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| 米大統領演説 イラク民主化「中東の希望」 (読売 6月30日 朝刊) |
[概要]NATO首脳会談に出席したブッシュ大統領は、29日、イスタンブールのガラタサライ大学で演説を行った。暫定政権への主権移譲で、「イラクは世界で最も新しい民主主義国家になりつつある」と指摘した。その上で、「イラク民主化は中東の改革者に希望をもたらす一方、テヘラン(イラン)とダマスカス(シリア)には非常に異なったメッセージを送る」と、イランとシリアの抑圧体制を非難した。また、「今まで西側は中東の独裁体制を見逃し続けたことで、中東の不信を増幅した。このことで西側を不安定にした」と述べ、中東に自由と民主主義を根付かせることが西側の安定につながるという持論を述べ、中東民主化構想を改めて強調した。 [コメント]大中東構想が拡大中東構想になり、こんどは中東民主化構想と名前を変えた。アメリカが戦地で民主化を戦争の正当化に使うときは要注意である。アメリカは同時多発テロとの関係でアルカイダとフセイン政権の関係をイラク戦争の口実にしようとした。しかしそれが不可能となると大量破壊兵器が口実になった。イラクの大量破壊兵器がアメリカのテロに使われるという口実である。さらにそのことが立証されないとなると、中東民主化構想が生まれてきたのである。要するに、アメリカのイラク戦争を正当化するための口実である。 しかし一つだけ違うのは、今まではイラク戦争の正当性だったが、これからはアメリカのイラク支配を正当化する口実という点である。私はいつも言うが、まさにベトナム戦争はアメリカの民主主義を東南アジアに広げるための戦争だった。アジアでの共産化の拡大を防ぐというドミノ理論もあったが、民主主義をアジアで拡大するという口実がアメリカ人には好まれた。しかしベトナムではそのことはアメリカの侵略と考えた。アメリカは片手に銃を持ち、片手で民主主義を押しつける。そのことがどれほど多くの国で嫌悪されるか理解出来ない国のようだ。 中東民主化構想よりもアメリカ人自身が現実の世界から学ぶべきだろう。映画「華氏911」で少しでも多くのアメリカ人がそのことに気が付いて欲しい。 |
| イラク暫定政権に主権移譲 テロを警戒して2日前倒し 来年1月に総選挙 自衛隊が多国籍軍参加 (各紙 6月29日 朝刊) |
[概要]主権移譲文書はイラク暫定政府の首相府で、ブレマー行政官からアラウィ首相らに手渡された。CPAはすぐに解散し、米軍統治の占領支配は終わった。今月30日に移譲する予定だったが、テロの激化を恐れて2日前に行った。この政権移譲を受け、日本政府はイラクの自衛隊が多国籍軍へ参加することを閣議決定した。ブレマー行政官は5分間の政権移譲の式典を行った後、直ちにバグダッド空港から米軍の輸送機で国外に飛び立った。 [コメント]きょうの各紙全部が「テロ激化を恐れて2日前倒し」と見出しにある。これは暫定政権のゼバリ外相が、訪問先のイスタンブールで語った言葉を受けている。しかし私は2日前の真相はNATO首脳会談に向けた演出と見る。 何度も書いているが、米英軍はイラクの軍や警察の養成にNATO軍を巻き込みたいと熱望している。イラクの治安を回復させるには、イラク人部隊が治安回復させるしか方法がないからだ。でもイラク軍をアメリカ軍が養成すれば、それこそアメリカの傀儡軍になってしまう。何としてもNATO軍に治安部隊を養成して欲しいのだ。 そこでまずアイルランドでブッシュ大統領がEUの首脳会談を行って支援の合意を得た。これで外堀を埋めたのである。次に予定より2日前になるが政権を移譲し、新たなイラク暫定政府からNATO首脳会談に軍や警察の養成を求めさせる演出をしたのだ。アメリカがNATOにイラク支援を求めるより、イラク政府から直接支援を求めさせる方法をとったのである。これが内堀を埋める作戦だったようだ。まさか2日前倒しでテロの嵐が吹き止むことはない。むしろ1月の選挙を妨害するために、イラクでテロの嵐はさらに強まることは確かである。 さて本丸のNATO軍のイラク支援だが、首脳会議では軍や警察のなどのイラク治安部隊を養成することは合意したが、その訓練場所をめぐって対立が解けていない。ドイツはドイツ国内の施設で行うことを主張している。フランスはイラクにNATO軍を派遣することを拒んでいる。 仏、独はアメリカが勝手に始めた戦争で、ヨーロッパ同盟軍のNATOを勝手に使うことを拒んでいるのである。それでもアメリカはNATOをイラクに引きずり込みたいし、仏、独はイラクに引き込まれたくないと頑張っている。イラクに暫定政権が誕生しても、13万の米軍が駐留して治安を担うことは目に見えている。仏、独その下に組み込まれたくないのである。 どうして小泉さんにそのような外交ができないのか。小泉さんの軽さが日本の軽さになってしまった。これからアメリカは仏、独に同意させるために、いろいろな条件を提示するだろう。それが外交戦である。ホイホイと付いて行くばかりでは誰からも馬鹿にされる。 |
| 海幕が異例の決断 9・11直後 批判覚悟の米空母護衛 「普通の軍隊」へ歯車動かす (毎日 6月28日 朝刊) |
[概要]陸海空・自衛隊が9・11同時多発テロで有様を変えた。同時多発テロを受けて、横須賀に寄港中の空母キティーホークが、碇泊・低速時の弱点をテロに襲われることを警戒して、東京湾岸外に出たがっていた。そのことを察知した海自は、独自で海自艦艇で米空母の護衛を決めた。集団的自衛権の行使と批判されるのは覚悟の上だった。法根拠は防衛庁設置法5条18項「調査・研究」にした。しかし福田官房長官は、「私の耳には入っていない」と海自の空母護衛を批判した。 その後も海幕は、「やれることは全部リストアップしろ。法解釈でグレーゾーンがあっても、政治家に判断してもらう」と、外務省がはしゃぎすぎと言うほど米軍支援体制作りに走り回った。小泉首相は9月19日に海幕案と重なる7項目の対応策を発表。テロ対策特措法も10月末に成立した。 振り返れば、91年の湾岸戦争後の掃海部隊派遣で「海外」への封印を解き、インド洋での給油活動で「戦時」の道を開き、04年の陸自・イラク派遣で「戦地」への派遣を可能にした。それは自衛隊が「普通の軍隊」に近づく過程だった。 [コメント]冷戦終結で日本周辺の海域には日本を悩ます脅威はなくなった。イージス艦、P3C対潜哨戒機、潜水艦、掃海部隊、これらの部隊は日本周辺から敵が消えてしまったからだ。さらに米海軍は同時多発テロ以降、アフガン戦争やイラク戦争でインド洋やアラビア海に行ってしまった。このことは海自にとって存在感をすべて失うことに等しいことだった。 あくまで海自が存在感を示せるのは米海軍と共同作戦を行う場合のみである。冷戦期、海自は米海軍からそのように育てられた。海自にとって生き残ることは、米海軍を追いかけてインド洋やアラビア海に行くしかなかった。だから海自は外務省からはしゃぎすぎと批判されても、福田官房長官から独断専行と文句を言われても、必死で生き残り策を模索したのである。 しかしそのことで結果的に、日本全体を海自の戦略に引き込むことになった。すなわち米国への過剰な一辺倒である。このことは日本人がこれからの歴史を刻む上で知っておかなければならない重要事項である。 日本のシビリアン・コントロールを研究している人は、無能な政治家の前でシビリアン・コントロールがいかに脆いものかよく知って欲しい。憲法が禁じた集団的自衛権が、「調査・研究」という解釈で堂々と破られられるという現実がそれを示している。 |
| イラク支援 治安部隊を訓練 米・EUが共同宣言 (朝日 6月27日 朝刊) |
