ここには2007年7月のWhat New!を保存しています。 |
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この情報の最も新しい更新日は7月31日(火)です。 |
| 波乱含み 秋の臨時国会 鳩山幹事長(民主党) テロ特措法反対 民主、政権へ揺さぶり (読売 7月31日 朝刊) |
[概要]参院第1党となった民主党は、政府提出法案の審議を引き延ばしたり、否決して政府・与党を揺さぶり、衆院解散・総選挙に追いこむ戦略だ。同党幹部は今後、衆院選の準備を急ぐ方針で、年内にも衆院選小選挙区の候補擁立を終えたい意向を固めた。 国会での焦点は、テロ対策特別措置法改正案への対応だ。鳩山幹事長は30日、都内で記者団に、「延長すべきではない。それを含めて選挙の審判が下ったと思っている」と、テロ特措法の期限延長に反対する考えを示唆した。民主党は今までも同法の延長に反対しており、今回も共産、社民両党と歩調を合わせる模様だ。 しかし前原誠司・前代表は30日のCS放送番組で、「我々は今、『イラクから撤退すべきだ。テロ特措法もダメだ』と両方言っている。本当に我々が両方ともノーと言って(自衛隊が)撤退すると、日米関係は相当大変なことになる」と述べた。前原氏に同調する同党の保守系議員も少なくなく、党内の意見調整が難航する可能性が出てきた。 参院選挙後に体調悪化を理由に、都内の自宅にこもった小沢氏の健康問題も再燃している。党内で執行部に距離を置く議員からは「今後の難局を乗り切れるか」という声も漏れ始めている。 [コメント]国家の安全保障政策を政権闘争の具にすべきでないと思う。しかし政権が代わっても安全保障政策に触れるな、批判するな、変更するなという意味ではない。アメリカでも中間選挙で”イラク戦争反対を掲げて大勝”した米・民主党は、期限を決めてイラクから米軍が撤退する法案を提出している。もし日本の民主党が政権交代を目前して、今までとは逆にイラク特措法延長賛成を打ち出せば、それこそが民主党の命取りになる。また、前原氏が心配しているような日米関係が大変なことにはならない。 イラクから撤退した国とアメリカの関係が悪化したことがあっただろうか。要は一方的に想像して必要以上の配慮をするより、アメリカ国民が理解できるように日本の政策を決めることである。 沖縄で米兵たちに女子中学生が暴行された事件で、沖縄県民が大集会を開いて抗議し「アメリカは沖縄から出て行け」と叫べば、アメリカ国民は沖縄の人を非難するだろうか。「もし本当にアメリカ軍が沖縄から出ていけば、日米関係は大変なことことになる」という政治家が正しいだろうか。前原氏の考えは過去の政治家たちが持っていた対米配慮意識である。アメリカも日本より中国との緊密化が国益と思えば、日本との関係より中国との関係を緊密化させる。 もうアメリカの影響力(圧力)に怯え、そのため日本側が勝手に配慮し、アメリカのご機嫌を最優先させる考えは反米的なのである。これこそ”ほめ殺し”と同じレベルの思考である。前原氏の安全保障政策には古くさい認識が多すぎる。 私はインド洋の燃料補給は民間企業に発注すべきと考えている。必ずしも給油はインド洋上でなくとも、パキスタンやインドの港湾を使って給油してもいい。民主党は自民党を揺さぶるためにテロ特措法に反対するのではなく、条件をつけて一定期間の延長を認めて中止するか、日本ができる代わりの支援を提案して欲しい。実は海自はインド洋の給油活動に疲れている。「我々は自衛艦であって給油タンカーではない」という疲れである。民主党は反対だけという批判を受けないため、テロ特措法に代わる効果的な代替え案を提案すべきである。 自民党は自衛隊のサマワ派遣を、今回の参院選挙で不利になると考えて、さっさと陸自・派遣部隊をイラクから撤退させた。それで日米関係が悪化したことはない。 いよいよこれから、日本でも現実的な安全保障政策が生まれる可能性が出てきた。そのために古い殻は壊すことも必要だ。ちょっとばかり嬉しい様な気がしてきた。 |
| 本日、参議院選挙投票日 よし、投票に行くぞ! 今夜の開票報道が楽しみ (7月29日 投票日) |
これから自転車に乗って投票に行きます。それから毎週日曜日・AM9時からのランニング・クラブの練習に参加して1時間ほど公園を走り、終わったAM10時から6時間(昼食時間を含む)ほど埼玉方面を走ります。東京の下町に住んでいると、神奈川県、千葉県は比較的よく出かけますが、隣接の埼玉県には行く機会が少ないと思いました。それで埼玉のどこに行きたいというわけではありませんが、自転車で埼玉方面に出かけることにしました。今夜は8時からテレビの開票速報を見ます。 |
| 中国、露から 空母装備購入 (産経 7月29日 朝刊) 北京 共同 |
[概要]中国の軍事動向に詳しい民間軍事研究機関・漢和情報センター(本部・カナダ)は27日、中国軍が空母艦載機の着艦時に必要な「テールフック」4セットをロシアから購入したしたことを明らかにした。うち2セットは研究・実験用で、空母に使われるのは2隻分(2セット)と分析し、空母建造は2012年ごろまでに行われると推測した。 「テールフック」は、空母の狭い甲板に張った「アレステングワイヤ」に、艦載機に取り付けたフックを引っかけて急制動するもの。これは高度な技術のため、中国が空母建造のネックになっていた。また中国軍は艦載用のテスト機としてウクライナから戦闘機(?)T−10を購入したという。 ※(?)は神浦が加筆しました。T−10を戦闘機と呼称していいのか調べます。 [コメント]中国海軍が軽空母を建造したい意志があることは間違いない。それもアメリカのように艦載機をカタパルトで射出する本格空母ではなく、全通甲板にスキージャンプやアレステングワイヤを装備した軽空母である。搭載(運用)する航空機も、回転翼(へり)だけではなく、固定翼のS/VTOL機の運用を考えているようだ。 しかし現実的には、中国に軽空母を建造する意志はあっても、洋上の航空作戦に必要な指揮・通信・情報などの軍事技術が不足して、実際の運用が出来るか大きな疑問がのこる。いろいろと中国海軍の高官が空母建造の必要性を表明しているが、それを裏付けるハイテク・軍事技術がないのである。これはどういう意味かというと、空母建造は中国海軍の高官たちは「夢」を語っているにすぎないのだ。 だから中国は空母建造のための研究は今後も続けるだろう。そのために外国から空母建造の特別の技術が取得できると思えば、今回のように空母の”特殊装備”を購入して研究することがあると思う。 しかし情報源の漢和情報センターが推測するように、2012年頃までに中国が軽空母建造を開始することはないと思う。中国が空母を完成させることは、中国全体の総合的な技術力が問われることになる。空母に搭載する通信、レーダー、コンピューター、ソナー、ウエポン(兵器システム)、後方支援能力などである。兵器大国のロシアでさえ、総合的な空母建造技術に関しては不足し、資金以外にも悩んでいる。 奇妙なことは、空母大国のアメリカから中国軍の空母建造の情報が出てこない。せいぜいハワイの太平洋軍司令官が訪中した際、中国軍高官が空母建造の意志を伝えた程度である。中国の空母出現で最も脅威を受けるはずのアメリカは、中国の空母建造に危機感を抱いていない。むしろ笑っている感すらある。「できるものならおやりなさい」である。 出来もしないことを”やる”という中国に怯えると、それこそが中国の策略にはまることになる。今は冷静に情報を分析し、中国の真の能力を探ることが一番の肝要と思うのだが・・・・。 |
| 米Fー22戦闘機・禁輸 後継機調達先 米以外も視野 塩崎官房長官が発言 (朝日 7月27日 朝刊) |
