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露が新型ミサイル実験 中国が軍事偵察衛星2個同時打ち上げ (読売 7月31日 朝刊) [要約]ワシントン・タイムス(30日付け)は米情報当局筋の話しとして、ロシアが2週間前に飛行の最終段階で軌道を変化させる長距離ミサイルの発射実験行ったと報じた。実験はSS25型ミサイルを数千キロ離れたカムチャッカ半島にむけ発射、このミサイルは弾道ミサイルと異なり、飛行の最終段階で推進力が加わり、巡航ミサイルとして高度3万メートルの大気圏を飛行した。このエンジンには(気圧が薄い超高度で)、超音速気流で推進力を得る「スクラム・ジェットエンジン」が使われたテストのようだった。

 また香港紙の「太陽報」は北京の消息筋の話しとして、27日の朝、甘粛省酒泉付近の軍事基地から、警戒管制衛星「先鋒7号」と、ハイテク偵察衛星「世紀1号」を,同時間に同じ場所から打ち上げたと報じた。中国が同時に衛星2個を打ち上げたのは初めて。

[コメント]ともにブッシュ政権が推し進める「MD(ミサイル防衛)」に対抗するためのミサイル実験である。ロシアは弾道ミサイルが最終段階で軌道を変更できることによって、MDの迎撃データ―を不能にさせるのが目的だ。ロシアには、おとり、多弾頭、それに超高速巡航ミサイルが、最終段階迎撃対抗手段に加わった。アメリカのミサイル防衛の傘を、破れ傘にするための実験だ。また中国の同時発射は、ミサイルが上昇段階中に破壊されることを不能にするために、同時に発射して迎撃率を下げるのが目的だ。むろん実戦なら広大な中国の領土を活用し、数十の弾道ミサイルを違った場所から,同時に発射することも可能である。そのような中国の核戦略に対抗するためには、アメリカは大量の迎撃手段を宇宙に配備する必要に迫られる。費用対効果(コストパフォーマンス)を考えれば、アメリカのMDはすでに壊滅されたことになる。アメリカで民主党あたりから、反MDの声が段段と高くなるのは間違いない。まずは米科学者連盟あたりから、MD非難の声が上がるだろう。かつてレーガンのスターウォーズ計画(SDI)が挫折した同じ軌跡を、ブッシュ政権のMDも歩むのだろうか。それにしてもアメリカのMD潰しに、中露が互いに協議して効果的な実験を分担しているのは間違いない。写真は1985年11月に別冊「サイエンス」(日本経済新聞社刊)に掲載されたSDI(戦略防衛構想)の論文(訳)集。当時もSDI構想の危うさを米科学者が指摘していた。ロシア当局は,このワシントン・タイムスの報道を否定した。ワシントン・タイムスの報道は、誤報が特に多いのも事実である。要注意!
夏休み休暇のお知らせ  7月26日より7月30日の5日間 、夏休みのためにホームページの書き込みを休止します。
ネパール政府と毛沢東主義派 停戦発表,和平交渉へ。(読売 7月25日 朝刊) [要約]ネパール政府と同国の極左武装組織・ネパール共産党毛沢東主義派は、23日にいずれも停戦を発表した。毛沢東派のダハル議長は、同派戦闘員の解放と行方不明者の確認を求めた。

[コメント]これでネパール政府が再びインドとの関係を凍結し、中国寄りの外交姿勢をとる可能性が強まった。またネパールの地方警察も、同派の警察署襲撃で多数の死者と行方不明者を出し、毛沢東派には恐くて手出しできない状態になった。同派の勢力が飛躍的に拡大するだろう。むろん毛沢東派と中国政府は一枚岩ではないが、武器や弾薬など中国の関連機関から提供されているのは間違いない。結局、皇太子の王族射殺事件は、皇太子がインド系勢力の女性に恋心を持ったことで、ネパール皇族からインド派を追放したことになった。写真はカトマンズから東方120キロ離れたラケダダ村に集結し、整列する毛沢東主義派の兵士。読売新聞より。
ミャンマー 中国、進出に躍起。インフラ整備、軍事技術支援 インド洋への通路確保狙う (読売 7月24日 夕刊) [要約]中国のミャンマー進出は中国の改革・開放に伴い、あらゆる中国製製品がミャンマー市場にあふれている。国際通貨基金(IMF)の調査では、96年から97年の1年間にかけて、中国からの輸入は1億2700万ドルで国境貿易額の5割を超えている。中国国境からミャンマー南部にかけては、イラワジ川流域で道路建設が進むんでいる。これらは中国の無利子借款や中国からのプラント輸出で、中国がいなければミャンマーの経済が成り立たないほどだ。軍事面でも、国際戦略問題研究所(ロンドン)の報告書では、中国は90年代に地対空ミサイル、戦闘機など総額10〜20億ドル分の兵器を供給している。これらは中国がインド洋に進出する足がかりにする戦略があると見える。

[コメント]だんだんと面白くなってきた。海軍力が弱い中国が、東南アジアに進出するのはメコン川ルート。南アジアからインド洋に出るのはミャンマールート。中東に出るのはパキスタンルートと、いずれも陸上3ルートと,私が予測していたのは、このホームページをご覧の方ならご存知の通りである。この記事によれば、こんどはインドが中国のミャンマー進出を警戒して、ミャンマーとの関係構築に動き出したという。さらに日本も中国やインドとの関係にクサビを打ち込むように、大規模発電所開発に援助の方針を決めたようだ。しかし天安門事件で国際的に孤立して、ミャンマーとの関係強化に取り組んだ中国の優位は動かない。
ネパール毛沢東派が警察署を襲撃 警官15人を殺害   (CNN 7月23日 CNNカトマンズ) [要約]ネパールで共産党毛沢東主義派は22日、同国西部の村にある警察署を襲撃し、警官15人を殺害した。ネパールではこの日、テロ激化などの責任を取って辞任したコイララ前首相に代わり、デウバ首相が任命されたばかり。首都カトマンズから西に約600キロ離れたバジュラ地区の警察署が襲われた。ネパールでは、6月に起きた王族射殺事件の後、混乱に乗じて毛沢東派が反政府活動をエスカレートさせ、この数週間で数十人の警官を殺害している。 デウバ首相は就任に際し、毛沢東派への対応を最優先課題と位置付けていた。

[コメント]ゲリラはコイララ前首相が辞任すれば、交渉に応じると政府に伝えていた。しかしデウバ新首相が就任と同時に警察署を襲ったなら、テロ活動は激化する可能性がある。この種のテロ活動には、特殊訓練を受けた部隊しか対応できない。普通の警察組織の力では沈静化は不可能である。ところで中国は何か声明をださないのか。公式声明を出さないと、テロ組織の背後で中国が操っている疑われる。インドとの代理戦争をネパールでやる気なのか。ネパールにいる英軍顧問団にSASあたりが、小さい火のうちに消そうとして、逆に大火事にする危険もある。ネパール国民の民度が知りたい。
札幌の中学生が自衛隊で職業体験 戦車搭乗や機関銃に触った (毎日 7月23日 朝刊) [要約]来年度から中学校で完全実施される「職業・勤労体験」。すでに全国の中学校で学校行事に取り入れているが、昨年度に「自衛隊」を選んだ中学は402校で、自衛隊では中学生を戦車に載せたり、機関銃に触らすなどの例もあった。職業体験した札幌の中学校の校長は、「思想や政治とは関係ない。自然の流れのなかで問題はない」という。札幌市教育委員会の担当部長も、「安全が確保されていれば、戦車や兵器に触れることは問題ない」と語った。しかし教育問題に詳しい大学教授は、「子供たちに兵器を持たせると戦争がかっこいいと思わせる危険があり、非常にまずい」と語っている。

