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 アルカイダ系サウジ過激派襲撃  王制打倒強める  ”生命線”石油産業を標的 (産経 5月31日 朝刊)

[概要]サウジ東部の石油地帯アルホバルビア市で起きた襲撃事件は、アルカイダが外国石油企業を標的として、サウジ王制の生命線である石油に揺さぶりをかける動きを強めてきたことを浮き彫りにした。アルホバルへの攻撃はサウジ石油産業の心臓部への攻撃と”同義語”といってよい。アメリカの同時多発テロ以降、アメリカはサウジ政府にイスラム過激派の徹底した取り締まりを求めてきた。これに対しアルカイダは外国人居住区に対する攻撃で取り締まりに対抗した。しかし最近になってアルカイダは、サウジ政府の治安機関が自爆テロで襲われるなど、サウジ王制に対してもテロ攻撃を行いはじめた。今回、新たにサウジの石油施設が狙われたことで、アルカイダの明確な意図と狙いが読み取れる。すなわち、サウジでのテロは反米からサウジ王制打倒に向けた新たな様相を示し始めたといえる。

[コメント]サウジでのアルカイダ・テロは外国人が対象という常識が通じなくなった。この記事が指摘するようにアルカイダは石油施設や政府機関をターゲットに拡大しだした。サウジは最も貧富の差が大きい国ではないか。王族の富は想像を絶する莫大なものである。そこで内戦(革命)の危機が生まれると、厳しい弾圧と激しい抵抗の戦いが出現する。サウジの石油の富が大きいから、それを巡る争いも激しくなるのだ。まさにアルカイダは紛争発生や社会混乱を起こす名人である。

 サウジで内戦が起これば、日本も自衛隊を治安維持活動(戦闘行為)でサウジに派遣する事態も予測できる。日本にとってサウジの石油は生命線であるからだ。かつてシーレーン1000海里防衛で対潜P3C哨戒機100機を購入したのとは遙かに深刻な危機である。

 サウジでのアルカイダの新しい動きは始まったばかりだが、これでさらに国際的な原油価格が高騰する危険がある。日本にとってはある意味で、サウジ情勢はイラク問題よりも深刻である。

 サウジ石油都市 外国人居住区を襲撃 アルカイダ犯行声明 米国人ら16人を殺害 (読売 5月30日 朝刊)

[概要]サウジ東部の商業都市アル・ホバルで武装グループが石油関連施設の事務所や外国人居住区を連続して襲撃した。この襲撃で米国人など外国人7名を含む16人が死亡した。アルカイダを名乗るグループがウェブサイトで犯行声明を出し、「イスラム教徒の富を奪う米国の石油企業」を狙ったと明らかにした。犯人たちはサウジの治安部隊と銃撃戦となり、その後、人質をとって籠城を続けている。サウジでは外国人を狙ったテロが相次いでおり、03年には5月、11月と連続し、今月に入っても紅海沿岸のヤンブーで米国人7人が射殺され、22日にもリアドでサウジ航空に勤務するドイツ人が射殺された。今回の犯人が人質を取っているが、日本人が含まれている可能性もある。

[コメント]自爆テロが得意のアルカイダが人質をとって立てこもる。いやな予感がする。彼らは破壊や殺戮が目的で、人質をとって要求をするような思考を持たないからだ。となれば特殊部隊の突入が最優先に行われるはずだが、こんどは突入で特殊部隊員が自爆テロに巻き込まれてしまう。自爆テロ犯が人質をとる優位さをアルカイダは自覚することになった。今回のようなケースは時間が経過すればするほど犯人側が優位になる。人質を縛ったり、爆薬を取り付けやすくなるからだ。人質救出作戦の最も難しいケースである。どのようなやり方が最適か、私にもわからない。

 イラクで日本人ジャーナリスト襲撃。 戦場カメラマン 橋田信介さん、小川功太郎さん、死亡。(各紙 5月29日 朝刊)

[概要]バグダッドの南30`にあるマフムディヤで、27日夕刻(現地時間)、日本人ジャーナリストが乗った車が銃撃され炎上、二人が焼死し、別の場所でもう一人が射殺された事件は、戦場カメラマンの橋田さんと小川さんであるることが判明した。襲撃事件は後方から追い越しをかけてきた車が銃撃し、橋田さんは銃弾を受けた後に車の炎上で焼死した模様。小川さんは連行され現場から10`離れた場所で射殺された。犯行グループなど詳しい状況はわかっていない。

[コメント]橋田さんが乗った車を追跡し、追い抜きざまに銃撃したというから、物取りというよりも暗殺を狙ったものとわかる。これでは防ぎようがない。あえて言うなら、車を目立たない車種を使うべきべきだったということもできるが、VTR(ビデオカメラ)の機材の多さを考えると、大型のバンタイプが必要ということもできる。橋田さんはベトナムやカンボジアの経験から、今回のイラクは非常に危険と自覚してようだ。そうなのである。今回のイラクは外国人であれば非戦闘地域でも無差別に襲撃するという異常な状態になっている。これが今までの戦場と最も違う点である。それも物取りなら武装したボディーガードを付ければ防げるが、追い越しざまに撃ってくる様なら普通の警備では足りない。それなら前後の車(ピックアップ・トラック)に武装した兵士を乗せ、いつでも撃てる体制で移動する必要がある。しかしそのような警護を日常的に期待するのはジャーナリストでは無理である。別にアラブ人を装うという方法もあるが、こんどはスパイと疑われる危険を覚悟しなければいけない。

 日本の大手メディアはイラク人を取材に使うという方法をとっているようである。しかしそのような者さえアメリカの手先として襲撃の対象になっているという。外国人ジャーナリストが使う運転手(ガイド)や通訳さえゲリラに狙われている。このようなタイプの戦争は今までになかった。イラクの反米武装勢力はメディアを使い国際世論を味方につけて、戦況や政治交渉を有利にするという発想がまるでない。とにかく外国人を国内から追放するという攘夷論だけである。

 このような戦争をどのように報じるか。すべてのジャーナリストに突きつけられた新しい課題である。

 バグダッドの南30` 日本人ジャーナリストが乗った車を襲撃 1名死亡、1名重体か? (NHK 朝のニュース 5月28日)

[概要]今日未明、日本の外務省に入った情報によれば、バグダッドの南30キロ付近の道路で、日本人ジャーナリスト2名とイラク人通訳、運転手の乗った車が銃撃され炎上した。イラク人運転手がバグダッドの親戚に電話で伝えたところでは、日本人の1名が死亡し、1名が重体との情報(未確認)がある。日本人の名前はハシダ シンスケさんと、オガワ コウタロウさんという。米軍やイラク警察など、現地の治安当局は夜明けを待って現場で確認を行う予定。

[コメント]橋田さんという名前に驚いた。橋田さんはベトナム戦争当時、日本電波ニュースのハノイ特派員(初代)として滞在し、空爆下のハノイで取材をしていた戦争報道のベテランである。私との出会いは93年のカンボジア総選挙の時である。橋田さんはカンボジア南西部のポルポト派を取材中に、日本人アシスタント2名とともにポルポト派に捕まったことがある。その時は数百万円もするビデオカメラを没収されたが、身柄はその日の内に解放された。その夕方、タイ国境近くのアランヤプラペートのホテルで、ロビーで一人新聞を読んでいると橋田さんが入ってきた。大きな日本語の声に驚きながら入り口を見ると、橋田さんが「ポロポト派のバカ野郎」と怒鳴っていた。すごく威勢のいい人というのが私の第一印象である。

