ここには2007年5月のWhat New!を保存しています。

 

07年4月は体調を崩し、5月の連休明けまで更新を休止しました。

 

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 タイトル メディア 日付

この情報の最も新しい更新日は6月5日(火)です。

露、新型ミサイル

  発射実験成功

米MD 無力化”照準”

(産経 5月31日 朝刊)

 

 

露が対北経済制裁

武器、ぜいたく品 輸出禁止

(読売 5月31日 朝刊)

[概要]ロシア軍は29日、北部プレセツク基地から「RS24」を極東カムチャッカ半島の標的に発射し、命中させた。RS24はこれまでのRS18(欧米名称はSS19)、RS20(同SS18)にかわる次世代の多弾頭ICBMで、米国が中心になって推進するMD網を突破できる能力を持つという。

 また、ロシア南部のアストラハニ州ズナメンスクでは同日、移動式発射装置「イスカンデル」から新型巡航ミサイルの発射実験が行われ、3つの標的を破壊することに成功した。RS24の配備は米国への直接攻撃が可能とし、MD導入後でも米露の核のバランスが保たれる。また新型巡航ミサイルは東欧などロシア国境近くに設置されるMD施設の破壊が可能になる。

 ロシアは豊富な石油や天然ガスなどのエネルギーと核兵器を背景に、欧米への強硬姿勢を強めており、核ミサイルを無力化するMD計画に反発している。ロシア国内向けとしては、今年末には下院選と来春には大統領選を控えており、今回のミサイル実験成功はロシア批判に傾く欧米への強行策として国民に歓迎されるとみられる。

 30日にはリトアニアのオレカス国防相がモルバドを訪問した際、首都キシニョフで「我が国にMDシステムは必要で、数年後に不安定な国々からミサイル攻撃を受ける脅威があり、抑止しなければならない」とMD導入を今後も進めていく姿勢を示した。東欧圏でMDを導入する動きと、反発するロシアとの軋轢(あつれき)がさらに強まる恐れがでてきた。

[コメント]今朝のNHKニュースでは、7月の1日、2日にアメリカ・メーン州ケネバンクポートにあるブッシュ大統領の別荘(父親の所有)で、プーチン大統領との会談がセットされたと報じていた。

 この米露首脳会談ではイランの核開発を陰で支えるロシアに対して、ブッシュ大統領が東欧にMD配備を中止(あるいは延期)する代わりに、イランの核開発からロシアは手を引くように迫る首脳会談となる。

 というのはアメリカにとって東欧にMDを配備することは緊急の課題ではなく、ロシアからイランの核問題で協力を得るための”脅し”の部分が多いからである。アメリカはロシアの猛反発を覚悟してまで東欧でMDを急ぐ緊急性はまったくない。

 これを簡単にいうなら、アメリカはイランの核開発に何も打つ手がないから、代わってロシアからイランの核開発を阻止して欲しいと頼むことになる。もしロシアが何も協力しないなら、アメリカは東欧にMD網を設置して、ヨーロッパに向けたロシアの核兵器を無力化すると脅しているのだ。

 これがアメリカ流の軍事力を使った外交交渉術で、何も軍事力は敵を攻撃するために使われるだけではないのだ。

 プーチン大統領もロシア国内向けに、アメリカが東欧に配備するMD計画を中止させたという武勲はぜひ欲しい。という米露双方の利害が一致して、やっとイランの核開発問題は実質的に大きく進展する。軍事問題を正しく理解出来れば、ここまで国際政治や外交を読むことができます。

※追加 ここより ロシアが北朝鮮への経済制裁として、武器、軍用機材、「ぜいたく品」の輸出を禁じたと30日に発表した。国連安保理が昨年10月に北朝鮮・核実験実施を行ったことに対する経済制裁である。露朝間では最近、北朝鮮が旧ソ連時代から抱える約80億ドルの債務返還問題がある。今年3月に北朝鮮はロシアに債務帳消しを露側に要求している。プーチン大統領が経済制裁に踏み切ったことで、露朝間にこの問題が改めて浮上してきた。

 ロシアの輸出禁止品目には、戦車や装甲車、軍用ヘリ、航空機をはじめ、大量破壊兵器や弾道ミサイル開発の関連物資と技術が含まれている。これらはロシア国内の企業が輸出することを禁止したほか、第3国からロシア領内を通過して北朝鮮に輸送することも禁じた。(以上、読売新聞 5月31日 朝刊)

 北朝鮮からイランへの交通は貨物船を使う海路だけではない。シベリア鉄道を使い、ロシア領の陸路を使って北朝鮮とイランを結ぶ交通路もある。プーチン大統領はこの流れを止めた。これもブッシュ大統領と何らかの合意があったと推測出来る。だからこの時期にロシアが北朝鮮への経済制裁決定に動いたのだ。ロシアの新型ミサイル発射実験、イランの核開発問題、東欧へのMD配備、北朝鮮への経済制裁発動、7月の米露首脳会談は、すべてが1セットとして考えて差し支えない。※ 以上、追加しました。

 ところで私は北朝鮮のテポドン・ミサイルを欠陥品の塊とみているが、同じように北朝鮮やイランは2500〜3000キロ以上の射程をもつミサイルを開発出来ないという記事を見つけた。ロシアのノーボスチ通信社が配信した「東欧に米ミサイル迎撃システムを配備することは不幸を招く」とい記事で、これを書いたのはロシア陸軍退役少将で技術・科学修士のウラジミール・ペロウス氏である。

 この訳文が月刊誌「軍事研究 6月号」の181ページ〜183ページに掲載されているので一読をお勧めする。ミサイルの射程が2000キロを超えると、それまでにはない技術的な壁があり、北朝鮮やイランではその問題が解決できないそうだ。

 北朝鮮はスッカドA,B,Cと大型化して、ノドン(射程1300キロ)までは従来の技術できたが、射程が2000キロを越える新型ミサイルの開発能力はないと断言している。すなわちテポドン・ミサイルを完成させることが出来ないのである。これで北朝鮮がスカッドミサイル系ではなく、旧ソ連時代のIRBMを欲しがる理由が理解出来た。(5月13日のWhat Newを参照してください。潜水艦搭載のSSN6の改造記事です)。

米、イラン大使級協議

イラク混乱

  波及恐れ

イラン 対米政策、大幅転換

米、対話拡大を図る

 核問題で封じ込めは維持

(毎日 5月29日 朝刊)

[概要]イラクで28日に行われた米国とイランの公式協議(大使級)は、79年のイスラム革命からアメリカを「大悪魔」と呼んでいたイランのイスラム革命体制のタブーに抵触しかねない政策転換と言える。その背景としてイランにはイラク情勢悪化でイランに混乱が波及するという危機感がある。またイラクのシーア派主導のマリキ政権が崩壊すれば、対イラクへの影響力が低下し、イランの中東での覇権が損なわれるという考えがある。イラクがこれ以上混乱すれば、イラク難民がイランに殺到し、社会混乱とインフレ進行に拍車がかかるのは必至だ。

 米側はイラクのシーア派民兵組織にイランが武器や資金を供与し、混乱を助長していると非難している。今回の協議でイランは、イラクの治安改善を目指す米、イラン、イラクの3カ国による安全保障機関の設置を提議した。イランのカゼミコミ大使が米国との再協議を1ヶ月以内に行うと述べたことをAP通信が報じた。

 しかしイラン側がイラク問題でアメリカに恩を売っても、ブッシュ政権はイランの核問題では「封じ込め」を維持することにしている。結局、米国内ではイラク問題でイランの協力は得られないという見方が強い。そうした中で、ブッシュ大統領がイランと「グランド・バーゲン(壮大な取引)」を模索していうという指摘が出てきた。イランにイラクの安定化に協力させ、核開発を放棄するという取引である。「アメリカはイランのウラン濃縮活動を停止すれば、どのような望みでも話し合う用意がある」(ライス国務長官)とシグナルを送っていることを指している。

[コメント]3月にバグダッドで開催された第1回イラク安定化国際会議、5月にエジプトで行われた第2回安定化会議ときて、今回のアメリカ・イランの大使級協議である。このようにイラク情勢を改善させる動きは確かに前進してる。今はアメリカとイランが共通してイラク情勢の改善に国益があることを認識する初期段階である。

