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概算要求 防衛庁、初の5兆円超 テロ対策に1193億円 (読売 8月31日 朝刊) [要約]防衛庁は2003年度予算の概算要求行なった。それによると今年度予算比1.3l増で5兆43億円となり、初めて防衛費が5兆円を越えた。これは大規模テロ(193億円)や不審船対策(92億円)に力を入れているのが特徴である。習志野(千葉県・現第一空挺団)に対テロの「特殊作戦群(仮称)」を編成するほか、護衛艦に不審船対応の20ミリ機関砲を搭載する費用が計上されたからだ。炭ソ菌などの生物化学兵器対策に37億円を計上した。空中給油機1機と新型イージス艦1隻の購入も盛り込まれた。
[コメント]昔、中曽根首相が防衛費をGNP1%上限を突破させるために、予算をわざときりぎりの0.99パーセントに設定し、GNPの伸びが鈍ることによって防衛費が1%を越えるように仕組んだことがあった。ところが予想に反して、その年はGNPが伸びて1%突破は失敗した。なんと中曽根は姑息な男と評価を下げた。それと同じように、今回の5兆円突破は、同時多発テロや不審船事件を利用した、防衛費5兆円突破の姑息なやり方である。もうこんな姑息な手段を使うことはないと思っていたが、相変わらず防衛庁は進歩していない。予算を少しでも多く獲得することが防衛官僚の第一目的になっているからだ。こんなことだから、有事法制では馬鹿げた法案を提出してヒンシュクを買うのである。もし有能な防衛官僚なら、今の自衛隊で削れるところは山ほどある。いや、削らなければいけない無駄が山ほどあって、残せばこれから必ず禍根を残す予算枠がある。そこを調整すれば、大規模テロや不審船を口実に、予算を拡大する必要はまったくない。逆にRMA関連のように、予算を増やさなければいけない部門もある。そのあたりの勉強ぶりや苦心が予算案からまったく伝わってこない。そんなことでは、防衛庁も日本道路公団のように、カネ(予算)を奪ってくるだけの強欲集団に見られてしまうぞ。
それから、この新型イージス艦とは、ヘリを2機搭載(格納庫つき)できる改造型のことである。基準排水量は7700トンで、海外なら巡洋艦(満載排水量は1万トンを越える)と呼ばれる大型艦のことである。(この件については、今月の『丸』10月号にある野木恵一氏の記事を参照するといい)小泉首相 17日に訪朝 「政治生命懸ける」 (各紙 8月31日 朝刊) [要約]小泉首相は9月17日に平壌を訪問し、金正日総書記と首脳会談を行なうことになった。この会談に対し、首相は30日(昨日)夜、自民党の役員(神浦・・おそらく森元首相)との会食で、「政治生命を懸ける」と明言した。(以上、毎日) しかし首脳会談の成否については、小泉首相が苦境に立たされる可能性もある。特に、日本人拉致問題で具体的な成果がなければ、今回の首脳会談に批判的な論調が高まることが予測されている。
[コメント]昨日の各紙夕刊で、1面に大きな活字で「首相、訪朝を決定」という文字を見たときは、驚くというよりも、大丈夫だろうかという不安感だった。今の北朝鮮は日本から食糧の緊急援助は勿論だが、植民地時代の謝罪と補償を得るのに必死である。まさに日本からの補償金については喉から手が出るほど欲しがっている。このような北朝鮮の劇的な変化は、ブッシュ政権が北朝鮮の体制に否定的な対応をしていることが最も重要な要因だが、北朝鮮国内で緊迫する経済・食糧事情が金体制を追い詰めていることも確かだ。特に私が注目するのは、今年6月に起きた黄海の軍事境界線の砲撃戦である。この事件の直後、北朝鮮に進出している韓国の企業が一斉に一時撤退をした。あの砲撃事件後、韓国企業が復帰したという情報はまだ聞いていない。やはり北朝鮮は信頼できない国ということを再認識させたからだ。このことは金正日総書記に相当の危機感を与えたのではないか。
ここで小泉首相に申し上げたいのは、けっして焦らないことである。そして会談の主導権を日本側が握ることが重要である。あいては自分勝手で、体制を維持することしか考えていない、わがままな独裁者である。自国民が何十、何百万人も餓死しても、自分の政権を維持することしか頭にない連中である。日本からお金(補償金)や食糧を掴み取ることしか考えていない。予備会談でも、こちらの要求に対し、「つべこべ文句」を言ったら、さっさと会談を中止して引き揚げてくればいい。当然ながら、困るのは金正日総書記の方である。そのくらいの心構えでちょうどいい相手だ。日本の首相が、「政治生命をかける必要も価値もない男」である。そのことを忘れないでもらいた。とにかく、会談の主導権を小泉首相が握ることのが戦いに勝つ最重要条件である。日帰りなら、平壌の空港に政府専用機が着陸しても、エンジンはそのまま切らないほうがいい。もし相手が不思議がったら、「交渉が決裂したら、すぐに離陸できるように待機している」と答えればいい。
森元首相も会談にマイナスになるようなことをベラベラしゃべらないほうがいい。相手をつけ上がらせるだけである。今にわかったことではないが、小泉首相も森元首相も、ともに外交は苦手というより下手である。間違っても、北朝鮮の国民を長期にわたり苦痛を与えるよう体制延命策に手を貸すべきではない。金正日政権は崩壊すべき宿命なのである。これが大河の流れだ。大河の流れに誰も逆らうことはできない。仏大統領 イラク攻撃 反対を明言 (朝日 8月30日 朝刊) [要約]シラク仏大統領は、29日、各国駐在の仏大使を集めた会合で、イラクに対する「一方的、予防的なあらゆる武力攻撃」に反対の立場を表明した。そして国連安保理決議に従って行動することを米国に求めた。シラク大統領が米国のイラク攻撃に反対を表明したのは初めて。
[コメント]ドイツ、カナダに続いて、フランスも反対を表明した。これにイラク周辺のアラブ国が加わるので、アメリカの立場は一層苦しくなった。賛成のイギリスも、世論が二分され、反対派が強まってきている。日本もほぼ不支持が決まり、小泉首相も来月の訪米時には、アメリカに慎重な行動をとるように要望することが決まっている。繰り返し言うが、アメリカ1国でイラク攻撃はできない。もはや国連の決議、同盟国の支持と参加、イラク周辺諸国の同意が不可欠である。このままでは二年後の大統領選挙でブッシュ大統領の不利は確実である。「北朝鮮」崩壊にらんだ米の政策 モンゴル難民キャンプ構想 (サンケイ 8月30日 朝刊) [要約]米国では大量の脱北者(北朝鮮からの亡命・逃亡・脱出者)が発生するという見方が高まっている。そこで米国では大量の脱北者を受け入れる施設として、モンゴルにある旧ソ連軍兵舎の空きアパートを活用する方法が検討されている。また米上院外交委員会事務局では、日本、韓国、米国、フランスなどのNGOに、この難民キャンプ構想の運営に参加するか打診が行なわれ、予算として八千万ドルを付けるように国務省に勧告した。国連もNGOが1年間運営してくれれば、その後はUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が引き継ぐことも可能と意向を表明している。モンゴルは基本的には賛意を示しているが、中国との関係で遠まわしに断わっている。
