files(情報保管庫)

New Files Apr 2000

海上保安庁 観閲式及び総合訓練実施 4月29日 30日 (不審船追跡・制圧訓練を公開)

J−rcomでは、巡視船「やしま」に乗船し、この式典及び訓練を取材しました。幸いのも好天に恵まれ、取材写真も期待以上の成果が得られました。訓練では不審船の追跡訓練も行なわれ、ヘリからの着色剤投下、35ミリ機関砲や20ミリ機銃の威嚇射撃や、音響手榴弾(警告弾)や64式自動小銃を使っての制圧訓練、さらに隊員が不審船に飛び移っての制圧行動が行なわれました。またウォータージェット搭載の高速巡視船「かがゆき」(180トン)も受閲部隊で参加しまた。それらをこのJ−rcomの軍事の常識「海上保安庁の不審船追跡・制圧訓練」に掲載中です。写真を多数掲載しています。興味のあるかたはご覧ください。

(写真は不審船の追跡を行なう海上保安庁の「かむい」(根室保安部所属)で、船内には制圧行動を行なう武装隊員が乗船している。なお「かむい」と「かがゆき」は同型船 4月29日 撮影)
違法射撃 防衛庁24人を処分 陸将ら3幹部停職、辞任へ (各紙 4月27、28日 夕刊 朝刊) [要約]防衛庁は94年11月に起きた第一空挺団普通科群長の秀島1佐が、民間人に自動小銃や機関銃を撃たせ、さらにその事件を隠ぺいした事に関して、当時の関係者24人の処分を発表した。その中には西部方面総監や第9師団長の2名の陸将と、警務隊長である陸将補1名を合わせて3名の将官が含まれている。自衛隊史上で陸将が停職処分を受けたのは初めてで、3名はすでに辞表を提出し辞任することが内定している。なお、秀島1左は刑事告発され懲戒免職となった。

[コメント]部隊の指揮官が自衛隊の射場に民間人を招き入れ、自動小銃や機関銃を撃たせたということは異常なことである。さらにその不祥事を立件せず、ムヤムヤに隠そうとした体質は異常である。自衛隊には違法射撃はともかく、隊内部の問題であれば簡単に隠せるという体質はあった。そのことは自衛隊のイメージダウンを避けると言い方をされてきたが、ほとんどは上官が自分の管理責任という処分を避けるためであった。すなわち自己の保身のために、今までは自衛隊内の犯罪は意図的に隠されてきた。しかしFAXやインターネットが発達した現代では、それが内部告発で通用しなくなってきたのである。これは警察の不祥事が次々と明らかになる構造と同じである。そのような不祥事の再発を防ぐには、読売新聞(4月28日 朝刊)の「解説と提言」で書いているが、現在の幹部昇任制を抜本改革するしかないと思う。指揮幕僚課程(CGS)の卒業成績で将来のコースが決まるのは大問題だ。また将官の大部分が防大卒で占められるのも問題である。旧陸士・海兵出身者の敗戦コンプレックスが今の防大優遇制度を作った。そしてその制度はとっくに腐り始めている。このままでは優秀なものにまで、腐った悪臭が移ってしまうだろう。防大は陸海空で1学年100人もいれば十分だ。半分が途中で辞めたり、卒業時に任官をしないで民間企業や一般の大学院に行くと計算しても、募集をするのは200人ぐらいでいいのではないか。そのかわりに、アメリカで行なっているROTC制度を導入してはどうか。新入の大学生で希望者に試験を受けさせ、試験に通ったものに夏休みや冬休みを利用して軍事訓練や軍事教育を行なうのだ。大学卒業時に自衛隊に任官を希望するもには、再び任官試験を行なって、200名ぐらいを防大生と一緒に幹部候補生学校に入校させる。そしてROTCの大学生には、在学中の授業料や生活費の一部を、防大生のように奨学金として支給するのだ。当然ながら途中であっても、訓練や教育に熱心でないものはROTCの資格をうち切る。任官試験の成績が悪いものは幹部候補生への採用をしないで、一般自衛官や即応予備自衛官として採用をする。もし幹部候補生学校に採用されれば、防大卒もROTC終了者もいっさい差別はしない。また防大やROTCでなくても、一般の大学卒や幹部候補生受験資格試験合格者(大卒でない)も、若い幹部候補生に加える制度を重複させるのだ。こちらの一般大卒や資格試験の合格者の方は、基礎訓練で幹部候補生の教育機関が六ヶ月ぐらい長くなるが、幹部候補生課程を終了すれば防大やROTCと同じ扱いをする。いまのようにCGSなど30代前半で一生が決められ、それからは事故を起したり、処分を受けなければ何とかなるというシステムでは、マイナスの競争という問題を生んでいる。同僚の誰かが失敗をして、その脱落で自分が登り上がっていくというマイナスの競争である。これは公務員のキャリア制度以上に害が大きい昇任制度である。もう防大をエリート養成学校と呼ぶのはやめよう。社会からそんな言い方をされたから、威張るだけの馬鹿な指揮官が自衛隊にあふれかえっている。これからは防衛官僚の機嫌ばかり伺うような幹部自衛官が、上級幹部に昇任するようなことはやめよう。新たな昇任制度を作る以外、はっきり言って自衛隊の未来はない。しかし今までぬるま湯で育った無能なものに、実績を評価して昇任するシステムを作れるのか。実はこれが自衛隊人事の最大の問題なのである
防衛庁「部隊行動基準」策定着手 法の不備補う前進 (読売 4月25日 朝刊) [要約]防衛庁はサリン事件、テポドン発射、不審船事件を受け、部隊行動基準(一般的には交戦規定 ROEといわれる)の策定に着手した。いままでは事態に対して、どのような武器で対処するかは決めていなかった。陸海空の各自衛隊は行動基準策定の指示(内局より)を受け、いろんな場面を想定した基準作りに取り組んでいる。防衛庁の佐藤事務次官は「基本的には現行法の枠内で策定するが、それ以外に研究が出来ないということではない」と語った。