[概要]ブッシュ大統領とEU議長国のアイルランドのアハーン首相らとの首脳会談がシャノン近郊(アイルランド西部)で開かれた。この首脳会談で米・欧が共同してイラク治安部隊の「訓練と機材供与」を支援することで一致した。会談後の記者会見でブッシュ大統領は、「イラク戦争をめぐる米・欧の意見対立は終わった。主権移譲後のイラクの成功は、国民が自分で安全を守れるかどうかにかかっている」と述べ、イラクのアラウィ暫定政府首相が求めている治安部隊の訓練と機材供与での支援にNATOも応じるように要請した。 [コメント]ブッシュ大統領は28日から始まるNATO首脳会談を前に、まずはEUという外堀を埋める作戦だった。その結果、アイルランドでひとまず成果をあげることができた。しかし本丸はあくまでトルコで行われるNATO軍首脳会談である。 注目するのはこのEU首脳会談でブッシュ大統領は、イラクでの戦争をテロリストとの闘いと位置づけなかったことである。9・11同時多発テロからアフガンを経て、イラク戦争に至った過程では、米国とテロリストとの闘いというのがブッシュ流の大義だった。しかし今はイラクの治安はイラク人自身が守れと言い出した。これはアメリカのイラク軍事政策が破綻したことを認めた発言にならないか。すくなくともNATO首脳会談を前に、ブッシュ流の強気発言は控えていることだけは確かである。さあ、NATO首脳会談で何が決まり、何が決まらないのか。仏、独などの対応に注目が集まる。 |
| イラク 連続テロ 80人死亡 5都市 警察などを狙う (読売 6月25日 朝刊) |
[概要]イラクのバグダッド、モスル、バアクーバ、ファルージャなど5つの都市で、警察署などを狙った同時爆破テロが起きた。このテロで米兵3人を含む約80人が死亡した。このテロについてアルカイダ系のザルカウィ容疑者が犯行声明を出した。最大の犠牲者が出たモスルでは、自動車爆弾など7回の爆発があり、武装勢力は警察署などを一時、占領した。そのため制圧に出た米軍と激しい銃撃戦を行った。イラクでは今月30日の政権移譲に向けて、さらに激しいテロが起きる可能性がある。反米武装勢力は政権移譲に対し徹底的に妨害にでてきた。 [コメント]イラクの反米武装勢力にとって、装甲車やロケット弾などを持たないイラク人警察を襲撃することは赤子の手をひねるのと同じである。だからといってイラク人警察署を、米軍の戦車や装甲車が固めると米英の傀儡部隊というイメージが強まる。そのような米英軍の弱点を武装勢力は突いてきている。 とにかくアルカイダは米英軍に一日でも長くイラクに留まって欲しいのである。そしてイラクを反米テロリスト(イスラム原理主義過激派)の温床にしたいという意図がある。イラクでアメリカ軍が苦戦すれば、中東全体でアメリカの影響力は低下する。サウジやヨルダンといった親米的な政権さえも苦境に陥る。むろんイスラエルは強い影響下に晒されることになる。 ネオコンは「藪を突いて蛇を出した」のである。このチャンスはアルカイダにとって待ち続けた絶好の状況なのである。アルカイダは一日でも長く米英軍をイラクに留めたいということを忘れると、イラクの情勢は見えなくなってくる。 |
| NATO、28日から首脳会議 イラク、焦点にならず アフガンで手一杯 即応力強化へ (毎日 6月24日 朝刊) |
[概要]NATOは28日からトルコのイスタンブールで加盟28カ国の首脳会談を開く。NATOはアフガンには昨年8月以来、国際治安支援部隊(ISAF 6500人)を指揮している。しかしヘリや医療機器などの機材や兵員が不足して、デホープスヘッフェル事務総長は危機感を高めている。イラクに関してはイタリア、ポーランド、オランダなど17カ国が部隊を派遣しているが、NATO軍としてはアフガンが手一杯で、「年内の本格介入は不可能」(欧州加盟国高官)というのが本音だ。しかし米国の強い要請でイラク人部隊の訓練などで、イラク派遣を合意する可能性は残っている。NATO軍は今回の首脳会談で、展開能力の向上やアテネオリンピックの警備などについても話し合う。 [コメント]実はこのイラク人部隊の養成(教育と訓練)こそが、泥沼化したアメリカのイラク問題を解決できる唯一の方法なのである。なぜなら、すでにイラクの駐留米英軍はイラク人の信頼を失っている。米英軍はフセイン政権を倒して解放軍になることに失敗したからだ。頼みのシーア派からも反米勢力(サドル派)が誕生し、それがイラク国内で支持を得て勢力を拡大している。米英軍の占領統治を嫌うイラク人は、アルカイダのような外国人武装勢力に対しても寛容になっている。この悪循環をそう簡単に変えることは難しい。 このように悪化するイラク情勢を立て直し、治安を回復させるのはイラク人自身によるテロリスト取り締まりである。外国人の武装勢力をイラクの再建を邪魔する勢力と認識し、それをイラク人が取り締まる以外に治安回復の方法はないのだ。しかしそのイラク軍やイラク警察を、占領している米英軍が養成したのでは傀儡部隊になってしまう。だから新設されるイラク軍やイラク警察は、米英軍以外の部隊が訓練や教育を行わなくてはならない。それがもっとも可能なのはNATO軍である。NATO軍が新設イラク軍やイラク警察の養成にあたれば、米英傀儡軍のイメージを払拭できる可能性がある。アメリカはNATOにそれを求めているのである。先のアイランド・サミットはブッシュ大統領がこのことを要請する場所だったのだ。 私は今回のNATO首脳会談に注目している。NATO軍が正式にイラク軍部隊を養成することを決めるかどうか。それによって今後のイラクの情勢が大きく変化する。アメリカのイラク戦争に反対したフランスやドイツが、新設イラク人部隊の養成に参加すれば、数年でイラク情勢が劇的に改善する可能性がある。しかしNATO軍が新生イラク人治安部隊の養成に参加しなければ、イラクで米英軍の泥沼はまだまだ続く。 |
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イラク 韓国人人質殺害 アルカイダ関連組織の仕業か (朝のTVニュース 6月23日) |
[概要]イラクで武装組織の人質になっていた韓国人通訳の金鮮一さん(33)は、武装組織に首を切断されて殺害されたことが確認された。武装集団は韓国政府にイラクに派遣されている韓国軍(600人)の撤退と、部隊増派(3000人)の中止を人質解放の条件としていた。しかし韓国政府はこの要求を拒否するとともに、イラクの聖職者協会などを通じて人質の解放交渉を行っていた。韓国人人質が殺されたという報を受けて、韓国政府は改めて撤退や増派を中止する意志がないことを公表した。 [コメント]イラクでは武装組織が外国の民間人を拘束し、要求が受け入れられないと、残忍な方法で殺すことが通常の要求手段になってきた。今回は回答する猶予時間は24時間だった。この時間設定は極めて専門的である。もし24時間が過ぎると、犯人たちは人質を殺すことが難しくなることを知っているからだ。すなわち人質に情が移るからである。これを専門的にはストックホルム症候群と呼んでいる。 日本赤軍が日航機「よど号」をハイジャックしたとき、機内という密室で犯人と人質の一緒の時間が非常に長くなった。またハイジャックという異常な体験を共有したことで、親しくなった犯人と乗客は、最後に機内で送別会まで行った。これがストックホルム症候群である。 今回の武装勢力はそれを知っていて24時間を設定した。私はこれで犯行グループはアルカイダ系と直感した。これが日本人人質事件のように、回答期限を3日以内となれば、助かる見込みが生まれる。しかし今回は回答まで24時間と限定され、すぐに人質を殺す目的を感じた。まさにアルカイダの手段である。最初から人質を残忍に殺すことが目的なのだ。その殺しを最も政治的に演出しただけのことだ。 このようなテロリストと戦うことは通常のやり方では通用しない。その有効なやり方とはイラク人を使って取り締まることである。イラク人自身がテロリストが横行すれば、イラクの社会が壊されると自覚すればテロリストは取り締まれる。 でも外国人が軍事力やお金で、テロリストをイラクで押さえつけられると思わない方がいい。それこそテロリストを養成しているようなものである。 イラク人がテロリストを取り締まることを、アルカイダのような外国人武装勢力は最も恐れている。そこでイラクの軍や警察などの治安部隊を、半ば宣伝的にテログループは襲撃しているようだ。 テロリストはイラクの軍や警察はアメリカの手先と宣伝しているが、暫定政権への政権移譲でイラク人に愛国心が生まれてくればイラクの治安は改善される。しかし相変わらずアメリカが軍事力でイラク支配を行うなら、イラクがテロリストの温床になることは間違いない。 |
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金日成の秘密教示 「日本人拉致を指令」 対韓工作の迂回ルートに (産経 6月22日 朝刊) |