 しかしこそには互いの駆け引きが激しく交錯している。今月22日に米ABCテレビが、ブッシュ大統領がCIAにイランを不安定化する秘密工作を承認したと報じている。またイラン国営テレビは27日、イラン国内でアメリカのスパイ活動が確認されたとして、イランでアメリカの利益代表を務めるスイスの駐イラン大使を呼んで抗議したと報じた。またシリアはイラン、アメリカ、イラクの3カ国だけがイラク問題を話し合うことに抗議して、自分も加えろとレバノンのパレスチナ難民キャンプでファタハ・イスラムが騒動を起こしている。

 今回の大使級協議でちょっと面白い提案がイラン大使からあったので紹介すると、イランのカゼミコミ大使はイラクの警察と軍隊の訓練と、その装備品を提供すると提案したそうである。(朝日新聞 国際面 本日付)。この提案をクロッカー米大使がどのような表情で聞いたか興味がある。いかにもイラン人らしい発言と思う。しかしアメリカはこの言葉に震え上がったのではないか。

 ここで再確認すると、ブッシュ政権にとってイランとの交渉と合意はイラク情勢悪化から抜け出す唯一の方法であることだ。イランの協力なしに米軍はイラクから名誉ある撤退ができないということである。またイランもアメリカとの関係正常化に踏み切るしか、国内の安定と国際的な繁栄ができないということである。むろんイラク情勢のさらなる悪化(米軍の一方的な撤退)はイランにとって致命傷になりかねない問題でもある。

 幸いにして日本はイランとも良好な関係を維持している。イランとアメリカの協議に会談場所を提供するぐらいのことはすべきだ。イラン国内で対米協議に反対しているイスラム至上主義者をけん制するぐらいの政治力(外交)を発揮してもいい。 

ワールド ビュー

北と「狼少年」

ワシントン支局

   坂元 隆 記者

(読売 5月28日 朝刊)

[概要]北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議で、米首席代表のクリストファー・ヒル国務次官補ほど報道陣へのサービスが良い高官はいない。単にマスコミに「出たがり」ではなく、米国が不利な立場でも必ず記者の質問に答えるからだ。

 そのヒル氏が最近「狼少年」になった。マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)の北朝鮮関連資金返還問題で、解決時期について、3月中旬に「もう解決」、4月上旬には「週明けにも解決」、今月上旬には「あと2〜3日で解決」など楽観的な発言を繰り返した。先週訪問したバンコクでは「もう数日待って欲しい」と発言したが、関係者の期待は低い。ヒル氏が狼少年になったのは米国が北朝鮮の求めに応じて、核交渉とBDA問題を関連づけたからだ。

 米国務省の考えは、北朝鮮の資金洗浄のような”多少の悪”よりも、核開発という”大きな悪”をくい止めることを優先させた。現在は北朝鮮の金融制裁措置を一時停止し、特定の米金融機関がBDAから送金を受け、そこから北朝鮮の口座に資金を振り込むことを検討している。

 しかし北朝鮮への金融制裁はニセドル札や麻薬取引などの資金洗浄を阻止するための措置だった。「もし米政府のお墨付きがあっても、このような状況で北朝鮮との取引を行えば、その金融機関は世界中から信用されなくなる」(ニューヨークの投資銀行家から北朝鮮専門家に転じたジョン・パーク氏)。

 北朝鮮はBDA問題が解決すれば、次は日本人拉致問題を”多少の悪”として持ち出して米国に目をつぶらせ、その次は「国際テロ支援国指定」を解除させる要求をする。6カ国協議関係者でそんな見方がでている。

[コメント]北朝鮮は中国と韓国によって生命維持装置が取り付けられた瀕死の国家である。その韓国と中国が決断しなければ北朝鮮の生命維持装置を外すことはできない。特に6カ国協議の議長国である中国の影響が大きい。その中国は朝鮮半島に非核化を求め、北朝鮮の核武装に強く反対している。本来ならば昨年10月の核実験実施で、中国は北朝鮮の生命維持装置を外すべきだった。しかし外すことができなかった。今も金正日体制は生き延びている。

 なぜ中国は生命維持装置を外せなかったのか。それは韓国が北朝鮮と統一することで、統一国コリア(仮称)が陸続きで中国と接するからである。コリア国が中国と接すれば、コリア国の対米依存は急速に強まる。今の盧武鉉大統領の反米や反日姿勢は霧消することは間違いない。韓国人は13億人中国の経済・軍事・文化が朝鮮半島を覆いつくすことに恐怖心を持っている。コリア国は統一ドイツがNATO同盟に留まったように、アメリカとの軍事同盟を継続するのは必至だ。。そしてコリア国と米国の軍事同盟の背後に、アメリカに次ぐ経済力や軍事力を持った日本との日米軍事同盟がある。

 中国は北朝鮮の生命維持装置を外して、米国と日本の軍事力に繋がるコリア国と陸続きになるのが怖いのである。だから北朝鮮の生命維持装置を外せなかった。

 韓国は北朝鮮の生命維持装置を外せば、爆発的に成長する13億人中国と陸続きになるのことを恐れている。中国と陸続きになるためには、軍事的に抑止力のバランスがとれるF−15戦闘機やイージス艦、それにAIP(非大気依存推進)潜水艦の増強が必要だが、それにはまだまだ時間(10年以上)と経費が間に合わない。もし統一を急げば中国に併呑される危機感がある。

 日本やアメリカは朝鮮半島が準備が不十分のまま統一され、中国に非軍事的な手段で併呑されることに危機感をもっている。北朝鮮も核カードを失えば、自分の存在を証すことが出来なくなることを知っている。だからマカオのBDAから2500万ドル(約30億円)を取り戻しても、核カードを捨てる訳がないのである。また日本も北朝鮮が絡めば拉致問題を取り下げことは出来ない。北朝鮮に見返りを払って拉致者を取り返すこともできない。

 これがヒル氏を狼少年にさせている根本的な問題である。ならば北朝鮮の核問題をこれからどうするのか。これから北朝鮮を除く5カ国でコリア国(朝鮮半島国家)を中心とした東アジアの安全保障を協議する時期が来たということである。「北朝鮮、お前はすでに死んでいる」(劇画の「明日のジョー」風に)。もう6カ国協議が北朝鮮の非核で前進するとは思えなくなった。

※ 読者の方からのメールで、赤字の部分は間違いで、正確には「北斗の拳」でした。またこのような比喩は北朝鮮に不適切だそうです。訂正するか、削除することを考えています。ご了承ください。

東シナ海

中国、

 新レーダー実験?

日中中間線 不審な動き

(産経 5月25日 朝刊)

[概要]東シナ海の日中中間線周辺海域で4月下旬、中国が開発中とされるOTH(オーバー・ザ・ホライゾン 超水平線)レーダーの能力・機能試験を実施した可能性があることが24日、防衛省情報本部の分析で明らかになった。

 情報本部によると、4月下旬に東シナ海を定期監視飛行中のP3C哨戒機が、日中中間線の中国海域を航行する古い中国の駆逐艦を発見した。これを長期にわたり監視すると、駆逐艦は中間線を越えることなく南北や東西に何度も移動したという。

 情報本部の電波情報や米軍からの情報提供で総合的に判断すると、この駆逐艦はOTHレーダー能力試験の目標艦だった可能性が高いことがわかった。情報本部では中国の浙江省沿岸部にあるレーダーサイトからOTHレーダーの試験運用をしたと分析している。

 OTHレーダーは波長の長い短波を使い数千キロ先の海上目標を探索出来る。海自も一時はOTHレーダーを鹿児島県喜界島に設置することを検討したが、米の軍事偵察衛星の情報が得られるとして断念した経緯がある。

[コメント]この記事で一番参考になったのは、防衛庁がOTHレーダーの設置を断念したという部分である。日本のOTHの設置場所を、硫黄島だ、喜界島だ、背振山(九州)だと大騒ぎをして、急に何も聞こえなくなったのでちょっと気になっていた。

 まあ、この程度のことなら日本は中国軍のOTHに怯える必要はない。日米海軍力と比較して圧倒的に弱体な中国軍なら、OTHレーダーでも十分に価値があると考えているようだ。