 その後、あの橋田さんが元電波ニュース特派員で、空爆下のハノイで取材を続けていた人と知った。昨年春のイラク戦争では、橋田さんがバグダッドから送ってきたVTRテープをTV局で見た。銃弾が飛び交う主要道の脇道で、身をかがめて戦場レポートする姿に驚いた。私なら安全な場所に避難するような状況だったからだ。

 最近、橋田さんが書いた戦場カメラマンの本を読んで、多くの若者が戦場ジャーナリストにあこがれていると聞いたことがある。しかし橋田さんは自分でカッコーをつけるような人ではなかった。逆に弱い自分をさらけ出して、戦場の過酷さを表現するような人だと思う。

 どうか橋田さんが元気になって、再び現場に復帰していることを切に願う。まだまだ橋田さんには頑張ってもらいたい。

 アルカイダ潜伏 地下銀行でテロ資金 幹部と接触男を逮捕 10億円海外送金か (産経 5月27日 朝刊)

[概要]日本に潜伏していたアルカイダ幹部のデュモン容疑者と、頻繁に国際電話で連絡をとっていたバングラデシュ国籍のイスラム・モハメッド・ヒム(昨日、逮捕)は、自分が管理する口座から10億円を海外に送金をしていることがわかった。これは地下銀行と思われ、不正送金やテロ資金のためにマネーロンンダリングを行っていた可能性もある。ヒム容疑者は横須賀の米軍基地の近くに新会社を設立しており、警察当局はこの会社設立の目的も慎重に捜査している。

[コメント]パキスタンや中国などから日本に来て、ちょっとした事業に成功すると次に手を出すのが地下銀行である。彼ら同国人が母国に送金する場合、銀行経由だと税金やお金の出所にうるさい場合がある。また母国の銀行事情が整っていないという理由もあるようだ。そこで一定の手数料を取って、実際は母国に送金しなくとも、関係者が母国で送金が受け取れるような送金システムを作るのだ。その総額が10億円を越えたという意味である。ヒム容疑者が日本で稼いだ10億円をアルカイダ組織に送金したというわけではない。地下銀行は日本では違法で考えられないような犯罪だが、中東やアフリカなどではどこにでもある金融システムである。

 しかし問題は横須賀の米軍基地前にある新会社である。プリペードカード式の携帯電話を販売していたようだが、米兵に付き添って基地内にも出入りしていたようだ。私はインターネットがない昔、米海軍の艦船を取材するため、横須賀基地周辺のクリーニング店、刺繍屋、飲み屋で聞き込みをしたことがある。すると空母などの寄港日時を正確に知っているので驚いた。彼らは仕事上で米艦船の行動を把握しているのである。まあ、今のところヒム容疑者がアルカイダと関連があるという証拠はない。この段階でアルカイダが日本に組織を作って、横須賀の米軍にテロの準備をしていたと考えるのは飛びすぎている。今は単に情報収集の拠点を作っていただけと分析できる、これらは事実だけをしっかり確認し、予想や予断をしないで慎重に報道しないと、政府の世論操作に振り回されることになる。

 デュモン容疑者がドイツで逮捕されたのは昨年の12月である。日本の公安の実力からすれば、今日の朝刊で報じられるような事実は今年1月頃にはすべて把握していたはずだ。そこから今まではヒム容疑者を含め、関係者の厳重な監視が行われていた。すなわち泳がせていたのだ。日本の公安もヒム容疑者とアルカイダと関係が薄いとわかって公表したと思う。だからこの事件でマスコミが怯えすぎると、政府の別の世論操作に利用されるだけである。

 アルカイダ幹部新潟潜伏 関係先きょう一斉捜査 資金調達役の社長ら (読売 5月26日 朝刊)

[概要]アルカイダ幹部のリオネル・デュモン容疑者(昨年12月ドイツで逮捕)が偽造旅券で入国し、新潟市内に潜伏していた事件に絡み、警察当局はアルカイダが日本で活動資金を調達していた可能性があるとみて、今日、関係先を一斉摘発する。その中には埼玉県戸田市の自宅マンションに通信関連会社を設立し、東京の秋葉原に電話用のプリペードカードの販売で業績を伸ばしているバングラデシュ人の社長がいる。この社長は神奈川県横須賀市にも関連会社を作ったが、その登記の際に出国した外国人を役員として申請した公正書原本不正記載の疑いが持たれている。またパキスタンに本拠を置くイスラム原理主義政党「ジャマティ・イスラミー」との関連が疑われている。

[コメント]今日の一斉捜索ですでに何人かが逮捕されているようである。その罪名は出入国管理法違反だが、本筋はアルカイダの日本国内の拠点作り(支援者網の構築)と、資金調達(送金)の目的がなかったかという点だろう。先週、私は新潟に行きデュモン容疑者が住んでいたアパートや仕事場を見てきた。また彼を知る何人かのパキスタン人から話を聞いた。

 その話の内容から、彼自身がアルカイダ資金を得ていたとは考えられなかった。彼の仕事は主に2つである。一つは新潟市内の中古車営業所(パキスタン人が経営)から新潟港まで、一台1000円で配送することである。これで一日数千円を稼いだが、生活費と4回の出入国(旅費)で残るほどの金額ではなかった。二つめの仕事は、全国の中古車営業所(主として外国人経営)をまわって、新潟の中古車店に車を仕入れることである。日本語がだめで英語しか話せない容疑者は、パキスタン人との会話は英語で行っており、中古車仕入れの仕事もうまくはいっていなかったようだ。

 しかし全国を回って中古車を探すという仕事は、アルカイダの身分を隠して日本に連絡網を作るという役割には好都合だったようだ。こうして神奈川、埼玉、群馬、新潟に住むパキスタン人などと親しい関係が築かれたようだ。昨年12月、デュモン容疑者がドイツで逮捕されたとき、持っていた携帯電話から日本との連絡先が割れた。さらにその電話番号から通話内容がエシュロンで判明した。そこで今日の一斉捜査となったようだ。

 結論を言えば、アルカイダが日本に活動拠点を作ることは非常に難しい。容疑者が4回も偽造旅券で出入国を繰り返していても、それは捜査当局が泳がせていた可能性もある。私はこれでアルカイダが日本に活動拠点を作る難しさを自覚したと思う。

 それにしてもデュモン容疑者の評判は良かった。仕事関係者は、まじめで働き者という評価で一致していた。まさかテロリストとは思わなかったと驚いていた。それがテロリストである。

 英国際戦略研究所の「戦略概観03〜04」 イラク戦争でテロの脅威拡大 年次報告で警告 (産経 5月26日 朝刊)

[概要]英戦略研究所(IISS)は年次報告「戦略概観03〜04」を発表した。その報告書によればイラク戦争は国際テロ組織「アルカイダ」の活動を活発化させる一方、テロと戦う国際社会の力を弱める結果となっていると指摘した。イラクでは連合軍で治安回復を図ることは不可能とし、イラク人による警察や軍隊の整備が必要で、イラク人の選挙実施が重要と強調した。その上で、「もしイラク再建に失敗すれば、欧米にとって悪夢になる」と訴えている。また米英のイラク戦争の分析から、「先制と予防を意図した戦争は、テロの危機や拡散に対抗する手段として大いに疑問」としている。すでにイラクにはアルカイダのメンバー約1000人が潜入し、米英軍や欧米の民間人を標的にする一方、中東全域で欧米の権益がテロの標的になる危険を高めているという。

[コメント]毎年恒例のIISSの年次報告書だが、今年は私の分析とかなりの部分で同じ分析になったようだ。最も似ている点は、イラクの駐留英米軍(連合軍)が国際テロリストの力を弱める戦いではなく、新たなテロリストを生み出す温床になっているということである。またすでに米英軍の力ではイラクの治安回復は無理と分析したことも一致した。イラクの治安回復と復興には、イラク人自身が主体になるべきという指摘も一致している。このように酷似したのは、冷静な軍事常識ではそのような分析しかでないということなのである。そのことがブッシュやブレア政権にはわかっていない。