[概要]10年前に死亡した北朝鮮の金日成主席は、全党大会や党中央委員会総会などで、幹部に口頭や文書による指示を出していた。それが金日成の秘密教示といわれる。産経新聞はこの秘密教示を脱北者の証言や、北朝鮮から流出した資料で解明した。その内容は日本人拉致や核開発まで多岐にわたっている。日本人拉致事件は日本を対韓工作の迂回ルートと位置づけ、必要な情報入手や日本人工作のために活用する日本人を確保することとしている。 [コメント]先週、若い人たちと話す機会があった。特に軍事に関心があるという人たちではなかった。その人たちのことで気になったことがある。それは日本人拉致事件は知っているのに、なぜ北朝鮮が日本人を拉致したか知らないことである。その若い人たちの中には、北朝鮮にハイジャックで亡命した日本赤軍のメンバーが、仲間を集めるために日本人を拉致したと思っている人がいた。また過去にあった日本による朝鮮人強制連行事件(太平洋戦争中)に対する報復で、北朝鮮が日本人拉致を行ったと考えている人がいた。あるいは北朝鮮が日本を攻める(戦争)ために日本人を拉致したと考える人もいた。 ちょっと驚いたが、そういえば日本のメディアも日本人拉致の目的を詳しく報じていなかったような気もする。この機会に周囲の人と日本人拉致事件の目的を話すことをお勧めする。 今日の産経でも報じているが、日本人拉致事件は対韓工作の一環で、日本に住む在日韓国人や在日朝鮮人を使って、韓国国内にチェチェ思想などを広め、北朝鮮の韓国統一を進めるために行ったのである。日本と戦争をするために行ったわけではない。あくまで主な目的は韓国革命と祖国統一という金日成主席の考えからである。 日本から拉致された人も、日本で暗躍する秘密工作員を養成するための日本語教師や、日本語などの文書を翻訳する仕事に従事させられた。今まで帰国した拉致者は翻訳を行っていた人たちで、工作員養成に関係していた人は帰国していない。 このようなことは日本人なら誰でも知っていると思っていたが、意外と正確な知識を持っているのは少ないようだ。 |
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米検討 沖縄海兵隊3200人移転へ 2600人は座間、600人帰国 (読売 6月21日 朝刊)
グローバル・アイ 在韓米軍の大規模撤退 焦点は「不安定の弧」中東へ (毎日 6月21日 朝刊) |
[概要]米政府は世界規模の米軍再編構想の一つとして、沖縄にいる米海兵隊1万6000人のうち、3200人の移転を検討していることがわかった。このうち2600人は在日陸軍司令部のある座間基地(神奈川県)に移転し、600人は本国に帰国する。座間に移転した2600人は静岡県の東富士演習場を中心に演習し、北海道の矢臼別演習場で実弾砲撃演習などを分散実施させる。米政府は駐屯地と演習場を分散させることで、地元自治体の反対を避ける狙いがある。(以上 読売) [コメント]すでに座間には米本土のワシントン州から、東アジアを担当する第一軍団の司令部を移駐させる案が検討されている。その軍団司令部を守る部隊が米海兵隊の2600人という新配備になる。陸軍を海兵隊が守るというのも変な気がするが、これが新しいトランス・フォーメーションの特徴かも知れない。もはや米軍には陸、海、空と分離運営する余裕などないし、軍事技術(RMA)の高まりで分離することが無駄になったのだ。座間の隣には横田基地の在日米軍司令部がある。米国はその横田基地に空自の航空総隊司令部(東京都府中市)を移転するように打診している。座間や横田は国道16号線と横浜・横須賀道路(通称、横横高速)を使えば、米海軍の横須賀基地と結ばれている。どうやら在日米軍のトランス・フォーメーションの姿が浮かび上がってきた。横田(空軍)、座間(陸軍)、横須賀(海軍)の司令部機能を強化して、朝鮮半島を含む東アジアの軍事拠点(指揮、情報)にする考えである。この背景には、MD(ミサイル・デフェンス)の配備によって、この3拠点を効果的に防衛したい気持ちもあるようだ。 沖縄では補給部隊や基地機能を出来るだけ残し、海兵隊などの戦闘部隊の一部を座間に移し、その主力は中東や東南アジア周辺に新展開させる配備になる。当面はイラクなどの中東を強く意識した配備を強化するようである。とにかく米軍は一人でも多くの米兵を中東(主にイラク)に投入したいことが、トランス・フォーメーションを急がせている理由である。
[概要]韓国では在韓米軍の撤退をめぐって大騒ぎだ。「反米ムードが高まり、米国は韓国を見捨てた」、「いや米軍は北朝鮮を空から攻撃する準備を始めた」という具合である。実は米軍は地球規模で軍の改革構想を進めている。冷戦時代の配備を見直し、テロとの戦いを前に機動戦略を強化している。例えばドイツ配備のF−16戦闘機はトルコまたはルーマニアへ、アイスランド配備のF−15戦闘機はイタリアへ。米軍の新戦略防衛構想は、4日以内に1個旅団、5日間で1個師団、1ヶ月で5個師団を世界のどこでも緊急展開できる体制を目指す。その結果、米国は有志連合と組んで単独行動主義戦略で世界支配する決意である。そして対テロ戦争で中東・イスラムを中心としたユーラシア南部の「不安定の弧」に軍事拠点を移す可能性が高い。(以上、毎日新聞 専門編集員である石郷岡建氏の署名コラム) [コメント]米軍には、「北朝鮮軍はすでに死んでいる」という判断があるのは間違いない。韓国世論が反米に傾いたから在韓米軍を撤退するという見方は間違い。また北朝鮮を空から攻撃する意志もない。米軍は自らの都合でトランス・フォーメーションを行っているに過ぎない。とにかく石油をイスラム原理主義と戦って押さえる戦略である。 |
| 国防相が表明 「オランダ軍3月撤退」 駐留再延長を否定 (読売 6月19日 朝刊) |
[概要]読売新聞の飯塚恵子記者のインタビュー記事。オランダのカンプ国防相はオランダ軍のイラク駐留期限を来年3月までとし、再延長はなく、イラクから撤退することを明らかにした。これによってサマワの治安をオランダ軍に依存する自衛隊にも影響が出るのは必至である。撤退の理由として、「オランダのような小さな国で1400人を派遣するのは非常に重い」と述べた。しかし現実には国内の反発に配慮したことも考えられる。オランダ軍の総兵力は約5万人。 [コメント]イラク南部サマワを含むムサンナ県の治安を担当するオランダ軍が撤退する。来年3月というから9ヶ月後であるが、自衛隊はこれを深刻な事態と受け止めるだろう。なぜ深刻化なのかと言えば、オランダ軍のあとにどこの国の部隊が治安を担当するかという問題である。もしだれも引き受け手がなければサマワに米軍が展開する。これを陸上自衛隊は最も恐れるからである。 陸自がサマワを選んだ理由に、米軍がいないことが含まれていた。米軍と自衛隊の関係に一線を引きたいからである。具体的にいえば米軍が治安を担当する地域で、自衛隊が後方支援(復興支援)を行うような活動はしたくなかった。これではいくら指揮権は別々でも、米軍の保護下に置かれて自衛隊が活動することになるからだ。 しかし米軍はオランダ軍が去れば、サマワに来ることを望むと思う。米軍と自衛隊(特に陸自)がそのような2重構造になれば、東南アジアなどを想定した多国籍軍構想(緊急展開部隊構想)で日米の共同軍事行動が可能になるからだ。じつは米軍は自衛隊のカンボジアPKO派遣の時から、将来はアジアでの日米共同軍事行動を模索していた。ちょうどNATO軍と米軍の関係に似ていた。 米軍べったりと思われている自衛隊にもプライドはある。海自はすでに米軍と一体化して活動するように組み立てられている。その米海軍が中東に行ったので、追いかけて行こうとしているのはそれでしか存在感を示せないからだ。しかし陸自は違っていた。米軍の支配下に下ろうとしたことはなかった。日本には日本伝統のプライドがある。日本は第2次大戦でアメリカに負けたが、日本人としての精神まで失ったわけではない。 オランダ軍の撤退表明は新しい日米軍事関係にも影響が出てくるのは必至である。日本人は日本人の心を持った指導者を選ぶことが必要な時期が来た。それは小泉首相のような軽々しい者ではない。 ドイツはブッシュ政権のイラク戦争に反対した。カナダはイラクに常駐部隊を送ることを見送っている。言うときははっきり言うような国でなければ、国際的な信頼を得られない。もちろんアメリカからも見下される。そんな簡単なことに多くの日本人は気がついていない。威風堂々と行こう。 |