 ところで話しはまったく違うことだが、F−22戦闘機などのステルス機を既存の防空レーダーで探知する方法があることをご存じだろうか。日本でも各地の山頂付近にある空自の防空レーダー(警戒群)で探知は可能である。

 まずステルス機は照射された防空レーダー波を、機体の構造などから別な方向に乱反射させたり、機体がレーダー波を吸収して、反射レーダー波が戻ってレーダー画面に映らないようにしている。

 そこで各地のレーダーサイトや空中のAWACS(早期警戒管制機)機が互いに連携して、別のレーダーサイトやAWACSの電波を受信できる様にする。もし空中に何もなければレーダーサイトやAWACSは他の基地の電波を受信出るはずである。しかし空中にステルス機が飛来すれば、レーダーサイトやAWACSの電波が届かなくなるし、またレーダー波の乱反射で届くはずのない電波が受信できたりする。それを数カ所以上の地上受信サイトが互いに連携すれば、飛行中のステルス機の位置を正確に探知することができるのだ。

 これはロシア軍が研究しているステルス機への対抗手段です。SAM(地対空ミサイル)もステルス機の至近距離に誘導できれば、あとは自力で命中(撃墜)することが可能になります。これは中国軍がAWACS機の開発を急ぐ理由のひとつになっています。

 しかしOTHレーダーではそのような芸当は難しい。まだまだ中国軍が米軍のステルス機を探知できるには費用と時間がかかるということである。 

パレスチナ難民5000人、

 南のキャンプへ

「やつらは外から

   来たテロリスト」

レバノン武装勢力に不満

(読売 5月24日 朝刊)

[概要]レバノン国軍と武装勢力「ファタハ・イスラム」の衝突が続くレバノン北部では、トリポリ近郊のバダウィ・パレスチナ難民キャンプには、軍事衝突が続くナハル・バリド難民キャンプから逃れてきた約5000人の難民で溢れかえっていた。

 逃れてきた難民にファタハ・イスラムへの支持を尋ねると、一様に首を大きく横に振った。ナハル・バリド難民キャンプを支配するファタハ・イスラムは、昨年11月頃にキャンプを武力で占領。住民にお金を配ってメンバーになるように勧誘した。2月に国軍がキャンプを包囲するまで目立った行動はとらなかったという。しかし今月19日に戦闘が始まると激しく反撃をしたという。20日にはキャンプの要所に武器を持ったメンバーを立たせ、住民がキャンプから脱出するのを禁じた。しかし住民たちは一時的な停戦となった22日夜から23日未明にかけて徒歩でキャンプを脱出してきたという。

 難民の話によれば、武装勢力の国籍はシリア、イエメン、サウジなどの外国人が中心で、「シリアで訓練を受けてイラクに行くはずだったがレバノンに来てしまった」と話していたという。

[コメント]AP通信によるとナハル・難民キャンプから1万6000人の難民が脱出したという。そして難民の証言から、武装勢力「ファタハ・イスラム」を背後で操っているのはシリアであることは間違いないようだ。(シリア当局は関係を否定)。

 となるとシリアの目的だが、イラク情勢が悪化して米軍が中東でのプレゼンスが弱まったのを機会に、レバノンで再び影響力の復活を目指していると推測出来る。そのためアルカイダ系といわれる武装勢力ファタハ・イスラムを、レバノン北部のパレスチナ難民キャンプに送り込んできたようだ。レバノン南部はシリアと関係の深いヒズボラが抑えているので、イスラエル軍の介入を気にすることなく、北部でシリアの勢力回復を図る作戦のようだ。

 これに対してレバノン国軍は、ファタハ・イスラムの勢力規模が小さい内に徹底的に壊滅させる作戦をとっている。レバノン軍にとってパレスチナ難民はファタハ・イスラムが人間の楯(人質)に活用するとしか考えていない。だから難民キャンプ内の病院や学校にも平気で砲弾を撃ち込んでいる。

 今回の戦闘を終わらせるためには、難民キャンプ内の自治を任されているパレスチナ難民の武装組織(治安機関)が介入するしかないが、逆に火にガソリンをぶちまけることになる可能性もある。すでにキャンプに医薬品や食糧を運び込もうとした国連機関の車列に砲弾が撃ち込まれている。今は国連平和維持軍(PKO)を投入する時期ではないが、事態が少しでも沈静化すれば国連PKO投入のチャンスはあると思う。しかし戦車や攻撃ヘリに護られた戦闘部隊が求められるので、日本の自衛隊が国連PKO部隊に参加することは難しい。

 しかし日本がレバノン和平で何も出来ないということは、国際社会で日本の存在価値を下げることになる。安倍政権は集団的自衛権・解禁の研究よりも、レバノン和平で日本が担える役割を研究させることが大事と思うのだが。平和国家日本の存在を世界に示すチャンスと思う。

米軍再編

  特措法案、

今日成立

(朝日 5月23日 朝刊)

[概要]米軍再編特別措置法案は22日夕に参院外交防衛委員会で自民、公明両党の賛成多数で可決された。23日の参院本会議で成立する見通し。また米軍再編経費の詳細を明らかにするように政府に求めた付帯決議案は、自民、民主、公明3党の賛成多数で可決した。

 この米軍再編特措法は基地負担が増える市町村に配分する「再編交付金」について、自民党の山本一太氏が「アメとムチで追いこむのはいかがかという声がある」と指摘したことに、安倍首相は「住民の反対にもかかわらず、(基地受け入れ)決断した地域に、国が支援していくのは当然」と強調した。

 法案は再編交付金と在沖米海兵隊のグアム移転費用を国際協力銀行(JBIC)で活用するする仕組みが柱になっている。

[コメント]本日の毎日新聞(朝刊)に「交付金で選択迫られ」「基地を抱える自治体苦渋」という米軍再編特措法のクローズアップ記事が掲載されている。その中に、民主党のツルネン・マルテイ氏が興味ある質問を国会でしていた。米軍の建設する住宅は1戸2000万円程度なのに、米政府が日本に提示した額は1戸8000万円だという。この積算根拠の提示を求めると、安倍首相は「鋭意詰めていく」と述べただけだったという。

 ここで思い出すのは過去の沖縄返還時の密約である。日本政府は米軍基地返還に伴う土壌改良(重金属などに汚染)費用を、本来は米政府が負担(日米地位協定)すべきものを、日本政府が他の経費にまぎれ込ませて支払ったという密約であった。(今も外務省は密約を否定するが、当時の外務省北米局長が密約があったと証言している)

 これを現代風に直すなら、沖縄の米海兵隊がグアム移転することで、日本に返還される米軍基地の土壌改良費用を、本来ならば日米地位協定で米側が負担する法的根拠があるにもかかわらず、米軍住宅建設費を水増しさせてその差額(1戸6000万円分)で土壌改良費を日本が負担するという密約となる。

 そのような無茶苦茶な密約を防ぐために、厳しく付帯決議案が決議されたと思う。しかし通常の法律では無理なものが、テロ対策特措法やイラク復興支援特措法のように、例外的な扱いの特措法で次々と既成事実化されていく。国防関連法の解釈変更で捻りに捻れた日本の安全保障政策が、こんどは特措法で捻るに捻られているように思う。それでも市町村が政府に楯突けば、こんどは再編交付金のアメとムチで追いこんでいく。本当にこんな有様で日本の安全保障は機能するのだろうか。

中国、東北ベルト地帯構想

北の眼前

   工業団地

開放促す狙いも

都市間格差を是正

(読売 5月22日 朝刊)

[概要]中国東北地方の臨海部に産業ベルト地帯をつくり、遼寧省発展の起爆剤にする「5点1線」構想が本格的に始動した。5点とは臨海部にある長興島、丹東、営口、錦州湾、荘河の5地区、一線とは5点を長さ1443キロの臨海道路で結ぶという構想。この構想(青写真)通りに進めば、北朝鮮に接する遼寧省臨海部は、長江デルタ、珠江デルタ、北京・天津地域に続く、「中国第4の成長地帯」になる。

 長江デルタや珠江デルタでは労働者の賃金急上昇や深刻な人手不足が起き、企業側はコストの安い別の進出先を探す動きが出ている。また、遼寧省には省都の瀋陽や港湾都市・大連に集中している企業を分散したい狙いがある。新しく開発される産業団地は480平方キロ(山手線内側の7倍以上の面積)で、すでに韓国の造船王手STXグループが約9億ドルを投資し、3月末には長興島に「東北アジア最大の造船基地」を目指す造船所を起工した。

