ここには2007年8月のWhat New!を保存しています。 |
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この情報の最も新しい更新日は8月31日(金)です。 |
| タリバン 韓国人拉致 残り7人も解放 拉致事件が全面解決 (産経 8月31日 朝刊) |
[概要]アフガンで韓国人ボランティアがタリバンに拉致・殺害された事件で、残された人質7人全員が東部ガズニ市の南方100キロにあるジャンダで解放され、地元部族の長老を通じて赤十字国際委員会(ICRC)に保護された。29日に解放された12人と共にドバイ経由で韓国に帰国する準備をしている。 韓国人ボランティアの一行23人は先月19日、ガズニ州を移動中、タリバンに拉致され、リーダーの牧師ら男性2人が射殺されていた。タリバンはアフガン政府に拘束中の仲間との交換を要求したが、同政府は拒否した。 韓国政府とタリバンの直接交渉が始まり、今月13日に女性2名が解放されている。この間の直接交渉でアフガン駐留の韓国軍部隊の年内撤退と、アフガンでのキリスト教の宣教活動禁止で合意したという。28日のご合意後2日間で残り全員が解放された。 [コメント]人質解放に合意した内容だが、すでに年内撤退が決まっていた韓国軍のアフガン撤退は、タリバンがアフガン国内向けに欲しい成果であろう。またキリスト教宣教活動禁止もアフガン国内向けの成果として準備された。韓国の直接交渉ではタリバンの顔をたてた”ご褒美”を与える内容となっている。 注目を集める身代金の支払いだが、公表はされていないがなかったとは考えにくい。双方の交渉を仲介したアフガン関係者は最終的に200万ドル(2億3千万円 一人あたり約10万ドル)支払ったと語った。(朝日新聞 8月31日 朝刊) しかし韓国側は人質解放に身代金を払った事実を公表したくないし、タリバン側も誘拐ビジネスだったとは言いたくない。だから身代金の支払いが公表されるのは先の話しになるだろう。 人質解放交渉としては、人質2人の射殺があったが、まあまあ成功した部類に入るだろう。だがアフガン政府としてはこれから韓国人を拉致した武装グループの徹底攻撃を始めることになる。 ちなみにイラクでは外国人一人を拉致してアルカイダ系に引き渡せば、一人3万ドルが支払われというのが相場らしい。アフガンでも外国人一人3万ドルが10万ドルになるなら、ケシを栽培してアヘンを作るよりも儲けが大きい戦場ビジネスになる。・・・・日本人がそんなバカな考えは絶対に通用しないと言っても、アフガンではそれが現実なのである。 そのような考えをアフガンで広めないためには、今回の拉致に関わったタリバンメンバー全員を治安部隊が殺すしかないのも現実である。 拉致された韓国人ボランティアは医療関係者が多かった。善意の気持ちでアフガンに向かい、住民の病気の治療を行うつもりだったことは理解出来る。しかし彼らも仲間2名が殺され、これから拉致したタリバンメンバー全員の生首が晒される。美しい言葉の援助とか、支援とか、ボランティアであっても、現地の状況を見誤ると多くの人が殺され傷つくことなる。日本人や韓国人にはなかなか理解することは難しい。そのような人々が理解出来なくなると、「自己責任」という言葉で別の批判を始める様な気がする。 |
| テロ特措法延長 「反対」 民主に対案なし 原則論の一点張り 小沢戦略に党内沈黙 (毎日 8月30日 朝刊)
民主、 テロ特措法に対案 海自撤退 アフガン民生支援 (朝日 8月30日 朝刊) |
[概要]臨時国会で最大の焦点になるテロ特措法の延長問題で、民主党は政府与党との修正協議に応じない方針だ。小沢一郎代表は「活動の前提には国連決議が必要」という原則論一点張りで、民主党も「政策論議になれば相手の土俵に取り込まれる」と警戒している。 民主党内には小沢氏の反対論は形式的すぎると異論もあるが、政局最優先の小沢戦略の前に党独自の対案をつくる議論もない。鳩山由紀夫幹事長は政府の外交を「対米追随」と決めつけ、テロ特措法に限らず政権の外交姿勢そのものが容認出来ないという立場だ。 小沢氏はシーファー駐日米大使との会談(8日)で、アフガニスタンの国際治安支援部隊(ISAF)について「国連安保理決議がある」ことを理由に自衛隊派遣に柔軟姿勢を示したが、同国で治安が悪化する中で自衛隊派遣は「全く非現実的」(党幹部)なのが実態だ。小沢氏もその後、派遣論を封印している。 21日には、党内に国際貢献に関する恒久法作りを議論する会合(前原前代表も参加)が開かれたが、小沢氏の「時間をいかけてやれ」の一声で停滞し、次の開催はメドすら立っていない。小沢氏は党内保守派の「大国間の妥協の産物である国連議決を金科玉条にするには形式的すぎる」という政策論議に踏み込むのを嫌ったとみられる。7月の参院選で大勝した小沢氏の求心力は高まっており、異論は出にくい現状だ。そのため臨時国会では小沢氏の掲げる「国連中心主義」だけの丸腰で臨む可能性が高まっている。(以上、毎日新聞より)
[概要]9月の臨時国会で最大の焦点になるテト特措法の延長問題で、民主党は29日、独自の対案をまとめる方針を決めた。アフガンで医療や食糧支援など新たな民生支援を進めることが柱で、法案として国会に提出することも検討している。対案にはインド洋で活動している海自の給油活動を撤退に追いこみ、それに代わり国際貢献の具体案を示す狙いがある。 民主党はすでにアフガン事情に詳しい専門家から民生支援のあり方について意見を聴き、自衛隊派遣によらない貢献の仕組みを検討。鳩山由紀夫幹事長は29日、「(海自の)燃料補給がアフガンの平和に役立っているか。例えば貧困で支援出来ないか。そういう方向で対案を作りたい」と考えを示した。具体的には、米国などが進める旧タリバン政権の掃討作戦支援ではなく、復興を目的にした医療協力や食糧支援、同国政府の警察組織改革などが想定される。 対案は、テロ特措法延長の審議が衆院で始まるタイミングに合わせ、法案を参院に提出することを軸に検討している。ただ、政府・与党の対応によっては、提出を遅らせたり、見送る可能性もある。(以上、朝日新聞より)
[コメント]まったく相反する毎日新聞と朝日新聞の本日の記事である。しかしこれは互いの記者が誰から取材したかと考えれば、わかりやすく理解出来る話しとなる。まず毎日は前原前代表から話しを聞いているようだ。いたるところに前原氏の小沢批判が語られている。「小沢氏の掲げる国連主義だけの丸腰で臨時国会に臨む」と痛烈に批判している。これは記者が下せる小沢批判ではない。これではまるで前原氏が小沢氏にケンカを売っているようである。 また朝日の記事は鳩山幹事長から、「対案ナシ」という前原批判を封じる発言としている。しかしこの記事を読んでも、民主党の対案は政府・与党の対応を見て、参議院に提出するかどうか決めると揺さぶりをかける段階にすぎない。もし民主党は本気で対案を出す気があるなら、遅くとも9月中にまとめ、10月の早い段階に参議院に提出すべきである。民主党は本気で対案を出す気がないのに、衆議院解散の政局作りの駆け引きのためにやられては、自民党の”対米追随”一辺倒並みの悪質さとなる。 私は今年3月頃から7月の参院選で与党が勝てば、自衛隊のアフガン派遣(ISAF)の可能性が高いと聞いていた。そこでアフガンにおける自衛隊派遣とNGOなど民生組織支援の両方の活動について調べていた。幸い、参議院選で与党が大敗して自衛隊のアフガン派遣は消えた。 ところがアフガンでは治安が悪化して、すでにNGOなどの民生活動すら難しい現状に驚いた。まさにアフガンがイラク化する傾向を示しているのである。外国人であれば、援助団体職員(NGO関係者)やマスコミ関係者を含め、誘拐や殺害のターゲットになっているのである。 鳩山幹事長が言うように、民間を通じた復興支援であっても簡単なことではない。今は安易にNGOに大金を渡して、それでアフガン復興支援とはならないのだ。また仮にアフガンで日本の支援で道路や橋を作っても、それはタリバン掃討作戦を支援するためとして、ゲリラの襲撃目標になることが避けられない。 私は何度も言うように、テロ特措法の延長に反対である。そこで民主党にはテロ特措法に代わり実施可能な対案を出して頂きたい。そのために自衛隊をアフガンに絶対派遣出来ないと断定する必要はないと思う。今までの様にアメリカ追随の・た・め・で・な・い・なら、アフガンで自衛隊派遣部隊が復興支援を担える仕事があると思う。派遣された自衛隊員が使命感と誇りを自覚できるアフガン復興支援策である。また日本のアフガン復興支援を、すべて日本のNGO(非軍事・非自衛隊)に丸投げすることも反対である。そんなことをすれば、日本のNGOでも民間軍事会社(PMC)を作るものも出てくるだろう。 要は、アフガンの復興支援というのは、政治闘争や権力欲のタネとして使わず、真剣に考えて実行しなければ、日本は国際社会から尊敬を受けることができないという意味である。 ※ 赤字の部分は、本文更新の9時間後(同日)に加筆しました。派遣自衛隊員に「使命感と誇り」という言葉を強調したいと思ったからです。 |
| 残り任期1年半 「チーム・ブッシュ」 崩壊 相次ぐ側近辞任で (毎日 8月29日 朝刊) |
[概要]ブッシュ米大統領の任期が残り1年半を切る中、大統領側近のローブ次席補佐官に続き、ゴンザレス司法長官が辞任に追いこまれた。これは身内で固める手法のブッシュ人事が破綻し、「チーム・ブッシュ」が崩壊したことを強く印象づけた。ローブ、ゴンザレス両氏ともに、連邦地検検事正解任問題で民主党の厳しい追及を受けていた。 ゴンザレス長官はブッシュ大統領がテキサス州知事時代、法律顧問に抜擢された。州最高裁判事から大統領法律顧問を経て、05年に司法長官に就任した際は「アメリカン・ドリーム」の体現者として話題になった。ブッシュ大統領が知事時代から重用した側近グループの一角だった。 ブッシュ政権を支えたテキサス人脈は、中心人物のマイヤー法律顧問、バートレット顧問が政権を離れ、ローブ氏も辞任を発表して「鉄の結束」は崩れた。 9月4日に再開する連邦議会は、イラク戦費をめぐって民主党と決選の場になり、同月15日までにイラク駐留米軍増派戦略の評価報告書も公表される。ブッシュ政権はそれまでに検事正解任問題を幕引きにして、民主党の攻勢を幕引きにしたい狙いがある。同時に、政権が「ブッシュ色」からの脱皮を図り、体制を立て直してイラク政策に全力投球したい思惑が透けて見える。 [コメント]すでにブッシュ政権でテロ戦争の旗振りをしていたネオコン一派が政権から追われた。さらにブッシュ大統領の側近中の側近として、大統領を守護したテキサス人脈(チーム・ブッシュ)が崩壊したことになる。 昨日、イランの アフマディネジャード大統領が記者会見を行い、「アメリカ軍はイラクから間もなく撤退する。イランはイラクの力の空白を埋めると共に、アメリカ駐留軍に代わりイラクの人々と協力して治安回復に協力する用意がある」と語った。(朝のNHKニュース 8月29日) アメリカとしてはイランの核問題以上に背筋が凍る内容と思う。 イラク国民の6割を占める南部のシーア派と、隣国であるシーア派大国のイランが結びつけば、スンニ派のサウジは深刻な脅威を感じるだろう。そうさせないために80年代、大変な犠牲者を出したイラン・イラク戦争が始まった。もしアメリカ軍がアメリカ国内の厭戦気分から撤退すれば、間違いなくイランはイラク南部に強い影響力を広いげることになる。 そうなればイラク国内のシーア派系の反米武装勢力はイラン革命防衛隊に淘汰され、イランがイラン南部のシーア派地区を実効支配することになる。これは重要な軍事常識のひとつだが、互いに味方の関係にあるゲリラ組織と正規軍は、統一されればゲリラ組織は正規軍に統一(淘汰)されることになる。一つの政府に正規軍と非正規軍は共存出来ないからだ。 具体例を挙げるならベトナム戦争のベトコン(南ベトナム民族解放戦線)である。ベトナムに南北ベトナム政府が存在し、米軍が南ベトナムに駐留している時は、ベトコンは北ベトナム政府の支援を受けて南ベトナムで果敢に戦った。しかし駐留米軍が撤退し、南ベトナム政府が倒されてベトナムが統一されると、解放戦線(ベトコン)は北ベトナムの正規軍の中に吸収された。南ベトナムにあった主要な政府機関や軍事組織は、北ベトナム政府から派遣された政府職員や正規軍によって占領された。ベトコンだったものが統一政府やベトナム軍で優遇される例は極めて少なかった。 そのような実例を考えると、イラクから駐留米軍が撤退すれば「棚からぼた餅」式にイランはイラク南部を支配することになる。だから私はいつもアメリカ軍は逃げ出す時は脇目もふらずに逃げだすと言うのである。しかしそれによってアメリカ政府がベトナム戦争の正当性を主張した東南アジアで「共産主義のドミノ現象」は起きなかった。ということは、ブッシュ大統領がいつも言うように、アメリカ軍がイラクから撤退すれば、イラクがテロリストの巣窟になるという主張も疑わしいことになる。 とにかく今は頭を冷やして、冷静になって考え直すことが必要と思う。北朝鮮はウラン濃縮を行っていないし、その証拠もない。中国は空母を造りたがっているが、その技術や資金が中国にない。イランはイスラエルを攻撃できる弾道ミサイルは持っているが、ヨーロッパに届く弾道ミサイルは持っていない。頭を冷やせと言うことは、虚偽の情報に振り回されるなということである。 |