[コメント]戦争が何かわからないものが、やれ交戦規定だ、ROEだ、防衛法整備だと、ヒステリックに叫んでいるだけのような気がする。いわゆる机上の空論というやつである。目の前でナイフを持って暴れている男がいれば、付近にいる人が皆で石を投げて暴漢をやっつける。当然の話しである。しかし彼は単に一人だけで、ナイフだけを持って暴れており、まだ誰も傷つけていないから、皆がたくさんの石を男に投げるのは法律に反する。この場合は、長い棒を探し、その棒で男の胸を押す方法が望ましい。いや、男の肋骨が棒で折れたら過剰防衛で、この場合は警察官が到着するまで、物陰に逃げる方が正しい。そんなことを偉そうに議論し、単に形式的に決めていくだけのことである。それこそ自衛隊の行動はROEに縛られ、必要な身動きさえできなくなってしまう。不審船を取り逃がしたことは、海上自衛隊にその能力がなかったり、法の整備が遅れているわけではない。あんな不審船は捕まえる価値がなかっただけの話なのだ。自分の家の庭に入り込んできた野良犬は、石を投げて追い払えばいいのである。捕まえようとすれば、噛まれて(自爆されて)ケガをする場合もある。捕まえれれば、キャンキャン吠えてうるさいし、銃で撃ち殺せば死体の始末が面倒になるし、庭が血で穢れて汚くなる。石を投げて追い払えばいいのだ。あの場合、日本はさっさと海上警備行動を発令して、不審船に警告射撃や爆弾を投下して追い払った。ROEなどなかったから、庭に入った野良犬を石で追い払うことができた。それも知らないで、やれ海上自衛隊に能力がないとか、法やROEの整備が遅れているという議論は、戦争(現場)を知らないから言える机上の空論だ。実例を挙げて説明しよう。陸上自衛隊のカンボジアPKOの時に、投票場をポル・ポロ派が襲うという情報(噂)が流れた。その時も、自衛隊の現地PKO部隊はさっさと特別部隊を編成して、PKO五原則に関係なく戦闘を想定した武装パトロールを行なっている。もしPKO五原則に忠実に従うなら、現地PKO部隊は日本に撤収しなければならなかった。日本だけがそんなことができるわけがないのだ。その五原則を決めたのが、戦争を知らない政治家や防衛庁の官僚たちである。昨年の不審船の場合も、監視を続ける航空自衛隊のE2Cに対し、ミグ21らしき戦闘機2機が北朝鮮から発進すると、航空自衛隊は防空識別圏外に関わらず(従来のROEに関係なく)F−15戦闘機2機をスクランブル発進させ、洋上のE2C機の護衛にあたらせた。その時もまさか目の前で、E2Cがミグ21に撃墜されるのを、F−15はROEがないから護衛できなかったとは言わないだろう。もし北朝鮮軍のミグ21が迎撃態勢をとり、AAMの誘導レーダーを照射すれば、F−15はさっさと撃墜してもまった問題はない。この場合の撃墜は、国際的に公認されている軍事行動である。それより怖いのは、カンボジアPKOでわかったように、戦争を知らない政治家や防衛官僚や自衛隊の高級幹部が、机上の空論で作り上げ現実に対応できないROEである。防衛庁がROEの策定を始めたから、これで法の整備が進むという幻想を持たないで頂きたい。ちなみにカンボジアPKOで、ポル・ホト派が投票場を襲うというのは全くのデマ情報で、投票日に近くになって厳戒体制をとったのは日本の自衛隊だけである。カンボジア政府(人民党)が総選挙を有利させるために、意図的に人々の恐怖心をあおるために、ポル・ポト派が襲うと流したデマ情報であった。それを政府の発表なら何でも信じる日本の記者たちが、プノンペンからせっせせっせと記事を送ってデマを煽ったのだ。
メコン川上流の自由航行可能に 4カ国が合意書調印 (朝日 4月21日 朝刊) [要約]中国、ラオス、タイ、ミャンマーは、メコン側上流の商業航行に関する合意書に調印した。中国の雲南省からラオス北部のルアンプラバン港までの790キロで、この区間では通行料は不用になる。また他国の船であっても、自国の船同様に扱うことも決めた。今後、細かい規則を決めて来年4月から実施する。

