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中谷防衛長官 ミサイル防衛で独自の情報収集をめざす (朝日 6月29日 朝刊) [要約]中谷長官は先のラムズフェルド米国防長官との会談で、BMD(弾道ミサイル防衛)で日本は主体的な運用を目指すと表明した。その真意をさぐるインタビューである。中谷長官は、主体的な運用を目指すために、独自に弾道ミサイルの発射や飛翔を探知できる能力を目指すという。しかし外国から情報提供があっても、主体的な運用を害するものではないとも語った。(アメリカの早期警戒衛星からの発射情報のこと) また、米国のようにブートス(上昇)段階での迎撃は考えていない。あくまで憲法が禁じた集団的自衛権を逸脱しない方法を研究するという。(インタビューをした本田 優編集委員は、米国のNMDと日本のBMDの線引きは困難と解説記事を掲載)

[コメント]日本独自でBMDを配備するには無理がある。日本には北朝鮮のテポドンしか頭にないようだが、アメリカは中国やロシアの弾道ミサイルを重視している。日本がBMDで中国やロシアの弾道ミサイルに対抗するには、技術的に、資金的に、地政学的、そして憲法上にも無理がある。結局、莫大な防衛予算をつぎ込んで、無用の長物を作ろうとしているだけだ。まさに現代の「万里の長城」である。防衛庁として、なんとしても米BMDの研究に参加して、そのノウハウを得たいのだろうが、すでに構想の段階で、日本の憲法や社会常識を超えている。その無理を押し通すと、日本の国防全体がゆがんでくる。ここは軍事の原点にもどって、もし北朝鮮が日本に弾道ミサイルを発射すれば、日本は北朝鮮に対し耐え難い程の軍事報復を行うと考えたほうがよい。むろん、そのような非常事態がくれば、日本国民の大多数が憲法改正を支持し、自衛隊に報復攻撃を期待することは明白である。今は不確実な弾道ミサイルの迎撃を考えるより、相手に耐え難い報復が行える潜在力を養うほうが重要だ。だが北朝鮮が明言して弾道ミサイル開発や、核兵器開発を行わないなら、日本が不要な報復力を高める必要はない。アメリカがBMDを必要としているのは、非対称の考えをもつ中国の核攻撃を恐れるからである。(非対称とは、アメリカとロシアのように互いの核威嚇が通用(成立)せず、中国が広大な領土と12億の人口を背景に、アメリカに核攻撃を行うのではないかということだ)。要は核兵器大国同士の確証破壊戦略(MAD)が、最近の中国の台頭で不安定さを増してきただけの話である。ここは核兵器大国同士で核兵器削減交渉を行うことが先である。この視点が日本に欠落している。つきつめていけば、アメリカのBMDは中国の核戦略との問題である。北朝鮮やイラクやイランに対して、アメリカは通常兵器で重大な報復を行う戦力を保持しているし、ロシアの核兵器とMADの信頼性は保たれているからだ。中谷防衛庁長官に助言する。「BMDの本質を理解して、幻想を見て踊ってはいけない。すでに空論の域である」。
メコン川国際航路開通 中国、物流拡大へ (読売 6月28日 朝刊) [要約]中国雲南省とタイ、ラオス、ミャンマーの東南アジア3カ国を結ぶメコン川の国際航路が開通し、雲南省のシーサンパンナ・タイ族自治州で開通式が行われた。2010年には年間150万トン以上の貨物輸送量と、40万人以上の旅客輸送量が見込まれている。カンボジア、ベトナムもこの航路の参加を望んでおり、年内の流域6カ国の会合が予定されている。これにより中国の経済影響力が拡大することが予測されている。

[コメント]この航路の最大の問題は、上流部分で川幅が狭く急流なため、川中の岩場など危険な個所がいくつもあることだった。そこで危険な岩場は爆破され、急な曲がりも治水工事で直線的な流れに変えられた。またメコン川の各所に桟橋が建設され、荷物の積み下ろしが楽になった。また桟橋に向かって新しく道路も整備され、交通が不便で開発が遅れたへき地にも物流が行えるようになる。下流部のカンボジアとベトナムのメコン川の部分では、すでに大型船の航路として使われているので、全体を接続することに問題はない。中国の戦略としては、まずラオス、タイ、ミャンマーなど四カ国の上流部分で経済基盤を築き、その体制が固まってからベトナムを参加させる作戦のようだ。開発初期の段階からベトナムを参加させると、ベトナムの経済力が上流部分に進出する可能性があると警戒したからだ。私は何度も言っているが、これが海軍力の弱い中国の東南アジア進出戦略なのである。中国海軍が南沙海域を押さえてから、東南アジアに進出してくると分析するのは間違いだ。中国は伝統的な政策では、軍事力よりまずは経済進出なのである。ここが欧米と違う部分である。(中国の人民日報日本語版に関連記事 http://j.people.ne.jp/2001/06/27/jp20010627_6851.html )
F-4異常電流、安全対策 無に(朝日) スクランブル体制見直し(毎日) (6月28日 朝刊) [要約]F−4戦闘機の誤射事件は、異常電流が発生して、操縦桿を右に動かした時に射撃信号が誤発生し、機関砲を発射したものと判明した。しかし操縦桿を右に動かした場合でも、誤作動しない場合もあり、さらなる原因の特定は困難になった。このためF-4に機関砲弾を搭載していないために、スクランブル発進した際に警告射撃ができず、現在のスクランブル体制の見直しが迫られることになった。

[コメント]もし実戦装備のF-4が着陸態勢に入ったとき、機首が地上に向いた状態で機関砲が誤作動したら、飛行場周辺には人家が多いいので大変な事態が想定される。フル弾倉の950発全弾が発射される可能性も想定される。今さらながらハイテク社会といういうものは、便利なようでも実は致命傷に結びつくアキレス腱を持っていることを痛感した。今回の事故は深刻な後遺症を残すだろう。この機会にちょっと内緒の話し(秘事項ではない)をすると、陸自の90式戦車用の多目的対戦車榴弾(120ミリ)は欠陥問題のため搭載を中止している。実弾射撃訓練を行っているのは装弾筒付翼安定徹甲弾のみである。(あまり大声で話さないように)。最新兵器に欠陥がでると代替えが出来ないので、戦力構成が低下するなどの深刻な事態となる。(「Re,メールにお返事に」に90式戦車砲弾の説明をしています) 写真はF-4の操縦桿。機関砲にはピンが差し込まれ、安全機能が高められていたが、今回の誤作動は想定外の故障となった。なお最新の戦闘機には、兵器セレクト・レバーが操縦桿に取り付けられているが、F-4では前面の計器パネルに取り付けられている。(写真は朝日新聞・朝刊)
「南沙諸島で中国海軍が活動を強化」 (CNN 6月27日 CNNホームページより)  [要約](CNN) ワシントン・タイムズ紙が25日付で  5月18日ごろから中国海軍南海艦隊のルフ級駆逐艦やジャンフ級フリゲート艦など12隻が、スカボロー浅瀬の近くに展開しているという。このため、米偵察機などが情報収集にあたっている。 同紙はまた今年初め、中国はミスチーフ礁の通信施設を新しくしたとも書いている。今後、地対空ミサイルの配備を進めるのではとの見方もあるという。 しかし、中国外務省の報道官は26日、報道を「全くの偽り」と反論した。

[コメント]南沙諸島の環礁のひとつに、中国軍の対空ミサイル陣地を単体で配備する意味がわからない。間単に破壊できるので軍事的な意味がない。おそらく対空ミサイル配備は誤情報だと思う。また南海艦隊にLUHU級駆逐艦は配備されていないはずだが、東海艦隊の「青島」が南海艦隊で訓練を行っているのだろうか。環礁に対空ミサイル基地を構築する以外の理由で、中国海軍の艦艇が多数の漁船とともに集結している意味はなんだろう。写真はLUHU級駆逐艦で、北海艦隊に配属されている「ハルピン」駆逐艦。
エシュロン 日本の外交電文も傍受 NZが米に報告 (毎日 6月27日 朝刊) [要約]盗聴組織「エシュロン」でオセアニア地域を担当するニユージーランドの情報機関が、日本の外交電文を傍受していると、エシュロン研究者のニッキー・ハガ―氏が証言した。ハガー氏は欧州会議調査委員会でも「エシュロン」の活動について証言した人物である。しかし高度の機密電文は暗号化によって解読できなかったと証言した。日本の外務省幹部も、「傍受されたのは簡略な電文だと思う。超極秘の外交電文を解読するのは無理だ。日本の外交機密は守秘されていると確信している」と話した。