| 外交・安保 テロ特措法 最大の懸念 安倍流政策 貫ける? (朝日 8月28日 朝刊) |
[概要]「主張する外交」を掲げる安倍首相の下で、昨日の改造内閣では町村信孝・元外相が再登板し、新防衛相に外相経験のある高村正彦氏が登用された。この二人がテロ対策特措法の延長問題にタッグを組んで取り組む。 外務・防衛両省にとって、当面の最大の懸案はテロ特措法の延長だ。インド洋で海自の艦船が多国籍軍へ給油する根拠法の期限が11月1日で切れる。民主党代表の小沢氏は延長に反対の姿勢を示している。小池前防衛相は小沢氏との対決姿勢を強めていたが、町村・高村両氏は一転し、法案修正に含みを持たせる柔軟路線を示し始めた。今までインド洋での海自の活動実績について、情報開示が不十分という指摘が与野党にくすぶっている。両氏が海自派遣によるテロ抑止の実績や効果を示しながら、反対勢力をどのように説得するかに関心が集まる。 [コメント]なぜ防衛省は今までに与野党の批判を受けながら、インド洋で海自の活動実績について情報を開示しなかったのか。今までは海自・艦船が給油した総隻数、国別、給油量、その経費などについては、それなりに情報が開示された。 私は問題なのは次の2点と考える。そのひとつは多国籍軍が01年から6年間もインド洋海上で警戒・監視の警戒活動を行っているが、海路で移動するテロリストの拘束、あるいは武器や弾薬などの押収量が少ないことである。ほとんど麻薬などの密輸(海上輸送)を摘発する程度で、テロとの戦いをしているという大義名分にほど遠いのが現状である。海自・幹部はインド洋で多国籍軍がパトロールをしていることで、テロリストのヒト、モノの海上移動を抑止していると説明するが、なぜインド洋にこだわるのかという疑問には説得力に乏しい気がする。(※ What New の8月3日を参照) アフガン戦争はタリバン復活など別の色合いが濃くなってきたのに、そのような情報を開示すれば新たな情勢に対応することなく、相変わらずブッシュ政権の始めた戦争を支持するためにインド洋でダラダラと派遣を続けていることになる。 ふたつめの問題は、多国籍軍の活動範囲(海域)がパキスタンやアフガン(海に接していない)の沖合ではないということである。もともとはアフガンのアルカイダが海路で逃走したり、武器や弾薬が海路からアフガンに運び込まれることを阻止するために、海上でのパトロールは始まった。今でも日本人の多くがそのように想像していると思う。しかし実際の活動範囲はインド洋でもアラビア半島のイエメン沖や、アフリカのソマリア沖で活動している点である。海自の派遣先はアラビア半島の沖合から東アフリカの沖合ということを、情報を開示することなく日本政府は隠し続けてきた。今はアフガン戦争とは無縁の海域の活動である。 政府がこの2点で情報開示をしぶる原因と思う。現在はテロ特措法が想定したものとは別の活動を担っているからだ。 民主党(与党の一部を含む)はそのことを情報開示せよと迫っているのである。今までに3回の派遣延長審議のとき、政府に情報公開を求めても応じなかったのはこの2点である。小池前防衛相が小沢氏と対決姿勢を強めても、テロ特措法と現状の乖離(かいり)は豪腕で押し通せるものではなかった。だから町村・高村両氏はテロ特措法の修正に応じる姿勢を見せているのである。 テロ特措法のどこをどのように修正するか。それとも一気に蹴飛ばして政局に持ち込むか。新聞を読むと、アメリカ・サイドから日本がインド洋から逃げ出せば、国際社会を裏切ることになると脅しが入っているが、すでにブッシュの戦争は米国民からも否定されている。ブッシュ政権のアメリカはテロとの戦争に勝っていないのである。日本はこの機会に頭を冷やして、これからの進む道を考え直すべきと思う。アメリカ政界で親日派という正体を観察できるいい機会になった。 |
| 陸自 即応体制強化へ PKO用 コンテナ常備 貯水タンクなど (読売 8月25日 朝刊) |
[概要]防衛省は来年度から、国連平和維持活動(PKO)など、自衛隊の海外派遣について、即応体制を充実させる。そのため派遣部隊のうち、第1陣の先遣隊用の装備品を一括して常備し、急な派遣に対応出来る態勢を整えることにした。 陸自・中央即応集団に各種コンテナを常備し、派遣時にはそのまま輸送機にコンテナを搭載して、準備時間を短縮するのが目的だ。コンテナは@大型洗濯機6台を備えた洗濯室 A生活排水を浄化する汚水処理システム B砲撃に備える緊急避難シェルター C真水貯水タンクなどのコンテナ型か、コンテナに収納した形で保管する。部隊の規模としては1500人程度の対応を目安にしている。 先遣隊は人道復興支援活動など本隊より前に現地に展開し、宿営地の設置や現地住民との折衝にあたる。水道や電気のない原野で、1ヶ月程度の活動が必要になる場合がある。 中央即応集団には今年度末、国際平和協力活動の際に先遣隊として中央即応連隊(700人規模)が新設される。今回導入されるコンテナ型器材は、同連隊の使用が想定されている。 [コメント]とてもではないが、4タイプのコンテナで済む問題ではない。他にも、発電機を内蔵した電源コンテナ、画像の送受信が可能な衛星通信から地域のFM波通信まで可能な通信コンテナ、簡単な手術ができる医療コンテナ、シャワーや入浴が可能なバス・コンテナなど、派遣目的や期間、現地の状況などで組み合わせて使う必要がある。 92年だったと記憶している。カンボジアのジャングルを拠点にしているポル・ポト派の取材を何度か行った。そのカンボジア現地での生活を撮った写真を、陸幕でPKO派遣準備の責任者に説明したことがある。我々は木で作ったジャングルの家で生活した。その家には窓はあるのだが、ガラスのようなものはなかった。雨や風はそのまま家の中に吹き込んだ。しかしそれが気持ちいいのである。窓から吹き込んだ雨でも、高床式の床の間から地面に落ちた。別に気にすることはなかった。しかし問題はマラリアを運ぶ蚊(か)である。だから寝る時は部屋に蚊帳をつり、蚊取り線香をつけて寝た。蚊取り線香は寝ている内に手や足が蚊帳につき、そこからマラリア蚊に刺されないためである。 そんな体験談を陸幕で話すと、自衛隊のカンボジアPKO部隊は蚊帳が急いで準備された。日本製の蚊帳は薬剤がしみ込み、蚊を遠ざける高性能なものがある。また日本製の蚊取り線香は世界で最もよく効くことを各地で実感した。 即応部隊が使うコンテナも、これからいろいろな環境で学んだ知識によって、各種のバリエーションが作られるだろう。将来、それらのコンテナ群を見て、自衛隊が国際貢献で何をしてきたか知ることができる。 |
| 解説スペシャル 防衛次官退任 環境評価手続き着手 進むか「普天間移設」 重み増す知事の判断 (読売 8月25日 朝刊) |
[概要]沖縄の普天間基地移転問題は今月、大きな二つの出来事があった。ひとつは普天間代替施設建設に関する環境評価の手続きに防衛省が初めて着手したこと。もうひとつは米軍再編に大きくかかわってきた守屋防衛事務次官の退任が決まったことだ。 防衛省は今月7日、仲井間沖縄県知事に対して「環境影響評価の方法書」を送付した。これは国が環境影響評価の手続きに着手したことを意味する。具体的には名護市辺野古のキャンプシュワブ沿岸部に建設するV字形滑走路基地を建設した場合、大気、水質、騒音など環境変化を調べる方法を明記されているもの。沖縄県はこの施設を沖合にずらすように変更を求めている。しかし今回の方法書では政府案を前提に作られている。昨年11月に沖縄県知事選に当選した仲井間知事は、政府案の修正を公約に掲げて当選した。そのため沖縄県はこの方法書の受け取りを拒否している。 方法書送付と同じ7日、小池防衛大臣は守屋防衛事務次官に9月の退任を申し渡した。守屋氏は長期次官在任中(4年間)を含めて、1996年から旧防衛庁内で一貫して沖縄の基地問題にかかわった「ミスター沖縄」(政府筋)である。地元との交渉を通じて複雑な沖縄の政財界に人脈を築いてきた。そのため地元との交渉では苦い経験を重ねてきた。ここ数年は、「沖縄に振り回されて移設計画の変更を繰り返してきた。もう譲歩は出来ない」と強硬姿勢を貫いた。そのため修正に前向きな久間前防衛相とも対立してきた経緯がある。 防衛省にはこれ以上、沖縄の反対で工事着工を延期すれば2014年の移設完了が遅れ、米側の不信を招くという危機感がある。そこで防衛省では沖縄県に方法書を送付したが、辺野古沖を埋め立てるには沖縄県知事の許可が必要になる。17日、仲井間知事は地元記者団から埋め立てを許可しない可能性を問われ、「当然、目線に入っている」と述べ、埋め立て許可を見送る可能性を示唆した。 先月の参議院選の結果、沖縄県知事から「公有水面埋め立て権限」を国に移す法改正(特別措置法を含む)は事実上困難になった。また沖縄県知事の判断が一段と重みを増した形となった。今後、沖縄問題に総合的にかかわえる影響力を持った政治家や役人が少なくなる。政府にとっては普天間基地移転と辺野古沿岸基地建設で、ますます難しい局面が続きそうだ。 [コメント]昨日、小池氏は27日の内閣改造で防衛相続投を拒否すると表明した。自分はイージス艦の情報漏えいの責任を取ると行ったが、それは”転んでもただでは起きない”小池流の政治術である。小池氏の本命は秋の臨時国会で最重要課題になるテロ特祖延長問題では、期限延長が参議院で反対・否決された場合、次期の防衛相は責任を取って辞任することになる。その防衛相にはなりたくない。だから次期・防衛相にはならないと宣言した。 しかしその次ぎの防衛相になって、沖縄の地元が求めている「辺野古沿岸案修正」に応じ、普天間移設という大事業を行い、アメリカ側から最大級の評価を得たいという作戦だ。 ここで必要な知識は、地元が求めている修正案の中身と目的だ。地元は政府案のV字滑走路を沖合にずらすように求めている。それは基地建設費の中でも”海面埋め立て費用”が莫大な額になり、基地建設にかかる経費が大きく膨らむからだ。埋め立て面積が少ないと、地元に落ちる建設費のうま味は少ない。 しかし埋め立て面積が拡大すれば、次ぎにジュゴン保護といった環境保護運動が活発化し、再び修正案は暗礁に乗り上げる可能性が高くなる。守屋次官はこの繰り返しが”建設延期の元凶”と考えていた。そこで地元の修正要求に厳しく対応していたのである。 そこで「沖縄の問題はすべてお金で片づく」と考える小池防衛相が登場して、地元の協力を得ると称して守屋次官の首を狙ったのである。 要は札束でたたけば済む問題と考える小池氏と、札束を積み上げても何も解決しなかったという守屋事務次官の対立なのである。守屋氏は一種の”兵糧攻め”を狙った。 イージズ艦情報漏えいの責任を取るとはよく言えるものである。小池氏は環境省あたりの柔らかな感覚と、軍事戦略を担う防衛省とはまったく異質の世界であることがわかっていない。かつて景山官房長官、野中官房長官、橋本首相、小渕首相など、大物政治家が沖縄に深くかかわって沖縄から捨てられた。しょせん沖縄問題は基地利権を稼ぐ金権問題と甘く見たからである。 次の次の防衛相を狙った小池氏の続投拒否声明だが、小池氏が考えるほど簡単にことは運ばないことだけは忠告しておこう。今まで日本政府が沖縄県民をどれだけ苦しめてきたか理解していないからだ。この問題を解決出来るのは、今までの沖縄の苦しみを理解し、豊かで平和な沖縄の将来の示すビジョンが描ける政治家である。自己の権力獲得に沖縄を利用すれば、沖縄に切り捨てられることになる。 |
| 「ひゅうが」進水 海自の「ヘリ空母」 (朝日 8月24日 朝刊) |