[コメント]数年前、朝霞駐屯地で行われた中央パレードのとき、パレード終了後に駐屯地の一角で武器の展示が行われた。折りたたみのテーブルの上に、小銃や機関銃などが並んでいた。大勢の人ごみの中で、その前に長蛇の列で人が並んでいる。誰もが本物の軍用銃に触れてみたいのだろう。もちろん銃には弾は入っていないし、銃は鎖でテーブルと結ばれている。きちんとやっているなと思い、横にまわって写真を撮ろうとすると、制服の自衛官が飛んできた。手を広げて、「写真は撮らないでください」という。「何で?」と聞くと、「そうするように命じられています」と答えた。テーブルの方を見ると小学生や中学生の一団が、銃を構えたり、照準器を覗いている。この光景を写真に撮られ、「赤旗」編集部に持ち込まれたら、駐屯地の責任者は釈明の記者会見で冷や汗をかくことになる。それを警戒しているのだと感じた。でもこんなに多くの人ごみの中で、写真を禁止するのは不自然と感じた。多くの人は、だったら自衛隊はそんなイベントをやらなければいいと思うだろう。しかし、毎回、これが楽しみでパレードに来ている人もいる。そのような人気企画を、赤旗が恐いから止めましたでは、部下から駐屯地司令のモラル(志気)が疑われる。危険はないから、広報活動のためにはぜひやりたい。しかし正論で挑まれると自衛隊側の分が悪い。(警察が警察広報館を訪れた見学者に、弾を抜いて、鎖のかかった実銃に触らせるわけがない) そんなジレンマが自衛隊側にはあるようだ。中学生に戦争で人を殺すことを目的とした銃に触らせていけないという意見。その一方で、戦争になれば国民を守るために、この銃で自分の命をかけて敵と戦う(敵兵を殺す)ことを目的とした自衛隊。そんな異質なふたつ文化を、同じ鍋でごったに煮てはいけないのだ。この問題の解決策としては、中学生の目的が「職業体験」にあるのだから、自衛隊の仕事を理解してもらうのを重視して、機関銃や戦車の搭乗(試乗)は止めるべきだと思う。自衛隊は何のために存在し、どんな仕事をやっているか、そんな説明と見学で十分ではないか。サービスしたい気持ちもわかるが、戦車の搭乗(試乗)は、駐屯地開放日などの機会にできる。中学生の中には、自衛隊や兵器に嫌悪感を持っている人もいると思う。そんな生徒でも自衛隊の「職業体験」に参加して、正しい知識をもってもらうほうがより重要だ。銃や兵器マニアのための、自衛隊の「職業体験」にしていけない。これから自衛隊は中学生の、「職業体験」に一定もガイドラインを作る必要がある。現場にまかすには荷が重い。この記事の中で、「大阪で起きた小学生殺傷事件の犯人は、自衛隊でナイフの使い方を教わった人間の犯罪だった」という意見は、偏見も著しい。剣道をならうのは、人を切り殺すためだと言う同じ理屈である。馬鹿馬鹿しいほど程度が低い。
インドネシア 弾劾総会きょう開始 ワヒド大統領「非常事態宣言も」(朝日 7月21日 朝刊) [要約]インドネシアの最高意思決定機関である「国民協議会(MPR)」は、ワヒド大統領の弾劾を求める総会を始めることを決めた。これはワヒド大統領がMPRの同意なしにカデルディン国家警察副長官を長官代理に指名したことに反発して、来月8月1日から始める予定だった弾劾総会を早めたものである。ワヒド大統領は本日にも、文民非常事態宣言を出し、弾劾総会を阻止する可能性がある。ワヒド大統領とMPRが激突する様相を見せてきた。

[コメント]昨日、首都ジャカルタに住む友人がヨット・ハーバーに訪ねてきた。彼は現地の日本商社で働いている日本人だが、興味深い情報を教えてくれた。それはワヒド大統領とメガワティ副大統領に対する警備状況である。それぞれの公邸や私邸には装甲車が配置されて警戒しているが、ワヒド大統領宅には数台が警戒しているだけだが、メガワティ副大統領宅には、大量の装甲車が列をなして厳重に警戒しているそうだ。そんな光景から、もはや軍や警察はワヒド大統領を見限り、メガワティ副大統領の擁護といのは、市民の目から見ても確実だと言う。だからワヒド大統領弾劾では、すでに大統領派が孤立しているので、大量流血の騒動は避けれるのではないかという。ただしメガワティ大統領が誕生すれば、再び軍の力が拡大し、強硬な民族主義が高まる可能性が高いという。このように現地情報では、装甲車の配備数だけでも、政権の推移が予測できるほど価値がある。友人は数日中にジャカルタに帰国する。彼は軍事の専門家ではないが、今後は現地ジャカルタの状況を報告してくれることになった。彼のジャカルタ情報に期待してください。(写真は国家警察長官代理に任命されたカイルディン氏に祝辞を述べるワヒド大統領。朝日新聞朝刊より)
田中外相 「米ミサイル防衛支持」(各紙 7月20日 朝刊) [要約]田中外相が訪問先のチェコで地元テレビに出演し、「(米ミサイル防衛は),世界には41のならず者国家が存在する。核拡散の見地から言えば、私たち日本人はやはり支持だ」と語ったことがわかった。日本政府の「米ミサイル防衛を理解する」から踏み出したことになる。

[コメント]米ミサイル防衛で最大の問題になっているのは、ABM条約が破棄され、核兵器軍拡競争が再開することである。もし41のならず者国家(アメリカに敵対する勢力)がアメリカを攻撃すれば、アメリカは通常戦力(非核兵器)で十分すぎる報復力をもっている。中露(特に中国)の核兵器には、アメリカが対抗できないので、ミサイル防衛で不安を解消しようとしているのだ。このあたりの基本認識が田中外相にはないようだ。ならずもの国家にミサイル防衛で対抗するというのは、アメリカの調子のいい勝手な詭弁である。やはり田中外相の訪米で、ライス補佐官と会談中に、予告無くブッシュ大統領と副大統領が部屋に入ってきた心理作戦が効いているのではないか。政府に田中外相にきちんと状況(軍事常識)を説明できる人材はいないのか。田中外相の環境は、非常に危険な状態になっている。老獪な外務官僚の落とし穴に落ちてしまう。
在韓米軍基地 10年以内に半減 米韓合意 韓国通信社が報道(読売 7月19日 朝刊) [要約]韓国の連合ニュースは、米韓の協議で在韓米軍は2011年までに基地や訓練場など1万3千ヘクタールを段階的に韓国に返還し、新たに韓国が250ヘクタールを提供することに一致したと報じた。今年11月の定例安保協議会(ワシントン)で合意文書を締結する予定。これにより在韓米軍の規模は現在の半分程度になる見通し

