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New Files Oct-Dec 2000

クリントン大統領 北朝鮮訪問を断念 (毎日 12月29日 朝刊) [要約]クリントン大統領は北朝鮮訪問を断念する方針を発表した。北朝鮮のミサイル開発問題の交渉に前進が見られないからという理由が日本政府に伝えた。これによって日本と北朝鮮との国交正常化交渉も停滞することが確実になった。

[コメント]12月に行われた朝鮮半島問題のシンポジュームで、ペリー元米国防長は、「大統領に北朝鮮訪問で具体的成果が得られなければ、訪朝しないように提言している」と語っていた。具体的成果とは弾道ミサイル交渉であったわけである。北朝鮮はミサイル開発を口実にアメリカから援助を引き出すつもりであった。しかしクリントン政権末期とあっては、簡単にその話には乗れなかったようだ。ブッシュ新政権は北朝鮮に厳しい相当厳しい対応を迫ることが予測されている。脅してナンボの北朝鮮は傾きかけた屋台で持ちこたえられるか、そのあたりが再び注目されることになった。それにしても韓国の金大中大統領の落胆振りは大きかった。このまま北朝鮮情勢が悪化して倒壊したら、韓国経済も重い負担で連鎖破産する可能性があるからだ。万が一にも、北朝鮮と戦争なるなんて馬鹿なことは思わないように気をつけよう。それにしてもアメリカ大統領というのは、どこかの首相のように外国訪問(国際会議も含む)といえば経済援助というお土産を持参し、人気取りのためにお金をばらまくような国とは違う。これで北朝鮮に対して弾道ミサイル開発は自分の首を絞めるようなものだというメッセージは確実に届いた
ロシア戦略軍 新型ICBMを配備 (朝日、12月27日 朝刊) [要約]ロシア戦略軍は複数弾頭(MIRV)の搭載が可能な新型ICBM「トーポリM」をロシア南部のサラトフ州に実戦配備した。これはNMD推進を掲げるブッシュ新政権をけん制する狙いがある。

[コメント]米ソは核兵器制限交渉で、MIRVの多弾頭を単弾頭にすることに合意している。しかし取り外した弾頭は近くに保管してあり、いつでも再装てんは可能である。中国が新型SLBMの実験で米国のNMDに揺さぶりをかける。そしてロシアも新型ICBMの配備でNMDをけん制する。これが核兵器の危険な軍拡競争の実態である。互いが不信感を高め、核威力の競争という泥沼におちいった。
中国、新型原潜・弾道ミサイル発射「東風31型」に成功(読売 12月26日 朝刊) [要約]中国は東シナ海と黄海に配備した2隻の原子力潜水艦から、複数の弾頭を装備した新型の弾道ミサイルの発射に成功した。弾道ミサイルは、「東風(DF)31型」という。中国が開発中の弾道ミサイルは、複数弾頭(MRVかMIRVかは不明)で、固体燃料を使い、射程が8000キロ以上であるという説がある。同時に別の場所から発射して、5ヶ所の目標(タクラマカン砂漠)に命中させたのは初めてである。(香港の「太陽報」紙を引用)

[コメント]朝毎紙が「太陽報」の引用で、「実験に成功か?」と疑問詞の記事にしているの対し、読売は「ワシントン発のロイター電で米国政府も発射実験を確認した」とい記事を載せ実験を断定している。さてこの弾道ミサイル発射実験は、中国からブッシュ次期大統領への痛烈なプレゼントである。というのは、ブッシュ次期大統領は中国が嫌うNMDの配備を進めることを公約している。しかし開発中のNMDの最大の弱点は、多弾頭化された弾道ミサイル(MIRV)では迎撃が困難なことである。また同時多発的に同一目標を攻撃されれば迎撃率が悪くなる。そのほかにも、囮にされた弾頭を識別できないという初歩的な弱点も持っている。すなわちアメリカ(ブッシュ次期大統領)が莫大な資金をつぎ込んでNMDを配備しても、中国はアメリカのNMDに対抗できる核弾頭ミサイルをすでに持っているという痛烈なメッセージが込められている。だから江沢民主席がブッシュ次期大統領に贈った痛烈なプレゼントというわけである。ここでちょっと気になるのは、朝日新聞が報じた目標の5メートル以内に着弾したという記事である。150メートルとか250メートルならなんとか理解できるが、50メートル以内なら疑問符がつくものが5メートルと報じていることだ。本当に5メートル以内に着弾なら、中国は新しい弾道ミサイルの誘導方法を開発したことになる。巡航ミサイルのように亜音速で飛行し、地形照合と衛星誘導で命中精度を上げても、着弾は目標の10メートル以内がやっとである。弾道ミサイルでCEP(半数命中射界)が5メートルとういのは信じられない。(写真は米海軍が公表した中国が開発中の新型弾道ミサイル潜水艦「094」型の想像図。米海軍は搭載されるSLBMはMIRVと予想している。この原潜が今回の実験に使われた。以前の「夏(XIA)」型原潜では、射程2150キロ、弾頭威力は250キロトンのSLBMが12基搭載されていた。2隻建造され、その1隻を事故で失った。これでは核抑止力は期待できないと言われてきた)
中期防「大型護衛艦は国民を愚弄する『空母』隠しだ」 (AERA誌 12月25日号 朝日新聞社刊) [要約]朝日新聞編集委員の田岡俊次氏が、来年から5年計画の中期防で建造される大型護衛艦(満載排水量約2万トン)の2隻は、軍事的に軽空母(ハリヤーやヘリを搭載)であり、それを誤ったイメージ図などで国民を騙そうとしていると指摘した。中央の甲板に格納庫らしくものが建造されているが、建造時にこの格納庫を取り除けば、前・後飛行甲板が一体化され、中央に航空機用エレベーターのついた全通飛行甲板の軽空母になるという。防衛庁内部でも国民を騙すような説明に、国民を愚弄するという批判がでているという。

[コメント]新聞の同誌広告で気になっていた記事である。そのうちに読もうと考えていたら、知り合いの編集者から昨日この記事のファックスが送られてきた。大型護衛艦建造のことは知っていたが、完成予想図を見ていなかったので、これが軽空母になるとは知らなかった。しかし完成予想図を見れば、だれだってこれが軽空母だということは気が付くはずだ。防衛庁記者クラブの人たちは、何で今までこの完成予想図を紙面に載せなかったのか。先日、防衛庁は空中給油機を導入する説明文に、公明党の立場を考量して空中給油機は燃料タンクを外せば、国際貢献が可能な輸送機になると書き改めた。そんな詭弁を堂々とそのまま新聞で報じる防衛記者のセンスを疑った。そんな甘い対応をするから、防衛当局になめられるのである。空中給油機と輸送機はまったく違う。そんな詭弁の論理を許すなら、今の輸送機をいざというときは空中給油機に改造できますかと、防衛当局に認識を迫ればいいのではなかったのか。私が高校1年生の頃、オートバイが欲しくて父親に「オートバイを買ってくれれば、家族が病気になればすぐに病院に載せていける」と説得したらひどく怒られた。姑息な詭弁を使うなと叱られた。そこで高校まで自転車で片道1時間半(三分の一は山道)かかるので、オートバイなら通学時間が節約できるし、疲れも少ないので勉強できると説得し直した。すると父はホンダのCS90の新車を買ってくれた。通学時間はバイクで片道20分に節約できた。冬でも汗をかく自転車の山越えもなくなったので、通学疲れもなくなり勉強時間も十分とれるようになった。当時、我が家の事情と経済力を考えれば、高校生に新車の通学バイクを買うことは大変だったはずである。しかし私は堂々と正しく主張すれば、きっといい方向に変えられると思った。防衛当局も姑息な詭弁ばかり考えないで、正々堂々と言うことは言う、主張すべきはする時期がとっくにきていることに気が付いてほしい。国防に誇りを持て!。(イラストは防衛庁が公表した13500トンクラスの次期ヘリ搭載護衛艦。艦橋左の格納庫を取り除けば、全通飛行甲板に容易に変更できる。)
日本は3極に残れない 2015年 CIAが報告書 GDP中国に抜かれる (読売 12月9日 夕刊) [要約]CIAのテネット長官は2015年の世界情勢を予測した報告書「グローバル・トレンド」を公表した。特に注目すべき点は、@経済・軍事面で中国とインドの潜在力の高まり Aロシアの衰退 B日本の不確実性である。そして日本は1990年代より強さは増すが、地球的規模では低下し、GDPで中国に抜かれる可能性がある。なお新聞には書かれていないが、報告書には日本が核武装に動く可能性があることも分析している。