 丹東の国境河川・鴨緑江の河口沿いでは、重化学工業や輸出加工業などの拠点を目指す「丹東臨海産業園区」(面積97平方キロ)の用地造成工事が週末も続いている。この工業用地は鴨緑江の支流を挟んで北朝鮮側と十数キロにわたり隣接している。「北朝鮮に改革・開放の必然性を訴える狙いがある」(遼寧省関係者)と言う。

 遼寧省の最低賃金基準は月480元〜500元(1元は約16円 ジェトロ大連事務所)で、遼寧省では進出する企業に土地をタダで提供する企業誘致に取り組んでいる。

[コメント]韓国が朝鮮半島の統一後に備え、中国との軍事バランスをとるために新兵器(F−15K戦闘機・AIP潜水艦・イージス艦など)の取得を急いでる。しかし中国が朝鮮半島の統一後に備えた動きがこの経済開発である。中国は簡単に北朝鮮の改革・開放というが、北朝鮮のような独裁国家では改革・開放は独裁体制の命取りになる。すなわち北朝鮮人民が世界の最貧国であることを知れば、金正日への服従から不服従に変わるからだ。

 ということは中国の狙いは軍事力や政治力を用いず、北朝鮮の支配体制を崩壊させるのが遼寧省の開発計画と重なる。北朝鮮を崩壊させて中国東北部の経済開発(地域格差是正)を図る開発計画なのである。

 かつて私は東南アジアを流れるメコン河開発を、海軍力が弱体な中国が大洋を避け、メコン河の開発で東南アジア(ASEAN)を経済圏に入れるための併呑戦略と指摘した。ほぼ同じ理由で、遼寧省の経済開発は朝鮮半島の将来に備えた中国の東アジア戦略と指摘する。

 最近まで中国は北朝鮮の利用価値を石炭や鉄鉱石などの地下資源と考えていた。しかし10年もすれば、北朝鮮の利用価値は安価な労働力と、単純作業に向いた国民性と考えているのではないか。10万人マスゲームができる国民性は単純作業に最適であるからだ。

 これから日本も中国の東アジア戦略に目を向けた21世紀戦略を練らないと、やがて朝鮮半島を南下して来る中国の併呑政策に無力になってしまう。安倍政権の集団的自衛権・解禁ぐらいではこの東アジア問題に対処出来ない。安倍首相は次期米大統領への貢ぎ物(集団的自衛権・解禁)ばかり心配しないで、10年後には始まる中国の東アジア戦略に取り組む重要性を知るべきである。

 しかし正直に言って、このような中国のダイナミックな動きに、韓国、日本は振り回されることなく、自主性を保つことができるのか不安になる。

※ 赤字部分は22日午後5時に追加で加筆しました。

世界5番目

海軍力強化・防空能力向上図る

韓国、

 イージス艦保有

25日、進水式

(産経 5月21日 朝刊)

[概要]韓国は今月25日、初のイージス艦「世宗大王艦」(排水量7650〜1万トン)の進水式を同国東海岸の浦項の現代重工業造船所で行う。これでイージス艦保有国としては米国、日本、スペイン、ノルウェーに次いで5番目になる。韓国はさらに2隻のイージス艦建造の予定。「世宗大王艦」は来年末に韓国海軍に引き渡され、2012年に済州島の海軍基地(新設)に配備される。最終的に韓国はイージス艦6隻を建造・配備を目指している。

 韓国のイージス艦は日本のイージス艦とほぼ同じ作りだが、日本のイージス艦は外洋での防空作戦を重視しているのに対し、韓国は機動船団の主力艦として対地・対艦攻撃能力が重視されている。またイージス艦で洋上防空能力を強化して、EEZ(排他的経済水域)などで対応能力を向上させる狙いもある。

 「世宗大王艦」は韓国国産の艦対地巡航ミサイルを搭載するが、この目的は対北朝鮮有事を想定しているという。ただ、イージス・システムの目と耳である軍事衛星から情報提供(データ・リンク・システム)について、「米国は韓国に提供を同意しなかった」(軍事筋)という。その理由は米艦同盟の弱体化が影響しているとみられる。そのため韓国はフランスのデータ・リンクを調整中というが、調整には時間がかかるというのが専門家の見方となっている。

[コメント]韓国のイージス艦・配備が対北朝鮮戦力との軍事バランスをとったり、北朝鮮有事の抑止力となることは考えられない。これは北朝鮮軍への対抗策としてではなく、対中国を重視した地域の軍事バランスを考量している。というよりも、わかりやすく言えば朝鮮半島が統一後の対中国軍との軍事バランスを第一に想定している戦略となる。

 中国と朝鮮半島の統一国家コリア国(仮称)は、互いに陸続きで国境を接することになる。そのような場合、中国が朝鮮半島に浸透(南下)してきた場合に、新コリア国軍は侵攻した中国を正面で対峙しつつ、朝鮮半島の付け根付近で海路から陸路を遮断する能力で中国への侵攻抑止力を構築する戦略である。

 そこで米軍と韓国軍の関係だが、今は盧武鉉大統領が威勢のいい反米を叫んでいるが、コリア国が中国と陸続きになれば、新コリア国は今までとは比較にならないほど対米依存を高める政権が生まれると推測する。それほど中国13億人の併呑戦略は朝鮮半島の人々を震い上がらせることになる。

 韓国にはF−15K戦闘機も配備され始めた。また在韓米軍に多連装ロケット(MLRS)やパトリオットも配備されている。これからは韓国軍、在韓米軍、在日米軍、自衛隊の戦力が、朝鮮半島を南下する中国を抑止するために使われることを意味する。

 だから韓国の新戦略が日本に対抗しているという見方は誤りで、むしろ将来の韓国軍は米軍(在日・在韓軍)と自衛隊との関係強化を強く望んでいくだろう。米軍再編(トランス・フォーメーション)にはそのようなアメリカの東アジア戦略意図が込められている。しかし在韓米軍が中国軍と朝鮮半島で直接対峙することは米中の核戦略からあり得ない。

 日本では今年から防空情報のバッジ・システム情報が在日米軍に提供され始めた。今まで空自は朝鮮半島を除く地図で防空作戦を運用していた。韓国空軍は日本を除く地図で防空作戦を運用していた。しかしこれからの在日・在韓米軍は、朝鮮半島と日本を含んだ1枚の地図で空軍の運用が可能になったことを意味している。(現実にはすでに行われていた) 横田基地に移転する空自の総隊司令部は、日本と朝鮮半島を含んだ1枚の米軍地図で、米空軍と空自の共同作戦を運用することになる。

 今の韓国の40代の世代が反米・謙米であるというのは、過去の軍事政権で散々嫌な思いをしてきたからで、中国と陸続きになったら一変してアメリカ様々になることは間違いない。今の韓国の反日キャンペーンは古典(歴史)的な出来事だったとして語られると思う。しかし日本人は韓国人の悪口は言えない。日本でも鬼畜米英だったものが、一夜にしてマッカーサー様々になったのだから。

 韓国は半島全域が中国化(併呑化)することに危機感を持っている。日本は朝鮮半島が中国化されることに危機感を持っている。アメリカは朝鮮半島と日本が中国化することに危機感を持っている。

 だからアメリカは韓国軍にイージス艦のイージス・システムを提供した。韓国海軍へのイージス・システムのデータ・リンクは、そのうち、様子をみて米軍や自衛隊と共同リンクされる。韓国のイージス艦がフランスのデータ・システムとリンクすることはあり得ない。

※ 赤字の部分は同日午後に加筆しました。

発射直後のミサイル迎撃

防衛相 

  研究に前向き

航空機搭載レーザー(ABL)

(毎日 5月18日 朝刊)

[概要]久間防衛相は17日の参院外交防衛委員会で、敵の弾道ミサイルが発射された直後に迎撃を行う航空機搭載レーザー(ABL)について、「技術研究はやぶさかではない」と述べ、研究に前向きな考えを示した。これまでの政府見解では、「集団的自衛権の行使に当たる恐れがある」と否定的だったが、防衛相の答弁は憲法解釈の見直しを進める首相官邸の動きに合わせた。