[コメント]これが私がいつも言っている中国が東南アジアに進出するメコンルートである。海軍力が弱い中国が、海路を使わずメコン川を使って東南アジアに進出する最重要の道である。下流のカンボジアやベトナムはすでに中国の経済・政治圏に着々と飲み込まれている。最初は交易を活発化する経済活動で、次が軍事力を背景にした政治面が進出してくる。来年までには、雲南省からメコンを下ってホーチミン市まで旅をしたい。そして数年後に再び同じ道を旅して、中国がどのくらいの速さで南下してきたか検証したいと思っている。(参考までにいうと、2番目の道がミャンマーからインド洋に至る陸路。3番目が主に空路でパキスタンから中東に向かう道である。3番目は高地を通るので、年間8ヶ月は雪で閉ざされ空路に頼る。しかし夏ならトラックで通過できる道が完成している) 中国は着々と自分の世界戦略を押し進めている。日本は中国人(在日)を三国人と馬鹿にするような暇はない。
米21世紀安保委 2正面戦略の見直しを提言 統一朝鮮に米軍駐留も (各紙 4月20日 夕刊) [要約]2025年までのアメリカ国防政策を検討している「21世紀国家安全保障委員会」は、軍事技術が各国に拡散する今後、限られた予算で柔軟かつ即応的に対応するために、従来の2正面戦略を見直すことを提言した。また韓国、北朝鮮という言葉を使わず、統一された朝鮮に核武装を防ぐために米軍の駐留を続けるべきと国防長官に提言した。この委員会には国防長官、下院議長、NATO最高司令官経験者などで構成されている。統一された朝鮮半島での米軍事政策を発表したのは初めてである。