[コメント]この問題で日本政府が動いているという話は聞かない。北朝鮮の武装難民が日本に押しかけて、日本に上陸するという話の時は異常に反応したが、そのような可能性がないとなるとわかると余りにも冷淡である。やはり朝鮮に対する差別感があるからではないか。北朝鮮の崩壊や混乱を迷惑やお荷物と考えないで、日本と朝鮮半島、ひいては東アジアとの関係を正常化するチャンスと考えるべきである。昔も今も朝鮮半島は、日本と大陸を結ぶ最重要な接点である。大陸の力が日本に及ぶとき、日本の力が大陸に向かう時、常に朝鮮半島はその接続個所にあたった。すなわち朝鮮半島が平和であれば日本も平和で、朝鮮半島が戦乱になれば日本も平和ではいられないということである。朝鮮半島を混乱と騒乱から防ぐために、日本政府は朝鮮半島の非常時を想定した対策をすすめるべきである。具体的には、大規模災害用(称して)として100万人程度の食糧や衣類を緊急援助できる予算や対応策が必要である。お知らせ! 夏休みのお知らせ。8月26日〜29日の間、国内旅行のためホームページへの掲載を休止します。旅先には、携帯電話を持参しますので、緊急の用事のある方は携帯にお電話ください。自宅にお電話をくだされば、自動的に旅先の携帯電話に転送されます。 北朝鮮の経済改革 コメ価格改定は要注意 (毎日 8月26日 朝刊) [要約]北朝鮮では「経済管理改善措置」と名づけられた改革が進行中だ。そのためコメの価格は1キロ0.08ウォンから43ウォンになった。約500倍の値上がりだ。給料は20倍になったが、コメの上げ幅が大きく上回る。北朝鮮政府はコメを配給制にしていた食糧会計制度を放棄した。ロシアでペレストロイカが始まったのは、小麦粉の価格補助が大きくなりすぎたからだ。ベトナムのドイモイ(刷新)も、コメの生産者に請負制度を導入し、価格を自由化して活発化したことだった。ポーランドでは主食同様の食肉の値上げで体制変革運動が始まった。しかし今回の北朝鮮の改革は、価格だけの一方的な引き上げで、請負制度の自由化なども進んでいない。ともあれ、北朝鮮は動き出した。要注意である。(石郷岡建・編集委員)
[コメント]北朝鮮には今まで、農民市場と呼ばれる自由市場があった。深刻な食糧・物不足で、当局が干渉出来ない闇市場として機能していた。すなわち配給制の表と、農民市場の裏(闇)という2つの流通経済が存在していたのである。それが今回の経済改革で統一された。極限られた情報しかないが、平壌では農民市場が消えたというものがある。となると、農民が自主的に栽培した農産物も、政府に納めるだけで、請負制も価格も自由化にはなっていない。今回の経済改革が農民の生産意欲と結びつくのか、そこが最大の問題である。今、北朝鮮は夏野菜など、食糧が比較的裕福な季節である。秋にはコメなど保存穀物が収穫される。問題は来年の春だろう。春までに大規模な食糧援助が来なければ、北朝鮮は今までにない深刻な社会状況となる。米太平洋軍 グアムの空軍強化を検討 (各紙 8月24日 夕刊) [要約]米空軍のベガート空軍司令官は、グアムのアンダーセソ基地に爆撃機、F-22戦闘機、無人偵察機、空中給油機などを配備する意向を明らかにした。これは昨年に出されたQDR(4年ごとの戦略見直し)で、巨大化する中国の軍事力がこの付近の脅威になることを指摘したため、中国を警戒しながら、この地域で米軍の存在感を誇示するための配備と報じられた。
[コメント]このグアム戦略配備はすでに予測していたことである。その最大の理由は、インド洋に浮かぶ戦略拠点デエゴガルシア島が満杯の状態になったことである。中国の軍事力の増大とは関係ない。対アフガン、対イラク、対パキスタン、対東南アジアのイスラム圏というように、アメリカ軍の活動範囲が拡大してきた。しかしデエゴガルシア島は満杯状態。そこでグアム基地の再活用が決まったのだ。すでに数年前から何度も、アメリカ軍の調査団がグアムに入っていることは報じられていた。そしてグアム基地に高い評価を行なってきたことも、このホームページでは何度も報じている。ここで私が思ったのは、沖縄の海兵隊撤退は間違いないが、嘉手納の空軍基地がどうなるかと迷っていたが、このグアム・アンダーセン基地の再会で、嘉手納の空軍部隊もグアム移駐の可能性が高まった。米海軍の潜水艦部隊で、ハワイで特殊部隊の潜水移送などを担当する部隊(潜水艦と潜水救難艦)がグアムに移駐することも決まっている。グアムがアメリカ軍の軍事拠点になることは明白である。やはり沖縄は中国に近すぎるのである。リアクション(対応)できない数分間でミサイルが到達する。米軍のグアム基地再開は、沖縄の人にとってはいいニュースである。写真は米空軍の最新鋭のF-22戦闘機。超音速で巡航できる最新鋭のステレス戦闘機。中国がこの程度の戦闘機を開発することは、たとえ何十年たっても、どれほど莫大な資金を投入しても、もはや不可能である。
シベリア鉄道 北朝鮮との連結は難しい 整備に30億ドル (毎日 8月24日 夕刊) [要約]ウラジオストクでプーチン大統領と金正日総書記が、朝鮮半島の鉄道と、シベリア鉄道の連結を話し合ったと報じられたが、鉄道輸送の専門家の分析では、実現には課題が山積していることがわかった。まず第一に北朝鮮国内の鉄道は、橋やトンネルの老朽化が激しく、整備や近代化に30億ドルかかることがわかった。この資金を日本や韓国から集めることは難しい。また採算ベースにのるほどの貨物量も期待できないし、仮に連結されると極東のロシア海運業が打撃を受け、ロシア側も極東の港の重要性が失われるという意見もあるという。(以上、毎日より)
これまで南北間の協議では、中国とつながる「京義線」の連結が優先されていた。京義線は数ヶ月の工事で開通できる。しかしロシアと結ぶ朝鮮半島東海岸の鉄道は、韓国側の断絶区間が127キロに達し、実現には数年かかる。しかしプーチン大統領は、「ロシアは中国よりも良い条件を提示し、鉄道連結を実現しなければならない」と意欲を示している。(以上、読売、8/24 朝刊)
[コメント]すでに北朝鮮のインフラは、回復不可能な状態になっている。直すより、新しく作り直す以外に方法はなさそうである。それにロシアを経由すれば、ヨーロッパに到達するという見方も、海運よりコストを下げることが可能かどうかが問題である。シベリア鉄道も老朽化で問題が山積みという情報もある。それに日本や韓国は、生産拠点を中国や東南アジアに移している。冬の自然条件が厳しいシベリア経由より、海運で安定した輸送を選択するのではないか。私は朝鮮半島の鉄路は、むしろ先に中国と結ばれると分析している。今、中国では韓国の携帯電話の大ブームが起きている。日本製は高性能だけど高価、韓国製は満足できる性能があって安価。この違いが中国人に受けているのだろう。韓国も中国も、鉄路で結ばれる経済効果は大きい。北朝鮮も通過料を示されれば、受け入れることになるだろう。イエメンに北朝鮮がミサイル部品を輸出 「北朝鮮は危険な存在」 米政権内 強硬派が躍起 対話機運を批判 (朝日 8月24日 朝刊) [要約]米朝対話再開の機運が高まるなか、ボルトン国務次官補は北朝鮮を非難する演説を準備している。この演説は、今月末に訪問を予定している日本、韓国で行なわれる可能性がある。(ワシントン・タイムズ紙)。米国務省では、ボルトン国務次官補や高官などの強硬派と、アジアなどを担当するものたちとの対立が深まっている。北朝鮮がイエメンにミサイル部品を輸出していたことで、北朝鮮が「誠意」を見せないなら、強硬派が勢いづく可能性がある。
[コメント]すでにイエメンはアメリカに対して、今後、北朝鮮からミサイル部品を輸入しないことを表明している。また北朝鮮は、東南アジア(ASEAN)やロシアなどと、積極的な外交活動を活発化させている。その目的は、援助を得ることと、アメリカを牽制することである。以前のクリントン政権と比較して、ブッシュ政権は北朝鮮に根強い不信感が根底にある。ちょっと極端な見方をすれば、米国務省の強硬派には、北朝鮮に対して「服従か戦争か」といった強い要求も感じられる。そこまで追い詰めるのは危険というのが、国務省のアジア担当者たちの認識である。ともに、北朝鮮に根本的な改革を求めている点は同じである。金正日 訪ロの目的は兵器修理とエネルギー 北朝鮮の代価は労働力輸出 (毎日 8月23日 朝刊) [要約]本日の午後、ウラジオストクで金正日総書記とプーチン大統領の首脳会談が行なわれる。この会談の目的を、極東国立大学(ウラジオストク)の朝鮮学研究所のスターリチコフ副所長が毎日・澤田記者のインタビューに答えている。金正日総書記は北朝鮮国内の、ロシア製兵器の維持・修理の協力を求めてくる。新兵器を購入する資金はない。またエネルギーの分野でも、ロシアから援助が得たい。この2つが目的だ。支払いは、北朝鮮からの労働力輸出を当てるだろう。
