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New Files APR  2004

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タイトル 本     文
 タイトル メディア 日付           この情報の最も新しい更新日は5月3日です。  

 天候悪化のため、クルージングを中止して帰港しました。(5月4日)

 5月1日午前9時半にマリーナを出発して3時には保田港(千葉県)の入港しました。しかし夜半から強風が吹き始め、急に気温が低下して初冬のような寒さになりました。さらに連休後半は荒天が予測されるので、クルージングの予定を変更してマリーナに帰港しました。

 本日は夜中から強風が吹いています。天気予報ではこれから海上で30メートル/Sの風が吹くと報じています。ヨットでは非常に危険な環境になります。ベテランでも苦しいクルージングになります。早めに帰港してよかったと思います。

 せっかくの機会なので、明日まで更新は休止してゆっくりします。

 更新休止のお知らせ!  

 5月1日(土)から5月4日(火)まで、ヨット・クルージングのため更新を休止します。5月5日(水)は予備日にしています。今年は長めに休みの期間をとって、大島や伊豆半島をまわってくる予定です。皆さんも楽しいゴールデンウィークをお過ごしください。

 仕事関係の方へ・・・・・・ヨットには携帯電話を持参しています。緊急の用事の場合は携帯に連絡してください。た大きな事件が発生すれば、最寄りの駅から電車で自宅に帰宅します。昨年は5月1日に、日本人カメラマンがアンマンの空港で不発弾を爆発させています。数年前のゴールデンウィークには、九州の西鉄バスが少年にバス・ジャックされる事件が起きています。ゴールデンウィークでも気が抜けないようです。でも何もないことを祈っています。久しぶりの休暇のような気がします。

 CNNなど調査 駐留米軍への攻撃 イラク人52l「肯定」 (朝日 4月30日 朝刊)  

[要約]米CNN、USAトゥデー、ギャラップ社の共同世論調査で、イラク駐留米軍に対する攻撃を、イラク人の52lが「正当化できる」と肯定的に考えていることがわかった。「正当化できない」は47lにとどまった。さらに米軍は戦闘の際、イラクの一般市民の被害を防ごうとしていないと批判する人が67lの上り、57lが米英軍の即時撤退を要求した。また71lが米軍を「占領軍」として認識し、「解放者」と評価するのは19lに過ぎなかった。この調査は3月22日から4月9日までイラク全土で成人3444人に面接調査で行われた。1年前のイラク戦争開戦直後には、43lが米軍を「解放者」として答えており、子の1年間で米軍の評価が下がったことを示した。

[コメント]この数字はイラク全土の現状を正しく示していると思う。だがバグダッドなどの都市部やスンニ派のトライアングル、シーア派(サドル氏のグループなど)の反米軍活動が高まってきた南部では、これがさらに米軍に対して厳しい数字になると思う。また月日の経過で、イラク国民のフセイン時代の嫌な思い出が薄くなるにつれ、駐留米軍を「解放者」として見る目も少なくなるだろう。

 さらに知っておく必要があるのは、米軍は戦闘時に無関係のイラク市民の犠牲を防ぐように指導していないことである。米軍のROE(交戦規定)では、「もし敵が市民を影にして攻撃を仕掛けて来た場合、この市民を誤射しても許される」と書いてある。すなわち人間の楯に隠れるゲリラを銃撃すために市民を撃つことは、対ゲリラ戦の常道であるからだ。

 意外かも知れないが、これは朝鮮戦争で大問題になったテーマである。当時、北朝鮮軍は米軍が障害物と地雷で固める陣地に、難民の女性や子供を前面に歩かせ迫ってきた。もし難民が逃げ出せば、背後の北朝鮮軍は容赦なく難民を撃ち殺した。もしここで米軍の指揮官や兵士が難民への銃撃をためらえば、北朝鮮軍は地雷や障害物を容易に乗り越えて米軍陣地を攻撃してきた。そこで米軍のROEにはこのような場合は、迫り来る難民の女性や子供を撃てと書かれている。もしそのことを禁じれば、対ゲリラ戦を戦う米兵が敗北することになる。だから米軍は一般のイラク市民の被害を防ごうとはしていなのだ。これは決して異常のことではない。通常では考えられない厳しい戦争の掟である。

 しかしこのような軍の論理は、イラク市民に米軍が無差別に攻撃を仕掛けてくると見えるだろう。これが難しいのである。そのような戦地に日本は自衛隊を送り出したのである。

 さてこの世論調査だが、これで小泉さんが、「イラク国民の大部分は米軍を解放者と認識し、米軍に撤退してもらったら困ると考えている」という話は通じなくなった。これまた小泉政権の大誤算である。昨日、サマワの自衛隊宿営地付近に2発の砲弾が着弾した。

 今後、イラク駐留米軍に対するイラク国民のさらなる感情悪化と、間もなく自衛隊・宿営地が砲撃されることは間違いのないのである。ゴールデン・ウィークを使って石破防衛庁長官のサマワ訪問は治安悪化を理由に中止された。防衛庁長官たる者、一度決めたら治安の悪化などを中止の理由に挙げるべきではない。その気になれば航空自衛隊のU−4多用途支援機(乗員2名 輸送可能人員19名 航続距離6575`)が使える。たまには直撃砲撃の恐怖に怯え、銃弾が飛び交う下を歩いてこい。それが自衛隊員を戦地に送った防衛庁長官の責務である。

 イラク 4月 米軍の死者115人に ”戦時中”と並ぶ (読売 4月28日 朝刊)

[要約]昨日(27日)、バグダッド北東部のサドルシティーの近くをパトロール中の米兵が襲撃され、1名が死亡した。これで4月に戦死した数は115人となり、昨年のイラク戦争(大規模戦闘期間中)で死亡した米兵の数と同じになった。4月の戦死者の数は、過去最高だった昨年11月の82人を大きく上回り、最悪の記録を更新しつつある。

[コメント]昨年、ブッシュ大統領がイラクの大規模戦終結宣言(5月1日)したとき、これからイラクがベトナム戦争化し、毎月、米兵の戦死者の数が公表されることになると書いた。残念ながらその予測は的中した。この戦死者数もここ数日以内に、ファルージャで本格戦闘が再開したり、ナジャフでサドル師の民兵と全面戦闘が開始されれば、さらに数を増やすことになる。また同時にイラク人の側にも数十倍の戦死者が出ていることを忘れてはいけない。すなわちこれ以上の戦闘は相互に憎しみの連鎖を高め、さらに治安や事態が悪化することになる。

 イラクの米軍は軍の論理で動いている。軍の論理とは敵対する者を武力で制圧することである。すなわち相手が降伏しない限り、軍事制圧以外はできないのである。逆にイラクの反米武装勢力は、米軍による反占領闘争的な色合いを深めている。もはや旧フセイン勢力の逆襲とはいえなくなった。これはフセインを拘束した米軍にとって誤算だった。フセイン大統領を拘束しても、イラクの反米抵抗は沈静化しないからである。

 今週のニューズ・ウィーク誌にイラク駐留米軍は1800両の装甲車両が不足していると米国防省の見解が書かれている。この数字こそアメリカの誤算を如実に示している。米軍は戦場以外で装甲車が必要と予測していなかったのだ。宿営地から戦場まではトラックやハマーで移動し、戦場に着いてから装甲車を使う計画であった。しかしイラクでは非装甲の車両で移動中に仕掛け爆弾や狙撃で襲撃を受ける事件が多発している。イラク各地がゲリラ戦(ベトナム化)するとは予測していなかった。これを誤算と言わないブッシュ政権は非常に危険である。

 昨日はシーア派の聖地ナジャフ近郊で、スペイン軍に代わり市内進駐を図る米軍と、サドル氏の民兵組織と激戦があった。イラク側に64人の死者が出たようだ。この攻撃には米軍のAC−130攻撃機が使われた。上空から地上の一点に次々と105ミリ砲で砲撃を加える。また連装の40ミリ機関砲で砲弾の雨を降らすこともできる。決してサドル氏の民兵レベルでは反撃ができない兵器である。そこでイラク南部でゲリラ戦が発生するのだ。ナジャフの後方で移動中の米兵に自爆テロや仕掛け爆弾が襲う。非常に簡単な計算である。これから米兵の死者はさらに増えることは間違いない。