[コメント]そうなのである。時代は常に動いているのだ。朝鮮半島の統一はすでに現実的な問題として語られている。それにいつまでもアメリカの一国超軍事大国が続くとは思っていない。また空母や爆撃機などの大戦力が新たなテロに対応できるとも考えていない。しかし朝鮮半島の核武装を防ぐために、米軍は統一後も朝鮮半島に留まるべきという内容は韓国へのリップサービスである。もし朝鮮や日本が極東の非核宣言を行なえば、米軍が朝鮮半島に駐留する意義を失う。統一されたら米軍は朝鮮半島から撤退する。それをわざわざ隠すメッセージが核武装を防ぐため・・・・ということだ。毎日はこの記事で朝鮮情勢に触れていないし、読売は統一朝鮮に過敏に反応した記事を書いている。無難にまとめているのが朝日である。北朝鮮はアジアでの緊張緩和に貢献しているアセアン・フォーラムにオブザーバーで参加することを決めた。目に見える動きが出だした。しかしまだまだ朝鮮半島情勢は大きく動く。今、何かを断定することは難しい。
中国、イスラエル 軍事協力軸に対米連合 (朝日 4月20日 朝刊) [要約]江沢民主席のイスラエル訪問で、イスラエル政府は中国空軍のロシア製イリューシン76に搭載する早期警戒システムを、アメリカの反対を無視して中国に引き渡すことを決定した。今回は1機分であるが総計では5機分で、総額で約10億ドルになるもよう。これはイスラエルの年間武器輸出の半分以上に相当する。イスラエルはかつてアメリカに対して、サウジにAWACSを売らないように要請していたが、アメリカはこれをサウイジに売ったという経緯があった。対アラブ政策では立場が異なる中国とイスラエルだが、軍事協力では力を合わせることになった。中国やイスラエルのしたたかさを感じる「中東戦略」である。

[コメント]中国とイスラエルの軍事協力は最近に始まったことではない。中国空軍の輸送機を改造して空中給油機にし、従来の戦闘機や攻撃機に給油装置をつけるというのも、イスラエルの軍事技術者が全面的に中国をバックアップして進めている。それについで今度は早期警戒機の新たな配備ある。これで中国空軍の戦力は飛躍的高まることになる。しかし気をつけなければいけないのは、これで中国をとりまく軍事バランスがひっくり返るというものではない。そのあたりはアメリカもしたたかに計算してイスラエルと中国の軍事協力を見守っている。気の早い人は、これで中国空軍の爆撃機が、台湾どころか東京に飛んできて、爆弾を投下するという話しにしてしまう。まさに北朝鮮の欠陥ミサイルであるテポドンが東京を攻撃するというわけのわからない話をする人と同じである。だれが何と言っても、イスラエルはアメリカの援助がなければ生けていけない。イスラエルで外貨を稼ぐには軍事技術ぐらいしかない。また、中国はどこかの国の力(軍事技術)を借りなければ兵器の近代化はできない。それが基本になって生まれた新たな軍事関係である。決して強固なものではない。アメリカは中国が空中給油機や早期警戒機を持つのを許したのは、日本の自衛隊が早期警戒機を配備したので、この程度なら東アジアの不安定要因にならないと判断しているからだ。中国はロシアからも新鋭戦闘機を購入する契約をまとめた。すべてアメリカの許容範囲内の軍事力増強であることを知っておこう。軍事常識の欠落した脅威論は、地域の不安定を増加させる第一の要因となる。イスラエルもアメリカと喧嘩したようなフリをしただけで、中国はそのことはご納得のはずである。これがしたたかなのだ。
米、台湾へのイージス艦売却見送り 中台軍事近郊変化 安保体制に影響も (読売 4月20日 朝刊) [要約]台湾はアメリカに対し中国軍のミサイル増強で、4隻のイージス艦の購入を求めていた。しかしアメリカ政府は、台湾に対してはイージス艦の売却を中止する決定をした。これは台湾の対中国軍事バランスを崩すおそれがある。中国はロシア製スホイ27戦闘機のライセンス生産を開始し、今年中には最新鋭のスホイ30戦闘機の配備も始める。また中国海軍は尖閣列島や沖縄周辺で活動が活発化している。中台の軍事バランスの変化は日米安保に重大な影響を及ぼす。十分な関心を払うことが大切だ。