| 小泉首相 米兵輸送 継続を強調 多国籍軍「参加」と明言 きょう閣議決定 (毎日 6月18日 朝刊) |
[概要]小泉首相は通常国会の閉幕を受け、記者会見で多国籍軍参加について説明した。イラクの自衛隊は日本が指揮権を持ち、武力行使は行わず、活動は非戦闘地域でイラク特措法に枠内で行うと話した。また空自の米兵輸送業務は継続するという。しかし米軍のロドマン国防次官補は、「多国籍軍は米国の指揮下に入る」と明言している。だったら日本がイラクの暫定政権と独自の地位協定を結ぶことが通常の考えだが、その点について小泉首相から説明はなかった。また今までは多国籍軍「参加」はその指揮権に入ると解釈されていたが、小泉首相は「参加」という言葉を数回にわたって使った。 [コメント]小泉首相はイラクの人道復興支援を行うと力説する。しかしサマワの給水や医療援助は人道支援でも、空自が輸送機で米兵を輸送することは後方支援で人道支援ではない。また指揮権も日本政府は米英の確約をとったというが口約束である。それでも米側は堂々と「多国籍軍の指揮権は米国にある」と公言している。「日本以外の多国籍軍」とは言ってない。軍隊において指揮権は極めて重要である。その指揮官の命令で兵士が死ぬこともあるからだ。 「ただ今よりこの部隊の指揮は安藤大佐がとる」と宣言すれば、安藤大佐が命じれば部下は銃弾が飛び交うなかを突撃しなければならない。それほど軍事組織では指揮権がだれにあるかは重要なのである。軍事を知らない政治家が自分の都合でホイホイと指揮権をキャチボール(移譲)できないのだ。 それに小泉さんは多国籍軍参加になって、盛んに人道的な復興支援と言うが、空自の米兵輸送は人道支援ではない。れっきとした後方支援活動である。これを多国籍軍でも継続させるというが、空自の連中も困っているのではないか。 また、これらを簡単に基本計画の変更で閣議決定できるなら、今の活動を発展させて陸自の輸送業務も可能という解釈もできる。まさに陸自が車列を組んで、米兵や物資の輸送を行うことが可能になる。さらにヘリ部隊などを使って輸送業務も可能になる。すなわち今回のように重大な変更を閣議決定だけで簡単に行うなら、今後は派遣部隊の増派、活動(任務)範囲の拡大、サマワ以外での活動地域の拡大など、日本が今まで基本としてきた安全保障政策が大混乱することになる。陸自幹部の困った顔が思い浮かぶ。 小泉首相はどうしてこんな危険なことが平然と行えるのか。デタラメを行うにもほどがある。イラクの自衛隊はどんどんと危険な戦場に追いつめていくのに、彼らを守るとか安全にするといった配慮は皆無である。あまりにも自衛隊員の生命を軽く見下している。 |
| アルカイダ フセイン政権と無関係 9・11テロ 米調査委「証拠なし」 (朝日 6月17日 朝刊) |
[概要]9・11同時多発テロを未然に防げなかったことを調査している米議会の独立調査委員会(超党派)は、イラクとアルカイダが協力関係を示す証拠はないと結論づけた。これは大量破壊兵器の保有とともに、フセイン政権を打倒する根拠としてきたブッシュ政権の主張を否定するものになった。また当初のアルカイダの計画では10機の民間機を使い、西海岸でも攻撃する予定があったことを明らかにした。チェイニ副大統領は14日にも、「フセイン政権はアルカイダと長期の関係があり、複数のテロ組織と関係があった」と述べている。 [コメント]ここで今までの経緯を整理すると、ブッシュ政権はイラクを攻撃する前にCIAに対してフセイン政権とアルカイダの関係を立証することを求めた。しかしCIAはイラクの工作員とアルカイダの接触は探知したが、武器や資金提供などの事実はなかったと分析した。次にCIAはイラクに大量破壊兵器が存在し、それがアメリカへのテロに使われるという情報を入手した。 そこでアメリカはイラクに対して予防攻撃といういう理由で開戦した。しかしイラクの武装占領後になって、この情報はイラク人亡命者が自らの存在感の大きさを示すために行った虚偽の情報とわかった。イラク戦争の大義を失ったブッシュ政権は、次に中東を民主化してテロの脅威を排除するという拡大中東構想(大中東構想)を示して、イラク戦争の大義に祭り上げようとしているのだ。先週のシーアイランド・サミットは拡大中東構想への参加を各国に求めるものだった。 だが拡大中東構想の侵略性に気がついた仏、独、露の反発は強かった。特にフランスはNATO軍を中東に派遣させようとするブッシュ大統領の要望を、「時期尚早」と断ったのである。しかし日本だけは多国籍軍参加という形で、チェイニ副大統領などネオコン(ブッシュ政権内)が作った拡大中東構想への支援を約束したのである。 そのような時期での、今回の独立調査委員会の報告書公表である。この流れを見ても、いかに小泉首相の無知が、日本を危険な方向に向かわせていることがわかると思う。 昨日、田舎の同級生が上京していると電話があった。しかし夕方には羽田から広島に帰るという。そこで互いに時間をやりくりして六本木ヒルズでランチを食べることにした。その食事後、幼なじみとヒルズの中を歩いていたら、知らない人から「ホームページを見ています。頑張ってください」と話しかけられた。初めてのことだった。嬉しいやら、恥ずかしいやら。でもやはりドキドキするほど嬉しかった。 4時には日テレに移動して、土曜日の深夜(12時すぎ)から放送する「ジェネジャン」の録画取りに出演した。「ジェネジャン」とはジェネレショーン・ジャングルの略で、世代を超えて本気で議論するトーク番組だった。今週のテーマは「戦争」。司会は堂本光一さんで、泉谷しげるさんも出演していた。初めて泉谷さんが怒鳴るところを生で見たが、すごい迫力だった。戦争反対派、戦争賛成派(しかたない派)に分かれて壮絶な論争が起こった。放送は関東エリアは土曜日の日テレだが、まだ3回目ということで全国放送は少ないようだ。しかし内容は面白い。論争のプロが集まった年寄り評論家の議論よりははるかに面白い。 |
| 自衛隊「多国籍軍」参加 独自指揮権 米英が承認 政府見解 司令部要請 拒否も (読売 6月16日 朝刊) |
[概要]政府はイラクで編成される多国籍軍への自衛隊参加は、@自衛隊は日本独自の指揮下で活動する。A日本の方針に反する多国籍軍司令部の要請は断る。Bイラク特措法に定める活動が困難にかった場合は活動の中断や撤退ができる。とする方針を固めた。米英もこのことを了解したという。山崎官房副長官はイラク特措法で行っている米英軍の物資輸送は、多国籍軍に参加後も引き継ぐという考えを示した。 [コメント]昨日は多国籍軍司令部は2つあり、日本は武力行使(治安回復)を行わない人道的復興支援だけを担当する司令部に加わるというような、訳のわからないことを言っていた。それを痛烈に批判されると、今日は多国籍軍司令部の指揮下に入らず、日本独自の指揮で多国籍軍に加わると言い方を変えた。昨日の論法では、とても7月の参議院選挙が戦えないと判断したからだろう。さらに本日の新聞では、「参加」という言葉は指揮権に入ることなので、指揮権に入らない「協力」という言葉を使うことになると報じている。(90年に中山外相が多国籍軍参加は指揮権に入り、行動すること定義している) もうそろそろいい加減にしろと言いたいのはこのことである。軍隊を外国に派遣していて、参加ではなく協力とは何おや言わんである。「派遣」という言葉も正確には「派兵」である。言葉や解釈は勝手気ままに変更できても、イラクや自衛隊の現実は勝手に変更できない。しかし与党も与党なら、野党も野党である。自民党や小泉さんの失態ばかり攻撃しないで、自分たちも自衛隊のイラク派遣問題をどのように対応するのか戦略を示して欲しい。もはや撤退論だけで済む次元は越えている。 野党は小手先の対応策ではなく、ネオコンの描いた拡大中東構想(大中東構想)をどのように評価するのか、そのあたりのことも国民に示す必要があると思う。国民への説明不足は小泉さんばかりではない。 私はネオコンの拡大中東構想は失敗すると考えている。だから日本が中東で行っているODAも、拡大中東構想と切り離して行うべきと主張する。中東諸国への教育向上のたのODA供与も、ネオコン支援の拡大中東構想の一環として行うのではなく、あくまで日本独自のODA構想で行うことを表明して欲しい。アメリカは片手で親しく握手しても、もう片方の手にはナイフ(軍事力)を握っている。そのような国と日本は外交や軍事を全面的に共有することはできない。日本はあくまで侵略的な野心を持たず、軍事的な手段を取らない国として、日本の国益追求と拡大を目指すことがベストと思うからだ。 |