 北朝鮮列車爆発 現地視察したWFP責任者 「病院の子供、悲劇的」 現場にバス4台入る穴 (毎日 4月27日 朝刊)

[要約]北朝鮮の竜川駅で起きた列車爆発事故で、世界食糧計画(WFP)のアジア地区責任者のトニー・バンバリー氏が現地を視察した。爆発現場は本線から100メートル離れた引き込み線で、バス4台が入れるほどの大きな穴(クレーター)が開いていたという。半径300メートル以内の建物は全壊していた。「負傷者が収容された病院は、患者の6割が子供で、顔面の傷から感染症の危険がある。しかし抗生物質や消毒薬がなく、清潔なカーゼやシーツもない状態で、重傷者が助かるチャンスは極めて少ないだろう」と話した。

 また爆発した火薬は、産業技術総研爆発安全研究センターの中山良男チーム長が、「硝酸アンモニウムは硝安と呼ばれる化学肥料で、仮に貨車に20トン積まれ、周囲を炎であおられるとTNT火薬10トン程度の爆発力がある」と話した。

[コメント]全壊は半径300メートルでも、爆風の被害は半径2000メートルに及んだという。この中山氏の分析を基にして、ここで爆発の様相を再現してみよう。

 まず化学肥料の硝安(硝酸アンモニウム)を満載(20トン)した貨物列車が、竜川駅の本線から100メートル離れた引っ込み線に停まっていた。そこに北京から帰る金正日が乗った特別列車が通過し、停電だった付近の電線に送電が再開された。そのとき線路上の送電線がたるんで化学肥料(硝安)を積んだ貨車に接触した。その漏電で貨車の一部が激しく燃え始めた。そして積んであった硝安が火に熱せられて過熱されたのだ。そこで貨車の大爆発が発生した。

 ベトナム戦争時にジャングルで瞬時に臨時のヘリポートを作るために開発された大型爆弾(ディジーカッター)が推定でTNT火薬6トンの爆発力があった。むろんこれは通常兵器では最大の爆発力である。91年の湾岸戦争ではイラク軍の防衛陣地にディジーカッターが投下されると、そのキノコ雲を見たイラク兵は米軍が核兵器が使ったと驚いたほどの爆発力であった。今回は推定だが10トン以上の穴が地面に開いた。すなわち通常爆弾では最大のディジーカッターより爆発力は大きかったことになる。竜川駅のキノコ雲は中国領からも見えたという。

 感染症を防ぐ抗生物質や消毒剤は、できるだけ早く患者に使わなくてはいけない。陸路がだめなら海上を大型輸送ヘリで運ぶ方法もある。北朝鮮の独裁体制と付き合っていては、間に合う物も間に合わない。あくまで北朝鮮当局が文句を言うなら、中国の丹東に救援物資を運ぶ方法もある。

 竜川駅は中国に近く中国の携帯電話が使えた。それでこの爆発事故は国際的に報じられることができた。もしこの爆発事故が携帯電話の使えない内陸部の駅で起きたら、北朝鮮政府は負傷者を見殺しにしたと思う。そう思うと怒りがますます高まってきた。

 北朝鮮 爆発事故 死者161人 北朝鮮へ支援本格化 中国から食糧到着 (朝日 4月26日 朝刊)

[要約]北朝鮮の竜川駅で起きた列車爆発事故で、国際赤十字の北京駐在事務所は死者が161人に達したと発表した。また中朝国境の丹東では、食糧やテント、毛布などの救援物資を積んだトラック10台が新義州に到着した。さらに救急車2台と医薬品を積んだ車1台も、中国から北朝鮮に入ったことがわかった。しかし北朝鮮側から中国に負傷者が運ばれてくることはない。

[コメント]昨日、ある情報で爆発規模は小型核兵器並みの28`トンと聞いた。広島型原爆が18`トンだからまさに核兵器並みの爆発力である。しかし情報では爆発物は2転3転している。最初はLPガスとガソリンを積んだ貨物列車が衝突したから、肥料の硝酸アンモニウムを積んだ貨物車が電線に触れて爆発した。さらに一部では工業用のダイナマイトを積んだ貨車が爆発になっている。爆発現場に残る巨大な爆発孔から、28000トン(28`トン)の爆薬が爆発した可能性もあるという具合である。

 北朝鮮の支配体制に与える影響も大きくなると思う。爆発現場は9時間前に金正日が乗った特別列車が通過している。まだこれが偶然か、意図的か判断できないが、北朝鮮で金正日に不満を持っている者は、これを意図的だと判断するだろう。そのことが支配体制を揺るがすことになると思う。この事件はもうひとつの側面もある。それは救援に駆けつけた外国人が、北朝鮮の地方都市を詳細に見ることができる。数年前、国境の街である新義州に入った中国人記者が、疲弊した北朝鮮市民の姿をレポートしている。そこに住む人の靴は布靴で、市内の中心部も閑散としていたと報じている。すでに多くの市民が食糧を求めて都市から農村に逃げ出したか、あるいは餓死して死に絶えたようだと書いていた。

 まだこの爆発事故の正確な情報が不足している。ことによってはテロ説が浮上してくる可能性もある。北朝鮮で核爆弾並みの火薬を調達することのできるものは軍関係者である可能性が高い。さらにこの事件の続報に注目している。

 サマワ オランダ軍標的 政府に警戒感 薄氷の「非戦闘地域」 オランダ軍に2発の着弾確認(うち1発が宿営地内)

(毎日 4月23日 朝刊)

[要約]サマワに駐屯するオランダ軍で2発の迫撃砲弾の着弾が確認された。その内の1発が宿営地内に撃ち込まれていた。日本政府はこの事態に緊張している。もしオランダ軍と武装勢力が戦闘になれば、サマワは非戦闘地域という自衛隊派遣の前提が崩れるからだ。防衛庁の守屋事務次官も、「サマワの治安は他の地域と比較すれば安定しているが、テロが発生する可能性は否定できない」と現状を説明した。

[コメント]この砲撃を日本はどのように受け止めるか。私は迫撃砲が発射された地点に注目する。自衛隊とオランダ軍は7`の距離で宿営地を設営している。もし発射地点がこの中間なら、それは自衛隊に対しても強い警告の意味が含まれる。右を撃てばオランダ軍、左を撃てば自衛隊という構図ができるからである。それとは逆にオランダ軍は撃てるが、自衛隊は射程外ならば弱い警告として考えていいと思う。先週の自衛隊を狙った砲弾は、そのうちの1発が発煙弾だったという。これこそ明確な警告で、ゲリラ側は自衛隊宿営地を攻撃能力があることを示している。もう日本政府はサマワから撤退することは、日本がテロに屈したことになると言わない方がいい。日本はテロの攻撃とは関係なく、イラク特措法で自衛隊をイラクに派遣している。その法律には明確に自衛隊が活動するのは非戦闘地域であると書いてある。いくらそんな法律はいい加減すぎると指摘しても、錦の御旗のように掲げて成立させた法律である。そして自衛隊がサマワに派遣された。

 これからはイラク特措法を成立させた政府の責任と、政府の軍事無知が問われる事態が必ず来る。もうサマワから自衛隊を撤退すれば、テロに屈したことになると言わないほうがいい状況になってきた。

 日本は政府は戦争の厳しい現実を学び、日本流のあいまいな論理が通用しない世界があることを知るべきである。

 中朝首脳 6カ国協議 推進合意 中国側 食糧、重油を無償援助 (産経 4月22日 朝刊) 

[要約]19日から21日まで中国を訪問していた北朝鮮の金正日総書記は、胡錦涛総書記(国家主席)との会談で、北朝鮮の核問題を協議する6カ国協議を推進し、「朝鮮半島の非核兵器化目標を堅持する基本的な立場に変化はない」ことを表明した。また中国は北朝鮮に食糧や重油の無償援助を北朝鮮に約束した。また温家宝首相は北朝鮮の開放政策を中国企業が後押しをさせる用意があることを表明しした。今回の中朝首脳会談で、北朝鮮が非核に向けた動きを見せたと評価する反面、「中国に核カードを切ったことで食糧や燃料を手に入れた」と核カードの有効性を高めたとする見方がある。

