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 北朝鮮の軽水炉建設 来月半ば工事中止 米が通告 (毎日 7月31日 朝刊) [要約]北朝鮮が多国籍協議に応じる姿勢を見せない中、米国は8月半ばにも北朝鮮に建設中の軽水炉建設を中止させることを日本や韓国に通告してきた。日本や韓国もこれを受け入れることを米国に伝えた。これで94年の米朝枠組み合意は事実上停止する。これで北朝鮮に対して、一段と厳しい圧力が加わることになる。

[コメント]韓国・連合通信の報道で、米国は北朝鮮との会談で、初日に中朝米3カ国協議で行い、翌日に日韓露を加えた6カ国協議とすることを北朝鮮に通告したという。予定ではその会談期日は9月頃になるという。これはアメリカが国連安保理に北朝鮮・制裁決議を出す最後のアクションになると思う。もし北朝鮮がこの対応に失敗したら、北朝鮮周囲全部を囲まれ、まさに四面楚歌の国になってしまう。無理やり拒否しても、安保理で中国やロシアの支持が得られない。さらに米国の圧力で核開発の中止を宣言することは、独裁者の威厳が許さない。(独裁政権が持たない) さらに国連安保理の制裁決議が実施されれば、北朝鮮の生命線を止めることになる。まさに金正日にとって絶対絶命の危機である。
 さらに北朝鮮から脱北した黄元書記が、米国NGOの招きで9月24日に訪米することが決まった。アメリカには1ヵ月半ほど滞在するという。この秋、アメリカで一気に反金正日世論が高まることは間違いない。
 イラクの戦後問題で窮地に立ったブッシュ政権は、今年秋から始まる次期大統領選挙では、北朝鮮カードを使う選挙戦術を選んだのではないか。すなわち北朝鮮をグイグイと追い詰め、アメリカの力を誇示することで、米国民の支持を得ようとするのではないか。そんなときでも、北朝鮮国内ではアメリカとの戦争を狂ったように叫び続ける。ブッシュ政権にとって大統領選挙戦に向けてこんな都合のいいエサは他にない。
中国 胡主席 温首相表明 「上海至上主義」見直し 「今後、重点は農村」 (毎日 7月30日 朝刊) [要約]29日付の中国各紙によると、胡国家主席と温首相は北京で行われた全国大会で演説し、今後は沿海部の大都市を優遇せず、開発が遅れ貧困層が多い農村や地方の開発に重点を置くと表明した。この演説はSARSとの戦いを総括する会議で、中国の主要な指導者が出席し、今後の方針を徹底するのが狙いだった。医療施設や医療スタッフが遅れた地方にSARSが広がれば、中国は深刻な事態が懸念されていた。その演説では、地方の貧困をなくすために「上海至上主義」を見直すという。これで来年の予算配分を決める秋の中央委員会総会で、上海グループの反撃を予想する向きが多い。

[コメント]北京や上海に行って、それから地方に行くと、これが同じ中国なのかと思うことがある。すなわち中国国内の経済格差は驚くべきものがあった。中国でその格差がやがて大きな社会問題化することは確実だ。だから地方勤務の経験が多い胡錦濤氏が新主席に選ばれたのだと考えていた。今年のSARS撲滅を成果にして、これからは地方の時代を宣言する最初の演説ではないか。
 ここで何度も指摘しているが、中国東北部(旧満州)の開発には朝鮮半島の緊張緩和が何より必要である。すなわち韓国や日本、それにアメリカからの開発資金(投資)や技術、優秀な人材を必要とするからである。そこに北朝鮮が大きな壁で立ち塞がっていてはいけないのだ。この胡主席の演説は、北朝鮮の崩壊も視野に入れていると思う。この点については私の近著「北朝鮮 消滅」に詳しく書いている。
 防衛庁、来年度予算 指揮統制「ヘリ空母」導入 米軍とも連動 (毎日 7月29日 朝刊) [要約]防衛庁は1万3500トンクラスで、ヘリを4機を搭載し、大容量の通信情報をネットワークで結ぶヘリ空母の導入方針を固めた。このヘリ空母は全通甲板で、新たに通信衛星などと連結した海上作戦部隊指揮管制支援(MOF)システムを搭載する。また米軍とも情報・通信回線を接続させ、これで米海軍との一体化がさらに進むことになる。大災害時には洋上の災害対策本部の機能も備える。建造費は1隻1200億円で、04年度から概算要求に計上する。将来は各護衛隊群に各2隻を配備する計画という。

[コメント]海上自衛隊は大きく分類して、初期の米軍の空母機動部隊を護衛する「対潜型」海上自衛隊から、イージス艦のように地上からの米空母攻撃に対抗する「防空型」海上自衛隊に変化した。そして次の大変革がこれである。こんどは米軍のRMAに対応する情報・通信機能を強化した特徴の海上自衛隊となる。
 このヘリ空母を日本近海で考えれば、大規模災害で海上の災害本部として活用することぐらいしか考えられない。しかし、だったら交通がヘリや船に限定される海上本部より、道路で交通アクセスが整った災害地近くの地上本部の方が便利である。すなわち大災害用とは方便なのである。
 ならば本来の目的は、ペルシャ湾を考えるとわかりやすい。陸上自衛隊は米陸軍とともに中東などで作戦中である。航空自衛隊は大型輸送機(C-17輸送機 現在は未配備))のほかに、新しく配備したパトリオットPAC3を持って、中東の米軍基地や司令部を弾道ミサイルの脅威から守っている。そこで海上自衛隊の出番である。ペルシャ湾にこのヘリ空母とイージス艦を配置し、米軍との情報・指揮を共有して、イージス艦に搭載したSM3対弾道ミサイルで飛来する弾道ミサイルの脅威を防ぐのだ。
 これが北朝鮮という脅威がなくなった後、日米防衛当局が描く日米軍事同盟の近未来の姿だと思う。このままのハイペースでいけば、イラクの戦場に陸上自衛隊を出せば戦死者が出ると騒いだ時代が、懐かしくなるような光景が10年以内に現実となるだろう。
 なお、ヘリ4機搭載という説明は1番艦のみで、残りの7隻すべてがヘリ4機搭載は考えられない。最終的には最大2万トンクラスとし、搭載ヘリ10〜12機も夢ではないと考えているのではないか。建造費も1隻2000億円(航空機を除く)を越えると推測する。
朝鮮戦争 休戦から50周年 中国、友好は南北逆転 (読売 7月28日 朝刊) [要約]朝鮮戦争では中国から延べ300万人〜500万人が参戦し、100万人近い犠牲を出した。中朝関係は「鮮血で固めた友誼」を誇っていたが様変わりした。27日に平壌で行われた記念式典に中国要人の参加がなかった。北朝鮮は記念式典に中国の曾慶紅国家副主席クラスの訪朝を望んでいたが、北朝鮮が再び多国間協議に難色を示したので、中国は仲介が無になるとして訪朝団の派遣を中止したようだ。中国の昨年の南北貿易額は中朝6億ドルに対して、中韓は70倍以上の440億ドル。北朝鮮の核開発問題でも、中国ははっきりと北朝鮮への圧力を高め、国際社会への貢献という姿勢を重視しだした。