[概要]米下院歳出委員会が最新鋭ステルス戦闘機F−22ラプターの外国への売却禁止条項を含む08年度国防会歳出法案を可決したことで、塩崎官房長官は26日の記者会見で「F−4戦闘機の後継機は米国に限らず、最新鋭機の情報収集を多角的に行っている。現時点で(FXの)機種は決まっていない。引き続いて諸外国の各国各種の情報提供を求めていく」と述べ、米国以外の導入も視野に検討していく考えを示した。 ※(FX)という言葉は神浦が加筆しました。 [コメント]塩崎官房長官はこれで米側をけん制できると思ったのだろうか。それとも日本で対米追随の批判をかわしたいと考えたのか。これを軍事的な視点からいうと、あまりにも無知で無邪気な言葉あそびに聞こえてくる。この際はっきり言うが、日本のFX(次期主力戦闘機)はF−22ラプターしかあり得ない。 さも別の国からFXを導入する可能性があるとか、米国製でもF−15EやF−18スーパーホーネットという可能性は全くない。韓国がF−15Kを導入しているから日本にF−15Eの可能性はないのである。もしもアメリカが日韓を対等に扱う平等主義なら、日本と韓国の関係は最悪化を招くことになる。またF−18スーパーホーネットは海軍機(空母艦載機)である。日本の空自機と米海軍機は戦略環境が違いすぎる。当然ながら、海軍機は日本のFXに求められる性能も異なる。またヨーロッパの戦闘機では日米の共同作戦能力が格段に低下することにつながる。 今は空自現有のF−15戦闘機の近代化改修や、F−4ファントムの延命改修を行ってアメリカ議会の怒りが収まるのを待つしかないのである。いくらF−15の近代化改修費が1機50億円かかろうとも、アメリカ議会の怒りが収まってF−22導入解禁されるまで日本は耐えるしかない。FXは30年以上も日本防空の第一線で運用されるから、F−22機導入こそが日本の基本戦略である。これはプラモデルや政治家へのお土産つき(ワイロ)を買う次元の話しではない。 その意味から、この塩崎官房長官の話しはアメリカに対して逆効果である。だから安倍政権は幼稚だといわれて批判させるのである。この難しい時期にアメリカ以外の戦闘機をFX選定にする可能性に触れることは適切ではない。 要は防衛庁や自衛隊の秘密保全が甘いからである。私は防衛関連で情報保全が甘い原因は、外国の情報活動に対抗する能力が低いと思わない。むしろ主要因は高級幹部たちが退職後に持っていく再就職先(企業)への機密情報漏えいと思う。組織の上部がそのように怠慢だから、現場の部下たちも情報保全に甘くなる。 ある将官経験者は退職後に大手商社の顧問になると、今までに防衛組織が集めた中国軍情報(資料)を持参した例を知っている。その商社はその情報を中国軍の情報担当者に渡し、中国ビジネスで有利な取り扱いを期待したのだ。またある現場の自衛隊幹部は、防衛メーカー(企業)の担当者が知り得るはずのない秘密情報を語って、暗にこの企業が防衛庁幹部と結びついていることを示唆したと聞いた。だから現場の秘密情報保全は甘くなる。 このことに触れない自衛隊の情報保全強化策は、アメリカや世論の批判回避する形式的なものでしかない。すなわち情報漏えいは止まらない。防衛庁や自衛隊が情報保全を確しかなものにしたいなら、まず上級幹部やOBたちが自らの襟を正すことから始めよ。政治家も防衛利権を漁(あさ)るような体質を改めよ。また防衛産業などの関連企業は、防衛官僚や自衛隊の高級幹部から秘密情報を得る悪体質を改善すること。 もし中国がその気になれば、北朝鮮が日本の総連系企業を通じた密輸とは桁違いの情報収集活動を始める。その最大のターゲットは退職間近(あるいは直後)の防衛庁・自衛隊の高級幹部たちである。最近話題のハニートラップなどは最も低レベルな情報工作活動である。アメリカの下院が下した結論は、低レベルの情報漏えいの話しからではない。 |
| アフガン タリバン 「人質1人を射殺」 拉致ビジネス化の 恐れ 8人解放情報も 情報が錯綜 タリバン側も混乱か (毎日 7月26日 朝刊) |
[概要]アフガン中部のガズニ州で、韓国人23人がタリバン勢力に拉致された事件で、タリバン報道官は「アフガン政府が服役中のメンバーを釈放しなかったので、男性人質1人を射殺した」と語った。また、これに先立ち、韓国の聯合ニュースは人質8人が解放され、安全な場所に移動中と発表したが、韓国政府はいずれの情報も最終確認がとれていないとしている。韓国人人質はソウル南隣の城南市にあるセムムル教会の牧師と信者で、韓国KBSテレビは「射殺されたのは牧師とみられる」と報じた。 韓国政府はガザニ州の有力部族を介してタリバンと交渉しており、女性全員の優先的な釈放を求めている。しかしタリバンは最初、韓国政府に「駐留韓国軍の撤退」を求め、アフガン政府に「人質と同数の服役メンバーの釈放」を要求した。その後、アフガン政府に「ガザニ州刑務所の服役メンバー全員の釈放」と解放条件を拡大して求めた。これはタリバン側の指揮系統が混乱しているという見方が浮上している。またタリバンが韓国人女性を拉致したことから、タリバンの支持者が多いアフガン南部で「女性拉致はイスラムの恥」という反発や抗議が起きている。 今年3月、タリバンに拉致されたイタリア人記者がタリバンのメンバー5人の釈放で解放された際に、米英両国が「同様の事件が必ず起きる」と反発した。今回の韓国人拉致事件が起きた直後に、米軍が南部ヘルマンド州で攻勢をかけ、タリバンの約60人を激戦で死亡したことは、アフガン政府は「米側が(アフガン政府を)けん制」したと見る空気がある。 また今回の拉致事件で、韓国政府が解放の条件に「相当の現金授与」の可能性を示唆したことで、今後、アフガンでも外国人を狙った拉致・誘拐事件(ビジネス)が多発するという見方が出いてる。 [コメント]このアフガンの拉致事件で行方が最も気になるのは、韓国人人質の家族や知人たちだが、日本政府の一部の者たちも非常に気にしているはずである。自衛隊のアフガン派遣を密かに進めている者たちである。今回の拉致事件が比較的治安が安定しているアフガン中部で起きたことも大きな不安材料になった。しかし彼らはこの拉致事件の経緯で、「だからアフガンは危険だから自衛隊を派遣すべきでない」という考えにはならない。逆に、アフガンで単独の民間NGO活動は危険だからこそ、自衛隊を派遣してNGO団体を自衛隊が警備すると主張するだろう。しかし日本のNGO団体は、「それでは民間NGO活動と軍事活動が同一化され、むしろ危険になる」と反発する。それにNGO側は「自衛隊に自分たちの活動を監視されたくない」という気持ちもあるようだ。 しかし自衛隊のアフガン派遣は、29日の参議院選挙の結果で大きく変わる可能性は極めて高い。参議院で自民党勢力が大きく後退すれば、アフガン派遣に必要な「テロ特措法の改正」が成立するのが難しくなるからだ。 ところでイラクの外国人誘拐ビジネスだが、外国人を誘拐してテロ組織のアルカイダ系などに渡すと、一人3万ドル(360万円)というのが一応の相場らしい。外国人は首に3万ドルの懸賞金を掛けられては、安心してイラクのホテルに泊まることも、街を出歩くこともできない。これでイラクでの民間NGO活動や報道活動は大きな制限を受けている。外国人特派員のイラク駐留米軍の取材も、米軍基地に泊まりながら、米軍に同行取材しか出来なくなっている。これがアフガンでも当たり前になると思うと、アフガン復興に大きな障害になると思うのだが。 ところでアフガンの日本人NGO活動の現況はどうなのだろうか。外国民間人の誘拐事件が多発するようになって、アフガンからの撤退や活動規模の縮小、あるいは現地スタッフに引き渡しなどを行っているのだろうか。アフガン復興支援の情熱が冷めないことを祈るばかりだ。 ※ 韓国政府はアフガンで見つかった射殺遺体は、韓国人牧師であることが確認されたと公式に発表しました。(NHKテレビ 26日のお昼のニュース) |
| 護衛艦 16DDH 巨大「ヘリ空母」 完成間近 (産経 7月25日 朝刊) |