[コメント]いまどき多国籍企業や国際的な研究機関が、電話、ファックス、Eメールを使うとき、秘密事項を平文で送っていることはないだろう。エシュロン対策のために高度(高価)な暗号化装置にかけ、盗聴や解読されるのを困難にしているはずだ。しかしそれで情報が守秘されていると考えるのは、米国防省のコンピューターにハッカーが侵入することはないと断定するぐらい甘い判断である。そのような考えこそ、情報戦のイロハを知らないことである。仮に情報が暗号化されず、守秘されていない情報でも、そのような膨大な一般情報を分析することで、隠された一部の秘情報を浮き上がらせることができるからだ。盗聴組織エシュロンの機能には、このような莫大な情報を集める能力と、それを短時間で分析できる情報処理機能がある。単に暗号化されていれば、情報は守秘されると考えるのは素人判断である。たとえば米国の日本大使館から暗号化された電文を日本の外務省に送ったとする。その途中で暗号は解読されなくとも、北米局長の電話が盗聴され官邸と話す電話の会話が盗聴される場合もある。エシュロンは外国にある米、英、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド大使館屋上などにアンテナを立て、首都圏のエリアで盗聴を行っていることは常識の範囲である。(英のサッチャー元首相がエシュロンに頼んで、自分の閣僚の電話を盗聴させたことは有名である) 日本に限っていうなら、エシュロンの施設を三沢に限定しては氷山の一角しか見えない。エシュロン対策としては対情報(情報を守る)の専門家を、日本政府も企業も養成する必要がある。ちなみに私は、軍事関連の秘情報には手を出さない。それはスパイ容疑で逮捕されることを避けるというより、偽情報をつかまされないためである。それと情報機関で働いている友人たちに迷惑をかけたくないからだ。だから一般に公開されている軍事情報を根気よく集め、それらを分析して隠されたものを描き出す作業を行っている。それでかなりの部分を見抜くことができると思っている。同じ事をエシュロンの情報専門家も、巨大なスパコンを使ってやっているだろう。写真は三沢基地(青森県)にある電波受信施設。これが日本におけるエシュロンの最重要拠点だといわれている。
空自F4 誤射、14発福祉施設などを直撃 (各紙 6月26日 朝刊) [要約]島松演習場を使って射撃訓練中のF4EJ(改)が、誤って20ミリ機関砲弾(訓練弾)188発を発射。そのうちの14発が北広島市の福祉施設の屋根や車を直撃した。同戦闘機のパイロットは機関砲のトリガーを引いておらず、安全ピンも刺さったままだった。パイロットの操作ミスと機器の故障の両面から、この原因の究明が行われる。

[コメント]最初の一報は携帯電話で受けた。「航空自衛隊の戦闘機が福祉施設をミサイルで攻撃した」というのもだった。一瞬、頭の中が真っ白になるくらい衝撃を受けた。直ちに打ち合わせをキャンセルして自宅に戻った。インターネットで最新情報を検索する。そこでやっとF4が、ロケット弾を射撃中に機関砲弾が誤って発射されたことを知った。次に夕刊が届いた。夕刊にはトリガーの安全ピンはついたままだったと報じていた。しばらくして5時のTVニュースが、現地(社会福祉施設)の様子を映し出した。そこで地面に突き刺さり、弾の半分が地上に露出した映像を見た。この段階で、誤射の状況がほぼ判明した。まず注目は弾の威力である。柔らかいアスファルトに半分しか埋まっていないのは、かなり長距離で発射された弾で、それも落下角度はほぼ垂直に近かった。射場から福祉施設の距離を計算すると、戦闘機はほぼ水平の状態で発射したと想定した。これが目標に向け降下中に射撃すれば、訓練弾でも射程1000メートル前後なら数十センチは地面にのめり込む。車ならエンジンを貫通するくらいの威力がある。またトリガーの安全ピンが固定されていたのなら、パイロットがたとえ誤って引いても弾はでない。突然弾が出たというパイロットの証言からも、やはり電気的な故障と考えるほうが常識的である。過去にも、パイロットが発射ボタンを押していないのに、ミサイルが飛び出す電気的な誤作動事件があった。じつはこのような事故は、発生をまったくのゼロにはできないのだ。おそらく200万時間に1回とか、500万時間に一回の割で発生する故障なのである。それをゼロにするという感覚では、危機管理システムは成り立たない。危機が発生するという前提条件で、その場合の対応を考えるのが危機管理である。過去にこんなことがあった。北海道で迫撃砲の実弾射撃訓練中に、実弾が発射筒の中で爆発し、操作していた数名の自衛官が殉職した。事故の原因は、弾の安全装置の誤作動だった。本来なら発射の衝撃で数秒後に安全装置が自動的に解除される。すなわち飛翔中に安全装置は解除されるのだ。これは木の下などで発射した際、迫撃砲弾が木の枝や葉にあたって爆発させないためである。死亡事故が起きた時、迫撃砲弾を筒にいれる段階で、すでに安全装置の解除を知らせる「ジー音」が鳴っていたことがわかった。発射して安全装置が解除されるまでの数秒間、飛翔中でもこの「ジー音」は鳴りつづける。問題はこれからである。明らかに砲弾の誤作動が原因なのだから、この砲弾を製造したメーカーに自衛隊は抗議をした。そこでメーカーが示したのが取り扱い注意書だった。そこには砲弾100万発に数発の割合で、誤作動する可能性があると記述されていたのだ。結局、「ジー音」がしているのに、砲弾を発射筒の中に入れた隊員の不注意(上官の教育不足)となってしまったのだ。このように戦闘機の誤作動(技術ミス)を防ぐことはできない。といって戦闘機に武器を積まないで飛ばすこともできない。私が提案できるのは、戦闘機などの射撃訓練は、人家の少ない無人島(あるいは海上)のような場所でやるのが望ましいということである。島松演習場でジェット戦闘機の射撃訓練(ロケット弾を含む)をやるには狭すぎる。従来のゴルフ場で演習場を囲む策にも限界がある。これこそが今回の誤射事件の問題部分であるような気がする。写真上は誤って機関砲弾を発射したF4EJ(改)機。中の写真は問題の20ミリ機関砲が機体に装備された状態と、950発入りの弾倉と組み合わせた機関砲本体。下の写真は事故調査のため、格納庫に入れられたF4ファントム機。
都議選 「小泉効果」自民が勝利 53議席獲得 (各紙 6月25日 朝刊) [要約]昨日行われた都議選で、小泉人気で自民党が大勝し現有の48議席から53議席を獲得した。逆に共産党が26議席から15議席へ、民主は13議席から22議席、社民、自由は当選者を出せなかった

[コメント]家族で投票にいったが、昼間はTVのワイドショーばかり見ているおばあちゃんは、「小泉さん、小泉さん」と、興奮気味であった。投票用紙に小泉の名前を間違って書かないように、自民党候補者の名前を手のひらに書いて投票にいっていた。むろんおばあちゃんは誰が自民党の候補者か知らなかった。「小泉人気」とはそれほどすごい。私の区の事情を話しすると、先の都知事選で自民党を離島して立候補した柿沢氏の息子が立候補。しかしその柿沢氏(父)が、先の衆議院選挙で無所属で立候補したため、柿沢氏の後継で自民党公認の木村氏が衆議院選では落選した。今回の都議選では柿沢氏の息子対策で、自民党公認の山崎氏と同じ自民党員で、かつては山崎氏とは犬猿の仲といわれた木村氏が共闘した。自民党は都議選では山崎、国政選挙では木村と住み分けた模様。そして開票の結果は、自民の山崎氏がトップ当選。公明と共産が一人づつ、それに柿沢氏の息子が四人目に当選した。落選したのは、民社(元)の候補となった。地元の選挙通に聞いたら、まったくの本命通りだったそうだ。私は小泉氏の改革に期待するが、自民党そのものには期待できない。「孝ならんと欲すれば忠ならず、忠ならんと欲すれば孝ならず」の心境である。
サイル防衛「主体的に」 将来の運用、言及 (毎日 6月23日 夕刊) [要約]中谷防衛庁長官はラムズフェルド国防長官との会談で、「仮に日本が弾道ミサイルに関するシステムを保有することになれば、国土防衛のため、日本が主体的に運用するシステムを考えている」と述べ、日本が将来的に独自の弾道ミサイルシステムを運用する可能性を言及した