[コメント]休戦から50年経って、韓国側では盛大に記念式典が行われ、韓国の繁栄は米韓同盟のおかげという言葉が多く語られている。韓国が反米的傾向だといっても、金正日という体制が続く限り、韓国の米軍依存の立場に変わりはないと思う。
 それより北朝鮮だ。北朝鮮が戦勝記念の軍事パレードを中止した理由に、日本のマスコミは中国に配慮したからだという論調が目立つ。しかし本当にそうだろうか。北朝鮮は米国との戦争を叫び、そのことで軍人の引き絞め(士気高揚)を行っている。そんな時にお祭り色の濃い軍事パレードを行うことは矛盾する。さらに食糧が不足した部隊を、パレードのために平壌に集めることに危険を感じたのではないか。平壌で軍事パレードを行うことは、参加する部隊の兵士に腹いっぱいの食事を与え、何ヶ月も前から準備をしなければならない。また参加する部隊は徒歩部隊であっても、各部隊から平壌間を移動する車の燃料も必要である。やはり私は北朝鮮が中国に遠慮したというより、軍事パレードの負担に耐え切れず、また反乱の危険を回避するために軍事パレードを中止したと思う。
 この新聞記事でも指摘しているが、イラク戦争後の中国の姿勢は大きく変わった。北朝鮮に対して圧力という言葉が使えるほど、中国は北朝鮮問題に積極的に関与し始めた。北朝鮮問題で必ず中国が出てくると予測した私の推測は外れてはいなかったようだ。
 管直人 総選挙に勝てば自衛隊をイラクに派遣せず (テレビ朝日 サンデープロジェクト 7月27日) [要約]一昨日に成立したイラク特措法だが、民主党の管直人党首はテレビ朝日の番組であるサンデープロジェクトに出演して、もし秋に予定されている総選挙で、民主党が勝てば自衛隊をイラクに派遣しないと語った。この法案も廃案にすると表明した。9月に民主党との合流に合意している自由党の小沢一郎党首も同席しており、その意見にお互いが合意していると話した。

[コメント]このような民主党の動きに、自民党は「イラクを調査した結果、自衛隊をイラクに派遣しない場合もある」と切り返している。すなわち現地調査の結果、イラク全土が危険で、自衛隊をイラクに派遣できなかったというやり方である。
 そこまでコロコロと見解が変わるなら、総選挙で自民党が勝てば、こんどはイラクが安定してきたので自衛隊をイラクに派遣すると言いかねない。
 今の状態を見ていると、日本の政治と軍事(安全保障)がまったく噛合っていない。ギーギーと音を出して曲がり始め出した。そんな時、フィリピンでクーデター騒動である。反乱軍はフィリピン軍がミンダナオ島でゲリラ攻撃を自作自演し、アメリカから軍事援助を得ていると声明を発表した。オイオイである。10年前ぐらいに士官学校を出た連中だという。フィリピン軍なら少佐か大尉クラスだろう。まんざらウソとはいえない部分がある。
 平壌 続々と外貨ショップ 携帯電話やパソコン 一般商店では買えない物 並ぶ 中国誌現地ルポ (読売 7月25日 朝刊) [要約]中国新華社の国際問題専門誌「環球」8月号で、北朝鮮の平壌に続々と外貨ショップが開店してことをルポで伝えた。通貨は米国ドルが禁止されているのでユーロだが、今は数十軒に商店が増えているという。扱う商品も日本の100円ショップのような1ユーロ・ショップのような商店から、パソコンや携帯電話を扱う専門商店など、店ごとに特色があるのが特徴だという。客は外国人のほか北朝鮮の裕福層も目立つ。ルポを書いた記者は、「安くはないが一般の商店ではない物が何でも買える」と報告している。しかし一般の国民にとってはまったく縁の無い存在だという。

[コメント]北朝鮮にも外国人は生活している。そのような人から外貨を得るために外貨ショップが開店が増えているのだろう。これが北朝鮮の経済を再建するとか、経済改革の初期段階と見ることはできない。要するに、一部の人が貪欲に外貨を欲しがっているだけの現象である。まさに国民を顧みない社会現象である。
 ところで昨日の毎日新聞(7月24日)の夕刊に、「論外ですか?『北」との対話は成立せず?」というのがあった。毎日新聞の論説委員が書くコーナーだが、その記事で北朝鮮と休戦交渉した韓国軍の元大将の白善ヨップ氏のことが書いてあった。白さんは北朝鮮は数百万の飢餓を出すのは計算済みだという。国民を飢えさせて、頭の中を食べ物でいっぱいして、食べ物のことばかり考えて、国民に謀反を起こさせないようにしているのだという。国民が一握りのトウモロコシにすがる生活が政権維持につながるという考えだ。そのように考えないと正しい北との戦略は考えられないと忠告する。
 そのような国の首都で外貨ショップが次々と開店している。なんともやりきれない。
 防衛庁検討 情報本部、長官直轄に (朝日 7月24日 朝刊) [要約]防衛庁は自民党・防衛政策検討小委員会で、現在は統合幕僚会議の下にある「情報本部」を、防衛庁長官直轄の組織とする方針で検討していること明らかにした。情報本部は97年に、陸海空それぞれにあった情報部門を統合して設置し、航空機や通信所から得た電波情報や、偵察衛星の画像情報を分析している。