[コメント]私もうなずける内容である。確かに今の北朝鮮にロシアから新兵器を購入する余裕はない。エンジンが破損して動けなくなった戦車や自走砲、部品が欠乏して飛べなくなった航空機、そのように北朝鮮軍全体の兵器が麻痺状態になってきた。今年、4月に行なわれた軍事パレードでは、行進したのは徒歩部隊だけで、車両部隊はパレードに参加しなかった。(できなかった) このように北朝鮮の兵器は深刻な事態なのである。(たとえ修理しても、焼け石に水という感すらある) その上、もう北朝鮮がロシアに支払えるものは、森林伐採や建設作業員などの出稼ぎ労働者の給与である。(本日、読売新聞・朝刊に、「北朝鮮から出稼ぎ急増」という興味ある記事が掲載されている) 読売紙によれば、北朝鮮・出稼ぎ労働者の賃金66パーセントが、ロシアへの対外債務返済に当てられているという。大量に極東ロシアに移住してくる中国人に対抗するためにも、ロシアが不足する極東地域での労働力に、北朝鮮人労働力を当てにしても不思議はない。現在、ロシア極東地域の北朝鮮労働者は1万2千人。今後、本日の朝露首脳会談によって、大幅な増加が予測されるのではないか。写真はウラジオストクの会談で抱き合うプーチン大統領と金正日総書記。イラク攻撃 避けれぬ情勢 米CSIS上級研究員 (サンケイ 8月22日 朝刊) [要約]現ブッシュ政権では国防省国家安全保障調査メンバーであり、米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」の上級研究員であるエドワード・ルトワク氏の寄稿論文である。ワシントンではイラク攻撃がすぐに始まらない推測する向きが多いが、米国が予期せぬ事態が起きないかぎり、イラク攻撃は年内に始まるという見解を示している。特に地上軍派遣の重要性をあげ、空爆による攻撃だけでなく、地上部隊によって大量破壊兵器の捜索と破壊、さらにイラク軍をフセイン政権に立ち向かわせるために、米地上軍の派遣が重要と主張している。
[コメント]アメリカの世論や国際世論が、アメリカのイラク攻撃に批判的になっているので、ちょっと焦りを感じているような論文になっている。そのため、イラクが以前フランス政府から譲り受けた濃縮ウランを使用した核兵器を2,3個持っているとか、すでにエジプトなど周辺アラブ諸国の協力を取り付けたなどと書いている。首を傾けたくなるような分析である。それから、意味不明の文章があった。「(アメリカ軍は)レーザー誘導弾や、生物・化学物質を兵器を破壊せずに撃滅できる超短波ミサイルなど、湾岸戦争時の90パーセントまで確保できるだろうが。」。ちょっとナニを言っているのか不明である。それに超短波ミサイルなどという新兵器は聞いたことがない。はっきり言って、この人は大丈夫なのと心配してしまう。ブッシュ大統領もこのようにいいかげんな顧問がアドバイスをしているようでは、フセイン打倒もますます難しくなる。ところで皆さん、超短波ミサイルなんて聞いたことがありますか。生物・化学兵器を破壊せずに撃破できるミサイルなんて、あればいいけど、ない物を言われても困ってしまいます。アメリカにはこの種の人間がいっぱいいるんだろうな。カナダ国防相 イラク攻撃への参加まずない。(朝日 8月22日 朝刊) [要約]カナダのマッカラム国防相は、現地紙のグローブ・アンド・メール紙のインタビューで、「イラクが大量破壊兵器を持つという確証がないので、今のところカナダ軍がイラク攻撃に参加することはまずない」と見解を示した。
[コメント]この見解の読み方には、隠された2つの意図が感じられる。一つは、これからアメリカによってイラクが大量破壊兵器の保存を示されれば、カナダ軍はイラク攻撃に参加するという意図である。もうひとつは、もし北朝鮮のようにすでに生物・化学兵器の大量貯蔵が確実な国には、そのことが理由で攻撃対象になるという点である。もし記者がマッカラム国防相にインタビューをするのなら、この2点についてもはっきりと見解を聞くべきだった。横須賀 初の原潜事故想定し防災訓練 (朝日 8月20日 夕刊) [要約]米海軍基地がある横須賀で、原潜事故の防災訓練が初めて実施された。訓練には国や県、海上自衛隊など20団体350人が参加した。今回の想定では、通常の50倍の放射線が検知されたということで、住民の避難や、被災者に対する医療活動が行なわれた。(以上、朝日新聞)
横須賀には今年に入って11隻の原潜が入港している。しかしこの訓練に米軍は不参加であった。(以上、サンケイ 8/21 朝刊)
[コメント]アメリカの同時多発テロ以後、仮に日本で戦争が始まった場合、国内に潜入した敵の武装工作員はどこを攻撃するかというテーマを考えたことがある。当然ながら、武装工作員の人数は少ない、武器は携帯式ロケット砲や迫撃砲程度、攻撃目標は長期間・最大限の効果を上げることができる。そのように考えていくと、最も攻撃を受けやすい場所は、横須賀の原潜だという結論になった。原潜が係留されている場所に、横須賀市の山間部からロケット砲や迫撃砲を撃ちこんだり、漁船に爆薬を搭載して自爆テロ(GPS誘導でも可能)を行なうのだ。そして原潜に搭載された原子炉を破壊して、周囲を放射能汚染地帯にして使用不可能にするという攻撃法である。私がそのように考えたのだから、当然、米海軍や海上自衛隊(陸自も)も対応を考えているはずだ。海上に進入禁止ラインを設定して、そのラインを漁船が突破すれば、無警告でも攻撃して撃沈するような対応である。あるいは武装工作員が横須賀の原潜を、迫撃砲などで狙う場所に適したところを、予め陸自が展開して対応する。実はこれこそが、本当の有事法制の研究課題なのである。現在の法制では、以上のような海自や陸自の対応は法的に無理であるからだ。
今回の防災訓練の想定は、第一段階の原潜への攻撃の直接阻止。第2段階の(敵)攻撃部隊を制圧する体制。第3段階の放射能汚染への対応。というように考えていくと、第3段階の部分の、民生部門の救助(避難)活動の部分に値することになる。それなら、「それは日本側がやってください」、というのが、米軍が訓練に参加しない理由である。もし原潜の原子炉が破壊され、放射能が漏れているのに、米軍には横須賀市民を救済するような余裕はないというわけだ。それはそれでリアリティーがある。北朝鮮脱出に携帯電話 亡命準備、外部と連絡 中朝国境に持ち込み (毎日 8月20日 朝刊) [要約]韓国のNGO関係者によると、中朝国境で通じる中国の携帯電話を使い、北朝鮮の亡命希望の住民に密かに渡し、亡命の打ち合わせを行なっているという。手渡すのは中国人ブローカーたちで、行商や密輸を行なっているものが頼まれて持ち込む。北朝鮮当局に押収された携帯電話の通信記録では、韓国と交信していたことが発覚したものもあるという。
