中国艦艇、豪州艦船に退去要請 台湾海峡通過中に (各紙 4月30日 朝刊)
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[要約] メルボルン共同電。台湾海峡で今月17日、オーストラリア海軍の艦艇3隻が中国海軍から「自国領海に進入している」と退去の警告を受けたものの、3隻は海洋法に基づき自由航行の権利を主張し、針路転換などを拒否し、航行を続ける対立が起きていたことが分かった。
豪州外務省当局者などが明らかにしたもので、この問題に関して中国はその後、オーストラリア政府に公式抗議したという。国際法では、軍事活動や偵察などを行わない「無害通航」である限り、軍艦が外国の領海を許可なしに通過することが認められている。
[コメント]オーストラリアは中国に国際軍事常識を教えたかったようだ。中国は自分の考えに従えと要求しても、オーストラリアはそれは国際法と違うと言いたかった。この勝負はオーストラリアの勝ちである。オーストラリアはこうなると予測しながら、艦隊に台湾海峡通過を命じたと思う。米中軍用機の接触事件以来、中国側の発言に奇妙さがつきまとう。例えば、偵察飛行の中止要求である。それが本当に中国が国際法にうといのか、それとも故意に自国の考えを押し付けようとしているのか、それを確認したかったのだ。今回の中国側の反応で、単に中国は国際法にうといだけと判明した。軍事摩擦の場合は、必ず相手の真意を問うために、さまざまなテストが行われる。今回のようにである。ところで、この海軍の大原則があるから、昔から砲艦外交(フライング・シップ 示威行為)という平時の軍事行動が生まれた。 |
| プエルトリコ・ビエケス島(第2の沖縄) 爆弾投下演習に怒り爆発。侵入者のため演習が中断。(CNNホームページより 4月28日 www.cnn.co.jp) |
[要約] カリブ海の米自治領プエルトリコの小島ビエケス島で、27日、海軍が爆弾投下演習 を始めた。ところが、演習開始後数分で、演習場の中に7人が「侵入」して抗議していることが分かり、演習は中断した。演習場外にも約1000人が抗議のために人間の鎖をつくっている。演習は27日朝から始まったが、演習場内にいた抗議の7人のためわずか数分で中断。憲兵隊などが退去させようとしているが、場外のデモ隊も「侵入」を試みようとしている。演習を続行すれば、軍と抗議の人たちとのぶつかり合いは必死の状態だ。 国防総省のクイグリー副報道官は「繰り返しになるが、ビエケスでの演習はとても重要だ。演習ができるからこそ、米軍は世界中で実戦配備できる。ビエケスの演習場は大西洋地域のどこよりも恵まれた環境にあり、海軍と海兵隊が使い続けなければならない」と強調した。写真はビエケスの演習場。
[コメント]『米国はビエケス島の演習場を1941年から使用。軍と地元は比較的良好な関係にあった。しかし、1999年4月、米軍が演習中に誤爆事件を起こし地元警備員1人が死亡する事故が起き雰囲気は一変。プエルトリコは沖縄さながらの「反戦の島」となった』。と、CNNは報じている。20年 30年前には演習場と地元は良好な関係だった。しかし最近は対立してきたというのは当然の話しだ。最近になって演習場の存在が地域の発展や、住民の健全な生活に支障をきたしてきたからだ。
以前は「他の利益」で我慢できたことが、もう「他の利益」では補えなくなったからだ。まさにビエスケ島は沖縄である。そんなことを考えながら、沖縄の新聞ホームページを見ていたら、こんな記事を見つけてしまった。
【沖縄タイムス 20001年4月24日】
懲りない「良き隣人さん」 米兵、窃盗容疑で逮捕
北谷町美浜で23日午後8時ごろ起きた米兵らによる窃盗事件で、地元では怒りの声が上がっている。逮捕された嘉手納空軍基地所属の二等軍曹フルトン・D・スプリーグス容疑者(27)と同基地に住む、無職アンソニー・D・ジョーンズ容疑者(28)は沖縄署で引き続き犯行の動機など取り調べを受けている。2人は、同町美浜のカー用品店からテレビ1台(約10万円相当)をレジを通すことなく持ち出そうとして、従業員に現行犯逮捕された。比嘉吉光助役は「米軍人の事件・事故が頻発する中、またかという思い」と憤りを隠さない。23日に米軍基地ゲートに、不祥事再発防止を呼び掛ける標語板が設置された矢先の事件に、「米軍の綱紀粛正が実効性があるのか疑問を持たざるを得ない。その言葉がむなしく聞こえる。県民にその成果を実感できるように強力に取り組んでもらいたい」と話した。
事件を聞いた北谷町議会の与那覇政保議長は「またか」と絶句。「いくら抗議してもどうしようもない。町の抗議決議を真剣に受け止めていないのでは」と話す。地元の宇地原自治会の仲地明吉会長は「頻繁に事件が起きると美浜のイメージも悪くなる。米兵にはいくら指導しても意味がないのではないか。目の前で事件・事故を起こされて地元住民も不安に感じている」と戸惑いを見せた。 |
| 防衛庁長官に中谷 元氏 43歳 (4月27日) |
[要約] 小泉新内閣の防衛庁長官に、防大を出て元2等陸尉の中谷氏が起用された。小泉氏は中谷新防衛庁長官に有事法制の検討を進めるように指示をした。(防大24期)
この防衛長官人事に地団太踏んで悔しがっている人の顔が思い浮かぶ。自衛隊在職中には防衛産業のために骨身を惜しまず貢献し、自衛隊を定年退職後に防衛産業界の後押しで立候補。むろん自衛隊の組織票はばっちり獲得。当選後は、防衛予算に群がる企業を集めて後援会を作り、防衛予算の分配を政治力(利権)で発揮する。いつかは防衛長官になって、古巣の防衛庁に錦を飾ることを夢見ていた人だ。自衛隊在職中も国会議員になっても、金と票になることならなんでもしていた。私はあんな悪(ワル)が防衛庁長官になるのが日本の政治と思っていた。しかし中谷氏はまったく違う人種と思う。(あくまで私の勘だが)自衛隊時代の階級が2尉(会社なら係長前の主任ぐらい)では、軍需産業と組んで悪いことができなかった。また自衛隊エリートと言われるCGSの試験も受けていないから、幹部としてのランク付け(順位)ができない。これは防衛庁に巣くっているダニどもには強い抗体があることを示している。43歳という年齢もいい。同期はやっとトップクラスが1佐のなりたて(本社なら課長補佐クラス)だろう。ほとんどの同期は2佐クラス(支社の課長クラス)である。幹部自衛官は1佐までは正論をいう。しかし将補(部長クラス)の椅子が見えてくると、防衛官僚にゴマをすりはじめて、借りてきた猫のように人間が変わる。1佐以上の人事権が防衛庁に移るからである。それに高知出身というのもいい。高知には自衛隊の駐屯地がないから、自衛隊組織票に期待して防衛庁に気を使う必要もない。数年前、防衛庁調達実施本部の汚職が摘発されたが、あれこそが防衛庁の利権体質の実態そのものだった。それが中谷氏の防衛庁長官就任で、防衛庁が変わるチャンスがやっときたような気がする。私は中谷新防衛庁長官に期待するし応援もするつもりだ。と同時に、今までの防衛族のように利権をあさりだしたら、それこそ厳しく厳しく対応していく。中谷氏が日本を愛し自衛隊が本当に好きなら、有害な防衛幹部の更迭もどんどんやっていい。ちょっと付け加えるが、竹中平蔵経済財政担当相にも期待している。とにかく利権や汚職にどっぷり浸かった政治家や官僚を叩き潰せ。新しい日本はその中からしか誕生してこないのだ。写真は新聞に掲載された中谷 元新防衛庁長官(本社の社長クラス)。最近、小泉さんの元気が乗り移ったのか、私もちょっと過激な発言が多くなったようだ。これも日本が元気になってきた現象なのでしょうか。昔(25年ぐらい前)、広島カープが初めて優勝したとき、郷里広島では入院中の患者が連日カープの試合を応援(テレビやラジオ)し、それで元気になって退院していく人がいっぱいいたと、入院中だった父から聞いたことがある。これかな? |
偵察機の機密データ破壊は不完全」米政府筋(ワシントン・ロイター電 4月26日 CNNホームページより)