[コメント]これはイラク派遣を批判する制服に対する防衛庁(内局)の嫌がらせではないか。もともと情報本部は制服の下に作ることで同意された新組織である。内局は1佐以上の人事権、予算権を握っている。その上、情報まで管理されてはたまらないという制服組みの要求からだった。
 もう少し詳しく言うと、海上は横須賀の米海軍、陸上は福生の米陸軍、航空は横田の米空軍というように、それぞれが別れて情報を収集していた。内局はどこかというと米大使館(国防省関連)である。ちなみに自衛隊の電波情報は警察官僚が握っていた。それを一元化するために統合されたのが情報本部である。その時の条件が、情報本部を制服の管理化に置くというものだった。それを制服から奪い返して、内局の支配下である長官直轄とすると脅しているのだろう。すなわちイラク派遣で制服に文句を言わさないためとしか思えない。
 この新聞記事によれば、今年の北朝鮮ミサイル発射情報(シルクワーム)で、官邸や防衛庁の意思疎通が混乱したので、長官直轄にして迅速化・効率化を図るためとある。これは詭弁である。シルクワーム程度のミサイルでドタバタしたのは軍事を知らない官邸や防衛庁(内局)で、制服組みに驚きや混乱は起きていない。
 これ以上、軍事を知らない政治家や、その政治家におべっかを使うしか能のない防衛官僚に、軍事情報の管理をまかせてはいけない。今でも情報本部には内局の官僚がNO2に配置されている。情報が内局や官邸に伝わらないことはない。制服が情報を意図的に隠していることもない。ただ内局や官邸は軍事情報の使い方を知らないだけである。この問題は制服と内局の戦争に発展する可能性がある。
 とにかく私が言いたいのは、「これはイラク派遣に反対する制服組みに対して、内局の陰湿な嫌がらせである」と思うのだが・・・・・。私の誤解だろうか。
 党首討論 小泉首相 「イラクの非戦闘地域、私にわかるわけがない」 首相の本音? (各紙 7月24日 朝刊) [要約]23日の党首討論で、菅民主党首が「イラクの非戦闘地域がどこか言って下さい」という質問に、小泉首相は「そんなことが私にわかるわけがない」と答えた。政府は自衛隊をイラクの非戦闘地域に派遣すると明言しているので、「開き直り」ともとれる言葉だった。

[コメント]このやりとりをTVのニュースで見たが、思わず「えぇっ」と絶句してしまった。今頃、何言っているのという気分である。そのうち首相がニコニコ笑っているので、これは冗談を言っているのかと思った。確か1ヶ月前には、首相自身が「自衛隊を危険な戦場に送りだすわけではない。戦闘が行われていない安全な地域に派遣する」と答えていた。これではまるで笑い話だ。政府は本気でイラク支援法案を検討したとは思えない。そのイラク法案が本日にも参院で可決されそうだ。悪法であっても法は法である。
 自衛隊はシビリアン・コントロールのもと、無言でイラクの戦場に派遣されるしか道はないのか。今はそんな時代ではないと思う。
 イラク派遣 自衛隊C-130の防御装置 地対空攻撃に備えチャフとフレア (読売 7月22日 夕刊) [要約]防衛庁はイラク派遣法に基き、イラクに派遣する予定のC-130輸送機に、地対空ミサイルを回避する自機防衛装置を搭載する方針を固めた。これは箱型の中にチャフとフレアを入れ、これを放出して飛来するミサイルをそらす装置を搭載するという。チャフは細かいアルミ片を大量に放出して、電波の煙幕をはるというもの。フレアは熱源の火炎弾を放出して赤外線追尾のミサイルを誤誘導させる。一機あたりの改修費は1億5千万円程度。現在、航空自衛隊はC-130を16機保有中だが3機しか搭載していなかった。(昨日の夕刊)

[コメント]いよいよ航空自衛隊も戦場に行くということがわかりだしたようだ。しかしこの記事で気になったのは、フレアの使い方がよく理解できていないと思う。(もちろん自衛隊はわかっている) チャフは誘導電波(反射波)を追尾してくる対空ミサイルを誤誘導させるので、C-130が誘導電波を感知すれば、その警報を聞いて、チャフの発射ボタンを押せばいい。しかし赤外線追尾ミサイルはエンジンの排気を追ってくるので警報はでない。そこで航空機は危険な空港に離着陸するときは、ミサイルの飛来に関係なくフレア射出ボタンを押して、赤外線追尾の対空ミサイル警戒の対応をとることになる。ソ連軍が侵攻したアフガンの空港では、ソ連機がステンガ―(携帯SAM)の脅威から、離発着のたびに花火のようにフレアを何発も打ち出しながら離発着していた。通常、肩撃ち式の対空ミサイル(携帯SAM)の射程を5キロ程度として、滑走路からこのエリアに入るとフレアを連続して射出することになる。危険な飛行場から離陸するときも、着陸するときも同じミサイル回避行動をとる。
 フセイン大統領の息子二人、ウダイ、クサイの戦死を確認  米軍発表 (NHK 7月23日 朝7時のニュース) [要約]イラクの米軍占領当局(CAP)は、昨日、北部のモスル近郊で第101空挺部隊200人がフセイン政権高官の邸宅を急襲し、戦闘の末に4名の元高官が死亡させ。その中にフセイン大統領の息子、ウダイ氏とクサイ氏がいたと発表した。その邸宅は同地域の部族指導者でフセイン大統領といとこの所有だった。

[コメント]二人の息子が邸宅に出入りしているという情報があり、101空挺と特殊部隊が急襲したようだ。二人には高額の懸賞金がかけられていたので、動けば情報が米軍に届くようになっていた。しかしこれで反米軍行動が沈静化するとは思わない。本当に恐いのは、イラクの反米軍行動がフセイン政権の残党という枠から離れ、イスラム教徒(対)異教徒の米軍という構造になることである。この二人を殺して喜ぶアメリカ人を見て幼稚だと思った。イラクは西部劇での舞台ではないのだ。
 イラク派遣 米軍支援を再検討 防衛庁 危険避け復興軸に (毎日 7月23日 朝刊) [要約]防衛庁は自衛隊が行うイラクでの給水・給油などの業務計画を白紙に戻し、イラク国民を対象とした人道復興支援を軸に再検討する方針を決めた。これは自衛隊が米軍と一体と見なされ、攻撃対象となる危険を回避する狙いがある。また、このままでは国民の理解が得られない判断したからだ。自衛隊は比較的安全なバグダッド空港を拠点に、米軍などの給水・給油を行う予定で検討してきた。しかし自衛隊の方向転換に米軍が反発する懸念もある。