[コメント]一瞬、言葉を失った発言であった。日本が弾道ミサイルを保有すると言及したのは初めてである。過去、わが国は他国に脅威を与えぬために、戦闘機に空中給油機能は装備しないと決めたことは死語になった。いわゆる空母(軽も含む)を持たないというのも、現防衛力整備計画でなし崩しになってしまった。それにしても中谷防衛庁長官の、日本が弾道ミサイルを保有するとは意外だった。この言葉を国際的な軍事常識で考えると次のようになる。日本が弾道ミサイルを新たに開発・配備し、対抗しようとするのは朝鮮半島の軍事力である。今まで自衛隊は北朝鮮の弾道ミサイル開発に、早期警戒指揮機(AWACS)と空中給油機で対抗しようとした。しかしこの日本の新戦略に対し、北朝鮮はロシアから最新鋭のS-300対空ミサイルを購入して対抗しようとしている。(資料室のWhat New!のコーナーで、5月19日のニュースを参照してください) S−300には自衛隊のFー15戦闘機やF-4戦闘機では対抗できない。そこで日本は北朝鮮の弾道ミサイルへ対抗するために、独自に弾道ミサイルを開発する計画をアメリカに提案した。また日本独自の弾道ミサイル配備にあたり、米国のBMD(弾道ミサイル防衛)のうち射程の短いTMD(旧)部分を、日本でBMDとして主体的に運用するつもりの様である。仮に日本が開発するという弾道ミサイルは、朝鮮半島全域を攻撃できるが、政治的配慮から北京には到達しないという射程になるだろう。これは朝鮮半島情勢に対する揺さぶりなのか、それともブッシュ政権の朝鮮半島政策が破綻するとの読みなのか、まだ正確に判断ができない。しかし今まではたとえ可能であっても、自衛隊のミサイル兵器は対馬海峡を越えて朝鮮半島に到達できない射程に収めてきた。それは韓国を含め朝鮮半島を刺激しないためである。そのかわり韓国には駐韓米軍がいて、朝鮮半島の軍事的な脅威が日本に及ばないように調整していた。(例えば韓国軍の地対地ミサイルの射程制限) そのような日本と朝鮮半島の基本姿勢を一変する弾道ミサイル発言である。この発言を許した米国防省の意図は、日本の軍事的自立を求め、米英並みの日米軍事同盟を築きたいからであろうか。今までの米国防省なら、このような日本の発言は絶対に許さなかった。この中谷長官の弾道ミサイル提案が、事前にアメリカとの事前打ち合わせなしで行われたとは考えにくい。日米軍事関係が猛烈なスピードで変化を始めだした。この関連の質問が、「Re,メールにお返事」のコーナーに掲載しております。
中谷防衛庁長官 PKO5原則 2点の見直しを (毎日 6月23日 朝刊) [要約]訪米中の中谷防衛庁長官は、東チィモールでのPKO活動に自衛隊を参加させる際、PKO5原則のうち2点について見直すべきと発言にした。それは@PKO派遣の際に、紛争当事者双方の合意が必要の部分を変更する。A自己の防衛以外に、他国の部隊などの防護のための武器使用を拡大する部分である。しかし公明党とはPKOの見直しに慎重論を示している。

[コメント]自衛隊が東チィモールに行くとなれば、西チィモールとの境界線付近での停戦監視(検問)や、都市周辺での治安維持である。それと同時に、政府機関や行政組織をつくる必要がある。また医療や交通、通信といったインフラを整備する必要もある。もし自衛隊PKOがいくなら、NGOの援助団体も東チィモールで活動する必要がある。自衛隊PKOが単体でいってもしかたがない。たとえば私の友人に、日本で中古のタクシー無線をもらい、紛争で開発の遅れた地域に、医療や警察などの無線通信網をつるくボランテアをやっている人がいる。もし長距離通信が必要なら、アマチュア無線の中古が役立つという。そんな活動と自衛隊PKO活動が結びつくことが望ましい。要は、日本の自衛隊がきたら、住民の安全ばかりか、医療や通信が整備され、生活が豊かになったという気持ちを感じてもらうことである。冷戦後の自衛隊リストラ策でPKO活動を行ってはいけない。カンボジアではそんな反省が強く残った。写真はカンボジア・タケオで地雷探査を行う自衛隊PKO部隊。
危機的な金剛山観光 韓国、政府系観光公社が参入 (毎日 6月21日 朝刊) [要約]韓国財団・現代が行う金剛山観光が客の激減で危機に陥った。そのため政府傘下の韓国観光公社が参入し、この事業に資金的援助をおこなうことに合意した。公社は金剛山にある現代の温泉施設や休憩所を購入し、現代はその資金で北朝鮮に未払いの観光開発権利金2200万ドルを支払う予定だという。

[コメント]おそらく現代と政府の間に密約があったのだろう。この観光事業が行き詰まれば、政府が資金援助を行うという密約である。そこまでしてでも、韓国政府は北朝鮮が崩壊することを避けたいのである。石油などエネルギーや食料は米国や日本が厳しく管理している。韓国側が直接援助できるのは観光事業しかない。この韓国観光公社の参入を、北朝鮮の金正日総書記の訪韓や、南北対話再開の雰囲気づくりのためというより、なんとしても今の時期での北朝鮮崩壊を避けたいのである。今、北朝鮮が崩壊すれば韓国に重く圧し掛かり、韓国の経済も破綻して共倒れの危険がある。しかし金正日総書記が訪韓する見込みは今のところ全くない。韓国も2200万ドル程度の金で、北朝鮮の態度が変わると思っていない。韓国政府としてはこうしてでも、北朝鮮の崩壊を食い止めようとしていることを、中国、アメリカ、そして日本に見せたいのだ。そして最も重要な真実は、今も昔も北朝鮮という国家は、どこかの援助でしか体制維持ができない国なのである。
台湾が「パトリオット」ミサイルの初試射に成功 (CNN 6月20日 CNN.こ。jp) [要約](CNN)台湾陸軍は20日朝、地対空ミサイル「パトリオット」の試射に成功した。同ミサイル試射は初めてで、台湾南部・屏東県の九鵬基地で、おとりの目標に命中したという。このほか、2発のミサイルが発射された。関係者の1人は「(試射は)完璧だった」と述べた。 現在、中国軍は大規模な軍事演習中だが、この時期にパトリオットを試射したことについて、台湾軍部は「偶然の一致」としている。

[コメント]この「偶然の一致」という言葉が面白い。それにしても中国軍は今月4日から、史上最大の上陸演習をまだやっているとは気がつかなかった。長いねーえ。今回は北京オリンピック誘致のこともあるし、EP3のこともあるのでミサイル発射はないだろう。それに米空母もオーストラリアでの演習に行っている。これで中国軍の上陸演習(史上最大規模)はご破算になってしまった。ところで当方は、本日と明日は「歩兵の装備」で、丸2日間は原稿書きで缶詰。明日の夜は「パールハーバー」の試写会(東京ドームだって)。試写会の帰りに、水道橋駅の近くにある「台湾屋台の店」で一杯やるか。台湾屋台のオヤジに、「パトリオット、命中したんだってね」と言ってもわかんないか。
日米外相会談終了 田中外相への批判鎮静化に (各紙 6月20日 朝刊) [要約]田中外相がアメリカ側から好意的な待遇を受けたことで、一連の米国批判発言問題は決着し、この問題は沈静化すると各紙は報じている。しかし今後の本格的な日米外交交渉で、アメリカ側から日本に大きな負担を期待されると分析している。大きな負担とは、特に経済改革と安保見直しだが、安保問題では憲法に触れる部分も米側は期待するだろう。

[コメント]田中外相の訪米で、特に気をつけることはライス安全保障担当補佐官との会談と思っていた。やはりライス補佐官は田中外相に仕掛けてきた。30分の会談の最後の5分間に、ブッシュ大統領と副大統領を部屋に入れたことだ。これはライス補佐官自身のアイデアか、ホワイトハウスで心理分析を専門とするアドバイザーの提言である。ブッシュ大統領と副大統領がそろって、ちょっと二人の会談の様子を見に来たのではない。田中外相の状況や心理を分析し、ホワイトハウスで周到に検討・準備されたことなのである。この心理戦テクニックにはまり、田中外相はまんまと感激してしまった。自民党の欲ボケした古狸や、利権のことしか頭にない姑息な官僚とは違う世界がある。ブッシュ大統領の出現でポーとした田中外相に、「ライスにいっぱい食わされましたね」といった側近がいたのだろうか。次は中谷防衛庁長官の番である。必ず、アメリカは巧妙に考えた1発を準備している。決して魂を抜かれないように!その有効な防止策は、自分で詳細な成功のシナリオを描かないことである。それが弱点でそこを攻められる。「無欲は大欲に通じる」の言葉を忘れず。写真は18日、パウエル国務長官と会談を終えて、国務省から出てきた田中外相。(朝日新聞 20日 朝刊)
台湾 パトリオット試射へ 防空演習 (読売 6月20日 朝刊) [要約]台湾陸軍は20日から南部で防空演習を行い、米国から購入したパトリオット(PAC2)を試射する。米国はブッシュ政権になってさらに高性能のPAC3の訓練を、米国内で行うことを台湾に確約している。中国はPAC2を台湾に売却したことにも、「台湾海峡情勢を悪化するだけ」と反発をみせている。