 またこの報告書にはアルカイダが大量破壊兵器の入手も視野に入れていると警告している。私もアルカイダが大量破壊兵器の入手と使用は時間の問題と考えている。核兵器は無理でも化学兵器なら簡単に作り出すことができる。そしてアルカイダの化学兵器はイラクの戦場よりも相手の大都市で使われると想定している。そのほうがはるかに相手を打撃できるからである。ニューヨークの世界貿易センタービルを倒壊させたように、アメリカの力の象徴である場所を襲ってくるだろう。

 私はガソリンやプロパンガスを運ぶタンクローリーが、時々、大都市を走る爆弾に思えるときがある。タンクローリーには厳重なドアと内カギや、一度エンジンを切れば運転手の本人確認(指紋はダメ)をしなければ始動できないシステムを組み込む必要があると思う。テロリストに奪われないためである。

 イラク新決議 米英が草案を提示 多国籍軍、1年後に見直し (毎日 5月25日 朝刊)

[概要]米英は主権委譲後のイラク統治を想定した決議案を正式に国連安保理に提出した。6月末の主権委譲で米英占領当局(CPA)は解散し、イラク暫定政権に権限が委譲されイラク統治が行われると明示している。イラク人の直接選挙はおそくとも来年1月までとし、国民大会議が開催されることを保証している。またその間の選挙支援を国連イラク支援団が行うことを列挙している。また治安回復については、国連職員の警護を目的とする多国籍軍の創立を認めている。さらにイラク暫定政権の要請で、1年後に駐留を見直すことを規定してる。また石油収入はイラク暫定政権に移管することも定めている。

[コメント]仏、独などは多国籍軍の指揮権や駐留期限について、この決議案に明記されていないと不満を示している。それはこれから国連安保理で議論されれば解決する問題だ。これはほぼ仏、独、露などが要求した内容と大枠は同じと言える。すなわち米英主体でイラクを占領支配することは不可能ということを、米英自身が認めたことになる。

 また米英が国連無視で始めたイラク戦争だが、これから国連の力で事態悪化を収拾して欲しいという意味でもある。そのような基本姿勢を見せながら、まだイラクでアメリカの影響力を誇示したいとも考えている。そのあたりがちょっと嫌らしい感じもする。

 本当は仏、独や国連の方も、いますぐ米軍がイラクから撤退されると困ると考えている。そのあたりのバランスがこれから決議される国連安保理決議にでてきそうである。しかしすでにアメリカは足下を見られている。これでバグダッドを中心に国連軍が国連職員の警護を名目に展開する。その駐留目的がイラク自治政府の創立だから、アルカイダや反米武装勢力は国連軍へ攻撃はできない。さらにイラクで治安が回復すれば、自国の石油収入があるから復興テンポは早いだろう。さらにイスラム国家など国際的な支援拡大も期待できる。

 昨年、米英が国連の承認を待たずイラク攻撃に踏み切った。その時、日本でも「すでに国連は無能・、無力な時代」と語っていた一団がいた。そして米英のイラク攻撃を援護した。1年後、やっとその間違いが明らかになった。あの一団は、今度は「国連の新しい時代が始まった」と言い始めるのだろうか。大局観、それが日本には不足している。日本は国際紛争を解決するためには、日米軍事同盟の強化よりも国連関与が大事と学んだと思う。

 ジェンキンスさん来日拒む 家族再会 なお難題 首相「私が保証」英語でメモ 米大統領に直談判 (朝日 5月24日 朝刊)

[概要]小泉首相は22日に平壌で、曽我さんの夫のジェンキンスさんと二人の娘と会談した際、米国に逮捕されることを恐れるジェンキンスさんに、首相が英語で「I guarantee」(私が保証する)と書いたメモを手渡した。だがジェンキンスさんは拒否の姿勢をかえなかった。しかし米国が許すなら日本に行ってもいいと話した。二人の娘は「お母さんがこちらに来ればいい」と話したという。とりあえず北京など第3国で会う約束には応じた。しかし米国防省ではジェンスキンさんは「極めて深刻な罪」に問われているという声明をだした。また自民党の関係者や拉致被害者の支援者から、北京では北朝鮮に曽我さんが連れられていく危険があるという指摘も出ている。

[コメント]ジェンキンスさんの罪は単に脱走罪だけではない。韓国の米兵に放送で「私は地上のパラダイスで暮らしている。皆さんもこちらに来なさい」という脱走を教唆した罪がある。また反米映画などに出演して、利敵行為を行った罪もある。さらに在韓米軍の秘密を漏らした罪も考えられる。軍事的には「極めて深刻な罪」という米国防省の発表はウソではない。もし日本に連れて帰れば、米側が強く身柄引き渡しを求めることは間違いない。小泉さんがどのような根拠で保証メモを書いて渡したか疑問である。「そのような軍事常識は知らなかった」ではすまされない失態であった。ジェンスキンさんの問題は日米問題ではない。これはあくまで米国の問題である。曽我さんに冷たいことを言うようだが、日本政府が安易に約束(判断)をしてはいけない領域なのである。

 その米国だが、今日のスパイク通信員のレポートにように、ブッシュ大統領に州兵の脱走疑惑が浮上したことがある。気安くジェンキンスさんに恩赦を出せない事情があった。幸い北朝鮮はすでにジェンスキンさんの国外移住を認めているようだ。曽我さんが北朝鮮以外で家族と暮らせる方法は必ずある。もしジェンスキンさんが米国に連行される危険を避けたいなら、北朝鮮が崩壊する前に中国に逃れて新生活を始めることがベストと思う。拉致家族会は北朝鮮に再入国する危険があるというが、曽我さんがそれを望めば他人や国家が押しとどめることはできない。しかし曽我さんは北朝鮮での生活は望んではいないようである。スイスがいいとか、中国はダメだとかは、曽我さんにとっては大きなお世話である。

 曽我さんはいろいろな体験をして、我々が想像する以上に的確な判断ができる人と思う。 

 

 日朝首脳会談 拉致家族5人帰国 (各紙 5月23日 朝刊)

[概要]不明10人 白紙で再調査。家族会は批判。曽我さん、第3国で対面へ。食糧25万トン支援、首相、「見返りではない」。核問題は平行線。首相、対北朝鮮制裁を発動せずと明言。日本側に準備不足。家族会「最悪の結果」。首相は自賛。割れる評価。与党、世論動向に不安。政権浮揚 見えぬ効果。以上、各紙の見出しより。

[コメント]今回の小泉首相の訪朝で、その成果(5人帰国、他はなし)をめぐって、世論がどのように動くか注目していた。その結果、小泉首相の全面的な敗北である。自民党はこれでは夏の参議院選挙を戦えない。また拉致家族会の小泉批判はさらに強まっていく。

 しかし今回の訪朝は、まるで猿芝居である。25万トンのコメと1000万ドルの医薬品を渡せば、金正日がお返しに豪華なお土産を持たせてるれると期待した。しかしコメや薬は取られたが、お土産の中身は拉致者の子供たち(日本人)だけだった。日本人が日本に帰ってくるのは当然である。北朝鮮という国が今まで各国の援助を巻き上げて成り立った国であると知れば、このような対応は当然である。北朝鮮は相手を脅して何を貰うかの国なのである。

 今回の訪朝は確実な成果が必要だった。そのことに首相サイドが気がついていないなら驚きである。まさか小泉首相が金正日に自分の政治生命を賭けるような人とは思わなかった。これで小泉首相の政治生命は絶たれた。これからは小泉首相の話す言葉がすべてパフォーマンスに聞こえてくる。