 久間防衛相はABLを、「レーザーでミサイルの機能を失わせるもので、ミサイルを発射する前に相手国の領海に入らないといけない。精度・コストの問題もあるとも述べた。

 防衛省は来年度から、米国が発射直後にミサイル迎撃する高出力レーザー兵器の研究・開発に着手する方針で、ABLの研究・開発も視野に入れている。ただし、発射国上空での迎撃が領空侵犯になるほか、ミサイルの目標が日本と分かる前に迎撃すれば集団的自衛権の行使になる恐れもある。

[コメント]最近、盛んにABLに話題が出てきた。私は80年代初めにレーガン米大統領が打ち出したスターウォーズ計画の時代から、何度もABLのことを聞いている。ABLは軍にとっては夢の兵器で、これがあれば世界の戦争を一変させる威力を秘めている。もしABLがあれば、戦車、ミサイル、機関銃、火砲などは無用になる。むろん戦闘機や攻撃機、軍用ヘリも、ABLや地上車両搭載レーザー兵器には無力である。

 だからこそABLは度々話題が出ては消え、消えては出てくるのである。これは裸の王様に詐欺師の洋服屋が勧める服に似ている。今では医学では手術にレーザーメスが使われ、測遠機などにもレーザー光線が使われ、その使用時には目を保護することが求められている。だからレーザーを航空機に搭載して運用出来る兵器が現実のように思う人もいる。しかし飛行中に機内で高出力を発生させ、そのエネルギーを蓄積し、正確にミサイルを照射出来るものを航空機搭載型となれと、クリアーしなければいけない難題の壁がいくつもある。ABLの開発を別なものに例えるならば、大気圏を飛行する原子力航空機に匹敵するかそれ以上の難題と思う。

 だからABLは夢の兵器というよりも、詐欺師の兵器、大ボラの兵器と呼ぶ方が正確な気がする。もうABLの話しを聞いて30年間である。この30年間に、米露などでは莫大な軍事予算が投入された。これから日本もその開発に参加するという。久間さんも無邪気なものである。

 ※ 赤字の部分は、更新2日後の20日(日)に加筆しました。

台湾有事備え

中国軍、正面対決を一時断念

中国、米空母

 攻撃ミサイル開発へ

射程外攻撃 露に学ぶ

(産経 5月16日 朝刊)

[概要]中国軍が米軍や自衛隊の迎撃兵器の射程外からの攻撃に力点を置くことで、台湾有事に際して米空母機動艦隊来援阻止を目的に、対艦弾道ミサイルの開発やロシアから超音速長距離爆撃機を導入して、対米軍戦術を修正していると日台軍事筋が明らかにした。

 同筋によると、中国が改良に着手した弾道ミサイルは射程1500キロ〜2500キロの準中距離弾道ミサイル「東風21」で、動く目標を赤外線で探知する装置を取り付けることで、米空母攻撃も可能になる。すでに東風21は100基近くが配備され、今年1月、衛星の攻撃実験に使われたのは東風21の派生型で改良が進んでいる。また、早ければ年内にロシアから10〜20機の超音速長距離爆撃機バックファイアー(Tuー22M)を購入あるいはライセンス生産される見通しだ。同爆撃機は戦闘行動半径が約4000キロで、射程が500キロのAS−4空対艦ミサイルを3基まで搭載出来る。

 米軍は対艦弾道ミサイルやAS−4の迎撃手段を有しているが、万全ではない。「これらを同時に大量に発射されれば、すべてを迎撃出来る可能性は大きく低下する」(日台軍事筋)。Tu−22Mも海自のイージス艦搭載の射程外から発射すれば、被弾を受ける可能性が高くなる。日米とも新たな迎撃手段の開発・配備を含む戦術の再構築を迫られる。

 中国がこのような戦略を導入する背景は、米軍との正面対決を避け、「非対称戦」に活路を見いだそうとする思惑があるという。「非対称戦」は戦力や技術面の弱者が、強者とは異なる戦術で・手段で戦うという戦法。兵器の開発や購入が計画通りに進まない危機感が「非対称戦」に走らせたようだ。中国軍は悲願の空母開発が遅れ、外洋で長期作戦継続が出来ない。潜水艦戦力も日米連携の海洋戦力と比較すると、太刀打ち出来るにはほど遠い。

 そのため中国は冷戦期の旧ソ連軍が、米空母機動部隊を射程外から攻撃出来るTu−22Mや、空母の進路に攻撃型原潜(SSN)を潜ませる戦術が今も有効と確信した。

 台湾有事の際、日本の対米後方支援を嫌う中国軍が、日本に出入りする船を威嚇・攻撃すれば、日本のエネルギー海上輸送路は大きな打撃を受けることは必至。日本の安全保障上も大きな脅威となる。

[コメント]昨日の産経新聞の記事である。この記事は昨日読んで強い違和感を覚えた。東風21が準中距離弾道ミサイルというが、「準」という言葉の意味がわからない。今まで準IRBMといういう言葉を聞いたことがないからだ。また動く目標を狙える赤外線誘導というが、空気のない宇宙空間ならまだしも、大気との摩擦熱で高温になった弾頭に赤外線装置が取り付けられるとは思えない。米露軍であっても、そのような誘導装置を搭載した弾道ミサイルを知らない。

 また陸上基地(飛行場)からTu−22Mが同時・多方向から攻撃するのは同時・飽和攻撃で、80年代の米空母部隊への攻撃戦術として考案された有名な方法である。米海軍では常に想定している戦術シナリオである。中国軍が10機〜20機程度のTu−22Mを配備しても、今の日米軍が深刻な脅威を受けるとは考えにくい。

 さらに遅れている中国軍の空母建設は、スキージャンプ甲板を備えた軽空母で、たとえ完成・配備されても、米海軍の本格空母に対抗して外洋で長期作戦が出来るとは思えない。

 中国軍の「非対称戦」は新たな戦略転換ではなく、現在の核戦略に見られるように中国のお家芸という基本戦略である。これは冷戦でアメリカとの軍拡競争で敗れたソ連軍の愚を繰り返さないためで、これを米空母機動部隊への新たな対抗策や、台湾有事のためと騒ぐものではない。

 また日本が中国の戦略転換で大きな影響を受けると説明するが、そんなことは今にわかったことではない。だから中国は日本を刺激しなうように、配慮しながら軍拡を行っているのが現実である。日本も軽空母の建設や長距離爆撃機の配備など、それなりの配慮を中国にしている。

 私にはこの記事は、わざと国民の不安を煽っているように感じる。ちょうど外国紙が日本が核武装した大変な脅威になると煽っているようなものである。最近、集団的自衛権が大きく議論されると、この手の煽り記事が各紙に掲載されるようになった気がする。またしても意味なくソ連軍が北海道に攻めて来るという北方有事論の再来なのか。今ある現実の軍事危機と、アイデアだけで想定した軍事危機を区別できることが必要だ。

訂正

  ネットで検索しましたら、準中距離弾道ミサイル(MRBM)という言葉があることがわかりました。射程が800キロ〜1600キロのものをいうようです。中距離弾道ミサイルでも射程が短いものを政治的な軍縮交渉などで使うそうです。コメントはこのままにしますが、数日後に訂正しましす。ただし訂正したことを明らかにすために、この訂正文はこのまま残します。ご迷惑をおかけしました。

沖縄・普天間代替

米海兵隊が

  40年運用要求

日本政府も認識

 SACO交渉時の文書判明

15年使用期限(稲嶺前知事)

  消極姿勢の背景に

(琉球新報 5月15日 朝刊)

[概要]1996年11月のSACO(日米特別行動委員会)の最終報告策定をめぐる在日米軍との折衝で、在沖米海兵隊が代替施設の運用を「少なくとも40年とする」ことを最終報告書に明記するように要求していたことが、琉球新報社が入手した米軍文書で明らかになった。

 日本政府は当時からこのことを認識しており、稲嶺前知事が主張した15年使用期限要求を政府が積極的に取り上げない姿勢の背景が浮かび上がった。

 この文書では、代替基地は海兵隊の次期主力輸送機MV22オスプレイの部隊駐留を支援する施設と位置づけ、短期間の有事であれば、単独で対応出来る機能を求めている。

 この海兵隊の文書は96年11月25日付けで、在沖海兵隊司令官から在日米軍司令官にあてたもの。翌日、在日米軍と日本の外務・防衛が会議した際、日本側は海兵隊が要求した「40年」の削除を求めて、最終報告には期されなかった。