[コメント]日本衰退の原因では、高齢者社会の進行、労働力不足など人口構成の変化をあげている。原文(報告書)で朝鮮半島の情勢をどのように予測しているか知らないが、仮に南北が緩やかな統一である「連邦国家」を樹立しておれば、朝鮮半島の新統一国家「コリア」は、陸続きの中国から安い衣料や食品が大量に輸入され、自動車や機械などの工業製品が朝鮮半島から中国に運ばれ、巨大な生産・流通圏が誕生しているだろう。そなれば日本の経済は朝鮮半島で活動の機会を失うことになる。中国の周辺で韓国ほど国民の教育水準が高く、ハイテクを使いこなし、近代的な産業が育成されている国はない。中国が朝鮮半島の可能性を無視するはずはないだろう。日本は朝鮮半島を通じて、大陸(中国)から押し寄せる力をひしひしと感じる時代が間もなく来る。そうならないために日本は再び開国し、アメリカのように移民が押し寄せ、将来の人口構成問題を移民で解決するぐらいの政策が必要である。公立学校の先生の3分の1は外国人でいい。医者や看護婦さんは、能力さえあれば半分ぐらいは外国人でよい。外国人が3K(きつい、危険、きたない)ばかりやる時代は終わった。そのくらい気概で日本の開国が必要だろう。これからは排他的な保守主義は日本を滅ぼす。
経済・安保で信頼強化を ブッシュ新政権と日米関係 (毎日 12月18日 朝刊) [要約]京都大学助教授の中西寛氏の寄稿である。ブッシュ新政権は冷戦後の世界政策に、共和党の立場から初めて答える政権という位置付けなされる。そして政策は集団的な指導体制をとり、日本に対しては大きな期待が生まれ、日本が経済や安保面でそれに答えられなけば、日本を無視する姿勢をとられる可能性がある。クリントン政権の見直し項目の中には、東アジアで10万人の駐留体制を維持するとした安保政策も対象となる。沖縄の基地問題もこの機会に、早い段階で調整をすることが望ましい。

[コメント]ブッシュ新大統領で民主党から共和党に政権が変わる。当然ながら、保守的な政策に重点が移される。NMD(戦略弾道ミサイル防衛)も推進されるし、対中国政策もライス主席補佐官の起用で厳しいものになるだろう。日本に対しては、より具体的に軍事面での貢献を求められるようになる。日米安保や新ガイドラインのように、日本は米軍に基地や施設を提供し、その作戦をサポートすれば良いという段階ではなくなる。ユーゴ空爆に参加したり、EU統合軍に派遣を決めたドイツのように、より積極的に軍事作戦に参加を求められるようになるだろう。その象徴的な事例として、次期防の空中給油機はもちろんだが、次の次期防衛計画(次次防)ではC-17大型輸送機の購入を求められる可能性がある。地球上のあらゆる場所に部隊の空輸が可能な最新大型輸送機である。日本は憲法で戦闘に参加できないのであれば、輸送面で国際貢献(実は対米)せよという論理である。このようにブッシュ政権で、日本の国防政策が根本的に転換させられる可能性が高い。それにしてもライス安全保障補佐官の起用は、ブッシュ政権が断固たる国防政策をとることを宣言したことになる。それなら日本にライス安全保障補佐官と堂々と渡り合える安全保障の論客がいるのだろうか。残念だが、日本ではそのような人物を育ててこなかった。逆に軍事音痴の政治家や官僚が、そのような優秀な人物の才能を潰してきたのだ。ただ自己の劣等感を隠し、アメリカに追随するためにである。(本当のことを言えば、つい言葉の調子が強くなってしまう。反省!)
空中給油機 公明が容認 野中氏動く(読売 12月15日 朝刊) [要約]次期防(2001〜2005年)の焦点だった空中給油機の導入問題で、慎重姿勢を示していた公明党が条件容認に転じた。これは自由党の小沢氏などが空中給油機問題で、自民党内に不協和音を起こすことを察知した野中氏が、公明党を説得し条件付合意を得たものである。これを受けて防衛庁は、「空中給油機は人道支援などの国際協力に貢献できる」という導入目的を文案化した。しかし公明党の立場を考慮して、来年度の予算は導入経費を盛り込まないことにした。

[コメント]島国の日本にとって、空中給油機導入は空母を建造するほどの戦略的な意味がある。それを党利党略で簡単に片付けてしまっていいのだろうか。野中氏は空中給油機の導入に反対の意見を持っていると聞いていた。しかし天敵の小沢氏が絡んでくると、そんな主張はどこかに飛んでいくらしい。ここでひとつ重要な問題を提議しておく。それは南北が統一された朝鮮半島では、大幅な軍事力削減が行われても、100万人を超える軍事力が存在するだろう。そして北朝鮮軍の特殊部隊や化学兵器はそのまま残るだろう。韓国軍と北朝鮮軍を合わせれば、1プラス1が2になるのではなく、4にも6にも化ける軍事大国が出現する。そのときに日本が空中給油機を導入し、朝鮮半島全空域が航空自衛隊の作戦行動に入ると、統一されたコリア国は猛反発するだろう。このように日本の空中給油機導入は、日本と朝鮮半島で新たな緊張関係が生まれる発火点になる可能性が高い。もし日本が将来は空中給油機を必ず導入する必要があるなら、その時期は南北朝鮮が統一し巨大な軍事大国が出現する前にやる必要がある。今なら朝鮮半島の混乱に対処するためという言い訳が使えるからだ。空中給油機導入を党利党略でやるような問題では決してない。もし今の時期を失えば、日本が空中給油機を導入できるチャンスははるか先になる。防衛庁はそのあたりの国際情勢を、党利党略しか興味のない政治家にもきちんと説明して頂きたい。ところで防衛当局は南北朝鮮が統一して、どのような政権と軍事力が生まれるか、ちゃんと研究をしたことがあるのだろうか。大丈夫でしょうね。
世田谷で生物兵器研究!? 陸自が部隊設置計画 (読売 12月12日 朝刊) [要約]防衛庁が来年三月に陸上自衛隊三宿駐屯地(東京・世田谷)に設置を計画している生物兵器対処研究部隊で、地元世田谷で反対運動が起きている。この「部隊医学実験隊」は定員20名で、その中で生物兵器を研究する「研究班」は医官3名を含む8人程度である。防衛庁は危険がないと言うが、地元に説明がないので周辺住民は不安をつのらせ、反対の署名活動や防衛庁の説明を求めているという。