 カンヌ映画祭で「華氏911」が最高賞を受賞した。今度は小泉首相のお笑いドキュメントが作られるだろう。今からそれが楽しみである。

 イラクの世論調査 「米軍は解放者」わずか7l サドル支持が急上昇 (読売 5月22日 朝刊) 

[概要]イラクの民間調査機関「イラク調査戦略研究センター」が4月に行った世論調査で、米軍の信頼度失墜を裏付ける結果が出た。ロイター通信が報じた調査結果では、米軍は解放者と答えた人は7lで、半年前の40lから激減した。また「米軍が今イラクから撤退すればより安全になる」と答えた人は40l以上にのぼった。強く支持する指導者としては、シーア派の最高権威アリ・シスタニ師と有力政党ダアワ党(シーア派)のイブラヒム・ジャファリ氏につぎ、強硬派のサドル師が第3位になった。サドル師は半年前の一桁から一気に31lに台頭した。

 この調査はイラク人拘束者の虐待事件が表面化する以前に行われ、バグダッド市内や国内主要6県で、シーア派、スンニ派、クルド人など1640人を対象に実施された。

[コメント]これを泥沼と言わなければ何というのか。この調査結果を最も喜んだのはアルカイダでありビンラデイン氏だと思う。まさにイラクはアルカイダが期待する方向に事態が推移している。ということはイラクは国際テロリストの温床となり、最高の実戦訓練所になった。訓練(実戦)の標的にいつでも生身の米軍兵士を使える。

 テロによって期待する政治効果も、世界のメディアが連日報じてくれる。しかし米軍はそのことに対応すればするほど、イラク市民の犠牲などゲリラ戦の泥沼にはまってしまった。

 アメリカやイスラエルのネオコンが描いた夢は、米軍がフセイン体制を崩壊させれば米軍はイラクで解放軍になる。フセインに抑圧されてきたシーア派は米軍の占領統治に協力する。イラクの復興で国際的な石油供給が安定し、国際的な原油価格は下がる。さらにイラクの民主化で、隣国のシリアやイランに民主化の波が広がる。そのことによって地中海ーシリア(レバノン)ーイラクーイランーアフガンーパキスタンーインド洋への米国支配ベルトが完成する。さらに中央アジアやインドなどの南アジアも、米国の強い影響下に組み込まれることになる。

 その結果、最後は中東の石油をアメリカが支配する。 これがネオコンが描いた世界支配計画だった。私はこれをネオコンのオセロ・ゲームと名づけた。相手を挟んで倒すオセロ・ゲームである。今それがまさに挫折しようとしている。この構図が読めないとこれからの世界は語れない。民主党のケリー米大統領候補はまだ読み切れていない。

 米軍とイラク警察 チャラビー氏宅を捜索 側近「政治的な圧力」 (産経 5月21日 朝刊)

[概要]イラクの駐留米軍とイラク警察は20日、イラク統治評議会で元議長のアハマド・チャラビー議長の自宅と、同氏が代表を務めるイラク国民会議(INC)の複数の事務所を捜索した。チャラビー氏は抗議の記者会見で、国連のイラク石油食糧交換プログラム不正事件に関する書類やコンピューターが押収されたと話した。しかし連合軍暫定当局(CPA)は石油食糧交換プログラムとの関連を否定した。

 チャラビー氏は親米の亡命イラク人で、米国防省がフセイン大統領の後継指導者として、多額の資金援助を行っていた人物。しかしイラク戦前に同氏が提供した大量破壊兵器の情報が誤っていたことから関係が悪化、最近は米国防省から見捨てられたという経緯があった。チャラビー氏は国連のブラヒミ氏が進める主権委譲後の暫定政権のメンバーからも漏れていた。そこでチャラビー氏は駐留米軍に反発し、政権委譲後は治安と石油分配権をイラク人に戻すようにと主張して対決姿勢を強めていた。

[コメント]言うまでもなくチャラビー氏は詐欺師である。昔から米国防省やCIAは、そのような怪しい人物が大好きである。そして最後はババを引いて外交政策に打撃を受ける。やはり米国政府にはそのような本質が代々受け継がれているのでないか。

 もやは米国(ブッシュ政権)のイラク占領統治は完全に失敗した。ブッシュ政権内部の告発ばかりではない。ネオコンの中からも「その失敗」を認める発言がゾロゾロと出てきだした。アブグレイド刑務所のイラク人拘束者の虐待事件や、一昨日のイラク人結婚式空爆事件(40人死亡)など、イラク人の嫌米感情はますます高まりを見せている。さらにカンヌ映画祭で「華氏911」が大賞を受賞すれば、アメリカ国内のブッシュ批判は一気に高まっていくだろう。要するに大統領選でブッシュ再選はなくなったと思う。

 日本国内でもブッシュ政権との連帯に賭けた小泉政権も暗雲が漂い始めた。25万トンのコメと1000万ドルの医薬品と引き替えに、北朝鮮から日本人拉致被害者の家族返還をめぐる交渉も後味の悪い物になりそうだ。そもそも今回の25万トンのコメと医薬品は、韓国の30日計画(北朝鮮の体制崩壊に備えた緊急援助計画)で用意されているものである。それを北朝鮮の体制が崩壊していないどころか、その体制存続を援助するために先食いすることである。筋がまったく通っていない。米政権(ブッシュ政権)が盤石なら絶対に許さない行為である。しかしブッシュ政権は末期症状を見せ始め混乱してきた。小泉首相はそのスキを抜いた。日本テレビの報道に飯島首相秘書官が取り乱した原因もそこにある。どうやら今年はブッシュさんと小泉さんが政治の表舞台(政権)から消える年になりそうだ。

 

 サマワ  陸自宿営地近くに対戦車地雷 地元警察除去 「敷設2週間以内」 (朝日 5月19日 夕刊)

[概要]サマワの自衛隊宿営地から500メートル離れた路上で、対戦車地雷が見つかり、イラク保安隊の爆弾処理班が除去した。その道路は幅3メートルで自衛隊やオランダ軍のパトロール車もよく通過する。この夜(午後9時半頃)、道路に並走しているパイプラインを監視員が徒歩で巡回中、一部が地表に露出した地雷を発見した。除去にはオランダ軍も立ち会った。同処理隊によると、この地雷は2週間以内に敷設されたと見ている。地雷処理中に自衛隊の車両も現場をすれ違ったという。州警察では日本を刺激することを恐れて、このことをメディアに知らせないように箝口令(かんこうれい)が敷かれている。

[コメント]対戦車地雷とはやっかいな物が仕掛けられた。以前、自衛隊の訓練で廃車した4トントラックを演習場に運び、長いロープで牽引して対戦車地雷を踏ませるのを見たことがある。爆発した瞬間、空に向かって棒状の土砂(爆風)が伸びた。その空に伸びた棒状にトッラクが空中高く吹き上げられ、次にトラックはバラバラになって地上に降り注いできた。対戦車地雷は指向性爆薬なので、爆風は空に向かって棒状に吹き上がったのである。その時の感想は、対戦車地雷は怖いという印象である。

 自衛隊がサマワに持ち込んだ96式装輪装甲車や軽装甲機動車も、対戦車地雷を踏めば大破することは間違いない。サマワで発見された地雷は道路脇に埋設され、その一部が露出していたという。これは警告の意味が強いと思う。わざと道路脇に埋め、見つかるように地雷の一部を露出させていたのだ。自衛隊宿営地近くにロケット砲弾を着弾させたり、夜間に発煙弾を撃ち込むなど、明らかに警告を感じされる攻撃が続いている。