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[要約] 現在も中国当局が返還を拒否している米海軍のEP-3偵察機について、乗員が着陸前に実行したとされる機密データなどの破壊作業は不完全に終わり、中国側に利用される可能性を残すものだったことがわかった。 このことを話した関係者(情報筋)は、「データを危険にさらすのを防ぐほどの作業はできなかった」と語り、機器やデータが中国側に利用される可能性が高いとしている。 ラムズフェルド国防長官は、EP-3機の乗員が解放された後、乗員は既定の手順に従って可能な限りの破壊作業を実行した、と発表していた。
[コメント] やはりという気持ちと、今ごろなぜこんなことを発表するの?というふたつの気持ちで読んだ。これをわざわざ発表する関係者の目的はなんだろう。本当はデータをすべて破壊したのに、こんな発表をして何かたくらんでいるのか、ちょっと気になる。アメリカ国内で機体返還要求が燃え上がらないので、こんな情報を流してナショナリズムを刺激する作戦にでたのか。こんなことより、私が一番知りたいのは、EP3は中国軍機に強制着陸させられたかどうかである。EP3パイロットの判断による緊急避難的な着陸だったのか。それともF-8戦闘機に海南島着陸を要求されたかである。なぜか中国とアメリカはこの点をあいまいにしている。写真は海南島のEP3機。 |
| 台湾防衛に米軍投入 ブッシュ大統領 可能性を明言 (読売 4月26日 朝刊) |
[要約] ブッシュ大統領はABCテレビのインタビューで、「中国が台湾に武力攻撃をしてきた場合、米軍を総動員してでも対処するか?」という質問に、「台湾を防衛するならあらゆる手段をとる」と明言した。
[コメント]ごく当たり前の発言である。米国には「台湾関係法」があり、中国が台湾を武力で制圧すれば、アメリカは軍事行動で台湾防衛に協力すると法律で決まっている。それにしても、一昨日に発表された台湾への武器売却リストだが、対艦・対潜に使えるキッド級駆逐艦(最大4隻) 攻撃型潜水艦(最大8隻)、対潜哨戒機P3C(最大12機)、とは驚いた。アメリカが中国の潜水艦増強にかなり神経質になっていることがよくわかった。最新の情報では、中国は20隻程度のキロ級潜水艦を配備するようだ。(ロシアから最初のキロ級を受け取ったのは95年2月。すでに4隻を購入して東海艦隊に配備している)。またロシアのキロ級を参考に、自国でより高性能潜水艦の建造も目指している。アメリカにとって中国が空母を持つより、潜水艦増強のほうがはるかにやっかいである。ところでアメリカが台湾に売却する潜水艦のディーゼル機関はどうするのか。ちなみにアメリカの潜水艦はすべて原子力推進である。ドイツの輸出型209潜水艦のディーゼル機関だけを買って搭載するのかと考えていたら、昨日、 ドイツは209潜水艦のディーゼル機関だけは売らないと宣言した。となれば日本の持つ潜水艦技術がアメリカに伝えられ、それをアメリカで製造して台湾向け潜水艦に搭載することになるのか。日本は中曽根時代に軍事技術だけなら、アメリカに供与できると変更になっている。(武器輸出禁止三原則の例外) しかしアメリカに送っても、台湾向けの潜水艦に搭載されることがわかっているに、この例外規定が潜水艦エンジンに適用できるのか。あるいは、貨物船用エンジンとごまかして潜水艦エンジンをアメリカに送るとか、部品で送ってアメリカで組み立てる方法もある。第三国を経由して送る方法もある。防衛担当の記者諸君は、このあたりの動きをホローしていると、意外な特ダネをものにできるかも。それから台湾に地対空ミサイルのパトリオット・PAC3を配備する計画は、2005年の導入を目指し、アメリカで台湾兵の訓練を開始することに合意した。グイグイグイとアメリカは中国を締め始めた。まさにライス安全保障担当補佐官らしい中国への対応である。(写真下は98年1月に中国に回航されたキロ級3番艦。1,2番艦と比べ静粛性や探知能力が格段に向上している。水中排水量3076トン) |
| 小泉首相の防衛政策を考える (4月25日 ) |
[コメント]まだ自民党三役と、官房長官(留任)しか決まっていないのに、いきなり小泉流の防衛政策を論じるのは無茶である。しかし別の見方をすれば、今までの発言から基本的(目指すところ)な防衛政策の姿が良く見える。小泉氏の大きな特徴は、まず憲法改正してでも、自衛隊を軍隊として認めるとしていることである。はたして国民が改憲を容認するか。また集団的自衛権を認めるとも発言している。アメリカ軍はアメリカの法のもとで軍事行動をしている。自衛隊は憲法のもとで防衛行動を行っている。それぞれ立場(法)や目的が違うのに、両軍が統一した軍事行動はできないというのが集団的自衛権の禁止である。小泉氏はこれもやれるように、憲法を改正してでも集団的自衛権を認めようと主張している。早い話しが、もしベトナム戦争のときに集団的自衛権が認められていれば、自衛隊はベトナムに派兵され米軍と一緒に戦っただろう。これも国民が許容するかどうかだ。確かに今までの自民党はだらしがない。特に経済政策では景気が好転せず失望の連続であった。だから国民が小泉氏のようなカリスマ的改革者に希望を抱くのはわかる。しかしそれが現実という問題に直面したとき、小泉氏の個性が現状を打破し、新しい社会を誕生させるだけの力があるかは疑問がある。私の考えでは、小泉氏の国防改革は改革に耐える基盤がないので失敗すると思う。実は小泉氏の力の限界は、自民党の中に留まって、その中から出てきたところに最大の問題があった。だから小泉氏の変革を成し遂げるためには、自民党の枠を破り捨てて、小泉新党を作るぐらいの気概で行う必要があった。今の小泉氏本人はその気だが、はたしてどれだけの自民党員がついていくか。ともあれ小泉政権の誕生は、旧態依然とした自民党の古い腐った天井だけは壊した。しかし新築するはずの家の柱が見えてこない。小泉氏を見ているとそんな気持ちになる。もし改革が経済政策だけでよいなら、それは決して難しい話しではない。じつは自民党の体質こそが、日本を不況に追い込んだ元凶である。それをぶち壊せば、日本の経済は必ず再生する。しかしすべての野党を見渡しても、小泉氏のパワーに代わる力を秘めた者はだれもいない。だから小泉氏が自民党をめちゃめちゃに壊し、そこから新しい芽がでてくることを期待したい。むろん小泉氏自身がその新芽になることも可能である。今は小泉氏の破壊力に期待したい。 |
| 前艦長訪日に反発も 【ホノルル共同 4月 23日】 |
[要約] 米原潜衝突事故で、前艦長は行方不明者の家族に直接謝罪するために訪日したいとしているが、家族らは前艦長らに対する海軍の処罰が軽すぎるとして反発を強めているだけに、訪日受け入れまでには一定の冷却期間を置く必要もありそうだ。
ひめ丸の引き揚げについて、米海軍当局は6月ごろから作業に本格着手する意向。ホノルル沖の海底約600メートルに沈没しているえひめ丸を海面下約30メートルまで引き揚げて船体をダイバーが捜索、不明者や遺留品を収容した後に再び沈没海域の海底に沈める計画をまとめている
[コメント]衝突事故で不明になった家族のことを思うなら、せめて船内の遺体や遺品が故郷に帰って、葬儀後に49日すぎてから謝罪にくるぐらいの配慮がほしい。それも多くのマスコミを連れて、いかにも謝罪に来ましたというようなやり方は厳禁だ。それにしても、今後、在日米軍基地の近くで大きな事故が起こったら、それだけではすまない事件に拡大する危険があることを、米軍は肝に命おじておく必要がある。もし軍用機が事故で住宅街に墜落するなんてことになれば、大変な事態が間違いなく起こる。これは脅しではない。日本人はそれくらいイライラしている。 |
| 小泉新総裁誕生へ、(各紙 2月24日 朝刊) |
[要約] 自民党の総裁予備選で、都道府県で123票(全体で141票)を獲得した小泉氏が圧勝した。小泉氏が新総裁に就任することは確実になった。