[コメント]現在、三宿駐屯地には自衛隊中央病院や衛生学校が置かれている。それでは、なぜ三宿に部隊医実験隊かといえば、大宮の化学学校は毒ガスなどの化学兵器の研究機関と、実動部隊の化学防護隊が駐屯している。所沢の防衛医大は教育・研究機関としての機能しかない。だから防衛庁の本音としては、最初は三宿に細菌戦の研究機関を設立して、やがては対細菌戦の実動部隊も設立したいという考えがあると思う。現代の細菌戦の特徴として、人口密度が高く、政治・経済の機能が集中している首都が狙われる可能性が高い。そこで東京にある三宿(衛生部隊)に対細菌戦の研究と実動部隊が必要なのである。細菌は散布されると、細菌の分析などに緊急の対応が必要である。だから人里離れた山間部での設置は難しい。三宿に決めた理由がわからないではないが、防衛庁から地元への説明が十分に行われないのは問題である。特に第2次大戦時の731部隊のこともあるので、地元への説明を怠っては問題をこじらせるだけだ。私としては、過去の731部隊のこともあるので、医学実験隊は防衛庁独自のものとせず、厚生省など医療・保健機関の研究分野、それに文部省などの医学研究機関と合同で設置するのがいいと思う。自衛隊を信用しないのかというよりは、軍事組織がもつ特性(防御と攻撃は一体である)のために、日本で軍事機関が独自で細菌戦を研究しないことは世界の模範になることができる。とにかく防衛庁は地元に何も教えない、できるだけ隠すといった従来の体質を、そろそろ脱皮しなければ21世紀に生きのこれない。インターネットの時代とはそういった社会なのだ。
参上 地下鉄「大江戸線」 広がる交通網 (12月10日 朝日)  [要約]地下の山の手線」とも呼ばれる大江戸線が12月12日に開通する。この線は防災交通網としても整備されており、岩盤の強固な地下深くに建設されている。最も深い六本木駅で地下42メートル、東中野駅で34メートルもありエスカレーターで地上に出るのに1分以上もかかる。東京の中心部に南北に長い楕円を描いたような地下鉄線である。

[コメント]この記事には防災面のことを詳しく報じていないが、我が家の近くの清澄庭園(江東区)の清澄白河駅には大江戸線と連結した防災倉庫が建設されるそうである。そこで私が提案したいのは、深い地下から地上に物資を運びあげるために、拠点駅に重量物用のエレベーターを建設して頂きたいということである。そして地下鉄で車両や物資を運搬できるように、屋根のない台車だけの貨物車も用意するといい。災害物資を積んだトラックなどが無蓋貨車に積まれ、その無蓋車両がホームに着くと、車両は自走してそのまま重量物エレベーターに乗って地上に運ばれ、直ちに災害現場に到着するのである。防災拠点駅で救援物資を積み替える時間や労力ロスをなくすのである。また平時(災害時でない場合)であっても、深夜の限られた時間を民間の運送業者にライン(線路)を貸して、民間荷物の輸送業務を行えるようにすれば、深夜電気の活用やトラックの排気ガスや夜間騒音などの環境公害を削減することができる。これは長距離フェリーのように、トレーラーの動力部を切り離し貨車だけ運搬するシステムだ。そのような地下鉄用の新型コンテナを開発すれば、貨物の運搬コストを大幅に削減することも可能である。まあこんな常識的なことは、私が提案しなくても東京都は十分に考えていると思うが、もしすでに案があるなら公表してほしい。まだ都が検討していなかったり、そのような案は特定企業から反対が予測され、まだ検討に着手していなかったとしたら怠慢だよ。大地震に強い貨物専用地下鉄と、地上の広い公園(避難地)などと連結させれば、平時や災害時に役立つことは間違いない。大金をかけて首都を移転さすことより、こちらのほうがはるかに検討に値する。今年9月の東京都防災訓練(ビッグレスキュー)で、練馬の自衛隊員が地下鉄に乗って都心に向かう写真を見たとき、正直に言えばかわいそうな気持ちがした。地上で大災害が起きているというのに、自衛隊員が消防団のような役割しか想定されていなかったからだ。地下トンネルの活用法は北朝鮮軍のほうが進んでいる。
海自 1万トン級護衛艦導入へ 次期防で2隻 (読売 12月7日 朝刊) [要約]防衛庁は次期中期防衛計画で、1万トンを超える護衛艦を建造することを決めた。これは国連平和維持活動や海外の邦人救助、それに災害時の避難民救出を考量しての導入だという。新型護衛艦には艦内にヘリの修理機能を持たせて、長期の海外派遣を行えるようにするほかに、大型の輸送ヘリ(CH-47)も搭載できるようにする。

[コメント]この前(98年9月)は北朝鮮のテポドン発射で、米国のTMD開発への参加と偵察衛星の導入をさっさと決めた。今度は国連平和維持活動と邦人救出、それに災害派遣という説明で大型駆逐艦(護衛艦)の建設である。防衛庁はなんとか理由をつけては、自衛隊の軍事力の強化をどんどん行われている。それもハード面である兵器の強化ばかりに重点が置かれている。こうして自衛隊はどんどんと渡海能力(海外派遣)を高めていくことになる。これで空中給油機を新たに装備すれば、専守防衛の枠がますます薄くなり、軍事力でアジアに進出する日本の姿が浮かび上がってくる。日本の軍事力の強化は、以前からアメリカの要請のもとに、国民に適当な危機意識する方法(誘導)で行われてきた。今アメリカは日本に対し、今までのように米軍基地を提供する日本の役割から、自衛隊が軍事力をともに行使する役割へ変てきた。まず最初に日本のターゲットになるのは、日本が好むか好まざるかによらず、南北統一後の朝鮮半島である。朝鮮半島は南北統一後に、陸続きの中国をけん制するために、日本は朝鮮半島へ向けた軍事力を強化することになる。北と南が戦争をするなどという想定は過去のもので、これからは南北統一後の朝鮮半島で、どのような軍事力が生まれるかが最優先の研究課題である。
台湾が対艦ミサイル発射成功。 中国発注の駆逐艦、露を出発 (読売 12月6日 朝刊) [要約]昨年12月に、ロシアから中国に引き渡されたソブレベンヌイ級駆逐艦の2隻目が、ロシア北西部のサンクトペテルブルクから中国に向けて出発した。また台湾の「中国時報」(4日付け)は、台湾当局が超音速の対艦ミサイル「雄風3号」の試射に成功したことを報じた。同ミサイルは台湾の中山科学研究所が開発をしたもの。雄風3号はソブレベンヌイ級駆逐艦に搭載されている超音速対艦ミサイル「SSN22」よりも、飛行速度や射程ですぐれているといわれている。

[コメント]中国と台湾の潰しあいが行われている。戦火を交えなくても、双方の軍事力潰しあいの火花が飛び交って迫力がある。ちなみにSSN22は速度がマッハ2、射程が120キロで、最終誘導は自らがレーダーを照射して命中するアクティブレーダーホーミングか、敵艦の排気熱などを捕らえる赤外線ホーミングである。中国の新型駆逐艦配備に対して、台湾が新型の駆逐艦配備で対抗するのではなく、高性能の対艦ミサイル開発で対抗する発想が中国らしい。そういえば先日おもしろい体験をした。新横浜にあるラーメン博物館に家族で見物にいったときのことだった。その中にある駄菓子屋さんに子供と一緒に入ろうとしたとき、3人の若い女性と話す機会があった。その女性たちは日本語がしゃべれないので、私が英語で「アーユー、チャイニーズ?」と質問をした。すると彼女たちは、「ノー、アイアム、タイワニーズ」と毅然として答えた。こんな会話をしたのは初めてなので驚いた。彼女らの顔には、「私は中国人ではなく、台湾人です」という表情がはっきりと出ていた。台湾では、脱中国の意識改革が進んでいるのだろうか。ちょっと気になった。
カンボジア首相府襲撃 「カンボジア自由戦士」が犯行声明 (読売 11月27日 朝刊) [要約]24日未明に反政府武装勢力がカンボジア首相府を襲撃した事件で、米在住の「カンボジア自由戦士(CFF)」のチュン・ヤーシレット会長は、同事件はベトナムのチャン・ドク・ルオン大統領のカンボジア訪問に反対するために起こしたと声明を発表した。フン・セン首相は米国にチュン会長の身柄を引き渡しを求める考えを明らかにした。