艦対空ミサイルや高性能20ミリ機関砲、魚雷発射管、機銃(不審船対応)などでなどで武装している。来月23日に進水式が行われ、防衛省に引き渡され、武器や精密機器を搭載する艤装(ぎそう)を経て、平成21年3月に就役する予定。 [コメント]これをヘリ空母と呼ばなければ、どの艦を指してヘリ空母と呼ぶのか。この艦によって海自は洋上での航空作戦(ヘリ)が可能になる。まさに海自にとって悲願の空母(ヘリ)が誕生することになった。すでに2隻目の18DDHの建造が決まっている。最終的には4〜6隻程度(4護衛隊群各1隻+海外派遣用2隻)の就役を目指すものと推測している。ちなみに16DDHとか18DDHという頭の数字は、建造が決定した平成00年度の年数を現している。そしてDDHとはヘリ搭載(H)の護衛艦(DD)という意味である。護衛艦というのは日本流の呼び名で、海外では駆逐艦(デストロイヤー)と呼んでいる艦種になる。 この16DDHには隠された高性能兵器として、FCS−3型多機能レーダーやOQSーXX水上艦用の低周波ソーナー、高性能な指揮通信・情報機能のATECS(水上艦用新戦術装置)を装備している。すなわち対潜作戦、防空作戦、対水上艦戦闘で、味方の航空機や艦船と連携して闘い、世界のトップレベルの戦闘性能を有する新造艦なのである。 また搭載するヘリは哨戒(対潜)ヘリのSH−60Jや60K(60Jの向上型)や、救難ヘリに使われているUH−60などがあるが、大型ヘリで新しく配備が始まったMCHー101(輸送・掃海)の運用が考えられる。また岩国基地に配備され陸自のVー107A(バートル すでに退役)の3倍の能力があるMH−53E(配備数10機)を運用することも可能だ。 また陸自のAHー64D攻撃ヘリやCH−47輸送ヘリを、この飛行甲板を使って洋上で離発着させる運用も可能である。例えば、陸自の特殊部隊である特殊作戦群の部隊(隊員)を乗せ、島嶼などで対遊撃戦を行うことも想定されている。だから単純に16DDHを対潜ヘリと呼ぶことはできない。 海自はまず16DDHのヘリ空母で航空作戦の運用に慣れ、将来は米軍のFー35機の導入が可能になれば、スキージャンプの飛行甲板を持ったV/STOL機を運用出来る軽空母建造に発展させることを考えていると思う。しかし16DDHには米海兵隊が配備しているハリアー戦闘機のようなV/STOL機を運用出来る強度はない。 蛇足ではあるが、中国には軽空母を建造(改造)したり、洋上作戦で運用出来る能力はない。 ※写真は産経新聞(7月25日付け)より。飛行甲板の前後にある大きな穴は、ヘリ用の大型エレベーターで、これでヘリを艦内に収納して整備など出来る。艦橋はレーダーに映りにくいステルス構造になっている。また公表された16DDHでは最大ヘリ搭載機数を11機としているが、SH−60Kならば13〜14機程度は搭載出来るはずである。外国なら軍艦や兵器の性能をオーバーにいう傾向があるが、日本の場合はわざと性能を落として発表するクセがある。周辺国が警戒心を強めないための配慮と、それにちょっとだけ日本国憲法に遠慮している。 |
| 防衛省方針 第5世代戦闘機 技術検証 ステルス実験機 開発へ 米の譲歩狙う思惑も (読売 7月24日 朝刊) |
[概要]防衛省は23日、ステルス性能などを持つ「第5世代」の戦闘機技術を検証する有人実験機の開発に向け、来年度予算の概算要求に費用を計上する方針を固めた。日米が共同で開発したFー2支援戦闘機の生産が2011年で終わるのをにらみ、日本の技術開発の基礎を維持するのが目的だ。 防衛省によると、有人実験機には、ステルス技術や高度な電子機器を搭載する。しかしレーダーや武器を搭載しないため、実際の戦闘機より小型になる予定。開発期間は約10年で、開発費は数百億円程度を見込んでいる。 防衛省は来年夏の「FX(次期主力戦闘機)選定」に向け、F22(ラプター)戦闘機が最有力候補になっているが、F22の輸出を禁じる米国内法があるため、米側から情報開示が進まないなどの問題が起きている。そのため防衛省は国内機開発の姿勢を示すことで、米側との交渉を有利に進める狙いもある。 日本は電子機器やステルス素材、航空制御装置など個別の技術に高い水準を持っている。しかし「ゼロから組み立てるノウハウがないため、実戦機としては米国にかなわない」(防衛省 幹部)という。また日本の国産機開発は1970年代のFー1戦闘機以来、行われていない。そのため、FX選定で「国産の戦闘機が候補になっていないので、米国に足元を見られている」という声もある。日本が国産機開発の意欲を示すことで、米国の国内法の見直しや、FX機価格の引き下げを引き出したい思惑もある。 戦闘機開発には巨額の費用がかかり、Fー2支援戦闘機開発でも見積もりを大幅に上回る3200億円以上になった。また実験機が最終的に国産機開発につながるか不透明で、充分な性能を得られるかは定かでない。米側も日本の国産機開発に難色を示す可能性もある。防衛省は目標をまず実験機製作にとどめ、各問題点を慎重に見極める姿勢といえる。 [コメント]このニュースは日本よりもアメリカで報じて欲しいというのが防衛省の本音だと思う。Fー22ラプター機の機密情報漏えいを恐れて、FX選定のために必要な情報を日本に開示しない米国を揺さぶる効果が確かにある。 しかし単にアメリカを脅すための実験機開発かというと、必ずしもそれだけではない。これから開発する実験機は、有人機で武器やレーダーを搭載していない。しかし搭載する武器やレーダーは大した問題ではない。重要なのは、実験機がステルス性能と新型エンジンを組み合わせた小型機ということである。これは同時に、将来の高性能・無人戦闘機(ロボット戦闘機)に発展性を秘めた実験機である。すなわち第5世代戦闘機は米国のF22ラプターに譲っても、これから開発する実験機は無人戦闘機である第6世代戦闘機に発展する可能性があるからだ。 無人戦闘機の利点はパイロットを乗せないため、コクピットを省いて機体を小型・軽量化でき、搭載するミサイル倉や爆弾倉などを大きくすることができる。また酸素供給装置や無線機などパイロットが飛行や戦闘に必要な装置を省くことができる。ロボット戦闘機なら操縦は自動(データ制御)で行うか、通信衛星を通じて地上で行えばいいのである。急旋回などの大きなG(重力)がかかる運動性能も、パイロットの人間的な限界を無視して設定できる。さらに新型機の価格を大きく抑える効果が期待出来る。 だから将来、F22ラプター戦闘機を越える次世代戦闘機になるのは、ステルス性能などを持ったロボット戦闘機になる可能性が極めて高い。これは同時に現在の巡航ミサイルの将来発展型と一致する性能を有する。 防衛省が実験機開発を決めた狙いには、FX選定でFー22戦闘機を選定したいために、アメリカに国産機開発の意欲を示すことと、さらに日本が次世代(第6世代)の戦闘機開発の出発点にしたいと、2つの意味がある。アメリカは日本が独自で国産戦闘機開発の動きに強い警戒心を持っている。そのアメリカの心理を突いて、日本は第6世代戦闘機開発の夢を持つことにした。 ※ 日本で開発可能な第6世代戦闘機(神浦案) 高いステルス性能を持つ機体。超音速で巡航飛行ができるエンジン。コクピット・エリアのない無人機。空中給油装置(受給)を持つ。通信衛星(地上)や早期警戒管制機(空中)を介して操縦や戦闘ができる電子通信機器を搭載。対空ミサイルを回避出来る15〜20Gに耐える運動性と機体強度。ステルス性能を維持したまま対空ミサイル(長・中・短距離)、精密誘導爆弾を機体内部に搭載出来る。価格は1機150億円(あるいは100億円)以下。などなどいろいろな性能を考えて見ました。RMA(軍事革命)をさらに押し進める兵器システムとなる。 |
| 更新休止のお知らせ 7月18日(水)〜7月23日(月) 夏休みのため、更新を休止 (7月18日) |
更 新 休 止 中 せっかくアクセスして頂いたのに、”夏休み”で更新を休止しています。夏休み期間中は携帯電話を持参しています。緊急な場合はお手数でも携帯電話に電話下さい。 皆 さ ん も 楽 し い 夏 休 み を ! |
| 中越沖地震 政府初動 首相、迅速対応意識 初日に現地入り 移動手段に課題も (毎日 7月17日 朝刊) |