[コメント]小泉氏は日本が認めてこなかった集団的自衛権を認めると発言している。また、首相を国民の直接選挙で選ぶべきと主張している。ともに現憲法を改憲することを前提にしての発言である。また靖国神社に公式参拝をすると確約している。石原都知事よりはるかに過激である。どこまで実現するかわからないが、どっぷりと日米安保体制の枠の中に浸かってきた政治家や官僚には刺激(苦痛)的である。アメリカはどこまで小泉氏の政策(戦略)変化を認めるか。もし小泉氏の唱える安全保障政策がアメリカの許容範囲を越えれば、田中角栄のようにぼろぼろにされて葬られる可能性がある。もしアメリカのコントロールが効かなければ、小泉氏はヒットラー(政策は全く別でも)のような強権を手にすることも可能である。ようは、日本不調の根本原因は構造改革ではなく、日本の安全保障政策の大改革で、それをどこまでやるかで小泉新政権の運命はきまる。もし小泉氏に山本勘助(武田信玄の参謀)がいなければ、ただの石田光成で終わるだけ。そうならないためには、小泉総大将のもとで参謀役の山本勘助が、アメリカと中国をどう使いわけるかが鍵になる。普天間基地移転で沖縄の基地問題を袋小路に追い込んだ橋本元首相とは、求められる問題意識のレベルが違うのだ。小泉氏にそのあたりの自覚があるかと問いたい。 |
| ワドル艦長、名誉除隊に、「米海軍は説明責任を果たせ」(ワシントン・ポスト紙 21日付け社説、朝日新聞(22日 夕刊)に全訳文掲載) |
[要約] ワドル艦長を軍法会議にかけないことは、不始末の情報開示と説明責任を回避する海軍の体質を踏襲するものだ。高校生4人を含む9人を死なせたのに、恩給付の名誉除隊を認めた。ピリー海軍長官臨時代理は、「ワドルを失うが故に、この事故は悲劇だ」と述べたが、真に悲劇はお粗末な操艦で9人の命が失われたことだ。海軍が軍法会議を開かなければ、事故原因や体験航海が事故に及ぼした影響は、うやむやになるだろう。
[コメント]今回の漁業実習船「えひめ丸」と、原潜「グリーンビル」との衝突事件で、ワドル艦長は軍事法廷に送られないばかりか、5月中旬に海軍勤務20年で恩給を受ける資格が発生するまで謹慎し、それを待って海軍を名誉除隊することになった。ようするに無罪であり、彼の過失は問われないということだ。このワシントン・ポスト紙の社説は、この事件の最後を示す言葉として最適だろう。やはり米海軍は怠慢の責任を追及しないし、事故の発生原因を究明することもしなかった。ワドル艦長は恩給受給権利の発生をもって、愛媛県に謝罪しにくるという。ワドル艦長ばかりか、米海軍にも腹が立つ。ワドル艦長は勝利者のつもりにでもなっているのだろか。写真は米海軍が公表した米原潜グリーンビル。艦橋の後部甲板に、ビスのような2ヶ所出ているところが、特殊部隊が使う小型潜航艇を固定させる装置。現在、運用試験中。グリーンビルには全部で4ヶ所設置されている。隠密作戦では、この小型潜航揚陸艇に乗り込んだSEALたちが、敵地に秘密上陸をして工作を行う。特殊揚陸艇は何も北朝鮮だけの話ではない。もしかしたら海自の特別警備隊(江田島に新設)にも・・・・・・・?。もちろんこれは冗談です。 |
| 毎日新聞・夕刊に誤報 ちょっとまずい。訂正をしたほうがいい。(毎日 4月21日 夕刊) |
[要約] 原潜グリーンビルとえひめ丸の衝突事件で、ワドル艦長に軍法会議が開かれないと決まった。この関連記事で軍事評論家の前田氏がコメントで、「米軍は横須賀でも緊急浮上訓練を行っていたが、日本政府はせめて、日本近海での訓練をやめるよう要請すべきで、・・・」という記事が掲載されている。
[コメント]これは明らかに間違い。おそらく横須賀でも民間人を乗せた体験航海を実施しているというのを、緊急浮上訓練の実施と勘違いしたものだろう。米海軍に強い前田さんが間違えるわけがないから、これは新聞社サイドの勘違いと思う。早く訂正をしないと、前田さんが誤解されるし、米軍も日本人の軍事知識はこの程度かと勘ぐってしまう。横須賀の狭く浅い海で緊急浮上訓練は無理です。毎日新聞さん、訂正よろしく。 |
| 台湾軍内には、イージス艦導入消極論 (CNN ホームページ 4月21日 ) |
[要約] 意外にも台湾軍部には慎重な意見が強く、導入を主張しているのは政治家、特に独立に積極的な民進党に多い。台湾軍にとって、イージス艦導入は米国の東アジア戦略の一貫を担うという大きな転換を迫るものになる。このため、潜水艦や対潜哨戒機など、中国の軍事力に独力で対抗できる戦力の獲得を望む声が強い。
一方、将来的な独立を指向したい政治家は、米軍との共同訓練など、有事の協力を模索している。だが政治サイドにも「イージス艦は高すぎる」との批判があり、台湾自体が同艦導入について割れているのが現状だ。
[コメント] 岡山の病院で心臓病治療を希望した李登輝前総統にビザが発給された。これを受けて李登輝氏は、23日に関空から倉敷の病院に向かい、26日に帰国することになった。いくら李登輝氏が前総統で台湾独立を叫んでるといっても、中国が日本のビザ発給に圧力をかけるのはやりすぎだ。日本政府が人道的処置と声明を発表した以上、とやかくいうことは失礼(内政干渉)にあたる。せいぜい不快感を表明するぐらいの対応でいい。中国はもっと大人になれ。巨大な幼児では困る。ところでイージス艦購入だが、台湾軍にも慎重(反対)な意見が多いと聞いて安心した。イージス艦はアメリカが渡洋作戦のために開発した局地(海域)防空艦で、それも多種多様なアメリカ軍の総合戦力が備わってのみ、その能力を発揮できる。台湾防空はイージス艦1隻でやれることではない。写真は台湾海軍が配備中の潜水艦「海獅(ハイシー)」。第2次大戦中にアメリカで建造され、戦後に改修したものを73年に台湾が譲り受けた。アメリカは台湾に対潜訓練標的艦として引き渡すときに魚雷発射管を潰したが、台湾は受けたったのちに修理して復活させた。基準排水量は1870トン。台湾海軍では間違いなく博物館行きの旧式潜水艦が今も稼動している。そんな海軍にイージス艦なんて・・・・・! |
| 米軍が偵察飛行再開を検討 沖縄から戦闘機発進も (ワシントン(CNN) 4月20日 ホームページより) |
[要約] 米国防総省は、中国沿岸での偵察飛行を、いつ、どんな形で再開するかを慎重に検討している。偵察飛行に合わせ、沖縄からF15戦闘機を発進させる案も浮上しているという。 国防総省の情報筋は、最大の焦点は、偵察飛行を再開する際、偵察機に何らかの護衛を付けるかどうかだと述べた。
この情報筋によると、米軍幹部は、偵察機に護衛を付けることは、悪い慣例を残し、偵察飛行の安全性を低下させると反対しているという。しかし、ブッシュ政権当局者は、米国が偵察機を守ると示すことは必要で、中国が強硬路線をとった場合、特に重要になると述べているという。

[コメント] 空母キティー―ホークを護衛に派遣するという情報が流れたが、あの話にはびっくりした。まさか平時の偵察活動に空母を派遣するほど、米中の軍事関係が緊張しているとは思えないからだ。(なぜ偵察機は武装しないか考えてください。私は紛争地帯に入るときは、安全のため、果物ナイフ1本でも持っていきません)。そのためか、キティーホークのホームページを見ると、「私は今グアムにいま〜す」と、くどいほど説明している。間違っても中国近海に行ったりしませんと言いたいようだ。さてアメリカはどうするか、そして中国はどう対応するか。これはなかなかの見ものだ。皆さんがもし米・中軍の司令官だったら、どんな選択を行いますか。むろんこの空域だけ偵察を中止さすことは、EP3が世界的な盗聴機関「エシュロン」の関連で動いているので、中国南東部にだけに穴をあけることはできない。アメリカもいいアイデアを探していると思います。皆さんのメールを待っています。写真はグアム近海で訓練を行う空母キティーホーク。この空母を東シナ海に派遣するのは禁じ手です。同空母のホームページより。 |
| 台湾へのイージス艦売却問題で、国務、国防の両省とホワイトハウスが売却は見送るべきとの勧告を下した(CNN 4月19日 ホームページより) |
[要約] 台湾へのイージス艦売却問題で、国務、国防の両省とホワイトハウスの次官級高官が、売却は見送るべきとの勧告を下した。今、検討されているのは8000トンクラスのキッド級駆逐艦の売却だ。レーダー能力はイージス艦に比べれば格段に落ちるため、中国の反発は少ないことが予想される。