[コメント]食糧や燃料が欲しければ北京に来て頭を下げろ。中国首脳の恫喝に金正日がしぶしぶ従って訪中した。しかし北京で核兵器放棄を表明したら、意外にも熱烈歓待されて驚いた。それで気分良く平壌に帰っていった。そんな気がした金正日の訪中劇だった。これが中国外交の技である。北朝鮮が深刻な食糧難、燃料難であることは誰でも知っている。また北朝鮮が最も頼りにできるのは中国であることもわかっている。しかし北朝鮮は核カードを握ったまま、6カ国協議に背を向け始めてきた。中国は6カ国協議で影響力を誇示したいのに、北朝鮮は中国にまで背を向けたのである。そこで中国の恫喝である。

 しかし中国は北朝鮮が「背に腹は変えれない」状態まで待った。その時こそが最も恫喝が効きやすい時期だからだ。そしてその時期が来て金正日は訪朝を行った。毎年5月から7月まで北朝鮮は最も厳しい季節を迎える。昨年秋に収穫した穀物などの保存食料が無くなる季節を迎えるからである。普通ならわがままな金正日を中国は冷遇するところだ。しかし中国の老獪な外交術は金正日を歓待した。金正日は緊急処置として中国から無償援助を勝ち取った。中国は北朝鮮の6カ国協議へのプロセス推進と非核化表明で、自国の影響力の大きさを世界に示すことができたのである。

 そのように持ち直してきた様にも見える中朝関係だが、私は本質的な部分で関係改善は行われていないと思う。中国は今も北朝鮮の自然死を待っている。その証拠が温家宝首相の、「開放政策のススメ」発言である。北朝鮮の独裁体制が開放に耐えられないことを承知で発言している。ある意味では、金正日の側近たちにクーデターのススメを説いているようにも思える。まさに中国の老獪な外交術であった。

 武装グループ 3人に演技強要 ビデオ映像で (毎日 4月21日 朝刊)

[要約]イラクで人質になった日本人3人が、武装集団が撮影したビデオ映像中に、ナイフが突きつけられる場面は武装集団の演出だったことがわかった。この3人も日本の捜査当局に認めている。テレビでは放映されなかった部分で、武装集団が3人にナイフや銃で脅すシーンの事前に演技をつけていたという。武装手段は3人に「恐怖で泣いているように」とか、「怖がっているように」と注文したという。

[コメント]自慢するわけではないが、そんなことは人質事件を扱うものには常識である。私は演技指導の部分は見ていないが、ナイフや銃で脅かされるシーンは早い段階で見ていた。TVでその解説を求められたとき、「これは演技です。殺す気なら手荒く扱って、顔や腕に傷かあります。服も破れ、汚れやボタンが飛んでいます。それがありません。人質事件のビデオにはこのような怖いシーンがあることは普通です。芝居でも強要したのでしょう」と答えていた。人質事件は心理戦なのである。犯行ビデオの演技に惑わされてはいけない。

 昔、フィリピンで日本の商社マンの若王子さんが誘拐されたとき、犯人から右手の薬指が切断された写真が届いた。日本ではこの写真を巡って騒然とした騒ぎになった。犯人たちが若王子さんに残忍な扱いをしていると。しかしその写真は犯人が若王子さんに指を曲げさせ、さも指を切断したように写真をとったのだ。そこで捜査当局はその写真を整形外科医に見せて、本当に指を切断し写真なんか鑑定してもらった。しかし整形外科医には正確に鑑定はでなかった。私は犯人が写真に切断した指を添えていなかったので、これはやらせと判断した。あとで解放されたとき、フィリピンのアキノ大統領と面談した際、「指はありますか?」という質問に、若王子さんは「あります」といって笑いながら広げた手を見せていた。笑い話なのである。

 もし将来、私が誘拐されて脅されるシーンが写っていたら、それは演技と断定してもらってかまわない。それが人質事件の常識なのである。人質は殺すための人質と、生かすための人質がある。日本も国際的な人質事件が多発する時代になれば、そのような人質事件に関す知識を積み重ねる必要がある。

 この件で3人が非難されるべきことは何もない。

 スペイン イラク早期撤退で外相が20日訪米 軍事以外の貢献検討 (読売 4月20日 朝刊)

[要約]イラクからの早期撤退を表明したスペインのサパテロ新首相は、このままではイラクに何も解決がもたらせないことを理由にあげた。この撤退表明でスペイン政府は外相をアメリカに派遣し、パウエル国務長官らと会談して、イラクの警察官養成などの非軍事活動で再建計画に協力すると思われる。ブッシュ大統領はサパテロ首相と電話会談を行い、「テロリストやイラクの自由を脅かす敵に間違ったメッセージを与える。唐突だ」と忠告した。これに対し、米国の民主党・大統領候補のケリー氏は、NBCテレビで、「仰天するほどの無能ぶり」と決めつけた。米国はスペインがイラクから姿を消せば、連合国の空洞ぶりが際立ち、米軍の士気にも影響すると懸念している。

[コメント]イラクからスペイン軍が撤退すれば、それはテロリストに間違ったメッセージを送ったことになるのか。当然だが、そうはならない。この言葉ほどイラク政策を誤ったブッシュ大統領に都合のいい言葉はない。スペイン軍の撤退は今後のイラクの復興に、スペイン軍が役立たないから撤退をするだけである。むしろこれ以上継続して、アメリカ軍がイラク人の血を流すことが、イラクをテロリストの温床にさせることである。以前、自衛隊のイラク派遣に賛成の外交評論家に、「イラク情勢が悪化して、自衛隊が行動できないまま、宿営地に迫撃砲弾を撃ち込まれ、それで自衛隊に犠牲者が出たらどうするのか。簡単に撤退もできませんよ。特措法もそんな状態を想定していないでしょう」と話したら、「そのときは現状に合うように法律を変えればいい」と話した。(TVの公開討論)。さもそうすることが、あらかじめ用意された政府の行動計画のようであった。それではサマワの自衛隊は囮(餌)である。

 日本でもこれから特措法との整合性とか、「テロリストに間違ったメッセージを送る」という議論が活発化するだろう。自衛隊をイラクから撤退させることは、日本がテロに屈して、イラクの自由を奪う敵に屈したことにはならない。そのような言葉の欺瞞に惑わされてはいけない。今は言葉の欺瞞が大手を振って歩き回っている。

 イスラエル ハマスの指導者ランティン氏も暗殺 武装ヘリで攻撃 (毎日 4月19日 朝刊)  

[要約]イスラエルはパレスチナ自治区のガザ市で、ハマスのガザ地区指導者ランティン氏の乗った車を攻撃ヘリからミサイルを発射し暗殺した。先月22日にはハマスの精神的な指導者ヤシン師が暗殺されており、ランティン氏は同師の後継者に指名されたばかりだった。シリア・ダマスカスにあるハマスの政治局幹部は、「我々には復しゅうの権利がある」と宣言した。

[コメント]ハマスの本拠地はシリアのダマスカスである。イスラエルはハマスを挑発して、シリアを戦争の海に誘い込むと判断したか、今ならアメリカも文句を言わないだろうと判断したのではないか。それにしても1ヶ月の間に2名の指導者暗殺なら、どのような報復でも影が薄くなののではないか。私はイスラエルの強硬なやり方には、シリア占領が必ず中心にあると思う。アメリカは地中海からイラクを陸路で結び、さらにペルシャ湾やインド洋まで通じる親米ベルト地帯を構築したいからである。

 しかしそれこそが中東の泥沼化である。日本もイスラエル非難を強めて、中東の泥沼化を防ぐ外交が必要である。アメリカのネオコンはイスラエルの中東戦略から始まった。

 聖職者協会また仲介 不明2邦人も解放 拘束 スンニ派厳格派か (産経 4月18日 朝刊)