[コメント]納得できる報道である。この情報の信頼性は高い。特にソウル首都圏の米軍基地などが返還予定に入っているようだ。当然である。もし東京のど真ん中にある青山あたりに,米軍専用のゴルフ場があれば腹が立つだろう。ソウルの繁華街そばにそんな米軍ゴルフ場があると聞いたことがある。(10年ぐらい前)。有事の際にゴルフ場の軍事活用は知っているが、もはやそんな思考が通用する時代ではない。私が興味があるのは,残った半数の米軍戦力の中身である。それと新しく提供される土地の場所と施設だ。特に38度線付近に張り付いている「米陸軍の1個師団(27500人)」がどの程度削減されるか。最新の軍事常識では、その司令部機能だけを残して、全面撤退も可能である。そこまで米韓が踏み切るかどうかだ。それで米軍の新しい東アジア戦略はほぼ読める。他にもいくつかの削減案が考えられるが、どのような東アジア戦略かで選択が決まる。逆に選択した案で新戦略が読めるというわけだ。今年の11月に合意される文章の中身が楽しみだ。ところで本日は、雑誌の「日本のシーパワー(海軍力)」の原稿書きで缶詰。ちょっと涼しいので、窓を全開にして集中。それにしてもここ20日間は暑かった。東京は連日35度クラスの猛暑。これも温暖化の影響?。写真は韓国に駐留する米陸軍第2師団の訓練風景。
政府 対中ODA削減方針 軍備増強を理由に (毎日 7月18日 朝刊) [要約]日本政府は来年度中国向けODA(政府開発援助)を、大幅に削減する方向で調整に入った。日本のODA総額は1兆4000億規模で世界一。そのうち対中国援助は毎年2000億程度で、インドネシアについで2番目の規模。ODA全体の13パーセントを占めている。削減の理由は、(1)国防費が13年連続で二桁の伸び。(2)高度経済成長が続いている。(3)中国が他の途上国を援助している。としている。

[コメント]実際のODAには3つの目的がある。ひとつは開発資金が足りない途上国を援助して、新たな経済基盤や生活環境の向上を助ける。ふたつめには、ODAを与えることで日本に有利な国際環境をつくるという外交手段の一種。三つめは、日本の政治家やゼネコンなどの企業がODA資金に群がり、キックバックや工事の受注で利益を得るという目的である。しかし中国については軍備増強がどうのというより、この3項目(特に後の2項目)が満たされなくなったので、政治家や外務省はODA市場として中国の魅力を失ったのであろう。そして小泉改革でODAにも削減のメスを入れる必要に迫られてきた。だから政治家や外務省は既得のODA利権を守りために、中国への13パーセントにメスを入れることにしたのだ。しかしODAそのものの悪臭は、まだまだ霞ヶ関で臭っている。日本の政治は国家予算をばらまいて、票(選挙)やキックバック(賄賂)という構造を変えない限り、経済力や国力が回復するどころか衰退の一途をたどることになる。ODA汚職と比べれば機密費横領なんて常習の万引きみたいなもの。だからわかりやすい犯罪なので、機密費横領やハイヤー水増し詐欺に国民が怒るんだろうが・・・・。ところで日本のODAについては、核兵器開発を行っている国(核兵器保有国)には援助しないとはっきり公言すべきだ。
中ロ関係強化は「脅威ではない」 米国務省報道官 (CNN 7月17日 CNN.CO.JP) [要約]米国務省のバウチャー報道官は、ロシアと中国が「善隣友好協力条約」を締結したことについて、「特別の脅威とは考えていない」と述べ、静観の姿勢を示した。 バウチャー報道官は、「善隣友好協力条約」については、「友好条約であって、同盟の条約ではない」と指摘した。(米中ロの3国関係が)ゼロサム・ゲームだと思ったことはない」として、「対米包囲網」との見方を否定した。

コメント]対米包囲網でないことは認めるが、この条約がアジアなど周辺諸国に与える影響を聞いてほしかった。自国経済が破綻状態のロシア、13億の人口を抱え地域格差に悩む中国であっても、北京オリンピックなどで国民の意識がまとまれば、周辺諸国には恐い存在になる。特に、日本、インド、ベトナム、韓国などは、つい身構えてしまうほどインパクトがある。旧ソ連の軍事力の主力はヨーロッパ方面に向いていたが、中露の軍事同盟は日米安保に向かって正対する可能性がある。日本では「特別の脅威にならない」と断言するわけにはいかない。
中ロ 友好条約に調印 戦略関係を発展 米をけん制 (毎日 7月17日 朝刊)  [要約]ロシア訪問中の江沢民・中国国家主席はプーチン大統領と、中露の基本条約になる「中露善隣友好条約」に調印した。弾道ミサイル迎撃網の反対、ABM制限条約の堅持、宇宙兵器の配備禁止など、米国のMD推進に反対する強い姿勢を表明している。この条約は80年に失効した「中ソ友好同盟相互援助条約」に代わるもの。

[コメント]これは米国に対するワルシャワ条約に匹敵する同盟内容である。この中露の関係で恐いのは、アメリカの宇宙軍拡や一極支配に反対と声を上げることではない。ロシアのハイテク軍事技術が中国に流れ、中国の旧式兵器が一新することである。すなわち将来において中国軍が、ロシア軍の最新兵器で武装することだ。アメリカは中国から飛来する弾道ミサイルだけを心配しておけばいいかもしれないが、日本はこれから東シナ海で活発に動き回る中国駆逐艦や、対馬海峡や西太平洋のオイルライン(シーレーン、石油輸送海路)の中国潜水艦が心配事になる。東シナ海上空で中国空軍のSu−27戦闘機が空中給油訓練を行えば、日本は深刻な軍事的な緊張に襲われる。そのような場合、沖縄の米軍はフイリッピン,シンガポールなどに分散するか、ハワイ,グアムのラインに後退するだろう。もはや日本は日米安保にだけ寄りかかるのは危険である。日米安保が機能している今のうちに、日本流の安全保障を選択し準備する必要がある。許容時間は10年程度と考えている。写真はロシアに到着した江沢民主席。ロシアは中国に経済援助を期待し、中国はロシアから軍事援助を期待している。
米 ミサイル迎撃実験成功 配備計画加速 中ロは反発 (朝日 7月16日 朝刊) [要約]今回の実験では、カリフォルニア州のバーデンバーグ基地からミニットマン2改良型ICBMを太平洋上に向かって発射、21分後に7725キロ離れたマーシャル諸島クエジェリン実験場から迎撃体(54キロ)を搭載したミサイルを発射した。迎撃体は飛来したミサイルのうち、おとり風船と弾頭を識別して迎撃に成功した。次回実験は10月の予定。中ロは配備の強行に反発している。

[コメント]やっと朝日新聞が,真の狙い「中国封じ」の見方があると書いた。米ミサイル防衛は「ならずもの国家」に対抗するという米政府の説明では、この核戦略大転換の本質が見えてこない。すでに私は「非対称」という言葉で、中国とアメリカの核戦略がアンバランスな関係にあると説明した。じつはアメリカはそのことが本当に恐いのである。それにブッシュ政権がMDの配備を急ぐのは、2004年の次期大統領選挙を意識しているからだ。今、アメリカ国民に強いアメリカを意識させれるのは、このMDの新たな配備によって、「幻想」であっても核戦争の脅威から、自国が守られたという安心感を国民に与えることである。それを2004年大統領再選選挙の最大の武器にしたいのだ。むかし中国で万里の長城を築けば、外敵は攻めて来れないと幻想を持ったのと同じことである。だが核兵器の運搬手段は弾道ミサイルだけではない。漁船に核弾頭を積んで大洋を渡り、港でトラックに移し換えて米国内を移動し、ワシントン市内で核爆発は起こせるのだ。核戦力を強化して核戦争を抑止するという発想ではなく、核戦力を削減する方向を探るほうが、核戦争を抑止できる効果がはるかに高いと思う。それからちょっと気になったが、今回の実験の想定は甘すぎる感じがする。迎撃するおとりと弾頭を簡単に見分けるために、なにか仕掛けをしたような気がしてならない。CNNはおとりをひとつに限定したり、あらかじめ赤外線データ―を入力して、今回の実験は識別を容易にしたと報じている。本来米軍というのは、ミサイルギャプ(ソ連の人工衛星初成功)のときもそうだが、脅威を誇大の宣伝したり、自己の採点を甘くして大成果(湾岸戦争)と公表する傾向が強い。今回もちょっと甘すぎる感じがする。写真は今回の迎撃実験で使われた迎撃体の原寸模型。
中国 1国2制度 台湾の軍隊保有容認 7項目提示 (毎日 7月15日 朝刊) [要約]中国の銭副首相が台湾統一党(野党)の訪中団に明らかにした7項目は、台湾通貨の使用、台湾軍隊の保有、単独関税区、政府機構の維持、台湾資金の不使用、人民の財産保全、人事権の保障、となっている。特の台湾独自の軍隊の保有を認めたことが注目される。台湾では「1国2制度」を受け入れる割合が、99年12月のマカオ返還時の12パーセントから、先月には31パーセントに増加している。(台湾の有線テレビTVBの調査)

