海自がいつでも米海軍の指揮下に入ると考えている。そう予想しなければ、海自の艦艇(航空機)や作戦が成り立たないからである。海自には米海軍を補完する戦力しか与えられていない。この記事によれば当時の中曽根元首相は、「日本が侵略された場合、日本防衛の目的を持って米艦が駆けつけ、それが阻止されれば、自衛艦が救出するのは個別的自衛権の範囲」と国会で答弁している。だから日米の共同演習(当時)は集団的自衛権ではないとウソの国会答弁を行っている。しかし実際の演習想定では、米艦の指揮下に自衛艦が入り、米艦を補完しながら戦闘訓練を行ったのである。これは集団的自衛権を想定した演習である。私はこの政治家のように、国民を欺くウソの姿勢がジャーナリストとして許せない。偶然にも、本日の読売新聞の朝刊に中曽根元首相が、「日米50年」という特集でインタビューに答えている。中曽根元首相は集団的自衛権は合憲だから、小泉首相は内閣法制局長を指示して、合憲であると改めさせろといっている。そんな口先の誤魔化しは、もう国民が許すはずがないことを、まだ本人は気がついていないようだ。日本が集団的自衛権でやるなら、堂々と憲法を改正してやるべきだ。軍事問題に関して、政治家(野党も含む)や官僚は、気楽なウソや誤魔化しが通用する時代は終わったと認識して頂きたい。私は許さない。
[要約]防衛庁は,防衛力整備の基本計画となる「防衛計画の大綱」を大幅に改定する方針を固めた。これは米ソ冷戦時代の大規模侵略に対処する戦略から、ゲリラ・不審船や原子力施設の緊急事態に対応するを重視するよう転換する。また沖縄など南西諸島海域で活発化する中国の活動をふまえ、部隊配置の再編も行う。中谷防衛庁長官は、05年までに新たな大綱を完成させる。

[コメント]腰の重い防衛庁が、やっと冷戦後の見直しを本気でやる気になったようだ。北海道に来襲する見込みもないロシアの大戦車軍団に備えたり、敵の潜水艦の消えた海で大掛かりな対潜訓練をしてもしょうがない。そんな自衛隊員の不満が聞こえたのだろうか。しかしここで、仮想敵国をロシアから中国に乗り換えただけなら、自衛隊は常に脅威を求めて肥大しようとする好戦争菌バクテリアになってしまう。新戦略に不要な装備や人材はズバリと切り取る。必要なものだけを効率的に整備する。まさに国防のセンスが問われる大改革である。以前のように、高級幹部の天下り先を軍需産業に確保するための装備計画。国防族の集票(集金)マシンとしての防衛計画はもう必要ない。すでに調達実施本部の癒着・腐敗体質は断った。防衛庁がこの改革をどこまでやれるか、私も軍事ジャーナリスト生命をかけて、今後の日本の戦略変化に注視していくつもりだ。私のような世代にとって、まさにこの機会こそ、学び、養い、体験しながら、今までに伸ばしてきた能力が試される時が来たように感じる。写真は演習場で穴を掘る自衛隊員。戦争は兵器がするのではない。人間同士が殺しあうのが戦争である。日本の若い人は、この厳粛なる事実を決して忘れないように。01年 富士総合火力演習で。
[要約]ニューヨーク・タイムスの報道によれば、ブッシュ大統領は今年10月に訪中する際、中国に対し核兵器の増強と、地下核実験(核弾頭の近代化)の再開に反対しないことを表明する模様だという。これは米国のMD計画に反対している中国を懐柔するためと分析できる。

[コメント]中国が新型SLBM(潜水艦発射核弾道ミサイル)の実験を行った情報が、さかんに香港の新聞あたりに掲載されている。6月から3ヶ月間行われた大規模演習でも、最終段階の8月下旬に、中国海軍の原子力潜水艦から新型SLBMを発射して、5000キロ離れた内陸部にある砂漠の目標に全弾命中したという。記事では命中誤差も20メートル以内だったと記述していた。この記事はちょっと眉唾ものだが、しかし中国がICBMやSLBMの長射程化と、多弾頭化(MARV)の開発に真剣に取り組んでいるのは間違いない。また命中精度も数百メートル以内を目指しているはずだ。そのことを米国はMD計画に関係なく、もはや開発を中止させれないと判断して、このような容認表明にしたのではないか。事実上、核兵器拡散(核軍縮)の放棄である。ブッシュ政権はCTBTは死文化させる、中国の核増強は追認する方針を固めた。(しかしホワイトハウスのスポークスマンはこの記事を否定した) これほど核軍縮を踏みにじる行為に対して、日本の平和運動家から反対の行動が起きないのは、軍事知識(核戦略)に対する知識が低いからである。 先日、八王子駅前で行われた防災訓練で、この訓練に反対する人たちが、本当は自衛隊の治安出動の訓練で、防災訓練には不適な、目立たない迷彩服を着ているのが何よりの証拠と、マイクを使い駅前のロタリーで叫んでいた。しかし都市では、逆に自衛隊員の迷彩服は目立つ。それに目立つだけでよいなら、ヘルメットに赤や黄色のカバーをかけることは簡単である。だったらマイクで、「自衛隊員はヘルメットに目立つ色のカバーをつけろ!」と叫べば済むのか。自衛隊の治安出動とはどのようなものか、近代国家の徴兵制とはいかなるシステムを研究していうのか。そんな基本的な軍事の勉強ができていない。軍事常識を知らないと、このブッシュ政権の核戦略の大転換のように、本当に平和の危機が訪れたことにも気がつかない。写真は9月1日の防災訓練で、震災直後(想定)の八王子駅前に進入して来た陸自・偵察部隊。これに通信部隊が同行する。
 本日は晴天に恵まれ、富士の総合火力演習は無事終了しました。今回の演習で初めて96式多目的誘導弾が公開で発射されました。また特科教導団が時限信管を使って、空中に富士山の形を瞬時に描く技を見せました。まさに神業です。各国の駐在武官の席からため息がもれていました。またOH−1もすごい運動性能を見せていました。私は二日間で50本近いフイルム(リバーサル 36枚)を使い切りました。明日、さっそく現像に出して出来上がりを確認します。本日はこれから風呂に入り、湯上りにビールと冷奴と手羽先(塩焼き)で1杯です。本日は往復にバイク(250CC ホンダフリーウエー)を使ったので、もうクタクタに疲れています。この3日間の取材期間中に多くの質問とメールを頂きました。どれも面白いものばかりでした。明日から、また書き込みますので、回答を楽しみに待っていていてください。それから取材の現場で会った人