[概要]海上自衛隊の戦闘艦としては最大となる「ヘリ搭載護衛艦(DDH 全長197メートル、基準排水量1万3500トン)」の命名・進水式が横浜市内の造船所であった。艦名は宮崎地方の旧国名にあたる「ひゅうが」と命名された。 海自では初めて艦首から艦尾までの全通飛行甲板を持ち、飛行甲板には2基の大型エレベーターが配置されている。ヘリ4機が同時発着できるほか、最大11機のヘリを収容出来る。 政府は88年に「攻撃空母の保有は許されない」とする見解を表明しているが、防衛省は「攻撃型にはあたらない。大規模災害など多様な事態に対応出来る護衛艦にあたる」としている。 [コメント]政府が空母と同じように”わが国では保有が許されない兵器”として、長距離爆撃機の名前が挙がっている。なぜ長距離爆撃機がダメかと言えば、「国土防衛に限定して配備した自衛隊は、他国を攻撃出来る兵器は持てない」という説明だった。しかし長距離爆撃機なら、爆弾の代わりに大規模災害の援助物資を搭載し、国際貢献に活用出来るという話しが可能になる。だから政治的には空母同様に日本が長距離爆撃機(空中発射巡航ミサイルや精密誘導爆弾を搭載)を配備する可能性が出てきた。それくらい今までの防衛論争は暴論が平然と行われていたことになる。だから防衛政策の解釈を変更することも「指先で弾(はじ)く」ぐらいに簡単にできることになる。 ところで昨日、富士演習場で行われた総合火力演習を取材してきました。しかし昼間演習は濃霧によって、空挺降下やヘリボーンは中止、野戦特科(砲兵)や普通科の迫撃砲の長射程での砲撃もなかった。楽しみにしていたAH−64Dアパッチ・攻撃ヘリの展示も中止で、ちょっと淋しかった。でも19時30分に始まった夜間演習はほぼスケジュール通りで、演習場の暗闇にえい光弾や照明弾が光輝いていました。 昼間演習と夜間演習の間は、7時間程度の間隔(休憩時間)がある。そこで演習場で旧知の軍事カメラマンたちと暇つぶしの雑談で話題になったのが、26日(日)の総合火演の最終日に視察にくるだろう小池防衛相のことだった。まず、無線機を背負った会場警備の若い自衛隊員に「小池さん、26日に来るの?」と聞けば、「政治的な発言は禁じられています」、「エッ、これが政治的なこと?」、「自衛官は政治的な話しをしてはいけないことになっています」でした。「エライ」、まさに政治的なこと。この話題は自衛官たちにもかなり煮詰まっている気がしました。 そこで知り合いの広報担当の方に聞くと、「地元メディアからの問い合わせのには、『26日は例年通り、防衛大臣の視察の予定で調整しています』と答えています」話してくれた。守屋事務次官も視察する予定になっているという。(しかし本人の都合で中止することもある) それからは無邪気なカメラマンたちと、「2人はあの席に座るから、ここのカメラ位置が小池・守屋さんのツーショットを狙いにはいいね」「互いに横を向いて知らん顔しているのは絵(写真)になる」「互いにそっぽ向いて、こっそり携帯電話で話しているなんてどう」「やっぱり絵的にはつかみ合いがいいよ。迫力がある」「オレ、ミニスカートで来る方に350円かける」「アンタ、350円っていうのはないよ。景気よく3万円ぐらいの金額をいってくれよ」「やっぱり翌日の内閣改造で続投を考えると白のパンタロンでしょう」「彼女、参院選の応援で人気あったそうだから、小池さん大好きの00テレビ(番組)なんか、会場の拍手を集音マイクで拾って『歓声あがる』なってやるかも」。まあ、無責任丸出しで楽屋話をしておりました。 ところで守屋事務次官の更迭を本人よりも新聞が先に報じたリークですが、今週発売の「週刊新潮」に経緯が出ているそうです。興味のある方はどうぞ。私はそれを聞いて、「やっぱりね」と思いました。昨日はニューデリーと市ヶ谷(防衛省内)で、小池・守屋氏の第2ラウンド(朝日新聞 8月24日 朝刊)があったようです。第3ラウンドは富士演習場で直接・・・・・・・互いに戦車、装甲車、攻撃ヘリ部隊を巻き込んで、て、ことはないですよね。 すいません。不真面目すぎると怒らないでください。冗談ですよ。冗談です。 |
| 富士総合火力演習 取材 本日 更新休止 (8月23日 木曜日) |
[概要]今日は富士総合火力演習の取材に向かいます。帰宅は夜遅くなります。そのため更新を休止します。せっかくアクセスして頂いたのにすいません。 本日は昼間演習、夜間演習を取材します。雨が降らなければいいのですが。 |
| 小沢一郎政治塾で講演 テロ特措法は泥縄式 参院選は「庶民の反乱」 (読売 8月21日 夕刊) |
[概要]民主党の小沢代表は21日午前、都内で開かれた「小沢一郎政治塾」で講演し、テロ特措法に関し「日本は国連と関係なく米国の戦争に物資を補給している。米国の要請に押されて泥縄式に変な理由を付けてやっているのが現状だ。米国の機嫌を取るために多少、何かやらないといけない(と言って)、世界から軽蔑される行為を続けている」と述べ、政府の取り組みを批判した。 また、先の参院選について、「国民の現状に対する不満と不安、不信感が自民党政権への強い反発となってあらわれた。庶民の反乱だ」と指摘した。政府・与党の現状は、「国会がいつ開かれるのか、政府・与党は当事者能力がなく、脳死状態になったのか、うんともすんとも言わなくなった」と語った。 [コメント]この記事は昨日の夕刊だが、本日の朝刊でも各紙が小沢氏の発言を報じている。 引用・・・・(小沢氏は)「シーファー駐日米大使に『(延長に賛成)出来ない』と言ったのは、私個人としてではなく、党として決めたことことを説明しただけだ」と述べ、昨年末に同党がまとめた政権政策に沿った基本的な判断だと説明した。「ブッシュ米大統領は『米国の戦争で国際社会の同意はいらない』と言った。今になって国際社会に助けてくれと言うのは論理的におかしい」と改めて反対の理由を強調した。(朝日新聞 8月22日 朝刊) 私は、今まで日本(自衛隊)が行っているアメリカへの貢献には、論理性よりも政治家のご機嫌取りで行われていると言い続けてきた。論理的に自衛隊派遣は捻れに捻れて、正常な方法で国防を論じることができないと警告してきたつもりだ。それを必死で言いつつも、いつも誰からも相手されぬ孤独感に包まれていた。もはや私のような国防感覚は、日本で不必要なのかと悩んでいた。 私は反米ではない。しかしアメリカの戦争に無条件に追随するなと言うと、単なる反米とか、理想的平和論で片づけられた。あいつは反自衛隊とか、サヨクと非難されたこともあった。しかし私は自分の感覚を信じて発言を続けてきた。そして昨日の夕刊(読売)のこの記事を読んで、やっと私と同じ感覚の人がいたと感激した。もう私の考えは極論ではないし、異端者でもないことがわかった気がした。 小沢氏が言う”世界から軽蔑される行為”とは、自民党が戦場に自衛隊を派遣するのに、”安全な場所”、”安全な任務”、”警護してくれる部隊付き”にこだわるからである。もし自衛隊派遣の恒久法を作り、自衛隊を戦場に派遣するつもりなら、日本だけが安全にこだわることはできない。それこそ軽蔑される行為になってしまう。 私は自民党時代の小沢氏を嫌っていた。田中角栄の金権政治に通じる同じ臭いを感じていたからだ。しかし昨日の発言を聞いて、今までの嫌悪感はかなり消えたと思う。昔、小泉さんに騙された(期待した)ように、また小沢氏に騙されるかもしれないが、少なくとも自衛隊の将来を託せる政治家は小沢さんしかいないと考えるようになった。 これから秋の臨時国会で始まる”テロ特措法の期限延長”を審議に注目したい。 |
| 本日、多忙のため 更新休止します 23日(木)も更新休止です (8月21日 火曜日) |
本日は仕事以外にも、歯医者さんに行ったり、上京した友人に会ったり、新しい仕事部屋の契約を行います。ちょっと更新する時間がありません。せっかくアクセスして頂いたのに申し訳ありません。
23日(木)は富士総合火力演習の取材に行きます。今年は昼間演習だけでなく、夜間演習も取材する予定にしています。早朝に自宅を出て、帰宅するのは夜間遅くになります。ですから更新を休止します。 東京ではあいかわらず猛暑が続いています。皆さんも厳しい夏をお過ごしと思います。お体に気をつけて猛暑を乗り切ってください。
そうそう、本日から毎日新聞で「プーチンのロシア」というタイトルの連載特集が始まりました。この記事(特集)から今のロシアを理解して、これからのロシアを推測できる内容と思いました。本日は連載第1回目ですが、かなり読み応えがありました。ぜひ皆さんにお勧めします。 |
| 27日に内閣改造 小池防衛相 去就に注目 擁護論と批判 どうする首相 (産経 8月20日 朝刊) |
[概要]安倍首相は19日、アジア歴訪から帰国後の27日に内閣改造と自民党役員人事を行うことを明言した。そこで先に防衛次官人事で混乱した小池防衛相の去就に注目が集まっている。この秋の臨時国会ではテロ特措法の期限延長という重要問題を抱えるだけに、安倍首相の決断が問われることになる。 防衛省内では根回しなど地道な作業を不得手にする小池氏に懸念する声が出ているが、自民党の中川幹事長は19日のテレビ番組で、「小池氏を切れば、事務次官の抵抗に負けて閣僚を代えたことになり、おかしくなる」と小池氏続投すべきと述べた。石破元防衛長官も同日のテレビ番組で、「人事権は大臣が持っている。事務次官も自衛官であり、たとえ事務次官が不服をもってもシビリアンコントロールに従わなくてはいけない」と指摘した。 小池、中川両氏が所属する自民党町村派の森元首相は17日のテレビ番組で、「自分で切腹する人を、(小池氏は)後ろから切りつけた感じがする。あまりいいことではない」と批判している。 防衛庁のある幹部は、守屋氏の退任を、「重い積乱雲が消え、青空が広がった様な感じだ」と語ったが、「小池氏はテロ特措法の延長問題で反対している民主党の小沢氏を批判し、外に出てペラペラとしべっていれば法案が通るほど甘くはない」と小池氏の手腕に懸念を示す。 小池氏が留任した場合、新任の増田防衛次官とともに臨時国家に望むことになる。テロ特措法期限延長に向けた省内の結束が急務になりそうだ。 [コメント]今のまま大きな変化がなければ、秋の臨時国会でテロ特措法の期間延長は否決される可能性が高い。小池氏の手腕や防衛省の結束はたいして影響力を持たない。 アメリカが01年10月7日にアフガンで戦争を始めた時、同時多発テロにアルカイダが関与した確かな証拠があるとして、国連憲章第51条の「自衛権の発動」をアフガン戦争の根拠にした。アメリカはタリバンにアルカイダを差し出せと要求したが拒否されて開戦した。しかし同時にアメリカは国連安保理がアフガン戦争に関与(制限)することを嫌い、アフガン開戦への同意を求めなかったのも事実である。その同意を得る努力も行われなかった。イラク戦争とアフガン戦争とではアメリカと国連の関係が全く違うのである。 民主党代表の小沢氏はもともと国連平和維持活動を通じて自衛隊の国際貢献活動を行うべきと主張している。この点ではぶれていない。これれを指して国連至上主義であるとか、国連絶対主義という批判はあたらない。日米安保条約は日本の戦争をめぐる日米軍事同盟で、アメリカの世界戦争に日本が追随すると規定されていない。 ならば今まで、自公与党のようにアメリカの戦争に追随し、特措法、特措法と臨時法で追随してきた問題はどうするのか。さらに安倍政権はアメリカとの軍事関係で、集団的自衛権の解禁まで行おうとしているのである。国民はそのような自民党の政治に不安を感じている。 小池防衛相の続投が決まれば、小池氏は安倍政権の中でも”対米追随最強硬派”になることは間違いない。すでに魂をアメリカに売っており、対米追随の暴走を始めると思う。しかしこれから1年半後には、アメリカにブッシュ政権の始めた戦争に批判的な米・民主党大統領が誕生する。それはほぼ確実な動きとなっている。 平気で自衛隊員の生け贄をアメリカに差し出そうとする小池氏に自衛隊員の視線は厳しい。 そしてテロ特措法の延長が否決されれば、衆議院解散で総選挙という新しい政治状況が生まれることになる。総選挙で先の参議院選で民意を無視した安倍政権が起死回生することはない。次の総選挙でボロボロになった自民党で、満身創痍の小池防衛相が哀れな姿をさらすと思う。小池氏自身もアメリカの力や有力政治家に依存するだけの古い政治家にすぎなかったからである。 |
| 露、対決姿勢を演出 常時警戒飛行を 再開 欧米との新軍縮条約狙う (読売 8月19日 朝刊) |