[コメント]昔は北朝鮮に韓国のラジオ放送を聞ける小型ラジオを送る心理作戦があった。情報を統制されている北朝鮮の住民に、韓国語のラジオ放送を通じて韓国や世界のニュースを伝えるというものだった。そのために親族などが日本から送ったラジカセは、まず北朝鮮の公安当局に提出して受信周波数を固定化する必要があった。しかし最近、韓国に亡命した人の話によれば、北朝鮮ではかなりの人が韓国のラジオ放送を聞いているようである。それは主に韓国の流行歌が、北朝鮮の若者に好まれているのが要因らしい。そのような情報収集手段が一気に携帯電話に発展したなら驚きだ。国際的なアマチュア無線の世界では、最近、平壌から国連関係者が交信しているという話もある。さらに北朝鮮では限定され者だけだが、これからインターネットを普及させる計画もあるようだ。また、一昨日、漁船で韓国の仁川に亡命した者は、GPSで最短コースをとってきたという。(この漁船は中国の漁民から拿捕し、罰金を払わないので押収したもの。GPSは搭載してあったが、それを使えるというのが驚きだった)。北朝鮮が国家の窮乏から脱しょうとすればするほど、庶民が情報を入手する機会は増してくる。だから私は、横浜開港で江戸幕府が耐えれなかったように、北朝鮮政府が閉鎖政策を改め、国際社会に順応しょうとすれば、今の体制は維持できないと考えている。日本版GPS研究着手 来年度から実証実験 (読売 8月19日 朝刊) [要約]日本独自のGPS研究に、独立行政法人通信総合研究所が乗り出した。現在のGPS(米軍)は24個の衛星で運用しているが、日本版では「準天頂衛星」と呼ぶ衛星を08年頃に、日本のほぼ真上に打ち上げ、このほかに3個の静止衛星で位置を測る方式を考案した。これで誤差1メートルの精度が測れる。ただしこの方式では、地上から電波を打ち出し、その送り返し(反射)で位置を割り出す方式となる。米軍運用のGPSでは国際情勢次第で安定運用が懸念されるからという。
[コメント]中国も独自のGPS計画を推進中である。またEU圏には「ガリレオ計画」というGPS開発が進められている。それがついに日本も独自のGPS開発となった。これは国産の偵察衛星同様に、運用は日本周辺に限られるが、米軍に依存する体質を少しでも改めたい気持ちが表れている。という説明より、今後、自衛隊でも兵器のRMA化が進めば、独自のGPSを持つことは不可避となるという説明が本音だ。運用を日本周辺としたことに米軍への配慮が感じられる。ところで高速道路公団の民営化が問題になっているが、高速道路を非常時の滑走路にするために、赤字であっても高速道路建設を進めるという意見があるが、それはあまり重要ではない。軍用の飛行場というのは、滑走路だけで成り立つものではない。補給や簡単な修理を行なえる地上施設(サービスエリア)、広い航空管制が行なわれる地形、飛行場防衛のために対空部隊が展開できるゴルフ場などの施設、航空支援部隊が移駐できることなどがあげられる。中央分離帯を撤去したり、長い直線コースや分厚い舗装だけでは軍用飛行場として済まないのだ。それより地方の民間飛行場を、有事の際の緊急飛行場とするほうが合理的である。防衛庁 無人偵察機の導入検討 独自開発も (毎日 8月18日 朝刊) [要約]防衛庁は無人偵察機(UAV)を航空自衛隊と陸上自衛隊に導入する方向で検討に入った。空自ではこのほど試作に成功した多用途小型無人機(固定翼ジエット機、全長4.7メートル)をベースに、アフガンで米軍が投入した「プレデター」型の独自開発(陸上発進式)を検討している。陸自は小型の回転翼式を検討し、敵地の偵察や沿岸部の動向を探ることを目標にしている。導入は最短でも4年後、価格は1機数億円程度。
[コメント]これは自衛隊のRMA(軍事革命)の第1弾と考えるべきである。そしてこの記事には書かれてはいないが、このUAVには、一般の偵察任務のほかに、目標(敵)を照準照射する装置が組み込まれる。(あるいはその能力が開発されるが、高性能のため未搭載の可能性あり) これから開発される長射程のミサイルや砲弾(誘導有翼弾)などを、正確に目標誘導するためのRMAシステムである。その誘導システムは、敵が固定目標なら座標情報だけでいいが、移動目標ならレーザーやTV画像などで追尾できる方法が必要になる。このシステムを発展させることによって、海上を移動する空母部隊や、山間部を移動する戦車部隊などは、この新しい攻撃システムに対処することは難しくなる。そのうち昆虫ほどのUAVが登場し、敵の兵士の背中にとまると、そこに迫撃砲弾が正確に落下してくることも可能になる。それがRMAである。数や量のよる軍事理論であるクラウゼビッツ戦争論が否定される。米国防報告 中国脅威の出現 「悪の枢軸」に核の使用辞さず (各紙 8月16日、17日 夕刊と朝刊) [要約]米国防省は議会に対して2002年の「国防報告」を提出した。大きな特徴は、中国の脅威が増大するとしたこと、ロシアについては柔軟な見方を示した。またイラク・イラン・北朝鮮を「悪の枢軸」として指摘し、大量兵器破壊には核兵器の先制攻撃も辞さない姿勢を強調した。また敵性国家に対しては、政権交代を目的とした撃破を行なうと表明した。また米軍の戦力については、長距離から長期間の作戦を継続できる能力を高める必要があると指摘した。
[コメント]アメリカ1国だけで、世界中の軍事同盟を集めた軍事力以上の戦力を保持している。すなわち軍事力学だけなら、力でアメリカにたてつくことは出来ないのだ。しかしこのことで、アメリカが圧倒的な軍事力を世界に誇示するなら、ますます対米テロが多発するという皮肉な現象も生まれてくる。そのような簡単なことが、この国防報告には書かれていない。アメリカ人にとっては不幸なことである。ブッシュ大統領の単純さにそろそろ世界の主要国が気づき始めてきた。防衛庁方針 対テロ専門部隊新設 来年度 300人規模 (読売 8月14日 夕刊) [要約]防衛庁は外国の特殊部隊攻撃などに対処するために、専門部隊300人規模を首都圏に編成することを決めた。東京や福岡などの大都市に加え、地方都市が特殊部隊や武装工作員に襲われた場合、迅速に対処するのが最大の目的だ。この部隊は、ことし3月に長崎(佐世保)に新設された西部方面隊普通科連隊と連携して、海岸線も含めて日本全体をカバーする予定。建物内に突入したり、建物内の敵を掃討するために、銃などの装備品も軽量化する方針だ。
[コメント]この部隊を首都圏に置くということは、第一空挺団(習志野)である可能性が高い。理由は全国をカバーしているからだ。さらに御殿場の第34普通科連隊でも、九月にハワイで市街戦訓練を行なう。(このコーナーの8月3日の記事を参照)。このように陸自では、全国で特殊部隊化が進むことになる。ゆくゆくは離島派遣隊を沖縄に移駐(米海兵隊が撤退後)させ、沖縄でも特殊部隊を発足させることになるだろう。第一空挺団は中隊規模によるパラシュート降下を行なうが、実際はそのような想定は考えられない実情がある。そこで数年前から特殊部隊化が検討されていた。ここでいう特殊部隊化とは、少人数が遠隔地で本隊から分離して戦う部隊のことである。空輸は入間の航空自衛隊や木更津の第1ヘリ団が行なう。第1空挺団はそろそろ名称を変えて、第一特殊作戦団にしてはどうか。そのほうが部隊の性格を現していると思う。細るロシア 人口予測では2050年に7000万人に半減、「中国人が流入して第2民族に」(サンケイ 8月14日 朝刊) [要約]2002年のロシアの人口は1億4360万人である。ところが2050年には人口が半減の7000万人に減少する可能性があることがわかった。特にシベリア(極東地域)では、ソ連時代の居住制限を撤廃したことから、シベリアから温暖な南部地域に移住する人が多い。すでにウラル山脈以東には、ロシア全人口の7分の1の2000万人しか残っていない。その労働力不足になったシベリアに大量の中国人が流入している。ロシアの非公式統計によれば、すでに250万〜500万人の中国人が非合法・合法的に浸透しているという。2010年頃(約7年後)には800万人〜1000万人に達し、全ロシアでも第2民族になる可能性があると指摘している。(ロシアは10月にソ連邦崩壊後、初めての国勢調査を実施する)