[コメント]台湾政府はこの後も存続していい。税金も独自に徴収していい。政府の役人は大陸から派遣しない。台湾の通貨も今のままでよい。むろん台湾の人が保有している資産は保障する。その上、独自の軍隊を持つことも容認するという内容である。香港やマカオより、はるかに穏やかな1国2制度である。この7項目提示と北京オリンピック開催を重ね合わせると、台湾問題は他国がとやかく言う前に、穏やかな自然消滅(自然統合)するのではないか。今から23年前、私が初めて研究会の講師に招かれたのは、東京に住む「台湾系・華僑のグールプ」の人たちだった。テーマは、「中国軍の台湾侵攻はあるか?」だったと記憶している。当時は当時なりに、中国軍の台湾軍事侵攻がまことしやかに語られていた。私は年配の方々に、「軍事侵攻はありません。むしろ中国として、柿(台湾)が熟して(経済成長して)落ちてくる(統一)作戦をとると思います」と話した記憶がある。当時も今でも、中国軍に台湾軍事侵攻の能力がないと証明するのは簡単だが、台湾の経済成長後に非軍事的手段で統合すると分析したのは、戦争中に中国で諜報活動をしてきた父の中国人観が影響したと思う。父は生々しい戦争の話しはしなかったが、中国人の頭の良さや意志の強さ、それに根気のよさなどをよく話してくれた。(大陸民族が持つ欠点も) そのような父の中国人観を聞いて、中国人は柿が熟し落ちるのを待つ民族と考えたわけだ。この7項目提案を読んで、中国政府首脳クラスが「まさに機は熟した」と判断したと想像した。これで朝鮮半島問題、台湾統一問題が一気に動き出す気配がする。日本も早く経済を立て直し、激変する近隣の国際環境に対応しなければ、周辺地域から孤立し取り残される危険がある。
2008年 5輪 北京に決定 (各紙 7月14日 朝刊)  [要約]2008年のオリンピック開催都市が北京に決まった。中国国内は大きな喜びに湧き上がっている。これで中国が国際社会に認められたと歓迎しているのだ

[コメント]このような大ニュースが流れるときは、その陰で重大な事実が進行する。本日14日深夜(アメリカ時間)に、アメリカの第4回目の弾道ミサイル防衛システムの実験が行われる。ブッシュ政権は敵のミサイルが上昇段階、飛翔(中間)段階、終末段階にわけて、多層迎撃できるシステムをつくると公表した。またABM条約に抵触することを認めた上で、アラスカに実験施設(将来は司令部施設)の建設を開始しょうとしている。ブッシュ政権はMDの推進で強いアメリカを演出し、再選を目指す次回の大統領選挙(2004年)で、自分に有利な体制を築こうとしているのだ。もし今日の迎撃実験に失敗すると、ブッシュ政権は深刻な影響を受けることになる。しかし万一失敗してもいいように、すでに次回の実験(第5回目)は10月と公表している。毎日新聞はロシアの「独立新聞」の記事を引用して、米国が14ヶ月以内に17回のMD実験を行うことをロシアを含む各国に通告したと報道した。写真は2008年開催地・北京決定を祝う北京市民と花火。CNNホームぺージより。
米 ABM条約抵触へ ロ・同盟国に衝撃 米「一国主義」鮮明に(朝日 7月13日 朝刊)  [要約]米国防省のウォルフォビッツ副長官は、ミサイル防衛網開発で数ヶ月以内にABM条約に抵触することを認めた。しかしロシアにABM条約の改善を求める一方で、同条約を破棄する構えも示した。ロシアは反発すると同時に、欧州や中国との連携で牽制するという。

[コメント]ついに確証破壊戦略(MAD)は破滅する時代がきたようだ。戦略核兵器の多弾頭化と大量配備、宇宙戦争時代の始まり、復活する大量報復戦略、人類を核戦争で滅亡させる危機が高まっていくのは必至だ。アメリカは核の傘を広げるつもりかもしれないが、その傘は未完成だし、決して完全なものではない。ぎりぎりまで緊張感を高め、寸前のところで妥協して要求したものを得る作戦なのだろうか。そんなチキンレースで何が得たいというのだろうか。それともブッシュ大統領の苦手な外交政策が裏目にでるのか。軍事常識では考えられない不安定(アンバランス)が、世界(地球)を覆いつくそうとしている。まさにロンドン軍縮条約(1930年)が,1936年に自然失効し、1937年のシナ事変から大東亜戦争の時代に突き進んだ世相が繰り返すのか。
首相「緊急マニュアル」を作成 (読売 7月12日 朝刊)  [要約]政府は首相用の「緊急対応マニュアル」を作成した。首相官邸,公邸、国会、外出先、海外公務中など、首相が急病で倒れた時に、担当医や連絡先のリストのほか、報道機関への対応などを決めている。内容は非公開で秘書官が携行する。昨年4月に小渕首相が公邸で脳梗塞で倒れた時、入院に自家用のライトバンを使ったり、病気を隠すために虚偽の報道を行ったことの反省で作成された。

[コメント]えぇ、まだ作成されていなかったの。確か、首相が地方(海外)に行く場合は、地元の病院にベッドを用意して、医師が待機するという話しを聞いたことがある。まあその程度のことだったのだろう。小泉首相は聖域なき改革を行うという。もし改革が実行されれば、既得権益を失う旧勢力が、刺客(この種の馬鹿はどこにでもいる)を差し向ける可能性がある。その刺客が使う武器は旧式な刃物や拳銃とは限らない。もし首相がテロで重症を負ったら、その場で輸血やショックを防ぐモルヒネを射つぐらいの準備は必要である。私はときどきバイクに乗って国会図書館に行くが、その時にすぐ近くをSPに守られた首相(小泉首相ではない)の車とすれ違ったことがある。私の250CCのバイク(ホンダ・フリーウェー)には、3個のヘルメットを収納できるスペースがある。爆薬の威力をご存じないSPの方は気が着かないだろうが、これってかなり恐いことなのだ。以上。
米国防総省、ミサイル基地の今夏中の着工を目指す (CNN 7月11日 CNN.co.jp) [要約](CNN) 米国防省はアラスカ州にミサイル防衛システムの司令センターと実験基地の建設を、今夏中の着工を認めるように議会に要請している。同省は、「施設は迎撃ミサイルが10基以内の実験用で、弾道弾ミサイル(ABM)制限条約には違反しない」としているが、議会民主党のほかロシアからも反発が予想される。 国防総省は迎撃ミサイルを10基以内に抑え、さらに実験用として、ABM制限条約を乗り越えようとする戦略だ。 しかし、一方で国防総省は早ければ2004年にもこの施設を司令センターの実戦用として使いたいと考えだ。初めから実戦転用が想定されている施設を研究名目で建設するやり方は、議会民主党やロシアの反発を招きかねない。さらに施設の実戦転用は、現状ではABM制限条約違反になる。同条約はABMの実戦基地をノースダコタ州にしか認めていないためだ。