 しかし今回の対戦車地雷を仕掛けた振りをするのは、自衛隊に向けた警告の中でも最大級の警告である。イラクで対戦車地雷を手に入れることは、RPG−7を入手するより簡単で、イラク各地に大量の数が隠されていると見ていい。

 これでますます自衛隊は動けない。夜間、道路に地雷が仕掛けられた可能性があれば、安全が確認されるまで動きがとれなくなる。サマワの自衛隊にとって、アルカイダの自爆テロよりも危険な状態が発生した。道路は宿営地の補給路にも使う動脈であるからだ。サマワの危険度を示すカラーはオレンジからレッドに変わった。

 新潟に1年2ヶ月 アルカイダ日本潜伏 昨年独で逮捕 接触十数人、近く強制捜査 (産経 5月19日 朝刊) 

[概要]国際刑事警察機構(IPCO)が爆弾テロ未遂事件などで国際手配し、昨年12月、ドイツで逮捕されたアルカイダのリオネル・デュモン容疑者(アルジェリア系フランス国籍)が、2002年の日韓ワールドカップ閉幕直後から日本に潜伏していたことがわかった。デュモン容疑者は平成14年7月17日に偽造旅券で日本に入国し、昨年(15年)9月14日に出国している。国内では新潟市内にドイツ国籍の女性と住み、中古車ディーラーの仕事をしていたという。出国後にドイツから長野、群馬、埼玉、神奈川などのイスラム系外国人に国際電話していた。

 群馬県警はデュモン容疑者の知人と見られる外国人男性は、日本の女性と結婚しているがアルカイダのメンバーとみて調べている。警察当局はこれらの外国人を入管法違反で強制捜査に入る方針を固めている。

[コメント]いよいよアルカイダが日本に拠点を作る工作を開始したのか。しかしその工作は今回の摘発で大打撃を受けたことは間違いない。これも世界的な盗聴機関であるエシュロンの手柄である。デュモン容疑者が逮捕時に持っていた携帯電話から、過去の盗聴記録をリストアップすることができる。さらにエシュロンの能力が凄いのは、その際の通話内容まで録音していることである。そのように考えると捜査当局は、デュモン容疑者が日本に入国したことも、出国したことも掴んでいて、泳がせていた可能性は否定できない。また泳がせていなくとも、同様の捜査をエシュロンは逮捕後に行うことができるのである。

 私はアルカイダが日本で大規模テロを起こす可能性は低いと見ている。やはり日本ではアラブ人は目立ってしまうのだ。さらにアルカイダは宗教的な理由で、異教徒との共闘はテロの価値を下げると考えている。あくまでイスラム教徒の行う聖戦として位置づけたいのである。となるとますます日本でのテロは難しい。日本の輸出用中古車を扱うディーラーにアラブ人が多いの事実だが、すでにそのようなコミニティーには日本の治安当局の監視が行われいる。この事件で日本人がことさらアルカイダ・テロに不安を高める必要はない。

 そうそう今日は娘の学校の担任が、我が家に家庭訪問に来る日である。これから3時間ほど大掃除を行うことにした。時間がないので昼飯は近くの吉野家でぶた丼を食べようと思う。ぶた丼は初めての挑戦である。それから「地雷廃絶日本キャンペーン」に年会費の3000円を支払いに郵便局にいく。さあ、ぶた丼を楽しみに大掃除の開始である。

 「拉致」進展なら 北朝鮮にコメ25万トン 首脳会談で支援表明へ (朝日 5月17日 朝刊) 

[概要]政府は22日に行われる小泉首相と金正日総書記の首脳会談で、「拉致」問題が進展すれば北朝鮮にコメ25万トンの支援を行う方針を固めた。実現すれば00年の50万トン以来の規模となる。「拉致」が進展することは、家族8人の帰国(ジェンスキンさんは脱走兵問題で来日は微妙)の他、北朝鮮が「死亡」や「入国の事実がない」としている10人の安否の真相究明が上げられている。このコメ支援は22日の日朝首脳会談で、小泉首相が金総書記の回答を確認した上で表明する。

 (本日の昼のTVニュースは国産のコメ30万トン、医薬品など1000万ドルで合計1000億円規模と報じた)。

[コメント]今月、北京で日本の外務省高官と会談した北朝鮮関係者が、会談後に記者が成果があったと思うかとの質問に、上機嫌で「大いにあった」と語っていたのはこのことだったのか。ちなみに25万トンという量だが、北朝鮮軍の兵士100万人に一人250`を配る量になる。飢餓が伝えられる北朝鮮軍で、この食糧支援の魅了は計り知れない。まさに拉致問題をコメに変える北朝鮮の作戦が成功したことになる。そして日本政府はまた北朝鮮の独裁体制の延命を助けたことになる。

 むかしダッカの日本赤軍のハイジャック事件で、赤軍の要求に応じて収監中の囚人と身代金を差し出した事件を思い出す。特定船舶入港禁止法や海外送金停止法など、日本政府にはもともと無理な外交政策だったようだ。小泉首相もこのような裏取引で参議院選挙を乗り切りたいのだろう。なんとも日本は情けない政府を持ったものである。

 

 サマワ サドル師事務所制圧 オランダ軍 主要道路封鎖も (毎日 5月16日 朝刊)

 サドル師派抵抗続く イラク各地 英米軍反撃で多数死亡 (読売 5月16日 朝刊)

[概要]サマワにあるサドル師の事務所にオランダ軍が突入し、制圧した。事務所にいたサドル派はオランダ軍の威嚇射撃で逃走した。銃撃戦はなかった。しかし同市ではその後も爆発音が響いた。オランダ軍はサマワ市内の主要道路を封鎖し、車両規制を行っている。14日から始まったサマワでの交戦で、サドル師の民兵組織「マファディ軍」が撃った迫撃弾で、イラク人警備員1人が死亡し3人が負傷したという。14日にはムサンナ県庁知事庁舎がロケット弾で攻撃され、オランダ軍との間で1時間半以上銃撃戦が続いた。(以上 毎日)

 サドル師の民兵組織「マファディ軍」は、南部のアマラでパトロール中の英軍をロケット弾で襲撃した。この戦闘でマファディ軍の16人が死亡した。またサドル師派の拠点であるバグダッド北東部の「サドルシティー」でも米兵と交戦し、2名のマファディ軍民兵が死亡した。このとき米軍は空爆も行っている。バグダッドでは24時間以内に武装勢力の21人が死亡したと米軍報道官が語った。イラク中部のカルバラでも15日未明の交戦で、2名のマファディ軍民兵が死亡した。(以上 読売)

 

[コメント]サドル師が提示した停戦協定を米軍は拒否をした。あくまでサドル師の殺害か拘束を目指すという。またサドル師も徹底的に占領軍と戦うことを宣言した。そこで比較的安全と言われてきたサマワにも戦火が飛び火した。アメリカとしてはサドル師の抵抗勢力を徹底して鎮圧し、反米に傾くシーア派に見せつけたい狙いもあるようだ。そのため本丸のサドル師は当分は生かしておいて、その間に各地のサドル派の武装勢力(マファディ軍)を、一人でも多く殺害する作戦のようである。

 米軍はそのようなやり方しかできないが、果たしてそれでイラクは安定した国になるのだろうか。私はイラクの治安がさらに悪化していき、駐留米軍を苦しめることになると思う。先日、TVのニュース番組で、腰ダメで機関銃を撃つマファディ軍民兵を見たが、まるでアマチュア(素人)であった。その兵士は身を隠す遮蔽物を利用せず、相手(米軍)に全身をさらして撃ちまくっていた。まるで戦争映画である。そこに40ミリのりゅう弾(M−16小銃の銃身の下にある筒が発射器)が飛んできて倒された。その様子から、明らかに戦闘訓練の基本も受けていない様子だった。この程度の水準なら米軍は狙撃銃で簡単に殺せる。マファディ軍は米軍と戦える相手ではない。大人と子供の違いである。