[コメント]中国が真に恐いのは軍事力ではない。この民族膨張(流出)政策が恐いのである。12億9000万人(現在)の民族が、極東シベリアに流出し、メコン河に沿って東南アジアに流出し、ミャンマーを通って南アジアに流出し、それに朝鮮半島に流出してくることである。私はこれを「併呑(へいどん)国策」と呼んでいる。(これは国策ではないと装っているが、国家の無関心を装った歴史的な国策である)。例えばカンボジア(特に東部)を見ると、すでにプノンペンにはシンガポールやマレーシアの資本(カジノ・ホテル・銀行・土地買収)が進出してきている。それらは華僑という親中国系である。そこにメコン河を南下して、中国・雲南省から人・もの・お金が流入している。これで経済・産業基盤の弱いベトナム・ラオス・カンボジアはひとたまりもない。
来年のことを言うと鬼に笑われるが、2003年はメコン調査年として、このホームページでメコンに関する現地報告や研究文を掲載するコーナーを作ろうと思う。皆さんが休暇や休みを利用して、メコンを実際に見てきてレポートや研究文を掲載するコーナーである。イラク攻撃 英で78パーセント「参戦反対」 首相は[対米協調」でも (読売 8月13日 朝刊) [要約]米国のイラク強硬路線に強い支持を表明している英国のブレア内閣だが、英紙「デイリー・テレグラフ」の世論調査では、英国民の78パーセントがイラク攻撃に反対していることがわかった。賛成は19パーセント。同紙は親米保守の論調で知られるが、社説でも、「国民の心配は現実的根拠がある」と、反対論に理解を示した。しかしブレア首相に路線変更の兆候はない。
[コメント]英国でこの数字なら、日本で世論調査をするとどんな数字がでるのか。先日は与党の総理経験者(海部氏を含む)が集まり、小泉首相にアメリカに追随しすぎるなと注文をつけた。この言葉がイラク攻撃を示すことは確かなようだ。それでもアメリカ1国が、イラク攻撃を開始するという見方もあるが、私はそれはできないと思う。あまりにもリスクが大きすぎるからだ。そこで気になっているのは、イラク攻撃の規模だが、チェイニ副大統領のように、地上部隊は10万人以下の小規模でやる気なのか。それともやるなら、パウエル国務長官の言うように20万〜30万人の規模でやるかである。軍事常識的なら、パウエル案が正しいし、米軍の損害も軽減できる。しかしもし作戦が苦境に立てば、想像を絶するリスクを負うことになる。チェイニ案の特殊部隊とCIA、それに反フセイン勢力だけでは、あまりにも戦争の見通しが不確定すぎる。ブッシュ大統領は、イラク打倒を公約に掲げた以上、そのどちらかを選択することになる。このような状況になると、CIAのような国際謀略機関を持っていると、意外な方法で第3の方法を選択してくる可能性がある。暗殺、クーデター、反乱、内乱、宮廷内革命、暴動、社会混乱など、フセイン政権を軍事力以外の方法で追い込んでいく方法である。写真は今週のニューズウイーク誌の表紙(隅)に使われたフセイン大統領の写真。満足そうな表情の写真は、反フセイン感情を刺激するためか。
日航機123便 御巣鷹山に墜落 520死亡 事件から17年 本日、現地で慰霊祭 (特別企画 02年8月12日) [要約]昭和60年8月12日、羽田発大阪行きの日航123便(ジャンボ機)が、満員のお盆の帰省客を乗せ、羽田空港を飛び立った。しかし午後6時56分に群馬県上野村の御巣鷹山に墜落した。死者420人、史上最悪の航空機事故が発生した。捜索はまず墜落地点の割り出しに全力が注がれた。墜落したのが、夏のまだ明るい時間の墜落にも関わらず、機体の正確な墜落地点が判明するには、翌朝の夜明けまでかかってしまった。今日は特別に、その時の私の取材でわかった極秘エピソードを何点かお話しよう。
[コメント]これらの取材情報は、一部、当時の署名記事で明らかにしたが、中には何点か未発表のものもある。あまりにも深刻な事実のため、関係者への強い影響を考慮して発表を自己規制したためである。(まだ公表できない事実もある)
@現場上空に最初に到着したのは米軍のC−130輸送機。沖縄から横田基地に向かっていた米軍のCー130輸送機は、横田上空から御巣鷹山方向で強い閃光と黒煙があがるのを目撃した。明らかに航空機が墜落した兆候だった。直ちにC-130は着陸体制を解いて黒煙が上がった御巣鷹山上空に向かった。米軍のC-130は航空自衛隊の救難ヘリが百里基地から上空に到着するまで上空を旋回した。A最初、墜落地点は長野県北相木村の御座山北斜面と誤報道されたのは、御座山南斜面に住んでいる住民が、自衛隊のRF-4偵察機が低空で飛来し、御座山を南から北に飛行したため、この住民の証言で「日の丸をつけた飛行機が御座山の北斜面に墜落した」とNHKの電話取材に答えたため。RF-4偵察機があまりにも低空でフライパスし、それが山稜をギリギリで越えて北の方向に消えたので北斜面に墜落したと誤認した。それがNHKテレビのニュース速報で流された。B同時刻、墜落現場に隣接する川上村の住民の一人が、NHKの電話取材に、「飛行機が落ちて、黒煙が上がった。場所は御巣鷹山方向」と答えたが、御座山北斜面に墜落の誤情報に無視された。この住民はRF-4偵察機を目撃していない。C最初に現場は御巣鷹山付近と特定したのは、上野村(群馬県)の営林署職員と北相木村の住民だった。まだ明るい時間帯だった。しかしぶどう峠にいた長野県警のパトカーに、北相木村の住民が報告したが、この警官が無線で報告した記録が長野県警の無線交信記録に残っていない。(この部分に微妙な人間関係があったようだ)パトカーが駐車していたぶどう峠の県境付近では、そこから御巣鷹山(墜落現場)は視認できない。あと200メートル県境を群馬県側に越えれば視認できた。上野村の営林署職員は北相木村の住民がパトカーに報告しているのを見て、この情報が警察に伝わったと思って安心した。営林署職員は警察に報告しなかった。D航空自衛隊の救難ヘリV-107は、墜落地点への降下を試みたが、急斜面のため断念。その際、現場付近の地図を持たないために、タカン(電波方位探知機)で方位の測定を行なうが、誤差のため正確な特定に失敗した。
そして現場では、夜を迎えるのである。夜間も夜明けまで、墜落地点は長野県側、群馬県側と2転、3転とするが、その最大の責任はNHKテレビが未確認情報をそのまま報じたことである。誤ったRF-4からのタカン情報、誤った目撃情報、誤った救難ヘリの情報など、狭い山間部の道路は、県警機動隊の車両、報道各社の車両、地元の消防車両など、まったく動きが取れないマヒ状態になる。
E最初に現場を特定したのは、未明に立川基地を離陸した陸自のOHー6ヘリで、搭乗していた東部方面隊の資料課長が、夜が明けて明るくなって、上空から地図と現地を見ながら現場の特定を行なった。しかし1回目の報告は間違いで、2回目の報告で訂正した。この偵察報告で、習志野の空挺部隊に出動命令が下令された。(それまで待機命令は出されていない)。
このように、前夜から暗くなってからの現場特定作業はことごとく失敗した。NHKから流される誤情報を聞いて、捜索隊は山中を右往左往するばかりであった。
もし今なら、夜間暗視装置や、GPS、赤外線カメラなど、数分で位置を正確に特定できる能力がある。当時は通信方法も、現地には携帯電話も移動式・衛星通信もなかった。上野村や北相木村の公衆電話に、偵察部隊の自衛隊員も、本社と連絡をとる新聞記者も、バイクで走り回る警察官も、すべて10円玉を握り締めて並んだのである。(谷が急なため、通常の無線通信が困難)