[コメント]ゲリラ戦が行われているイラクで、自衛隊が行う安全な人道復興支援とは何だろう。それも米軍と一線を引いて、日本(自衛隊)が独自で行う支援策という。この記事では、その候補としてイラク南部にある日本がODAで建設した病院で、電気や給水を行うという案が検討されているという。この案は以前、このホームページで述べたことがある。基本的な部分で民間活動を自衛隊が支援するという貢献策である。すなわち場所は日本のODAで建設された病院など医療施設、そこにエジプトなどと合同の日本NGO医療スタッフが活動する。そこを自衛隊が駐屯して、給水や電力の供給を行いながら、同時に略奪防止などの警護活動を行えというものである。交通インフラが麻痺したイラク南部なら、無料バスを運行して患者の送迎を行うことも効果的である。またイラク人医師や看護師などにも協力をあおぎ、現地に密着した支援が望ましい。これが成功すれば、日本がイラクの国民から信頼と尊敬を得ることは確実である。私は賛成である。
 問題は米軍がそれを認めるかという点である。これでは小泉さんが約束した米軍支援にならない。米軍からすれば、「日本政府のカッコつけ」と見られ、そのような人気取り支援策に文句をつけてくる可能性がある。またイラク復興が米軍から離れ、国連主体に移行する予兆と考えることもできる。それを米軍が許さない可能性がある。小泉さん、外務省、防衛庁が、そのような米軍の厳しい対応に耐えれるのか。もう少し、政府や防衛庁の対応を見守る必要がある。まさかこれがイラク支援法案を、明日にでも予定されている参院の裁決を乗り切るためのウソだったら許せない。
 自衛隊イラク派遣 「攻撃」にどう対処 銃撃程度なら業務続行 (朝日 7月22日 朝刊) [要約]自衛隊がイラクに派遣された場合、現地バグダッドで起きた2件の実例を元に、自衛隊の2佐(普通科の中隊長経験あり)が対応を説明したもの。想定では自衛隊は3両で市街地を走行中。先頭は指揮戦闘車(装甲車)、中は給水車、後尾は高機動車。想定1では、建物から銃撃を受けた場合、まず損害の程度を無線で確認後、指揮戦闘車が敵の正面に回り込み、機関銃を射撃して、その間に給水車と高機動車を現場から退避させる。想定2では、敵のRPGで給水車に被害が出て、負傷者も出たとする。この場合、指揮戦闘車は回り込んで機関銃で応戦し、その間に高機動車から隊員が下車して負傷者を救助し、高機動車で退避する。
 この回答後、2佐は派遣の条件として、@法整備、A世論の後押し、B任務を達成する装備や武器の使用基準、C死傷時の補償の4点をあげ、今は自衛隊をイラクに派遣すべきでないと言った。

[コメント]朝日新聞だからわざわざイラク派遣に批判的な自衛官を選んでインタビューしたと思う人がいるかも知れない。しかし産経や読売が行っっても、ほぼ同じような回答になるだろう。戦闘もこのように想定されると、このように答えるしかないのだ。しかしこれはまさに実際に起きた2例でしかない。これからバグダッドやイラクで起こることは、毎回、攻撃の規模や様相が違うだろう。まず先頭の指揮戦闘車を地雷で破壊して、次にRPGで後尾の高機動車を狙う。それから銃撃で生き残った兵士を狙うのである。そして米軍の攻撃ヘリや救援隊が到着する前にゲリラは逃げる。
 最近の米軍攻撃は質が高まったという。イラクの元兵士が攻撃に加わったからだと分析されている。元イラク兵士なら、まず指揮戦闘車を破壊することから始める。それなら対戦車地雷がもっとも簡単である。
 私はいつも言うように、自衛隊をイラクに派遣することに反対だが、国民もイラクの危険性に気がつき、派遣反対の世論が高まってきたように感じている。 
 イラン 新型弾道ミサイルを配備宣言 射程1300キロ (読売 7月21日 朝刊) [要約]イランの最高指導者ハメネイ師は、20日、中距離弾道ミサイル「ハシャブ3」(射程1300キロ)を革命防衛隊に配備したことを宣言した。イスラエルや湾岸諸国を射程に収める弾道ミサイルの配備に米軍が反発を強めるのは確実だ。ハシャブ3は北朝鮮の「ノドン」を改良し、ロシアの新技術を導入して開発したとされる。

[コメント]ロシアの新技術とは誘導装置のことと思われる。北朝鮮は弾道ミサイルの命中精度を高める技術に遅れている。パキスタンのガウリ・ミサイル開発に関しても、本体はノドンミサイルでも、誘導装置は中国が技術提供を行ったという。これでイランは核開発疑惑に続いて、弾道ミサイル問題でも米国と関係が悪化してくる。
 このようにアメリカが圧倒的な軍事力を保持し、それを脅かすものに対しては制裁を加えるという国際関係は、まさしくアメリカ帝国主義の支配体制ではないだろうか。日本はアメリカと同盟国で、アメリカの軍事力脅威を受ける立場にないが、アメリカとは同盟関係がなく、かつてアメリカと敵対した国は恐くてしかたないだろう。その反面、ロシアや中国のように、ICBM(大陸間弾道ミサイル)でアメリカを攻撃できる国は、アメリカから大国として特別の優遇を得ている。こんどはアメリカ側が恐くてたまらないのだ。
 世界は常に恐怖に支配されている。このような構造を直さなければ、アメリカ国民の安らぎはやってこない。日本のように、恐怖が支配する国際関係を否定する国こそ、これから国際社会で活躍すべき時代だと思う。
 韓国 黄元書記訪米に道 警護、一般亡命者レベルに (読売 7月19日 朝刊) [要約]韓国の国家情報院(旧安企部)は、97年に北朝鮮から亡命した黄元労働党書記を、特別施設で警護する特別警護から、警察が警備する一般警護に切り替えると発表した。これによって、黄元書記に旅券が発行され、訪米や訪日が可能になる。韓国政府は北朝鮮を刺激するとして、黄元書記の外国訪問を認めてこなかった。

[コメント]先日の週刊AERA誌で、黄氏が軍事力を用いないで北朝鮮を崩壊させる方法を書いていた。中朝国境付近の中国側に韓国や日本の産業を誘致し、活発な経済活動を行えと提案していた。そうすれば北朝鮮の人々が自国の異常さに気づき、そのことで北朝鮮の支配体制を終焉(しゅうえん)させることができるという。なるほど、その手があったのかと感心した。そのことに呼応するように、6月1日から中朝国境付近の脱北者監視所が撤去されだした。まるでベルリンの壁が崩れたときを思い出させる状況である。
 黄氏が一般警護に代わったとしても、それは単に言葉の上の変化で、黄氏の周辺では暗殺を防ぐ厳重な警護が行われる。このことは韓国政府が北朝鮮を刺激しても、黄氏に自由に発言させて、北朝鮮の支配体制を終焉させることを決心したと判断する。これから黄氏から北朝鮮の支配体制の内側が語られる。まさに金王朝を終わらせる最後のベルが鳴ることになる。
 イラク米兵 公然と上層部批判 TVインタビューに (読売 7月18日 朝刊)  [要約]イラクに駐留している米軍第3師団兵士が、米ABCニュースのインタビューで公然と軍上層部の批判を行った。内容はラムズフェルド国防長官の辞任を要求したり、長期駐留に対する不満を述べた。第3師団は戦闘が終結した5月には帰国する予定であったが、そのまま延長され、正式な帰国日程がまだ決まっていない。これに対して、アビザイド中央軍司令官は、「大統領や国防長官を非難することは許されない」と引き締めに躍起になっている。