[コメント]米中軍用機接触事故が起きる前から、台湾へのイージス艦売却は無理と考えていた。台湾が安易にイージス艦を求めることに、海軍力に関する知識の未熟さを感じていた。だからアメリカの判断は当然だと思う。台湾はいたずらに対中関係を刺激していけない。台湾と中国の対立が高まれば高まるほど、米国や周辺諸国は台湾から遠ざかっていくだろう。蒋介石が台湾に政権を樹立したときから、台湾に中国の支配権が確立したのだ。台湾はすでに対岸の福建省などに、大規模な経済進出をしているし、貿易や投資などで中国政府と太いパイプを築いている。いたずらに騒ぎを起こすのはちょっとやらせくさい。アメリカとしてはイージス艦の最新技術が中国に伝わることを警戒することになる。写真は台湾が売却を求めていた米海軍のイージス艦 |
| 酒井淑夫写真展が開催 ベトナム戦争を撮ったピュリツァー賞カメラマン 5月8日まで。(4月18日) |
[コメント]99年11月に亡くなったカメラマン酒井淑夫氏の写真展が、東京・銀座の「ギャラリー・アートクラブ」で始まった。酒井さんは私より10歳年上である。私が戦場カメラマンを目指して上京してきたときは、沢田教一さん、岡村昭彦さん、石川文洋さんなどの人たちとともに、我々の頭上で光輝く星であった。その当時、六本木にあったフリーカメラマンたちの共同事務所(エバープレス・インターナショナル)で、そんな先輩たちの体験談や取材姿勢について話を聞く会が催されていた。当時、25,6歳の私は、そんな先輩たちの体験談に心をときめかせ、やがて自分もカメラをかかえ戦場を走るまわることを夢見ていた。もう25年も前の話である。昨夜はそんな時代の知り合いが集まり、酒井さんの写真展を祝う会が開催された。その会場には懐かしい顔が集まっていた。名著「戦場カメラマン」(朝日文庫)を書いた石川文洋さんの懐かしい顔もあった。水俣病や韓国の民主化運動を撮った桑原史成さん。先日、講談社の「再現、日本の歴史」(週刊)を完成させた小川 卓さん。報道写真界の仕切り人の新藤健一(共同通信編集委員)さん。故・沢田教一さんの奥さんであるサタさんの顔もあった。あの人も、あの人も、まさに25年前の時代が心に思い浮かんだ。そんな人たちと話をしていると、再び、戦場の写真を無性に撮りたくなった。そんなことを私が話すと、「やめとけ。もうそんな写真を発表でき る場所はないよ」という声が返ってきた。まだまだ世界各地で戦争はなくなっていないのに、日本には戦争の写真を掲載する媒体(メデア)が激減しているのだ。確かにその通りだと思う。しかし日本が世界の戦争に無関心でいいわけもない。我々日本人は、どうして戦争で人々が死んでいくことに無感情になったのか。そんなことを考えながら、酒井さんの写真を見つめていた。(写真展は入場無料) 写真上は酒井淑夫写真展の公式パンフレットの表紙。酒井さんはUPI通信社の写真部特派員としてベトナムで取材を行っていた。下の写真は1967年のピュリツァー賞を受賞した「より良きころの夢」。戦争の哀しさが伝わってくる。 |
| 今日から北京協議 偵察是非 真っ向から対立 (朝日 4月18日 朝刊) |
[要約] 軍用機接触事故をめぐる協議が北京で始まる。事故原因は互いが相手にあると主張して譲らない。また中国が偵察活動の中止を求めているのに対し、アメリカは19日にも偵察活動を再開させるようだ。これからの米中関係では、EP3の機体の返還、台湾への武器売却など、難しい問題が山積みされている。対応如何によっては、米中関係がさらに悪化する可能性もある。
[コメント]私が接触事故で最大の謎と考えているのは、接触後、海南島にEP3が自分の意志(緊急事態)で着陸したのか、それともF−8中国軍機によって強制着陸させられたかという点である。F−8と地上司令部の無線交信は傍受されていたので、地上司令部は撃墜許可を求めるF−8に対して、「撃墜は不許可」といったことは事実のようだ。台湾の情報筋は、そこでF−8は東北の方向に逃げようとするEP3に警告射撃を行って、海南島に強制着陸を命じたと分析している。またEP3は緊急着陸の前に、国際緊急遭難信号を発信したことがわかっている。これは国際的な航空管制規約で決められているので、その信号を周辺国の航空管制が傍受したことは間違いない。しかしEP3が中国側に無線で着陸許可を求めた事実はなさそうだ。 そこで私の予測だが、接触事故を起こしたEP3は破損した第1プロペラのエンジンを緊急停止させた。さらに気圧の高い低高度まで機体を一気に2400メートル急降下させ、そこで機体の態勢を整え、沖縄の方向である東北に飛行コースをとったのではないか。この急降下は海南島の警戒レーダーからEP3が姿を消す目的も含まれています。しかし追撃してきたF−8戦闘機に発見され、そこで警告(警告射撃を含む)を受け、コースを変え海南島に着陸することを命じられた。この部分の命令は手サインで行われたので、台湾の無線傍受基地も正確に把握できなかった。しかしEP3と嘉手納基地の間では、秘話装置が取り付けられた無線機で逐一交信が行われていた。EP3が国際緊急遭難信号を発信したのは、海南島の対空ミサイルによって撃墜されることを防ぐためで、遭難信号を発信すれば世界中に緊急事態を知らせることができる。そのようなEP3を領空侵犯で撃墜したら、中国は国際的に強い非難を浴びることになる。だから中国軍の対空部隊は対空ミサイルでEP3を撃墜はできない。EP3のパイロットが国際緊急遭難信号を発信したのは、そんな読みがあったのではないか。これらの事実は断片的に伝えられているだけで、まだ米中双方がきちんとした説明も反論も行っていない。接触事故から海南島着陸までの経過を、正確に公表することはできないのだろうか。その事実を確認するだけでも、今後の米中交渉の進展が伺えるのだが・・・。中国側が事件後に公表したEP3の写真を見ると、接触で深刻なダメージを受けたとは思えないし、EP3のパイロットも最高機密の詰まったEP3をわざわざ海南島に緊急着陸させたことは不自然だ。やはり中国軍による強制着陸の事実があったと思う。皆さんの考え(推測)はいかがですか。こんな推測もできるという方がいたらメールをください。写真は米国防省が公表した中国空軍の墜落機。パイロットはEメールアドレスを書いた大きなメモを見せたり、EP3機の乗員をからかうようなことがたびたびあったという。 |
| このコーナーでの記述ミスをお詫びします。(4月17日 ) |
[コメント]昨日、このホームページを見てくださる方から、日本のEP3が航空自衛隊に所属しているという記述があると連絡がありました。ご指摘のとおり、4月7日、4月8日、4月12日のNewsのコーナーに、ご指摘のミスがありました。修正しますとともに、お詫びもうしあげます。日本のEP3は海上自衛隊の岩国基地(山口県)に5機配備され、31空群81空の所属で、主に朝鮮半島方面での電波情報収集に従事しています。またミスをやちゃいました。ごめんなさい。それからミスを指摘してくれた方にお礼申し上げます。それにその人から、昨年厚木で公開されたEP3の写真が掲載されているWebを教えていただきました。そのホームページアドレスを掲載します。http://www2c.airnet.ne.jp/ogawa/wings00/disp/ep3.jpgだそうです。下の海自のEP3と比べてみてください。その写真に写っている機体ナンバー32は、まさに海南島に緊急着陸したあの機体です。なお、この方は現在引越し中で、新しいURLは『
www.impc-jp.com 』または『 www.impc-jp.net
』とメールが届きました。 |
| 米海軍 EP3に合成開口レーダーを搭載していた (4月16日 ) |