[概要]ロシアのプーチン大統領は1992年以降から一方的に中止していた戦略爆撃機の常時警戒飛行の再開を宣言した。ロシア空軍によると8月上旬から核兵器搭載が可能な戦略爆撃機Tu−160、Tuー95など40機で示威行動を開始した。その飛行中に巡航ミサイル8発を試射したり、中国国境に近い基地からTu−95の2機をグアム島付近まで飛ばし、「米空母から緊急発進した戦闘機のパイロットと笑顔であいさつを交わして帰還した」(アンドロソフ長距離航空隊司令官)という。 しかし冷戦時代の様な軍事対決をロシアは望んでいないと思われる。露国防省のビジンスキー国際条約局長は先月中旬の記者会見で、2009年12月に失効する第1次戦略兵器削減条約(START1)に代わる新条約の締結をアメリカに提案している。その新条約では「戦略核兵器の配備を自国領内に限定すべきだ」と提案内容を説明している。 プーチン大統領はアメリカのMD(ミサイル防衛)計画や拡大NATOによる対露包囲網に危機感を強めており、米国と戦略兵器削減条約や欧州通常戦力(CFE)条約を改定を目指して対決色を演出し、欧米を交渉の場に誘い出す狙いと見られる。 [コメント]いくらロシア軍が戦略爆撃機での戦略パトロールを再開したからといって、常に戦略爆撃機に核爆弾や核弾頭搭載の巡航ミサイルを搭載していないと思ってはいけない。そのようなインチキが欧米にバレルと、ロシアの核戦略が信頼度を失うことになるからだ。だからロシアが戦略パトロールの再開を宣言して、戦略爆撃機を飛ばせば核弾頭は必ず搭載されているのである。ダミー(ニセ)核兵器では本物以上に危険になる。 戦略パトロールの目的は核戦略の多様化で柔軟性や生存性を高め、より現実に即した核戦力を構築するためである。同時に相手に対して、核軍縮や軍備管理を要求する手段(条件)になる。今回のロシアの再開目的は明らかに後者である。 また戦略爆撃機が事故(故障)などで墜落した場合、核爆発の危険が高まると心配になるが、今まで核兵器搭載の航空機が墜落(ブローニング・アロー 折れた矢)したことがあっても、核爆発したことはない。核弾頭には幾重にも全装置が仕掛けられ、核爆発以前の段階で爆発を阻止している。 日本にロシア軍の戦略パトロール機が飛来することはなくとも、ロシアンの沿海州の基地から飛び立った戦略爆撃機が、空中給油機の支援を受けて東シナ海を抜けてグアム島に飛行することは何度もあると思われる。当然ながら、空自はその度に日本海や東シナ海にスクランブル発進を行って警戒することになる。面倒と言えば面倒だが、それを行わないと不備になる。年末恒例の火災予防イベントである「火の用心」夜回りの様なものである。 |
| 森氏、小池防衛相を批判 切腹する人を 後ろから切りつけた (産経 8月18日 朝刊) |
[概要]自民党の森喜朗元首相は17日、民放テレビの番組収録で防衛省の次官人事の混乱について、「自分で切腹しようとしている人を、(小池防衛相が)後ろから切りつけた感じがする。あまりいいことではない」と述べ、小池氏の一連の対応に不快感を示した。 守屋氏に対しては、「何十年も防衛庁にいて、自分が辞めなくてはいけないことはよくわかっている」と指摘。小池氏が守屋次官に対し電話で更迭を言い渡そうとしたことも、「ちゃんと会って言うべきことだ」と述べた。 [コメント]森氏がここまで言えるのは、すでに首相を経験しており、アメリカに気兼ねする必要がないからだと思う。臨時国会を欠席して訪米したと小池氏を批判した人たちは、小池氏の訪米をアメリカのシーファー駐日大使が仕切ったと知って沈黙した。その訪米から帰国した小池氏は、到着した成田空港で、「アメリカで築いた人脈を活用して、これからの政治活動に生かした」と防衛相続投を宣言した。まさに小池氏の勝利宣言であった。孫子曰く、「兵は詭道なり」。 その小池氏の孫子に森氏の武士道が立ちはだかった。果たしてこれを国民がどう見るか。今月26日(日)に陸自の富士総合火力演習が実施される。安倍政権で内閣改造が行われるという前日である。小池氏も初の女性防衛相として、総火演を視察することが恒例になっている。その時、総火演を見学する数万人の観衆が、小池氏登場にどのように反応するか。その反応が非常に興味がある。 ちなみに自衛官出身の中谷防衛長官が総火演を初めて視察した時、私は観客席の右端の報道カメラマン区画(最前列)で見ていた。そこはちょうど観客席の端で、会場の入口にあたる部分にあたる。中谷長官はすぐに車の窓を全開にして、大きく半身を窓からのり出して、両手の拳を天に突き上げ、「ウォー」と叫びながら観客席の前を通過した。その気迫はすごいもので、大観客も初の自衛官出身の防衛長官に万雷の拍手を送っていた。(私は中谷氏が2尉のときに受けた幹部レンジャー訓練を取材している) 今月26日、その光景をどのように各メディアが報じるか、それは新聞社や記者のさじ加減で記事が書けるからである。「小池防衛相の登場に観客から大歓声」や「小池防衛相に期待高まる」から「小池防衛相に拍手もまばら」「観客席から冷めた反応」まで、いろいろなケースが考えられる。今年の総火演はいつもにも増してマスコミ各社の取材に力が入ると思う。 |
| 新防衛次官 第3の候補 小池氏、守屋氏 痛み分け 午後にも決着 (読売 8月17日 夕刊) |
[概要]政府は17日午後にも閣議人事検討会を開き、混乱が続いている防衛省事務次官人事について、増田好平人事教育局長(56)を昇格させることで合意した。小池防衛相が求めていた警察庁出身の西川徹矢官房長官や、守屋事務次官が求めていた防衛庁生え抜きの山崎信之運用企画局長の昇格も見送る方針。 省庁の幹部人事については、1997年以降、政治主導の人事を行うとの観点から、正副官房長官4人による閣議人事検討会議で了承をえることになっていた。 [コメント]痛み分けというよりも、塩崎官房長官はケンカ両成敗のつもりと思う。しかしこれで27日の内閣改造で、小池防衛相の続投の可能性が高まったことになる。というのは、警察庁出身の西川氏が次官に昇格すれば、イージス艦情報の漏えい責任をとったというイメージが強いが、警察出身の西川氏が排除され、防衛庁生え抜きの増田局長でそのイメージはなくなった。また、小池氏が防衛相を続投すれば、双方の痛み分けにはならない。 ならばこの次官人事は何か。まさにアメリカの圧力に安倍政権が屈服したことに他ならない。アメリカは沖縄地元の要求に強い態度の守屋次官では、米軍再燃の目玉になった普天間移転問題(キャンプシュワブ沿岸へ)に進展がないと切り捨てたことになる。アメリカのためなら湯水のごとく税金を投入する覚悟の小池防衛相に”米軍再建問題”の解決能力に期待した。現地の沖縄も、米軍再編に経済支援を拡大する小池氏に期待している。 新次官の増田氏は防衛庁の中でも国際派と呼ばれるキャリアである。沖縄の基地問題で生まれている基地利権や交付金などのドロドロを知らない。これからは小池氏の思うように米軍再編をお金で解決出来る環境が整った。沖縄における米軍再編は、多くの県民の意志とは違い、政府の基地交付金の拡大を狙う利権闘争と化している。まさに小池氏はこの点に米軍再編の活路を見いだしている。 かつての中曽根政権、小泉政権のように、自らの政権維持を図るためにアメリカに日本の国防を売り渡した政権はあった。しかし小池氏のように自らの権力欲(政権奪取)のために、日本の国防をアメリカに売り渡す政治家は初めてである。日本人はそのような政治家を許さないと思う。日本は武士道の国である。 ※8月17日に更新した時、山崎氏と増田氏の名前を間違えて記述しました。改めて訂正して、更新します。(8月18日) |
| テロ特措法の延長問題 小沢流原則論に 政府防戦 国連決議解釈 歩み寄る余地少なく (毎日 8月17日 朝刊) |
[概要]秋の臨時国会では11月1日に期限が切れるテロ特措法の延長問題が最大の焦点になるが、「延長反対」を主張している民主党の小沢代表は、アフガン戦争は国連安保理の決議がないという原則論で反対している。これに対して政府は、国際的な「テロ戦争」に参加してきた実績を訴えて小沢氏に対抗する構えをみせている。 小沢氏はインド洋で行っている米海軍などの補給活動は、アフガンの陸上でテロ掃討作戦を行っている「不朽の自由作戦」(OEF)と連動し、テロ関連の物資を海上で阻止する軍事活動と位置づけている。しかし安保理決議にはOEF活動が直接的な表現で明記され明記されていない。このことから小沢氏は自衛隊をインド洋に派遣することも認められないと主張している。 これに対してアメリカのシーファー駐日大使は、今年3月に採択された安保決議1746を持ち出して反論した。同決議は「OEF参加国に支援を受け、アフガン政府がタリバンやアルカイダとの戦いを継続すること」を求めていると明記されているからだ。 小沢氏は衆議院の早期解散に向け、政府・与党との対立軸を強調する戦略を強めており、政府側にも歩み寄る余地はない。 [コメント]何度も書くことになるが、小泉前首相がインド洋に洋上補給の海上自衛艦を派遣することは法的に無理があった。自衛隊にとって初めての戦場派遣なのに、法的な位置づけよりも、ブッシュ政権に人的貢献を印象付けることが優先されたからだ。とにかく軍事を知らない日本の外務省は、軍事活動の対米貢献となると乱暴な論理で押し切ってしまった。「つべこべ言わずに自衛隊を差し出せ」という態度である。それでイラクのサマワにまで陸自部隊が派遣させられた。国会では小泉首相が、「自衛隊のいるところが非戦闘地域だ」という乱暴な発言まで飛び出した。 だから小沢氏は対米追随では自衛隊派遣の歯止めが効かなくなるから、せめて国連の安保理決議でオーソライズ(権威付け)して派遣するという論理を展開している。 米軍がアフガンでアルカイダやタリバンの勢力を壊滅させた直後(01年12月)に採択された安保理決議1386は、カブール周辺の治安維持活動のため、国際治安支援部隊(ISAF)の設置を認めている。さらに、その後の安保理決議でISAFの活動をアフガン全域に拡大している。現在のISAFはアフガン南部で復活したタリバンと戦闘活動を行っており、小沢氏の言うように安保理決議でオーソライズされていても、自衛隊をISAFに派遣すれば、アフガンの戦場に送り込むことになってしまう。国連平和維持活動(PKO)には収まらない。 このようにアフガンをめぐる安保理決議は、現地やアメリカ軍の状況で激しく変化している。シーファー大使がいう今年3月の安保理決議1746は、イラクの泥沼に足を取られたアメリカ軍にかわり、復活したタリバンと戦う「不朽の自由作戦」(OEF)をISAFが担うように求めている。 日本国憲法で厳しく制限を受けている自衛隊を、いくら安保理決議で認定されているからISAFに出せといわれても、そう簡単には派遣できる訳がない。と考えていくと、あくまで小沢氏の延長反対は衆議院の解散を誘うための政争と考えられる。自衛隊が本気でアフガンの戦場に派遣されると考えなくていいと思う。しばらくは。 |
| チェイニー米副大統領 「泥沼化」 昔の「予言」ネットに 動画投稿 アクセス急増 (朝日 8月16日 朝刊) |
[概要]チェイニー副大統領が国防長官として経験した湾岸戦争(91年)で、バグダッドまで行って米軍がイラクを占領すれば、泥沼が待っていると話すインタビューが動画投稿サイト「ユーチューブ」に登場した。現在のブシュ政権の過ちを予見していたかのような内容が波紋を呼んでいる。 このインタビューは保守系シンクタンクのアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所が94年に制作したもので、議会中継や討論専門のケーブル局「CSPAN」上で放映されたものを、反戦サイトを運営する人物が10日、ユーチューブに投稿し、3日間で十数万件のアクセスを記録した。 チェニー氏はその中で、もし湾岸戦争で米軍がイラク本国に侵攻していれば、「米国はイラクを占領しなければならず、アラブ諸国はついてこないだろう。イラクで中央政府を倒せば、イラクは容易に地域ごとに散り散りになりかねない」と説明し、「湾岸戦争の米国戦死者146人は家族にとって軽微ではないが、サダム・フィセイン(元大統領)を倒せば、それ以上の米国人の犠牲が生まれ、それには値しないと判断した」と述べている。 [コメント]当時のチェイニー国防長官のこの判断というのは、特別に正確な状況分析をしたというわけではない。これは軍事のごくごく常識で、軍事を正常に研究する者であれば、大部分が同じ内容の答えを出すだろう。それよりもこの推測に反するネオコンの論理が異常なのである。 ネオコンは、まずパキスタンを中国からアメリカに寝返らせ、次ぎにアフガンでタリバンを倒してイランの東側を占領する。イランに隣接するイラクのサダム・フセインを倒して親米レバノンと占領イラクで挟んだ反米シリアを倒す。これでイランの東はインド洋からパキスタンを経てアフガンに続き、イランの西には地中海からレバノン、シリアを通じるイラクに挟まれる。この挟み撃ちでイランを崩壊させ、地中海からインド洋に通じるアメリカ大回廊を貫通させる構想であった。まさにアレキサンダー大王の遠征を連想させるアメリカ帝国のネオコン中東戦略だった。これはアメリカの対テロ戦争というよりも、同時多発テロを活用したネオコン帝国主義戦争と呼ぶ方が相応(ふさわ)しいのである。 そのネオコンが失敗したのは、まさにアラブ世界がついてこなかったからである。さらにイラクの宗派間対立(シーア派とスンニ派)やクルド人問題が米国のイラク戦争を混乱させた。さらに最終ターゲットに狙われたイランが、革命防衛隊を用いて反米武装勢力を支援したからである。 いまさらアメリカがイランの革命防衛隊を「テロ組織」に指定するなどと脅すことは負け犬の遠吠えである。アメリカには影の外交や地下の戦争を行うCIAがあるのように、革命防衛隊もCIAと同様に国家の体面やことの善し悪しを超えて行動する闇の部隊なのである。ネオコンの意図したイラン征服を阻止したイラン革命防衛隊は、内外で名声を高めることはあっても、アラブ世界で非難されることはないだろう。それが弱者の側に立った戦争の論理なのである。 もし日本に軍事侵略を企てる国がいれば、私はその国の偽札(精密な)を大量にバラまいて経済を混乱させる。東南アジアやアフガンなどから購入した麻薬を、その国に持ち込んで中毒患者を大量に発生させる。またその国に反政府勢力があれば、武器や闘争資金を援助して、反政府活動を活発化させるだろう。これらはすべて今までアメリカがやってきたことで、イランの革命防衛隊が行っていることである。すなわち戦争の別の分野の大原則なのである。 今は対テロ戦争という曖昧な言葉で、多くの矛盾した問題が一方の勝手な色づけで善悪に分けられる。やがて日本も対テロ戦争という言葉で一方の戦争に引き込まれる。昔、八紘一宇(はっこういちう)で、今、対テロ戦争。 |