今から考えると隔世の感がある。確かに各組織のシステムは進歩し変わったが、それを使う人間は変わっていない。そのように考えておかないと、次の大事件に対処できないで、同じような失敗を繰り返すことになる。重大な欠陥を晒したNHKの速報体制は、あの事件以後、部内で深刻な反省を行い、情報の質や出所に注意を払うようになった。(さらに詳細に知りたい人は、週刊プレイボーイ誌の昭和60年10月〜11月までのバックナンバーを参照してください。署名原稿で連載しています)。あれから17年か。犠牲者のご冥福を心よりお祈りします。アフガン難民 大帰郷 年間予想を突破 旅費・物資が不足し支給カット (朝日 8月10日 朝刊) [要約]アフガニスタンでは戦乱で故郷を追われた難民が続々と帰郷を始め、国連難民高等弁務官事務所(UHHCR)が予測した年間120万人を上回り、すでに147万人が帰郷した。このため、カブール郊外では、毎日1万人を越える難民が列をなし、帰郷する次の地点までの旅費一人当たり20ドルや、小麦粉一人当たり50キロ、ビニールシート、石鹸、飲料水などの支給を待っている。しかし人数が予測を越えたことから支給する額(量)が次第に減っている。バケツ、毛布の支給は15日から止められる。また帰郷しても、住宅が足りないとか、水道水の不足から、さらに難民化することが危ぶまれている。多くのアフガン支援国は、アフガニスタンの政情が安定しないことから、援助の実施をためらっている。
[コメント]この問題は米軍のアフガン攻撃より大問題である。全体で300万人〜350万人といわれるアフガン難民は、生活インフラが破壊され、住宅が破壊され、農地が荒れ、地雷や不発弾が埋まった故郷に帰るのである。いくら政情が不安であっても、彼ら帰還難民を保護することは、アフガン再建には絶対不可避である。まさに最重要課題である。この問題を解決するには、まず世界のマスコミが帰還難民の惨状を詳しく報じることである。それによって、国際的な同情と支援がアフガンに集まり、それで支援物資が緊急に現地に届くことが重要である。難民が苦しいのは、それを報道しないマスコミの責任である。カンボジアでもパリの和平合意が成立(91年)して、難民が帰国を始めて大混乱になった。生活物資の不足、地雷の惨事、強盗・略奪の横行など、マスコミ(記者)がもっとも苦手な取材環境が生じた。このような危険な環境であっても、困難を克服して取材をすることが重要である。私の場合は、地元の有力者の同意と協力を得て、信頼できるガイドと護衛をつけた。いまこそアフガニスタンで、ジャーナリストの真価が問われる時だと思う。記者諸君! まずアフガン難民を追え。 きっと自分の職業が間違っていなかったと信じることができるはずだ。それこそ、自分のための仕事である。私も早く現地に行きたい。50歳を越えると、行動力が格段に落ちた。情けない。フセイン大統領 対米抵抗訴え。ブッシュ大統領 [イラク戦」急がず (読売 8月9日 朝刊) [要約]イラクのフセイン大統領は8日、イラン・イラク戦争終結14周年の演説で、米軍の攻撃を念頭に置いて、「悪魔の軍隊は棺を背負い、不名誉な失敗で命を落とす」と警告した。また国連の無条件の査察を受け入れないと示唆した。ブッシュ大統領はミシシッピで演説し、「私は慎重、かつ忍耐強く行動する。議会や友好国や同盟国と協議する。イラクに対しても、外交、国際圧力、軍事行動をふくめあらゆる選択肢を考慮する」と、慎重な姿勢を示した。
[コメント]まずパレスチナの情勢悪化を受け、イラク周辺国やアラブ諸国では、米国のイラク攻撃に非難の声が高まってきた。その機会を捉えて、フセイン大統領は徹底抗戦を訴え始めた。次にアメリカでは市街戦によって、米兵に多くの犠牲者が出る可能性が高まって、イラク攻撃に批判的な論調が強まってきた。それを受け、ブッシュ大統領は軍事攻撃以外の方法も考える言い出したわけである。先日、ドイツはアメリカのイラク攻撃に参加しない旨を表明した。日本でもテロ特措法ではイラク攻撃を支援することは難しいことが表明された。(山崎幹事長)。世界の世論はフセイン排除は認めても、アメリカがイラクに軍事力を行使することに批判的になりだした。・・・・・。そこでブッシュ政権があくまでイラク攻撃にこだわるなら、原点に返って、@同時多発テロや大量破壊兵器とイラクの関係を明示。Aパレスチナ情勢の沈静化。B軍事攻撃による地域(周辺地域)不安定化の解決策。Cフセイン政権後の受け皿政権の樹立。など、議会や同盟国に説明しなければいけないことが山ほどある。写真は8日、バクダッドで行なわれた軍事パレードで行進するイラク軍の女性兵士。戦死者を気にしななくていいフセイン大統領と、戦死者で政権の命運さえも左右されるブッシュ大統領の違いを突かれた。北朝鮮 闇市を閉鎖 1000ウォン札を発行 (朝鮮日報 電子日本語版 8月7日) [要約]北朝鮮では7月1日から始まった新経済体制で、まだ大混乱が続いており、国民の生活は一層苦しくなったという。ごく普通の庶民は、コメや食糧を入手するのが難しくなった。また託児所や幼稚園が有料化され、通園料が高く通わせない親がいるという。国民の中には、今度の新経済システムに不満を持つものも多い。記事の詳細については下記をクリック。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2002/08/07/20020807000040.html
[コメント]金正日総書記が国民の不満の対象になっているのは確かである。お父さん(金日成)は立派な人だった。お父さんにはお世話になった。しかしあの息子は我々を苦しめるだけだ。お父さんが作った立派な政策をどんどん変えていく。わしらの生活が苦しいのは、あの出来の悪い息子(金正日)のせいだ。・・・・といったような不満が広がっているようだ。北朝鮮・琴湖 軽水炉建設工事で基礎工事を公開 (毎日 8月8日 朝刊) [要約]朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)の琴湖地区で、原子炉収容建物の基礎工事でコンクリートを注入する作業が始まった。当初、97年着工で完成は03年の予定だったが、98年のテポドン発射などで中断し、建設工事が大幅に遅れた。また軽水炉の主要部品が納入されるまでに、北朝鮮はIAEAの査察を受ける必要があり、その対応によっては再度の工事中断が予測されている。
[コメント]この軽水炉建設で、その主導権はアメリカががっちり握っている。いくら北朝鮮がイライラしても、アメリカが満足する対応をしなければ工事はストップする。工事が遅れたから補償をしてくれと北朝鮮が言っても、その責任は北朝鮮にあるといえば反論できない。クリントン政権が優しく出て、軽水炉の建設を認めた。次にブッシュ政権が厳しく出て、有無を言わさないでIAEAの査察を強要する。まるで刑事の取調べで、恐い刑事と優しい刑事が、絶妙の間合いで犯人を自供に追い込んでいくのと同じだ。アメリカとしては、この原子炉は復興のためのエネルギー源で、今の体制を維持させるための建設ではないと見ている。軽水炉完成までの重油(エネルギー)補償は、アメリカが北朝鮮を操る重要な道具になった。もはや外交的に、北朝鮮の負けである。米朝交渉の勝負はついた。(幕末に、横浜開港を決めた江戸幕府と同じである。新しい時代の変化に北朝鮮の体制はもたない) アメリカはイラク攻撃の次に、北朝鮮の現体制を潰しにかかってくるだろう。それはアメリカが仕掛ける軍事力(戦争)ではないと思う。北京オリンピックまでに北朝鮮の体制が持たないほうに賭けたいが、ちょっとそれでは負けそうな気もしてくる。ウム〜、悩むところだ。写真は琴湖の軽水炉建設現場。この日、基礎部分にコンクリートの注入が始まった。この建設現場では770人の韓国人労働者が働いている。自衛隊データ流出 防衛情報 管理に甘さ LAN経路図 指揮系統”丸裸”に (読売 8月7日 朝刊) [要約]自衛隊の情報データ通信システム(部内LAN)のIP・アドレスや経路図が外部に流出した問題で、システムを開発し、情報が漏れたと思われる”富士通”を「一定期間の取引停止」を視野に入れ、契約関係を見直す方向で検討に入った。この経路図を解析することによって、指揮系統などがわかり、組織にとって大問題だったという。しかし流出したIPアドレスによって、外部から不正侵入したり、情報が漏れた形跡は確認されていないという。