[コメント]いよいよイラクでの戦争が本質を見せ始めた。米兵がストレスを高めていることは間違いない。これがイラク市民に向かわないか心配だ。昨日、アビザイド司令官がイラクはゲリラ戦争という見方を示したが、ゲリラ戦争の最大の特徴は戦闘員(兵士)と非戦闘員(市民)の区別がつかないことである。だから戦線という区域も示すことができない。いまのところアメリカ政府は、米軍対フセイン政権の残党という構図を強調しているが、イスラム教のイラク国民対キリスト教徒の米軍という構図に変ることは容易である。私は大部分のイラク国民がフセイン政権の復活を期待していないし、またそれに反対すると思っている。だから住民の支持が必要なゲリラ戦をフセイン政権の残党が行っているとは考えにくい。 
 「イラク特措法は詭弁」
イラク特措法案 元防衛庁幹部が廃案求め要望書  (毎日 7月18日 朝刊) 
[要約]元防衛庁教育訓練局長で新潟県加茂市長の小池清彦氏(66才)が、「イラク全土がゲリラの戦場。イラク特措法の考え方は詭弁だ」と、イラク特措法の廃案を求める要望書を衆参両院の全議員と、小泉内閣の全閣僚、防衛庁・自衛隊の幹部に送付した。要望書では、イラク派兵を憲法違反とし、イラク国民は自衛隊に派遣を求めていない。また自衛隊の犠牲も出る可能性が高いと批判している。これに対して石破防衛庁長官は17日の参院外交防衛委員会で、「非戦闘地域は詭弁だというが、極めて心外だ」と反論した。

[コメント]小池氏が正しいのか、石破長官が正しのか。その答えは明白である。日本政府はイラク情勢が安定化するという展望予測を明らかに誤ったのである。このホームページを読んでいた方は、そのような政府の甘い展望が危険だということをご存知だったと思う。イラク情勢はフセイン体制を軍事力で崩壊させても、決して安定化に向かうことはない。根底にはイスラム教徒とキリスト教徒の根深い宗教対立があり、石油利権をめぐるどす黒い欲望があることを知っていた。アメリカはイラクにイスラエルのような国を作ろうとしている。アメリカの軍隊はアラブの石油を盗みにやってきた。アラブ世界では、そのような言葉でイラク情勢が進展していくと予測していた。
 このままで、自衛隊をイラクに派遣させることはできない。どうか自衛隊員をイラクの戦場に放り出すようなことはしないで頂きたい。
 総アクセス数 150万回を突破しました。 (7月17日) [コメント]先ほど、16時過ぎに更新点検のためアクセスしたら、1500048回をカウントしていました。ついに本日、アクセスが150万回をオーバーしました。ありがとうございました。ちなみに100万回を突破したのは3月14日です。イラク戦争があったとはいえ4ヶ月で驚きのアクセス数が50万回です。これからもがんばります。応援をよろしくお願いします。
 米軍機に対空ミサイル攻撃 バグダッド命中せず (朝日 7月17日 朝刊) [要約]バグダッド郊外の旧サダム空港で、着陸しようとした米軍のC-130輸送機が、地対空ミサイルによって攻撃されたとAFP通信が報じた。ミサイルは命中しなかった。航空機を対象としたミサイル攻撃は初めて。

[コメント]これはおそらく射程5キロ程度の携帯式・対空ミサイルである。着陸しようとして降下してきたCー130輸送機のエンジン(熱排気)を狙って発射する。射程5キロでも、飛行場近くに潜入できれば、充分に撃墜可能な対空ミサイルである。確か5月頃、イスラエルの旅客機がタンザニア?の空港で狙われたことがあった。(命中せず)。イスラエル機は離陸して上昇中で、そのまま飛び去って帰国した。当然ながら、着陸中は離陸・上昇中より命中する可能性は高い。そこで軍用機には目標になった熱源を誤魔化すために、フレア(偽熱源)を多数発射して飛来する対空ミサイルを回避する。(空自のC-130には3機のみフレア装備)
 また飛行場への着陸コースも、飛行場上空を旋回しながら降下する方法を使う。対空ミサイルなどを避けるためである。航空自衛隊のC-130にフレアを装備したのだろうか。またパイロットに旋回しながら着陸する訓練を行ったのだろうか。このふたつがなければ、消防士が防火服を着ないで火事の現場に向かうようなものである。
中国が無償で 北朝鮮にディーゼル油1万トン (朝日 7月17日 朝刊) [要約]北朝鮮の定時ニュースは、16日夜、中国政府が北朝鮮にディーゼル油1万トンを無償供与すると伝えた。中国は12日〜15日まで、筆頭外務次官を特使として北朝鮮に送り、核開発をめぐる多国間協議に応じるように説得していた。中国は01年9月に江沢民国家主席(当時)が訪朝した際、20万トンの食糧、3万トンのディーゼル油を無償供与した。昨年9月にも、ディーゼル油2万トンを無償供与したと発表している。

[コメント]北朝鮮が多国間協議の開催に同意したので、この供与が決定したと見ていい兆候だと思う。しかし気になるのはその量である。01年が3万トン、02年が2万トン、03年が1万トンである。アメリカや日本から援助が途絶えた北朝鮮では、物不足が一段と深刻化しているというのに、この少なさはどのように考えるべきか。北朝鮮ではディーゼル油を必要とする産業がすでに活動できなくなってきたのか。それとも中国流の経済制裁なのだろうか。当然ながら北朝鮮が、この程度の量で産業が復活する可能性はまったくない。
 イラクへの自衛隊派兵 延期強まる 10月下旬は「秋の総選挙」と重複 投票日前、死傷者がでれば悪影響 (産経 7月17日 朝刊) [要約]イラク支援復興法が成立すれば、イラク国内で活動する陸上自衛隊の派遣を、当初の「10月下旬」を先送りする見方が強まった。これはイラク派遣時期が秋の総選挙と重なるため、もし自衛隊員に戦死者がでれば選挙に悪影響がでることが必至だからという。自民党幹部の中には、「自衛官1人が死ねば、防衛庁長官の首が飛ぶ」というものもおり、「総選挙に自衛隊派遣時期をぶつけるのは得策ではない」(政府高官)という延期論が高まった。