イラン大統領、アフガン初訪問 反タリバン強調 「支援」の疑問 払拭狙う (朝日 8月15日 朝刊) |
[概要]イランのアフマディネジャド大統領が14日、就任後初めてアフガンの首都カブールを訪問し、カルザイ大統領と会談した。アフガンではタリバンが復活し、全土で治安が悪化しているが、米国はイランがタリバンを支援していると疑いを強めている。アフマディネジャド大統領とカルザイ大統領は両首脳が友好関係を強調することで、米国の疑念を払拭する狙いがある。 アフマディネジャド大統領はキリギスで行われる上海協力機構の首脳会談に向かう途中にカブール入りした。アフマディネジャド大統領はイランの援助で完成したカブール医科大学の研究施設を除幕式に出席し、イラン国内に200万人ともいわれるアフガン難民対策や麻薬対策などの強化を推進する共同文書に調印した。 調印後、アフマディネジャド大統領はイランがタリバンを支援しているという米国の主張について、「わが国にとって一番良いのは安全で安定したアフガンだ。タリバンを支援したことも、今後武器を供給ことはあり得ない」と一蹴(いっしゅう)した。 米国はアフガンでイラン製のライフル銃や地雷を相次いで押収しており、治安悪化の原因にイランが関与していると疑いを強めている。しかしカルザイ大統領は今月初めの訪米時に、ブッシュ大統領との会談で、イランがタリバンを支援しているという主張に同意していない。「むしろイランはアフガンで前向きな役割を担っている」と反論している。 「テロとの戦い」で米国との関係を重視しつつ、復興のためには隣国イランとの支援を得なければならないカルザイ大統領は苦慮している。 イランはカルザイ大統領と握手したことで、アメリカの批判を否定したことの回答として、米国の制裁解除を狙う戦略と見られる。イラクのマリキ首相は8日にイランのテヘランを訪問し、イラクの治安回復を協議している。 [コメント]タリバンの豊富な資金は麻薬の栽培である。アフガン南部で栽培されたケシから大量のアヘンがイランを通って世界に流れていく。これは間違いない事実である。そのアヘンの栽培や採集、流通をタリバンが保障して資金を稼ぐのである。そのタリバンの資金が比較的入手しやすいイランの武器ブッラクマーケット(闇市)から自動小銃や地雷を購入してもイラン政府関与を照明することは難しい。何も取り締まりしないで、暗黙するという支援の仕方があるからだ。 そのあたりの事情は地元の者でないと理解しにくい。軍隊の武器や弾薬は国家が厳しく管理するものという発想が間違っている場合がある。中東や中央アジアは麻薬でも武器でも、あるところから欲しい者がお金を払えば簡単に移動していく。 だから私はタリバンに流入する武器を取り締まるよりも、武器を買う資金になる麻薬を取り締まるべきと思うが、なかなかそのようにはならない。カンボジアでは誰もが認める麻薬の密輸王が、れっきとした商工会議所の会頭である。麻薬資金が武器だけではなく、政治の有力者に流れているからだ。 アメリカは南米で麻薬戦争を行ったことがある。CIAや特殊部隊を投入し、偵察機や電波傍受を活用し、ケシの栽培所や加工工場を見つけては焼き払って破壊した。日本は最先端の遺伝子操作で、ケシが実を付ける前に枯れる技術を開発してもいい。ダイオキシンを含んだ枯れ葉剤などは問題外だが、ケシの枯れ葉作戦を検討してみるといい。むろんケシに代わる代替え作物の提供や、新たな農業支援に積極的に取り組むことが条件になるが、麻薬との関係を断つ道を考えることもひとつのアイデアである。 |
| アフガン国際治安支援部隊 (ISAF) アフガン撤退論 強まる 危険地域派遣の オランダ軍、カナダ軍 (読売 8月14日 朝刊) |
[概要]アフガニスタン展開中の平和維持部隊、国際治安支持部隊(ISAF)参加国のうち、最も危険な地域を担うオランダとカナダで、犠牲者増から部隊撤退を求める声が強まってきた。NATO内での不公平感も浮き彫りになってきた。 タリバンが復活したことで最も危険な地域になったのはカンダハル州とウルズガン州などのアフガン南部一帯だ。昨年7月からウルズガン州に駐留しているオランダ軍は、待ち伏せや仕掛け爆弾の攻撃で、1年間に死者9人を出した。やはり昨年2月に南部担当になったカナダ軍は、02年の駐留開始以来死者数が急増して66人に達した。 アフガン南部のISAFの活動は平和維持活動ではなく、完全な戦闘行為と言われ、米英軍以外で駐留するのはカナダ軍とオーストラリア軍だけである。フランス、ドイツ、イタリアなどは南部への展開に難色を示し、今後も比較的安定したカブール周辺や北部にとどまる方針だ。(ドイツやオーストラリアは特殊部隊を南部に展開させているが、主力部隊は南部に展開していない) ISAFに参加する各国の野党は、アフガン派遣延長に反対を表明し、世論もNATO内の不公平さから反対に傾き、南部に展開する特殊部隊の確保にも難題になってきた。こうした各国の立場に、「一部の加盟国の消極姿勢がNATO威信を損ねている」(英下院国防委報告書)といった批判も噴出している。 [コメント]7月の参議院選挙で与党が過半数を制すれば、自衛隊部隊のアフガン派遣は確実と書いてきた。しかし結果は参議院選で与党は大敗したが、近いうちの自衛隊アフガン派遣が消えた訳ではない。というのは下段に書いた様に民主党が「テロ特措法」延長に反対する代わりに、陸自部隊をISAFに派遣する案が浮上しているからだ。 今回はNATO内からも不公平問題が出ていることから、日本だけが特殊な事情で安全なカブール周辺や北部といった地域を希望することは無理である。すでに派遣されている国の部隊がカブールや北部から動かないからだ。後に来た日本は、アフガン南部の最前線に行けという論理が正当性を持つ。 このアフガン派遣問題は日本人にとって、外国の戦争と自衛隊がどのように関わるのか、そのことを鋭く問いつめてくると思う。自衛隊員になぜアフガンで犠牲になるのか、自衛隊員に答える必要があることを政治家はお忘れなく。 |
| 本日、新聞休刊日 民主党 自衛隊をアフガンへ 陸自部隊をISAFに派遣か 小沢代表、鳩山幹事長が言及 (8月13日) |
本日は新聞休刊日のため、最近、気になっていることを書きます。 民主党はテロ特措法延長に反対だが、陸自をアフガン国際治安支援部隊に派遣案が浮上。 [コメント]民主党の小沢代表がシーファー駐日大使と党本部で会見した際、テロ特措法の延長には反対だが、アフガンに自衛隊を派遣するのを示唆する発言をしている。その理由を小沢氏は、「アフガン戦争はアメリカが01年9月の同時多発テロを受けて、国連が認めた自衛権((国連安保理決議1368号 個別・集団を含む)で始めた戦争だが、国連の安保理の制裁決議は受けていない。だから01年10月に制定された日本のテロ特措法は、アメリカが勝手に始めたアフガン戦争に付き合っていることになる」と見解を示した。 (※注 アメリカはアフガンで戦争を始めるにあたり、同時多発テロにアルカイダ、タリバンが関与した明確な証拠があるとして、国連安保理で制限されることを嫌い安保理決議を求めなかった) 小沢代表はその上で、「アフガンに展開している国際治安支援部隊(ISAF)は01年12月の国連・安保理決議1386号を受けて派遣された。だから自衛隊を国連の決議によるISAF部隊に参加させることは可能である」と述べている。 鳩山幹事長も同じ趣旨の内容を10日に党本部で記者団に語っている。これは自衛隊の海外派遣は米国の戦争に協力(追随)するものではなく、あくまで国連の決議に従って派遣するという従来からの小沢氏の主張に沿っている。 しかし民主党の前代表の前原誠司氏は、12日のサンディープロジェクト(テレビ朝日)の番組で、「インド洋で海自部隊が給油活動を行うテロ特措法は日本の立場に合っている。アフガンに地上部隊を派遣することは憲法の規定から無理がある」と言い、小沢、鳩山両氏とは考えが異なると見解を述べた。 民主党内にいる横路孝弘氏など旧社会党系の議員たちは、当然ながらテロ特措法の期間延長や、地上部隊をアフガンに派遣ことにも反対するだろう。 そこでこれからの推測だが、今の状況では民主党がテロ特措法の期間延長に賛成することは無理と思う。前原前代表ような考えは、選挙によって示された民意を否定することになる。それこそ民主党の命取りで、次の衆議院選で自民党に格好の攻撃材料を与えることになる。 訪米帰りの小池防衛相が狙うのは前原前代表たちの協力だが、これが成立させるには無理がある。前原氏も次の衆議院選を考えれば、今は民主党を出て小池防衛相の側につくことは不可能だからだ。また横路氏のように旧社会党系議員も、テロ特措法の延長はだめ、アフガン派遣も反対しますでは、押せ押せムードの党内で孤立してはじき出される可能性がでてくる。 可能性として一番高いのは、国連安保理決議1386号によって活動が認められたISAFに陸上自衛隊を派遣することではないか。アメリカもこれなら民主党のテロ特措法延長反対に文句は言えない。アフガンのタリバンやアルカイダは、イラクのように携帯式対空ミサイル(携帯SAM)を持っていない。だからアフガンには陸自のヘリ部隊が派遣される可能性があると思う。 (※注 国連安保理決議の1368号は同時多発テロの翌日(9月12日)に採決されました。しかし同時多発テロへの自衛権を認めただけで、アメリカのアフガン報復戦争の正当性を認めた訳ではありません。また国連安保理決議の1386号は同年の12月に採択され、ISAFがアフガンで活動することの正当性を与えたことになります。安保理決議は番号が似ているので、混同しないようにしてください) |
| 訪米から帰国 小池防衛相 続投に意欲 「訪米成果生かす」 (毎日 8月12日 朝刊) |
[概要]訪米から帰国した小池百合子防衛相は11日、到着した成田空港で記者団に、「充実した話し合いができた。これからの国会で今回の成果を生かしたい」と述べ、27日に予定されている内閣改造後も続投の意欲を示した。小池防衛相は5日間の訪米中にゲーツ国防長官、ライス国務長官らと会見し、「米国で私の人脈を最大限に生かせるという感触を持って帰ってきた」とアピールした。 [コメント]小池氏は今回の訪米のスケジュールは、自らがシーファー駐日大使に頼んで調整を依頼したという。(朝日新聞 8月11日 夕刊) そのためワシントン到着後は防衛省職員との食事会をキャンセルし、ボルトン前国連大使ら十数人の米国人脈の集まりに変更した。ここでいうワシントンの防衛省職員とは、日本大使館で勤務している防衛駐在官(陸海空)たちのことである。まさに日本語で言う”虎の威を借る狐”という表現にぴったりの行為と思う。アメリカの最前線で勤務する防衛駐在官よりも、政治的な野心に満ちた防衛相はシーファー大使がセットしたアメリカの要人たちとの親睦パーティーを優先している。 小池氏が訪米していた同じ時期に、シーファー大使は民主党の小沢代表の会談に臨み、テロ特措法の延長反対を求めていた。その会談の現場を小沢氏は報道陣に公開し、はっりきと「ノー」を突きつけ、シーファー大使は「屈辱的扱い」(外務省筋)を受けていたと読売は報じた。(読売新聞 8月12日 朝刊) 守屋防衛次官の退任を決めた小池防衛相は、沖縄の普天間飛行場移転など、地元との調整に難航する政府内や自民党・国防族内の対立に、アメリカ側の不満を感じ取って動いた可能性が極めて高い。それを受けて、米側からは「従来の経緯を整理し、懸案を早く解決して欲しい」とのも声が聞こえていた。(読売 同日 朝刊)という。これは今回の守屋防衛次官追放、自民党の国防族・解体を主導しているのは、アメリカのシーファー大使の演出のように見えてくる。 そのシーファー大使の駒に使われた小池氏は、シーファー大使がセットしたアメリカ政界との人脈をアピールして、内閣改造で次期防衛大臣への続投を主張する。これが基本原型のアメリカ流・日本政界操作術である。安倍首相にはアメリカの威を振りかざす小池防衛相の続投を拒否出来る力はない。 日本には国策としての国家戦略がないから、アメリカのために尽くす政治家や閣僚しか用はないのだ。悲しいがこれが日本の現実である。この先には、アメリカの戦場で戦死する自衛隊員の犠牲を、国際貢献という言葉で語られる時代が始まることになる。 |