[コメント]主として、中国軍のSu-27戦闘機に対抗するための防空演習である。これがもしPAC3なら東風15(M-9)に対抗する防空演習と分析できる。(あくまでも弾道ミサイルに対抗した試射ではないから誤解しないように。しかしPAC2は巡航ミサイルを迎撃できる能力はある) しかし今後の中国の出方によっては、PAC3の緊急配備の可能性を持たせている。その分、今回の防空演習で中国の抗議もそれほど強くはない。台湾空軍にはF-16やミラージュ2000などの防空戦闘機が配備されている。Su-27以外の戦闘機なら、それらで十分に迎撃可能である。東風15(M−9)なら脅しには使えるが、実際の効果はそれほど恐れる必要はない。テポドンと同様である。
拉致米国人 アブ・サヤフが一人殺害 (毎日 6月19日 朝刊) [要約]フィリピン国軍は、イスラム過激派アブ・サヤフに拉致されている米国人ギレルモ・ソベロ氏が、すでに死亡したと発表した。アブ・サヤフは12日に米国人殺害の声明を出していた。しかし遺体は確認されていない。アブ・サヤフはバシラン島で、まだ米人2人を含む20人以上を人質として拘束している。

[コメント]バシラン島の正確な地図と、アブ・サヤフに関する十分な情報がないので、今後の展開について何も言えないが、米軍の一部(おそらくデルタ・フォース)が、2週間ぐらい前にバシラン島に入ったことは確認されている。どうような救出作戦を練っているのか気になるところだ。最も可能性が高い救出作戦は、拉致グループのリーダークラスへの狙撃である。人質の居場所を正確に確認し、そこに潜入した数名の狙撃手が広い範囲で取り囲む。そしてリーダークラスを順に狙撃する。もし人質に危害を加えようとすれば、別の狙撃手がそのゲリラを撃ち倒すのである。もちろん狙撃は夜間(もしくは夜明け前)に行われる。デルタの狙撃が始まれば、人質救出チームがゲリラの拠点に突入する。といっても、作戦の成否を決定するのは詳細な情報の入手である。住民から聴取する情報収集以外に、赤外線監視装置(ジャングルを移動中の人間の体温を感知する)や、植物や動物の排泄物に似せた盗聴器が使われる。この事件が半年とか1年というように、解決に長時間かかることはないだろう。写真はアブ・サヤフの兵士。情報は、<http://asia.cnn.com/SPECIALS/2001/abusayyaf/>
米ミサイル防衛 集団的自衛権関係は不明 (朝日 6月19日 朝刊) [要約]外務省の川島事務次官は18日の記者会見で、ブッシュ政権の新ミサイル防衛を、「日米間で協議中の過程にあり、現段階で集団的自衛権との関係を結論づけられない」と述べた。新ミサイル防衛が集団的自衛権とかかわる可能性について明言をさけた。

[コメント]中谷防衛庁長官の発言(下段)に対する反論である。従来であれば、この川島事務次官の発言が政府サイドの見解になっていた。しかし今では、川島事務次官の発言を評価するものはいない。これが軍事を知らない外務官僚の屁理屈だからである。こんな認識しかできないものが、今まで日本の安全保障政策を担ってきたとは驚きだ。それよりもブッシュ政権側は、新MD(ミサイル防衛)で日本に協力をしてくれというつもりはないと発言している。つまりクリントン政権時代の日米共同開発提案より、日本に「MDを理解してくれ」という程度に変化しているのだ。このことに日本は気がついているのだろうか。すでに米側(ブッシュ政権)は新ミサイル防衛を、日本の集団的自衛権に抵触するので、日米共同開発は無理と判断しているからだと思う。
中谷防衛庁長官 「米新ミサイル防衛 現時点の参加ない」 (朝日 6月18日 朝刊) [要約]中谷長官は昨日のテレビ朝日の番組で、ブッシュ政権が表明したTMDとNMDを一体化する新ミサイル防衛網に参加することはないと表明した。あくまでTMDの範囲内の日米技術研究参加に限定すると語った。これは新ミサイル防衛が、わが国の集団的自衛権の逸脱になることを問題視したからである。

[コメント]小泉内閣になって第一回の党首討論で、土井党首が5分間の持ち時間で問題提議した項目である。の土井党首の質問に、私は柔道の「技あり」と思っていたが、意外にも「一本」技で決めたようだ。これが以前のように、外務省官僚の答弁書丸読みなら、なんだこうだと屁理屈をつけて、結局ワケがわからないようになってしまうところだ。しかし軍事を知っている中谷長官なら、これは逃げれないと判断したからだと思う。もしもこれを中谷長官が、従来の外務官僚の影響下で屁理屈をこね回したら、間違いなく自分自身の自滅行為であった。私は前にも表明したように中谷長官を支持しているが、しかし無条件支持というわけではない。私は中谷防衛庁長官の言動を厳しく見守るつもりである。それが支持するものの責務と考えている。今回の新ミサイル防衛への表明は高く評価する。写真は地下サイロで点検中の米1CBMのミニットマンV型。13000キロの射程で、狙った目標の100メートル前後に着弾する。現在は1基の弾頭から、最終段階で3個の個別核弾頭が放出される。その1個の核弾頭でも330キロトンの爆発威力がある。なんと広島型原爆の18倍である。その異常な脅威ゆえに、アメリカはロシアや中国から同じようにICBMやSLBMで狙われ続けている。それがMAD(確証破壊戦略)であり、今話題のABM条約なのである。心底、核戦争の恐怖から逃れたいのなら、新ミサイル防衛網より、核兵器削減交渉と確実な検証体制の構築である。
沖縄海兵隊 訓練の一部 グアム移転を調査 (朝日 6月16日 朝刊) [要約]米海兵隊はグアムを調査し、市街地戦闘訓練に適した施設や、アンダーソン空軍施設の使われていない300棟以上の兵舎を調査したことがわかった。この情報に外務省も注目しているという。調査の結果、重火砲(重火器)の訓練施設がないことを懸念したが、大隊規模(米海兵隊の場合は1500人)の駐留に適していることがわかった。

[コメント]1500人という数は、先月、グアムの知事がワシントンを訪れ、受け入れ可能と上げた人数とほぼ同じである。それに市街地戦闘訓練なら、重火砲をドンドン撃ちこむ必要がないから、沖縄の海兵隊が訓練移駐することに問題はない。この程度の情報なら、このホームページを読んでいる方ならすでにご存知である。そこではなぜ、今、この情報が外務省からリークされたか推測しよう。それは外務省が田中外相訪米の手柄にさせたくないからだ。なぜかというと、沖縄海兵隊の一部グアム訓練移転は、軍事専門家ならすでに既成の事実である。ところが田中外相は今回の訪米で、沖縄海兵隊の訓練の一部を、グアムなどに移転することを要求すると公表した。このままの経緯で報道されれば、この先、米国側から公表される沖縄海兵隊のグアム移転は、田中外相が米側に要求して勝ち得た成果となる。外務省としては、そのように田中外相の成果にしたくないから、沖縄海兵隊のグアム移転はもともと米側の計画で、田中外相の要求を受け入れたわけではないとしたいのだ。野中前幹事長も先週、沖縄入りをしたのも同じ理由からである。まあ一種のミエの張り合いと足の引っ張りあいだ。軍事を見ているとどこの国に限らず、政治家や官僚のミエの張り合いがよくわかる。そういえば、石原都知事の横田基地返還要求も、時代(軍事)の変化を先取りして、自分の成果にしたいという田中外相とよく似た政治パターンである。写真は米軍のC-17新型輸送機。長い航続距離や大きな搭載量を持ちながら、新技術で未舗装の滑走路や短距離離陸が可能になった。今までのように米本土やハワイから大型輸送機(戦略輸送)で横田や嘉手納に運び、小分けして三沢や岩国に中・小型輸送機(戦術輸送)で運ぶ必要がなくなった。だから横田基地の司令部機能さえ残せば、米軍は横田の滑走路を民間共用に応じる可能性が高い。そして石原都知事の成果(手柄)となる。
米、2正面作戦放棄も (読売 6月15日 夕刊) [要約]米軍が4年ごとに実施している国防計画見直し(QDR)で、朝鮮半島と中東で同時に発生する紛争に対処する2正面作戦を放棄し、見直す作業を行っていることがわかった。これは平和維持活動に参加している米軍が多く、海外の展開能力に適応できなくなったことと、これから中国の脅威が増してくるとの認識のためである。次期QDRは九月に公表される予定。