[概要]震度6強を記録した新潟県中越沖地震は、参院選のさなかに安倍首相の危機管理が試される事態となった。首相が遊説先の長崎市で秘書官から一報を受けたのは発生後4分。首相は演説を「ただちに対策のため、東京に戻らなければならない」と1分半で切り上げ、長崎空港に移動(到着 11時00分)して全日空機(12時22分発)で帰京した。 官邸では地震発生2分後の10時15分に危機管理センター・官邸官邸対策室を設置した。これは震度6弱以上の地震が発生した場合、関係省庁局長ら「緊急参集チーム」を招集するように規定されているため。 羽田到着は1時53分、官邸到着は2時24分、25分から内閣危機管理センターで対策打ち合わせ、15時05分には官邸から陸自ヘリで柏崎市の被災地に向かう。地震当日に首相が官邸を離れて現地入りすることは異例。これは参院選挙期間中で、迅速に対応している姿を印象づける狙いがあったようだ。3月の能登半島地震で首相は2週間以上経過して現地入りをしている。 首相は柏崎刈羽原発を視察し、被災者を慰問した後、7時22分に自衛隊ヘリで出発。8時40分に官邸到着。9時3分から官邸で関係閣僚会議。24分、公邸に戻る。 首相が長崎空港に到着して出発まで、約1時間10分の「待ち時間」があった。首相が自衛隊機でなく民間機を選んだためだ。首相周辺は「自衛隊機で入間基地に行って官邸に向かうよりも民間機が早いとわかった」と説明するが、今後の検討課題になった。(時間については、一部「朝日新聞 首相動静」を引用しました) [コメント]やはりというか、もうしかたないか、という気持ちである。もし自衛隊の指揮官(方面総監や師団長クラス)が大地震の際、最も大事な中央での初動段階を放り投げ、現地に行って見たいと動けば大失格である。自衛隊にはそのための偵察部隊や指揮・通信部隊がいるからだ。いくら参議院選挙中であっても、首相のこのようなパフォーマンスは厳しく慎まなければいけない。これは首相の迅速な対応を印象ずけたのではなく、すべての部門の最高責任者の立場を忘れ、現場をパフォーマンスのために混乱(邪魔)させただけの話しだ。いかにも安倍首相は危機管理に弱いという評価しかできない。それを止めさせない側近も情けない。危機に際して総大将は安易に動いてはいけない。 さらに自衛隊機を使う場合、入間基地(埼玉県)に下りてヘリで官邸に向かう決まりはない。羽田空港の滑走路を使うことができれば、自衛隊機が羽田空港に下りても問題はない。羽田空港には自衛隊ヘリが待機して、ただちに官邸に空輸できる体制をとれる。横田基地、厚木基地でも同じである。 例えば、塩崎恭久官房長官が地元の松山(愛媛県)に帰郷中は、海自のヘリが松山市の自衛隊駐屯地に待機している。もし関東などで大地震が発生すれば、警察のパトカーで松山駐屯地に向かい、松山駐屯地から自衛隊ヘリで岩国基地(あるいは山口県の空自基地)などに運び、岩国基地から固定翼機で関東の飛行場に向かう。もし羽田空港の滑走路が使えれば、岩国から飛来した自衛隊の固定翼機は羽田に下りる。そこには館山(千葉県)の海自ヘリが羽田に待機(緊急飛来)し、官邸まで送ることになっている。これが官房長官の危機管理マニュアルである。 2つの点で安倍首相と側近は今回の危機管理を誤った。@初動段階で求められる最高指揮官の任務を放棄して、パフォーマンスのために現地に向かい、現地の救助活動(初動)を邪魔したこと。 A事前に、地方から帰京する緊急移送体制を準備することを忘れ、専用の通信設備のない民間機を使った愚かさである。今回はこの2点について危機管理の上から検討(改善)を行うべきと思う。 |
| 北朝鮮「核施設停止」 曲折5年 再び出発点 「行動対行動」を実行 揺れた米、高い代償 (毎日 7月16日 朝刊) |
[概要]北朝鮮が6カ国協議(07年 2月)の「核廃棄に向けた初期段階の措置」合意に基づき、寧辺の核施設を稼働停止した。今後の焦点は「第2段階」の措置に移り、18日からの首席代表会合(北京市)では、「核計画の完全申告」を求めることに北朝鮮が最大限の要求してくることが考えられる。 13日には、朝鮮人民軍板門店代表部が米朝の軍事会談開催を提案し、米国に行動を起こすことを繰り返し求めている。北朝鮮はこれからも米朝直接協議を通じ、テロ支援国の指定解除や敵国貿易法の適用除外、軽水炉原発の提供要求など、米側に執拗に取引を迫ると見られる。 今回の北朝鮮・核施設稼働停止は、米朝枠組み合意(94年10月)の破綻につながった02年10月の高濃縮ウラン(HEU)計画疑惑発覚前にようやく戻っただけだ。HEU疑惑発覚直後からブッシュ政権の強硬路線から対話路線に変わる間、北朝鮮はプルトニューム増産と核実験を許しただけだった。北朝鮮は核爆弾に必要なプルトニューム1個〜10個分を増産したという。米国の一貫性を欠く政策で、極めて高い代償を支払わされた。同時に、米国の北朝鮮政策に信頼性を問う課題が生まれている。 [コメント]北朝鮮が米国に朝鮮戦争の停戦協定に代わる平和協定を求めているのは、米朝直接交渉で「弾道ミサイル・カード」「核カード」の次ぎに、新しい交渉カードを作りたいからである。それは北朝鮮軍がいつでもソウルや在韓米軍を攻撃できる配備済みの「大量破壊兵器」を交渉カードに祭り上げたいのである。 すでにこのHPで何度も繰り返して書いたが、北朝鮮軍は軍事境界線に沿って掘られた地下陣地に、多数の長距離砲、地対地ロケット砲を配備し、その後方に短距離・弾道ミサイル(スカッド)を配備している。これらの兵器の弾頭(一部)には、化学砲弾、細菌(生物)砲弾が搭載されている。もし韓国軍が在韓米軍が北進(北朝鮮攻め)を開始すれば、ソウル市民(韓国北部や中部)や在韓米軍に耐え難い大被害を与えることが可能である。そのことで北朝鮮は米軍や韓国軍の北進攻勢を抑止している。これが北朝鮮流の抑止戦略である。北朝鮮は対米直接交渉でこの兵器システムを”交渉カード”として使うことを目論んでいる。 すなわち北朝鮮と平和協定を結び、ソウルや在韓米軍に向けられた兵器システム(大量破壊兵器)の破棄を求めるなら、それなりの見返りを寄こせという交渉を行いたいのだ。これで10年ぐらいは食える量の援助(支援)が欲しいというののが魂胆と思う。脅してナンボの恐喝国家とはそのようなものなのである。 ところで北朝鮮軍の生物・化学戦能力だが、この件について最も信頼できる数字(情報)は韓国国防部が毎年発行する「韓国国防白書」である。残念ならがら私の手元には1998年版を日本語翻訳した資料しかない。アメリカや韓国としては公表したくない情報だろうが、内々で秘密にしておける情報でもない。これから北朝鮮が交渉カードとして使う以上、運搬手段(工作員、自爆航空機、火砲、ミサイル、ロケット、風船)などとともに、正確な毒ガス・細菌の種類・製造施設、保管施設・配備部隊などを知っておく必要がある。 |
| ネット販売が引き金 犬肉論争 韓国で再 燃 「先進国になれない」 「食文化だ」 (読売 7月13日 朝刊) |
[概要]夏のスタミナ料理として韓国人に人気がある犬肉。しかし4月に新ビジネスとして登場した犬肉を扱うネット販売のサイトが、今月、国内の猛反対で閉鎖に追いこまれた。このことを機会に韓国で「犬肉論争」が再燃した。 韓国では1988年のソウル五輪で、国際的な批判に配慮する形で、犬肉料理店は表通りから排除された。しかし、その後も愛好者に根強い人気があり、年間200万頭(韓国メディアの数字)が消費されていた。しかし犬肉料理店は裏通りしかない。 そこでネット販売のサイトが登場して犬肉の注文を増やした。しかし「国のイメージを損なう動物虐待を許すな」という抗議が殺到。この業者は7月初め、一応、自主的に販売を中止した。 同サイトの掲示板では、「なぜ違法でないのに他人の商売に干渉するのか」「食文化だから守れといっても、(犬を食べていれば)先進国になれない」と、擁護派、反対派の議論が起きている。韓国伝統文化学校の崔教授は、「食べたい人は食べ、食べたくない人は食べない。これは嗜好の問題で、是非を論議するのは不毛」と論じる。物議を起こした当のネット業者は、今後は電話販売に転じるなど商魂たくましい。 [コメント]今回は軍事テーマではないが、何やら軍事と共通した問題性を感じる。私が食用の犬を初めて見たのは中国の吉林省で、北朝鮮に近い国道の検問所だった。トッラクの荷台に大きなオリがあり、その中で数十頭の犬が吠えていた。同行していた中国人ガイドが「北朝鮮に運んで食べる犬だ」と教えてくれた。