[コメント]タイミングが良すぎて眉唾、眉唾。今月13日に中国の江沢民主席がカンボジアを訪問した。中国の国家主席がカンボジアを訪問したのは37年ぶりであった。これで中国のカンボジア・ラオス支配が確立するものと思った。ところが、その直後にクリントン大統領がベトナムを訪問して、米越関係を改善し強化することをベトナムと誓い合った。その直後には、カンボジアのフン・セン首相と関係の深いベトナム大統領がカンボジアを訪問することとなった。ベトナム政府は米越関係強化の追い風で、カンボジアで中国への巻き返しをはかりに出たと思った。そこで24日未明の首相府や国防省への襲撃事件である。反政府武装集団は54名(死者7名)と発表された。そしてこの襲撃事件直後にベトナムのルオン大統領のカンボジア訪問は中止された。そしてベトナム政府はすぐに、ルオン大統領が中国を訪問することになったと発表した。クリントン大統領が訪越した際に、何を話しあったか中国に報告にいくのだ。カンボジアに行く前に中国に報告しに来い。そんな中国外交の凄腕を感じる。反政府勢力の襲撃は、「ベトナムよ、クリントンが来たぐらいで羽目を外すな」という中国の恫喝が、裏で動いたのは間違いない。そして襲撃したと声明を発表したのが、在米のカンボジアの反政府組織となれば、これで眉唾のシナリオはすべてそろう。カンボジアの反政府組織というのは、反ベトナムで親中国の立場をとるものが多い。この声明をだれも不思議に思わない。しかし本日の毎日新聞朝刊に、襲撃の指揮官(在米カンボジア人)がシェムレアップ空港で治安当局に逮捕されたという。しかし首相府や国防省を襲った武装部隊の指揮官が、その直後にカンボジア第2の都市の空港から飛行機に乗るだろうか。これは裏に仕掛けがきっとある。それと襲撃時の54名と死者の7人の人数だが、これは付近にいた普通の市民の可能性が高い。カンボジアの場合、もし反政府勢力が攻撃を開始すれば、カンボジア政府軍は物陰に隠れ反撃などという危険なことはまずしない。そこで反撃して撃ち返すのは、カンボジア政府軍の軍服を着たベトナム特殊部隊の兵士だろう。こんどの襲撃事件の背景に中国の影を指摘しなければカンボジアを語れない現実がある。今後の東アジア情勢についても、カンボジアは様様な国の駆け引きを露出させてくれている。日本の時代にあわせば、戦国時代の様相に似ているかも。まあこれだけ面白い芝居を見物するためには、カンボジアと10年は付き合うぐらいの覚悟が必要である。
光ファイバーで映画配信 コスト削減に東映検討 (毎日 11月24日 朝刊) [要約]東映グループは来年以降オープンするシネマコンプレックス(複合型映画館)に、通信衛星や光ファイバイーを使って映画を配信する検討を始めた。これならフイルムのプリント代や輸送・管理費が削減でき、映画代の大幅値引きが可能になる。ファイバーなら2時間の映画を数秒で配信し、専用の映画機で上映することになる。

[コメント]この記事を読んで、これは近未来の戦争を画期的に改革する基礎技術になるかもしれぬと思った。地球上のどこにいても、大量の画像情報を瞬時に送り、その情報処理された指令を再び送り返す技術である。この記事を読んで、さっそく本日から横浜で開催の「A・SO・BOT」(パシフィコ横浜)に行ってきた。いろいろなロボットを見たが、もっとも驚いたのはHONDAが製作したP−3ロボだ。スポットライトを浴びて登場し、階段を2本足で歩行しながら降りてきたときは、思わず「オー」というため息が出た。だが2時間ほど会場にいて、外に出ると何ともいえぬ不安な気持ちに襲われた。あのロボットたちが銃で武装し、人間の戦争に駆り出されないかという不安である。まずロボットのセンサーが目標を発見する。目標の情報が大量に司令部に送られる。そこで情報は処理され、再び攻撃指令が警戒中のロボットに送られる。そんな戦争システムを作るのは、今の最新技術をもってすればわけないことである。いまの民間企業のロボット開発に、先進国の大量の軍技術開発資金が導入されたら、数年後には今日のロボットなど原始ロボット世代と呼ばれるだろう。湾岸戦争で大量使用された巡航ミサイルを、神風特攻隊の役割をコンピューターにやらせたロボット兵器という指摘したことがある。人の乗らない戦車や、ジェット戦闘機、偵察機、潜水艦、ロボット戦士などなど、そんな人間の居住空間と人体の限界を無視できる兵器が登場したら、これからの戦争の様相は一変するだろう。まだロボットが無邪気なうちに、ロボット兵器の定義や戦場投入禁止の国際会議開催が必要である。もはやロボット兵士やロボット兵器は、仮想なSF世界だけの話ではない。近い未来にIFF(敵味方識別装置)を携帯しない者は、武装警備ロボットに射殺されても、それは正当防衛で罪にならないという法律が出来る可能性さえある。軍事(技術や予算)とロボット開発が結びつけば、人間のコントロール能力を超えて社会不安を引き起こすことは必至である。軍事は核やITさえもコントロールできないのに、ロボットという重い課題を背負うことになった。(写真はA・SO・BOTの公式ガイドブックの表紙)
エジプト イスラエル大使を召還 イスラエル軍の攻撃に抗議 (各紙 11月23日 朝刊) [要約]エジプトはイスラエル軍のパレスチナへの軍事攻撃に抗議して、イスラエル駐在のエジプト大使を召還した。これはアラブ穏健派のエジプトが、イスラエルに強い抗議の姿勢を示したことになる。イスラエルはエジプトの大使を召還していない。

[コメント]強い軍事力を持つ国は、報復と称して相手に恐怖心を感じさせるために、限定した軍事攻撃を行うことがよくある。まさに軍事力に依存した好戦的な政治手段である。しかし相手に恐怖心を与えて行動を封じるのではなく、逆に相手の憎悪を増して抵抗心を高めることもある。ここで過去にナチス軍(独)が行った、恐怖心と憎悪に関連する実験を紹介しよう。もし味方が一人殺されたら、相手を何人殺せば憎悪を恐怖心に変えるかという人体実験である。たびたびの人体実験(銃殺)の結果、敵に18倍以上の報復を行う必要があった。もしドイツ兵がパルチザンゲリラに一人殺されたら、その付近の村人18人を捕らえて銃殺しなければ、その付近でのパルチザン活動を停滞さすことが出来なかった。ドイツ軍のパトロールが車である村に通りかかったら、パルチザンゲリラの待ち伏せにあって3名の兵士が死亡した。怒ったドイツ軍はその村の54人の男を捕らえて(理由はパルチザン協力者という理由)銃殺刑にした。このように、敵の憎悪を恐怖心に変えて、相手の抵抗心を封じるためには、莫大な犠牲が必要になるという論理である。もし、イスラエルがこの18倍の論理を実践して、今の騒乱で軍事攻撃をこのまま続けるなら、イスラエル人が10人死亡したら、パレスチナ人は180人が死んでいることになる。すでにパレスチナでは今回の騒動で、200人を超える死者がでている。しかしイスラエルが強力な軍事力で報復し、パレスチナ人の抵抗心を封じようとしても、テレビなどメデアの発達した現在では無理である。多くの日本人は知らないが、軍事はこんなことも研究もされているのだ。今回の騒乱を収めるためには、たとえイスラエルやアメリカが嫌っても、停戦監視のためにパレスチナに国際部隊のPKO派遣しか道はないような気がする。そしてエルサレム市街を国際管理の元に置くべきだろう。
内閣不信任案 否決 (各紙 11月21日 朝刊) [要約]加藤派、山崎派が欠席して、野党提出の森首相不信任案は否決された。