[コメント]アメリカはどうなってしまったのか。最近は核実験を禁止したCTBT条約を、ブッシュ大統領は「死文化」させる方針だという。すなわち無視する方針だという。その一方で、この記事のように、ABM条約に違反するBMD基地をアラスカに建設するという。紛争を抑制さすための小型武器会議(国連)でも、武器の氾濫を制限しようとするEUに対し、「個人の権利として武器所有が認められており、民間人の所有を禁止することはできない」と、反論している。また温室ガスの排出量を決めた「京都議定書」への署名も、ブッシュ大統領は強固に拒んでいる。このままではロシアや中国はもちろんだが、EUや日本との関係も悪化する可能性がある。朝鮮半島でも緊張緩和の動きが止まった。なにか大きな変化が起きる前触れなのか。それとも単に「脅し」をかけ続けているだけなのか。そろそろアメリカ(ブッシュ政権)の弱点が見え出してきたと思う。私は「強(つよ)がりは弱さの現れ」という光景を、たびたび目撃してきた。なんでこんなに頑固になっているのか。今、ブッシュ政権を分析するキーワードは「弱さ」である。アメリカ(ブッシュ政権)が弱くなったというのではなく、アメリカが強いことを示されないことの苛立ちである。
海自 3曹(34)の遺体から覚せい剤反応 (各紙 7月11日 朝刊) [要約]海自・小松島航空隊で、今月3日の訓練中に自殺した3曹から、覚せい剤反応が出た事がわかった。また3曹のバッグや部屋からも、コカインや注射器が多数見つかった。自衛隊では、海自に限らず、陸・空・全隊員に覚せい剤使用の有無を調査することになった。

[コメント]自衛隊の中に密売組織があると疑うべきである。若い隊員が集団生活を行い、外の社会から閉鎖された自衛隊は、カルト宗教やマルチ商法などのターゲットになりやすい。また30代,40代という世代は、高度成長時代やバブル期の超求人難時代に入隊している。この世代の質の悪さにも問題がある。少々は人間性に問題があっても、人数合わせのために、無理やり入隊させた世代だからだ。暴走族や傷害で警察に逮捕されたものが、警官から「少年院に行くか、自衛隊に入るか。どっちか選べ」といわれ、自衛隊に入ることも珍しくなかった。新隊員を募集する担当者(自衛官)が、あまりの人不足(ノルマ)で地元の警察に泣きつき、多少の犯罪なら自衛隊にまわしてくれるように頼んでいたからだ。その当時の新隊員の私物箱から注射器が見つかったこともあった。本来なら、そのような新隊員は2年とか4年で辞めていくはずだった。しかしバブルの崩壊と不況で、隊外に新しい仕事を見つけるのは難しくなった。その上、一般隊員でも外泊の許可や私物の持込など、自衛隊生活の規制が大幅に緩和された。(輝号作戦) 新隊員の求人難のためであった。そこで本来は辞めていくはずのものが辞めなくなった。ちょうどその世代が、今は仕事も楽になった30代,40代の曹クラスなのである。この世代に危険分子が多く潜んでいる。隊員の大多数は真面目でも、この腐ったリンゴが問題なのである。安易に外部の暴力団や密売組織と結びつく可能性が高い。しかし自衛隊の名誉のために言うが、今は自衛隊に入るのは、信じられないほど超難関である。長引く不況と公務員人気で、昔は駅や盛り場で声をかけて入隊を勧誘していた新隊員(2士)の募集に、大卒の幹部候補生試験に落ちたものが流れ込んできた。中・高卒者のための試験なのに、高校で普通の成績では合格点がとれないのだ。でも自衛隊員には法律で定員が定められている。辞めてほしい世代が辞めないのなら、優秀な若い世代を無理やり採用するわけにはいかない。自衛隊の人事にはその深刻なジレンマがある。自衛官が所持するものは、人間を殺傷できる武器である。だから隊員に不評であっても、今後は予告なしの覚せい剤検(尿)を行うべきである。今回は反応結果(高い数値)を恐れて、事前に覚せい剤検査を公表したと受け止められるふしがある。米空母では艦内の犯罪を取り締まる海兵隊員が、麻薬犬数頭を常時空母に積み込んで、搭乗している者の部屋に入って私物検査を行っている。それくらいやらないと、この種の犯罪は根絶できない特徴がある。自衛隊の対応は生ぬるい。それは身内をかばうというより、管理責任(上司)を追及されるのが恐いという見方もできる。インターネット社会は都合の悪い情報を隠せない社会なのである。管理者(上官)も安易な発想では逃げ切れない。だったら真正面から取り組むべきである。それが大事な部下を守ることでもあるからだ。
米BMD 機上レーザー発射も、米国防省顧問が会見 (読売 7月10日 朝刊) [要約]米国防省顧問であるウィリアム・シュナイダー国防省国防科学委員会委員長は、都内で読売新聞記者と会見し、米国が開発中のBMD(弾道ミサイル防衛)には、航空機に積んだレーザー発射機も迎撃の手段になると発言した。またロシアとのABM条約については、改正ではなく破棄をして、あらたな取り決めを結ぶべきと示唆した。

[コメント]弾道ミサイルが上昇中に、飛行中の航空機からレーザー光線で破壊できれば、将来の地上戦を一変させる可能性がある。(なにもBMD専用に使う必要はない) 上空から地上の目標に向けて、レーザー光線を照射すれば、航空機やミサイル、それに戦闘車両や兵士を攻撃できるからだ。まさにCGを使ったSF映画並みの新兵器となる。そのようなレーザー兵器は理論的には可能である。また規模や費用にこだわらなければ、地上に施設を建設できないわけでもない。しかし最大の問題は大きさ(規模)や重量である。航空機に搭載できる程度に小型・軽量化できるか?。今の技術水準を知ればできるわけがないとわかる。さすがに国防省顧問だけのことはある。これだけ大風呂敷を広げても、顧問だから問題(犯罪)にならないだけの話しである。軍事の世界では、こんな詐欺師的なやつがどこにでもいるものと感心した。残念ながら日本にもいる。日本独自でBMDを開発でき、探知から破壊まで完全にできると言う奴らである。こいつらの狙いは、膨大な研究・開発予算の横取りである。皆さ〜ん、肩書きや勝手な仮説に騙されてはいけませ〜ん。
 ネパール・毛沢東派ゲリラが攻勢、警官40人を殺害(CNN 7月8日 CNN.co.jp) [要約]カトマンズ――6日夜から7日未明にかけ、王制の打倒を主張するネパール共産党毛沢東主義派のゲリラが、国内7か所の警察官詰め所を次々と襲い、少なくとも警官40人が殺された。ほかに、誘拐された警官も多数いるという。王族射殺事件以降、同派による最大のテロで、コイララ政権への批判も強まっている。7日は、国王射殺事件のあとに即位したギャネンドラ国王の55歳の誕生日。 毛沢東主義派は12日に大規模な反王室・反政府ストを呼びかけている。コイララ首相が辞意を漏らしたとの報道もある。