| 被害車両公開 奥大使の面影と銃撃のツメ跡と (毎日 6月16日 朝刊) |
[概要]昨年11月末にイラクで発生した日本大使館員殺害事件の被害車両が公開された。奥参事官(当時)と井ノ上書記官が銃撃され死亡した事件で、車内にはおびただしい量の血痕やガラス片などが残り、銃撃時の凄惨な状況がうかがえた。
被害車両のトヨタのランクルは軽装甲車であるが、至近距離からAK−47のような7,62ミリ弾を防ぐことは出来ない。そのようなことから襲撃を予測すると次のようになる。 襲撃車両は2台で、その一台はピックアップ・トッラクのように荷台が高い車で、その荷台から銃撃した。もう一台はセダンのような乗用車で、右側の窓を開いて車内から撃ったと思われる。その経緯は、まず2台の車が被害車両を追い越しにかかった。次にピックアップ・トッラクが被害車両の前面に回り込んでボンネットや全面ガラスを撃った。これで頭を押さえられたランクルは加速して危険を回避することが難しくなった。そこにもう一台のセダンが左側面に接近し、並走し銃撃した。そして銃撃後にランクルは道路上から脱輪して右の畑にそれた。襲撃した2台の車はそのまま逃亡した。 というのが私の分析であった。これは襲撃に手慣れた者の仕業で、軽装甲のランクルが加速して危険を回避することを知っている者が犯人である。すなわち旧フセイン軍の残党で、襲撃などの特殊な訓練を受けたグループである。物取りや強盗の類ではないし、通り魔的な無差別の襲撃ではない。(写真は6/16日付けの毎日新聞に掲載されたもの) |
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自衛隊 イラク多国籍軍参加 独自指揮権を明確化 自衛隊 統一見解18日閣議了解 (読売 6月15日 朝刊) 自衛隊の指揮権 いまだに不明確 (産経 6月15日 朝刊) 小泉首相「多国籍軍でも米兵輸送」 (毎日 6月15日 朝刊) 多国籍軍参加 自衛隊「日本の指揮下」 首相説明 近く統一見解 (朝日 6月15日 朝刊) |
[概要]小泉首相がイラクの自衛隊を多国籍軍に参加させると表明したことで、イラク派遣部隊の指揮権をめぐる問題が表面化した。その結果、今日の朝刊には各紙様々な報道が行われている。一番、最もらしいのは読売である。新設される多国籍軍には司令部が2つあり、治安部隊である「多国籍部隊司令部(MNC)」と、復興支援を行う「多国籍軍司令部(MNF)」だという。その二つが統合されたのが多国籍軍司令部だが、自衛隊に命令を出すのはMNFだけと解説した。MNFは自衛隊に戦闘への従事を命令する権限は持っていないという。 しかし産経は指揮権が不明確で、さらなる調整で統一した政府案をまとめる方向という。内閣法制局は我が国独自で業務の中止や終了ができるなら多国籍軍に関与できると、憲法との整合性を認めることを報じている。しかし多国籍軍司令部が自衛隊に命令することはできず、日本独自で自衛隊の独立した指揮権を模索しているという。もし多国籍軍司令部に人道的な復興支援だけを限定した部門ができるなら、その指揮権に入ることは構わないという防衛庁首脳の見解を報じている。 毎日はイラク特措法で行っている業務を自衛隊が引き継ぐので、空自の輸送業務はそのまま引き継ぐという。また指揮権は集団的自衛権との一体化を避けるため、非戦闘地域での活動や武力行使と一体化しないという見解を盛り込むという。 朝日は自衛隊の指揮権は日本にあるが、それがどのように担保たせるか十分に説明されていないという。 [コメント]とにかくこれらの記事を読むと、政府は多国籍軍には2つの司令部があり、日本はイラクでの戦闘(治安)を担当しないで、人道的な復興支援が担当の司令部下で活動するというように持って行きたいらしい。しかし朝日のいうように、それでイラクの戦闘から自衛隊が切り離されたという確証(担保)はないと指摘するのもわかる。さらに毎日は、現在でも米兵や米軍の物資を輸送する空自は、復興支援というよりも後方支援活動になり、より自衛隊の多国籍軍参加問題が深まる可能性があると指摘している。 政府は18日にも、これを政令にして閣議決定することを決めている。しかしこれで普通の国民は理解できるだろうか。仮に私に説明してくれと言われても、このように詐欺のような説明はとてもできない。だから政府も十分に説明できないと思う。あまりにも今まで解釈変更で逃げてきたので、これ以上変更すれば崖崩れを起こすほどに危険な状態になっている。 もし政府の御用評論家がしたり顔でこれを説明すれば、堂々と正論で反論して致命傷を与えることも可能である。これでは内閣法制局も何のための役所かとなってしまう。憲法や法律の抜け道を考えたり、解釈変更で法律をなし崩しすることが法制局の仕事かと疑われる。 このような姑息なことしか日本はできないのか。一つだけ言えることは「日本の常識、世界の非常識」である。 また自衛隊員に向かって言えば、蛙を熱湯に入れると飛び出すが、冷水に蛙を入れて水を熱すると、蛙は跳び出ないでそのまま熱湯で死ぬという。この言葉の意味を考えて欲しい。 |
| 本日は更新を休みます。(6月14日) |
◎ 本日は都内某所で午前10時より講演会を行います。テーマは「イラク情勢の展望」。ちょうど新聞休刊日ですので今日の更新をお休みします。 ◎ 昨日は中2の娘が英検を受験したので、試験会場である三田の慶応大学まで付き添いで行ってきました。帰りに東京タワーまで歩いて、展望台にのぼってきました。久しぶりに娘と二人のデートでした。デートのときは楽しそうにしていたのに、家に帰るといつもの反抗期真っ盛りの娘に変身しました。可笑しいほどの変身ぶりでした。 |
| サドル師 柔軟路線に転換? 暫定政権を支持 「米軍駐留に期限」条件 (産経 6月13日 朝刊) |
[概要]イラクのシーア派で駐留米軍と激しく対立してきたサドル師が、暫定政権を条件付きで支持すると声明を発表した。サドル師の声明はクーファの礼拝堂で側近が発表した。ただし暫定政権が米軍などの撤退期限を決めるなどの条件で協力するという。サドル師はシーア派指導者らの仲介や圧力で、クーファからサドル派民兵組織「マフディー軍団」の撤退に合意、今はイラク警察の管理下に入っている。 [コメント]これをサドル派の停戦合意と見るか、それとも暫定政権に揺さぶりを掛けてきたと見るか。私はその両方と考えた。サドル派は米軍との戦闘で多くの戦死者を出した。負傷者を加えると相当な数になるだろう。ここはちょっと一息つきたいところだ。そこでシーア派指導者の要請(圧力)を受け入れた形で停戦に応じた。しかし政治的な攻勢を仕掛けることができる。その政治的な攻勢として、「暫定政権は米軍駐留期限を定めて欲しい」と要求した。この要求は暫定政権にとって非常にきつい内容である。駐留米軍が暫定政権との交渉にとても応じられないからだ。すると反米意識の高まったイラクでは、サドル師のカリスマ性が高まるという結果を生む。まるで日本の戦国時代のような息詰まる闘いが行われている。 これでますます米軍はサドル師殺害(あるいは捕捉)が難しくなった。もしサドル師を殺せば、駐留米軍は都合の悪い人物は抹殺するという非難を浴びる。とてもじゃないが、武力だけに依存する米軍にこのような芸当は出来ない。 正面から米軍と激しく激突するサドル師を、勇ましいだけの感情的な指導者と考えていたが、どうやらそうではなさそうである。イラクのシーア派の中でサドル師は、まだまだ不満や怒りを受けて支持を拡大していくと思う。とくに暫定政権でスンニ派が重用(軍隊や警察)されたり、イラクの復興事業でシーア派に不満(雇用)がでるとサドル師の支持が高まる。それに30代という若さが信長的なカリスマ性を感じさせる。 |
| 韓国国防予算、13l増に (朝日 6月12日 朝刊) |