[コメント]これで自民党時代の終わりが始まった。多数派工作と派閥抗争ばかりで、日本に活力を生まない自民党はもういらない。で、どうするがないから、ますます閉塞感と無気力感ばかりが強まる。もう日本人は怒ることさえ忘れたのだろうか。不信任決議の加藤欠席は、「自民党を潰す加藤の高度戦略か」とのジョークに苦笑する。先日も親しい友人が会社でリストラ宣言され、この歳で不安な年越しをおくることになったと電話あり。
EU緊急対応部隊 2003年までに10万人体制を確認 (朝日 11月21日 朝刊) [要約]EU15カ国の国防相会議が20日に開かれ、2003年までに兵員10万人(朝日新聞では6万人超と書いてあるが、総数を計算すると10万員規模)と、航空機約400機、艦船約100隻を、EUの緊急対応部隊として体制を整えることを確認した。

[コメント]これは兵力参加を免除されているデンマークを除くEU各国が兵力を提供するものである。その兵力の中には、NATO軍に編成されているものから貸し出される形の部隊も含まれる。ユーゴ空爆で示されたように、ヨーロッパや中東(作戦範囲は欧州だけでない)で緊急に投入され、治安の回復や維持にあたる任務部隊である。これはアメリカ軍離れを主張するフランスやドイツが推進派である。日本も将来は、韓国やASEANそれに豪州などの国と統合軍を編成し、過去の東チモール情勢などの治安を回復させる部隊を編成させる可能性がある。仮にそのような場合、東チモール派遣をインドネシアが許したかという問題がある。東アジアでも同様の部隊は作れる。しかし各国の利害が複雑すぎて運用をするのは容易ではない。だがアメリカは作りたがっている。小さな地域紛争はその地域の合同部隊が担当し、地域部隊では対応不可能な大きな紛争に米軍をあたらせる。そんな試みが米国で研究されている。日本の将来研究のために、私はEUの緊急対応部隊の動きに注目している。国連の平和維持部隊(PKO)よりははるかに戦闘能力を強化し、派遣の条件も緩和されているからだ。
1中国、江沢民主席 カンボジアを訪問 (読売 11月14日 朝刊) [要約]中国の江沢民主席は13日、カンボジアの首都プノンペンに到着した。空港からプノンペン中心には市民・学生など8万人が立ち並び(動員)、37年ぶりに迎えた中国の国家主席を歓迎した。中国とポル・ポト派との関係に抗議して学生が集会を開いたが、50人が集まっただけであった。

[コメント]カンボジアの人民政府はベトナムのコントロール下にある。そのベトナムは中越戦争後にアメリカと中国の経済制裁で瀕死の重症を負った。そして90年に極秘裏にベトナム首脳が訪中し、中国政府に過去を謝罪して中国の軍門に下った。それで日本のPKO部隊の派遣などが可能になった。だから表面に出なかったが、日本のPKO派遣は中国政府の了解と指示で行われた。カンボジア地域を安定化する必要があったからだ。中国のねらいはメコン川を利用して、東南アジアに進出するためである。そのためにメコン川流域に大量の開発資金を投資させなければならない。それを行うのが東南アジアで活躍する華僑たちである。日本のPKO派遣が行われた直後の94年頃は、首都プノンペンの中心地にはタイ資本の銀行が進出していた。カンボジアには何も産業がないのにタイ系銀行の進出は不思議な光景であった。今はプノンペンにタイ系の銀行は姿を消して、マレーシア系華僑の銀行が大量に進出している。当面はカジノなどの経営などを行っているが、やがて中国のメコン開発に合わせるためである。それではタイ系の銀行はどこに行ったか。それはアンコールワットのあるカンボジア西部の都市シェムルアップに移った。今シェムルアップではバンコクから直行便が飛ぶようになって、アンコールワットの観光客が激増している。そのためにシェムリアップ周辺でホテルやレストランの建設ラッシュで好景気が生まれている。これでいえることは、カンボジアでは中国とタイ(親アメリカ)の住み分けが行われたことである。カンボジア東部でベトナムと関係の深いメコン川流域の開発は中国主導で行われということ。カンボジア西部でタイと接するアンコールワットなどの観光開発は、アメリカなどタイの主導で行われるということだ。もう南沙諸島海域で中国海軍やアメリカ海軍、それにベトナム海軍が激突するなんて想定はむなしい空論になった。いま東南アジアでもっとも面白いのはカンボジアである。その首都プノンペンでは、夜になると拳銃強盗が出没し、バイクに二人乗りで背後から接近し、頭部に弾を撃ち金品を奪うものが多発している。まさに戦国時代の様相である。おもしろい。
日本赤軍 重信房子を大阪で逮捕 (各紙 11月8日 夕刊) [要約]日本赤軍の最高リーダーである重信房子が大阪の高槻市で逮捕された。そばに支援者らしい男2名がいた。持ち物のノートパソコンやフロッピーも押収された。重信房子は過去に日本赤軍が起こしテロ事件に指導的役割を果たしていたとして国際手配されていた。

[コメント]最初にこのニュースを聞いた瞬間は、ついに重信房子が逮捕されたという驚きであった。それにしても55歳の彼女の顔は、手配されていた写真の顔とはまったくの別顔になっていた。重信房子の逮捕で気が付いたが、もはや中東には日本赤軍の居場所はなかったのだろう。パレスチナのアラファトとイスラエルの首相が、ともに和平について同じ机で話し合う時代なのだ。それにパレスチナに強い影響力を持つエジプトやヨルダンも親米的な政権が生まれている。重信房子は逮捕覚悟の帰国をしたのではないだろうか。これから北朝鮮に亡命した赤軍も、続々と日本に帰国を始めるだろう。日本で裁判を受けても、支援組織はなんとか生きている。また彼らの罪名も刑期も、裁判となれば意外に軽いかもしれない。さてここで興味があるのは重信房子がどうして発見(逮捕)されたかという点である。私は彼女のパソコンが鍵のような気がする。今や世界中のインターネットや携帯電話の盗聴は、アメリカのNSA(国家安全保障局)にとっては当たり前の時代である。昨年はクルド武装組織の指導者が携帯電話をNSAに探知(盗聴)され、それをアメリカがトルコ政府に通報して逮捕されている。日本の公安警察が独自の力で発見したとすれば、支援組織の内部に送り込んだスパイ以外には考えにくい。いずれにしても、このことが公開されることは絶対にないだろう。(コーヒーブレークに関連記事を掲載)
イスラエル報復を自制 アラファト議長「平和的抵抗」を呼びかける (NHK 11月3日 朝のニュース) [要約]イスラエルのバラク首相はエルサレム中心地で起きた自動車爆弾テロに関して、軍事的な報復攻撃を行わない方針を示した。これはパレスチナ側に和平への動きが見られると判断したからだ。パレスチナ自治政府のアラファト議長も、「テロには断固反対で、平和的な抗議行動をとろう」と、パレスチナ住民に呼びかけた。なお自動車爆弾テロは、「イスラム聖戦」が犯行声明を出した。犯人は逃走中である。