[コメント]米国は2正面とか、1と1/2正面というように、いかにも地球規模の紛争に対処しているように見せている。しかしどのように分析しても、米軍に2正面作戦を行う戦力はない。91年の湾岸戦争ではNATO配備の戦車部隊や、沖縄、三沢からも攻撃部隊が参戦している。2正面戦略というのは絵に描いた餅である。そんな幻想に縛られるより、機動力や兵器の性能を向上させ、さらに各種の部隊を統合運用して、効率的な戦力を配備・運用したいだけだ。この記事には書かれていないが、これで沖縄海兵隊の訓練(一部配備)が、グアムに移転する「お墨付き」を得ることは確かである。写真は湾岸戦争でドイツの駐留米軍から急派された米軍のM1A1戦車。
米陸軍の帽子 ベレー帽に変更 (CNN 6月15日 ホームページより) [要約]陸軍記念日の14日、米陸軍兵士がかぶる帽子が黒いベレー帽に変わった。これまでグリーンベレーとよばれる対ゲリラ戦特殊精鋭部隊が緑色、空挺団がえび茶色と、ベレー帽をかぶっていた部隊は一部だった。 冷戦後、陸軍の役割が地上戦よりも、民間人の救出や平和維持活動などにシフトしたことから変化を象徴するとしてベレー帽をかぶることになった。また、米中関係が緊張する中、ベレー帽の購入先が中国であったことが分かり、陸軍は急きょ、購入先を変えた。

[コメント] これで陸上自衛隊もベレー帽をかぶる者が増えると思う。しかし正直いって、日本人ほどベレー帽が似合わない人種(骨格)はいないのではないか。逆に最もよく似合うのはスペインの男だと思う。特に田舎の老人がいい。陸自に取材にいってベレー帽を見た時に、似合っていると感じるのは20人で一人ぐらいである。逆に似合わないと思うのは15人ぐらい。それにしても、米軍の購入先が中国だと、どうしていけないのか。坊主にくけりゃ・・・・・。自衛隊も独自の帽子を考えてみたらどうだろう。日本人には帽子につばのある略帽が似合うと思う。野球帽は形が崩れると見苦しい。写真は新しい黒いベレー帽をかぶる米軍兵士。
日米同盟 英米並みの関係目指せ (朝日 6月15日 朝刊 「私の視点」) [要約]元米国防省や国務省で日本担当だったジェームス・アワー氏の寄稿である。日本と米国との軍事関係をより強固なものにするために、日本は防衛の範囲を日本周辺とせず、中東や台湾でも国益が及ぶ範囲とすべきだ。また集団的自衛権の行使を認め、米軍と共同作戦を行うことが抑止効果を高めることになる。そうすればアメリカは、在日米軍の削減など柔軟に検討できる

[コメント] まさに言いたい放題をいっている。し防衛庁や外務省の者で、このアワー氏の論理にきちんと反論できない者は、日本の国防政策に関与すべきでない。アワー氏は米軍と自衛隊が「役割の任務」を実行したから、ソ連は日本に攻めて来なかったといっているが、それは冷戦時代の間違った発想である。ソ連軍が日本に攻めて来なかったのは、ソ連にその必要性がなかったし、戦力も資金も不足していたからだ。それを日米軍事同盟こそがソ連の日本侵略を阻止したとは手前勝手すぎる。また、自衛隊のP3C、F-15,イージス艦は「後方地域支援」に使う兵器でないから、中東や台湾海峡に進出して来いと言うのも勝手な話しだ。これらは冷戦時代にアワー氏たちのアメリカから買わされた兵器だ。そのことを忘れて、自衛の範囲を超える強力な兵器だから、アメリカとの共同軍事作戦に使えという。話しが逆だ。日本の判断で新兵器を選択することを、アメリカは絶対に許さなかったことを忘れている。アワー氏は96年の中国軍演習で台湾海峡危機が発生した時、もし台湾海峡で米空母と自衛隊のイージス艦が一緒に行動したら、中国は激しく抗議をしただろうが、同時に敬意も払っただろうというのも理解できない。日本が台湾海峡にイージス艦を派遣しなかったのは、中国が恐いから出なかったワケではない。日本人が認識し世界に公表している国防戦略に、台湾防衛は含まれていないことと、あの時に中国が行っているのは演習で、本物の上陸作戦(戦争)ではないことがわかっていたからだ。台湾海峡で米空母と日本のイージス艦が一緒に行動していたら、「中国に敬意を持ってもらえる」とは、大きなお世話である。それに不必要なリアクションは相手(中国)をつけ上がらせる原因にもなる。とても日本通のアワー氏とは思えない論理である。そのようなことを可能にする英米並みの関係なら、日本人の大半が反対することは確実である。はっきり言ってこの記事を読んで、アワー氏がこの程度の軍事知識(日本の)しか持っていなかったのかと驚いた。それとも何か別の目的があって、こんな思い込みの激しい記事を寄稿したのだろうか。写真は海上自衛隊のイージス艦「きりしま」。海上自衛隊では昭和63年からイージス艦の装備に着手している。
世界の目 台湾経済と「ひとつの中国」 (毎日 6月14日 朝刊) [要約]台湾の徐論説委員(連合報)が書いた記事の翻訳である。経済が衰退した台湾は、東欧や中南米の友好国に約束の経済援助が行えなくなった。しかし台湾が経済を立て直したくとも、現在の経済構造を変革できないジレンマがある。それは現在のように、台湾で受注して、中国で生産・輸出するというシステムである。今まではこの方式によって、台湾は中国との貿易額で毎年100億ドル以上の黒字を稼いできた。今ではシステムがなければ、台湾の経済はすぐにも崩壊する。中国は台湾に「ひとつの中国」政策を認めれば、台湾の経済を画期的に立ち直せる3通(交通、通信、通商の開放)を認めてもいいと言っている。台湾経済の建て直しと「ひとつの中国」論。台湾は難しい課題に直面している。

[コメント] このやり方が、中国が得意とする外交攻勢である。台湾の弱点を徹底的に研究し、その弱点を中国の側に誘導し、中国の影響力を増すという攻勢戦略だ。言葉が通じる。人件費が安い。税制など優遇政策がある。土地の提供など政府が保証した。などと有利な条件を台湾側が受け入れ、対岸の大陸に投資して工場を建設した。その結果、確かに大きな利益を生んだ。しかし台湾は政治的に独立することがますます難しくなった。経済活動はつねに成長することが宿命付けられている。その成長段階の壁が3通(台湾側の弱点)なのだ。中国は莫大な軍事費を使わず、戦争による都市や生産施設を破壊することなく、中国への依存度を高めさせ、台湾を支配する攻勢戦略を仕掛けたのである。これは明日の日本や韓国と見ておく必要がある。セーフガードなど砂上の楼閣だ。だからといって日本と中国が絶縁することもできない。むろんアメリカ思考の軍事力で解決できる問題でもない。図は中国と台湾の兵器の航続距離(射程)を表している。東風15(M-9)はすでに台湾全域を射程に入れている。またSu−27戦闘機は沖縄や九州全域を作戦可能空域である。しかし日本や在日米軍の作戦機も、同じように中国の内陸部を攻撃する能力はある。しかし、それで日本と中国、中国と台湾が、戦争をするというわけではない。30年ぐらい前にソ連の戦闘機が、航続距離が伸びてやっと北海道を攻撃できるとなると、それで北海道にソ連軍が攻めてくると大騒ぎをしたことがある。最近の例では、北朝鮮のテポドンで日本は大騒ぎをした。(図は東アジア戦略概観 2001より)
イスラエル、パレスチナ双方がテネットCIA長官の調停案に同意 衝突停止へ道 (CNN  6月13日 Web ) [要約]エルサレム(CNN) 米政府関係者によると、イスラエルとパレスチナ双方は13日までに、衝突を終結させるため、テネット米中央情報局(CIA)長官が示した調停案を受け入れると発表した。 関係者によると、米国の調停案は、イスラエル軍が撤退し、自治区の封鎖を解除する一方、パレスチナ側は過激派を逮捕し、武器を回収する--などの内容。 パレスチナ側によると、13日遅くにテネット長官を含めた3者による治安協議が再開される見通しだという。