[概要]韓国国防省が11日発表した05年度国防予算案は、総額21兆4752億ウオン(約2兆300億円)と今年より13.4l多くなった。これは朝鮮半島の安全保障体制の変化にともない、「自主国防」路線を強く打ち出したためだ。そのため兵器・装備を購入する戦力投資的支出に重点を置き、今年度比16.0l増の7兆3003億ウオンを充てる。兵器・装備購入割合は国防費全体の34lとなる。国防費が国内総生産(GDP)に占める割合は、今年度の2,8lから2.9l程度に増える。(神浦・・・日本の防衛予算はおよそ4兆九千億円) [コメント]エッと驚く数字だった。徴兵制を採っている韓国で兵士の人件費は日本と比べて非常に低い。徴兵制で集められた新兵の給料は月額1千円程度で、ボーナスを入れた年額給与も、韓国の会社員の月額報酬分に足りない。それなのに韓国で国防費が2兆円を越えた。さらにその国防費の1/3が兵器や装備に充てられるという。 さらに下段の6/4でも触れたが、在韓米軍は07年までに1兆円(110億ドル)を越える予算を投入して、朝鮮半島の基地機能を強化する計画(トランスフォーメーション)を持っている。もうボロボロの北朝鮮など米・韓国軍に歯を立てることもできない。アメリカは北朝鮮の生死は中国に丸投げしたが、米韓軍はその次を見通して動き出している。 朝鮮半島情勢のウォッチャーはこのあたりの分析を正確にして頂きたい。北朝鮮軍が日本や韓国やアメリカに、軍事的な脅威を与えているなどという、CIAのようないい加減な分析をしてはいけない。 また韓国軍がどこまで強化されるか、日本にとっては無関心ではいられない。 |
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解説 多国籍軍 「自衛隊が参加し武力行使しても意見でない 政府は従来の説明を改める必要」 (読売 6月11日 朝刊) |
[概要]読売新聞・解説部の勝股秀通記者が、自衛隊が初めて多国籍軍に参加するので、武力行使ができるための知恵(法解釈変更)を書いている。それによれば、国連が決めた多国籍軍の活動は世界の平和と安定を維持するという「国連の目的(国連憲章1条)を達成するために、部隊に武力行使の権限を与え、必要ならその行使を認めている。これは憲法9条が禁じている「武力の行使」(集団的自衛権)と全く異なる概念(神浦・・・・?)である。その日本国憲法には日本が締結した条約や国際法規を誠実に遵守することを規定している。だから自衛隊が多国籍軍に参加して、武力を行使しても国権の発動ではなく、憲法に違反しないという論理になる。今のままでは他国の兵士を助けられない歪んだ状況が変わらない。多国籍軍参加を機会に、日本国内でしか通用しない議論から卒業しなければならない。 [コメント]内閣法制局が多国籍軍でも武力行使を伴わない任務なら、自衛隊も参加できると法解釈を変えた。それまでは多国籍軍に自衛隊は参加できないことが法制局の見解だった。 そこで外務省は安保理決議1546に人道支援という一項を入れるように尽力した。この一項が1546に入ったことで、自衛隊の多国籍軍参加が可能になったと外務省は言う。しかし多国籍軍に参加した自衛隊員は、武器の使用問題が解決されていない深刻な事態になった。イラク特措法よりも矛盾がさらに拡大した。そこで自衛隊員に武器を自由に使わせる新しい概念はないかと探した。そして気がついたのは国連憲章の1条と多国籍軍を重ね、さらに憲法9条が禁じる武力行使と概念が違うと断定したのだ。この記事には一番重要な、多国籍軍の武力行使が、憲法で禁じた武力行使にあたらなという解説がない。互いに概念が違うと断定しているだけだ。日本と国連で概念が違うのは当然である。 これなら自衛隊は国連の多国籍軍に加わることで、武器の使用は自由自在になるというのである。これは日本人の軍事常識を根底から変えるものである。 この論理に従うなら、日本は中東に戦車部隊や戦闘機も派遣できるし、そのうちイージス艦に搭載されたMD(ミサイルデフェンス)のSM3をカタールの司令部防衛に派遣させることも可能になる。私は日本のMD配備は、中東などの米軍司令部を守るためという分析してきた。それを多国籍軍でやろうというのか。 私はここまで法解釈を変えるのは問題と思う。やはり根底には憲法問題がある。そこを避けて解釈変更でする抜けようとするから混乱するのである。これこそ戦争を禁じた日本国憲法を変えずに、自衛隊が海外の戦争に参戦できる究極の解釈変更である。 でも「溺れるものは藁をも掴む」という。だから小泉さんがこの論理に飛びつく可能性は大いにある。そして小泉さんばかりか日本も溺れることになる。 今回は勝股さんの記事を批判したが、私は勝股記者の解説記事の大ファンである。矛盾だらけの防衛問題で、必死に打開の道を探っている姿勢が記事ににじみ出ているからだ。 |
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国連安保理 1546新決議採択 イラク復興 道筋示す 「主権」あいまいさ残す 市民 楽観、悲観、思い複雑 自衛隊の多国籍軍参加 政府「活動内容同じ」 (読売 6月10日 朝刊) |
[概要]8日に採択された新安保理決議1546は、イラクの占領統治を終わらせ、完全な主権回復を承認し、イラクを国際社会に復帰させる決議と言える。しかし最大の課題であるイラクの治安回復に関して処方箋を示したわけではない。 焦点だった暫定政権や総選挙後に成立する自治政府と多国籍軍との関係も「協議する」されただけだった。新たな多国籍軍も指揮権は国連やイラク暫定政府にはなく、治安回復は米軍主導の多国籍軍に全面依存することになる。そのことに対してイラクの反米勢力が強く反発している。 またイラク戦争に反対した仏独露から、多国籍軍に部隊派遣は望めそうもない。米国が現実に望めるのは、展開中の同盟国部隊が撤退や削減を思いとどまる効果ぐらいである。その中、小泉首相はイラクの多国籍軍に自衛隊を参加させることを表明し、来週中にも自衛隊参加を正式決定する予定だ。 なんともわかりにくい新決議採択だった。何度も決議案に修正を加え、全会一致での採択というから、国際結束でイラクの復興支援に立ちあがると考えた。しかしそうではなさそうだ。新しくイラクに多国籍軍を組織するが、賛成した仏、独、露は派兵をしないようである。もちろんイスラム国家で新決議1546を受けてイラクに派兵を行う国もない。指揮権は今まで通り米軍が握っている。イラク暫定政権と多国籍軍との話し合いも、これから協議組織を作って話し合うという程度である。イラクの復興に国際的な結束とか、歩調を合わせるとはほど遠い内容である。 それなのに小泉さんは自衛隊を多国籍軍に参加させるといち早く表明した。今まで日本は多国籍軍への参加は憲法が武力行使を禁じていると参加していない。そのためにテロ特措法やイラク特措法など、臨時の立法が必要と判断し、新しい法律を作って自衛隊派遣に対応してきた。それが今までの経緯である。 しかし小泉さんはいとも簡単に「多国籍軍に参加」を表明した。内閣法制局が「多国籍軍でも武力行使を含まない任務なら可能」と新たに判断したからだという。そんな法律解釈ができるなら、なぜテロ特措法の時に言わなかったのか。それを「なし崩し的」と言われても反論できないだろう。どんどんと戦争のハードルが下げられていく。 昨年12月、TVの討論番組(生放送)で、小泉政権ぴったりの外交評論家と議論した。「自衛隊員がイラクで次々と戦死すれば、政府は自衛隊をイラクから撤退してくれますね」と私が尋ねると、その評論家は、「その時は新しい法律を作って対応すればよい」と答えた。すなわち自衛隊員の犠牲で世論が報復論で高まれば、別な法律を作って日本が戦争ができるようにするという考えである。「自衛隊員の犠牲で法律を改正するというのは危険な考えではないか。憲法までその手で改正するのですか」というと、「憲法改正までは考えていない」と話した。この評論家は来年(今年のこと)の1月2月に、アメリカからゲリラに強い新しい部隊がイラクに到着し、いらくの治安は劇的に改善されると話した人物である。生放送だった。 サマワの自衛隊を多国籍軍に参加させることも、自衛隊員に多数の犠牲者が出ることも、そして新しい法律で戦争ができるようにすることも、すべて政府があらかじめ作ったシナリオ通りだというのだろうか。小泉首相にはそのあたりのことをきちんと説明して頂たい。 |
| 来年末までに 在韓米軍3分の1削減 1万2500人 再編の一環 (毎日 6月8日 朝刊) |