[コメント]この件に関しては、先日、北海道の方からメールで「北海道新聞」に出ていた同様の内容を送って頂いた。すでに陸上自衛隊では、イラク派遣では戦死者がでることを想定して準備に入ったようだ。本日の毎日新聞の朝刊に、防衛庁は「戦死自衛官に対して1億円の死亡給付」に引き揚げる方針を固めたとある。また過去にはPKO活動などで自衛官が海外に派遣される場合、その活動手当て(本俸とは別)は一日2万円だったものを引きあげることを検討しているという。
 たとえ政治の失敗で死んでも、戦死した自衛官にお金をいっぱいあげるからイラクに行きなさいと見えてくる。サラ金や闇金で過酷な取立てにあっている自衛官は、イラクに行って大金を稼いで来いとでも思っているのか。
 自衛官は「わが国の憲法を守り、法令を順守し、・・・・」(宣誓文)とある。石破防衛庁長官は、「ことに望んでは危険をもかえりみず」(宣誓文)ばかりを強調されるが、宣誓文の中の憲法を守る部分はどうなったのだろうか。今回のイラク派遣は、明らかに憲法を破っているように思うのだが、・・・・・。自衛官が戦場のイラクに行けば、本来は自衛官を守ってくれた憲法が、逆に自衛官を縛って戦死者がでるのは残念である。 
 米大統領の支持率降下 偽情報問題響く 政権、打撃回避に躍起 (読売 7月16日 朝刊) [要約]ワシントン・ポストとABCテレビの世論調査(14日)の結果、ブッシュ大統領の支持率は59%で、これは同時多発テロ以前と同レベルまで低下したことがわかった。これはライス補佐官が10日、イラクの大量破壊兵器情報は偽情報に基いていたと認めたことが影響しているという。またイラク駐留の米兵犠牲者が戦闘終結宣言以降32人に達し、これを52パーセントが「容認できないレベル」と答えていることや、米軍のイラク駐留期間も2年〜4年(フランクス前中央軍司令官)と長期化が避けられない見通しで、その費用も40億ドル(1ヶ月)と事前の予測の2倍になったことで、国民の間で不信感が広がりつつある状態だという。ワシントン・ポスト紙は、「来年の大統領選挙でブッシュ大統領が敗れたなら、ライス補佐官が偽情報を認めた7月10日を、初めて敗北の影がよぎった日になる」と報じている。

[コメント]ブッシュ政権の最大の弱点は、米国民が負ける戦争を強く嫌っていることを軽視していることだと思う。すでにイラク戦争が始まる前から、このイラク占領は長期の泥沼になることは予測できたはずだ。しかしイラク戦の素早い勝利で、国民のその不安を払拭できると読んでいた。その甘さが災いしてきたのだ。私は北朝鮮が崩壊しない限り、ブッシュ大統領が再選される可能性は極めて低いと思う。なぜから、アメリカが短期間でイラクの安定と復興ができるはずがないからだ。また駐留米兵の犠牲はさらに拡大することは確実だからだ。
 同じことは小泉首相にも言える。小泉首相はイラクに派遣される自衛隊員の犠牲を甘く見すぎている。もし次々と自衛隊員が遺体で送り返されれば、日本国民の怒りは小泉首相の想像をはるかに越えるだろう。これからブッシュ大統領が苦しむ思いと同じである。
 また野党もその責任から逃げることはできない。形ばかりの自衛隊のイラク派兵反対を表明しただけで、本気でこれを阻止しょうとする気がないことを国民は知っている。
 北朝鮮 核爆弾6個分プルトニューム抽出 核兵器製造、直ちに着手意向 8日の米朝非公式会談で米に表明 (読売 7月16日 朝刊) [要約]マクレラン米大統領報道官は、15日、北朝鮮が米国に(使用済み燃料棒の)再処理終了を伝えてきたことを明らかにした。またニューヨーク・タイムス紙(15日付)は複数の米政府高官の発言として、8日の米朝非公式会談(プリチャード朝鮮半島和平担当特使と北朝鮮・朴国連大使)で、北朝鮮が燃料棒の再処理を6月30日に完了し、核爆弾6発分の製造が可能になったと声明文を読み上げたと報じた。しかし直ちに核兵器を製造するかは明らかにしなかったという。米国の情報機関はこの声明について、真偽は明らかでなく、北朝鮮が新たなかけ引きに出た可能性があるという見方をしていると伝えている。

[コメント]これは北朝鮮にとって最後の駆け引きと思う。もし核兵器を製造すれば、核実験を行うことを意味する。また自国の核武装以外に、他国に核爆弾を売り渡す可能性があることを意味する。それらは明らかに自殺行為であるからだ。プルトニューム抽出は核武装ではない。しかし最も核武装化に近い行為ではある。さらにプルトニューム抽出はクリプトン85を空中に放出して、アメリカがその事実を確認することが可能である。(量は不明)。
 これが北朝鮮にとって最後の駆け引きになることは間違いない。そして中国の仲介で核兵器製造中止の見返りに、アメリカから体制の存続保障と経済・食糧・燃料の支援を約束させるのだ。これこそが金正日流の外交交渉術である。
 こんなミエミエのやり方がアメリカや中国に通用するだろうか。最近私は、KEDO合意はアメリカが騙された振りをして、北朝鮮の体制存続を行ったのではないかと疑っている。あの当時(94年)、韓国は最悪の経済状態だった。もし北朝鮮が倒れれば、韓国も共倒れする危険があった。そこで韓国を救うため、KEDOで北朝鮮の崩壊を食い止めたのだと。
 それを金正日は自分の外交戦の成果として誇示しているのではないか。そこでまた同じことをやっているのではないか。
 次はアメリカと中国の出かたである。今度もまた騙された振りをして、北朝鮮の内部崩壊に結び付けるのではないだろうか。中国や韓国はともかく、日本と米国が固く結びつけば北朝鮮が望むような要求は得られない。そのことを承知で中国は動いている。
 これで米、朝、中、韓、日本の多国間協議の開始は間違いない。
 最後にひとつ、北朝鮮はまだ核武装していない。そのように考えるから、以上の推測が成り立つのである。
 中国、北朝鮮に軍事支援条項 削減迫る 核問題解決に圧力 (産経 7月15日 朝刊) [要約]中国と北朝鮮の間には、「中朝友好協力相互援助条約」という軍事同盟(1961年締結)がある。この第2条は「自動的軍事介入条項」といわれ、「一方が他国から侵略され戦争になった場合、双方は義務として、あらゆる努力を尽くし軍事的およびその他の援助を提供する」とある。中国はこれを冷戦時代の遺物として北朝鮮に新条約の締結を求めている。しかし北朝鮮はこの条約改正に反対を表明してきた。ここにきて中国は北朝鮮に核問題の多国間交渉に応じる圧力として、この軍事支援条項の削減を迫ることを北朝鮮に打診した。この情報は中国の外交関係者が、韓国の外交関係者に明らかにしたもので、中国が北朝鮮の核問題の解決を急いでいると思われる。