[要約]バグダッド郊外で14日に行方不明になっていた2人の邦人が解放された。これでイラクでは人質にとられた日本人全員が解放されたことになる。二人にケガはなく、拘束中、食事などを与えられて丁重な扱いを受けたと話した。犯人グループは服装などからイスラム教スンニ派の中でも最も戒律が厳しいワッハーブ派である可能性が指摘されている。二人は犯人から、「友人を傷つけたくない。自衛隊はイラクから出て行って欲しい」というメッセージを口頭で受け取ったという。

[コメント]この2人の事件の場合、誘拐とか、人質といえるだろうか。犯行声明や身代金などの要求はでていない。このような現場を体験している者として話せば、二人は激戦が行われているファルージャに行こうと試みたようだ。もちろん取材のためである。しかし途中で武装勢力の検問にあい、身柄を連行されてスパイかどうか調べられたのである。しかしスパイではないことが判明した。そこで身柄を解放されたのである。それだけのことだが、戦争を知らない日本では大騒ぎになってしまう。私の場合でも、何度も取材中に連行された経験がある。そのことはすでに書いたので、ここでは書かない。私の場合は大騒ぎにならなかった。スパイではないと自信があったからだ。ベトナムの公安で一晩泊められたが、それでも身の危険を感じることはなかった。

 昨日、私のところにあるメールが届いた。そこには私が行った札幌の講演会や、このホームページが誘拐事件を招いた元凶と書いてある。だから私の財産を処分して国家に弁償しろというものだった。大バカ野郎である。またしても戦争を知ろうとしないものが、自分勝手ないいかげんな知識でわめいているだけだ。私はサマワの自衛隊を守ることに必死である。バカな政府の政策で犠牲を出してはいけないと思っているからだ。そのためならサマワでもバグダッドでも出かけていく。戦場には戦場の論理がある。今まで私が戦場で鍛えてきたのはそのための経験を積むためである。戦争の厳しさを知ろうとしない者に、戦争は危険だから、国に迷惑がかかるから行くなと言われたくない。

 

 アメリカ政府が方針転換 イラク統治に国連主導の暫定政権案  英首相も支持表明 (読売 4月17日 朝刊)

[要約]ブッシュ大統領はホワイトハウスで行った米英首脳会談で、イラク民主化のプロセスについて、国連を受け皿とする主権委譲を歓迎すると語った。米側の方針転換には、国連を通じ多くの国をイラクに巻き込まない限り、イラクの民主化が崩壊するという危機感がある。

[コメント]今まで米英のこの転換を待っていた。いくら米国が1国行動主義を掲げて、戦争には勝てても戦後統治ができない。それをイラクが明確に証明した。いくら国連がダメだダメだといっても、世界には国連に代わる国際機関はない。これからは国連と米英との関係をどのように調整するのか。日本にとってはめったにないチャンスが来たのに、はたしてどの程度の存在感を示せるか。とりあえず米英の方針転換は朗報である。

 しかし私はこれから歯医者さんに行く。昨日、固い物を噛んだら激痛がして直らない。私は歯医者さんが大の苦手である。

 日本人人質3人はなぜこの時期に解放されたのか。(4月16日)

[コメント]昨日、日本時間で8時40分頃に「日本人人質3人を解放」というニュースが流れました。そのとき私は子どものPTAの会合で中学校の会議室にいました。そこに新聞社から電話が入り、「日本人3人が解放された」と知らされました。すぐに会議室の皆さんにそのことをお知らせしたら、会議室にいた40人ぐらいいたお母さん(4人はお父さん)と、7人の先生たちは手を叩いて喜びました。そのとき反応に、この人質事件が国民的な問題になっていたことを知りました。皆さんの大きな拍手に驚きました。

 なぜこの時期に人質を解放したのか。急いで中学校から自宅に帰った私に何本もマスコミから質問の電話がかかってきました。「予測でいいから話してくれ」という記者の言葉で、私は次のように答えました。

 イスラム聖職者協会が人質3人を受けとったことで、この人質解放交渉は聖職者協会が主導して進めたとわかる。すると何回かの聖職者協会のコメントは、非常に情報の質の高いものだといえる。だから3人の人質は早い段階で解放が決まっていたのではないか。

 「24時間以内に解放する・・・・」という文書も信頼できる声明文だった。それではなぜ遅れたのか。それは聖職者協会が釈明したように治安の問題があったようだ。すなわちファルージャでも戦闘が緊張し、人質をとった犯人たちは、ファルージャから米軍が撤退するまで3人の日本人人質を確保したいと判断したのではないか。ところが予想外の事態が発生した。それは別の誘拐グループが、人質のイタリア人一人を射殺したことだ。さらに別のグループが日本人2名を人質にとったことである。このことに強い危機感を持った聖職者協会は、日本人3人の人質をとったグループに強く働きかけ、昨夜の解放を迫ったのではないか。

 それではなぜ犯人は3人の人質の早い解放を決めたのか。それは高遠さんのためであると断言する。高遠さんはバグダッドのストリートチィルドレンのためにボランティア活動を行っていた。この行為を犯人たちは高く評価したと思う。このことがイラクで広く伝わって、3人は人質から客人に対応が変わったと思う。早々とシーア派のサドル氏たちが、この誘拐は我々ではないと表明したのも、高遠さんのような友好的な人を誘拐したことを非難した結果と思う。

 私は小泉さんがアルジャジーラ・テレビに100回出演して、自衛隊はイラクに人道支援しに来たと言うより、高遠さんがバグダッドの子どもたちの世話をしているビデオが報道され、それでイラクの人々に日本人の素晴らしさを感じさせたと思う。最初にこの誘拐事件を知り、その中に高遠さんがいるとわかった時、「助かった」この事件は早く解決すると思った。

 結果的にはサマワの自衛隊も、高遠さんのおかげでイラク国民に人道的な支援を広めることになったと思う。しかしイラク全体の情勢はこれからも悪化していくことは間違いない。自衛隊は無理をする必要はない。たとえ長期間、サマワの宿営地に立てこもても、それは治安が悪化したイラクに自衛隊を派遣した政府の責任である。

 14日に誘拐された日本人2人は、残念だが高遠さんのようにはいかないと思う。ファルージャの情勢が落ち着くまで、事態の進展は期待できないように感じている。

 高遠さん、本当にありがとう。サマワの自衛隊員に代わり、あなたがバグダッドでイラクの子どもたちを助けてくれていたことに感謝します。  

 イラン 米から仲裁要請 イラクに代表団派遣 (産経 4月15日 朝刊)

[要約]イランのハラジ外相は14日、米国がイランに仲裁を求めてきたことを明らかにした。イラクの中部や南部では、反占領を主張するサドル師のグループが連合国との衝突を激化させており、イラク駐留米軍はスンニ・トライアングルの反米勢力と2正面作戦を強いられている。そこでイラクのシーア派に強い影響力を持つイランに、シーア派との関係改善を求めるために仲介を依頼した。イラン外務省はペルシャ湾岸諸国担当局長ら代表団がイラク入りをした。14日にサドル師の側近が記者会見し、「サドル師は米軍への要求を取り下げ、イラクのシーア派指導者に解決をゆだねる考えだ」と表明した。しかし米軍はナジャフ周辺で兵力を増強し、「サドル師は殺害するか逮捕する」と和戦両様の構えで臨んでいる。事態の行方は不透明である。

[コメント]4月になって、一気に情勢が悪化したイラクで唯一の朗報であるような気がする。イラクのシーア派の反米軍闘争をイランが沈静化させれば、イランとアメリカの関係は一気に改善される可能性がある。しかし逆にイランが説得に失敗した上、イランから保守派の反米義勇兵がイラク入りすれば、アメリカとイラクの関係は一気に悪化して対立を強める。だから今は朗報であっても、結果によっては最悪の結果を招くことをイランは選択したことになる。