| 実績で君臨・守屋氏 防衛次官人事 小池防衛相VS守屋次官 寝耳の退官に反発、巻き返し (産経 8月11日 朝刊) |
[概要]小池百合子防衛相が9月の退任を内定した防衛省の守屋事務次官の人事をめぐり、小池、守屋両氏が政府・自民党を巻き込んだ神経戦を展開している。 7日朝に新聞報道で自らの処遇を知った守屋氏は大臣室を訪れ、小池氏に抗議したが、小池氏は「新聞報道の通りです」と冷たく言い放った。「出処進退は自分で決める」と語っていた守屋氏は顔に泥を塗られた格好になった。 守屋氏は平成15年8月に事務次官に就任し、自衛隊のイラク派遣、在日米軍再編、そして今年の省昇格といった事業を成し遂げた。「守屋氏がいなければ3流官庁のままだった」(同省幹部)という評価がある。同時に、意に沿わない人物を左遷することで長期政権を築いたとの指摘がある。 防衛省内では守屋氏の顔色をうかがうようになり、情報流出などの不祥事も続発。守屋氏自信も防衛産業との関係をめぐるゴシップが絶えなかった。 小池氏が守屋氏の後任に挙げたのは警察庁出身の西川徹矢官房長で、守屋氏が思い描いた防衛省生え抜きではなく、守屋氏は政界を巻き込んだ巻き返し工作を展開。 今回の人事をまったく知らされていなかった塩崎恭久官房長官は、「最後に決めるのは正副官房長官会議だ」と周辺に不快感を隠さない。小池氏は本日訪米から帰国して調整を開始するが、防衛省には初の女性防衛相を迎えたような歓迎ムードは一変した。「これは守屋色の一掃を狙う、小池、西川両氏のクーデターだ。絶対に西川氏を次官にさせない」(防衛省幹部)と吐き捨てた。 [コメント]これを”守屋の乱”と呼ぶか、”小池の乱”と呼ぶか。あるいはケンカ両成敗で増田好平人事教育局長の2階級特進の次官就任で落ち着くか。来週の週刊誌あたりが書きたくなる政界、官僚のゴタゴタ人事騒ぎである。 小池氏は先の衆院選挙で自ら小林興紀の刺客となり、その成果で大きく注目された。よほどその時の快感に酔いしれたのだろう。今回は防衛庁の大親分となった守屋氏を刺して葬ることにしたようだ。 しかしそんなことで10月のテロ特措法延長問題はどうするの。まあ、そのあたりの事情は計算済みで、小池氏は今回の次官人事を仕掛けたのだろう。だから私は小池氏が権力闘争が何であるかご存じというのである。 やはり”マダム・スシの乱”と呼ぶ方が正しいような気がしてきた。ただしクーデターを仕掛ける場合、軍事上の原則として、背後に大きな支持力を得ておく必要がある。それが誰なのか。まさかマダム・スシの背後で操るのは、アメリカということではないと思うが、その可能性がゼロと断定出来ない。少なくとも小池氏の頭の中には、それを演出(ウソでも)させようという意図はある。自民党の有力政治家を黙らせるテクニックである。 以上 |
| 小池防衛相と会談 ”拉致解決”後押し ライス長官表明 (毎日 8月10日 朝刊) |
[概要]ワシントンを訪問中の小池百合子防衛相は9日、国務省でライス国務長官と会談した。ライス国務長官は今月末に平壌で開催される韓国と北朝鮮の南北首脳会談について「基本的に支持しているが、6カ国協議にいい影響を与えることを期待している」と述べ、北朝鮮の核問題を協議している6カ国協議に結びつくことを望む一方、韓国の対北朝鮮融和策の突出に懸念をにじませた。拉致問題についても、米国が後押ししていく方針を明らかにした。 小池防衛相は11月1日に期限が切れるテロ特措法について、「野党の協力を得ながら、インド洋で海自の給油活動継続に向け努力する」ことを伝えた。ライス長官は対テロ戦で「日本の貢献は有効だ」と述べ、アフガンの復興支援や給油活動の継続を間接的に促した。 [コメント]自民党の山崎拓・前総裁が9日の党の国防部会で、テロ特措法の延長問題という重要課題があるのに、小池氏が国会を欠席して訪米していることを批判している。さらに小池氏が守屋防衛事務次官を退任させると決めたことで、「首相の了承がなければできず、閣議にかけられた形跡もない。(人事の話しが)独り歩きしている」と述べ、独裁的との見方を示した。(読売新聞 8月10日 朝刊) えッ!、守屋防衛事務次官が寝耳に水で「解任」されたことは聞いていたが、小池氏は安倍首相に事前の承認を得ていなかったのか。参考までにいうと、守屋次官は4年前の8月1日に事務次官になり、先週の8月1日に丸4年が経過して、歴代事務次官では最長の5年目に入り、この秋には退任すると言われた人である。私はイージス艦の機密情報漏えい事件がなければ、FX(次期戦闘機)にF−22ラプターに筋道をつけて退任の花道を飾り、将来は三菱重工か三菱商事に天下りするものと考えていた人である。小池氏はその大物次官の首を飛ばして、さっさとアメリカに恭順の旅に行ったわけである。 今回の小池氏の訪米では、ゲーツ国防長官やチェイニ副大統領、ライス国務長官、ハドリー大統領補佐官らと会談し、アメリカ政府から厚遇されている。この厳しい時期に日本の防衛相が訪米すれば、アメリカは厚遇すると読む小池氏の嗅覚に感心する。また東京では民主党の小沢代表とシーファー駐日大使が会談し、「テロ特措法の延長に反対」と小沢氏が表明したのに、ライス長官に「野党の協力を得て延長に努力する」と発言し、民主党内保守派の切り崩しと、外圧(アメリカ政府の圧力)を生み出している。これで自民党・国防族の反発を切り返したばかりか、民主党内を混乱させ、さらに外務省が意図していた(テロ特措法延長の反対に反対という)外圧を生む功績を上げたことになる。 小池氏は権力闘争が何であるかご存じの様である。しかしこのようなタイプは権謀術数で一時的な勝者になっても、謀略と人の欲で得た地位は長続きしないというのが私流の考えである。今回の訪米がアメリカに評価され、このまま小池氏が8月末の内閣改造で防衛相に残り、アメリカが進める米軍再編に豪腕を発揮すれば、郵政族のように従来の自民党・国防族は解体されることになる。これは小泉前首相の様にアメリカの政治力を活用する権力闘争術である。過去にこの権謀術数に長(た)けていたのは、中曽根首相と小泉首相ということになる。小池氏には同じ才覚が有るようだがすでに見抜いた。 |
| 本日、体調不良 更新休止 たぶん風邪 ( 8月9日 ) |
ちょっと体の調子が良くありません。咳が出ているので風邪かもしれません。今日は更新を休みます。食欲もなく、気力もありません。東京は深夜まで猛暑に襲われています。 |
| 上 海協力機構(SCO) あす初の軍事演習 結束誇示 露、微妙な警戒感も (産経 8月8日 朝刊) |
[概要]中国とロシアが盟主の上海協力機構(SCO)6カ国による初の軍事演習が9日から、ロシア中部ウラル地方のチェリャビンスク州で行われる。合同演習名は「平和の使命2007」で、中国から約1700人、ロシアから約2000人、他の加盟国の中央アジア諸国から約150人が参加し、9日間の日程で、イスラム過激派のテロを想定した演習になる。ロシアはこの演習に20億ルーブル(約93億円)を投入した。これはロシア軍の年間演習予算の1割を占めるという気の入れようだ。 SCOは01年に中露と中央アジア諸国がイスラム原理主義への共同対処で発足した。ロシアはSCOを米国の1極支配に対抗する政治・軍事ブロックとして強く認識し、初の軍事演習はSCOの結束を誇示する狙いがある。演習最終日はプーチン大統領、胡錦涛主席など加盟国の全首脳が一堂に会して視察が予定されている。 中国軍部隊の大部分は新きょうウイグル自治区から1万3000キロを鉄路で約2週間かけて移動した。ロシア国営イタル・タス通信は中国軍の移動状況を詳しく報じているが、中国軍の脅威をにじませるものも少なくない。ロシアと中国は05年に、中国・山東半島で合同演習を実施しているが、ロシア内陸部で大規模な合同演習は初めて。 [コメント]中国軍がわざわざこの演習の参加部隊を、中国・最西端の新きょうウイグル自治区から鉄路で移動させたことに驚いた。1万3000キロの陸路となれば、第2次世界大戦の末期、ロシア軍が日本軍との戦争で、ロシアの西部戦線(欧州)からシベリア鉄道で極東の沿海州まで大移動させた記録に匹敵する。中国軍は空輸に頼らず、鉄路移動とはロシア軍も驚いたと思う。ロシアとしては空輸で参加して欲しいと考えていたのではないか。ロシアが中国に警戒感を持つのは当然である。 じつはこの演習最終日に、イランのアハマディネジャド大統領が顔を見せるという未確認情報がある。中露の2カ国に、カザフ、キルギス、ウズベ、タジキの中央アジア4カ国、それにイランのアハマディネジャド大統領が加われば、ロシアのプーチン大統領が夢見るNATOに対抗した軍事同盟という姿も夢ではなくなる。だから演習最終日の顔見せには、世界中の眼がチェリャビンスクに集まることになる。プーチン大統領が中国に鉄路での参加を許した背景に、イランのアハマディネジャド大統領の参加があったのではないか。 今月8月1日のこのWhat New 欄で取り上げたのだが、米国務長官と米国防長官がそろって中東を訪問し、10年間に530億ドルの米国製兵器を中東に供与するという話しは、このSCO演習(軍事同盟)に対抗させる意味があるように思えてきた。反米テロを取り締まるためという口実にしては規模が大きすぎる。 やっとイラク内戦の出口が見えかけてきたら、今度は中央アジアや中東で新たな軍事的な緊張が始まる兆候を感じる。はたしてアハマディネジャド大統領は姿を見せるか。・・・・それにしても中国軍が1700人の部隊を鉄路で1万3000キロを2週間で移動か。ほどほど日本は島国で良かったと思う。韓国人は別の感覚でこの大移動を見ているはずだ。 |
| イラク軍将校、 テロ黙認 わいろもらい警備緩和 (朝日 8月7日 朝刊) |
[概要]朝日新聞バグダッド支局が入手した軍内部の報告や関係者の証言から、イラク軍将校が武装勢力からわいろを受け取り、自爆テロなどを「黙認」している実態が明らかになった。治安権限の移譲を目指す米国とイラク政府に対し、軍内部から「最優先すべきは腐敗の一掃だ」との声も聞かれる。 バグダッドの中心を流れるチグリス川に架かるサラフィア橋で4月12日、トッラクが自爆して少なくとも10人が死亡、橋は大破して通行不能になり、市民生活の命綱(ライフライン)を直撃するテロがあった。この爆破テロは橋の警備を担当する部隊指揮官の大佐が、スンニ派アルカイダ系組織から4万ドルを受け取り、検問所で大量の爆薬を積んだトッラクを通過させた。さらにこの大佐は、非アルカイダ系過激派のイラク・イスラム軍やシーア派の反米強硬派のマフディ軍などから数千〜数万ドルの現金を受領。見返りに兵士の配置を移動さえ、テロ攻撃をやりやすいようにしていた。 バグダッドの市場でトッラクが爆破し、127人が死亡した4月のテロでは、別の指揮官がスンニ派過激派から2万ドルを受領。トッラクの検問所通過を黙認したことから、拘束された。 シーア派の少佐は、兵士の給料を乗せた装甲車を襲撃。自ら所属するマフディ軍に横流ししたという。また配下の兵士17人を、武装勢力が待ち伏せする地点に向かわせ、殺させたスンニ派の大尉もいた。いずれも発覚して軍に拘束された。イラクの武装勢力は03年のフセイン政権崩壊後、贈賄に力をいれるものもある。軍は内部で摘発を進めているが、公表はしていない。 [コメント]これを新生イラク軍の末期現象かというと、実は逆なのである。すなわち末期ではなく初期現象なのである。だから公表しない。どうしてそうかと言えば、ベトナム戦争の初期の時代(60年代前半)に、同じようなことが起きていた。南ベトナム軍にアメリカが武器を供与すると、その日のうちに武器を満載したトラックの一部が、ベトコン(共産軍)の支配する解放勢力地区に向かった。南ベトナム軍の将校がベトコンからワイロを受け取り、米軍が供与した武器を売り渡していたのだ。その譲り渡した武器で、南ベトナム軍はベトコンから攻撃されていた。わいろを受け取った将校がベトコンのシンパというわけではない。戦場では私たちの常識では考えられないことが起きる。当時の南ベトナム軍では部下の兵士を水増しし、支給された給料を指揮官が猫ばばするのは日常茶飯事であった。これはベトナム戦争が激化する前の初期段階に起きて、この事実は当時の米軍からも隠されていた。 本日の産経新聞に、6日付けワシントン・ポスト紙の記事が載っている。(時事配信) それによると米国がイラク治安部隊のために供与したAK47自動小銃や拳銃など19万丁が、04年〜05年の間に行方不明になった。