[コメント]騒ぎすぎ、騒ぎすぎ。どうしてこんなに大騒ぎするのか、まさしく軍事知識が不足して、鴨の飛びたつ音に、大軍が攻めてきたと勘違いするのと同じ。べつに自衛隊の指揮命令系統なんて、普段からはっきりさせておいて、有事のときは混乱なくするのが当たり前の話。それが特別に秘密になっているようなことはない。”丸裸”(防衛庁関係者)とはよく言うよ。秘密でもないのに、秘密とする体質がよくでている。私から言わせて頂ければ、まさに「バカ者」である。それにIPアドレスなんて、簡単に変更がきく。わざわざシステム全体を見直すほどのことはない。それより、こんなことが起きないと思っていたほうが始末が悪い。例えば、システム構築(工事)には多くの下請けが入る。工事段階でのIPアドレスと、運用時のIPアドレスを変えなかったことが最大の問題である。要は、危機管理意識の欠如。むしろ頻繁に、IPアドレスを変えるぐらいの配慮が必要。そのうち、北朝鮮あたりからたんまりお金をもらったスパイが、堂々と幹部自衛官の立場でこのシステムにアクセスする可能性がある。そのような場合でも、情報保全できる体制をとることが重要。CIAではロシア担当情報分析官が、長年ロシアのスパイだったし、その息子が米海軍の暗号担当兵で、これまたロシアのスパイで摘発(逮捕)されている。情報網はつねに狙われていると認識し、いつも保全システムを更新したり、IPアドレスや暗証番号を変更することが必要。きちんとアクセス状況を管理することも必要。この事件で自衛隊の情報が外部に流出したというのは言い過ぎ。そもそも、このようなシステムの情報が漏れないと信じるほうが悪いのである。絶対に漏れる、悪用されると認識しないから、数枚の工事用図面で恐喝されそうになる。
この情報で一番意味があるのは、「流出したIPアドレスを使って、外部から不正侵入したり、情報が盗まれた形跡は確認できない」(防衛庁)の部分。すなわち、このシステムの運用は、すべて監視できる保全システムが作動しているとわかる。これなら幹部自衛官の制服を着た北朝鮮のスパイの特異な動きも監視できる。
同じような問題は、片山総務相の発言にもある。住基ネットで、「この情報が外部に漏れたり、悪用される心配はまったくない」。これほど危機管理の欠如した発言はない。「絶対に大地震はおきません」と言っているのと同じ。日本人は、危機管理がへたである。
日本の新聞記者は、スパイ事件や情報漏洩問題で騒ぎすぎの感がある。まず落ち着いて、ナニが問題なのか、もう一度よく考えてみよう。
三菱重工でF-4J改の配線が切られたり、プラグが壊された方が深刻な問題である。それこそ破壊活動であるからだ。身内がどうのという話しではない。チェチェンゲリラ・岡山出身の元自衛官、武装勢力が公表(Asahi.Com 8月6日 ) [要約]ロシア南部チェチェン共和国の独立派武装勢力は5日、岡山県出身の元自衛官、南洋志さん(24)が同勢力の戦闘要員であることを公式に認めた。それによると、南さんはアブドラ野戦司令官の部隊に所属し、最近グルジアとの国境付近で激化している実戦に加わっている。自衛隊の空挺部隊出身で空手の有段者と紹介した。
日本人フリージャーナリストが昨秋、グルジアのパン渓谷で武装勢力と合流している南さんを目撃した。「日本の世論の大多数がチェチェンの正義の戦いを支持している」とし、国際的な支持を訴える狙いもあるとみられる。
[コメント]このタイプの日本人は別に驚きに値しない。いままで海外で出会った日本人で、とにかく戦場にあこがれ、兵士になりたくて、戦場に近づくチャンスと狙っているものを多く見てきた。動機はさまざまである。戦闘を冒険のようにとらえているもの。自衛隊で取得した戦技を試して見たいもの。戦争映画のように戦闘に憧れているもの。いろいろなタイプを見た。彼らは高い山を目指す登山家のように、激しい戦闘が行われている戦場を目指すのである。その中には、マラリアにかかり、ジャングルの粗末な小屋で病死したものもいた。あまりの残酷な戦闘に恐がり、逃げ出して帰国した者もいた。中にはわずかな体験を、風船のように想像力で膨らまし、戦場ジャーナリストとして語るものもいた。
しかし本気でチェチェン武装勢力を支持するなら、彼らが窮乏している医薬品や通信機材を送る方法もある。戦場ばかりが、彼らを支援する方法ではない。ただ単に、戦争にあこがれているなら、戦場を楽しむ人間ハンターと同じである。私は傭兵は大嫌いである。私の視点 高官の責任 大臣.大使にこそ厳罰必要 (朝日 8月5日 朝刊) [要約]朝日の「私の視点」というオピニオン(投稿)ページの記事である。軍事評論家の柿谷 勲夫氏(元防大教授)が書いている。最近の大臣や大使の処分が納得できない。これは国家公務員法によって、首相、大臣、大使などの特別職には、免職、停職、減給処分を適応しない規定(第2条)があるからだ。このため東郷前オランダ大使は、欧州局長時代(国家公務員)の悪行にもかからわず、大使として厳重戒告処分(単なる注意処分、厳重の意味はない))として職を免じられた。退職金4800万円は支払われた。これは官房付きの身分に戻し、公務員として懲戒免職処分にすべきだった。法の精神には、高官であれば「恥」を知っている。処分によって恥をかかせないで、自らの判断で「切腹」をすることを前提にしているからだ。それにも関わらず外務省においては、阿南中国大使、外務大臣、事務次官、官房長なども給与の自主返納で済ませ、重い責任から逃れている。これらは国民を欺く行為である。大臣や大使の厳罰こそが、国家の秩序を保つ根幹である。
[コメント]昔と変わらず、本質の部分を鋭く「ズバリ」と突いていると思う。昔と言うのは、柿谷さんは私の恩師でもあるからだ。私が陸自・少年工科学校の生徒(2年生・17歳)のころ、金属加工という授業を週2時間・1年間教えてもらった。その頃は柿谷2尉とか、柿谷教官と呼んでいた。確か当時、柿谷2尉は新婚だった。授業は面白かったし、厳しかった。授業中に靴下を履いていない生徒を見つけると、どなりまくって、授業をしないで帰っていかれた。「教官に失礼である」という理由だった。その靴下を履いていなかった生徒は、今は方面隊の輸送隊長(2佐)をやっていて、その息子は工科学校から防大に進んだ。私の区隊(クラス)に硬派の政治評論家(オバマ・利徳)の孫がいて、柿谷2尉も授業中に当時の政治批評や社会批評をよく話されていた。我々生徒は、柿谷2尉の授業が時事批評で脱線するのが楽しみだった。思い出しても、当時も今のままに、厳しいが本質をずばり突くタイプだった。
2度目にあったのは、陸幕に勤務されていた2佐時代である。内局に取材で行った時に、雑談で柿谷教官の教え子だと話した。すると、「確か、柿谷は陸幕にいるはずだ。呼んでやる」で15年ぶりの再会をした。それから90年代になって、自衛隊が海外に出るか、出ないかが「国会」で論議されているころ、月刊文芸春秋の記事で防大教授の柿谷1佐を横須賀に訊ねた。自衛隊の海外派遣について意見を聞くためである。横須賀中央駅の近くで、奥様同伴で来られてご意見を伺った。同誌「海外派兵・制服自衛官の侃侃諤諤」の記事を書いた。
私は恩師に恵まれていると思う。君が代問題で自殺された石川校長(広島県・世羅高校)は、私が高校1年生の時の担任だった。当時は広大出の新卒だが、心から尊敬できる先生だった。軍事の道に進むきっかけとなった小山内先生(軍事評論家)は、軍事の原点と言うものを教えて頂いた。もし私の意見(主張)が、左右両方の人たちから評価されているとすれば、どちらの側の主張にも、敬って拝聴する価値があることを知っているからだ。海上自衛隊 SH-60J哨戒ヘリで不審船対応を決定 ミサイル防御など装備強化 (読売 8月4日 朝刊) [要約]潜水艦の探知が主目的だったSH-60J哨戒ヘリに、不審船に対応するため、7.6ミリ機関銃やチャフ(金属片でレーダーを妨害)やフレア(偽の熱源で赤外線誘導を妨害)を搭載し、夜間暗視装置や暗視用テレビカメラを備え付けることを決定した。新装備のヘリは今年度内に9機配備される見込み。今後配備されるSH-60Jには、すべて同じ装備が搭載される。この新哨戒ヘリの配備で、不審船に対し新たな作戦が検討されることになる。