[コメント]アメリカが北朝鮮に軍事攻撃が出来ない理由として、大きく分けて2つあると考えてきた。そのひとつがこれである。(もうひとつは北朝鮮が軍事境界性近くに配備した大量破壊兵器) もしアメリカが北朝鮮の核開発を理由に核施設を限定攻撃すると、中国は北朝鮮とアメリカの戦争に軍事介入に陥る可能性が高い。そのことが北朝鮮に大きな安心感を与えていたことは確かだ。逆に北朝鮮はこの第2条を削減されれば、アメリカ軍の前に丸裸にされてしまう。
 昨日、中国の胡錦濤主席の特使として訪朝した中国外務省の外務第一次官に金正日が会った。中国といえども外国の次官クラスに金正日が会ったことが異例である。このことは中国の圧力(多国間協議の開催)が北朝鮮にグイグイと効きだしたことを証明している。中国は6月1日から、中朝の国境付近に設置していた脱北者のチェックポイントを撤去し始めた。まるでベルリンの壁が崩れるような様相を見せてきた。
 中国にとって北朝鮮の存在が、安全保障上の防波堤の役割から、中国・東北部の発展を阻害する絶壁となり、食糧支援や燃料支援のように大きなお荷物(負担、足かせ)になってきたという自覚だろう。中国が覚悟を決めれば、北朝鮮の現体制の崩壊は早い。
 ところで昨日、ラジオの生放送で「もし北朝鮮が核武装したら、核武装しないという神浦さんは罰ゲームで眉毛を剃ってください」と言われた。そこで私の答えは、「何で北朝鮮の核武装で私が眉毛を剃るの。眉毛を剃るのは中国だよ。もし文句があるなら中国に言ってくれ」と叫んだ。あとあと考えたが、この言い方は当たっていると思った。そうだと思いませんか。
北朝鮮、核問題 中国、特使派遣か (朝日 7月13日 朝刊) [要約]アメリカのNBCテレビが11日、北朝鮮で使用済み燃料棒を再処理するときに発生する放射性ガスのクリプトン85を検出したと報じた問題で、中国は筆頭外務次官を特使として北朝鮮に派遣する。特使は日韓両国を交えた多国間協議を北朝鮮に促す。しかし北朝鮮が応じるかは不明。

[コメント]北朝鮮当局はアメリカがクリプトン85を検出できる装置を、平壌のロシア大使館屋上に設置していたことを知っていたはずだ。それを知っていて北朝鮮はクリプトン85を放出させた。これをあくまで脅しと見るか、本格的な核開発と見るかで対応は変る。またアメリカはこの時期になぜこのことを公表したのか。アメリカの情報の出方を見ていると、核爆弾を6〜8発製造可能とか、さらに45発が可能とか、核爆弾の大量貯蔵を予測させる情報と抱き合わせである。この情報の公開はアメリカが主導権を握っているので、アメリカの事情で情報は色づけされていると見る。ということはクリプトン85を感知したことは間違いないが、この時期の公表と色づけは、イラクの大量破壊兵器の未発見と関連しているのではないか。すなわちイラクへの関心を北朝鮮の核兵器開発に向けさせるためだ。
 北朝鮮はアメリカと交渉するには核兵器しかないと思って、いろいろと危機のレベルをあげてくるが、そのことでますます孤立化していく。特に中国の当惑振りには強いものがある。
 米海軍 新型トマホーク、実験に成功 発射後、標的の変更可能 (毎日 7月11日 朝刊) [要約]米海軍は新型の巡航ミサイル・トマホークの実験に成功した。実験はカリフォルニア州南部の海岸で実施され、沖合いの潜水艦から発射した。この新型ミサイルは従来のようにGPSとコンピューター制御の地図を使って誘導飛行するが、さらに飛翔途中に潜水艦や地上管制で目標を変更することが出来るようになった。また、製造価格も従来の半額以下になった。

[コメント]イラク戦争で使われたトマホークは、目標付近に来ると高度を上げ、市街地などの上空を2度、3度旋回して、それから目標に突っ込んで正確に命中したという。すでにイラク軍の対空火器は破壊されているので、イラク人に無気力感を味あわすための市街地上空での旋回である。だから、米軍の巡航ミサイルの攻撃は昼間になる。(逆にステレス機の空爆は目視による探知を避けるために夜間限定となる)。
 今回の実験が潜水艦発射式なら、グアムに新しく配備された潜水艦に真っ先に搭載されるだろう。アフガンの山岳地帯に潜んだアルカイダやビンラデイン、イラクの砂漠に潜むフセイン大統領で初戦果をあげ、世界にこの新型ミサイルをお披露目したいと思ってるはずだ。それにしても価格が半分以下にするとは、安価なGPS爆弾に対抗して値段を大幅に下げたのだろう。
 これでますますアメリカは戦争がし易くなる。戦争による被害が限定できるので、戦争開始の敷居が下がったのだ。
 お知らせ! (7月10日)  本日、急用のため、「軍事通信報告」と「メールにお返事」だけ更新します。ごめんなさい。
 イラク「派兵」と日本 「危険」覚悟の国際貢献 (毎日 7月9日 朝刊) [要約]先崎一・陸上幕僚長はイラク派遣に「新たな分野にチャレンジする気持ちで取り組む」と語った。これは冷戦後、北海道の戦車1000両配備など、対ソ構造から脱却(改革)することを拒んだ陸自の体質に、海外派兵が嫌なら存在価値はないという批判をかわすためだ。さらに陸自は実質の定員増を求めている。これは国際貢献や災害派遣、それに対テロなどの治安活動で兵員数が足りないからだ。そのために陸自は犠牲が出てもイラク派遣に応じる姿勢に転換した。これに対して、防衛庁は「派遣部隊に無理はさせない。安心して任務が遂行できるようROE(交戦規定)の作成を約束する」と答えた。ROEに従って武器を使用し、人を殺傷しても政治が責任をとり、自衛官は罰せられないという意味だ。このような陸自の転換は、組織の生き残りを懸けた苦渋の選択だった。