 しかしマファディ軍もそのことを学び、訓練や実戦で戦技を高めると、米軍は今のように鳩を撃つような戦いはできない。半年もすればマファディ軍は米軍を苦しめる怖い存在に成長していくだろう。なぜアメリカはそのことに気がつかないのか。もはやこれはアメリカ軍の致命的な欠陥である。

 サマワでオランダ軍の戦死者が増えていくと、7月のイラク派遣期限を境に撤退する可能性がある。すると米軍がサマワの治安確保のために移駐することになる。そうなると自衛隊はさらにサマワから撤退しにくくなる。米軍を見捨てるような形になるからだ。しかし米軍の移駐でサマワの治安はさらに悪化する。そのあたりの対策を考えておかないと、手足を縛られた自衛隊員が窮地に陥る。

 CIA 米国人殺害はザルカウィ氏本人と認定 (NHK お昼のニュース 5月14日)

[概要]イラクで誘拐された米国人がアルカイダの下部組織を名乗るグループに殺害され、その時の処刑(斬首)を行うビデオがインターネットに流された。CIAの調査で、その犯行はアルカイダのイラク方面のリーダーであるザルカウィ氏本人が行った可能性あることがわかった。ザルカウィ氏は最も危険な人物してアメリカが1000万ドルの懸賞金をかけて追跡している。

[コメント]やはりそうかという気持ちである。すでにこのホームページで何度も指摘しているが、人質(捕虜)を残忍な方法で殺害し、その映像をインターネットで流すのはチェチェン武装勢力が行っている。そのチェチェン武装勢力とアルカイダが強い関係があることも判明している。斬首シーンをネットで流すなど、イラク人の反米組織が行えるような手口ではない。

 私は時々ザルカウィ氏の考えが読めるような気持ちになることがある。そこで次にザルカウィ氏がどこの何を狙うかと考えてみた。私はサマワのオランダ軍兵士が殺される可能性が高いと思う。ザルカウィ氏は軍事面よりも政治面や心理面を突いてくる。今、もっとも危険な立場にいるのがオランダ軍だ。

 バンコク−マカオ 往復2800円 「搭乗券やめ機内食有料」 格安進撃・エア・アジア社長に聞く (朝日 5月13日 朝刊)

[概要]マレーシアのエア・アジアは東南アジアで快進撃中の格安航空会社だ。6月に開設するバンコク−マカオ線は往復999バーツ(約2800円)だという。音楽業界から転じたトニー・フェルナンデス氏(40)は、「すべての人に空の旅を」をモットーに経営戦略を練っている。紙や印刷代が無駄と搭乗券をなくした。機体15機は整備の効率を上げるためにボーイング737−300に統一した。マイレージもなく、機内食も希望者に有料で提供するなど徹底的にコスト削減を図っている。安全性も国際基準を満たしていると語る。同社は03年7月〜12月の決算では前期の倍の12億円の利益を上げている。空港使用料が安く、航空路の両方に市場があり、3時間以内が重要な要素という。

[コメント]軍事には直接関係ないが、この会社の可能性を考えてみたい。私はこの記事を読んで沖縄を思い浮かべた。交通費2800円という値段は、私の自宅から汐留にある日テレに行くタクシー代(時間は30分程度)である。3時間でいえば新幹線で自宅から大阪に移動する時間である。

 これほど安い航空路が開設できるなら、環東シナ海という経済圏を開発できないだろうか。東シナ海の周辺にある、中国、台湾、沖縄、九州、朝鮮半島を含んだ一帯である。主要な生産活動は中国で行うにしても、沖縄はその頭脳を担えばいいのではないか。各国の最先端研究機関を沖縄に誘致して、東アジア一帯の経済開発に沖縄がアイデアや技術を提供する。さらに別の経済圏となる東南アジアや環日本海を円状にして結べばいい。

 安い空港使用料が必要なら、沖縄はただにすればいい。逆に航空会社に乗客一人につき数千円程度の報奨金を支払ってもいい。それらを支払うのは税金だが、名護市の沖合の海を埋めて、1兆円もかかる不要な海上基地を作るよりよほど経済効率がいい。今まで沖縄はあらゆる意味で米軍基地の抑圧に苦しんできた。だから米軍基地がなくなった沖縄の経済開発のために、数年間で1兆円や2兆円の税金は投入すべきである。

 沖縄再開発を日本の政治家にまかすと、公共工事や箱ものといった発想しかでてこないし、官僚にまかせれば外郭団体や天下りしか興味を示さない。だからこれはぜひとも沖縄県民主導でやってもらいたい。

 そういえば東京から沖縄まで約3時間の飛行時間である。往復2800円とは言わないが、往復9800円の航空運賃なら私は沖縄に小さな家と軽トラを買う。そして月のうち10日間ぐらいは沖縄で本を書いたり、ヨットに乗ったり、魚を釣ってすごしたい。もちろん泡盛や沖縄料理も楽しみたい。沖縄で楽しみたいことは山ほどある。

 また韓国(朝鮮半島)や中国からも航空運賃が100ドル以下で往復できるなら、軍事と平和を考える研究所を作って、沖縄を拠点にいろいろな人と交流してみたい。ああ、想像しただけで心が浮き浮きしてくる。

 これは私の幼稚な夢だろうか。私はこのようなことが可能な時代が、すぐ目の前にきていると信じている。

 オランダ 兵士死亡 軍駐留、見直し必至 与野党対立深まる (毎日 5月12日 朝刊)

[概要]10日、サマワで襲撃されて死亡したオランダ軍兵士のことで、オランダ政府が軍の駐留を見直すことが必至の情勢になった。オランダでは国民の67lが「攻撃があった場合は即座に撤退すべきだ」と判断している。そのため7月に駐留期限が切れる延長問題で、与野党の対立がさらに深まっている。また国民の59lが、「現状(治安悪化)が続く限り撤退すべき」と答えている。

[コメント]先日のオランダ軍兵士死亡事件を受けて、オランダ国内の様子を知りたいと思っていたらこの記事が出た。本日の朝日新聞によれば、襲撃事件は午後10時前に、2人乗りのオートバイが橋を警備するオランダ軍に、すれ違いざまに手榴弾2発を投げたという。もし手榴弾が警備の車両内に飛び込めば、それを爆発前に車外に放り出すことは難しい。このような大胆な攻撃方法が行えるなら、建物や地形に隠れて狙撃することは容易である。

 もしサマワでさらにオランダ軍に戦死者が出るとどうなるのか。オランダ軍は7月に駐留期限が切れることを襲撃した犯人たちは知っていたと思う。そうなれば今から6月までの期間が、オランダ政府に最も政治的な影響を与えることができる時期である。サマワのオランダ軍への襲撃はさらに続くと考えるべきである。

 もうイラク全土はゲリラたちが勝手放題にできる状況になりつつある。そこでアメリカに住んでいる人たちに質問したい。ブッシュ大統領がイラク情勢の悪化で、もし徴兵制を復活させると言えば米国民は支持するのかという質問である。私は米国内に徴兵反対運動が起きて、ブッシュ政権の致命的な政策になると思うのだが、そのことを米国民はどのような雰囲気でとらえるか知りたいと思います。

 アメリカ国民は徴兵制を復活させても、イラクへの米軍駐留(長期・拡大)が必要と思っているのか。それとも徴兵制を復活させるより、イラクの駐留米軍の役割を国連軍(仏、独、露、中など)に肩代わりさせるかという点です。個人的な意見で結構ですので、もしなにかアドバイスがあればメールをください。