 ここでもう一度思い出して欲しいのは、ネオコンたちの中東政策(戦略)である。インド洋の第7艦隊とアフガン占領で、その中のパキスタンを親米国家に変えた。次はイラクと地中海艦隊で挟んでシリアを親米国家にする手を考えている。こうして米英が地中海からペルシャ湾までの支配権を確立すれば、次はアフガンとイラクを挟んでイランを親米国家に変えることが可能になる。これでサウジ、ヨルダンなど親米国家も安泰になる。中東の石油利権を確立したアメリカは、中国など石油輸入に依存を高める首を押さえることが可能になる。これがネオコンの中東オセロゲームである。

 はたしてイランがサドル師の説得に成功するか。その結果によっては、次の(シリア)次の戦争(イラン)を招く誘い水になる可能性もある。ネオコンのオセロゲームとは私が名前をつけた。 

 米、ゲリラ戦想定か イラク泥沼 増派に傾く (朝日 4月14日 朝刊)

[要約]米中央軍のアビゼイド司令官はイラクの治安悪化で、部隊の増派を要請したことを明らかにした。この増派は6月の主権委譲を進める強い決意を示す一方で、イラク情勢の「泥沼化」を認めたことにもなる両刃の剣になる。増派される部隊は2個旅団(1万人)程度で、ヘリなど航空機や装甲車など機動性の高い部隊で、武装勢力とのゲリラ戦を想定した部隊だ。イラクはファルージャなどスンニ派と、南部のシーア派サドル師のグループが反米ということで連携しだした。さらにサドル師の殺害(もしくは逮捕)で、一気に南部の反米感情が高まることが予想され、今後の治安情勢が読み切れない情勢になっている。

[コメント]ファルージャでは停戦中でも戦闘が再開され、米空軍機が空爆を行っているという。ファルージャの戦闘は今月3日頃から始まっている。すでに10日以上が経過し、米軍にも疲れが出てきたことが考えられる。いつまでも停戦状態でいられないのだ。米軍部隊をファルージャから撤退させる前に、市内の軍事拠点を破壊し、反米勢力に打撃を与える作戦のようである。しかし一時的にファルージャを叩いても、イラク南部に広がった反米行動を沈静化させることはできない。ファルージャ周辺ではヨルダンのパレスチナ人が、アルカイダとは違うイスラム援軍として動き回りだしたようだ。さらにイランからイラク南部のシーア派に援軍が入ってくる可能性がある。

 ここにきてアメリカは3つめの失敗(誤算)が明らかになった。一つめはフセイン政権を倒せばイラク国民から米軍は解放軍として歓迎されるという点である。2点目はイラクの復興支援に国際的な協力が得られるという点である。ここにきてゲリラは、非武装の外国民間人さえも襲い始めた。国際的な復興支援は治安の悪化で難しくなった。そして3点目はイラクの治安はイラク人警察や新生軍が担ってくれるという読みである。新生イラク軍はファルージャやサドル師との戦いに投入されることを拒否した。イラク人同士が戦うことを拒否したのだ。これもアメリカの大きな誤算だった。そこにわずか1万人の2個旅団を増派しても焼け石に水である。

 このままでは国連も動きがとれない。まさにファルージャの戦いがイラクの情勢を一変させてしまったようだ。

 ファルージャ 停戦を再延長 (読売 4月13日 朝刊)

[要約]日本人人質事件解決のカギを握るとみられるファルージャで、米軍と反米武装勢力との間で結ばれていた停戦期間が再延長された。11日午前10時(日本時間同日午後3時)に発効した停戦期限は12日午後10時まで延長された。これは仲介役のイラク統治評議会メンバー、宗教指導者、地元部族代表などが、米軍撤退を求めて交渉を続けているもの。しかし武装勢力側は12日午後4時までに米軍を撤退させない場合は、総攻撃を行うと警告した。米軍も交渉(米国民間人4人が殺された犯人の引き渡し)に失敗すれば掃討作戦を再開するとしており、緊迫した局面を迎えている。

[コメント]なぜゲリラたちは日本人人質を解放しないのか。それはファルージャが極めて危険な状態になっているからだ。ファルージャを包囲(封鎖)した米軍は市内から女性や子どもが出ることは認めている。しかし大人の男たちは市内に閉じこめている。すでにファルージャでは今回の戦闘で600人を越える住民が死んだ。このためファルージャの戦闘は米軍のイラク占領に反対する象徴的な場所になってきた。ヨルダンのパレスチナ人や南部シーア派からもファルージャの反米勢力に援軍が駆けつけていると聞いた。米軍は米民間人4人(元特殊部隊員)を殺した犯人を差し出せと要求しているが、反米勢力側がこの要求を受け入れる可能性は低い。しかし犯人逮捕をあきらめて米軍が撤退すれば、こんどは米軍敗退の印象が強くなる。米軍も引くに引けない状況である。

 このように追いつめられたファルージャの反米武装勢力が、米軍の総攻撃を防ぐために行っているのが外国人人質作戦である。すなわち強制的な「人間の楯」戦術なのである。だからファルージャが封鎖され緊張している限り、日本人人質は解放されないのだ。しかしゲリラが危機的な状態にならない限り、簡単には殺されることもなくなった。「人間の楯」としての価値がなくなるからだ。

 今のようなファルージャでの戦闘を防ぐには、効果的な方法が一つだけあると思う。それは封鎖されたファルージャ市内に外国の民間人が自主的に入って、人質に代わって「人間の楯」になることである。ファルージャの戦闘に反対なら、ゲリラたちは人間の楯を歓迎し、外国人人質を解放するだろう。米軍も新たな民間人が市内に自主的に入ったことで攻撃が難しくなる。たとえ封鎖を解いて撤退しても、米軍が負けたことにはならない。また武装勢力も自主的な「人間の楯」なら、勝ったことにならない。むしろ誘拐作戦や人質作戦を行ったことを恥じるべきである。この行動で対立している双方に勝者や敗者を作らず、戦力を引き離すことに意義がある。

 問題はこのような危険なことを何人がやれるかと言うことだ。私が思いついたぐらいだから、もう世界では何人も気がついていると思う。緻密に計画を練れば成功する確立は高いと思う。アメリカ人、イスラム教徒、日本人、ユダヤ人、クルド人、中国人、ロシア人、英国人、いろいろな国から参加すれば、アメリカも軍事占領の無意味さと危険がわかるはずである。人間の楯になる人はアンマンなどに事前に集まって、コンボイ(車列)を組んでファルージャを目指す。参加者は多いほどいい。とりあえずバグダッドでの停戦交渉に注目しつつ、国際的な動きを作り出す作業が必要だ。インターネット時代の新しい平和運動の形になるかもしれない。ファルージャの戦闘を再開してはいけない。さらに憎しみの連鎖が高まるだけである。

 日本人人質3人、未だ解放されず。犯人「24時間以内の解放」が期限切れ (4月12日)

[コメント]昨夜はテレビの前に布団を敷いて、うとうととしながらニュースをチェックしました。そして一刻も早く人質解放のニュース速報が流れることを期待していました。しかし残念ながら、3人が解放されたという報告はありませんでした。今、午前11時23分ですが、もう神に祈るような気持ちで3人が釈放されたというニュースを待っています。

 なぜ解放が遅れているのでしょうか。仲介にたった人物(有力者)が相応の謝礼を要求しているのでしょうか。それともファルージャが米軍に総攻撃されることから、人質を解放するのは時期尚早と判断したからでしょうか。あるいは人質を解放すれば、自分たちの情報が漏れると恐れているからでしょうか。聖職者協会の解放要求は思ったより効果が少なかったのでしょうか。疑問ばらりが膨らんで、なにか重要なことを見落としていないか気になります。

 まさに犯人との心理戦です。犯人側は沈黙を守れば守るほど、私たちの焦りや不安が拡大していきます。これを犯人は狙っているのでしょうか。

 今しばらくは推測はやめて、犯人側の情報を整理して、事件の経緯を正確に洗い出す作業が重要と思います。日本のマス・メディアで報じられている情報には、ちょっと危ないデタラメ情報も少なくないと思います。いまこそ冷静になりたいと思います。

 アルジャジーラTVが24時間以内に日本人人質を解放すると犯人から連絡があったことを報じる。(4月11日)