[概要]6日に行った米韓両政府の駐留米軍の再編に関する協議で、米側が在韓米軍を来年末までに1万2500人を削減することを正式に伝えた、これは現在の3万7500人のうちの1/3にあたる。この削減の中には今年夏にイラクに派遣される3600人が含まれる。この削減は米軍が世界規模で行っている再編(トランスフォーメーション)の一環と説明した。韓国側はこれを受けて、@米韓同盟の強化 A朝鮮半島の安保状況への考慮 B米韓全体の防衛力の向上 C韓国の自主防衛計画への積極的な支援 などを米側に求め、米側も同意した。在韓米軍は07年までに110億ドルを投入して、司令部の移転や在韓米軍の機能強化を行う。 [コメント]在韓米軍は北朝鮮の崩壊を待っていたが、いつまでも崩壊しないことに待てず、いよいよ東アジアの米軍再編を実施し始めたということだ。なぜ北朝鮮が崩壊しないのか。その理由は2つしかない。その一つは北朝鮮の民衆が、徹底した情報管理と洗脳教育で、蜂起よりも餓死を選ぶからである。北朝鮮政府は国民が100万人餓死しようが、200万人凍死しても体制を維持する冷酷さがある。それが体制を崩壊させない最大の理由である。そして二つ目は背後で中国が北朝鮮に援助を行っているからである。中国には70代、80代の国家政治委員の中に、まだ北朝鮮に親しみを感じている者が残っている。その連中が北朝鮮の応援勢力になっている。胡錦涛主席もこの世代を無視できないようだ。 その一方で、北朝鮮軍の戦力低下は極限に達している。戦争対応というよりも体制擁護や集団労働力の組織になっている。もはや本格的な訓練や演習は皆無に等しい。武器の更新もないし、空地共同や統合作戦などもできない。すでに近代軍としての能力はない。そのようなボロボロの北朝鮮軍を相手に、いつまでも在韓米軍はお付き合いできないと決心した。 それならば、なぜ韓国軍は防衛力をさらに向上させる必要があるのか。それは朝鮮半島が統一後に向けた戦力整備である。統一すれば、朝鮮半島国家は陸続きで中国やロシアと接することになる。その場合を想定して戦力を拡充させるのだ。 半島の統一国家には在韓米軍が駐留する可能性は低い。しかし私は新国家はアメリカと軍事同盟を結ぶし、中国も在韓米軍の撤退を条件にそれを許すと考えている。すなわち新しい駐留なき米韓軍事同盟(共同訓練は行う)である。そうしなければ日本の軍事大国化を招くし、日本やアメリカから中国東北部(旧満州)への投資や人材の派遣が行われないからだ。中国が北朝鮮を崩壊させる最大の目的は、韓国、日本、アメリカの力で中国・東北部の開発を行って、開発の遅れた東北部の地域格差を縮めることが大事と思うからだ。 そのような基本的な考えを受けて、東アジアの米軍は新体制へのトランスフォーメーションを行うだろう。すでに韓国には米国からイージス艦の提供、F−15K戦闘機の売却、さらにパトリオット・PAC3 ミサイルの提供と、中国、ロシアと国境を接するにふさわしい最新鋭兵器の提供を約束されている。 米軍は自衛隊と新韓国軍と連携一体化し、朝鮮半島は新韓国軍、日本は自衛隊と防衛を担当させ、その指揮や情報などの中枢を握るつもりのようである。これがアメリカの21世紀の中国、極東ロシア・シフトである。それが米軍と自衛隊の一体化として、今後ますます米軍と自衛隊が重複する部分が増してくる。 そこで考えておきたいことは、米国は片手で握手しながら、片手には軍事力というナイフを持って外交をしている国だ。そのような米国と日本が運命共同体でいいのかという選択である。日本には厳しくとも独自の外交を選択する勇気が必要と思う。我々日本人は米国の従属国民ではない。文化も歴史も日本人であると考える。 |
| 沖縄の米海兵隊 北海道へ一部移転案 米打診、再編の一環 (朝日 6月7日 朝刊) |
[概要]米国が沖縄に駐留する1万4千人の第3海兵師団のうち、5900人の砲兵部隊の中で600人から700人程度を北海道の矢臼別演習場に移転させるという案を日本政府に打診していることがわかった。これは世界的な規模で米軍の再編(トランスフォーメーション)を行っている一環である。米軍はさらに自衛隊との一体化を目指し、在日米軍司令部のある横田基地に府中の航空自衛総隊司令部を移転させる提案もしている。これはミサイルデフェンス(MD)などで共同対処する目的もあり、さらに米軍の構想では自衛隊と米軍の一体化が進むことになる。 [コメント]私はトランスフォーメーションで在日米軍が次に日本で目を付けるのは北海道と読んでいた。あまりにも沖縄は狭く中国に近すぎるからである。10年前に私が想定した分析では、沖縄の第3海兵隊をバラバラに切り離して、米海兵隊は米本土の東(大西洋と地中海向け)と西(太平洋とインド洋向け)の2個師団(1個師団4万人規模)とする。そして沖縄の部隊はグアム(潜水艦進攻部隊)、オーストラリア(砂漠や大規模上陸訓練)、フィリピン(特殊訓練や人質救出部隊)、ハワイ(休養)、北海道(砲撃、寒冷地訓練)、など柔軟で機動力を生かした訓練を行うのである。そして全体の1/3程度はアフガンやイラクなどの紛争地に投入される。そのように米海兵隊の未来を分析していた。 これは北朝鮮の軍事脅威がなくなれば、明日にでも現実化する再編だと思う。その北朝鮮だが存続はしていても、軍事的な脅威はドンドンと低下している。もう北朝鮮軍の南進など夢のまた夢である。在韓米軍はイラク派遣で実質的に在韓米軍の削減に着手している。 ここで気になるのは自衛隊との一本化である。すなわち米軍は自衛隊の指揮権も手にしたいのである。陸自や空自を海自のように自由に使いたいと思っている。自衛隊の部隊ばかりではない。MDのように日本の防衛予算を活用したい意図もあるようだ。また日本の港湾や空港、それに民間の輸送会社などの後方支援もできるようになった。アメリカの対中国戦略で日本全土を防波堤にするトランスフォーメーションを着々と進めている。 このことが日本の防衛問題の根幹である。このようなアメリカの世界戦略と日本はどこまで付き合い、どこから付き合わないかを明確にする必要がある。今のように米軍に引きずられているようでは日本の国益は守れない。 |
| イラク自衛隊 多国籍軍参加固める 首相 新決議後に表明 (毎日 6月7日 朝刊) |
[概要]政府は6日、国連安保理で新たなイラク新決議行われ、6月末にも主権委譲が行われるイラクの多国籍軍に、サマワの自衛隊が参加することを表明すると決めた。修正した新決議には「人道復興支援」が明記されることが確実で、自衛隊の指揮権も独自に確保できると判断したからだ。安保理で新決議採択後、小泉首相が「憲法とイラク特措法の範囲内」で多国籍軍に参加することを表明する。自衛隊の多国籍軍参加は初めてとなる。 政府は今まで、自衛隊の多国籍軍への参加は武力行使を伴うとして、参加することはできないと見解を示してきた。そこで外務省は自衛隊の参加を可能にする新決議案を採用するように働きかけてきた。その結果、新決議案に「人道復興支援」という一項が盛り込まれた。そのことでサマワでの給水・医療活動の継続が可能と判断した。指揮権の問題は、自衛隊が多国籍軍の統合司令部から個別の命令を受けず、日本独自の判断で任務や活動場所を決められると判断した。 [コメント]日本は多国籍軍に参加させるが、その指揮権に入らず独自の考えで行動する。また武力行使は行わないという。なんとも奇妙な法解釈である。これは世界の軍事常識では考えられない。あまりにもわがまま過ぎると各国は批判するだろう。その任務としてはサマワでの給水・医療支援に限定しているが、それはあくまで現在の話である。将来は自衛隊に輸送などの後方支援任務に参加することを考えているようである。今、イラクで激しい戦いを行っているの輸送部隊に、自衛隊の武力行使を禁じて参加させるという。 それでもイラクが暫定政権の誕生で反米攻撃が収まればいい。それから仏、独、ロシアなどが多国籍軍に参加すればいい。さらにイスラム諸国から多国籍軍に参加してくればいい。しかし米軍の駐留継続やブッシュ大統領が主張する「大中東構想」への反発から、イラク情勢がさらに悪化すればどうするのか。新多国籍軍に仏、独、露などが参加しないで、さらにイラク情勢の悪化から撤退する国が増えればどうする。またブッシュ大統領が再選されず、ケリー候補が新大統領になればどうするのか。外務省はアメリカの後ろを従うことに必死である。そこにはブッシュの大中東構想という世界戦略を考えた片鱗もない。 昔は陸軍省、海軍省が日本を滅亡の縁まで追い込んだ。こんどは外務省が日本を滅亡の縁に追い込むような気がしてならない。 |