 

 サマワ市内の検問所で爆発 オランダ軍兵士、1名死亡、1名重傷 (NHK昼のニュース 5月11日)

[概要]昨日、サマワに駐屯するオランダ軍が市内の検問所で、何者かがオートバイで近づき手投げ弾らしきものを投げた。その2発が爆発して、オランダ軍兵士のうち1名が死亡し、1名が重傷を負った。オランダ軍から戦死者がでたのは初めて。現場はサマワ市内中心部の橋で、自衛隊宿営地から7`離れている。犯人は銃撃戦のあと逃走した。

[コメント]サマワ市内の中心部にある橋だった。サマワ市内の警戒厳重なオランダ軍の検問所に、手榴弾を投げつけるという大胆な攻撃である。今までのように夜陰に紛れて宿営地やサマワ市内にロケット弾や迫撃弾を撃ち込むのとは訳が違う。もちろんこれはアルカイダの手口ではない。これはシーア派サドル氏の民兵が行ったことと容易に推測できる。この攻撃の手口は、手榴弾の攻撃で検問所のオランダ軍を挑発し、逃走するバイクを追跡してきたオランダ軍の装甲車をRPG−7ロケット弾で待ち伏せるタイプである。だからオランダ軍は逃げていくバイクを深追いできないのだ。シーア派の反米武装勢力と戦うということは、このような戦闘を行うことなのである。サマワ市内でテロが起きたこと、オランダ軍に初の戦死者がでたことで、サマワの情勢は一気に緊張してきた。

 まだ自衛隊が攻撃を受けないのは、まさに奇跡的といっていいだろう。あえて想像して理由を挙げれば、日本に対してイラク人が好感を持っているからというしかない。今まで日本人は中東の国々に、そのように好感を与えるような接し方をしてきた。それは日本に石油がないからである。日本が発展するためには中東の石油に依存するしかなかった。そこで日本人は今までアラブの国に好感を持ってもらうように接してきた。その長年の成果が、サマワの自衛隊に攻撃が行われないという奇跡を起こしている。小泉さんにはそのあたりの事情が日本にあることを理解して欲しかった。

 あくまで日本はサマワの自衛隊員から戦死者が出るまで、サマワから自衛隊の撤退ができないのだろうか。それならサマワで自衛隊員の犠牲が出たなら、ブッシュ大統領に対する小泉さんの人身御供である。軍隊を戦場に派遣するとは、そのような犠牲(損害)を正当化することなのである。

 イラク人虐待問題 米元現場将校語る 陸軍情報部が方法伝授 アブグレイド以外でも 組織的関与裏付け(読売 5月10日 朝刊)

[概要]イラク人拘留者の虐待事件の舞台となったアブグレイド刑務所で、今年2月まで同刑務所の憲兵大隊に配属されたシェリンダン予備役少佐は、「個人体験に基づく部分のみ」として読売新聞記者のインタビューに答えた。虐待は他の刑務所でも行われ、収監者に向かって看守が排尿するとか、深夜(午前2時)にヘリが刑務所に飛来して拘留者を眠らせないなど、「睡眠の剥奪」「食事の管理」などの拷問方法を陸軍情報部が持ち込んだと語った。「中東での尋問と拷問に詳しい軍情報部員ら」は、この方法でやると1週間で骨抜きにできると憲兵隊員らにアドバイスをしていた。若い憲兵はそそのかせれて実行した。その結果に情報部員は満足していた。内部告発は1月13日にCID(軍犯罪捜査局)に手紙と写真入りCDが届けられた。

[コメント]拷問とは殴る蹴るの暴行や、逆さに吊して水につけるなどと想像している人は過去の人である。報復のために苦痛を与えるのが目的なら古い拷問もあるが、情報を得るための拷問は精神的な恐怖心や自尊心がターゲットになる。すなわち心理学のテクニックを使って精神的に追いつめていくのである。

 相手が心に秘密の箱を持ち、その箱に自尊心や忠誠心のカギがかかっている。そのカギを開ける方法が軍の尋問方法である。これが先進国の警察なら、「あなたには黙秘権がある・・・・」と告げ、人権に配慮した尋問が行われる。警察官が行う尋問は裁判のための証拠や自供を得ることだ。しかし軍隊式の尋問は明らかに違う。自分たちが有利に戦うために相手の秘密情報を収集することである。敵に殺されないために、敵から敵を殺す情報を得るのである。人権は二の次になる。良くても、ぎりぎりジュネーブ条約に違反しなければいいと考える。だから証拠を残さなければいいと虐待を正当化する傾向がある。

 頭に袋をかぶせるのは心理的な恐怖心の効果を高めるためである。視覚を奪われることで心理効果は数百倍に高まる。また自尊心を破壊することで心のカギを打ち砕くことができる。(ここで具体的に書くことは控える。アブグレイド刑務所で起きたことを参照して欲しい)

 アブグレイド刑務所で虐待や拷問を行ったものは、日常から性的に異常なものではなく、あくまで軍の特殊な尋問方法をレクチャーされただけの兵士なのである。しかしその効果に驚き、収集した情報を示して情報部員の満足な顔に喜び、さらに使命感を高まらせている普通の兵士の姿である。そのようなテクニックを持っているは情報部員だけではない。敵陣で行動することの多い特殊部隊の隊員はそのような特殊な尋問方法を身につけている。しかも証拠を残さない方法もレクチャーされている。

 今回のイラク人拘束者への虐待や拷問は、まだまだ多くの事実が明らかにされると思う。そして軍隊が行う秘密の尋問方法が明らかになるだろう。

 CIA分析 「ビンラディンの肉声」 「邦人殺害に金500グラム(70万円相当)の報酬」 本物 (読売 5月8日 朝刊)

[概要]アルカイダの指導者ビンラディンの肉声がイスラム系のウエッブサイトで流された。それによると連合暫定当局のブレマー行政官や国連アナン事務総長の殺害した者に、報酬として金10`(1400万円相当)を支払うと述べた。またイラクに自衛隊を送っている日本やイタリアなどの親米同盟国の国民殺害にも金50グラムを支払うという。さらに米英人殺害の報酬は金1`としている。この声を分析したCIAは「肉声はおそらく本物」と分析した。

[コメント]この手を使われると、貧しいイスラム教徒の中には本気で米英人や日本人、イタリア人の殺害を企てるものが出てくるのは必至である。アラブ世界で70万円という金額は、家を建てて子供を学校に通わせることができるし、食料品店や衣料などの雑貨店を開業できる資金にすることができる。

 この声明で不気味なのは、対象を軍関係者に限定していないことである。復興支援活動に取り組んでいる企業関係者や、民間NGO関係者も該当することになる。さらにイラク報道に関わるジャーナリストにも及んでくる。だから、この声明の狙いは軍関係者よりも民間人をイラクから排除する効果を期待している。

 この声明が出るまでは、私はまだイラクで取材できるチャンスがあると思っていた。しかしこの声明が本物ならイラクに入ることは非常に危険になった。もし取材でイラクにいる私を殺せば、日本製カメラなどの取材機材と、報奨金の金50グラムを両手にできるからだ。政治的な理由以外で狙われることになる。これは非常に危険である。

 アメリカはアフガンやイラクで懸賞金を出して、旧政権の指導者を探し出すキャンペーンを展開した。こんどはアルカイダがそれを逆手にとって、親米国の民間人まで殺害報奨金をだすキャンペーンを開始した。懸賞金戦争、そんな新しい戦争の形態が始まったのだろうか。

 イラク人虐待事件 米大統領が米国務長官叱責 辞任の可能性も (毎日 5月7日 朝刊) 