[コメント]
ネパールの人口は2260万人。陸軍4万6千人、警官4万人。中国とインドの中間に位置する山岳地帯に建国された王国である。国王の権力基盤は、十数年来の民主化の動きと、先日の国王一家射殺事件で極度に弱体化している。ネパールには約1500名の毛沢東主義ゲリラが活動しているといわれている。ネパール政府は今まで表面上は反インド(親中国)の立場であったが、国王一家射殺事件を機会に、この射殺事件の背後にインドがいると噂が流れ、ネパールでインドと中国の覇権争いが激化する可能性が強まった。ネパールは山岳地帯とはいえ、中国、インドと陸続きのため、内戦が激化すれば深刻な被害が予測される。ネパール陸軍の総合戦力は、陸上自衛隊の1個旅団規模より小さい。写真は7日、カトマンズ市内の首相官邸近くの路上に仕掛けられた地雷を撤去するネパール軍兵士。
陸自 演習中に機関銃暴発 二人怪我 (読売 7月8日 朝刊)  [要約]陸自4師団の訓練中に、5.56ミリ機関銃(MINIMI)が故障し、薬室から弾丸を取り出す途中で暴発した。その爆発で薬室にたまった火薬のごみが飛び散り、2名の自衛官が負傷(軽症)した
[コメント]
このような故障が焼きつきである。約1000発の弾を発射したところで、薬室の温度が上昇し、弾が焼きついたと想像できる。機関銃ではよくある故障である。ところでこの訓練だが、機関銃をしっかりした台に固定し、銃身が下を向かないように棒で制御し水平に保った姿勢で射撃を行う。その飛び交う弾の下を低い姿勢(匍匐)で前進する訓練である。弾が頭上をビュンビュン飛んでいく下で前進し度胸をつけるのである。自衛隊は安全管理が徹底しているから、このような訓練で負傷者がでることはまず皆無である。しかしより実戦的な訓練では、教官が銃を構え隊員の周囲に実弾を射ち込んで、度胸をつけさせる訓練を行うことがある。自分の周辺に実弾が地面に突き刺さるバシ、バシという音が聞こえて緊張するが、教官(上官)に対する信頼心を養うという目的もある。もちろん自衛隊では、レインジャー訓練でもそのような訓練は禁止されている。しかし実戦を想定すれば、そのような危険な訓練も避けられない。写真は5.56ミリMINIMI機関銃。発射速度を750発/分と1000発/分と2段に切り替えることができる。ベルト給弾のほか、箱型弾倉(200発)や、小銃弾倉(30発)を取り付けることができる。
仏の最新レーダー「ノストラダムス」 監視範囲3000キロ ステルスも発見可能 (毎日 7月7日 朝刊) [要約]パリ西方100キロにあるドル―平原に、雨傘の骨を並べたような高さ7メートルのアンテナ群が、フランス国立航空宇宙研究所が開発する長距離レーダー「ノストラダムス」である。ノストラダムスは使用する電波が低周波で、これが上空のイオン層で反射するので、探知可能範囲は最大3000キロ(欧州から中東まで監視可能)と広く、ステルス機も捕らえることができる。同種のレーダーはすでにアメリカとオーストラリアにあるが、フランス型は電波の送受信を1箇所で行うため「ぶれ」が少ない。小さな標的も探知できるように、さらに開発(開発費16億円)が続けられている。

[コメント]いわゆるOTH[オーバー・ザ・ホライゾン(水平線)]のレーダーだが、1箇所で送受信するという新技術に注目した。かつて日本でも、OTHレーダーの送信施設を南太平洋上の南鳥島に設置して、反射波を本土で受信するアイデアが検討されたことがあった。極東ソ連軍の動向を探るためである。しかしあまりにも精度が悪く、実用段階にはないことがわかり中止になった。もし「ノストラダムス」が実用化すれば、九州の高原に設置するだけで朝鮮半島から台湾海峡まで監視が可能になる。(あるいは中国全土上空域。北朝鮮からミサイルの部品を積んで、密かにパキスタンに向かう輸送機を探知できる) それにスレルス機も探知できるとなると、軍事的な価値も極めて大きい。また信頼醸成という面でも期待できる。注目の新技術である。写真は毎日新聞に掲載された「ノストラダムス」。撮影は福島良典特派員。
米兵引渡し 逮捕 日本語通訳認めず (各紙 7月7日 朝刊) [要約]沖縄の婦女暴行事件(強姦)の犯人ティモシー・ウッドランド3等軍曹に身柄が、6日午後に日本側捜査機関に移され逮捕された。米側が要求した取り調べ時の通訳の同席は日本の主張どおり拒否された。

[コメント]今回の事件処理は、沖縄の人の心に深い傷跡を残した。遅い、遅い、遅すぎる。あまりにも米側の勝手な言い分を聞きすぎた。もはや駐留米軍に特権意識を持たせる必要はない。どうして我々日本人が米兵に遠慮しなければいけないのか。米兵による殺人、放火、強姦、強盗、日本人を米兵の襲撃から守れなくて、何が日米安保かと政府は自問すべきだ。日本政府が第一に守るべきは日本人である。日本人女性を強姦した米兵ではない。今回の事件処理の遅れは、国辱ものであった。この問題の後遺症で、沖縄は次の段階で必ず大爆発する。
沖縄 米兵・暴行事件引渡し調整難航。米の条件、警察庁難色 (朝日 7月6日 朝刊)  [要約]嘉手納基地所属のティモシー・ウッドランド3等軍曹の婦女暴行事件で、すでに逮捕状が出されているに身柄の引渡しが遅れている。これは米側が、容疑者に通訳をつけることや、取調べを一日10時間以内にするようと条件をつけているためだ。警察庁は日本の法律を適応する立場から、難色を示している。このまま米側の決定が長引くようなら、田中外務大臣、中谷防衛庁長官の訪米が検討されている。

[コメント]この問題は非常に危険な領域に入りつつある。「えひめ丸」と米原潜「グリーンビル」の査問委員会が、当時のワドル艦長を不起訴としたように、軍人には「特例」が保障されるべきと主張する米国防省が抵抗しているからだ。日本の法制度に問題があるというのは口実である。95年の女子小学生暴行事件のとき、日米は「殺人」「婦女暴行」などの凶悪犯罪には、起訴前であっても逮捕状が出れば身柄を引き渡す合意がなされている。今回は単に本人が否認しているだけで、被疑者の人権(通訳とか、弁護士の立会い)がどうのというのはこじ付けだ。すでに被害者の証言や、現場からは犯人を特定できる指紋が検出されている。さらに昨日は、事件を目撃した米海兵隊員が地元の警察署を訪れ、この「婦女暴行事件」を詳細に証言している。それにもかかわらず、身柄を引き渡さないのは、国防省が軍人の特権を要求しているからだ。日本の訴訟制度とアメリカの裁判制度の違いではない。(この程度の智恵は、国防省の顧問弁護士あたりが考えた詭弁である)。それから犯人は空軍特殊部隊の隊員である。被害女性が危険を感じて逃げ出しても、簡単に逃げられるような相手ではない。戦闘のプロが、民間人の女性を襲ったのである。日米地位協定、第17条(刑事裁判権)に、その国の当局から(犯人引渡しの)要請があったときは、その要請に好意的配慮を払わなければならない、と、だけある。繰り返し言うが、日本の訴訟制度がよくない、本人が否認しているの問題ではない。対米追随には熱心だったが、米兵犯罪はここまで放置して、駐留米軍に日本の法律に従うように強く要求しなかった、日本の外務省や政府の責任である。私は沖縄の人たち怒りが向けられる相手は、犯罪米兵とともに処罰を与えることに消極的だった外務省(政府)の責任だと断定する。また無知な政治家のパフォーマンスで、日米地位協定の改正を主張するのは、沖縄の人々を二重に愚弄することである。本気で米国防省相手に日米地位協定の改正をやる気があるのか、再度、日本の外務、防衛、沖縄担当特別委員会の関係者に聞きたい。この問題の解決策は、米軍基地の縮小と、兵力の削減しかない。米軍に綱紀粛正を求めたり、「良き隣人」教育プログラムを強化したり、深夜12時以降の外出禁止を求めても、根本的な解決にはならない。アメリカ政府は、「この問題が非常に危険な領域にはいりつつある」ことを理解するべきだ。躊躇している時間はない。(7月6日 午前8時48分JST 掲載)
欧州会議(EU) エシュロンの存在を認める報告書を提出 (毎日 7月4日 夕刊) 