[コメント]今日の早朝にTVニュースで、日本人人質を解放するというFAXが誘拐犯から届いたとアルジャジーラ・テレビが報じました。まだ3人の解放が確認されていませんが、ほぼ確実と思っています。そこでちょっと誘拐事件の対処法をおさらいします。

 まず誘拐事件に冷静に対応することです。脅迫文や要求に振り回されてはいけません。事件直後は人質の安全を第一に優先させる処置をとります。とにかく犯人が凶悪な行動を取れないようにすることです。今回の場合、アルジャジーラなどを使って人質3人がイラク人にとって友好的な立場の人と説明します。また事件現場に近い有力者に働きかけ、犯人たちに凶暴な行動をとらないように説得を依頼します。今回はこれで犯人の暴走を止めることができました。

 さらに犯人が人質を解放しなければ、昨日(下段)、書き込んだような処置をとります。

 私はこの事件の一報を聞いたとき、3人の中に高遠さんがいるたので、これは助かると思いました。高遠さんを地元マスコミに紹介すれば、犯人は凶暴な行動が取れないと思ったからです。

 事件が起きた翌日(9日)、あるテレビ番組で「人質事件を受けて、サマワの自衛隊を撤退させるか、させるべきでないか」といった議論が始まりました。私は軍事知識では誘拐事件の初期段階で、そのような議論は関係ないと思っていました。とにかく人質に危害が加えられないように配慮することが第一だと思ったからです。もうこれは人質解放交渉術なのです。まさに心理戦です。政治論議ではないのです。心理学が支配する世界なのです。

 この事件を受けて危険な地帯に、それを承知で行くのだから、それは自己責任という考えが広がっています。NGOやNPO関係者は危険を予知し、それを自らが防ぐ行動が必要という意見で、それをしなければ無責任だという考えです。一見、正しいように思えますが、パレスチナで虐殺を防ぐために、NGOの人が人間の楯になるために世界各地から集まっています。彼らは無責任でしょうか。東南アジアや東アジアで多くの人が虐待されたり、人権を踏みにじられているのに、そこが危険だからと我々が無視していいでしょうか。私は危険であると認識しても、行くときは必ず行きます。もし現地でゲリラに人質となっても、私の生命を守るために交渉してくれとはいいません。殺されるときは毅然として死にます。もし苦しんでいる人がいれば、自分の命を賭けて助けることが日本人の誇りだと思うからです。今回の3人を助けたのは、まさに高遠さんのような活動があったらです。日本の政府が助けたわけではありません。今までの高遠さんの活動を無責任と非難しますか。私は尊敬します。

 人質解放の三交渉術です (4月10日)

[コメント]日本人誘拐の犯人は、スンニ派の武装勢力であることがほぼ確かなようです。誘拐された場所がファルージャ付近であること。人質が丁寧(傷、汚れ、ボタン取れがない)に扱われていること。武器の種類が旧イラク軍の武器庫にあったもの。などです。外国人(アルカイダ)との関係は否定してもよさそうです。アルカイダの手口と全く違うからです。またシーア派のサドル師との関係も否定されました。今、サドル師はシーア派内で多数派工作をしています。それなのに反米闘争で日本人(女性を含む)を誘拐すれば支持は激減します。サドル師自身も犯行否定の声明をだしました。スンニ派の狙いは、攻撃を強める米軍を牽制するための戦術ではないかと思います。まともに米軍と戦っては勝てないからです。

 さて人質を解放させるためには3つの方法があります。(1)米軍などの情報収集能力と、特殊部隊の突入作戦を行う。 (2)地元の有力者、聖職者、部族長に情報の収集と、人質解放交渉を依頼する。しかしこれには工作資金が必要です。 (3)日本政府の関係か、日本政府が依頼した人質交渉会社を使って人質の解放交渉を行う。以上ですが、最も安全度が高いのは(2)ですが、(3)も人質の安全に配慮しながら身代金を値切るので安全度は高くなります。フィリピンで若王子さんが誘拐されたとき、時間はかかりましたがこの方法で解決しました。日本政府にそのようなノウハウがないので、外国の人質交渉会社に依頼する方がベターだと思います。

 自衛隊サマワ宿営地砲撃は陽動作戦か (4月9日)

[コメント]昨日、サマワの宿営地近くに撃ち込まれたロケット砲弾は、着弾後にモウノウと白煙を出したという目撃情報があった。これは破裂しない発煙弾で煙を出すタイプである。ということは、この攻撃は日本人の人質作戦を行うために、注意や関心をサマワに集める陽動作戦であった可能性が出てきた。すなわち人質作戦は周到に準備され、極めて大きな組織的な犯行である可能性があるということである。

 人質の今井君は昨年の札幌オフ会に参加し、劣化ウラン弾を質問した北海道・立命館高校(今年春に卒業)の生徒だった。いかにもまじめそうで、今年秋からロンドンの大学に留学する予定だった。非常に冷静でしっかりした人物と思っていたので、なんとか今回の窮地から脱してくれると期待している。

 まさかバグダッド陥落から1年目の4月9日に、こんな外国人誘拐人質事件を起こすとは予測していなかった。日本にとってイラク情勢は新たな段階に突入した。

 今は午前3時に起床して、ここの更新を行っています。4時半には日テレから迎えの車が来ます。ズームインに出ます。そのTV出演の間に、ラジオの文化放送、ニッポン放送、FM東京で電話インタビューに出ます。午後は12時からテレ朝の番組に出ます。それではそろそろ時間ですので着替えます。メールが異常に多くウイルスに感染したものが届くようになりました。ワクチンが必至に守ってくれています。皆さんも気をつけてください。それでは行ってきます。

 サマワ 陸自宿営地近くに砲弾 隊員に被害なし (各紙 4月8日 夕刊) 

[要約]サマワの陸自・宿営地付近で現地時間11時15分頃に、付近に砲弾3発が着弾して2発が爆発した。しかしこの爆発で自衛隊員に被害はでなかった。サマワの自衛隊が攻撃されたのは初めて。

[コメント]もういい加減にしてほしい。どうしてこれが迫撃砲弾なのか。付近で警戒していたイラク人警官が2個の流れ星のようなものを目撃している。またゴウゴウと音を立てて飛んでいくのも目撃されている。そのような現場の目撃情報を入手しながら、迫撃砲弾と書くのはあまりにも幼稚すぎる。プロの新聞記者であれば、もはや許容範囲をはるかに超えている。これが軍事の専門家なら詐欺師である。迫撃砲弾なら火を噴いて飛ぶことはない。(自衛隊が持っている加速推進弾は別)。

 なぜ現場の記者は間違えたのか。それは迫撃砲を英語でモーターと呼ぶし、ロケット弾の推進部分もモーターと言うからである。迫撃砲弾は火薬の爆発で飛び出す。しかしロケット弾は推力で飛翔する。この違いのである。射程が5`も飛べば、これは立派な兵器である。軍用の地対地ロケット弾を使った攻撃である。マスコミ関係者や新聞記者諸君、こんな記事を書くと自衛隊にバカにされるぞ。

 前回のサマワでのロケット弾攻撃といい、もうそろそろ同じ間違いはやめにして頂きたい。

 ともあれ、自衛隊員に負傷者が出なくて良かった。しかし次は必ず、サマワの宿営地内に着弾するだろう。油断はできない。

 
米、モスク空爆 40人死亡
バグダッド西方「抵抗拠点」狙う 全面的「反米聖戦」の恐れ (朝日 4月8日 朝刊)

[要約]イラクの米軍は4人の民間米国人(警備員)が殺害された事件で、現場となったファルージャで攻勢をかけ、初めてモスク(イスラム礼拝場)を空爆(レーザー誘導爆弾)した。この空爆で敷地内にいた40人が死亡した模様。モスクが標的になるのは極めて異常で、ファルージャの全モスクは公然と「反米聖戦」を訴え始めた。米軍は今や反米攻撃を封じるため、モスクも潰す作戦を開始した可能性が高い。しかし聖戦が宣言されると、米軍と戦うことはイスラム教徒にとって義務となる。イラク占領軍に対する抵抗はイラク各地に広がり、南部各地や北部のキルク−クでもシーア派との銃撃戦が起きた。(以上、朝日)