[コメント]やっとよいニュースが入ってきた。パレスチナには停戦合意に反対し、対イスラエル闘争を盛り上げるべき勢力が、イスラエルへのテロという手段で和平を妨害をしている。またイスラエル側にも、パレスチナとは徹底的に武力で対決することを主張する一団もいる。そのような集団をいかに押さえ込むかというのが最大の問題である。しかし最大の問題であっても、その解決方法ははっきりと決まっている。いかに多くの国民(住民)の見方にして、その民衆パワーで怒りに満ちた戦闘の火を包み消すのだ。これは人間の性善説を信じないと取れない行動である。人間を性悪と断定すれば、テロや暴力で国民(住民)を支配するしか方法はない。どんな絶望的な状態が発生しても、人を信じることができれば事態は必ず好転する。とはいっても、今回の騒動であまりにも多数の人が犠牲になった。まだまだパレスチナ情勢を楽観視することはできない。
自衛隊主任務に災害派遣追加を 久間元防衛庁長官 (毎日 11月1日 毎日) [要約]久間元防衛庁長官は福岡市で公演し、自衛隊法を改正して、災害派遣を防衛出動、治安出動、海上警備行動と並ぶ主任務として位置づけるべきと考えを表明した。

[コメント]全くの勘違いである。自衛隊の主任務に災害派遣を置くことはできない。自衛隊にはそれだけの人員がいないし、防災用具などの装備を整える労力も馬鹿にできないからだ。あくまで自衛隊は日本の安全と独立を守るために、外国からの武力攻撃から日本を守るための武装集団である。大量のトッラクやドーザーなどを持っていても、それは戦闘に備えて兵力や物資を運んだり、陣地を構築するための機器である。大災害のために装備したものではない。自衛隊が大災害で有効なのは、あくまで自己完結能力を保持しているからだ。兵員というマンパワーを大量に保持しているからではない。通信や医療、輸送などのライフラインが破壊された地域で、他の機関に頼ることなく任務を遂行出来るからである。ライフラインが多少でも回復したら、消防組織やゼネコンなどの民間組織でも救援活動はできる。自衛隊に災害派遣を主任務として位置づけるより、消防や自治体などに多少でも自己完結能力を向上せた方が有効である。過去にも自衛隊を大災害援助隊として改編する話が、自衛隊の存在そのものに反対する政党からでたことがある。その時もその政党に招かれた席で、私は同じように自衛隊という国家の武装組織と、大災害に対応する救援・建設組織はまったく異質のものと説いた。1昨年の不審船などの海上警備行動も、本来は海上保安庁が対応すべき事犯であった。自衛隊機(P3C)が不審船に対潜爆弾を投下しなくても、海上保安庁の航空機が不審船の船速を落とような装備と訓練をしておくことが重要だったのだ。ここを勘違いをしないでおこう。自衛隊は抜かなくてもいい場面で、腰の刀を抜いてしまった。刀を振り回すのが自衛隊の任務ではない。
防衛庁 秘密保全策を示す 情報保全警務隊を新たに作る (朝日 10月27日 夕刊) [要約]防衛庁は陸海空内で秘密保全や情報の収集にあたる調査隊を情報保全隊とし、隊内の犯罪調査を行う警務隊と統合し、中央に情報保全警務隊を作ることにした。これは萩崎3佐の海上自衛隊情報漏洩事件への対応策である。

[コメント]これほど軍事常識を逸脱した組織新設は世界に恥じる愚行である。独立した国家なら独自の軍事組織を持つのは当然である。また国家が軍事組織を持てば、独自の情報収集機関を持つことも常識である。孫子が「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」というのは、普段の情報戦によって、戦争以外の方法でも勝利できると説いている。いくら今の自衛隊の調査隊が貧弱でも、それを潰して情報保全専門の部隊にするとは、独立国家が保持する武装組織(自衛隊)の自殺に等しい行為である。。もう一度、防衛庁は警務(MP)と情報(intellignce)の違いについて勉強をして欲しい。これは自衛隊の情報漏洩対策と言うより、自衛隊を通じて米軍情報が外国に漏洩するのを防ぐ対米的な対策である。その米軍のために自衛隊本来の調査隊という情報収集機関を潰すのである。独立国家としては決して譲ってはいけない線を越える行為である。自衛隊は米軍の下部組織ではない。日本の軍事情報をすべて米国に頼るというのは、日本の独立国家尊厳を踏みにじる売国行為である。
パレスチナ和平の失敗分析 アメリカの責任 (CNN 10月24日 インタビュー放送) [要約]アメリカのCNN放送は、シュルツ元国務長官へのインタビュー番組で、パレスチナ和平が失敗した原因を質問した。これに対しシュルツ元国務長官は、「和平の仲介に立ったアメリカが、成果を急ぎすぎたからだ」と述べた。クリントン大統領がパレスチナ和平での成果を急ぎすぎて、双方の意見の調整ができないまま、互いの主張の違いが拡大してしまい、より深刻な対立を招いてしまったと分析した。

[コメント]いままでにイスラエルとパレスチナはいくつもの和平交渉を経験している。それを仲介したのは、スエーデンであり、エジプトなどの国々であった。そして和平交渉は成功した。それが今回の和平交渉と基本的に違うのは、それらの国々は和平を仲介しても、話し合うのは直接当事者のパレスチナとイスラエルであった。このようにあまりにも立ち場の違う者が直接話し合えば、互いの気持ちを思い合わなければ話し合いは進まない。慎重かつ思い合ったからこそ和平交渉は成功したのだ。しかし今回は違った。アメリカ(クリントン大統領)が強く主導するあまり、イスラエル・パレスチナともに強く自己主張しなければ、自分の立場が守れないという状況になってしまった。だからアメリカ主導の和平交渉は失敗したのである。和平交渉は力さえ持っていれば、強引に押しつけられると言うものではない。クリントン大統領の外交政策はパレスチナに深刻な傷跡をつけた。日本の中東問題の専門家は、まだパレスチナ和平合意の枠組みは壊れておらず、衝突は間もなく沈静すると分析している。が、私はそのような楽観論はあくまで日本的で、中東では通用しない事例を多く目撃してきた。またイスラエルの軍人思考(力への過度の依存思考)もわかっているので、パレスチナはまだまだ危険な方向に進んでいると断言するもし日本に外交という感覚があるなら、すぐにイスラエルとパレスチナが直接話し合える秘密の場所と機会を設けるべきである。まあ今の首相にそれを期待するのは、猿にパソコンを習へというなものである。
中朝郡部の連帯を強調 国防相会談 (読売 10月23日 夕刊) [要約]北朝鮮を訪朝中の遅浩田・中国国防相は、22日の歓迎宴で「今回の訪問の目的は、かつての戦闘(朝鮮戦争のこと)の過程を思い出し、・・・とりわけ軍隊間の親善協力関係の明るい展望を見いだすこと」と挨拶をした。またこの日の中朝国防相会談で「数多くの重要な問題で見解が一致した」と、述べた。

[コメント]この日の夕刊は、オルブライト米国務長官がピョンヤンに到着したことを大きく伝えている。しかし私はこの小さな記事の方に興味を持った。遅国防相訪朝の本当の目的は、北朝鮮軍部が万が一にもオルブライト長官訪朝で暴走しないように監視することと読んでいたからだ。北朝鮮軍人にとって骨の髄まで「反米」で凝り固まっているはずだ。そこで軍部の一部でも、オルブライト長官に向け銃を発射すれば、朝鮮半島は一気に緊張して混乱する。それを予防するための遅国防相の訪朝だと読んだ。朝鮮半島の緊張緩和の影には、水面下でアメリカと中国のあうんの合意がある。まさに中国を侮れない理由がここにもある。今回のオルブライト長官の訪朝を歴史で例えるなら、戦後にマッカーサーが厚木基地に降りてきたほどの緊張がある。それも護衛の兵士を一人も連れずにである。そこで中国がアメリカに最大級の配慮をしたことは、十分にアメリカ政府も承知である。これが外交戦の真髄というものだ。「拉致者を不明者にして、北京あたりで発見したことを検討した」などと、英国の首相に話すのは外交ではない。単なる馬鹿な政治家の戯言である。
防衛庁 ”サイバー兵器”開発検討 防御用 (読売 10月23日 朝刊)  [要約]防衛庁は次期防で、「サイバーテロ」を防ぐために試験用のウイルスやハッカーの技術を独自に開発す研究に着手する検討を始めた。しかし防御用とはいえ、他国を攻撃できるサイバー兵器を開発するために、専守防衛を基本とする憲法との整合性も検討する法的研究も開始することにした。