[コメント]「でたー、また結婚話や」じゃないが、中国の軍事力が大きくなるとこんな「でたー、また中国脅威論や」が必ず出てくる。この間まで、北朝鮮脅威論を盛んに力説していたマスコミは、もうすっかり北朝鮮脅威論を忘れ去っている。確か、間もなく切羽詰った北朝鮮軍が、捨て身の攻撃を韓国に仕掛けてくるという主張だった。そういえば、アメリカが今回台湾に売却を認めた中距離空対空ミサイル(AMRAAM)は、中国が同様の装備を配備するまで、米国内に備蓄されることを米政府は決めている。(18日 ベーコン国防省報道官) アメリカも台湾もいたって冷静なのである。中国が新たに台湾海峡付近に200発の短距離弾道ミサイルを配備したからと言って、アメリカが4隻のイージス艦を台湾にホイホイと売ったら、それは間違いなく戦争を始め殺戮と破壊で儲ける死の商人である。安全保障政策というのは、もっと大きな視点と総合的な判断、それに歴史的な知識が絶対に必要である。個々の出来事だけで、コロコロ戦略を変えるほど無駄で危険なことはない。
変容するイスラム タリバン養成所 (毎日 4月19日 朝刊) [要約]アフガニスタンの国境に近いパキスタン西部に、学生数3千人の大マドラサがある。ここはタリバンの兵士を精神的な面で養成する宗教学校である。彼らがイスラム主義に忠実であろうとすれば、アメリカからイスラム原理主義社とか、テロリスト、イスラム過激派と呼ばれることになる。今、この学校にはチェチェンをはじめ、紛争を抱える多くのイスラム国家から、若い学生が学びに来ていると言う。そしてアフガニスタンの戦闘を実際に体験し、やがては祖国に帰ってイスラムのために戦うという。

[コメント]17日から始まった連載の第3回目である。いままで内情が語られることのなかったタリバンのことが報じられている。今回はタリバン兵士を養成する大マドラサ(イスラムの宗教学校)のルポがテーマになった。この連載は本当にすごい。記事の中味(切り口)がいいし、今までだれも取材が出来ないと思っていたタリバンが、全面的に取材に応じているのも意外だった。しかし考えてみれば、タリバンとパキスタンとの関係悪化が伝わっていたので、いつかタリバンが国際世論のために閉ざした扉を開くことは充分に考えられることだった。そこを毎日の「宗教と政治」の取材グループは見事についた。この特集は大変なスクープである。この特集の取材人に敬意を表すことにする。しかし最も重要なことは、今は宗教の違いを際立たせるのではなく、互いが違いを認めて尊重する時代がきていることを主張して欲しい。
イスラム過激派の温床になっているアフガン・タリバンの特集記事 2発の巡航ミサイル(不発弾)が中国に渡る? (毎日 4月17日 朝刊) [要約]この日の朝刊の一面、六面、七面を使って、アフガニスタンの特集を組んでいる。その中心はタリバンの誕生から、現在までの過程を詳しく報じている。またラディン氏の処遇に対するタリバンの考えも、記者のインタビューに答える形で答えている。この記事の中にハッとする情報がある。それは1998年8月20日に、アメリカの艦艇から巡航ミサイルがアフガンに発射された。ラディン氏が起したテヘランの米軍宿舎爆破テロの報復といわれた。その時に、2発のミサイルが不発弾となりタリバンの手に入った。それを中国の代表団24名がアフガンに現れ、アフガンの道路の補修をすることを見かえりにして、巡航ミサイルの不発弾を中国に持ちかえったいう。

[コメント]もしこれが事実なら、中国はミサイルの長距離誘導システムや、小型ターボジェットエンジンの技術を、この不発巡航ミサイルから入手できる。仮に中国が5年以内に射程が2500キロで、命中精度(CEP)が50メートルの巡航ミサイルを完成させたら、台湾問題や沖縄米軍基地に大きな影響を与えることになるだろう。アメリカが深刻に受け取ることは容易に想像できる。アメリカはユーゴ空爆で、虎の子のB−2爆撃を撃墜され、その機体の一部をロシアに持ち去られたという情報がある。B−2の場合は墜落して大破しているし、主要な部分には自爆装置もついている。しかしアフガンの巡航ミサイルは、不時着した際に自爆装置が働かなく、そのまま中国が回収したなら大変なことである。これが本当の話なのか、それともタリバン流の脅し(再度の攻撃を抑止する)なのか。アメリカのCIAなどはこの確認作業で忙しくなりそうだ。私は真偽は半々と予想する。
海自システムにオウム関与 信者がソフト開発 作戦部隊に指揮官制 (読売 4月14日 朝刊)   [要約]海上自衛隊の指揮官制支援システム(MOF)に、オウムの信者がソフト開発の技術者として関わっていたことがわかった。製作の元受はNTTデータで、その下請けの8社の中に、オウムの信者が契約社員として派遣されていた。これでオウムのソフト開発での納入先は防衛庁・郵政省建設省や、大手企業など190機関、210システムに及んでいる。