| 更新、お休みのお知らせ。 | 6月5日(土曜日)と6月6日(日曜日)の2日間、横浜YCC・ヨット・クルージングのため更新をお休みします。ヨットには携帯電話を持参しています。また、YCCには午後3時頃に入港の予定です。緊急に用事のある方は携帯に連絡してください。 |
| イラク戦根拠「情報不正確」 批判浴び引責? CIA長官が辞任 大統領選控え”詰め腹” 国防長官進退論に波及も (産経 6月4日 朝刊) |
[概要]ブッシュ大統領は2日、CIAのテネット長官の辞表を受理した。後任は決まっておらず、テネット長官が7月中旬まで職務を続け、その後はマクローリンCIA副長官が代行する。辞任の理由は表向き「一身上の理由」だが、イラク戦争の最大理由になった大量破壊兵器情報が不正確だったことで、CIAに対する批判を受けて責任を取ったと見られる。これによってブッシュ大統領は国民の間に高まってきた、イラク戦争の正当性を巡る論議を避けようとする意図が見られる。しかしテネット長官の辞任で、次に刑務所におけるイラク人虐待の責任をラムズフェルド国防長官に求める声が高まる可能性がでてきた。 [コメント]テネット長官はクリントン時代(民主党)からブッシュ時代(共和党)を通じて、CIA長官に継続して就任してきたという異例の経歴である。しかし私の持っているテネット評は非常に悪い。イラクの大量破壊兵器の誤報問題というよりも、北朝鮮情報のいい加減さを感じるからである。北朝鮮のテポドンUがアメリカに飛んでくるとか、北朝鮮が核爆弾を数発持っているとか、そのようないい加減な情報を議会の軍事調査委員会で証言している。このテネット長官は顔が諜報の現場に向いていないのだ。いつもホワイトハウスや議会に顔を向け、彼らに都合のいい情報をばらまくというイメージである。その意味では、テネット長官は典型的なアメリカの情報官僚である。 それよりブッシュ大統領が問題なのは、テネット長官の首切りでアメリカの国民がイラク戦争の正当性をめぐる論争を終わらせてくれるかである。ブッシュ大統領にとってイラク戦争が、大統領再選の最大の足かせ(障害)になっていることは間違いない。さらにイラク戦争で苦境に立ち、ラムズフェルド国防長官の首を切るようになれば、イラクに駐留する米軍の正当性が瓦解する可能性がある。 ブッシュ大統領は8日からの主要国首脳会議(シーアイランド サミット)で、アメリカが描く大中東構想を説明し、各国に理解や協力を求めるようである。ブッシュ大統領が言う大中東構想とは、モロッコからパキスタンに至るまで、イスラム諸国家を開放的な民主国家にすることだという。そのために第2次大戦や冷戦に匹敵する資金や戦力を投入すると語った。 まずイラクがそのための最初のターゲットなった。まさにこれこそネオコンのいう世界占領戦略の構図である。民主化といっても中東の石油やイスラム市場の獲得が目的であることは明々白々だ。 この大中東構想でエジプトのような穏健なイスラム国まで、激しい反米に立ち上がらせる可能性がある。大中東戦略が成功する可能性はまずない。むしろこれでぼろぼろになったアメリカが誕生するだけである。中国やロシアやフランスやドイツは、このブッシュ大統領が掲げる大中東構想にアメリカの落日を感じ取っているのと思う。お調子者の小泉首相がシーアイランド・サミットで、大中東構想を真っ先に支持するようなバカなことはやめてもらいたい。 |
| 検証 自衛隊とアフガン・イラク戦争 自衛隊50年史・関連特集 (朝日 6月2日 朝刊) |
[概要]朝日新聞が見開き(2ページ)で、アメリカでの同時多発テロ以降、日本政府と自衛隊がアフガンとイラクの戦争に関わってきたことを検証取材した特集レポート。日本政府の動きに危機感を強めたり、アメリカ政府の要求に対応した内幕が書かれている。 アフガン・・・沈黙する米。海幕は自ら支援リストを作った。 官邸主導で「極秘」会議。外務省が案を出した。 「派遣は無理だ」。陸自は「火消し」に走った。 イラク・・・・・「衝撃と恐怖」戦略が、米軍のパソコンに現れた。 「やる気が見えない」。国防総省高官がなじった。 日米首脳会談を見て、陸幕長は派遣を覚悟した。 以上が小見出しである。 [コメント]いかに政治家や閣僚が軍事を理解していないか、そんなことを痛烈に感じさせる特集になっている。日本政府には日本の事情を越えて、テロ戦争と戦う米軍を最大限にサポートすることしか考えていなかった。これでは日米同盟と名が付けば、米軍すべてを支えることが自衛隊のすべてになってしまう。これでは自衛隊が間違った実態になってしまう。まるで刺身にソースをつけて食べるようなものである。日本の憲法と自衛隊の役割は、刺身と醤油で食べるように整えてきた。そこにきて急に刺身をソースで食べてくれと言われる。そのソースとは海外の戦場で米軍を直接支援することである。それも最も前線と後方が区別できないゲリラ戦という戦場での話だ。 今日の産経(6月2日)に、・・・自衛隊、多国籍軍参加は可能 法制局長官「限定任務なら」・・・というのがある。武力行使と一体でなければ、自衛隊がイラクで主権委譲後に創立される多国籍軍への参加が可能という認識である。たぶん輸送や医療任務を示していると思うが、民間人支援を対象にした任務ではない。米軍など戦闘部隊の物資や兵員の輸送や医療を担当する任務である。ここで具体的な検討に入ると、正当防衛以外は武器は使えないとなる。ところが輸送路はバリバリの戦場で、毎日、多くの兵士や車列に損害(犠牲)が出ている道路である。 輸送業務は戦闘行為ではない。戦闘行為でないから自衛隊は参加できる。しかし武器の使用(戦力の行使)は憲法違反だからできない。武器の使用は正当防衛と危機回避だけ。どうしてこんな大間違いの戦争論理が、堂々と法律論でまかり通るのか。もうそろそろ目を覚ましてほしい。自衛隊員は政治家や官僚の捨て駒ではない。 |
| 米誌報道 イラクの石油事業 チェイニー氏事務所 受注関連のメール (毎日 6月1日 朝刊) |
[概要]30日付けの米誌タイム(電子版)は、イラクの石油関連事業を米エネルギー大手のハリバートン社が受注するにあたり、同社の最高経営責任者(CEO)だったチェイニー副大統領が関与の疑いを示す電子メールを入手したと報じた。メールは03年3月5日付けの陸軍工兵隊の担当者名で、副大統領の事務所が数十億ドルにのぼるイラク石油関連施設の復興事業に、ハリバートン社への発注を「調整」したというもの。陸軍工兵隊はこの3日後にハリバートンに契約を発注したが、他に入札社はなかった。チェイニー氏は副大統領になった00年以降、ハリバートン社が関与する政府契約に関与していないと疑惑を否定してきた。 [コメント]軍事を研究していて、一番頭に来るのは「死の商人」である。すなわち戦争をビジネスチャンスにして、お金儲けを企むやつである。そのためなら戦争を始めることも平気な奴らである。兵士の死や市民の犠牲が、札束にしか見えない連中である。昨年の3月5日といえば、イラクで戦争が始まるか回避できるか、最後の外交交渉が行われていた時期だった。それなのにチェイニー副大統領はイラク復興事業の受注に必死だったということになる。このような者こそ死の商人であり売国奴である。この気持ちは大多数のアメリカ人も同じと思う。ブッシュ政権内のネオコン一派が、金儲けを企んでイラクの占領支配を行ったことが証明された。このことはすでにブッシュ政権の内部告発から、ブッシュが同時多発テロ以前からイラク戦争を企てていたという指摘を証明できることになる。 もしアメリカでこのような行為が許されるなら、アメリカは悪の帝国というイメージを払拭できない。私はそのようなことをアメリカ国民が許さないことを知っている。ますますブッシュ再選は難しくなった。もはやブッシュ政権は自滅の道を歩み始めた。 となれば次のケリー米政権では、イラク政策をどのように行うのか。最近、アメリカのメディアにクリントン時代の国防長官が発言しだした。またマクガバン上院議員(しかし共和党)の国防長官就任も噂され出した。日本は北朝鮮問題をはじめ、多くの点で次期政権の政策を検討し直す必要がある。 |