[コメント]一昨日、週刊写真誌「フラッシュ誌」の編集部から、「EP3の写真を見ていただきたい」と連絡がありました。その写真は沖縄在住のアマチュアカメラマン(セミプロ)が撮ったもので、海南島に緊急着陸し、今は中国側にあるEP3機の写真でした。撮影日は接触事件が起きる以前のもので、嘉手納基地で撮影された写真です。記者が持参したその写真を見てびっくりしました。海上自衛隊のEP3機とはまったく違うものでした。まさに似て非なるものとの言葉通りです。最大の特徴は、胴体上後部に合成開口レーダーが取り付けられ ていました。ジョイント・スターズ(J・STARS)と呼ばれC−135の胴体下に、合成開口レーダーのアンテナ部があるのはご存知の通りです。それが海南島に着陸しているプロペラ機であるEP3の胴体上部に搭載しているのです。これはEP3の中でも、特に最新の機体だと感じました。間違いなく合成開口レーダーは、米軍事技術の中でも超トップクラスの秘密兵器なのです。アメリカ軍はEP3のコンピュータソフ トは、接触事故直後に乗員が消去に成功したと発表しています。が、それにしても合成開口レーダーが中国側に渡っていたとは本当に驚きました。東京では明日(17日 火曜日・地方では若干遅れる)に発売の写真週刊誌フラッシュ誌をご覧ください。そして海上自衛隊のEP3の機体(写真)と比べてください。その違いに驚かれるはずです。写真は海上自衛隊がキタチョウセンに近い岩国基地(山口県)に5機配備しているEP3機です。(2000年 装備年鑑より) 写真下は、米国防省が公表したEP3の機体で、胴体上部の細長い棒状のものが合成開口レーダーです。 これでは米海軍もこのまま済ますわけにはいかないでしょう。91年の湾岸戦争中は合成開口レーダーは、まだ米軍でも開発中の最新技術だったわけですから、中国に渡ったことに大ショックを受けているでしょう。合成開口レーダーの説明については、「Re,メールにお返事」のコーナで、3月1日(木)の返事をご覧ください。 |
| ワドル前艦長の軍法会議回避か(ワシントンタイムズ 4月13日 電子版より) |
[要約] 米紙13日付の米紙ワシントン・タイムズは、米海軍筋の情報として、米海軍が実習船「えひめ丸」との衝突事故を起こした原子力潜水艦「グリーンビル」のワドル前艦長を軍法会議にかけることは避け、行政処分に付す可能性が強いと報じた。
[コメント] やはり予測した通り、ワドル艦長の海軍退職で幕を閉めるつもりのようだ。これから日本人が米軍をどう意識するか、アメリカはじっくりと観察して頂きたい。特に沖縄と、本土の米軍基地周辺で起こることに注目してほしい。日本人はイタリア人のように寛大ではない。(ケーブルカー切断事故で無罪判決) |
| 金総書記訪韓、「今年前半の可能性ない」 韓国高官が言明 (毎日 4月13日 朝刊) |
[要約] 韓国政府の高官は、「金正日総書は今年上半期の訪韓の可能性は低くなりつつある」と語った。また先日報道された、金正日総書記のロシア訪問延期(4月11日 毎日・朝刊)も、平城での仕事が忙しく、隠密で行く可能性も含め疑問だと述べた。
[コメント]米中軍用機接触事故で、たまっていた新聞(約10日分)の切抜きを始めたら、いろいろな重要な情報を見逃していることに気がついた。中でも北朝鮮はいろいろなサインをだして、政策の変更を始めたことを告げていた。今回の米中軍用機接触事故で最大の恩恵を受けたのは、実は北朝鮮(まさに漁夫の利)であったと思う。今回の米中対立で中国は北朝鮮の重要性に気がついた。そのために中国は北朝鮮の現体制を崩壊させないように、食料や燃料援助などを徹底的に行うだろう。もう北朝鮮はロシアに頭をさげて援助を請う必要はなくなった。むろん急いで南北統一を目指し、その新しい統一体制の中で生き残る必要もなくなったのだ。極東アジアの政治情勢が、ブッシュ政権の対北朝鮮政策の見直し、それに今回の米中軍用機接触事故で劇的に変化した。その説明は軍事知識のABCに書き込みました。これは一読すると、「風が吹けば桶屋が儲かる式」の説明と疑いやすいでしょうが、非常に重要なことなのでそう意識して読んでください。今後の朝鮮半島情勢の予測は、私のこの論理を否定するか、肯定するかで始まります。ああ、ピョンヤンから金正日総書記の鼻歌が聞こえてくるようだ。沖縄の米軍(特に海兵隊)が撤退する可能性も低くなった。 |
| 中国、米軍機乗員解放へ (各紙 4月12日 朝刊) |
[要約] 昨夜、中国政府は米軍機の乗員出国を認めると公表してした。そして本日、午前7時過ぎ(日本時間)にグアム空軍基地から飛び立った迎えの民間チャーター機が、海南島の海口市の空軍基地(民間空港?)から着陸し、直ちにEP3機の24人全員を乗せて離陸しグアムに到着したと発表した。
[コメント]中国の粘り勝ちといったところだが、これからアメリカは中国領空ギリギリの空域での偵察活動を遠慮することはない。当分は空中警戒指揮機を飛ばして、偵察機の周囲を警戒したり、護衛の戦闘機がいつでも駆けつけれる体制を強化して行うだけだ。それがアメリカの最終回答なのだ。そこでEP3機の機体返還だが、函館のミグー25亡命事件でアメリカが先例を作っただけに、中国が解体調査することに対して、中止を強硬に警告することはできない。まあ幸いにも、EP3が情報を収集したハードデスクは消去できたようだ。暗号解読機などはハンマーで破壊し、機外に捨てて海中に投棄し、最後の重要データは着陸後に特殊容器に詰めて少量の爆薬で破壊したそうだ。だから今回のEP3機のことはあきらめて、次の新型システムを載せかえるしかないだろう。この種の機体なら新たに開発を行わなくても、すでに新型でより高性能のシステムは準備されているはずだ。海上自衛隊はEP3の改装にかかる費用をアメリカに請求してみてはどうか。半分はアメリカのために情報収集を行っているのだから、新しいシステムを無償で提供してくれるかもしれない。どうせ海自で開発したくても、アメリカと共通性がなければ通用しないから、日本で自主開発できるわけがない。そのあたりのことを知っておく必要があると思いませんか。・・・・ということで、これにて1件落着。写真は海南島を飛び立つ米軍のチャーター民間機。(CNNのホームページより) |
| パウエル長官、米の領空侵犯を認める(人民日報 4月11日 ホームページより ) |
[記事全文] パウエル米国務長官は8日、米CBSテレビの討論番組に出演し、今月1日に米偵察機が中国機に接触した事故で中国の領空を侵犯したことを認め、これについて謝罪の意を表明した。
パウエル長官は「我々は確かに中国の領空を侵犯したことを認める」と述べ、米国はこれについて「遺憾」と「謝罪」を表明した。しかし同時に、米偵察機の領空侵犯は緊急の状況下で取った行動であることを強調した。
[コメント]中国の人民日報紙が国内向けに伝えた報道の内容である。パウエル長官は、「私は謝罪はしていない」と言っているのに、中国はどこ吹く風である。なんとも凄いごり押しではないか。こんな国が近代化して国際化できるのか大いに気になる。人権が侵害されている国という以前の問題だろう。私自身も今回の処理で、ちょっと中国の認識を修正した。実はこれこそが、中国人最大の弱点なのかもしれない。日本人はかつて中国の一部を侵略支配した国民である。だからこそ中国人の弱点を鋭く見抜く特性があるのだろう。アメリカ人は不可思議な国民と思うだろうが、正直に言って日本人からすればスキだらけに見えてくる。写真は米国防省が公表したEP3の写真。機首下の円形の突起物は電波方位探知機です。電波の発信地を正確に割り出します。 |
| 「謝罪」表現めぐり、駆け引き大詰め。合意文章交渉 (読売 4月11日 朝刊) |
[要約] 中国外務省の副報道官は、パウエル国務長官が8日に記者会見でSORRY(すまない)としたことを評価した。同長官は4日の記者会見では、REGRET(残念に思う。遺憾)を使っていた。米中両国の水面下の微妙な交渉は、表面で繰り広げらる派手な非難合戦に隠れて行われている。合意文章は間もなく妥結し、EP3の乗員は合意文書発表直後に解放される。