[コメント] スラエルにとって一番嫌なことは、ゴタゴタが長引いて、強い緊張状態が長期間続くことである。イスラエルは狭い国で人口も少ない。そんな社会環境で長期消耗戦をやられると、強いストレスに苦しめられるとイスラエルの外務官僚に聞いたことがある。にパレスチナ側は何の成果も得られないままゴタゴタが長引くと、アラファト議長の政治力のなさに住民の不満が高まる。そのあたりの心理を見抜いて、テネットCIA長官の調停工作である。紛争の仲介者は停戦条件より、その時期を正確に読み取ることが大事である。じつは昨日、テネット長官が双方に和平案の最後通牒を行い、これが受け入れなければ帰国するという報道が流れていた。これが同意に向けた最後の詰めだった。今度ばかりはイスラエル、パレスチナ双方が、停戦を守る努力を行うはずである。写真はテネットCIA長官
田中外相 18日訪米で調整 (朝日 6月12日 朝刊) [要約]外相の米国批判を受け、政府や与党から反対論が強まっていた訪米が、パウエル国務長官と18日の会談で調整が進められていることが明らかになった。

[コメント]だれが田中外相の訪米は困難という情報を流していたか知らないが、日米の軍事問題をきちんと理解している人なら、米政府が小泉首相・田中外相の改革を支持していることは理解していたと思う。少なくとも、このホームページを見ている方なら、田中外相を米政府が嫌っていないことはご存知だったはずである。もう従来の日本型外交(外務省と外交族)では、アメリカのアジア政策が動かないからである。ここで田中外相に一言申し上げたいのは、「決してアメリカのご機嫌を伺わない」ことである。もしもアメリカに愛想笑いをした瞬間に、その魂を古狐の柳井駐米大使に見抜かれ、再び伏魔殿の悪どもを勇気付けることになる。アメリカには見解が異なったことでも誠実に発言すればよい。外交交渉でウソとゴマすりは絶対に許されない。85パーセントという高い支持率の小泉内閣の田中外相と話し合って、アジア政策を進めるしかブッシュ政権に方法は残っていない。まあ今回は田中・パウエルの挨拶程度だから、それほど日米外交問題の核心に触れることはないだろう。むしろ今回の訪米で、パウエル国務長官が田中外相の外交姿勢を支持することを表明することに最大の意味がある。うその段階はクリアーしているからだ。問題はライス安全保障補佐官だ。彼女の挑発に乗ってはいけない。
PKO武装を小差で承認 スイス国民投票 (CNN 6月11日 ホームページより) [要約]スイスで10日、国連平和維持活動(PKO)に参加する兵士の武装を認めるかどうかの国民投票が実施され、小差(51対49)で武装が承認された。 スイスはこれまで、旧ユーゴスラビアなどでPKOに参加してきたが、非武装のため医療など後方支援に任務が限定されていた。スイス政府は、小火器だけでなく、軍用ヘリコプターなどの使用も検討している。投票をめぐって、永世中立国がどのように国際社会に貢献するか国論が二分されていた。 この問題では右翼諸政党が「将来の北大西洋条約機構(NATO)加盟に道を開くものだ」と反対してきた。

[コメント] この欄の6月5日でスイスのPKO国民投票のことを報じてきた。その結果が僅差で「PKOの武装を承認」であった。しかし誤解していけないのは、戦闘を目的とした武装の承認ではないことだ。あくまで自衛のための武装で、紛争当事者に武力をもってこちらの意志に従わすことではない。だから武装の範囲は厳密に限定される。例えば日本の場合、カンボジアPKOの場合を想定するなら、装甲車や輸送(多目的)ヘリは常識の範囲だが、戦車や戦闘ヘリは自衛の範囲を超える。しかしカンボジア以外のPKOを想定するなら、この武装の範囲も当然ながら変化してくる。だからその範囲を決定する政府は、戦争を望まない国民に信頼されていることが絶対に必要である。そうゆう考え方をさらに進めると、自衛隊は国土防衛にあたる戦力と、PKO活動に派遣される戦力の2層化することになる。それを分離させた方がいいという考えもできるが、自衛隊員に活動を交互に従事させたほうが効果的である。一例として陸海空で5万人程度(待機部隊、準備部隊も含む)のPKO部隊を組織し、ローテーションを組んで活動を行うほうが国防上もメリットがある。そうなれば自衛隊活動は日米安保に主軸をおくのではなく、国連のPKO活動に主軸を移すことになる。自衛隊は日本に攻めてくる敵もいないのに、日米安保でわざわざ敵を作り出し、大型戦車や新鋭戦闘機を配備して備えるより、自力では安定確保が難しい国で自立できるまで治安の維持と回復にあたるのだ。自衛隊が21世紀に進む道である。写真上はカンボジアPKO部隊の先遣隊が最初に駐屯した場所。雨期の増水で道路も設営地も水が溢れた。写真下(2枚)は新たに設営地を移した先遣隊。当分は缶飯、レトルト食品、インスタント食品の食事が続いた。宿舎もプレハブが建つまではテントでの生活が続く。PKO活動の95パーセントはこのような毎日の連続である。PKO部隊の自衛のための武装といっても、この自衛隊宿営地の周辺を昼間2回ほどフランス軍の装甲車がパトロールするだけで、のんびりした光景であった。一度、フランス軍の宿営地に深夜手りゅう弾を投げ込まれたことがあったが、地元のカンボジア兵士と売春婦か博打のことで喧嘩したためであった。ちょっと日本人は軍事のこととなると兵器マニアぽくなることが気になる。日本の報道もエキセントリックになっていた。
米 NMD 7月後半に迎撃実験  (毎日 6月9日 ホームページ) [要約]米国防総省はミサイル防衛構想の迎撃実験を、7月後半に行う方針を明らかにした。本格的な迎撃実験は昨年7月以来1年ぶりで、ブッシュ政権下では初めて。成功すれば配備の動きに弾みがつくのは確実だが、過去の実験は2回続けて失敗しており、今回失敗すれば米国内外で配備反対論が勢いづくことになりそうだ。

[コメント]これで失敗したら、ブッシュ政権は大変なことになる。すなわちロシアはABM制限条約の改正にまったく応じないだろう。出来もしないNMDに譲歩したとあっては、プーチン大統領はアメリカに甘いという批判がロシア国内に沸き起こるからだ。アメリカ国内でも迎撃実験が失敗すれば、経済が傾きかけてきているので、莫大な予算を使うNMD計画そのものが危うくなる。3回目は絶対に失敗が出来ない。そこで甘い想定で迎撃実験すれば・・・・・・・。それこそNMDの自滅行為になる。
昨日8日 小泉、田中、中谷会談が行われた。(6月9日) [コメント]昨日、総理公邸で11日予定の小泉首相、田中外相、中谷防衛庁長官の会談が行われた。そこで米NMD計画への基本姿勢など、日本の安全保障政策の共通認識が行われた。会談が予定より早まったのは、外務官僚や外務省寄りの政治家たちの妨害を避けたとも考えられる。速きこと風の如し、侵すこと火の如し。
金総書記が「8月15日」訪韓で交渉中? 韓国紙が伝える(CNN.co,jp 6月8日 ) [要約](CNN) 韓国「朝鮮日報」紙によると、金正日総書記が日本の植民地支配が終わった8月15日(光復節)にソウルを訪問する方向で、交渉が進められているという。同紙によると、新千年民主党の張誠E・議員が8日、この情報を明らかにした。張議員は「確実なチャンネル」を通して、金総書記が今年下半期に訪韓することを確認したという。 張議員によると、8月15日の訪韓は北朝鮮側の意向であり、日程的に無理な場合は、9月訪韓で調整が図られるという。