[コメント]政治家や防衛官僚は、自衛隊員であれば戦争で死ぬのは覚悟の上と考えているのだろうか。それとも普通の軍人であれば、戦場に行くのは当然の義務と考えているのか。陸自はそのような思想を受け入れたのか。どこか根本のところが狂いだした。単純にROEだけを定めても、派遣される自衛官は砂漠での戦闘を想定した訓練を受けていない。砂漠仕様の装備もない。戦場で適応させる法整備も行われていない。隊員には撃たれたときにショックや苦痛を和らげるためのモルヒネも準備されないだろう。(麻薬取締法違反)。
 戦場に向かう時は武器だけを手にすればいいのではない。死に値する使命や名誉も必要である。戦場という過酷な環境にあう法整備も必要だ。それがないのに軍隊という組織が、組織の生き残りだけのために、組織の一部を犠牲にしては絶対にいけない。軍事組織は自ら戦争を求めてはいけないのだ。なんだか戦前、戦中の旧軍のようになってきた。
 昨日、米軍の気持ちになって考えてみた。・・・・とにかく陸上自衛隊には、これからも米軍が戦う戦場に常にきて欲しい。今回のイラク派遣は今までのタブーを破る象徴的な意味がある。そのために、自衛隊にはバグダッド空港など、厳重に警備された地域内のみで働いてもらう。反米勢力との戦闘が予測され、危険な地域には一切出さないように配慮する。もし自衛隊員がイラクで死ねば、日本で自衛隊を一切戦場に出さないという世論が起こる危険があるからだ。今回は派遣された自衛官全員を無事返して、なんとしても次の戦場に結び付けたい。陸自のイラク派遣を、日本のタブーを破る前例とすることが最重要の課題だ。・・・・米側はそのような考えで日本側と交渉するだろう。これって何だか変ではありませんか。
 今回のイラク派遣に反対する私が特別に異常なのだろうか。なぜ日本は平和貢献ではいけないのか。世界の人に自衛隊が平和貢献できることを知ってほしい。
 混とんイラク派兵 世論対策に各国苦慮 実施または決定 既に1万5千人 (毎日 7月8日 朝刊) [要約]米国はイラクの戦後復興や治安維持のため、世界にイラク派兵を要請している。イラク派兵を決定した国は30カ国で1万5千人にも上り、すでに14カ国がイラク国内に展開している。しかしイラクで大量破壊兵器が見つからないことや、米兵への襲撃事件が頻発していることから、多くの国で疑問の声が出始めている。イラクに派遣した政府は、派遣理由を説明し国民を説得させることに苦慮している。米国はできるだけ多くの国が、「米国ともに行動する」ことによって、イラク戦争の認知を求めているようだ。

[コメント]本日届いたメールによれば、石破防衛庁長官は北海道の講演で、自衛官には入隊時の宣誓で、「命じられれば、危険をもかえりみず、国民の負託に答える責務(義務)がある」と語ったそうだ。そのように防衛庁長官が話さなければいけないほど、自衛隊に危機意識が高まっているのだろうか。日本を外国からの侵略から守ることに対して、自衛官は命をかえりみないことを誓った。しかし今度のイラク戦争で、自衛官が命をかえりみない責務があるのだろうか。これがシビリアン・コントロールなのか。
 かつて自衛官の3佐が、「もしカンボジアで部下を死なせたら、私は業務上過失罪になるのか」と心配したと聞いた。もしイラクで戦闘に巻き込まれ、部下が勝手に逃げ出そうとしたり、命令を拒否した場合、その自衛官はどのような罪名で裁かれるのだろうか。またイラク派遣を拒否した自衛隊員はどのようになるのか。まさにこれこそが有事法制である。このことを理解して有事法制を審議した国会議員がいたのだろうか。
 今後、自衛隊のイラク派兵は世論の厳しい非難に曝される。まるで派遣される自衛隊が悪いようにいう人もでてくるだろう。しかし今回のイラク派遣は、間違いなく与野党を含む政治家の責任である。
 フセイン政権崩壊3ヶ月 「米軍襲撃」国作りに影 銃撃戦、市民生活に支障 (読売 7月7日 朝刊) [要約]フセイン政権が倒されて9日で3ヶ月になる。独裁政権から解放されたイラク国民は自由を謳歌しているが、米軍襲撃は連日のように発生し治安回復は進んでいない。襲撃は組織的、計画的なものが増えてきた。米英軍は3波にわけて掃討作戦を行い、800人以上を拘束した。モスクの説教師の中には、「米軍は異教徒の占領者だ。占領者を追い出すのはイスラム教徒の義務だ」と聖戦を訴える者もでてきた。しかしイラク人に政権を引き継ぐプロセスは進んでいない。イラク人の不満や怒りが高まってきている。

[コメント]イラクが無政府状態になりつつある。その中で、フセイン政権残党(バース党員、サダム挺身隊、共和国防衛隊)が復活を試みているのだろうか。これにイスラム教徒Vs異教徒という対立が高まれば、さらに事態は深刻になる。今のイラクでは、探すより隠れるほうが有利である。襲撃を仕掛けるほうが守る側より有利である。まさに治安は悪化する一方である。
 これをイラク人の自立心不足と非難する人がいる。イラク人自身が復興に意欲的でなく、なにか人任せのように積極性がないことが、イラクの治安回復を遅らせ混乱を招いている元凶という意見である。なんとも都合のいい責任回避論だと思う。イラク人が水道管に穴をあけて水を盗むのは、そうしなければ生きていけないからである。単純なイラク人無気力説は、蛇口をひねれば、お湯や清潔な飲み水が出てくる国の発想である。
 最大の治安回復法は、住民の生活を安定させることである。武装した兵士が家々をまわって銃を見つけ、容疑者を拘束することではない。幼児に粉ミルクを配り、病人には薬や治療を行う援助である。仕事のない人には仕事を与え、過去に関係なく平等に扱うことである。その地域住民の生活を安定させる能力が米軍にはない。
 自衛隊がイラクで給水活動を行う。しかしその水が、付近の住民ではなく米軍に優先的に配給されれば、イラク人の怒りを買うことになる。しかし住民に配給すれば、こんどは米軍の支配に反対しているものたちが、米軍の宣撫工作と攻撃してくる可能性がある。またイラクで水を販売したり、輸送するものが仕事を失うことになる。日本政府はどこまでイラク人のことを考えているのだろうか。(地図は本日の読売新聞に掲載されたもの)
 ロシア ロック会場で自爆テロ 15人が死亡 チェチェン