 だが稲嶺前知事が要求してきた使用期限問題に言及した99年12月の閣議決定では、「米国政府との話し合いで取り上げる」としただけで棚上げにされた格好になった。これは米軍側が40年に強い要求を持っていることを知っていたからと思われる。

 海兵隊の修正要求では、台風などで航空機が避難する必要がないように耐風性のある格納庫を十分に備えることも求め、また、海上施設は短期間の有事に独立して支援出来るようにするなどを指摘している。

[コメント]短期間の有事に独立して運用が出来るという意味は、基地周辺の陸地・海面を封鎖して妨害や攻撃を排除し、作戦機が自由に行動出来る体制を求めている。そのために代替施設に大型艦船が接岸可能な軍港が建設され、2本滑走路を持つMV22オスプレイの飛行場ということになる。

 これでは沖縄の海兵隊主力がグアムに移動しても、米軍で沖縄の軍事的な価値(戦略性)は高まることになる。アメリカにとってキューバの存在の様に、中国にとって沖縄がキューバの関係になる可能性が高まった。

 どうしても軍事的な思考が強くなると、日本列島は環日本海経済圏や環東シナ海経済圏という発想にならず、中国やロシアなど大陸国家が海洋に侵出してくる防波堤ということを証明させるような事例である。

 しかし台湾と中国の関係のように、対立よりも繁栄を求めるのがアジア流である。これから沖縄の人が基地依存経済から抜け出し、どのように新しい経済圏を発展させるか楽しみである。

ユーチューブ

陸自訓練ビデオ流出

「近接戦闘」など解説

(産経 5月15日 朝刊)

[概要]世界的な動画投稿サイト「You Tube (ユーチューブ)」に陸自・第一空挺団(千葉県習志野市)などの教育訓練用の映像が流出していることがわかり、陸幕が事実関係の調査に乗り出した。

 流出したのは陸自部隊が対抗形式の訓練を行う際の状況想定などを説明した動画で、「対抗部隊の構成、武器」「敵遊撃隊の前進速度・潜伏要領」「捕虜の取り扱い」「昼間射撃」「遭遇時の至近距離射撃」などを説明。「近接戦闘」では上半身裸で急所にバツ印が書かれた隊員などが登場し、ナイフなどで相手を倒すためのさまざまな方法が具体的に解説されている。

 陸自によると「内部で作製した教育訓練用の可能性があり、古いものと推測出来る」という。この映像は部外秘指定の内容ではないが、青少年への影響や犯罪への悪用を懸念する声がでている。

[コメント]この記事を読んで、まず思い浮かべたのは上田埼玉県知事の発言である。「自衛隊は仕事で人殺しの訓練をしている」(後日、発言を謝罪)ということだ。しかし考えて欲しいのは、第一空挺団は北朝鮮の武装ゲリラが日本国内に潜入し、その武器や移動速度を示し、彼らとの戦い方を方を想定した訓練を行っているのだ。北朝鮮の武装ゲリラも必死なら、空挺団も必死にならざる得ないのだ。北朝鮮の武装ゲリラなら、銃の弾が尽きたり、銃声を出さないためにナイフで襲う時は、体のどこにナイフを刺すか推測出来る。だから空挺団隊員はそのための格闘訓練を行うのである。

 もし軍事マニアでこのような戦い方に興味があるなら、空手や合気道や少林寺拳法を学んで欲しい。日本では兵士でない者がナイフなどの武器を使って戦うことは許されていない。空手や拳法など武器を使わないで護身する方がはるかに現実的である。道具を使わない空手や拳法の技を取得すれば、石や棒やタオルであっても、ナイフよりも威力のある武器にすることが出来る方法がある。

 そういえば私は何度か武器や武力が支配する戦場に行ったが、銃などの武器が欲しいと思ったことは一度もなかった。むしろ果物ナイフなどであっても、武器を持っていなくて助かったと思うことのほうが多かった。もしアフリカや東南アジアのジャングルに行くから、護身用に大型のサバイバルナイフを持って行くと考えることは間違っている。もしサバイバルナイフが必要な時は、信頼出来る現地ガイドが解決してくれる。慣れない日本人旅行者がへたに大型のサバイバルナイフを振り回す方が危険である。

 これからユーチューブのようなネットを通じて、戦い方や殺し方のビデオが大量に出回ることになると思う。一般の人は興味を持つなとは言わないが、映像を見て自分が出来ると絶対に思わないで欲しい。

レバノン南部 クラスター爆弾

国連機関推計

  市民が重症

改良型でも

   不発4000発

不発率「1%未満」に疑問

改良型 自爆装置 機能せず

(毎日 5月14日 朝刊)

[概要]国連地雷除去センター(UNMAC)が調査したところ、昨年夏の第2次レバノン戦争で大量のクラスター爆弾が投下されたレバノン南部では、イスラエル軍の自爆装置つき(M85)の不発弾が多数残っていたことがわかった。M85は着弾時に不発弾になった場合、自動的に自爆する装置を備え、不発率が1%以下で「人道的」な兵器とされている。しかしレバノン南部のティールにある国連地雷除去センターでは、改良型M85の不発1965発を確認し、「自爆型M85の不発率は6〜10%」と推測している。

 これで従来の旧クライスター爆弾の不発率は10〜20%だが、自爆改良型の不発率は1%以下という軍事常識が否定され、自爆型にも厳しい現実が浮き上がってきた。レバノン南部では昨年からのクラスター爆弾の不発弾で少なくとも22人が死亡し、170人が負傷している。

[コメント]なぜ自爆装置着きなのに自爆しないで不発弾になるのか。それは軍事を正面から見て考える必要がある。まずM85の自爆装置だが、これは民間人への被害を軽減させるために付けられたものでないことである。まずクラスター爆弾(砲弾)で敵を攻撃し、打撃を受けた敵陣に味方地上部隊が進出して戦果を拡大する。また敵の逆襲からその地を守るためには、味方のクラスター爆弾の不発弾で被害を受けないための自爆装置なのだ。あくまで戦術的に必要なスマート化(自爆装置化)の要求性能なのである。

 しかしイスラエルと国境を接するレバノン南部には、ヒズボラなどの武装勢力に立ち入らせないとか、シーア派住人に強い厭戦気分を与えるために、イスラエル軍は疑似・対地雷原としてクラスターを散布するという戦術的な目的もあるのだ。そのような場合、多連装ロケットMLRSの射程を10キロ以下に設定すると、不発弾発生率を上げることが可能になる。これはMLRSの性能としては、”危険事項”のひとつとして書かれているかも知れない。しかし軍人がその性能表を読めば、M85でも10キロ以内の射程ならクラスター兵器で疑似・地雷原ができると考える。

 逆に戦果拡大のために味方部隊が進出しない場合であれば、自爆着き子爆弾(M85)は費用対効果から使う必要はない。しかしレバノン南部でそれをイスラエル軍が使った理由は、クラスター兵器で疑似・対人地雷原を作ったことを欺瞞するためか、他にM85以外のクラスター爆弾がなかった場合と思われる。このあたりの思考は戦闘体験がないと難しいかもしれない。

 ところで5月16日(水) 19時〜21時 東京・広尾駅A3出口1分の「JICA地球広場・講堂」で”クラスター爆弾の意見交換会”が開かれます。防衛省や外務省やノルウェー大使館の関係者も出席されるようです。参加費500円です。私もクラスター爆弾を正当化する人の考えを聞きたいと思い出席する予定です。皆さんもどうぞ。   主催  地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL)  

米断定 「ムスダン」

北朝鮮が

   新型ミサイル

射程5000キロ級

(朝日 5月13日 朝刊)

[概要]北朝鮮が先月実施した軍事パレードで、新型の中距離弾道ミサイル(IRBM)を公開していたことがわかった。これは韓国政府当局複数の関係者が明らかにした。

 新型ミサイルの数は12基程度で、弾頭搭載能力は不明だが、射程は最大5000キロと推測されている。軍事パレードでの撮影は認められなかった。しかし米側が偵察衛星の写真を分析したところ、旧ソ連軍が60年代末に実用化した潜水艦発射弾道ミサイル「SSN6」を陸上発射型に改良した単段式。スカッドミサイルを基本としたノドンやテポドンとは異なるタイプ。