[コメント]情報の信頼度は50パーセント以下である。しかし米国が対北朝鮮政策の見直し完了を公表し、北朝鮮と協議を再開すると表明したとたん、金総書記の韓国訪問のニュースである。ブッシュ新政権はクリントン時代と違い、通常戦力の削減も援助や制裁緩和の条件に入れてきた。北朝鮮は通常戦力の削減に応じないというのが一般論のようだが、私は通常戦力の削減に応じる可能性があると思う。なぜなら北朝鮮の兵器は使い物にならないオンボロ兵器で、それを今まで大事に保存してきたのは、兵力削減交渉の時に有利な条件を引き出すためである。まさにこれからの米朝交渉で、オンボロ兵器を援助のドル札や食料・燃料と交換できるからだ。北朝鮮の究極の目的は金正日体制の維持である。戦争も出来ないようなオンボロ兵器を大事にして、痩せ衰え死ぬことではない。もうアメリカも後ろに引き返せないが、北朝鮮も昔に戻れない運命を選んでしまった。北朝鮮も国体維持に必死なのだ。日本も新しいアジア戦略を構築する時がきたようだ。
小泉首相、田中外相、中谷防衛庁長官が11日に会談。(NHK 朝7時ニュースより 6月8日) [要約]来週の11日、わが国の防衛戦略の基本認識を確認するために、小泉首相、田中外相、中谷防衛庁長官が3者で会談することになった。これは中谷防衛庁長官が提案したという。あらためてこの会談で政府内の防衛政策を統一させる意味がある。(読売紙 6月6日 朝刊に、首相訪米前に3者会談の記事あり)  「注 本日 6月8日 小泉、田中、中谷会談が行われた。速きこと風の如し、侵すこと火の如し」

[コメント]一般の人には信じられないだろが、これが行われること自体、全くの異例のことなどである。なぜなら防衛庁長官のこんな出すぎたことを、外務官僚が絶対に許さなかったからだ。確かに田中外相のNMD発言、日米安保見直しなど、政治的に危うい面が目立っていた。また、小泉首相が党首討論で、NMDへの研究(防衛庁は勉強会と修正)参加と集団的自衛権の関連発言のように、防衛官僚ならヒヤヒヤものもあった。もし小泉内閣が高い支持率に支えられていなければ政治問題化したかもしれない。まあ、それだけ今までに誤魔化しや、なし崩しでやってきたことが多すぎるという意味でもある。今まではそんな問題を沈静化させるのが外務官僚の仕事だった。だから軍事知識に無知な政治家は、外務官僚の言いなりになってきた。それが田中外相で通用しなくなった。そこで本職の防衛庁が乗り出してきたという構図である。とはいえ、このまま外務官僚が防衛官僚の台頭(縄張り荒し)を黙認するはずもないから、またひと波乱起きそうである。政治家の中にも外務省が軍事問題をカバーしてくれないと不安な人も多い。といって防衛庁に聞くのはちょっと恐そうだという人たちである。
空自 AWACS 初の日米共同訓練に出発 (軍事通信員報告 6月8日 J-rcom) [要約]航空自衛隊・浜松基地所属の早期警戒管制機 Eー767 AWACS(が、グアムで行われる日米共同演習に参加するために同基地を昨日出発した。航空自衛隊がAWACSを海外派遣して訓練を行うのは初めてである。防衛庁は電子戦の訓練など、千歳基地のF-15戦闘機と共同訓練連するのが目的と説明している。しかし軍事通信員が集団的自衛権の問題を含め、航空自衛隊の新たな動きとしてホットな緊急報告してきた。写真は高い進出能力を持つ空自のAWACS。さらに空中給油機と組み合うことによって、航空自衛隊は朝鮮半島全空域での作戦が可能になる。
田中外相の更迭に、75パーセントが反対、25パーセントが賛成 (CNN ホームページのQUICKVOTEより 6月6日 16時30分) [要約]本日14時から始まったCNNでのQUICLVOTE(クイック投票)で、2100件の投票総数(16時30分現在)のなかで、更迭に反対が75パーセント、賛成が25パーセントであった。

[コメント]本日15時からの党首討論でも、田中外相の言動を問題することもなかった。小沢氏がちょっと触れたが、それは首相と外相の考えを一致させるようにというものだった。これで自民党内で起こった田中外相更迭論は一気に失速することになった。世論の支持を持たない反乱というのは惨めなものである。利権集団・橋本派はさらに追い詰められた。また小泉首相は土井党首の質問に答え、TMD(戦域ミサイル防衛)の研究参加について、これは開発や配備を約束したものではなく、今のところ研究に限定したものと語った。ブッシュ米大統領が5月2日の演説で、従来のTMDとNMDのわくをなくし、一体化して開発すると発言したので、日本の集団的自衛権の問題に触れることになったからだ。すなわちアメリカの本土防衛で開発される兵器に、日本が憲法上参画することはできないという考えである。写真は衆議院外務委員会で答弁する田中外相(朝日 6月6日 夕刊より)
中国軍が10万人演習 米・台政権に「警告」 (読売 6月6日 朝刊) [要約]中国軍は福建省東山島で4日から、陸海空三軍による大規模上陸演習「解放1号」を始めた。これは台湾上陸を想定しているといわれ、演習規模も10万人と最大で、期間も通常の2ヶ月前で、宣伝活動も活発に行われている。この演習には中国軍は、ロシアから最近購入したキロ級潜水艦、Su−27戦闘機、ミサイル駆逐艦などが参加させる。また8月にもさらに大規模な演習を計画中との情報もある。10月のブッシュ訪中(米中首脳会議)を前に、台湾ををめぐる軍事的な駆け引きが続きそうである。

[コメント]これが米中の外交戦略なのである。ブッシュ大統領にしても、江沢民主席であっても、米中の最大の政治課題の「台湾問題」で、この問題でぎりぎりの駆け引きをおこなって、他の分野でも自国に有利な状況を得ようとしている。だから米中とも、互いに戦争をするためではなく、有利な立場を得ようと示威行動(警告)を行っている。はっきりと10月の米中首脳会談が決まっているのにである。だから田中外相が米国のミサイル防衛に疑問を持っている、あるいは過去の日米安保体制に批判的であるというのも、本来の外交スタイルなら田中外相のこの発言で問題はない。だからアメリカ政府に日本から同意と協力を得させるために、あの手この手で日本に有利な提案をさすのだ。外務省は知らないかもしれないが、これが本来の日本外交の姿である。アメリカの言うことなら、無条件に従うことが外務省(外交)の基本姿勢ではない。そのような幼児的な外交姿勢は、もうアメリカでも嫌悪感が生まれている。自立できない日本では、アメリカの負担になる可能性が高くなってきたからだ。すくなくとも日本では、外務省に関する嫌悪感は強い不信感に変わってきた。写真は中国人民解放軍のパレード。今の中国軍に台湾上陸を行う戦力や政治的メリットもないことは米中首脳はご存知である。
スイス PKO派遣 武装か非武装か 10日に国民投票(朝日 6月5日 朝刊) [要約]スイスは国外のPKO活動で、新たに武装するか、従来どおり非武装で行うか国民投票を実施する。政府はPKO活動をスムーズに行うために武装化を提案し、軍のほうもこの方針を支持している。しかし伝統的な保守・右派は、PKOの武装化は新たな敵を産むので、あくまで非武装で人道的活動に限定すべきと反論している。投票は10日。

[コメント]日本でもPKO協力法の国会審議の時、武力行動の一部を凍結し、PKO法案を可決したことがあった。最近、この凍結を今年中にも解除する動きがある。すなわち自衛隊がPKFに参加できる道を開こうとしている。確かに、日本のPKO部隊を外国の軍隊に警護してもらう光景は異常な気がする。(カンボジアでは自衛隊をフランス軍が護衛した) しかし日本で同じような国民投票を実施すれば、自衛隊のPKF活動を否定する声が相当強いだろう。もしかすると国民投票では否定される可能性もある。しかし現実にはカンボジアでは、自衛隊は投票時に武装パトロールを実施したし、道路工事の現場周辺には武装した隊員が立っていた。むしろ問題なのは、派遣条件に上がっている停戦の合意であった。もし派遣途中で現地の停戦の合意が崩れたら、自衛隊PKO部隊だけが撤退できるかの問題である。停戦の合意が崩れても、なお現地に武装のまま留まることが問題だ。PKF凍結解除は派遣条件の停戦合意が崩れ、現地で戦闘状態(ゲリラ戦も含む)が発生した時、自衛隊PKO部隊の撤退をどの段階で実施するのか、軍事常識と国際常識を知った上で決めておいてもらいたい。軍事常識のない議論では、再びあいまいな規定になる。ならば国連の規定(決定)に従えば、集団的自衛権のように日本憲法に違反することになる。それほど簡単なことではない。ここにも私の外務省不信がある。(国連の集団的自衛権については、同日の朝日(オピニオン欄)に浅井基文氏のインタビュー記事を参照してください) 写真はカンボジアのポチュエントン空港に到着した自衛隊PKOの先遣隊。
集団的自衛権 [上] 米は後方支援を期待。森本 敏氏に聞く (朝日 6月4日 朝刊) [要約]最近、活発に論議されてきた集団的自衛権の経過や、問題点を明らかにしている。政府の解釈は国家として集団的自衛権を持っているが、憲法9条の条件下では行使できないというもの。これに対して米国は、たとえ戦闘下であっても、自衛隊に弾薬や燃料、また食料などの後方支援をやってもらいたいと期待している。そこで憲法改正が無理なら、国会で憲法解釈変更を求める国会決議の道があるなど、山崎拓自民党幹事長の意見が紹介されている。そのような集団的自衛権の各論について森本氏が問題点に答えている。