「中国人は犬を食べないのか」とガイドに聞くと、「私は食べない」と言ったので、中国人も犬を食べる習慣があると感じた。特にそれ以上のことは考えなかった。検問の警官が食べたそうな顔をして、オリの中の犬を物色しているのが印象的だった。 鯨肉を食べる日本人を、世界には野蛮と感じる国もある。私のように貧乏旅行で世界を旅していると、民族や宗教の違いで食べない食材が多いという体験した。イスラム教徒は豚肉は食べないが、国によってお酒を隠れて飲む人は多い。イランは保守的なイスラム国家というイメージが強いが、テヘランからアテネに向けて飛行機が飛ぶと、機内放送で「ただ今イラン国境を通過しました」と聞くや、機内で一斉にイラン人が酒盛りを始める。そのためアテネに着くまでに機内のトイレは嘔吐物で気持ち悪い状態になり、アテネの空港では酔ってフラフラの状態で入国審査を受ける人を見た。(最近の話しではない。ホメイニ革命の数年後) どこか忘れたがウロコのつかない魚は食べない国があった。だから魚介類でもタコやイカは食べないと聞いた。ユダヤ人も意外と食べ物の規制が多かった。戒律で”母の乳で子の肉を食べてはいけない”とかで、イスラエルの朝食(ホテル・バイキング形式)は美味しくなかった。それらの国の中には、こんなものまで食べるのかと驚く物もあった。大嫌いな蛇は当然としても、ウジ虫の様なもの(ハチの子より大きい)に野菜をからめ、塩をふって油で炒めものが出てきたことがあった。これだけはいくら好奇心旺盛でも、食べられなかった思い出がある。 それがなぜ軍事問題と共通するかといえば、犬肉を食べるなという人は、互いに文化や宗教の違いを許さない主張をするからだ。そのために動物虐待が持ち出されたり、犬食を先進国論で争うことになる。戦争の原因を分析していくと、意外にも互いの価値観の違いが根本にあったりすることが多い。本当に単なる価値観の違いだけである。それに気がつくか、つかないかの違いである。例えば、犬肉を食べてもいいという人でも、猫肉を食べるのは野蛮で動物虐待というのと同じである。そのことに気がついていない。 そのために戦争で何万もの人が殺され、街の建物が焼かれたり破壊され、道路や橋が壊されることもある。だから戦争を無くすことは、互いの違いを認め、その上で、互いに協力しあうことだと思っている。アメリカは自分たちの民主主義(デモクラシー)が最善と信じ、それを外国に強制することが侵略と気がつかない。むしろ最善と信じている。だからアメリカは戦争ばかりやっている。あまりにも当然すぎて気がついていない。 |
| 台湾 対戦車ヘリ調達 駐米代表 F−16も米と交渉 (産経 7月12日 朝刊) |
[概要]台湾の呉駐米代表(大使に相当)は10日、産経新聞記者の取材に応じ、台湾が対戦車ヘリ「アパッチ」の改良型30機の調達で米側と基本合意したことを明らかにした。また、台湾が新型のF−16C戦闘機など66機の調達に向け、正式交渉に入ったことを明らかにした。台湾では立法院(国会)で対潜哨戒機P3Cを12機購入する大型の特別予算案の一部が先月可決されていた。 これは中国側の軍拡が進む中で、台湾海峡の軍事バランスを均衡させる措置に動き始めたことを意味する。台湾は1992年に米国製のF−16A型、B型(ともに旧式)戦闘機を150機調達している。今回はさらに最新式のF−16C型と、複座型のD型を購入したいという。アパッチヘリはミリ波レーダーを搭載した改良型で、米側と調達額をつめて来年度に予算化が図られる。台湾では来年3月に総統選挙が控え、台湾側の予算案措置が鍵となる。 [コメント]まさに大型の特別予算である。アパッチヘリは陸上自衛隊が配備を始めたD型になるだろう。すなわちアパッチ攻撃ヘリD型(AH−64D)である。もう対戦車ヘリというレベルではなく、攻撃ヘリのほうが正確に特徴を表している。 ところでAH−64Dにミリ波の索敵・射撃統制レーダーが着くと、価格はF−16C戦闘機より高価になることをご存じだろうか。自衛隊が導入した価格は1機が105億円(ミリ波レーダー搭載)である。この額を初めて聞いて攻撃ヘリが100億円を超したことに驚いた記憶がある。同じ様にF−15戦闘機が100億円の大台を超えたとき、90式戦車が10億円(今は8億円台に下がっています)の大台を超えた時は驚いた。最新兵器がどんどん高価になったからだ。逆に今のF−22戦闘機の1機250億円を聞いてもそれほど驚かなくなった。むしろ日本は秘密が守れないからアメリカの最新戦闘機を提供出来ないという事態に驚いている。 台湾に向かう中国の軍拡を考えるなら、台湾軍の気持ちが分からないわけではないが、中国とまともに軍拡競争をするなら台湾が不利と思うのだが。中国は半分ぐらいは台湾問題を口実に軍拡を正当化させている。台湾軍がF−160C戦闘機が66機、P3C哨戒機が12機、AH−64D攻撃ヘリが30機の増加で、中国軍との軍事バランスがとれるというのも疑問である。これは台湾が東アジア情勢(戦域)に含まれることを希望しての軍事増強の可能性がある。台湾がひとりで中国に向き合うには力不足だが、アメリカや日本を巻き込めば軍事バランスが均衡する。 そのうち朝鮮半島(全域)や台湾で、戦闘部隊を指揮する最高司令部が、すべて日本の座間、横田、横須賀に集まるなってことになる日が近いのか。(冗談です。冗談、冗談ですよね)。 |
| パキスタン 宗教施設突入 大統領、 威信回復に強行 逮捕に固執、交渉決裂 米中、国内世論の板挟み (朝日 7月11日 朝刊) |
[概要]パキスタンの首都イスラマバードの中心にある宗教施設「ラール・マスジード」に神学生が立てこもった事件で、10日朝から、パキスタン軍の特殊部隊などが突入し、掃討作戦を開始した。10日夜には施設指導者のガジ師を殺害し、治安部隊が同施設をほぼ制圧した。 掃討作戦は3〜4時間で終了すると見られていた。しかし女子学校の地下室や尖塔に立てこもったガジ師や武装学生らは、機関銃や手榴弾、ロケット砲で頑強な抵抗を続けた。抵抗(戦闘)は夜まで続いた。 治安部隊は制圧後に遺体の収容に着手したが、犠牲者や生き残った人質の正確な数字は把握出来ていない。地元メディアは強行突入後、女性や子ども計約150人が脱出した一方、60人近くが死亡したと報じている。これから犠牲者の数が増えるのは確実とみられる。 ムシャラフ大統領は大統領選と総選挙を控え、国民の求心力を高めるためにあえて強行策を決断した。またアメリカや中国から支援を得るためにも、イスラム過激派に断固とした態度をとる必要があった。 この神学校「ラール・マスジード」はイスラム原理主義タリバンと関係が深い宗教指導者の兄弟がが運営していた。ことし3月から、神学生たちは街に出てタリバンと同様に「宗教警察」活動を始めだした。また男子学生は毎年40日間の休暇時に、過激派のキャンプで軍事訓練を受けているといわれていた。これをムジャラフ大統領は国民の政権批判をそらす格好の材料と判断したようだ。 今後、パキスタンで過激派が報復テロに走る可能性はきわめて高い。6日にはムジャラフ大統領の搭乗機を狙った攻撃も起きた。これから国内の治安悪化に歯止めがかからなくなる懸念が強まっている。 [コメント]陸上自衛隊がアフガンに派遣されるなら、パキスタンはその策源地(前線に補給する拠点)になるほど重要な場所になる。そのパキスタンの首都の中心街で、タリバンを信奉する宗教施設があり、その神学生たちが銃やロケット弾で、治安部隊と戦闘を交える事態が起きた。 これを8月になって防衛省、外務省から派遣されるアフガン調査団は、どのような視点で評価するのか。今までの事前調査の様に、まず自衛隊の派遣ありの事前調査だけだろうか。 今月の参議院選挙で自民党が大敗し、それで安倍政権が崩壊しても、自衛隊のアフガン派遣は行われる様な気がしている。日本は政治家が動かしている政治ではなく、官僚が動かしている政治だからだ。政治家が官僚の天下りバンクを作ったぐらいで、今までの官僚政治が打撃を受ける訳がない。日本の官僚政治を打ち砕くには、血で血を洗う”革命”を行うぐらいの覚悟がいる。安倍仲好しクラブが、官僚用の天下りバンクで官僚政治が片づくという思考に幼さを感じる。 自衛隊のアフガン派遣は間もなく始動する。調査団は今回の「ラール・マスジード」制圧を、パキスタンの治安好転の兆しと評価するかもしれない。ともあれ、どの程度、今月の参議院選挙結果が影響するか注視したい。 |