[コメント]ちょっと不思議なのは、機銃が7.6ミリであるという点である。対潜装備が重いので、この程度しか積めないのだろうか。不審船は14ミリクラスの連装機銃を搭載していた。(海底調査で判明) これで撃ち合えば、14ミリに7.6ミリではまったく歯がたたない。パイロットの正直な気持ちは、ヘリに搭載のコンピューターや通信機器の一部を降ろし、機銃は20ミリをつけてくれというのが本音だろう。そうなれば、護衛艦隊の対潜能力の低下を招くというのが、SH-60Jに7.6ミリを選択した理由だと思う。これが自衛隊式思考のまずさである。一度、手に掴んだものは二度と離さない。どんなに不要になっても、たとえ欠陥品であっても、一度掴んだものは絶対に手離さない式である。目の前の危機より、積み立てた見栄えの財産が大切なのである。これがアメリカ軍となれば、不要になればバッサリ切り捨てる。そして常に有効な新しいものに作り変える。冷戦後への対応、同時テロ後の対応を見ても、その変化がはっきりわかる。しかし自衛隊は情勢変化と対応のテンポが遅すぎる。自衛隊が冷戦後に適切な対応に遅れたのはこのためである。海上自衛隊は、また世界の笑いものを一つ作ったと言われなければいいのだが。写真はSH-60J哨戒ヘリ。軍事常識なら、前方に向け20ミリ機銃、特殊部隊員を不審船に降下させるなら、AK-47程度の耐弾改造を行い、側方に7.62ミリ機銃を搭載するのが一般的。すなわち対潜哨戒ヘリの代用では済まないのだ。首都圏のテロ・ゲリラ戦を想定 陸自、米で本格訓練へ (読売 8月3日 朝刊) [要約]陸上自衛隊・第一師団(東京・練馬)の第34普通科連隊(静岡・御殿場)の中隊(約100人)は、9月中旬より1ヶ月間の予定で、ハワイ・オアフ島にある市街地戦闘訓練場で、重要施設の防護や偵察、建物への突入、建物内に潜む敵の掃討などの訓練を実施する。第一師団は首都圏を警備区域とする「政経中枢師団」の指定を受けている。
[コメント]同じく第一師団の第32普通科連隊(大宮市)が、まだ市ヶ谷駐屯地にあったころ、用事があって連隊長室を訪れたことがある。すると連隊本部に空挺バッジをつけた隊員が多いことに気がついた。連隊長にそのことを訊ねると、「うちは第2空挺団と呼ばれています。アハハハハ」と笑っていた。第一空挺団(習志野)には若い隊員を集め、集中的に練度の高い訓練や演習を実施する。そして年齢が高くなると、空挺団から首都圏の部隊に配置転換し、政経中枢防衛能力を高めておくのだ。その受け皿部隊が市ヶ谷の32普通科連隊だったわけである。しかし今は32普通科連隊は大宮に移駐した。そこで訓練場に恵まれた御殿場の34普通科連隊が、新しく空挺隊員の受け皿部隊になったのではないか。すなわち「隠れ特殊部隊」なのである。特殊部隊員は若くて体力・気力が旺盛なものより、冷静に判断し、的確に行動できるベテラン隊員が有利なことが常識である。そのような事情を考えると、34普連のハワイ派遣はそれなりの自衛隊の目的を理解できる。今度派遣される100人の中に、レインジャーや空挺バッジをつけた者が何人いるか。そのあたりに興味がある。このハワイの市街戦訓練場は、93年10月に行なわれたソマリアの市街戦(映画・ブッラク・ホーク・ダウン)を経験した隊員が指導する。しかしあの市街戦の状況は、住民がすべて敵性住民として・・・・・・。私がいつも、「米軍にとって最も失敗した特殊作戦」と呼んでいる戦闘である。戦闘は成功例より、過去に失敗から学ぶべきことは多い。写真は自衛隊の「市街地戦闘訓練」。排水溝から突入(上)したり、建物内に潜むゲリラを制圧(下)する。自衛隊図鑑2002 (Gakken社刊)より。
自衛隊 生物兵器「防護車」開発へ 最新鋭探知機、防衛庁が購入 (読売 8月2日 朝刊) [要約]防衛庁は炭ソ菌などの生物兵器を探知できる最新鋭の探知機を米国から購入することを決めた。今回購入するのは車載型と設置型の2台。これを現在配備している化学防護車に実験的に搭載し、将来は量産して全国の化学防護隊に配備する予定。化学防護隊は各師団や旅団などに15隊配備されている。
[コメント]実は今まで、自衛隊の化学防護部隊には2つの致命的な欠陥があった。その一つは、放射能の中性子に対して無力であったこと。これが裏目にでたのが、東海村で発生した99年9月の臨界事故である。作業員のずさんな扱いで放射性物質が臨界に達し、危険な中性子が放出されたのはご存知だと思う。あのとき、大宮の化学学校(陸自)から化学・教導隊の化学防護車と要員が出動したが、金属も透過する中性子に対応できず、現場に近づくことが出来ないため、近くの駐屯地に待機したことがあった。もう一つの欠陥が、生物兵器に対応していなかったことである。その最大の原因は第二次大戦中の731部隊にあった。中国でペストや赤痢などの生物剤を使った実験や実戦に、戦後、731部隊に大きな批判がわき起こった。それで自衛隊では敵が生物兵器を使う場合の対抗策を研究という理由でも、それらの研究は出来なかった。それが今年、米国で発生した炭ソ菌事件で、自衛隊でも研究が可能になったというわけである。この二つの欠陥は、まさか現実にそのような事件が起きるとは、誰も予測していなかったことにも原因がある。(ということは、予算請求しても却下される)。最近、アメリカの映画を見ていると、核爆発を含む大規模な核事故が起きるストーリーが多くなった。これも一種のアメリカ流の世論対策なのかもしれない。同時多発テロ以来、通常では予測できないことが世界で起こりだした。米上院外交委員長 「年内イラク攻撃ない」 (サンケイ 8月1日 朝刊) [要約]ブッシュ大統領が年内にも、イラク攻撃に踏み切る見方が浮上する中、バイデン外交委員長(民主党)は30日に記者会見し、「政権担当者から10月の攻撃はないとの言質を得ている」と話した。さらに「ブッシュ大統領はフセイン政権の交代(排除)を決めたが、その方法が決まっていたら驚くだろう。さらに現時点から来年初頭までに軍事行動を起こせばさらに驚く」と、年内の軍事行動開始に否定的な見方を示した。
[コメント]私も同じ気持ちである。まずパレスチナ情勢が落ち着かない。イラク攻撃前に、イスラエルでの自爆テロが沈静化することと、イスラエル軍のパレスチナ侵攻停止が宣言される必要がある。イラク攻撃の最重要・必要条件はパレスチナ情勢の安定である。それにイラク・フセイン政権後の受け皿を、もう少し固める必要がある。フセイン政権崩壊後の混乱は見えるが、まだ安定は見えてこない。さらにイラク周辺国との同盟関係を強化しなければ、イラク攻撃を開始しても、周辺国にイラクの軍事力を逃亡させる可能性が残る。参戦や基地の提供はしなくとも、イラク国境を軍事力で固め、イラクからの逃亡兵(部隊)を武装解除するぐらいの支援は必要だ。その点でも、アメリカのイラク攻撃への準備は遅れている。これをパウエル国務長官が穏健派で、そのような戦争外交に消極的だからと見るか、あるいはラムズフェルド国防長官たちが成果を急ぎすぎているからと見るか、難しいところだ。それに年内は砂漠の気候が暑すぎる。砂漠が涼しくなる11月頃から現地での準備を始めて、来年2月頃に攻撃開始が普通の常識である。その前にやるべきことが山ほどある。写真は本記事とは関係ないが、アフガンで米軍が使っている地雷探知ロボット。7月31日付けの朝日新聞・朝刊に掲載されたもの。このように小型の地雷探知ロボットの写真が公開されたのは初めてだと思う。気になったので掲載しました。