[コメント]本日の各紙の報道では、昨日までの中国側の強硬な姿勢と、それにいら立つア メリカ側の対応から一変した。SORRYとREGRETという言葉に使い方で、交渉が妥結する直前までたどりついたと報じている。まさに中国は面子の国なのである。アメリカのブッシュ新政権は、中国が強いやつが正しいの「西部劇スタイル」とは、まったく異質な国であることがわかったと思う。この間にホワイトハウスでは、「もっと強い警告を中国に発すべき」と何度も何度も語られたと思う。しかしそんなやり方では、中国には全く通用しないのである。ライス安全保障担当補佐官は世界最強の軍事力でも通用しないことがあることを実感してほしい。写真はライス安全保障担当補佐官。昨日、このホームページは開設して以来、一日のアクセス数が過去最大を記録しました。といっても、数百件程度のものですが、個人としてはよくやってきたと思っています。これからも頑張りますのでよろしくお願いします。(逆に、やり過ぎないように気をつけています。一日1時間程度が通常の基準目標です) |
| なぞのタンク2500個 事故?災害? 2年連連続(西日本新聞 4月10日 ホームページより) |
[要約] 玄界灘に面した福岡県北部の海岸一帯に、昨年末から今春にかけて樹脂製のタンクが大量に漂着した。福岡市東区の海の中道海浜公園の砂浜には現在も多数が散在している。九州北部の海岸には昨春にもタンクが大量に漂着しており、二年連続の不気味な光景に、住民らから真相解明を望む声も上がっている。ほとんどは空で、色は青、白、緑などさまざま。「過酸化水素」と書かれ、薬品用に使われたとみられるものもあった。今年は福岡への漂着が目立つが、その理由も不明。第七管区海上保安本部は「韓国の海洋警察庁に問い合わせたが、原因は分からない。船の沈没や大災害などの発生情報もない」と話す。
[コメント]単なる産廃の海洋投棄か、あるいは心理戦である可能性が高い。いたずらに騒がず、不安感を高めないで、冷静に事実の確認が必要である。来年の同時期に、無線発信機をつけた浮遊物を使って、海洋調査(海流や風の影響)を実施し、どの付近の海から投棄されたものか検証してほしい。日本にも風船爆弾のような歴史がある。写真はこの記事とは関係ありません。米軍のC−130輸送機です。 |
| 中国軍、EP3の部品を運び出し。(CNN 4月10日 ホームページより) |
[要約] 米国国防省は、中国軍がEP3の機体の部品を運び出している証拠として、上空の偵察衛星から撮影した写真(左)を公表した。EP3の脇に7台のトラックが並び、何か作業(国防省はハイテク機器を運び出していると説明)をしているのがわかる。
[コメント]やっと中国の老獪さが現れてきた。ただトラックは停まっているだけで、EP3の部品を運んでいるかどうかはわかならない。もちろんEP3機に巡航ミサイルを発射して破壊する荒業はもうできない。中国は謝罪要求を繰り返しながら時間を稼ぎ、EP3の秘密はごっそりもらう作戦のようだ。(あるいはそんな素振りを見せているだけかも)。いくらアメリカ側がイライラしても、核兵器という鎖につながれた犬が吼えているようなものだ。飛びついて中国に噛み付くことはないと判断している。この判断が中国の老獪さの凄さである。それにしても、アメリカ軍は佐世保に緊急入港させた原潜「シカゴ」で、特殊部隊員(SEAL)を海中密かに海南島付近運び、秘密上陸させてEP3の機体を爆破する作戦を中止したようだ。(むろん、SEALは中国軍に姿を見せずに撤収する予定のはずだった)。なぜその作戦が中止になったのか不明だが、佐世保であれほど無断入港が大騒ぎになり、そのままEP3の破壊作戦を続行すれば、米中関係ばかりか日米関係もガタガタになる可能性があった。そこで中国の遅浩田国防相のすごさは十分わかったので、そろそろ危険なチキンゲームは限界にきたことに気がついてほしい。この写真を米国防省に公表させたことで、今回は中国の勝ちである。むかし函館空港に亡命してきた旧ソ連のミグー25戦闘機を破壊するために、ソ連軍のスペッツナズ(特殊部隊)が潜水艦で潜入する可能性があると、函館空港沖の海域に護衛艦を出動させて警戒したことがあった。またソ連機の爆撃を警戒して、陸自の函館駐屯地に基地祭のためと偽装しL−90対空機関砲を搬入し、実弾を装てんして待機していたことも 思い出した。中国海軍も不明パイロットの捜索と言いながら、実は海南島周辺に多数の海軍艦艇を集中させたのは見事な作戦だった。海南島近海での米駆逐艦3隻の示威行動や、原潜シカゴのEP3機破壊作戦を中止させたのは、実は素早かった中国海軍艦艇の集結だったかもしれない。やはり中国軍は侮れない。遅浩田国防相が引退したら、ゆっくり飯でも食べながら、今回の裏話やどこで乗員の返還を決めたかをぜひ聞いてみたい。でもやっぱり無理だろうな。写真下は、捜索活動中の中国軍ヘリ。人民日報紙がホームページで発表した。だが外見上は捜索活動と哨戒活動、あるいはEP3が機密保護のために空中から投棄した関係書類(機器)の捜索なのかは区別がつかない。 |
| 口蹄疫のウイルスを何者かがばらまく?(毎日 4月10日 朝刊) |
[要約] ロンドンの日曜紙「サンデー・エクスプレス紙」が8日に報じたものを、共同電で毎日が報じた記事だ。口蹄疫が発生する2ヶ月前に、天然痘などのウイルスも保管している英南西部ウィルトシャーの研究所で、口蹄疫のウイルスが入った試験管が紛失していたのが判明した。この件では警察のほか、内務省情報局保安部(MI5)も捜査に加わっているという。
[コメント]この種の記事を風評と読むか、ガサネタと感じるか、あるいは深刻な事態と受けるかは微妙なところだ。サンデー・エックスプレス紙がどの程度信頼ある新聞かわからないので、今の段階では信ぴょう性に疑問がある。それに研究所の名前やコメント、警察のコメントもないのが気になる。(ノーコメントだったというのも立派なコメントである) 情報確認で最も確証が高いのは、政府が確認したということだが、今回それが英国で出されるとまさに深刻な事態となる。気をつけないといけないのは、同じように擬情報のために、酪農の盛んな北海道や東北地方では、噂だけでもパニックに陥る可能性がある。また悪質なマスコミの中には、わざとそのような記事を掲載して、国民の危機感を煽り、自社の販売拡大戦略としている社もある。また北朝鮮工作員などの謀略説を主張し、この情報と絡ませて反北朝鮮感情を煽る人も必ず出てくる。今後、この情報が日本のマスコミでどのように変形していくか、日本人の情報対応能力が試される記事である。私としては、軍の持つ心理戦テクニックが、このような情報操作に悪用されないか厳重に監視するつもりだ。 |
| 中国軍部が強硬姿勢?。中国軍部の強硬発言が目立つ。(4月9日 CNN ホームページより) |
[要約] 遅浩田国防相は「中国軍部と人民は、米国が責任をはぐらかそうとするなら、受け入れることは出来ない」と述べた。
軍部の強硬発言には2通りの受け止め方が出ている。一つは文字通り、軍部が政府に圧力をかけているという見方。もう一つは、解決の前に軍部のガス抜きのために発言させているという見方だ。 江沢民政権は、搶ャ平時代のような強力なリーダーシップにあるというより、軍部を含めた集団指導の色彩が強い。事件はまさに軍部を巻きもんだもので、軍部の意向は無視できないのではとの見方も出ている。
[コメント]事態が解決の方向に動いているという点では同感である。しかしガス抜き説はちょっと飛びすぎている感じがする。むしろ軍部はこの機会に、自らの存在感を高めようとする意図ではないか。軍事費は伸びても、中国人民軍の大幅人員削減、徴兵制の廃止、副業の禁止など、中国国内で軍の扱いには厳しい現実がある。それは軍のハイテク化(近代化)という目標のためなら避けれないが、老いた幹部たちには不満もあるのだろう。そのイライラが強硬発言に結びついている ような気がする。行方不明のパイロットの家族を再三登場させ、同情を煽るやり方が古臭いからそう思う。軍の若いスマートな国際派エリートがリードしているとは思えない。右上の写真は人民日報が4月9日に掲載した行方不明パイロットの家族写真。この他にも、この子供をひざに抱いた妻が、事件に関連した情報をインターネットで見せている写真(左)も発表されている。写真のタイトルは「父の救助を願いインターネットでニュースを読む」というものである。 |