[概要]ブッシュ大統領はイラク人拘束者虐待事件で、報告が不十分だとしてラムズフェルド国防長官を叱責した。政府高官の証言として、米国の主要メディアが一斉にこう報じた。さらに共和党の議会関係者の話として、辞任に追い込まれる可能性があると報じた。この政府高官の情報リークはブッシュ大統領の承認を受けているという。国防長官が大統領に叱責されたと報道されたのは初めて。イラク人拘束者虐待に関する報告はすでに1月にあった。そこで国防省の調査が行われ、その報告書が3月に国防長官に提出された。しかしラムズフェルド長官は大統領にこれを報告していない可能性がでてきた。

 この事件発覚で、ブッシュ大統領は大統領選挙に大きなダメージを受けてしまった。そこでラムズフェルド国防長官を「切る」ことで打開をはかる選択肢が検討されている模様。ラムズフェルド国防長官は7日に軍事上院委員会の公聴会(非公開)で説明する。激しし追求を受けるのは必至である。

[コメント]私はラムズフェルド国防長官の辞任は避けられないと思う。今もイラクに13万5千人の米兵を派遣し、イラクを独裁者の圧政から解放したはずの米軍で、イラク人拘束者に拷問や殺人や虐待が行われていた。これほど米国の信頼を低下させる出来事はない。ブッシュ大統領も再選を考えれば、これが大きな問題に発展する前に。必ずラムズフェルド長官を切ると決断しなければならない。それにしてもアラブ人社会に米兵の拘束者虐待の事実が与えた衝撃は計り知れない。同時にこれでイラク戦争も新たな事態に突入すると感じた。これからは米軍の残忍な占領統治に対して、愛国的(イスラム的)な反米戦争の開始になるからだ。この事件をきっかけに今までの一部勢力の抵抗から、イラクの国民的な抵抗に拡大していくだろう。

 よくよく考えれば、これこそがアルカイダの戦略だった。イラクに米軍を深く誘い込み、テロを仕掛けてイラク国民と米軍とのゲリラ戦争に拡大する。そしてハイテクされた米軍を各地でハイテクが効かないゲリラ戦法で撃破するのだ。そしてラムズフェルド国防長官が辞任すれば、アメリカ軍のイラク戦略は敗北したことになる。昨年のイラク戦争開戦前、パウエル長官が圧倒的優勢な兵力でイラク攻略を進言した。しかしラムズフェルド長官は4〜5万人程度の特殊部隊でイラク戦争は可能と主張していた。国連無視もラムズフェルド長官がリードした。その国連にアメリカはイラク復興を託そうとしている。要するにラムズフェルド長官はイラクをなめきっていたからこんな事態を招いたのだ。アメリカ国民もラムズフェルド戦略の失敗を許さないだろう。ラムズフェルド国防長官の辞任は不可避である。

 北朝鮮の列車爆発 シリア人技術者乗車 直後に残存物を防護服で回収 軍事物資を輸送中? (産経 5月7日 朝刊)

[概要]先月27日に竜川駅で起きた列車爆発事故で、朝鮮半島に詳しい軍事情報筋によれば、この列車にシリア人技術者が大きな機器と共に乗り込んだ一角が、最も被害が大きかったことがわかった。このため爆発した列車は、極秘裏にシリアと北朝鮮の間で軍事物資の輸送を行っていた可能性が高い。事故直後には防護服を着た北朝鮮の軍関係者が到着し、シリア人が乗っていた一角の残存物だけを回収したという。その後に到着したシリアや北朝鮮の医師や軍関係者も同様に防護服を着用していた。(以上、1面)

 北朝鮮では今年3月から弾道ミサイルの燃焼実験を準備しており、米韓両国は第3回6各国協議を前に、「対米交渉力を高め、米国を牽制するため」と見て警戒監視を強化している。(以上、6面)

[コメント]北朝鮮の弾道ミサイル発射実験は凍結されているが、地上でのミサイル燃料・燃焼実験は禁止されていない。しかし燃焼実験でも詳細に分析すれば、弾道ミサイルがどの程度の射程が得られたか分析は可能である。そこで北朝鮮はアメリカ(グアム、ハワイ、アラスカなど)に到達する燃焼実験を行う予定のようだ。すべの対米カードを失った北朝鮮にとって、このミサイル燃焼実験は最後のカードとも言える手段だった。それにしても、まあ、よく次から次に考えつくものである。ない袖は振れぬと言うが、北朝鮮はそのない袖までも振って見せてくれる。

 またシリア人が列車で何を運んでいたかといえば、それはシリアから引き揚げた弾道ミサイルの液体燃料ではなかと思う。今までにシリアは北朝鮮からスカッドC(ノドンクラス)を密かに買っていた。今、そのシリアはアメリカの厳重な監視下にある。もしシリアが大量破壊兵器(弾道ミサイル)を保有することは、アメリカに軍事攻撃の口実を与える危険性がある。そこでシリアは保有している弾道ミサイルを破棄することに決めたのだ。そこで貯蔵していた液体燃料を北朝鮮に返送してきたのではないかと推測される。ミサイルの液体燃料は猛毒な化学物質である。そこで爆発事故直後に現場にかけつけた軍関係者は防護服を着用していた。

 これを化学兵器(毒ガス)と結びつけるには無理がある。化学兵器なら数十日間は現場に入ることも近づくこともできない。これで爆発したのは硝酸アンモニューム(硝安)というより、弾道ミサイルの液体燃料という有力な説が浮上してきた。

 本日は新聞の休刊日です。(5月6日)

[コメント]長かった連休もアッという間に終わってしまいました。今年は天候が悪く、寒さや強風や雨の連休になったようです。そのためヨットでのクルージングを中断して帰港し、連休後半は家で過ごしました。その間に、テレビで米兵のイラク人虐待のニュースを繰り返し見ました。これでイラクの駐留米軍は大きな打撃を受けたと思います。特にイスラム教徒に与えた悪のイメージは致命的と思います。

 なぜこのようなことが起きたのでしょうか。ここでまず考えることは米軍はイラクでゲリラ戦を戦っているということが重要です。対ゲリラ戦なら最も重要な情報は、地区の戦闘で指揮を取っているのは誰かということと、武器や弾薬をどこに隠しているかという2つの情報です。このことはイラク人ならゲリラや市民の区別なく知り得る情報です。ということで一般の人を含めて2つの情報を得るために強制的に連行してきます。

 次に尋問の方法を兵士に教えます。方法のひとつは相手に恐怖心を与えることです。頭から袋をかぶせるのは、真っ暗で恐怖心を高めために使います。こちらの顔を見させないためではありません。次ぎに自尊心を打ち砕きます。秘密を守ろうとする自尊心を喪失させるのです。裸にしたり性的な暴行を加えるのはそのためです。殴る蹴るの暴行よりも、こういった尋問方法が効果があります。

 体に電流を流すのは、その電圧よりも視覚を奪ったことで効果が倍増します。そのような尋問方法はCIAや軍の情報部が現場の兵士に教えたと思います。それを兵士が囚人に試すことで、意外なほど簡単に情報が取れるので、現場の兵士たちは驚いたと思います。ですから現場の兵士には罪悪感などないのです。むしろ情報収集に貢献していると自己満足を感じていたと思います。だから自慢げに虐待の写真を撮ったり配ったりします。

 このように虐殺を行った兵士は特別に凶暴な性格とか、サデスチックな性癖の持ち主ではなく、ごくごく普通の兵士なのです。

 軍事情報を得るための特別な尋問の方法は戦場のみで許される極限の方法です。このようなことが刑務所で行われたのは米軍が追いつめられた確かな証拠になります。