| 北核施設 常駐監視へ IAEA 査察官派遣を承認 ヒル氏週末来日 6カ国協議 来週開催で調整 (読売 7月10日 朝刊) |
[概要]IAEA特別理事理事会が9日に開かれ、北朝鮮で核施設の停止、封印を監視、検証する査察官の北朝鮮派遣を承認した。これにより6カ国協議で合意した初期段階措置の履行にむけて、IAEA要員が北朝鮮に復帰することになる。 北朝鮮側は14日にも寧辺の核施設を停止・封印作業に着手する見通し。査察官は北朝鮮から招請状が届き次第出発する。エルバラダイIAEA事務局長は査察官の出発時期を「1,2週間以内」と話した。査察官は機械技師を含む8,9人で、監視カメラの設置や封印作業を行う。また2週間程度で監視機材の設置や封印を終えても、2,3人はそのまま常駐することが決まっている。 北朝鮮は寧辺の5000キロワット黒鉛炉、再処理施設、核燃料製造工場、5万キロワットの黒鉛炉(未完成)および泰川の20万キロワットの黒鉛炉(未完成)の5施設の停止・封印を約束している。 IAEAは北朝鮮での査察費用を今年度だけで170万ユーロ(約2億9000万円)と見積もり、現在は北朝鮮がIAEAを脱退中なので、日米など6カ国協議参加国が負担する見通しだ。 [コメント]今回IAEAが封印する5施設は予め予想された範囲のもので、それ以上や、それ以下でもない。まさに初期段階という言葉がぴったりの査察規模である。 しかし北朝鮮はすでに使用済み燃料棒8000本を再処理し、プルトニュームを抽出している。この保管されているプルトニュームの核施設や、再処理を速めるために建設した新しい核施設は査察に含まれていない。 まずは北朝鮮の玄関の扉を開かせ、IAEA査察官がやっと家の中に入った段階である。これから北朝鮮をIAEAに復帰させ、各部屋の中だけではなく、天井裏や地下室も査察官が入って調べる必要がある。 金正日は5月に心臓バイパス手術を受けておとなしくなった。北朝鮮からドイツの病院に研修に行く10人の医師の派遣費用を、韓国が負担(緊急支援)するという。さらに驚いたのはその額である。総額800万円で、一人あたり80万円である。この医療チームは金正日の心臓や血管病などの緊急事態に備える専用の救急救命チームである。北朝鮮ではそれほど重要な任務なのに、北朝鮮だけではその派遣費用も負担出来ないのだ。 もう南北朝鮮は統一に向けて動き出したと分析してもいいといえる状況になってきた。これから北朝鮮の核問題は一気に解決する可能性がある。これを言葉に例えるなら、「ない袖は振れぬ」である。北朝鮮は核カード(ニセであっても)を失って、体制存続のすべてを失った。最近になって韓国が北朝鮮に行う援助(支援)だが、国家統一のための共同体制作りや、北朝鮮実務者の教育(研修)というものの割合が増えてきたように思う。実質的な統一が始まったのか。ソフト・ランディング(軟着陸)に成功するか。かつてのドイツ東西統一に状況が似てきた。 |
| イラク駐在イラン大使 イラクで拘束の イラン人と面会 (読売 7月9日 朝刊) |
[概要]イラン外務省のホセイニ報道官は8日の記者会見で、イランのカゼミコミ駐イラク大使が7日、イラクで駐留米軍に拘束されているイラン人5人に面会したことを明らかにした。面会が許されたのは今年1月に拘束されて以来、初めて。イラン側は拘束直後から面会を求めていたが、これまで認められていなかった。 米側が一定の軟化姿勢をイランに示したことで、5月28日に両国による大使級直接協議以降、見通しの立っていない次回協議開催に向け、前進する可能性が出てきた。 [コメント]米軍はこの5人がイランの革命防衛隊隊員で、イラク反米武装勢力に武器や弾薬を提供しているとして拘束した。しかしイラン政府はこの5人をイラン大使館員(外交官)と反論していた。今回、やっと面会が許されたことで、アメリカとしてはイランに直接協議を継続させたい意志を示したことになる。またイランもイラク駐在大使が5人に面会したことで、アメリカの意志を確認したことを表明した行為になった。 7月1日、2日のブッシュ大統領とプーチン大統領の首脳会談が終わり、次ぎにイラクやイランを巡る情勢が動き出すと見ていた。今回のことはアメリカとイランの関係が、次のステージに向けた新たな動き(外交)の第1歩と考えていいと思う。 アメリカ、イラン共に、メンツや格好ばかり考えていないで、さっさと互いの本音を述べて和平交渉を始めればいいと思うが、そんな簡単な問題ではなさそうだ。イランには国内に強力な反米・保守派がおり、アメリカとの和平交渉(国交回復)のスピードが速いと彼らを敵にまわすことになる。アメリカ国内にも悪化したイラク情勢をイランの助けで解決すれば、中東でイランの勢力を拡大させることになると気にする勢力は多い。互いにそのような国内外の動きをチェックしながら外交を進めるには、予想外の時間や手間が掛かるようだ。しかし中東和平が前進していることは間違いない。ちょっと心が和むニュースであると感じた。 |
| 米商業衛星 中国新型原潜の 撮影成功 (産経 7月7日 朝刊) |
[概要]中国の新型戦略核ミサイル原潜(SSBN)の「ジン(晋)級」(094型)について、米国の民間組織「米科学者連盟」(FAS)の核兵器専門家ハンス・テンセン氏は5日、商業衛星が初めて撮影に成功した画像をインターネットで公表した。 撮影されたのは昨年末で、大連(遼寧省)近郊の小平島海軍基地に停泊中の画像。艦の全長は133メートルで、旧型のシャー(夏)級」戦略核ミサイル原潜より約10メートル大型化している。これはミサイル区域が広がっていることが確認された。 昨年12月に米海軍情報部の報告書では、中国海軍は同型艦を5隻体制で運用すると分析している。 [コメント]この晋(ジン)級戦略潜水艦(SSBN)は、ロシアのヴィクターV型(SSN)を参考にして作った中国の093攻撃型原潜(SSN 093)を改造し、戦略核ミサイルを搭載するためにSLBMのミサイル区画を中央部に増設したようである。搭載する戦略核ミサイルはJL−2(巨浪2号)で、射程が8000キロ(個体燃料 2段式か)、晋級潜水艦1隻がJL−2を12発を搭載している様である。さらにJL−2は弾頭が多弾頭(MIRV)でミサイル1基に核弾頭3〜4発を搭載しているという情報(未確認)がある。 米海軍が5隻体制というのは、訓練や修理、点検や休養などの艦を除いても、常に1隻は確実に遊弋(戦略パトロール)できる隻数を示している。 戦略潜水艦(SSBN)の役割は、地上の核施設(ICBM)がミサイル発射後(あるいは敵の先制攻撃で)に、敵の核攻撃で打撃を受けた際に生き残り、敵国に対して第2次の核攻撃を行うことである。そのために敵から攻撃を受けにくいように母国近海を遊弋し、常に海中を移動しながら核攻撃に備えている。核戦争が勃発すれば、確実に大打撃を行えるように備えた核抑止戦略で、核保有国の主要な核戦力の一翼をになっている。 日本のような国が核武装をするというのは、北朝鮮の様に核弾頭と運搬手段の弾道ミサイルを開発すれば済むというものではない。宇宙から敵の核攻撃(ミサイル発射)を探知出来る警戒衛星(多数基)や、このように敵の核攻撃から生き延びて報復の核攻撃を行えるSLBMを配備する必要がある。その軍事費(核武装)だけでも莫大で、その上、常に国民は敵国の奇襲で核攻撃を受けるという恐怖心に苦しむことになる。 まあ、少しでも軍事を知るものであるなら、日本の核武装などと非現実的なことは口にしないことである。核兵器や核戦争を論じるなというのではなく、自分の無知を晒すなと言いたいのだ。ちょっと偉そうなことを言ってすいません。最近の低俗な日本の核武装論にヘキヘキしています。 |
| 露第1副首相 東欧にMD配備ならば 「新型ミサイルで対抗」 (毎日 7月6日 朝刊)