| 中国機は撃墜を要請、「戦争になる」と不許可(朝日 4月9日 ホームページ 13時14分) |
[要約] 9日付の香港英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは、「米偵察機は事故を免れたもう1機の中国軍機パイロットに海南島への着陸を強制された」と報じた。また、僚機が米軍機と接触後、墜落していくのを目撃したパイロットは「米軍機を撃墜していいか」と地上に許可を求めたが、許可されなかったという。同紙によると、米軍機は事故後、海南島とは逆の北東方向を目指そうとした。だが、中国軍機パイロットはこれを許さず、海南島に着陸させた。撃墜は「戦争を意味する」として許可されなかったという。米軍機は着陸後すぐに中国軍に包囲されたが、乗員は米外交官の立ち会いを求めて中国軍の機内立ち入りを拒んだという。中国側はしばらくの間、強行は控えていたが、将校が機体のドアを守っていた乗員を地面に投げ飛ばし、機内に突入したという。
[コメント]まだこの部分は、米中双方が公表していない情報である。おそらく事実だと思うが、米中両国が互いに危機が高まることを避けるために、意図的に公表していなかったのだろう。米中の心理戦は最後の段階に入った。この部分の扱いで、米中両国が抑制しながら交渉を続けていることが理解できる。(このコーナーの4月4日のコメントを参照してください)写真は北京の米大使館を警備する中国の警察官。大使館前では中国人の反米的な抗議行動は禁止されている。 |
| 江沢民主席 謝罪でなく、「エクスキューズ・ミー」でOK?(CNN 4月8日 ホームページより) |
[要約] 江沢民主席のチリでの発言が注目を呼んでいる。江主席は「事故のときには、双方がすみません、というものだ」と述べたのだが、この時、特にこの部分だけは、英語で「エクスキューズ・ミー(すみません)」と表現し、これは謝罪を求めていた従来の態度を和らげたものだと受けとられている。
[コメント]これでいいのだ。中国は今回はいい演技をしたのか、いい勉強をしたのかわからないが、とにかくこれでうまくいったようだ。面子を重視していた軍部の方も、EP3機というお宝が「棚からぼた餅式」に手に入ったので、これ以上文句(ダダをこねる)をいうことはできないだろう。そこで私からの提案だが、岩国基地(山口)の海自EP3機が、今回の事故と同じように北朝鮮軍機と接触し、北朝鮮の空軍基地に緊急着陸したシュミレーションをしてみたらどうか。有事立法を協議するより、はるかに面白い展開が経験できると思う。航空自衛隊の乗員が全員拘束されているのに、日本海から米軍の巡航ミサイルが発射されて、滑走路上のEP3機が爆破されることも予測できる。このシュミレーションができるかどうかで、防衛庁が国防省に昇格できるかどうかの力量が試される。 |
| 防衛庁 暗号装置の変更検討 米中軍用機接触事故が日本にも余波(東京新聞 4月7日 朝刊) |
[要約] 防衛庁は海上自衛隊が使用しているEP3の、暗号装置などの変更を検討することに着手した。これは同型機が中国の海南島に不時着し、その機体が中国側に渡ったことの対応である。特に敵味方識別装置や、EP3と各部隊が共有する通信システムなどが変更される。(この変更には数百億程度の費用が見積もられている)
[コメント]海上自衛隊の幹部の中には、いっそEP3の機体を海面に不時着させて、EP3の機密を海に沈めるべきだったという声が多いらしい。また海自のEP3パイロットには、そのような対応を期待しているそうだ。しかし海面への不時着は、対地速度計などが正常に作動していることや、機体のスピードや姿勢が正確にコントロールされていることが絶対条件である。(海面に叩きつけられる)。すなわち燃料不足などによる不時着以外は不可能なのである。まさかEP3のパイロットに、緊急時には24人の乗員を道連れに、海面に激突して秘密を守れと要求することはできない。軍事技術のハイテク化とは、先端技術ばかりか、莫大なお金のかかるものなのである。 |
| 米機乗員 一両日中にも釈放 接触事件、米中が妥協策 (読売 4月7日 朝刊) |
[要約] 米中は水面下の交渉を通じ、米側は『遺憾』を表明し、中国側はこれを『評価』することで合意した。さらに米中共同声明で、米軍機は中国の管制官に緊急着陸を通告し、緊急着陸の許可を求めた。しかし中国の管制官は国際緊急専用無線のスイッチを切っていたので要請を知らなかった。と、いう言葉を併記することを合意したようだ。これによって米機の乗員は一両日中にも釈放される見通しとなった。
[コメント]これでほぼ一件落着である。交渉にあたった中国外務省は軍関係者の面子を考量していたようだ。これで面子が保たれるなら良いと思う。次はEP3の機体の返還だが、アメリカはEP3乗員の面会から、機内の機密データやソフト、それに暗号解読機が破壊されたことを確認したというなら、1〜2ヶ月は中国側にゆっくり見物させてやるのもしかたない。むしろ中国側があまりの電子情報収集技術の格差に驚いて、無謀な挑発を控える効果を期待できる。この事件で私が一番緊張したのは、事件発生直後に米駆逐艦3隻が海南島近海に出動したというニュースを聞いたときである。「まずい。これは子供同士のケンカに、親が刃物を持って駆けつけるようなもの」と思った。しかしすぐにこの駆逐艦による示威行動は中止になった。その中止のニュースを聞いて、この事件の最大危機は去ったと安心した。「雨降って地固まる」の例え通り、今後は米中が軍事対立した時の緊張感が並大抵ではないことを知って、信頼醸成を高める努力を行わなくてはいけない。ホワイトハウスのライス安全保障担当補佐官に伝えたい。旧ソ連への対応と、中国への対応はまったく異質なものと理解して欲しい。同じ社会主義国であっても、中国人とスラブ人では伝統も文化も、価値観もまったく違う国なのだ。中国に対ソ連式の対応は危険である。 |
| 米国は中国に謝罪する必要はない。 |
このHPの 軍事常識のABCのコーナで、アメリカに謝罪と偵察飛行の禁止をもとめる中国の姿勢に対して、私から中国にゴツンと1発言わせてもらいました。テーマは「米国は中国に謝罪する必要はない」です。これはアメリカに味方する意味ではなく、国際軍事常識という考えからあまりに中国がかけ離れているので、そのあたりのことを書きました。皆さんもアメリカや中国に何か言いたいことがあったらメールをください。写真は米商業衛星「イコノス」が撮影した海南島のEP3の写真。EP3の商業衛星の画像をメデアに公開したのは、アメリカの軍事偵察衛星は、さらに高精度な写真を日常的に撮っており、暗に情報集活動の重要性を中国に伝えたいからである。すなわち軍事偵察活動は日常的な活動であることを知らせたかったのだ。 |
| EP3 「機密破壊に成功」 (朝日 4月5日 朝刊) |
[要約] EP3の乗員は、機体が中国軍機と接触し、海南島の空軍基地に着陸する15〜20分の間に、搭載コンピューターのデータとソフトは消去し、暗号解析装置は破壊することに成功した。しかしアンテナ類の情報がロシアに売却されるのは確実と米側は見ている。
[コメント]搭載コンピューターのデータとソフトは、救急時のために設置された「ゼロ化」ボタンを押すだけで消去できる。EP3の乗員は緊急時に備えて、毎回乗務する際にリハーサルを行っていることもわかった。アメリカ政府は乗員に面会した際に、機密消去の確認をしたという。しかし昨日、公表された機体損傷の写真(上)を見ると、振動など異常な飛行状態と、墜落への恐怖という精神状態で、この作業が確実に行われたか断定はできないように思う。もしEP3の機密情報が、中国やロシアに渡れば米軍情報機関は深刻な打撃を受けることになる。しかし米政府が公式に機密情報は破壊されたというのであれば信じるしかない。いっそEP3が緊急着陸して乗員が機外に出て、時限装置を作動させ、機体を自らが爆破したほうがよかったのかもしれない。さて中米の対応だが、そろそろ非難合戦は終わりにして、事態の収拾と関係修復に動き出す時期がきたようだ。ブッシュ大統領の父の元ブッシュ大統領は,元CIA長官だがその前に北京連絡事務所長(74年〜75年)の経験を持ち、今も中国に太い人脈のパイプを持っている。互いがその気になれば、事態の収拾は早い動きが期待できる。今の中国の米国非難は無理・難題が多すぎる。はっきりいって交渉下手だ。搶ャ平と江沢民の違いがはっきり出た。江沢民の時代はもう長くなさそうである。 |