 配備先は昨年テポドン2を発射した舞水端里(ムスダンリ)であることから、米側はこの新型ミサイルを「ムスダン」と名付けた。

 米国防総省はこの件で「コメントできない」としているが、国防情報局のメープルズ局長は06年2月の上院軍事委員会で、「北朝鮮は新型のIRBMと短射程の固体燃料弾道ミサイルを開発している」と述べている。複数の日本政府関係者も「ノドンやテポドンより近代化している」と推測している。

[コメント]4月25日の軍事パレードで公開された2基の弾道ミサイルは、スカッドミサイルと旧ソ連製のSS−21(固体燃料)をベースにしたものだった。スカッドミサイルは見慣れたスカッドCの移動式発射台に搭載してあったが、全長に関してスカッドCよりも伸びてはいなかった。もし射程を伸ばす改造が行われていたら、燃料量を増加させるためにミサイル本体の大型化がされると推測していたから、軍事パレードに登場したタイプは改造したものではないと判断した。

 SS−21については2年前(05年)に、北朝鮮で発射実験が行われたと韓国政府(国防省)が公表したことがある。SS−21はロシアがシリアに供与したことがるので、シリアから北朝鮮が入手した可能性が高い。SS−21は核弾頭が搭載出来る短距離弾道ミサイル(射程250〜300キロ)なので、ロシアが直接北朝鮮に核弾頭の運搬手段を供与した可能性は低いからだ。

 そして今日になってムスダンのことが明らかになった。射程が5000キロならグアムに到達する能力がある。ブッシュ政権が北朝鮮に対して融和的になっているのは、イラク情勢が悪化して中東にエネルギーを奪われているだけではなく、ムスダンのようなIRBMを北朝鮮が配備したからかと勘ぐってしまう。

 これではアメリカばかりに追随する日本の安全保障政策が不安になる。これから日本の北朝鮮政策はアメリカや中国頼みではなく、北朝鮮は日本の安全を脅かす存在として、日本の軍事力を含めて強化する必要を考えるようになった。具体的には、格好ばかりのMD政策ではなく、北朝鮮が日本に攻撃を行った場合の報復力を十分に備える。またそのことによって、アメリカや中国に日本の重大さを思い知らせることも重要だと思う。

 お題目のように「拉致問題を重要課題にする」と口にするのいではなく、北朝鮮が真から怖がって日本人拉致者を解放するように取り組む必要性だ。

 中国やアメリカに頼ってばかりでは、どこの国からも日本は無礼(なめ)られる。

アフガン復興

文民警官の

   派遣模索

首相、人的貢献強化を指示

(産経 5月11日 朝刊)

[概要]安倍首相は10日までに、アフガンに対する人的貢献策について検討するよう外務・防衛当局に指示した。政府は今年に入って、空自・輸送部隊の空輸活動を検討したが、アフガンの治安情勢悪化から派遣を断念。現地で活動する地元NGOへの無償資金供与を決めた。しかし安倍首相はアフガンで目に見える人的貢献強化を目指しており、複数の防衛・外務省両幹部は首相が文民警察やNGO関係者など文民の派遣を求めているという。

 安倍首相は今年1月のNATOでの演説で、「国際的な平和と安定のためであれば、自衛隊が海外での活動を行うことをためらわない」と表明している。アフガンのNATO軍がNGOと軍民共同で実施している地方復興支援チーム(PRT)への支援強化を約束している。4月下旬に行われた日米の首脳会談や外相会談でも、アフガン復興支援での日米協力を確認しており、安倍首相の指示もこれような流れをふまえている。

 自衛隊のアフガン派遣については、久間防衛相が4日に、ブリュセルで行われたデホープスヘッフェルNATO事務総長との会談で、改めて検討する考えを表明。防衛省では近く省内に設置する関係幹部会議を始め、「長期的な課題」として検討する構えだ。

[コメント]この記事では意図的に間違えた箇所がひとつある。それは文民警察の派遣をいう点である。誰もアフガンに日本から文民警察の派遣を求めていないし、日本の警察庁もカンボジアで日本の文民警察官が射殺されて以来、アフガンのような紛争地に文民警察を派遣することを望んでいない。今後、あくまでアフガンに派遣されるのは陸上自衛隊の部隊である。しかし7月の参議院選挙を前に、陸自隊員から反発されるのを避けて便宜上に今は”文民警察”にしているだけだ。7月の参議院選挙が終われば、陸自部隊のアフガン派遣体制が本格的に動き出す。

 やはり日本政府もPRT方式を想定しているようだ。このイメージは、アフガンの荒野に自衛隊が砦を築き、その中にNGO関係者を居住させ、復興に必要な資材などを集める。むろん砦の警備は自衛隊が責任を負うことになる。

 NGO関係者がその地域で復興支援に行く時は、NGO関係者の輸送や通信などを自衛隊が担うのである。そうしてNGOの巡回医療チームが自衛隊に守られて各地を巡回するというものである。地雷や不発弾除去、道路や通信インフラの整備、水道など水系の整備、農地や果樹園などの整備などである。

 それではなぜアフガンでこのようなPRT方式を日本NGOは嫌うのか。直接、アフガンのNGO責任者(日本人)に聞いたことがある。その人の話では、アフガンで行われている非軍事のNGO復興支援活動が、PRTで軍隊(自衛隊)が絡むことで、軍事作戦の一部と変化して反発を招く危険があるという。「それではNGOの方が強盗に襲われたり、テロリストからの誘拐を防げないのでは?」と私が質問した時、「それでも軍隊と組むより安全で、地元有力者を通じて復興支援活動を守ってもらうこともできる」と話していた。

 7月の参議院選挙が過ぎると、一気に自衛隊のアフガン派遣がヒートアップするだろう。

外交・安保 最低でも20人

米高官・

  政権から脱出

北朝鮮・中東担当」

 ・・・・「最後の知日派」も

(読売 5月9日 朝刊)

[概要]09年1月に任期切れを迎えるブッシュ政権で、外交・安保政策を担当した高官の辞任があいついでいる。イラク情勢の泥沼化などで政権の「死に体」化が急速に進んでいることが、異例の「早期脱出」につながっているようだ。

 ホワイトハウスではNSC(国家安全保障会議)の事務局NO2で、対日政策にも深く関与したジャック・タラウチ大統領補佐官が6月初旬の辞任を発表した。北朝鮮の核問題で6カ国協議の次席代表だったビクター・チャ日本・朝鮮部長、イラク・アフガン担当のミーガン・オサリバン大統領特別補佐官ら、「北朝鮮」「中東」の実務担当者らも政権を去った。AP通信は7日、ホワイトハウスや国務省、国防省で「過去6ヶ月で最低20人」の高官が引退したり、辞任したと報じた。

 国防省では昨年11月のラムズフェルド国防長官が更迭され以降、側近の辞任が相次ぎ、在日米軍再編などを取り仕切っていたリチャード・ローレス副次官も今年夏までの辞任を表明している。国務省ではイラクの現状や北朝鮮に対する融和路線に批判的な勢力の人材流出が続いている。

 ブッシュ政権は2期目で再選はなく、高官が現政権に「見切り」をつけやすい環境が出来上がっている。これは不支持率が30〜40パーセントと不人気の現政権とは距離を置き、次期政権に備える動きが加速することは避けられない。

 NSCのクラウチ氏とチャ氏、国防省のローレス氏らは、アーミテージ前国務副長官の辞任後は、ブッシュ政権内で「最後の知日派」(日本政府筋)と呼ばれていただけに、北朝鮮問題に日米間の温度差が広がるという見方が出ている。

[コメント]昨日の朝刊記事で恐縮だが、昨日の内に更新出来なかったので一日遅れで掲載します。この記事によれば、ブッシュ政権はすでに「死に体」で、沈没し始めた船から乗員(高官)が逃げ出し始めているという。だから私はアメリカという国民性は、逃げ出す時は何もかも放り投げて逃げ出すといつも言っている。ベトナム戦争で勇ましく東南アジアで共産主義のドミノ崩しを防ぐと叫んでいたが、米国内でベトナム反戦の世論が高まると、米軍は一気にベトナムから逃げ出したことを覚えている。だから今のイラク統治(軍政)でも、アメリカが一気に逃げ出すのは時間の問題だと思う。