その中にはイラクの反米武装勢力に渡った恐れがあるという。これは米会計検査院の報告書で判明した。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによれば、米国防総省の請負企業が04年〜05年、35万丁のAK47などをユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナやセルビアで調達し、イラクに出荷していたとされる。・・・・・と、報じている。 私がベトナム戦争の初期現象と酷似というのはこれである。 そのような戦史を知って、逆のことを話すことになるが、軍の指揮官がワイロで軍や部下を裏切り、テロや攻撃を黙認しているという噂は、どこの戦場でも必ず聞く話しである。これは兵士が指揮官を信頼していなかったり、市民が軍を信頼していなければ、必ずこのような噂は真偽にかかわらず広がる。だから軍の憲兵隊は厳正に調査して、ワイロの噂が本当であったならば、指揮官に対して公開処刑などの厳罰を課し、軍の規律を維持するとともに、失われた信頼を回復させる。 だからこのような事件を報じるマスコミは、市民や兵士の噂だけを安易に信じないで、徹底的な取材で事実を確認する必要がある。今回のこの記事では、収賄はサラフィア橋の警備責任者(大佐)で、4万ドルというワイロの額も特定されているので、この記事の信頼性が高いと思った。これから日本のマスコミに同じような話しが次々と出てくると思うが、記者が事実の再確認(裏取り)を怠って、噂だけで安易に記事にすれば、マスコミは読者から信頼を失うことになる。 また米国防総省の請負企業が、ボスニアやセルビアでAK47自動小銃を35万丁ほど調達したという記事も、ちょっと気にかかる情報だ。請負企業は本当に35万丁を集めたのだろうか。本当は15万丁ぐらいで、35万丁の経費を米国防省に請求した可能性はないか。この手の企業(PMC・民間軍事会社)はインチキ屋が多いことも特徴の一つである。請負企業が正直に35万丁を調達し、その35万丁すべてをイラクに送ったとはとても思えない。この件では、これからも会計検査院の追跡調査が続けられる。 このような調査・取材も軍事ジャーナリストの大事な仕事のひとつになる。日本でも同じような事件が起きていないという保証はない。 |
| 核実験で一度は下火 北の資源 中国再び触手 鉄鉱石など 企業積極投資
中国、北に重油5万トン 「次の段階」前に見返りか 韓国通信社報道 (読売 8月6日 朝刊) |
[概要]”地下資源の宝庫”として知られる北朝鮮を狙って、中国の企業が再び活気づいてきた。今月8月には、昨年10月の地下核実験で下火になった中国経済界の投資が、再び北朝鮮への投資拡大を狙って、中国各地で説明会を開催することが相次いで計画されている。 慢性的な資源不足に苦しむ中国は、2004年頃から北朝鮮の鉄鉱石や無煙炭の輸入に血眼になっていた。北朝鮮には鉄鉱石だけで埋蔵量が推定30億トン〜40億トンとされる。また中国は最近になって自動車や家電産業に欠かせない亜鉛や銅にも触手を伸ばし、北朝鮮でレアメタルのモリブデンなども主な獲得対象にしている。 北朝鮮の核実験後は国連安保理の対北朝鮮制裁決議を受け、中国は国境での貨物検査などを強化し、中国企業の対北朝鮮投資は「足踏み状態」になった。中国商務省によると、昨年の中国の対北朝鮮輸出入全体の伸びは、前年比7,6パーセント増と小幅だった。しかし今年は、中国・温州の私営企業「広寿集団」が605万ドルを投資して北朝鮮に合弁会社を作り、モリブデン採掘に乗り出した。また河北省の私営企業「らん河実業集団」も恵山銅鉱の開発権を取得した。このため今年は、昨年減少した輸入が42パーセント増(1月〜5月)に転じ、大幅増になっている。北朝鮮から中国に鉱物資源の輸入も増えているとみられる。 中国企業は北朝鮮への投資規模がどんどん大きくなり、投資熱が高まっている。中国政府も対北朝鮮の制裁解除を目指しており、こうした動きが中国企業の北朝鮮投資の”追い風”となっているようだ。 韓国の聯合ニュースは複数の外交筋の話しとして、中国が今月中旬に、北朝鮮に重油5万トンを供与する予定と報じた。2月の6カ国協議の合意に基づき、「次の段階の措置」を履行する見返りという。合意では、北朝鮮が核施設の無力化とすべての核施設の申告を行う見返りとして、他の5カ国が重油95万トン相当の経済・エネルギー支援を提供するとなっている。今回、中国が供与する重油5万トンはこの一部。しかし北朝鮮はすべての核施設の申告をまだ行っていない。その履行前に北朝鮮に見返りを与えることに米国から異論が出る可能性が高い。 [コメント]4日前だっと思うが、北朝鮮の国内メディアは3ヶ月ぶりに金正日が部隊を視察(指導)したと報じた。これは心臓バイパス手術からの生還宣言である。心臓バイパス手術は先進国の医療水準では難しい手術ではないという。3ヶ月という体調回復期間も金正日の66才という年齢を考えれば、まずまず通常の回復ぶりであるそうだ。 それにしても中国の北朝鮮投資は異常に熱いものがある。これは金正日が生きているうちに、北朝鮮の地下資源にツバを付けておくという意味なのか。北朝鮮が崩壊して統一国家コリア国が誕生しても、中国は北朝鮮との契約書をかざし、コリア国から多額の賠償金を得るか、あるいは契約存続を求める気なのだろう。そのように考えれば、今の中国で重油5万トンのニンジンは安いものである。ちなみに重油5万トンあれば、北朝鮮で必要な電力2ヶ月分(火力発電)が賄える量だという。北朝鮮は先月にも韓国から重油5万トンの緊急供与を受けている。このときはアメリカも韓国の重油供与に同意している。だから今回、中国の重油供与にアメリカが異論を出すことが難しいのではないか。 アメリカや中国や韓国は、平壌で金正日の心臓手術を行ったドイツ医療チームから、金正日の詳細な体調データを入手していると思う。心臓バイパス手術前の検査のデータである。そのデータを分析した結果、余命期間を含めて金正日の体調加減で動いているように思える。そう思うのは中国、韓国、アメリカが、政治や軍事では理解出来ない動きを見せているからだ。北朝鮮が6カ国協議で合意した措置を取る前に、前倒しで供与(支援)するなど最たる例である。見返りとはニンジンを馬の目の前につるし、駆け出すためなのに、走る前からニンジンを馬に食べさせている。この様に今までは全く違う対応をどう読めばいいのだろうか。私はこれが金正日の健康状態と無縁ではないと思う。 しかし日本政府は何も知らされていない。それとも安倍首相の強引な続投は、金正日死亡間近を期待して、一気に世論の逆転ホームランを狙う気なのか。近日中に金正日が危篤になれば、北朝鮮に強硬だった安倍首相の支持率は回復する。事実は小説より奇なりというが、まさかそこまで安倍首相が運に恵まれているとも思えないのだが・・・・・。 |
| 集団的自衛権 安保懇報告 棚上げへ 参院選惨敗 法制化に慎重論 (毎日 8月5日 朝刊) |
[概要]安倍首相の私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」は10日、参院選で中断していた議論を再開する。集団的自衛権の行使を認めるための憲法9条解釈の見直しを今秋、報告書にまとめて提言する。しかし参院選に惨敗した安倍首相は求心力が急速に低下し、報告書を棚上げにして法制化を見送らざるを得ない状況だ。
「集団的自衛権の容認は安倍政権の自殺行為だ」と、元々、行使容認に反対論の強い公明党幹部は断言した。しかし懇談会のメンバーの一人は、「元々結論ありきの懇談会で、参院選結果がどうであれ報告書の内容は変わらない」と語り、報告書は集団的自衛権(想定した4類型)を容認する見通しだ。 しかし実際に集団的自衛権を行使するために、「自衛隊法改正など法的担保が必要」(内閣官房幹部)になる。現在の自衛隊法は同盟国のための活動を規定しておらず、「集団的自衛権出動」などの自衛隊法改正を行い、文民統制を徹底するために国会承認の規定を盛り込んだ「集団的自衛権事態法」を想定しなければいけない。 しかし公明党は「法案を出せばシェレッダー行きにする」(幹部)と態度を硬化させており、関連法案の提出は当面絶望的だ。また自民党内でも、集団的自衛権の議論をリードしてきた石破元防衛庁長官が公然と首相退陣を訴えるなど、意見集約は難航必至の状況だ。 [コメント]石破元防衛庁長官が公然と安倍退陣を迫るのは、安倍政権下で集団的自衛権論議をリードしていた手前、安倍氏と共倒れしないために「安倍離れ」を演じているように思う。 すでに何度も指摘したが、懇談会の想定4ケースは集団的自衛権を議論するには相応しくない的はずれのものである。いつもの石破元防衛長官の的はずれな防衛論議と酷似している。すなわち4ケースのシナリオを書いたのは石破氏の近くにいる者ではないか。そのため安倍・懇談会への責任論が浮上すれば、石破氏へ責任論が波及してくる可能性がある。それを安倍退陣論で必死に防ごうとしているの様に見えてくる。 ところで防衛省や自衛隊関係者で、まだ集団的自衛権を論じる4つのケースが正しいと考えている人に言いたい。先月の月刊誌「軍事研究」(7月号)の147ページを開いて頂きたい。「市ヶ谷レーダーサイト」という北郷源太郎氏の”「集団的自衛権懇談会」を糾す”というコラムがある。個別自衛権でできるものを集団的自衛権で論じる無意味さ、あるいは国民に間違った知識を植え付ける罪深さを指摘している。これは私が今まで集団的自衛権の論議で指摘してきたことと同じだ。北郷氏に面識はないが、このコラムを読んで、心が洗われるような気がするし、「神浦、頑張れ!」と応援して頂いているように感じる。小異の違いがあっても、ともに自衛隊(国防)を大事に思う心は同じである。 このHPの読者の方で、もし集団的自衛権で私の話が信じられないなら、急いで北郷源太郎氏のコラムを読んで頂きたい。懇談会が議論している4ケースの手段的自衛権行使容認が、いかに現実的ではなく、軍事的に誤魔化しているか理解できるはずである。 安倍政権が弱体化し、集団的自衛権への風当たりが強くなると、これから懇談会が示した4ケースのいい加減さが問われてくる。しかし安倍政権が先日の参院選で大勝していれば、4ケースを解禁することで集団的自衛権のブレーキが解除されたのは間違いない。私はこれが乱暴な対米追随の防衛政策で、憲法解釈見直しの暴論だと指摘するのである。 しかし平和の党を自称する公明党もだらしがない。参院選で大敗するまで集団的自衛権の行使容認を形式的に決める懇談会に、面と向かって批判しなかった点である。軍事を知らない平和論ほど恐いものはない。 |
| 集団的自衛権行使容認 安倍流に試金石 野党「反対} 公明も「慎重} (産経 8月4日 朝刊) |
[概要]今後、安倍内閣改造(派閥推薦を否定)とその後の政権運営が問われることになった。その試金石のひとつが、集団的自衛権の行使容認をめぐる検討作業だ。これは首相が執念を燃やす「戦後レジーム(体制)からの脱却」の柱になる政治課題だ。 しかし公明党は反発し議論の棚上げを迫る構えも見せている。「せめて有識者懇談会の『安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会』の最終報告を先送りするぐらいのことをすべき」(公明党幹部)の声もある。また自民党内には安倍首相が行使容認を急げば、自公連立にひびが入るとして、山崎拓元幹事長や谷垣禎一前財務相のように反対する勢力がある。野党も強く抵抗しており、民主党代表の小沢氏は「何となく米国と協力するたぐいのこと」と有識者懇設置を批判している。首相は幾重にも反対・慎重論に包囲されている。 自民党内では安倍首相がこうした現状にひるみ、集団的自衛権の行使に関する判断を先送りすれば、首相の姿勢を支持してきた党内外の保守層から「続投した意味がない」と失望を与え批判を招くことになる。 有識者懇談会が今秋にまとめる予定の最終報告書を受け、首相が行使容認に踏み切るか、これが首相の試金石となってきた。 [コメント]自民党は参院選で歴史的な敗北を受け、国民からノーを突きつけられた安倍首相が、集団的自衛権行使容認をすれば、次の衆院選挙で大敗北をすることになる。自民党はまさにブチ壊れてしまう。 安倍首相が自分の考えを支持する有識者懇談会を作り、その手前味噌的な報告書で自分の考えを正当化する。さらに憲法解釈を変更させたり、議会での議論を封じて、行使容認を強行する姿勢が見えてきた。そのようなやり方で集団的自衛権の行使が解禁され、アメリカの戦争にかり出される自衛隊員にとっては最悪のシナリオである。 憲法改正や集団的自衛権の行使容認論議は、もっと政治的に落ち着いた状態の中で行って欲しい。わがままで幼稚な政治家が、思い上がって強行するようなものではない。自衛隊員の命や国民の生命がかかっているのだ。戦後レジームからの脱却といっても、戦争で亡くなった者たちに、もう一度戦前が良かったと言いたいのだろうか。 それに安倍首相は自分流の考えの人を集め、これを有識者懇談会というインチキ臭さを無くして欲しい。そんな低級な政治姿勢に国民は納得できない。 私は憲法改正に賛成である。自衛隊の存在と任務を憲法に明記すべきと思う。しかし今のような安倍首相のやり方には反対である。絶対に支持出来ない。有識者懇が取り上げた集団的自衛権が想定出来る4つのケースについても、弾道弾(弾道ミサイル)迎撃では技術論で不可能なことまで、集団的自衛権でやれと軍事的にメチャクチャな議論を行っている。また、現在の個別自衛権で出来る範囲のものまで、有識者懇は集団的自衛権で禁じているとテーマに取り上げている無責任さである。 安倍首相の登場で、健全な憲法改正と集団的自衛権議論は大きく後退した。デタラメと強情なだけだった。小泉さんが宣言したように、安倍首相は自民党をぶっ壊すことになるのか。 |