 今年の夏の「お中元」情報です。新鮮なうちにご賞味ください。
[要約]英米など英語圏5カ国が参加する通信傍受(盗聴)機関「エシュロン」を調べてきた欧州会議エシュロン特別委員会は、「エシュロンによる通信傍受は人権やプライバシーを侵害する」という最終報告書を賛成多数で可決した。

[コメント]最近、マスコミからエシュロンの問い合わせが多くなっています。その代表的な質問と私の回答を紹介します。(お中元のつもりの特別サービスです) @どんな組織で何を目的にした組織か。「米、英、加、豪、ニュージーランドの英語圏5カ国で構成される盗聴組織。主に赤道上に配置された商業通信衛星インテルサットの電波を地上で受信(盗聴)している」といわれている。A受信基地はどこにあるか。「香港の受信基地が、94年の中国返還で撤去されたので現在は19箇所。参加5カ国以外にあるのは、日本の三沢基地と、キプロスのアイオスニコラオス基地、それにプエルトリコのサバナセカ基地、なおドイツのパートアイプリン基地は来年閉鎖される予定。そのほかは米、ニュージランド、豪、英に設置されている」B日本向けの通信は三沢基地が担当しているのか。「通信傍受は三沢などで行われているが、データ―はニュージランドのワイホパイ基地にある辞書(分類された情報の別称)に送られ保管されているようだ」。Cどこが拠点で、何人ぐらいが従事しているのか。「アメリカのNSA(国家安全保障庁)が全体を動かしている。その本部はメリーランド州のフォートミードにある。職員数は公表されていないが7万人〜8万人程度の職員がいるようだ。しかし米国の陸、海、空軍の通信情報機関はNSAの監督を受けているので、冷戦時には最大47万人がNSAの盗聴活動に従事していると言われた。その数は冷戦後もNSAが麻薬・テロ対策にシフトを変更し、人数そのものは激減していないようです。通信傍受(盗聴・情報活動)は平時こそ戦時という発想があるし、有事になっても急に専門家を増やせないという事情があるので、普段から専門家を養成しておく必要があると考えているようだ」。D最近の事件で、エシュロンが関与したものがあるか。「北朝鮮の金正日総書記の長男(らしい)が成田空港で摘発されたのは、エシュロンから事前に通報があり、入管や公安調査官が待機して摘発したといわれている。また日本赤軍の重信房子が逮捕されたのも、エシュロンがEメール解析から所在を割り出し、日本の捜査機関に通報したという話しもある。しかしエシュロン自身が自らの実績を公表したことは一度もない。そうそう中国の海南島に不時着したEP3機も、受信した盗聴情報を衛星回線を通じてNSAに送っていたといわれていた。Eエシュロンの存在を公的機関が認めたのは、今回のEUが初めてか。「昨年3月に、オーストラリア政府がDSD(豪政府の情報機関)がエシュロンに関係していると認めたことはあったが、具体的な活動については公表していない」。Fエシュロンの盗聴能力はどの程度か。「NSAの情報収集スパコンの性能を向上させて、通信衛星インテルサットの高速大容量の通信に対応できるように改良をおこなっている。最も新しい話しとしては30億回分の通信/1日という数字がエシュロン研究者の中で上げられている。電話、ファックス、Eメールなど、世界中で行われる通信の90パーセントの受信が可能という話しもある」。Gなぜ外交通信や企業通信まで盗聴するのか。「多国籍企業の競争が激しくなり、大規模な取引(契約)などが国益に直接関係することが多くなった。そこでビジネス情報を自国企業に有利に活用したいという気持ちが強くなったようだ。また冷戦が終わり友好国や同盟国間でも、通商などで利害関係が激しく対立することが多くなった。だから日本の外交通信や企業通信を傍受して、日本政府や日本企業の本音を知りたいのだ」。Hプライバシーの侵害にならないのか。「いくら自国政府の情報機関でも、犯罪に無関係な国民の盗聴を行えばプライバシーの侵害になる。そこでアメリカ国内の盗聴はイギリス(辞書)が行い、イギリス国内の盗聴はアメリカ(辞書)が行うという逃げ道を考えた。日本の辞書がニュージーランドにあるのも同じような理由と思う。しかしエシュロンの人権侵害を訴える市民運動家たちは、エシュロンのコンピューターが特定の単語(キーワード)を選んで情報を選別する特性があることから、わざと普通の文章や会話にこのキーワードを入れて妨害する人もいる。例えば、「拝啓」の変わりに「爆発」と入れれば、エシュロンのコンピューターはこの通信を選別して登録してしまう。「テロリスト」「FBI」「CIA」「デルタフォース(対テロ特殊部隊)」「軍用銃」「爆弾」など、すでにエシュロンが選別するキーワードの大部分が、海外の研究家たちによってインターネット上に公開されている。そのあたりがエシュロンの弱点のようだ。Iエシュロンの盗聴はインテルサットだけを対象にしているのか。「前述のCでも説明したように、NSAの下部組織に多くの盗聴機関が存在している。また5カ国の在外大使館などには、盗聴用のアンテナが建設されているといわれるし、82年には海底通信ケーブルに盗聴器が仕掛けられているのが発見されている。インテルサットの盗聴だけで世界の90パーセントの通信が傍受できるわけがない。むしろインテルサットの盗聴は全体の一部で、EUのエシュロン調査委員会もわかっているのに公開できない部分があると見るのが常識的だ。J私たちの電話やEメールも盗聴されているのか。「ただの普通の人を監視して、通信を盗聴しても時間や労力の無駄だ。やはり相当な世界的有名人か、要注意人物、特定の組織や企業というように、エシュロンの対象になる人物や通信は限界されている。もし自分が普通の人なら心配する必要はない。しかし国家機関や企業などでの者で、エシュロンの盗聴を避けたい人は、通信内容を暗号化したり、電話回線での通話を禁止するなどの対策が必要である。・・・・・最近は、だいたいこんな会話をやっています。まあこの情報自体も、一度はエシュロンが選別するでしょうが、「無害・公開された情報の範囲」と判断して、エシュロンのごみ箱にいくでしょう。最近、エシュロンをまったく知らない人のコメントがマスコミに出ています。エシュロンが民間企業のビジネス情報を、収集・分析始めたのは冷戦終結以降の90年代からです。商業通信衛星が十分に普及していない昔は、エシュロンは各地の広大な土地に林のようなアンテナを立てて、共産圏の電波通信を傍受していました。70年代には中国・東北部に、極東ソ連の通信を傍受するエシュロンの施設が建設されていたこともあります。極東ウラジオの小高い丘の林の中に、日本向けに設置されたアンテナ群を見たこともあります。そんな原始的な昔が懐かしいですね。私はあの頃から、結構、火花を散らして取材をやっていました。しかしエシュロンってスリルがなくて面白くない。機械だけが動いている無機質な感じがします。写真は米軍三沢基地のエシュロン受信施設。ドーム内に通信衛星用の数ギガ・ヘルツ(波長)・クラスの電波を受信するパラボラアンテナが設置されている。どの方向を向いているかを隠すためにドームに覆われている。その奥にある通称「像のオリ」は、地上電波がどの方向から発信されたかを特定する電波方位探知施設。地上電波を収集していることを忘れないでください。
沖縄 米兵、もたつく身柄引渡し (各紙 7月4日 朝刊) [要約]婦女暴行事件で沖縄県警から逮捕状が出ている米空軍・3等軍曹、ティモシー・ウッドランド容疑者の身柄引渡しは、米国政府の同意が得られることになった。本日中にも身柄引渡しが行われる予定だが、逮捕状が出た段階で、速やかに身柄引渡しが行われなかったことに、沖縄県民の怒りが高まっている。