[コメント]自衛隊が次期防でサイバーテロの研究を開始することはすでに報道されていた。今回は憲法との整合性も研究するというのがミソである。例えば核兵器を持たない日本が、サイバー攻撃で核兵器保有国の核戦争システムを破壊出来る能力を保持したら、間違いなく核兵器保有国は怒るに違いない。日本の防御用だという言い訳は通用にない。また世界最強の米軍と軍事同盟を結んでいるので、自衛隊は米軍の指揮通信システムの弱点も知り尽くしている。日本がサイバー攻撃(軍事の場合、防御と攻撃の本質的な区別はつかない。その区別を付けるのは運用の違いだけである)研究に本格的に着手したら、最大の脅威を感じるのはアメリカなのである。例えるなら日本が本格的空母を持ちたいと言うようなものだ。だから自衛隊のサイバー攻撃の研究には、必ずアメリカの厳しい監督下で行われることになる。そのことが憲法の原則に反しないか問題なのである。元米国防長官のワインバーガー氏が書いた近未来小説「次の戦争(原題 NEXT WAR)」では、日本との次の戦争はサイバー戦争で、アメリカの戦争システムや経済システムが、日本人に破壊されてから開始する想定がなされている。日本のサイバー戦力を最も恐れているのは、アメリカということは忘れないでおいたほうがいい。
緊急中東首脳会議 衝突防止で合意 実効性に問題も (各紙 10月18日 朝刊) [要約]エジプトのシャルムエルスクで開催されていた中東首脳会談で「停戦」に合意した。合意の内容は、@衝突の即時 A衝突の原因を究明する調査委員会の設置 B中東和平プロセスの再開 の3点である。しかしイスラエル・パレスチナ双方が、今も互いに憎しみをつのらせていることから、この停戦合意の実効性を疑問視する声が多い。

[コメント]互いに血の着いたこん棒やナイフを持ち、激しいケンカをしていた連中のなかに割って入ったことは確かである。しかしそれでケンカが収まるとはかぎらない。逆に仲裁でケンカが激しくなってしまうことも多いからだ。まだまだ双方の憎悪や不信感が強すぎる。しかし今はこの停戦案に従わすしか方法はないだろう。双方ともにケンカを正当化する理由は山ほどあるからだ。ただひとつだけ気になるのは、イスラエルがこの機会に、アラファト議長を失脚させようとしているのではないかという点である。この間の動きを見ると、彼をパレスチナ人から分離させるような手段をとっているような気がしてならない。今の段階でそんな戦略は危険である。
スペイン南部で軍医銃殺 犯人逮捕 (毎日 10月18日 朝刊) [要約]スペイン空軍の軍医(大佐)が、自分の診療所で「バスク祖国と自由」(ETA)と思われる2人に射殺された。逃走した犯人は数時間後に逮捕された。

[コメント]新聞には小さなべた記事で載っていたが、先ほどスペインのテレビ局(TVE)が、この関連で興味あるニュースを流していたの紹介する。それは逮捕は警察の力ではなく、市民の力が活躍したと報じたからである。事件の一報をラジオで聞いた市民が現場に向かい、タクシー無線や携帯電話で連絡をとりあって、犯人を追跡して逮捕に結びつけたのだ。むろん市民は非武装であった。これは対テロ作戦を練る考える上で重要な意味を含んでいるので、「軍事常識のABC」に解説をしておきました。
金大中大統領にノーベル平和賞 (各紙 10月13日 朝刊) [要約]韓国の金大中大統領にノーベル平和賞が贈られることになった。これは南北首脳会談の実現など、一貫して極東アジアの和平に貢献したことが評価された。

[コメント]中東和平でクリントン大統領が狙っていたノーベル平和賞を金大中大統領が受賞した。しかし受賞を聞いた人の中には、なぜ金正日総書記も同時受賞しなかったなのかと言う人もいるだろう。しかし世界の評価は朝鮮半島の和平は金大中氏の成果というのが公正な見方である。まだまだ金正日を平和の使者と世界の人は信じていない。むしろ今の独裁体制をなんとか維持しょうと、虎視眈々と布石を打っていると見る方が一般的である。私の北朝鮮への関心は、第一にこれからの変化に北朝鮮の体制が耐えられるかということ。北朝鮮当局はその点で自信をもっているようだが、それほど大衆は甘くないと思う。次に北朝鮮が新に解放されたとき、政治犯強制収容所の実態が明らかにされることだ。アウシュビッツよりも悲惨な実態が明らかにされるだろう。ともあれ私は金大中氏の受賞に感動した。今年のうちで最も嬉しかったニュースである。
クリントン大統領 来月にも訪朝 今月のオルブライト国務長官の訪朝で合意 (各紙 10月13日 朝刊) [要約]北朝鮮とアメリカは共同コミニケを発表した。敵対関係を終結させ、新たな関係を築くことを確認した。そのために今月中にオルブライト長官が訪朝し、来月のクリントン大統領の訪朝を準備することになった。同時に北朝鮮はミサイル問題を協議中にミサイルの発射をしないことを確認した。

[コメント]軍事問題としての北朝鮮問題はもう終わっている。それもはるかに前である。前米国防長官のウィリアム・ペリー氏が「北朝鮮政策見直し報告」を公表し、北朝鮮がそのペリー氏をピョンヤンに招いた時に終わったのだ。本日の韓国のKBS放送のニュースが、トップにパレスチナ情勢を持ってきて、2本目にクリントン大統領の訪朝を報じていた。「ああ、北朝鮮問題は終わったな」と実感した。それにしても、クリントン大統領が残りわずかな任期中に訪朝するとは、「パレスチナ和平に失敗しても、北朝鮮があるだろう」といった姿勢が見えるような気がする。あとはクリントン大統領が、直接、平壌に飛行機で向かうか、ソウルを経由して向かうか、日本とソウルを経由して向かうか。そんなことが気になるぐらいである。
イスラエル パレスチナ自治政府を空爆 兵士殺害に報復 パレスチナ非常事態宣言 (各紙 10月13日 朝刊)  [要約]イスラエル軍は、パレスチナ自治区ラマラで殺害されたイスラエル軍予備役兵2名の報復として、攻撃ヘリでパレスチナ警察本部、アラファト議長事務所、放送局、パレスチナ海上治安部隊ビルなどをミサイルで空爆した。殺されたイスラエル兵は予備役召集中で、間違ってパレスチナ自治区に入ったとイスラエル政府は主張している。これに対しパレスチナ側は、これらの兵士はイスラエル軍特殊部隊だと主張している。すでに現地の事態は騒乱状態から戦争状態に入ったと報道している国もある。