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[概要]ロシアのセルゲイ・イワノフ第一副首相は4日、ウズベキスタンで記者会見し、プーチン大統領がブッシュ大統領との首脳会談で示したミサイル防衛を巡る新提案について、米側が受け入れずにMD配備を強行すれば、欧州側ロシア領土へ新型ミサイル配備で対抗する考えを表明した。
プーチン大統領は米側が進めるチェコ(レーダー施設)とポーランド(迎撃ミサイル配備)の欧州MD配備を中止すれば、NATO軍とロシア軍がMD問題を論議し、ロシア南部やアルバイジャンのロシア軍レーダー施設をNATO軍に共同使用させるという提案をしている。 ロシアの欧州側領土とは、ロシアの飛び地であるカリーニングラード州(ポーランドとリトニアに挟まれた飛び地)のことで、具体的に対抗措置を言及したのは初めて。(読売 7月5日 朝刊) イワノフ副首相は、「新型ミサイルはチェコとポーランドにMDが配備された場合に生じる脅威を払拭するため」と述べた。ロシアは5月末、新型大陸弾道弾(ICBM)「RS24」、6月末に新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「ブラバM」の発射実験成功を発表した。 [コメント]これはロシアの核戦略というよりプーチン大統領の選挙運動(キャンペーン)である。ロシアでは今年末に下院選挙があり、来年には大統領選挙が予定され、プーチン大統領は次の大統領期間中に憲法を改正して、大統領の任期を今の4年から7年にすることを主張している。そのための選挙運動である。 ロシア人たちは強い指導者であるプーチン大統領に拍手喝采をしているだろう。昨日は2014年の冬季オリンピックがロシア南部の保養地ソチに決まった。アメリカの一極支配を嫌悪するロシア国民にとって、プーチン大統領に偉大な国家ロシアが再生していく姿を重ねて見ている。これがプーチン大統領を育て、KGB出身大統領を誕生させたKGB流の世論操作術である。 そのうちイランが核兵器開発を放棄して、アメリカと国交を回復させれば、欧州MDは必要性を失うことを計算してKGBが仕掛けた世論操作だ。アメリカのネオコンが仕組んだイラン脅威論を逆にKGBが利用したのである。(※ロシアの旧KGBは解体され、別の情報機関名に変わっています) このような世界政治のダイナミズムを見ると、日本の政治が幼稚に見えてくることもある。日本版NSCを作るだとか、官僚政治の打破といっても、どこにそんなエネルギーが日本の政治家にあるのだろうか。 さて昨日のWhat New (下段)で取り上げた藤原教授の提案だが、日本はASEAN(東南アジア諸国連合)と米中露に働きかけて、東南アジア非核宣言を提案したら如何だろう。ASEANに日本の非核三原則(作らず、持たず、持ち込ませず)を宣言してもらう軍縮政策である。中国がSRBM(短距離核弾道ミサイル)と、IRBM(中距離核弾道ミサイル)を東南アジアに向けないと言えば成立する。そのことは中国の国益に沿うので、中国も合意し易い提案だと思う。(インドはASEANに加盟していない) アメリカが計画する欧州MD構想は、ロシアがINF全廃条約(1988年 発効)を破棄しないことが絶対の前提条件である。ロシアが欧州MDに対抗して、新兵器の配備や新たな基地建設を上げた以上、もはや具体化出来ない構想となった。この場合、INF全廃条約がヨーロッパでの核脅威が高まることを阻止したことになる。このことは米露もわかっていたことである。 もしかしてASEANはすでに非核宣言していましたか?。それを米中露が支持をすれば東南アジア版のINFのような効果が期待出来ます。これは意外と簡単に合意出来る核軍縮です。すでにASEANが非核宣言していても不思議ではないですね。軍事問題や安全保障を論じるASEAN地域フォーラム(23カ国)ではなく、ASEAN(10カ国)だけでも非核宣言が出るといいと思いませんか。ASEAN地域フォーラムには中国やアメリカの他に、北朝鮮やパキスタンも含まれていますから、とりあえずASEAN(10カ国)でもいいんじゃないでしょうか。 |
| 私の視点 久間発言と核政策 「廃絶も抑止も」から 脱せよ 藤原帰一 東京大学教授 (国際政治) (朝日 7月5日 朝刊) |
[概要]久間防衛相の発言は与野党を横断して厳しかった。あの発言は歴史の記述として正しくないが、それ以前に被爆者の苦しみをないがしろにすることが、誰からも拒絶された。この反発は国民が憲法を擁護する声が弱まった今も、被爆体験を継承しなければ行けないという使命感が、自民党から共産党まで党派を越えて共有されていることを示している。 しかし与野党の政治家は核廃絶の必要を訴えていたが、核廃絶のために何を行い、日本政府は何をしてきたのだろうか。確かに日本政府は1994年以来、国連総会に核兵器廃絶を求める決議案を提出し、可決されてきた。しかし、アメリカ、インド、パキスタン、中国、北朝鮮は、この議決に反対ないし棄権をしてきた。核兵器保有国が賛成しない核廃絶決議は、限られた意味しかない。 また日本は被爆体験の継承と核廃絶を訴えながら、アメリカが提供する「核の傘」と核抑止戦略に依存してきた。本当に核の傘が日本の安全を保ったかの因果関係ははっきりしないが、冷戦時代のソ連や中国はアメリカが核を使って反撃する可能性を無視して対日戦略を決めることは出来なかった。日本の核の傘の抑止力がアジア国際環境の一角を占めていたことは事実である。そのような核廃絶と核への依存の2重制が日本に存在している。 今の北朝鮮への核廃棄も、日本政府はアメリカの経済制裁とともにアメリカの核抑止力の圧力に頼っている。そして米朝協議が進む中で、強行策を求めた日本は孤立に追いこまれた。 それでは日本に何が出来るか。それは理想(平和運動)的な核廃絶を訴えるのではなく、現実的な地域核軍縮に着手することである。北朝鮮ばかりか中国やアメリカの核削減を視野に入れた地域の核軍縮を訴えて、各国を核削減交渉に巻き込むことである。核抑止で安定が保たれていると信じる核保有国に核削減を求めることは極度に難しい。しかしこれが不可能なら、日本の核廃絶の主張は根拠を失うことになる。 今年1月にキッシンジャー元米国務長官がなどが核拡散と核廃絶を求める声明を発表した。核保有国が核を削減しなければ核拡散を防止出来ないという新しい判断が広がっている。日本は北朝鮮や中東への核拡散を防ぐ意味から、広島や長崎の被爆体験を政策に生かし、地域核の軍縮に取り組まなくては、核の2重構造の矛盾にいつまでも苦しむことになる。 [コメント]これには前例が存在する。ブッシュ元大統領(父)が91年に韓国の在韓米軍から核兵器を撤去したのは、北朝鮮に核武装の口実を与えないためだった。その核兵器撤去を受けて北朝鮮は韓国と共に朝鮮半島非核化宣言を行った。そして中国は朝鮮半島の非核化宣言を支持した経緯がある。 さらにアメリカは海軍の艦船に搭載している核兵器を下ろし、戦略潜水艦(SLBM)以外は核兵器は搭載しないことを自ら宣言した。だから今のアメリカ海軍の艦船は、日本や韓国の港に寄港する以外にも、地球全体で核爆弾、核砲弾、核ミサイル、核魚雷、核機雷などの核兵器を搭載していない。同時に、中国も朝鮮半島や日本に向けた核兵器を配備しないで、東アジアにおける核脅威を高めない核戦略を組んでいる。それが中国の国益になるからだ。藤原教授はこのことを前例として、地域の核軍縮を日本の核政策にするように提言していると読んだ。 まずは最初からすべて国の核兵器を廃絶するという主張ではなく、東アジア、東南アジア、南アジア、中央アジア、中東地域、アフリカ地域と、それぞれの地域の非核宣言を行い、それを広げていくという反核戦略の政策が現実的と説いている。 そのために日本はアメリカの核の傘に依存する政策を放棄すべきという。この考え方に私も同感である。何度も言うが、そもそも日本を核の傘に依存する(依存させる)やり方は、日本の核武装と反核運動を封殺するためのものでしかない。逆に核軍縮に核の傘は不適当な考えといつも思っていた。 昨日、初の女性国防大臣に就任した小池百合子氏は、大臣就任の記者会見で核の傘の必要性や、原爆投下の違法性を記者から質問されると、歯切れが悪くなり、役人が用意した想定問答を見て説明したという。(朝日 7月5日 朝刊) 国連で毎年、世界に核廃絶を主張している国の防衛大臣なのだから、ここは明解に核廃絶を主張して欲しかった。それが出来ない延長線上に久間発言があった。 ※ 赤字の部分は7月6日に加筆しました。 |