 一方、シーア派サドル師の民兵との衝突は7日も各地で続いた。米軍は断固としてサドル師の民兵を壊滅させる方針だという。4日以降の騒乱で、連合国兵士の死者は30人以上、イラク人の死者数も200人を越えた。(以上、読売)

[コメント]明日でバグダッド陥落1年を迎えるというのに、イラク駐留の米軍にとっては最悪の状況がイラク各地に広がっている。米議会でも有力議員から、「これはブッシュ大統領のベトナム戦争」という言葉が出た。さらにベトナム戦争より悪いのは、イラクには北ベトナム政府のような受け皿がないことである。アメリカはイラクから撤退をしたくても、そう簡単には撤退できない環境なのである。まるで毒蛇がウジャウジャ住む谷に迷い込んだようなものだ。もし穏健派のシーア派指導者がアルカイダによって暗殺されれば、シーア派はスンニ派と組んで反米聖戦を強化することは確実だ。さらにモスクへの攻撃が続くなら、世界のイスラム教徒は各地で反米攻撃を開始する。アルカイダにとってイラクは理想の戦場になってきた。イラクで米軍が有利なことは何もない。まさにイラク戦争とイラク占領統治は米国の誤解の連続だった。独裁者フセインを米軍が倒して、イラクに自由をもたらした解放軍なのに、このようにイラク国民の強い抵抗を受けるとは思っていなかった。ここにすべての誤算の始まりがある。

 これからの徹底した米軍の掃討作戦など、イラク国民の反発と憎しみを高めるだけである。米軍などのイラク占領軍とシーア派やスンニ派を戦わせること。これこそがイラクでテロを指導しているアルカイダのアブ・ムサブ・ザルカウィ(ヨルダン人)の作戦だった。次にアルカイダは穏健派のシーア派指導者の暗殺を狙うだろう。それがわかっていても、米軍は穏健なシーア派の指導者を警護することはできない。米軍に守られたシーア派指導者は、米軍にコントロールされた裏切り者というイメージが生まれるからだ。やはり米軍のような西部劇感覚では中東で勝つことはできない。「これはブッシュ大統領のベトナム戦争だ」という言葉は正しい。

 イラクの反米シーア派(サドル師)が占領軍と衝突 双方で100人以上が死亡 (各紙 4月7日 朝刊)

[要約]イラクのシーア派で米軍の駐留支配に反対しているサドル師の支持者が、イラク各地で外国の駐留軍部隊と衝突した。この衝突は各地で銃撃戦を引き起こし、双方で100人を越える死亡者をだした。CPAはサドル師に対し、昨年のシーア派聖職者殺害事件の容疑者として逮捕状が出ていることを公表し、逮捕することを明らかにした。なおこの騒動で、サマワの自衛隊は宿営地外での活動を中止した。

[コメント]アルカイダはシーア派とイラク占領軍が激しく対立するようにテロを起こしていた。まんまとその策略は成功したように思える。スペインでも総選挙を狙って同時列車テロを起こし、イラク派遣に批判的な野党を勝たせた。このようにアルカイダのテロは緻密に計算された政治目的に合わせて実行されている。

 シーア派の貧しい者たちはフセイン政権が倒れても、自分たちの生活が良くならないのに怒っていた。その怒りがサドル師の扇動で駐留軍への抗議行動に代わったのだ。たとえは悪いが、第一次世界大戦に敗北したドイツで、ヒットラーが台頭してきた状況と似ている。

 アメリカはそんなサドル師に逮捕状で鎮圧を試みている。しかしそれは火にガソリンである。もしサドル師を逮捕したり、殺害すればイラク情勢はさらに悪化することはわかっている。CPAは逮捕状をちらつかせて、サドル師が萎縮しることに期待しているのだろう。だがその手が通用するとは思わない。逆に逮捕しなければ、駐留軍の無力さをさらけ出すことになる。まさにイラクがパレスチナ化してきたみたいだ。今年暮れの米大統領選挙で駐留米軍は強硬な手段がとれない。米軍の増援に増援などできるわけがない。そこを狙ってアルカイダが再び大きなテロを起こす可能性が高い。

 サマワの自衛隊はこのような事態を受けて、予定通り宿営地に立てこもることになった。宿営地以外で復興支援活動は中断した。しかし一時的にクウェートに避難することは難しい。それは自分一人が逃げ出したような印象を与えるからだ。軍事組織であれば状況の悪化で自分だけ逃げ出すことはできない。いよいよイラクのベトナム化が始まったような気がしてならない。

 自衛隊のサマワ派遣を無邪気に扇動した者たちは、このような状況悪化をどのように考えているのか。特に軍事や国際政治を専門にしているものの責任は大きい。

 奥参事官ら殺害、検証 至近距離、追い抜きざま (朝日 4月6日 朝刊)

[要約]昨年11月にイラクで起きた奥参事官らが乗った四輪駆動車が銃撃され、前席に乗った井ノ上書記官とイラク人運転手ともに3人が殺害された事件で、この車を検証した警視庁公安部が検証結果を発表した。銃撃は低い位置から追い抜きざまに撃った可能性が高く、距離は1.8〜4.3メートルの至近距離で発射し、車には36カ所の弾痕があり22発が車内に貫通していた。弾は7.62ミリ口径弾で、これは旧イラク軍やゲリラが使用しているカラシニコフ(AK47)である可能性が高い。公安部は米軍誤射説で軽装甲車の上部にある機関銃で撃った可能性は低いと断定した。しかし銃弾から銃の種類を特定することはできなかった。

[コメント]7.62ミリ弾だが、これは米軍も機関銃で装備している。しかし車上では装甲車などの銃架に固定して使用している。地面なら腰に構えて撃つことはできるが、走行中のように揺れる車上では難しい。だから日本人外交官が乗った4輪駆動車に、弾が下から入って上に抜けていれば、セダンタイプの車で窓越しに撃ったと断定できる。さらにそのようにAK47を撃つなら、車に残された弾痕のようになる。もともとこのランクル(4輪駆動車)は軽装甲ではあるが、AK47のような弾を至近距離から発射されれば貫通する。そのためにランクルには強力なエンジンが搭載されている。もし怪しい車が追い越しをかけてくれば、強力なエンジンで一気に加速して危険域を脱するのである。しかし襲撃する側がそのことを熟知していれば、あらかじめピックアップ・トラックのような車両で前方に出て脱出路を塞ぎ、そこを別の車が追い越しざまにAK47を撃つことは可能である。日本人外交官が襲撃されたケースを考えれば、多くの専門家はこのことを指摘するだろう。

 それではなぜ米軍誤射説がでたのか。それは米軍の動きが遅く、情報公開が遅れたからである。私は現地のイラク人警察も、事件発生とともにすぐに動けなかったと思う。それはこの事件をゲリラ勢力の呼び寄せ作戦と考えるからだ。この襲撃事件で米軍やイラク人警官がホイホイと駆けつければ、付近に潜み待ち伏せするゲリラに襲撃される可能性がある。単なるゲリラの襲撃事件でも、救援の部隊が現場に行くにはそれ相応の準備が必要だ。

 都市で発生したような犯罪で、通報とともにパトカーが集まってくるような状況と、戦場でゲリラに襲われるのとは違うのだ。

 現地のイラク人警察署、現場を管轄する米軍司令部、それらが事件直後に現場の状況を十分い確認しないで事件を公表したから誤解が生まれた。しかし米軍誤射説にも過剰な推測があっと思う。軍事に推測は不可欠だが、こじつけになる危険性や、根拠が不足しているのに過信する危険がある。私は日航機の御巣高山・墜落事件の取材で、政府や警察や自衛隊やマスコミの誤情報が一人歩きする危険を十分に認識した。やはり現場に通ったり、当事者に話を聞くことが重要であった。