[コメント]このホームページは普通の高校生に理解できる表現を目指しているので、ちょっと簡単に解説します。もしも犯罪が行われ、警察が捜査をしてその犯人が特定できたとすると、裁判所に逮捕状を請求する。そして警察は犯人の身柄を拘束(逮捕)して調べることになる。犯人の身柄は留置所に置き、警察署で取調べを行う。この期間、警察官や検察官の取調べに、米国のように弁護士は同席できない。そして警察は犯人を検察に送検し、検察官は犯人逮捕から23日以内に、起訴するか、不起訴にするか、起訴猶予にするかの決定をする。検察官によって起訴されれば、犯人の身柄は留置所から拘置所に移され、裁判を受けることになる。(犯人が逃亡や証拠隠滅、復讐の危険がなければ、裁判所の判断で保釈が認められる場合もある)。今回は日米地位協定に定められた起訴された段階ではなく、警察に逮捕状が出された段階での身柄引渡しとなるはずだった。過去に犯人が特定され逮捕状が出ているのに、検察が起訴する前に、犯人が基地から逃亡したり、本国に帰国してしまうことがあった。そのため95年の女子小学生暴行事件を受け、殺人、婦女暴行に限り、逮捕状が出た段階で身柄引渡しが行われる日米合意がなされた。ちょっと難しい話しになったが、このあたりの法的な事情がわからないと、今回のこの事件の重要性は見えてこない。この犯人の2等軍曹は空軍特殊部隊の隊員だという。犯罪常習の海兵隊員ではないことに、米軍もショックを受けているようだ。沖縄での米兵犯罪は、綱紀の粛正や良き隣人運動では、もはや解決できない段階にきている。軍事がまったく理解できず、対米追随だけをしてきた外務省の失策である。きちんと軍事がわかる者が適切な処方箋を書いて、米軍基地の縮小と兵力の削減に全力であたらなければ、沖縄で反米軍の大暴動が再び起きることは必死である。軍事知識を使えば戦争を有利に戦うこともできるが、むしろ軍縮を可能にする現実的な知識でもある。それにしてもあの沖縄サミットは何だったのか。写真上は沖縄県庁に謝罪に訪れた沖縄駐留米軍の4軍調整官。今年になって県庁に謝罪に訪れるのは4回目だという。(沖縄タイムス朝刊より) 写真下は抗議行動をする沖縄の人たち (CNNより) 
中国 SLCM発射実験 香港誌報道 (読売 7月3日 朝刊)  [要約]香港の「太陽報」誌は消息筋の話しとして、中国海軍が6月28日に東シナ海、黄海、南シナ海に配備した3隻の原子力潜水艦(094型)から、新型の潜水艦発射弾道ミサイル「巨浪(JL)21型A」(射程・推定8千キロ)を同時に発射し、5千キロ離れたタクラマカン砂漠の目標に命中させたと報じた。同誌によれば巨浪21型A弾道ミサイルは、CEP(命中精度)が15メートル、MIRV(個別誘導多弾頭)を6〜8発搭載できる。国は2005年までに、潜水艦6隻に巨浪21Aを12発ずつ配備するとしている。

[コメント]中国は昨年12月、ブッシュ政権が誕生する直前を狙って、東シナ海などの2隻の原子力潜水艦から「東風(DF)31」弾道ミサイルを発射、タクラマカン砂漠の目標に命中させたことがあった。明らかにブッシュ新大統領のBMD(弾道ミサイル防衛)構想に圧力をかけるためだった。あの時は、ただちにロイター通信がワシントン電として、中国のミサイル実験を米政府(クリントン政権)も確認したと伝えた。しかし今回の発射実験では、米政府の確認が発表されていない。事実でもあえて無視するのか、あるいは太陽報の誤報なのか、いまのところは不明である。今月はアメリカで3度目のBMD実験(ブッシュ政権では初めて)が予定されている。時期としては絶好のタイミングである。ただ原潜3隻からMIRVを同時に発射して、CEP15メートルで命中させたというのは出来すぎる話しである。今のところは、アメリカ政府の確認発表を待つか、中国側の次の報道を待って真偽を分析するしかない。そういえば、4月初めに海南島に不時着したEP3機は、中国が近く核実験を行うようなので、偵察活動を強化させていたと言われていた。あの時の中国の核実験とは、このSLBMの発射実験だったのだろうか。中国のSLBM発射実験を確認する方法としては、最近、佐世保に米海軍のミサイル追跡艦「オブザベェーション・アイランド」が入港していないか。あるいは嘉手納にミサイル発射実験専用のRC-135偵察機が飛来した形跡がないか。それを点検することから情報収集を始める。中国もミサイル発射をアメリカやロシアに誤認され、報復の核攻撃を受けることを避けるため、事前にミサイル発射をロシアや米国に伝えている。(非公式)。だから米国のミサイル偵察機(艦)の動きがわかれば、この発射実験の真偽はほぼ判明する。写真は中国の094型原子力潜水艦(想像図)。中央部分の縦筒にSLBMが搭載される。この太陽報の報道が正しいなら、中国の戦略核戦力は一気に向上したことになる。10年ぐらいかかるとされていたものが、わずか3〜4年で開発に成功したからだ。今後の続報に注意! 続報がなければ誤報。誤報であっても面白い。
領域警備」での船体射撃 海保も可能に 改正法案提出方針 (読売 7月2日 朝刊) [要約]99年3月の不審船事件を受け、不審船を停船させるため、自衛官に加えて海上保安官にも「船体射撃」を可能にするために、秋の臨時国会に海上保安法改正案を提出する方針が決まった。政府はすでに海上自衛隊には船体射撃ができるように自衛隊法を改正することを決めている。これらの法案可決で、もし不審船の乗員に危害を加えた場合でも、海上自衛官や海上保安官には責任が問われないようになる。

[コメント]海保が武器を使用する場合は、警職法が定める正当防衛や緊急避難で行うとなっていた。だから不審船が停船を命令を無視した場合は、まず巡視船を不審船の舵や船首に衝突させて破壊する。その様な場合、もし相手が武器で応戦してくれば、次の段階として正当防衛の判断で船体射撃を行うと予測していた。しかしこの方法でやっかいな問題が発生した。先月、台湾の漁船が日本の領海(石垣島周辺)に不法に侵入したとして、巡視船が停船を命令したが漁船の船長は拒否。そこで巡視船が体当たりをしたら、台湾漁船が転覆、乗員は救助されたが船長は巡視船の救助を拒否し、30時間以上海面に浮いていたところを台湾漁船に救助されるという事件が発生したのだ。台湾のマスコミは、漁船の網が流されて日本の領海に侵入したもで、密漁や領海侵犯などの犯罪性はないと主張した。にもかかわらず日本の巡視船が、体当たりで漁船を転覆させたことを強く非難。このように巡視船が対処するについては、漁船と不審船にそれぞれ異なる方法が必要だとわかった。すなわち停船さすための体当たり戦法は、常にベストではないのだ。それに今までは黙っていたが、もし体当たりされた不審船が高速特殊巡視船の操舵室に向かって、対戦車ロケット弾(RPG)を発射すると極めて深刻な損害が予測できる。操舵室の防弾ガラス程度の装甲ではRPG弾は貫徹するからだ。そのあたりの不備を、次の臨時国会で海保庁法案改正を提出する必要があったとだと思う。それにしても北朝鮮の不審船が、日本の軍事行使の能力を強めたことに、北朝鮮当局は気がついているのだろうか。