[コメント]昨夜のニュースで、「イスラエル兵がパレスチナ警察に連行され、そのうちの2名が殺害された」と聞いたとき、ちょっと私の顔色が変わったらしい。「しまった。なんてことをしてしまったんだ」という気持ちが顔に出たようである。今のような騒乱状態にあるときは、双方の警備陣は互いの接点を厳重に警戒し、互いに挑発分子を敵陣に入らさないような封鎖処置をとらなければならない。イスラエルは間違って入ったと弁解するが、今のような状態のパレスチナ領内に、イスラエル軍の軍服を着た者が入ることは挑発である。(イスラエルでは予備役が召集されれば、自宅から部隊にまでは、軍服(戦闘服)を着て、銃を持って駆けつける) アメリカも国連もパレスチナ和平に決定打を見つけていないようだ。しかし和平を行うなら今の機会である。パレスチナ人はイスラエル兵を殺した。イスラエルはパレスチナ本部を空爆した。このわずかな戦争の隙間に、和平のくさびを打ち込むのだ。それには具体的な提案が必要である。それは互いが10日間程度の停戦を受け入れることである。まだ憎しみだけが支配しているのではなく、理性が働いていることを世界に証明して欲しい。必ず、出来るはずである。今のチャンスを見逃せば、さらに大きな戦いで多くの犠牲と破壊が生まれるだろう。それが提案出来るのはアメリカや国連ではないかもしれない。緊急のアラブ首脳会談で停戦案を提案してほしい。アラブ首脳会談の和平提案なら、パルスチナ自治政府も受け入れやすい。またイスラエルもヨルダンやエジプトと再び対立することを避けるだろうから。
米超党派専門家が新対日政策 沖縄海兵隊の規模削減 訓練場場所移転など柔軟対応を提言 (毎日 10月12日 朝刊 ) [要約]米国のアミテージ元国防次官補ら超党派の日本研究グループは、来年発足する新政権にむけた対日政策の報告書を公表した。その中で、沖縄基地の整理・統合・縮小を強調し、沖縄海兵隊の規模縮小や訓練場所の移転を提言した。また日本が集団的自衛権を行使するように政策を変更するように指摘した。メンバーの中には、東アジアの米軍10万人体制を主張したナイ元国防次官補も含まれている。

[コメント]北朝鮮軍のナンバー2であるチュ明禄国防第一副委員長が訪米中にこの報告書がでた。米国内の対北朝鮮強行派の反発を回避したい気持ちがあったからだろう。アメリカ人は日本人のように本音と建て前が無い国民かと思っていたら、どうやそれは違うようだ。日本や韓国から撤退をしない。10万人体制を今後も維持するというのが建前で、本音の部分がこの報告書である。いつも私がアメリカの新戦略として指摘している内容である。軍事技術やアメリカの戦略を考えれば当然の内容である。ついでに言うなら、アメリカは朝鮮半島の陸軍1個師団と若干の空軍部隊は撤退させない。しかし沖縄の海兵隊は撤退しても問題はないと指摘できる。日本本土の米軍基地も、大幅に統合したり縮小させることは可能である。それを可能にしたのが日米新ガイドラインなのだ。しかし新ガイドラインは実効性に問題がある。その最大の障害が日本の集団的自衛権の制約である。これを取り除かなければ新ガイドラインは絵にかいたモチであることを知っているようだ。日本もこれを基礎にした戦略研究をやっておかなければ、またいいようにアメリカに振り回され、使い終われば捨てられるだけだ。仮に今後3年以内に沖縄の米海兵隊が撤退しても、それは日米の政治交渉の輝かしい成果ではなく、アメリカの軍事戦略が沖縄の基地を必要としなくなったからである。過去の沖縄返還も同じ理由があげられる。もしアメリカの要求によって日本が集団的自衛権を放棄する場合は、交渉にあたる者はハワイ1州と交換するぐらいの覚悟を持っていただきたい。
インド ロシア空母を購入 T-90戦車320両 スホイ30戦闘機150機も (朝日 10月5日 朝刊) [要約]インド政府はロシアから、空母アドミナル・ゴルシコフ(改キエフ級 44900トン)を購入する契約を行った。空母は2002年に引き渡される。インドは乗員訓練のために、ロシアに要員を近く派遣する。

[コメント]インド海軍には2隻の軽空母があった。現在は英国製のハーミス級(29000トン)を1隻だけを保有している。という事情で、購入するロシア空母に搭載する航空機は、シーハリアー(英)戦闘攻撃機になる可能性が高い。この空母はパキスタンを攻撃するというよりも、インド洋でインド軍事力のプレゼンスを高めたいからだろう。新型ミサイルを開発しているパキスタンに圧力をかけたいという気持ちももちろんある。それに海軍力の弱い中国に見せびらかしたい気持ちもあるようだ。しかし本当に物騒だと思うのは日本である。インド洋を通って中東の石油が日本に送られてくるからだ。だからといって、インドの空母を日本の脅威と騒ぐのは感心しない。そんなことをし出したら、世界中に日本の脅威が存在してしまうからだ。なお、インドが空母を購入することを報じたのは、私が見たところ朝日新聞だけである。
パキスタン 近くミサイル実験 射程2500` 弾頭重量1トン 核搭載可能 (毎日 10月3日 朝刊) [要約]パキスタンは核弾頭可能な新型の中距離ミサイル「シャヒーン2」の発射実験を行うようである。これは射程2500`で、敵対するインド全域が射程に含まれる。また発射台は可動式でも発射でき、燃料は早い対応が可能な個体燃料だという。パキスタンの発射実験でインドの反発は必至だが、パキスタンの軍事政権が国内の不満を紛らわすための国威発揚実験という見方もある。

[コメント]中国や北朝鮮がパキスタンの核兵器開発やミサイル開発を支援していることは明白だ。中国はインドを牽制して、南アジアの影響力を拡大(覇権)したい野望がある。北朝鮮はアメリカの監視の厳しい閣内の開発を避け、パキスタンで開発・製造して外貨を稼ぎたい事情がある。これに対してインドは、「シャヒーン2」への対抗手段として、「アグニ2」(射程2000`)を改造して射程2500`とし北京まで届くミサイル実験を行う可能性がある。これも軍事力が無制限にエスカレートする基本パターンである。人類はあと1000年で自滅するという話は、軍事常識の世界では決して非現実の話ではない。むしろ真実に限りなく近いようだ。
イスラエル 本格戦闘 各地に拡大 (読売 10月3日 朝刊) [要約]イスラエル治安当局とパレスチナ住民の武力衝突は5日目に突入し、イスラエル軍はロケット弾や武装ヘリの攻撃を始め、パレスチナ住民も各地で大規模な銃撃を行っている。2日までに死者は40人、負傷者は1000人を越えた模様。これは1996年の騒乱に迫る勢いになってきた。

[コメント]先ほど(日本時間 3日早朝)のCNNニュースでは、クリントン米大統領の呼びかけで、バラク・アラファトの緊急会談が行われることになったようだ。すでにこの問題でイスラエルの対応を非難するアラブ首脳会談も行われることが決まっている。互いに圧力をかけて事態を収束させることは失敗したことは明白だ。しかし緊急会談開催の報を聞いても、イスラエルとパレスチナで起きている暴動の解決策は見えてこない。国連がエルサレムを国際監視都市にすることを提案しても、宗教観の強い両国民の合意を得ることは出来ないだろう。私はエルサレムを何度か訪問して、ユダヤ教とイスラム教の聖地(キリスト教も)を実感してしているので、安易な提案や解説はできない。ただひとつだけ言えることは、エルサレムやその周辺には武器(小火器)が溢れているという実態である。エルサレムの街を歩いても、兵士や学校の先生が武器を携帯しているのを見る。兵士は休暇や外出時にも武器を携帯する。学校の先生は校外学習の引率時に武器を携帯している。むろんパレスチナ側も自衛の武器を持っている。これでは小さな小競り合いも、自動小銃を使った銃撃戦になってしまう。銃撃戦が始まると、軍事作戦の定理としてイスラエル軍の携帯ロケット弾攻撃にエスカレートし、それが次にパレスチナ側の狙撃戦を誘発し、さらにパレスチナの狙撃手にイスラエル軍の対戦車ヘリが銃撃する戦闘にエスカレートするという典型的な拡大パターンである。どこかで軍事作戦の拡大メカニズムを断ち切らなければ、街には死体の山が築かれ、人々の憎しみが高まるだけだ。
ここから上は10月3日(火)以降の情報を掲載しています。