[コメント]昨夜、そろそろ風呂に入って寝ようとしていた夜の9時半ごろ、東京のラジオ局から電話がかかってきた。用件はこの事件を明日の早朝のニュースでやるのでコメントがほしいというものだった。放送局が聞きたい質問は2点で、ひとつは指揮官制支援システム(MOF)とはどのようなものか。もう1点はオウムの信者をチェックすることは出来ないかということだ。この2つの質問に、わずか一分以内でコメントしてくれというのだ。録音の準備をして10時頃にもう一度電話するといって切った。そこで私は急いで風呂に入り、風呂から出て書斎で熱めのコーヒーを飲んで、放送局から再度の電話を待った。電話がかかってきたのは10時半頃になった。その間に放送局の報道部では、記者達が最新のニュースをチェックしていたのだろう。さっそく先の質問が始まった。「指揮官制支援システムというのは、海上の艦船たとえば護衛艦や潜水艦、それに航空機などと陸上の司令部を結ぶ通信網です。人間で言えば、目や耳で得た情報を脳に送り、それに関連して手や足を動かす指令を伝える中枢神経のようなものです。もしこのシステムが途中で止まれば、人間の体が動かなくなります。前回にオウムが関与した陸上自衛隊の師団通信システムは、仲間内の会話を行なう通信システムですから、MOFは比べ物にならないほど重要な海上自衛隊の作戦システムです」。「オウム信者を官庁や大手企業のソフト開発から完全に排除するのは、下請け、孫受けという今の日本の受注システムから難しい。やはり重要なことは外部にまかさないで、自分たちが信頼できるものにやらせるということが大事です。できればシステムを最終チェックした後、ソフトの一部を組替えて、ソフト開発者さえも知らせない暗号などを組み込むことも大切です」と答えた。電話での録音は数分で終わった。今朝、6時台のニュースで流れたはずである。つい数年前までは、朝の5時頃に突然起され、30分後の生放送でコメントをよろしくというものが多かった。それと比べると、前夜の録音は睡眠時間が確保できて助かる。
対朝鮮 米の役割低下 中国は緊張緩和期待 (毎日 4月13日 朝刊) [要約]読売新聞のワシントン支局からのレポートである。北朝鮮の現政権に関与し、発言を強めていたアメリカにとって、韓国と北朝鮮の首脳会談はアメリカの立場を弱めることになると分析している。逆に、中国は朝鮮半島の安定化で、台湾問題などの外交政策に専念できる環境になったいう。今回の南北首脳会談の背後に、中国が描いた朝鮮半島政策のシナリオを感じている

[コメント]中国が北朝鮮のテポドン騒動などで、日米韓の軍事同盟の強化を苦々しく思っていたことは間違いない。日本が北朝鮮の危ない体制を理由にTMDへの参加や、偵察衛星の導入などを決めたことに危機感を持っていたからだ。そこに昨年のペリー報告でアメリカは北朝鮮の現体制の存続を許し、今後も積極的(軍事も含む)に北朝鮮に関与していくと公表した。だから今回の南北首脳会談開催で、中国は自らの朝鮮半島政策への意志を示したと思う。その点で、私はこの記事に同感である。今、一番気になるのは、そのような南北交流が始まれば、北朝鮮の現体制がそのまま存続できるかという点である。日本では鎖国から開国政策に転じた江戸幕府では、進んだ世界の新しい価値観に対応できず、崩壊をするしかなかったと同じ現象が起こるのではないか。今は単にそれを予測するぐらいしかできないが、北朝鮮の体制が一気に崩壊することも視野にいれて、国の対策を整えておくことも重要な危機管理である。(これは軍事的な対応だけという意味ではない) 何度も言うようだが、北朝鮮のインフラ整備には特需効果を期待できるが、1歩誤れば世界恐慌の引きがねになる危険もあるということである。
三国人ら凶悪犯罪・・・騒げば治安維持を 石原知事 陸自式典で発言 (各紙 4月10日 夕刊) [要約]陸上自衛隊練馬駐屯地での「創隊記念式典」で、石原都知事は「三国人、外国人が凶悪な犯罪を繰り返しており、大きな災害では騒擾事件すら想定される。警察の力に限界があるので、みなさんに出動していただき、治安の維持も大きな目的として遂行しほしい」と発言した。これに対して、三国人というのは差別用語で、関東大地震の時に朝鮮人と社会主義者が暴動を起こしているとデマがもとで数千人が虐殺された例をあげて、石原知事の民族主義的な発言に反発が高まっている。