| 検証・テロとの戦い 海自派遣 国益守る 燃料補給で国際監視支援 勝股秀通 編集委員 (読売 8月3日 朝刊) |
[概要]海上自衛隊幹部は5年半を超えるインド洋での活動を、「テロとの戦いを続ける国際社会へのパスポートだ」と振り返る。同時テロ(01年9月11日)を受けて、国際社会はテロとの戦いに立ち上がった。日本政府は海自の護衛艦と補給艦の2隻をインド洋に派遣し、アフガンに潜伏するテロリストの逃亡や武器運搬阻止を目的の多国籍海軍に参加した。具体的な任務は後方支援活動で、警戒監視する艦船やヘリの燃料補給と、水の補給だった。 インド洋の洋上監視活動が始まった時は11カ国が参加した。現在は日米仏など6カ国17隻がインド洋北部のアラビヤ海からアフリカ方面に展開している。パキスタン海軍も04年7月からこの監視活動に加わった。海自はパキスタン軍艦船に米軍の380回に次ぐ257回(6月21日現在)を補給し、油のほかに約6000トンの真水を提供した。海水から真水を精製する能力の低いパキスタン軍の艦船が参加出来るのは、海自の支援があるからという。近々、仏海軍に代わってパキスタン海軍が多国籍軍を指揮する。 海上での武器輸送阻止活動で今までに5トンを超す武器や弾薬を押収した。自衛艦隊司令官の香田洋二海将は、「海上で監視の目を光らせ続けることで、テロ組織の行動を抑止することができる」と有形無形の効果を説明する。 9・11から間もなく6年が経過する。現在もテロとの戦いを続ける国は40カ国を越える。防衛省幹部は「アフガンは国際テロの中心拠点だ。この国作りに失敗すれば、世界はテロの脅威に怯え続けることになる」と話す。日本が今、この”輪”から抜けることは国際社会から離脱することほかならない。 [コメント]今日の産経新聞・朝刊に、来年の米大統領選挙で民主党候補を狙うオバマ上院議員が2日、アメリカのシンクタンクでの講演で、イラク戦争を早期に終結させるため、パキスタンとアフガンに対テロ戦争の重点を移す構想を明らかにした。特にアフガン東部の国境地帯はアルカイダの”聖域”となっており、パキスタンのムジャラフ大統領が同意しなくとも、米軍を投入して掃討作戦も辞さないと言及している。そのような対テロ戦争の推移を考えると、固定した考えでパキスタン海軍の艦船に燃料や水を提供し満足していいのかと気になる。 パキスタン海軍の艦船が海水から真水を作る能力が低いなら、日本でそのような装置を装備した船を建造してパキスタンに提供した方がいい。軍艦の場合は日本の武器輸出禁止3原則に触れるから、武装をしない民間の”造水”船舶として建造すれば提供出来る。また洋上の燃料補給も日本が民間のタンカーを借り上げて、洋上で多国籍軍の艦船に燃料を補給することもできる。しかし海自が何もしないわけではない。海自には別の任務が必ずあると思う。平和大国日本として出来ることである。 この間に海上で押収した武器が5トンというのも少なすぎる。いくら有形無形の効果といっても、5年が過ぎれば真の意味で”費用対効果”を見直す必要があると思う。公正で科学的な検証をして、正しく現状を見直せば、それで国際社会を裏切ったことにならない。単なる固定した感情論でダラダラと続けることこそ、対テロ戦争を戦う者にとって迷惑千万である。 海自の隊員が厳しい環境に耐え抜いて、インド洋で補給活動を行ったことは痛いほど理解しているつもりだ。また心より尊敬している。しかしだからこそ、現状を改善することに無関心であるべきでない。海自には日本の国際貢献の生命線として、まだまだ大きな仕事が待ち構えている。日本の政治家が政権延命策でアメリカ大統領の歓心を買うために、形振り構わずインド洋に艦船を派遣してはいけないのだ。 ※赤字で5トンで記述した部分は、最初、5万トンと誤って記入していました。再度、記事を確認しましたら、正確には5トンでしたので訂正しました。読者の方からのメールで、5万トンの誤りではないかという指摘がありましたが、新聞記事では5トンとなっています。異常に少ない量なのですが、今の段階ではこのまま掲載します。ただし今後、読売新聞の紙面に訂正が出れば直したいと考えています。 |
| アフガン 韓国人拉致 さらに4人殺害予告 タリバン 交渉難航に不満 拉致直前の一行 袖なし服で肌露出 異質で目立つ (毎日 8月2日 朝刊) |
[概要]アフガンで起きた韓国人拉致・殺害事件で、タリバン報道官は1日、アフガン政府が仲間の釈放に応じないことから、さらに人質4人を殺害すると予告した。タリバンは毎日新聞の電話取材に対し、「兵士8人と人質8人が(解放の)条件だ」と語った。人質の殺害予告や交渉期限の延期には言及しなかった。しかしアフガン政府は1日正午(日本時間、同日午後4時)の交渉期限を48時間延長するように要求している。 韓国の金万福国家情報院長は1日、拉致された韓国人人質は、東部ガズニ州のカラボフ、アンダル、テヤクの3地区にある9集落に分散して監禁され、その後は随時、監禁場所を変えていることを明らかにした。拉致したタリバンはカズニ州カラボフ地区の「アブドラ」と呼ばれる150人の小規模勢力(パキスタン人を含む)であるという。これは韓国で国会情報委員会に対する非公開報告を出席議員の話として聯合通信が報じた。 また拉致された人質23人は、拉致される直前にタリバンの支配下にあるガズニ州カラボフ地区のレオナイ市場を散策し、タリバンが禁じている女性の袖なしシャツ姿の人がいたという。韓国人一行は30分間休憩し、アイスクリームを食べたり、市場の風景をビデオで撮影して楽しんだ。この市場を大型バスで発車した直後に、タリバン兵約25人が一行を拉致した。韓国人たちは市場で異質な存在として目立ったという。 [コメント]拉致された韓国人たちに罪悪感はなかったのだろう。サウジでは駐留米軍の女性兵士が戦闘服を腕まくりしたり、車を運転しただけでも敬虔なイスラム教徒の反発をかうことを知らなかったようだ。韓国人は衛生状態が悪化したアフガンで医療活動(ボランテア)を行い、合わせてキリスト教の布教を行うという善意の気持ちしかなかった。しかしアフガンではそのような活動は死刑さえ受ける行為であることに気がついていない。まさに文明の衝突である。 さて拉致された韓国人はこれからどうなるか。私は比較的楽観視していたのだが、韓国人人質の荷物からキリスト教を布教する印刷物をタリバンが見つけたと聞いて背筋が凍った。まさにイスラム教を冒とくする以上の憎悪をタリバン兵士に与えると考えたからだ。 日本のように人質が長期間監禁されると、殺害される可能性が極めて低くなるという考えは通用しない。タリバンではそのような可能性(心理)を知っていて、殺害を決めると別の兵士が殺害を実行する。またアフガン軍や米軍が救出作戦を実行すれば、タリバンは人質を盾に使うか、爆破などで殺害を謀るだろう。タリバンは拉致や人質作戦のプロである。人質が自分の手の内にいれば、どのような作戦もタリバンが主導権を握っている。人質を無事に救出することは極めて難しいというのが本当の気持ちである。 ならば身代金を払って解決という方法だが、タリバンのような思考集団には金銭交渉がまとまる可能性は低い。それはタリバンが異教徒からイスラム教を守る闘いの図式が、金儲けのための闘いに変質するからだ。タリバンは闘争の手段に自爆テロを行う戦闘集団であるから、”お金儲け”は彼らの自滅思考になってしまう。 やはりここはイスラム教に従い、まずは多くのイスラム教徒が嫌う”女性人質”から解放させる方法を要求する。そしてその解放の見返りに何か(タリバン囚人の解放以外)を与え、タリバンに人質解放で勝利の実感を味合わすことが必要だ。つぎに人道的な意味から”病人の解放”を要求し、病人が解放されればタリバンにさらに何かを与えて、より勝利を実感させる。そのことで人質の意味(政治的な価値)を失わせ、残りの人質を解放させる作戦である。 これは刑事事件の人質解放交渉で、警察側の交渉人(ネゴシエーター)が犯人と専用の電話などで直接接触し、食糧や水を与えて自分に依存させるように誘導し、その信頼感で人質解放を説得する方法と同じである。 これ以上は、アフガンの人質解放交渉を妨げることになるので言わない。ただ特殊部隊が軍事作戦を始めるという情報は、タリバン側を不安にさせるため意図的に流されている。仮に特殊部隊が最終的に制圧作戦を行うなら、そのような作戦情報を事前に流すことはない。今は心理戦の段階で進行している。 |
| 対イラク・イラン 米2長官(国務、国防) 中東訪問 協力求め外交攻勢 (朝日 8月1日 朝刊) |
[概要]米国のライス国務長官、ゲーツ国防長官の両長官が、31日にエジプト入りし、親米アラブ8カ国の外相らと会談した。異例の2長官そろっての中東訪問は、泥沼イラクの治安改善と対イラン封じ込めに協力を取り付けたいブッシュ政権の思惑がある。 ライス国務長官は中東訪問前の30日に声明を発表して、今後10年間に、イスラエルに300億ドル、エジプトに130億ドルの軍事援助をする意向を表明した。また米国防総省の高官はサウジなど湾岸協力会議(GCC)諸国に、総計200億ドルの軍事援助を想定していることを明らかにした。いずれも「長期的な地域の安全保障への米国の関与の象徴」(同高官)という。同時にこれは弾道ミサイルや核開発をするイランをけん制する意図が強い。 しかし米国内には「サウジはイラクの治安安定のために責任を果たしていない」(同高官)という不満がある。これはイラクで反米闘争を行っている外国人テロリスト(アルカイダなど)にサウジ出身者が多いためサウジ国内での取り締まり強化や、国境警備を強めてサウジと同じスンニ派のイラク武装勢力の動きを封じ込めて欲しいというアメリカの意向がある。 しかしアラブ側はブッシュ政権の思惑に歓迎一色ではなく、事態打開の見通しは立っていない。GCCの一角を占めるオマーンの外交筋は、報道陣に「隣国イランと我々は、地域の安定維持という共通の利益がある」と苦しい立場をにじませた。またイランはホセイニ外務報道官が「米国は常にこの地域に恐怖を生み出す政策を考え、諸国間の良好な関係を壊そうとしている」と非難した。 [コメント]このようなブッシュ政権の中東政策を喜ぶのはイスラエルとアメリカの軍事産業(兵器産業)だけではないか。はっきり言ってGCC諸国などは逆に”ありがた迷惑”と思うだろう。ブッシュ政権が、「お前に大量のハイテク兵器を与えるから、反米取り締まりを強化しろ」と言っているようなものである。まるで冷戦時代のソ連封じ込め政策の再現である。最近、ブッシュ政権からネオコンを追い出したのはいいが、中東や北朝鮮に対してアメリカの外交が幼稚になったように思える。 これから10年間で、中東に最新のアメリカ製兵器が530億ドル分もばらまかれたら、中東が不安定化することはごくごく常識的な話しではないか。むしろブッシュ政権の本当の狙いは、その中東を不安定化することによって、中東でアメリカの存在を高めようと目論んでいると疑われる。これもブッシュ政権の末期症状と考えるべきなのか。この中東・外交政策にはまったく力強さを感じることができない。 来年の米大統領選挙で民主党の新大統領が選出されれば、イラクの駐留米軍が撤退するシナリオが描かれる。そのイラクを安定化させるため、アメリカとイランとの関係も正常化するシナリオが作られる。となれば任期が1年少々のブッシュ政権の策動に、安易に乗れないのがアラブ世界の考えである。これからさらに、ブッシュ政権と距離を取る国が出ると推測する。 それにしても10年間でこの530億ドルが使えるなら、アフリカや中東でアメリカを尊敬出来る国にする方法がいくつもある。そのためにアメリカの戦争依存症を直すべきと思う。もうブッシュ政権ではベトナム戦争の教訓がまったく無視されている。困ったものである。 |
※これ以前のデータはJ−rcomFilesにあります。