 この事件で、カンボジアで殺された高田警部補の車を思い出した。カンボジア西部のシソホン市にあるオランダ軍基地の駐車場で、白いランクルは雨に濡れて放置されていた。床には日本から持参したお菓子の袋が散乱していた。私はこの襲撃事件で現場から逃げたオランダ軍海兵隊の中佐に話を聞いた。また高田警部補を襲撃したポル・ポト派兵士にも話を聞いた。高田警部補が殺された本当の理由を知りたかったからだ。

 ミサイル防衛システム 緊急時 米が持ち込み 在日基地をカバー 日本に導入とは別に打診 (読売 4月5日 朝刊) 

[要約]米国政府は日本が武力攻撃される可能性が出た場合、大型輸送機C−5機でミサイル防衛システムのPAC3を日本に緊急空輸し、在日基地をカバーすることを検討していることがわかった。日本政府はPAC3を07年に導入することを決めている。それまでの緊急的な措置で、米政府は首都圏防衛にも役立つという。日本政府は米国に受け入れの可否を早期に通達する考えだ。米軍はPAC3をヨルダン、韓国、イスラエル、トルコなどに配備している。

[コメント]これは北朝鮮のノドンから日本の米軍基地を守るというより、中国を牽制するための措置ではないかと思う。北朝鮮の核問題に腰が引けている中国を牽制するために、日本へ米軍PAC3を配備することで、中国に何かのメッセージを送ったことになるからだ。だから対北朝鮮というより、対中国として見る必要があると思う。今後も米政府は中国を牽制するために、この手を多用すると考える必要がありそうだ。今後、米国が北朝鮮の脅威を語るときは、中国への配慮がひそんでいると考える方がいい。なぜ中国は日本へのPAC3配備を嫌うのか。それは台湾に同じように配備する可能性を匂わせることができるからだ。

 イラク 占領軍、群衆と銃撃戦 シーア派聖地ナジャフ 死者24人、負傷200人 首都でも衝突 (毎日 4月5日 朝刊)

[要約]イラクの中部でシーア派の聖地ナジャフで、デモをしていた数千の群衆と警備のスペイン軍などが衝突し、銃撃戦に発展した。銃撃戦は3時間にも及び、少なくとも反米指導者ムクタダ・サドル師を支持するイラク人24人が死亡し、200人が負傷した。またイラク人警官1名や、連合国側のエルサルバドル兵士4名が死亡し、9名が負傷した。(以上、毎日)

 このような大規模な衝突に対し、CPAのブレマー行政官は記者会見で、「これは越えてはいけない一線を越えた。これから厳しく取り締まる」と述べ、サドル師は、「敵に恐怖を与えよ」と声明を発表した。昨日、バグダッドでは米兵7人が死亡し、ナジャフでも米兵1名死亡し、合計8名の米兵が死亡した。(以上、NHK 朝のニュース 4/5)

[コメント]イラクの治安が安定するどころか、シーア派(サドル師系)が占領軍と銃撃を開始したことで、イラクは一気に治安悪化の度合いを高めることになった。しかしこれはまだまだ序の口で、イラク国内に大量の武器や弾薬が存在していることで、これから連合軍側の厳しい取り締まりりが火にガソリンを注ぐことになる。

 イラク戦争を開始し、バグダッドを占領して9日で1年が経つ。そろそろ冷静にこの戦争の本質を考えるべきである。もはやフセイン政権打倒など、この戦争の本質ではなくなったからだ。イラクに米英軍を主体とする占領軍は何のためか。イラクの治安を回復させ、イラクを国際的な支援で復興させることで、イラクに民主的な政府を作るといった言葉は通用しない。そんな馬鹿馬鹿しい言葉を信じているイラク国民はいない。治安が悪化する一方のイラク情勢を見れば、そんなことが通用する国ではないことは一目瞭然である。米兵もそんな言葉を信じてイラクで戦ってはいない。何のための占領か。これがイラク戦争の本質である。

 サマワには、「イラクの復興を支援し、イラクに民主的で豊かな国を建設する」ことを信じて派遣された陸自隊員550名がいる。しかしサマワにもナジャフのような「反占領」の嵐が襲うのは時間の問題である。

 イラク派遣 米の民間警備員1万五千人 (産経 4月4日 朝刊)

[要約]イラクのファルージャで米民間人4人が殺害された事件で、米国の民間警備会社が米軍特殊部隊出身者らを大量にイラクに派遣していることがわかった。これはイラクで米兵が担当しきれない警備業務が増大しているためで、イラクに派遣されている元米兵は1万五千人となる。米ABCテレビによるとファルージャで殺害された4人は、3人が米海軍の元シールズ部隊で、1人が陸軍レインジャー部隊の出身者だった。この企業は約400人をイラクに派遣しており、一人あたりの平均日収は千ドル(約10万円)だった。彼らはボディーガード業務以外に、戦闘訓練場で米軍の特殊訓練も請け負っている。

[コメント]米民間会社の警備員といっても、彼らは自動小銃M−4や狙撃銃、それに消音器付きのサブ・マシンガン(SMG)を持っているし、通信機は衛星通信から米軍部隊との交信できる無線機、それにGPSや夜間暗視鏡まで車に積んで移動している。イラク人には民間警備会社の社員というより、私服を着た軍のスパイか情報要員に見えるだろう。まあ米政府としては、彼らが死んでも米兵の死亡者数に加えなくていいので便利なのだ。元特殊部隊の隊員たちは、ちょっとイラクで金の稼げる面白い仕事ぐらいの感覚でやってくる。

 今後、このタイプの人種は増えると思う。政府の依頼でアフリカや中東などで危ない仕事を請け負うのだ。中には麻薬組織に雇われるものや、反米勢力に雇われる者もいるだろう。かつてリビアのカダフィ大佐に雇われた元特殊部隊員がいた。英軍のSASか米軍のグリーンベレーか忘れたが、リビアでテロやゲリラ戦の指導を行っていた。もちろん報酬としてカダフィ大佐から大金が支払われた。どこにでもこのタイプの人間はいるし、海外となれば法で規正することも難しい。意外とやっかいな問題に発展する可能性がある。

 スペイン 新幹線線路に爆発物 先月のテロと同じ種類 (朝日 4月3日 朝刊)

[要約]スペインのマドリードとセビリアを結ぶ新幹線の線路上で、3月に使用された爆破テロと同じ起爆装置の爆破物が発見された。この爆発物は約10`の爆薬と136メートルのケーブルで起爆装置と結ばれていた。爆発物は2日の早朝に仕掛けられたと思われる。もし爆発しておれば、多くの乗客に犠牲者がでたことが予測され、スペイン政府や国民は強い衝撃を受けている。

[コメント]私はアルカイダがこれをわざと爆発させなかったと思う。3月の列車爆破テロでは、携帯電話を起爆装置に組み合わせている。それより簡単なケーブルを使っての起爆であれば、より確実に新幹線の指令爆破ができる。アルカイダはむしろ、いつでも、どこでも、新幹線を爆破できる能力があることを示したかったのだ。テロにはそのように心理的に追いつめていく方法が効果的な場合がある。

 日本の新幹線も同じだ。先日、郷里の広島に帰郷するために新幹線「のぞみ」に乗った。「こだま」が停まる三原駅(広島県)のホームで、「のぞみ」がすぐ脇を通過するのを体験したが、その猛烈なスピードに驚いた。スペインの新幹線は平均時速250キロだそうだが、日本の「のぞみ」は270`以上は出ていると聞いた。往路では警察官が乗車して警戒していたが、復路では乗務警察官の姿は見なかった。そして何より驚いたのは、駅構内のゴミ箱は片付けられているのに、新幹線車内のゴミ箱は封印されていなかったことだ。

 これ以上は書かないが、新幹線テロを防ぐことは非常に難しい。通勤時の地下鉄テロを防ぐことはさらに難しくなる。政治家は安全な場所にいて、安易に「テロと闘う」「テロに屈しない」という言葉は使って欲しくない。日本の公安機関は対北朝鮮や国内の過激派対策のノウハウは持っていても、アルカイダのような国際テロリストに対決できるようなノウハウがあると聞いたことがない。新幹線に乗ってわかったのは、日本のテロ対策がスキだらけということである。

 

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