[コメント]最近の集団的な自衛権の論議は活発である。しかし前のPKO法の論議と同じように、きちんと経緯や問題点が理解されて、正面から議論されているか不安だった。この新聞記事を読んでも、まだすっきりしない霞(かすみ)の中だ。自衛隊が発足して以来、憲法と国防の根本的な論議を避け、解釈でその場その場を誤魔化してきた。それがとうとう、にっちもさっちも行かなくなってしまった。そこで集団的自衛権の議論が活発化してきたのだ。それよりも日本の国防とは何かという点である。武力侵略から日本を防衛するといっても、どこの国がどのような目的で、どんな武力侵略を行うか、そのあたりのことがあいまいである。だがこれは仮敵の話しではない。仮想できる敵がいないのに論じる国防論である。国防哲学の話しなのだ。「おじさん、日本は戦争するの? どこの国とどんな戦争をするの?」という子供の質問に、どのように答えるかの問題である。憲法がどうとか、アメリカがどうのといういう問題ではない。日本が戦う次の戦争は、どんな戦争なのかという問題なのだ。昨日、小学校の先生という方から、総合学習で子供たちに「戦争と平和」を教えるから、世界の戦争について教えて欲しいというメールが届いた。集団的自衛権を論じるというのは、日本の子供たちにどんな戦争か平和を与えるかということなのだ。大人の勝手な都合や誤魔化しは通用しない。
田中外相 豪外相との会談で。「米大統領に不信感」 (読売 6月2日 朝刊) [要約]先月28日、田中外相が外務省で行った豪外相との会談で、「ブッシュ大統領は地元テキサスの石油団体など保守的な影響を受けている」「ミサイル防衛には個人的に疑問を持っている」「NMDは中国を刺激する」「ゴア氏が勝っていたらこんなことにならなかった」と発言した。このことは米大統領に対して不信感を表明したことになる。

[コメント]また外務省閣僚による報復リークである。今までのようにアメリカのことなら何でも絶対服従の外交姿勢からすれば、異例のことと映るかもしれない。しかし日本が自立した独立国なら、ごく自然な外相の発言である。田中外相でなくとも、ブッシュ大統領が保守的な基盤を背景に選挙を戦ったことは誰でも知っている。NMDが技術的に多くの問題を抱え、アメリカにも疑問視する意見が多い。またNMDはロシアや中国などの反発を招き、不要な核兵器開発競争を誘発する危険をヨーロッパでも指摘されている。ブッシュ政権になって北朝鮮への対応、NMDの配備などガラリと変化した。そんな急激な米政府の政策変化に、何も文句を言わないでただ盲従することのほうが異常である。日本が国際的に自立するということは、アメリカに日本の立場をはっきりと言うということだ。マスコミもだらしない。今までの悪しき現状を打破しょうとすると、最初は賞賛しておきながら、次に前例を破った行為と総攻撃する。今、日本がアメリカから自立するためには、田中外相のような強い外交姿勢が大切なのである。外務省のODA利権を食い物にして、外務官僚の無能さを許してきた政治家のあせりに乗ってはいけない。田中外相の方向性は間違っていない。この問題の本質は、なんでもかんでもアメリカに失礼だと言いながら、内部情報を選別してリークして攻撃する外務官僚の卑劣さである。国益に著しく反している。田中外相が孤立無援で戦っているのに、どうして応援デモが起こらないのか、そのほうが私には不思議である。がんばれ田中外相! 外務官僚のずるさに腹が立つので、本日、土曜日だけど外務省一周の応援デモ(2回目)を一人でやることにした。4時ちょうどに正門前を歩き出して、反時計回りに1周(約10分)をゆっくり歩く。ゼッケンもプラカードもなし。(カミさんがただの散歩じゃないといったが、とにかく私の気持ちは応援デモなのである)
米駐在の陸将補、部下をけってけがさす在米日本大使館 帰国さす方針 (朝日 6月1日 ホームページより)。 [要約] ワシントンの在米日本大使館に勤める防衛駐在官(49)が、部下の二等陸佐に暴行を加えて全治約10日のけがを負わせていた。外務省と防衛庁は陸将補を帰国させる方針で、懲戒処分について今後検討する。外務省によると、陸将補は5月上旬、ワシントン市内の日本料理店で開かれた日本の安全保障関係議員訪米団との会合の際に、二等陸佐の応対ぶりが悪いなどとして足を数回けり、裂傷などを負わせたとされる。

[コメント]
先日、中谷防衛庁長官がハワイで行われた日米韓の北朝鮮協議で、協議の事前や事後にも、防衛庁にはまったく外務省から報告がなかったと抗議した(5月29日)ことで、外務省が防衛庁に報復のため駐在武官を帰国させたと想像できる。以前からY防衛駐在官の素行は、いろいろな話しを聞いていた。しかしこの時期を狙うとは、いかにも古狐の柳井駐米大使や外務官僚のやりそうなことだ。だから外務官僚(ただし50歳以上)は嫌いなのである。本日は田中外相がアジア欧州会議(ASEM)の外相会議で訪中した際、昼食会で隣の席の伊外相に、田中外相が「NMDへの懸念」を発言したと公表した。これも外務官僚が田中外相に対する報復のためのリークである。大臣になれば、官僚の用意した原稿を読んで、一字一句タリとも従来の政府の方針と違ってはいけないでは息がつまる。読売夕刊(6月1日付け)に、その時のやりとりが掲載されているが、今までの非常識な考えよりはるかに自然である。この会話の内容にケチをつける外務官僚の方がよほど軍事的非常識である。今回の米大使館駐在武官帰国事件は、防衛庁と外務省の闘いの始まりである。防衛庁は駐米大使、外務次官、外務審議官の首を取る(辞めさせる)か、再び、防衛庁・自衛隊が外務官僚にヘイコラヘイコラするかである。アメリカ側は必ず防衛庁サイドを応援するはずである。もう外務省の外交能力では日米関係が正常に機能しないからだ。私ははっきりと中谷防衛庁長官、田中外相を応援する立場と表明する。しかしTMDやNMDには反対である。
MOX燃料の原爆転用「容易」 ロンドン共同 毎日 6月1日 朝刊) [要約]31日発売の英科学誌「ニュー・サイエンティスト」は、英国の著名な核物理学者であるフランク・バーナビー博士が、「プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)の燃料の原爆転用は極めて簡単」という報告書を英国政府に提出したと報じた。博士はMOX燃料からプルトニウム酸化物とウラン酸化物は容易に分離でき、プルトニウム酸化物から抽出したプルトニウム13キログラムでTNT火薬100トンの爆発力のある原爆が製造できる。その技術はオウムがサリンを製造した程度の化学知識で十分に可能で、その技術情報も刊行物やインターネットで入手できるという。

[コメント]この報告書はテロリストが日本のプルサーマル原発を襲い、そのMOX燃料を奪い、核兵器テロを起こす可能性が高いことを警告している。それと同時に、日本は極めて短時間に核兵器開発が可能とも警告している。むろん日本には、核弾頭の組み立てや起爆装置に必要な技術もある。ロケットなど核兵器を運搬する手段も持っている。世界の大部分の国は、日本がいつでも核武装可能な国と見ているのに、そのことを知らないのは日本国民だけである。日本政府や電力会社も、そのことを隠さず、こんな可能性もあることを知らせるべきだ。インターネットの社会とは、都合の悪い情報を隠すことが難しくなった社会だ。日本の科学捜査研究所(警察庁)は、地下鉄サリン事件のあと事件を立証するためにサリンを生成した。30年前は日本の民間業者がサリンを生成して、研究のため自衛隊の化学学校(大宮市)に納入していた。サリンを最新の化学兵器だと説明したり、テポドンを最新の弾道ミサイルというのは、日本が核武装できないというぐらいめちゃくちゃな話しである。
ここから上は6月1日(金)以降の情報を掲載しています。