| 6カ国協議 金正日総書記「健在」 楊中国外相と会談 (毎日 7月4日 朝刊) |
[概要]中国の国営新華社によると、訪朝中の楊中国外相と金正日総書記が会談した。金総書記をめぐって重病説が流れていたが、中国メディアに映し出された金総書記は笑顔を絶やさず、健康に大きな問題はなさそうである。 金総書記は最近の朝鮮半島情勢について「緊張が少しばかり緩和される兆しが出てきた」と述べ、6カ国協議については「各国は(協議で合意された)初期段階措置を実施すべきだ」と促し、「中国は核問題解決のため非常に多くの困難な仕事をやってきた。わが方は中国側と引き続き、意思疎通を図りたい」などと強調したという。 会談で楊外相が胡錦涛主席のメッセージを伝達すると、金総書記は謝意を示し「朝中友好は両国の前世代の革命家が残してくれた貴重な遺産であり、両国民の心の中に深々と根ざしている」と述べた。楊外相は朴宣春外相や金英逸首相とも会談した。 [コメント]この会談で金正日重病説が打ち消されるか疑問である。しかし北朝鮮は必死に重病説を打ち消したいと思っていることは間違いない。しかし、これからも各国の情報機関が金正日に対して集中的な監視(体調情報)を続けることになる。ただ楊中国外相は金正日を間近で見て、握手で手に触れ、言葉を交わしたことで、金正日に確かな生気があるか感じたはずだ。今回、中国には金正日の生気を試す機会が与えられた。 しかし今回、新華社が配信した金正日の言葉には、遺言めいたようなものを感じるのだが、私だけだろうか。仮に金正日が数ヶ月以内に死ねば、今回のこの記事の言葉が、中国に北朝鮮の今後を託し(後見人)た証言として活用されないか。そのために新華社はこの記事を世界に配信したというのが私の勘ぐりである。中国流の深謀遠慮(しんぼうえんりょ)である。巧妙な北朝鮮併呑戦略の秘術なのか。 今朝、アメリカは北朝鮮の核施設の初期段階措置を確認することなく、前倒しで韓国が北朝鮮の求めに応じて重油5万トンの一部を供与することに同意した。韓国とアメリカは北朝鮮により関与することを猛烈に急いでいる。日本の拉致問題などまったく視界に入っていない。これを奇妙と思わない訳にはいかない。 ※ 「勘ぐり」・・・・・かんぐること。気をまわしてあれこれ邪推する。「余計なーーー」 (広辞苑 電子版) |
| 久間防衛大臣 責任を取って辞任 (TVニュース速報 7月3日 13時30分) |
[概要]久間防衛大臣が講演で原爆投下を、「しょうがない」と発言した問題で、責任をとって辞任することになった。安倍首相も久間氏の防衛相の辞任を了承した。 [コメント]原爆の投下は明らかに民間人(非戦闘員)の殺戮を禁じた国際法違反である。日本の都市に対して行われた米軍機による空襲も同様である。この事実は忘れることはできない。日本人なら忘れてはいけないのである。ユダヤ人がアウシュビッツを忘れるだろうか。「アウシュビッツで起きたことはしょうがない」と語るだろうか。 だから日本は非核3原則を国是に決め、世界に核廃絶を訴えるのである。それなのにアメリカには核の傘という幻想を期待するのは間違いである。アメリカのいう核の傘とは、日本の核武装と被爆国日本の口を封じるための政策に過ぎない。 これからはテロリストや過激派に核兵器や化学兵器が渡って行く可能性が高い。アメリカが同時多発テロを阻止出来なかったように、今のような核兵器の抑止力(核攻撃による大量報復力)だけでは核攻撃を防げない。アメリカのいう核の傘も同じである。核武装すれば核攻撃を防げるというのは明らかに間違い。今はそのような時代ではない。核兵器大国のアメリカはいつも核攻撃に怯えている。それが証拠に核兵器大国のアメリカは、今もBMD(弾道ミサイル防衛)や核テロ(核攻撃)に必死で取り組んでいる。 これからは使えない核兵器よりも、確実な効果が期待出来る経済制裁が重視される時代になるだろう。今どき日本の核武装を主張するほど軍事オンチな話しはない。 しかし安倍首相も不運なものである。この時期になってこのような暴言に悩むとは。しかし安倍総理誕生時に尽くした者への論功行賞的な閣僚人事と言われてきた。誰を恨むことはできない。 ※ 青字の部分は7月4日に加筆しました。各種の核兵器や弾道ミサイルをを山のように積み上げても、核攻撃の恐怖から解き放されることはないという意味です。 |
| 北朝鮮メディア 金総書記の 動静報道半減 (読売 7月2日 朝刊) |
[概要]ラジオプレス(東京)によると、今年前半期(1月〜6月)に北朝鮮メディアが報じた金正日総書記の動静は31回で、昨年同期の67件に比べ半分以下に減少した。金総書記の健康不安説を巡って様々な憶測が出ているが、このことに関係があるかは不明。 軍隊視察など朝鮮人民軍の動静も13件で、昨年の48件より大幅に減少。全体の動静情報に占める軍関係の割合も昨年の72パーセントから42パーセントに減った。 [コメント]今年の春に金総書記が心臓手術を受けたという情報は、韓国政府の情報院が公式に否定した。しかし4月下旬に行われた軍事パレードの映像を見ると、明らかに金総書記の腹の部分が痩せていた。以前から、金正日は糖尿病だということは間違いないので、それが痩せたというのはいい場合と、症状がより深刻になった場合のふたつがある。金正日の年齢を考えると、後者である可能性が高い。すなわち持病の糖尿病が悪化し、合併症で腎臓などの機能が低下して痩せた可能性である。 また歩くことが困難で、外出には椅子を持ったものが同行し、数百(数十?)メートル歩くと疲れて椅子で休むという。この症状も糖尿病の症状と似ている。全体の体力がないというよりも、歩行する足の筋力がなくなるのだ。血液が足に充分に流れないので、壊疽(えそ)を起こして足を切断する場合もある。それに糖尿病が原因の失明が多いことで有名である。 実は私の父が糖尿病で亡くなっている。父は40代で発症し、64才で亡くなった。だから糖尿病の症状は軽い段階から、死亡に至るまで身近で見た。父は若いころから剣道と柔道で鍛えた体は筋肉質のがっちり体型だった。しかし糖尿病で入退院を繰り返し、途中で視力がなくなり新聞の文字が読めなくなり、亡くなる1年ぐらい前はガリガリに痩せていた。足は骨に皮がついたガリガリの状態で、歩けば骨が折れるかと心配するほどだった。 父が糖尿病になったとき、まだ日本では珍しい贅沢(ぜいたく)病といわれ、町医者は運動をすることを禁じ(今とは逆)て、安静に過ごすように勧めていた。お酒を飲まない父は、散歩などの運動を禁じられて猛烈なストレスと戦っていたと思う。今のように一般社会では生活習慣病という認識がなく、治療方法も確立されていなかった。(今は治療薬や予防方法も格段に進歩している)。 だから金正日の症状を聞くと、つい父の症状に合わせて考えてしまう。本当に歩行が困難ならばかなり深刻な段階ではないか。軍隊の視察も休止しなければならないほど悪化しているのでは。 アメリカが日本との軍事同盟を無視するほど、北朝鮮との関係改善を急ぐのも金正日の様態悪化が背景にあるのでは。アメリカ政府から日本政府には知らされていない重要な北朝鮮情報があるとすれば、それは金正日の体調悪化以外に考えられない。中国政府も外相を平壌に派遣して、6カ国協議の再開時期を話し合うといいながら、本当の目的は金正日の病状を探るつもりではないだろうか。今の時期になぜ中国の外相が平壌に行くのか不思議な気がする。 もしかして北朝鮮で金正日の動静情報が激減したのは、まさに”嵐の前の静けさ”であるのかもしれない。日本は朝鮮半島の激震に準備を怠りなく。 |
※これ以前のデータはJ−rcomFilesにあります。