| 中国政府の反応 (4月4日 人民日報より) |
[要約] 中国政府の高官は、米軍機が中国側の許可を得ずに中国領空に侵入し、中国の空港に着陸したことについて、「中国の領空と主権を著しく侵犯する行為」と強調した。
[コメント]中国の論理は例え緊急着陸であっても、EP3の無線機が正常に機能していれば、事前に緊急着陸の許可を求めろと言っている。そうしなかった(領土侵入)ので、機体を調査する権利を中国が持っていると主張している。こちらも台湾の情報筋が流したように、警告の射撃(下段)について一言も触れていない。このあたり に米中の水面下の交渉が行われているような気がする。中国軍機がEP3に警告射撃を実施したのか、しなかったのか、まずこのあたりを米中両国政府はっきりさせて頂きたい。ただし早速、人民日報は正確な接触位置を示す図を掲載した。これで台湾がレーダーで接触時に両機を捕そくしていたという説は怪しくなった。また右の写真は中国当局が公表したEP3のプロペラ。中国軍機との接触で破損している。 |
| 中国軍戦闘機は警告射撃も 台湾紙報道 (読売など各紙 4月4日 朝刊) |
[要約] 台湾の英字新聞「タイペイ・タイムス」紙は情報筋の話として、中国軍機はEP3を海南島に強制着陸させようとして接触し墜落したと報じた。この際、中国軍機は機銃による警告射撃を行ったという。この模様を台湾当局はレーダーで捕そくしたほか、中国軍機の交信を傍受したという。
[コメント]台湾もこの事件をチャンスに世論を操作したがっているようだ。それでも、接触時にレーダーで捕そくしていたとうのは眉唾です。嘉手納から発進し東シナ海を南下するEP3をレーダーで捕そくしたぐらいで、接触時にレーダーで捕そくしていたとは言っていない。正確な接触空域が公表されていないのでレーダーで捕そくしていたと断定はできない。中国軍機の交信傍受は当然ながらしている可能性がある。そこで興味があったのが、警告射撃を行ったという部分である。私は衝突の原因はスクランブル発進した2機の中国軍機が、公海上でEP3に異常接近してきて嫌がらせ(コース変更を要求)をしたところ、EP3が脅かし(びっくりさせる)に飛行コースを急に変えて接触し、中国軍機1機が墜落した可能性が高いと予測していた。こんなゲーム感覚での偵察飛行は通常に行われている。 そこで残った1機の中国軍機は何をしたかということになる。まず海南島の基地に無線で連絡して、僚機がEP3に接触されて墜落したことを報告したはずだ。海南島の空軍基地の司令部は、この段階で残った中国軍機にEP3の強制着陸を命じたのではないだろうか。そこで機銃による警告射撃である。中国軍機はEP3に接近し、「警告! 我に従え」の意味でEP3の前方に機銃弾を発射した。そしてパイロットに手信号で進行方向を指示した。この時にEP3からの無線で嘉手納基地のF−15戦闘機がスクランブル発進したが間に合わなかった。中国軍機はEP3を海南島に誘導し、基地上空に達したところで着陸するように命じた。無論、EP3が指示に従わなければ撃墜である。目撃者がいないから、中国軍機と接触した損傷て墜落したで片がつく。しかし台湾当局はこの間の中国軍機の交信を傍受していたのだ。この場合の中国軍機の警告射撃は、中国側がEP3を強制着陸させたことを意味する。しかし米国政府は国内世論の強い反発を恐れ、この部分を意図的に隠して報道していた。それで台湾当局が米国内の反中国感情の高まりを期待して、台湾の英字紙を通じて警告射撃と強制着陸を発表してしまった。今の段階では、接触事故発生時とその直後の行動は予測するしかないが、このような予測がごく普通の軍事常識というところだ。しかしまだまだ事件は序盤である。写真上と下は、海南島の基地からスクランブル発進した中国軍機のF−8(同型)である。マッハ2.2の性能を持っている。下のカラー写真は人民日報のホームページより。さらに付け加えますが、台湾当局の通信傍受は、世界最大の盗聴機関であるアメリカNSAの一部として運用されている。 |
| 月刊誌「丸」の5月号(現在発売中)に、私の記事を掲載中です。 |
軍事月刊誌「丸」の今月号に、拙稿の「『米太平洋潜水艦隊』の知られざる実力」が掲載されています。特に今後の米潜水艦部隊の役割について興味のある方にお勧めします。 |
| 米大統領、中国に面会と返還を要求 (CNN 4月3日 ホームページより) |
[要約] 中国領海南島に不時着した米軍のEP-3偵察機の機体と乗員が中国政府によって拘束されている問題で、ブッシュ米大統領は返還交渉のため送り込んだ米外交団と乗員との面会を許可するよう促すとともに、機体と乗員の速やかな返還を求めた。
[コメント]海南島は中国空軍の基地の中でも、南沙諸島に近く最重要の空軍基地である。ロシアから購入した65機のSu−27戦闘機も、その主力は海南島の空軍基地に配備されていると読んでいた。その重要基地の電波情報の収集に向かったEP3機が、事故とはいえ海南島に不時着してしまった。最初にこのニュースを聞いたとき、不謹慎と思うがつい笑ってしまった。すでにEP3機の乗員は機内から出され、建物に収容されていると思うし、中国の武装兵は最極秘とは知らずに機内に入ってしまったはずだ。まるでハリウッド映画のような展開である。しかし中国は機内の情報データには触れていない。(でも写真ぐらいは徹底的に撮っただろう)
この種の情報データボックスには爆薬が仕掛けれ、不用意に触れば爆発して自ら情報を破壊する安全装置が組み込まれている。今回のように万が一、機体が敵の手に渡ったときのためである。この装置を解除しながら分解・調査するには至難の技が必要である。中国人にEP3の分解・調査は無理だろう。ロシアもアメリカとの関係悪化に配慮して、中国に協力するとは思えない。かつて函館空港にMig−25機が亡命したときは、米軍の専門化が自衛隊の関係者とともに、数週間かけて機体を完全に分解・調査をして、再び組み立ててソ連に丁重に返還した。やがて中国は機体も乗員も返還すると思うが、ここは自分の手の内にEP3機がある有利さを生かし、まずはアメリカに謝罪させて恩を売っておく作戦と思う。当分は中国ペースで事態は推移する。中国人の外交上手(老獪さ)をゆっくり見物させてもらおう。それとブッシュ政権がどこまで中国と渡り合うか、ここは高みの見物である。この種のような事件では、あまり危機感を高める必要はない。写真は富士山を背景に飛ぶEP3電波情報収集機。ところでこの事件に関連して、台湾にアメリカがイージス艦を売るとか、売らないとかの情報が流れているが、これはアメリカが中国に圧力を強めるための情報操作で、あまりこの事件と関連して考える必要はない。 |
| 本日、4月2日(月)、17時25分に、無事、広島より帰宅しました。 |
昨日、東シナ海で発生した米軍機EP3と中国軍機の接触事故の件で、明日よりこのホームページで関連情報を公開します。 |
| 広島地震のため、1週間、ホームページの掲載を中断します。(3月26日) |
現在、強い地震が起こっている広島県河内町は私が生まれた町です。その付近で震度6や5クラスの地震が起こっていることはご存知だと思います。その河内町の近くに母が一人で住んでいます。とりあえず、本日から約1週間の予定で帰郷します。震度6の地震が起きたとき、裏の畑を歩いていたら、立っておれないほど揺れたそうです。地面に両手をついて強い揺れに耐えたそうです。幸い怪我はありませんでしたが、あんな怖い思いをしたのは原爆以来と電話口で泣いていました。1週間ほど休みますが、どうぞご承知ください。ノートパソコンと携帯電話を持参しますので、メールは読むことができると思います。何か連絡がありましたら、ご面倒でもメールでお知らせください。 |