 また日本の安倍政権もすでにブッシュ政権を見限っている。安倍政権が取り組む集団的自衛権の見直し(一部解禁)も、次の米大統領(米政権)に対する貢ぎ物で、これで安倍政権の長期化を次期政権から支持を得ようとしていると推測する。ブッシュ政権は小泉前首相が活用した使用済み政権で、今更安倍首相がブッシュ政権に取り入っても、何も得るものはないと知っているからだ。安倍政権にとってもブッシュ政権は「死に体」なのである。

 むしろ安倍政権はこの米政権が「死に体」の期間に、ヨーロッパや中国との関係強化に取り組むと思う。日本の安全保障政策ではNATO軍が指揮するアフガンの多国籍軍に自衛隊を参加させる動きを加速させるだろう。今年になって日本の安倍首相、麻生外務大臣、久間防衛大臣があいついでEU本部やNATO司令部を訪問していることで、私は1年以内の自衛隊アフガン派遣決定がほぼ確実だと思っている。まあ、自衛隊のアフガン派遣といっても戦闘が行われているアフガン南部ではなく、北部(中部?)などでの復興支援を担うことになると思う。その際、私が注目していることはアフガンで、初めて自衛隊と民間NGOが組み、自衛隊は復興支援で民間NGOの警備や輸送などの後方支援を担当するのではないかという点である。すでにアフガン北部(中部?)ではこの方式で復興支援を始めた国があると聞いた。

 反自衛隊色が濃い日本のNGOメンバーには不人気な組み合わせだが、すでにアフガンで軍隊+NGOを始めた国が成功しているなら検討してみる価値はあると思う。 

 ※ コメントで赤字の部分は更新した翌日の11日に加筆しました。

政府秘密情報

漏えい防止に

   新組織

「CI」センター」来年4月発足へ

省庁の保護策を点検

(毎日 5月8日 火曜日)

[概要]政府は7日、秘密情報の漏えい防止策を強化するための新組織「カウンターインテリジェンス(CI)センター」(仮称)を来年4月に発足させる方針を固めた。CIセンターは内閣情報調査室の一部署として発足し、各省庁の機密文書の管理方法や省庁外への持ち出し基準の統一に基づき、各省庁に情報管理の報告を定期的に要請する。もし基準から外れたケースが見つかれば、当該省庁に対応の是正などを迫る。

 秘密漏えいがあった場合の罰則は、当面、現行の国家公務員法や自衛隊法をなどの規定を適用する見通し。

 日米両政府は1日の外務・防衛担当閣僚の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、軍事秘密保護に向けた「軍事情報に関する一般保全協定」(GSOMIA)を締結したため、秘密情報の共有が拡大されることになった。

[コメント]先月、海自でイージス艦の特別防衛秘密(特防秘)にあたるイージスシステム情報が漏えいしていることが発覚した。その対策としてCIセンター発足の色合いが濃くなった。

 しかし1月に安倍首相の施政方針演説では、「内閣の情報機能の強化」を強調して、政府に設けられた「カウンターインテリジェンス(防諜)推進会議」(議長・的場順三官房副長官)が目指したのは中国などの情報機関から、日本の秘密情報を防衛(保全)するための構想検討が目的だったはずだ。

 それが日本の政府内部から、情報漏れを防ぐ監視機関を目指すことになった。一見、同じような役割を担うが、視点が家の中に向いているか、家の外に向いているかで大違いである。

 もっと厳しいことを言えば、これは防衛庁や自衛隊には秘密情報を保全する能力がないから、外部機関で監視・監督を強化するという意味にもなる。さらに口の悪いヤツだと、「泥棒に警官をやらせないために、警察の外部から警官を監視・監督することと同じ」になる。

 国家の軍事組織である防衛省や自衛隊は、独自では秘密情報の保全さえできない現実を政府が認めたことになる。

 この深刻さが防衛省や自衛隊に理解されているのだろうか。今年3月末、イージスシステムの情報漏えいが発覚した時、自宅パソコンに特防秘をコピーしていた海自2曹の中国人妻(オーバースティーで入管に出頭)を指して、「中国の情報機関に浸透された海自」という程度の情報知識しかないのだろうか。2曹の妻が本当に中国人スパイなら、わざわざ帰国するのに入管に出頭などしないことに気がついていない。

 まあ、私はCIセンターを作っても、基本的な体質が変わらないので、自衛隊に限らず政府全体から秘密情報が漏えいすることは防げないと思う。役人や政治家に国家の秘密情報の重大さが理解出来ていない。秘密情報を知って漏らすことは、自分の役得か自己権力の象徴の様に思ってる。 

かなり体調が回復

本日から更新を再開!

ご迷惑、ご心配を掛けました

(5月7日 月曜日)

  今回は長い休暇と考えて、あえて更新を休止(さぼり)しました。急に心理的に不安定になり自己嫌悪感が強まったからです。これは軽い鬱(うつ)の症状なのか、あるいは男性更年期なのかと思いました。ネットで見つけた簡単なチェック用紙で20問程度の質問に答え、イエスが8問以上は要警戒という項目で、15項目以上がイエスでした。検診というわけではありませんが、何年も定期検診を受けている友人の内科医に相談したら、「軽い躁(そう)鬱もある」と言われました。

 でも今は正式に専門医の検診を受けるほどではないと言われました。このお医者さんは10年前に私の最高血圧240ー最低血圧210を計測したことがあります。原因は激しいストレス、肥満、運動不足、飲み過ぎ、食べ過ぎでした。体重98キロ(当時)だったものを3ヶ月で80キロに減量しました。毎日2時間のウォーキングを行い、食事の量を激減させ、お酒をやめて睡眠導入剤で就寝する生活に変えました。その結果、劇的と評価されるほど体調が改善されました。

 それから10年間はそのまま体調を維持してきました。しかし昨年は禁酒宣言したように再び酒量が増えていったのは事実です。しかし体重は増えることはありませんでした。無論、血圧も平常に近い数値を続けています。結局、今回の体調不良の原因は緊張と疲れだと思います。

 更新を休んで重かった気分が楽になりました。毎日、自分の負担にならないことばかり行うようにしました。(マラソン以外)。旧防衛庁跡地(六本木)にできた東京ミッドタウンの有料見学コース(1時間 1500円)にも行きました。この間に映画は5本見ました。まるで1年分の本数です。

 大きな変化(改善)を感じたのは4月22日に米軍・相模補給廠(神奈川県)行われた初めてのマラソン大会(10キロの部)参加でした。順位やタイムは評価することが出来ないほど悪いのですが、なんとか10キロを必死に走り・歩いたことが精神的によかった様です。

 今までは長距離ウォーキングに自信がありましたが、今度のランニングはまったく別の苦しさがあります。でも昨年の暮れ頃からマラソン・マラソンと,苦痛にたえながら少しずつ走り初めていたことが救ってくれました。相模原補給廠でのマラソン大会から抜け出した気分になりました。

 ゴールデンウィークは久しぶりに日帰りのロングウォーキングを楽しみました。毎日の目標は2万歩オーバー(約14キロ以上)です。午前の10時半頃に家を出発し、電車やバスで目的に向かいます。目的地でお弁当を買って早めの昼食を済ませ、昼前の11時半頃から歩き始めます。そして午後3時半〜4時までに帰宅します。そのころにベランダの洗濯物や干していた布団を仕舞うためです。それからシャワーを浴びてスッキリし、ビールを飲みながらのリラックスタイムです。

 と、いうようにおかげさまで、無事、更新を再開出来るほどに回復しました。この間に「ゆっくり休んでください」という励ましや、医療アドバイスなどのメールを沢山頂きました。ありがとうございました。昨日は連休最終日が雨となったので、思い切って書斎のレイアウトを変え、より実践的な仕事バージョンにしました。ご覧の様にHPの背景も白に変えて気分を一新し、新たな再出発ぐらいの気持ちでいます。これからもよろしくお願いします。

 改めて更新を休んだ期間中に、このHPにアクセスして下さった方にお詫び申し上げます。ご迷惑をおかけしました。すいませんでした。

 



※これ以前のデータはJ−rcomFilesにあります。