[コメント]石原さんはとにかく誰かを挑発しているのである。「支那という言葉がなぜ悪い」とか、「中国は好きになれない」とか、自分が新たな世界観に適応できないので、そのイライラを挑発行為で紛らわしているのだ。こうゆう精神状態の人は無視するに限る。こちらが反発しても、石原さんに更正の意志がないから無駄である。ところで挑発という言葉の意味について、この機会に軍事常識的な考え方を知っておくといいだろう。一般に挑発という言葉は、「挑発をするな」とか、「挑発に乗るな」というように、悪いイメージの言葉や手段として使われている。しかし軍事常識では、挑発は高度な政略手段として使われている。すなわち敵をわざと挑発して、こちらに都合のいい場所や時間におびき出して、有利に攻撃する方法の一種なのだ。もし誰かがこの定義を使って、ある人に人為的な挑発を行なって攻撃すれば、ものすごく簡単にその人をうち破ることができる。あまりに簡単な謀略テクニックだが、予想以上に大きな効果が得られるので怖くなることがある。石原さんが誰を挑発して、何か(誰か)を叩きつぶそうとしているか、それはこれからの楽しみな見ものである。ただし石原さんが挑発している相手は、今の中国政府でないことは確かである。老獪な中国にはこの程度の幼稚な挑発は通用しないからだ。兆発の相手が誰か、今はまだ何かわからない。しかしもし兆発の意図がなくて使ったのであれば、石原さんはただ社会認識が低い人というだけの話しである。
6月に南北首脳会談 平城で開催 両国が発表 (各紙 4月10日 夕刊) [要約]韓国と北朝鮮は、史上初の南北首脳会談を行なうと発表した。これは6月12日から14日まで、金大中大統領が平城を訪問して行なうものである。これは中国の上海や北京で双方が接触して交渉を行なっていた。韓国では最近になって、今後、北朝鮮のインフラ整備で特需が行われるという情報が流されていた。それを裏付けるものとなった。しかし会談実現には、まだ紆余曲折が予想されている。

[コメント]すごいニュースのはずなのに、なぜか不思議と驚きも感動も起こらない。ベルリンの壁が崩れた時のような、フィリピンのマルコス政権が倒されたような感動が起きないのだ。なにか裏の世界で政治家たちが、計算ずくめで仕掛けた政略のようなイメージがあるからだ。もちろんこの秘密会談は、中国の上海や北京で行なわれたというから、中国政府が一枚絡んでいることは間違いない。私の経験や勘からすると、この南北首脳会談の奇妙さは中国外交の巧妙さそのものである。アメリカのペリー報告への回答が、この南北首脳会談の開始という巻き返しのような気がする。アメリカが北朝鮮の小さな脅威を利用して、極東でアメリカ軍事戦略の強化を許さないという中国の反撃ではないか。これは私がいつもいう、アメリカの単純な(西部劇のような)軍事戦略と、老獪さを秘めた中国の軍事戦略の違いなのである。アメリカの軍事力が中国より数段優っているから、アメリカの政策がアジアで必ず通用するわけではないのだ。とにかく、これで南北交流が始まれば、北朝鮮特需が生まれるのは必死である。東西ドイツのように東が西に負いかぶさるのではなく、北が南に倒れかぶさらなければ、北朝鮮に米、日、中から大量のインフラ整備資金が期待できる。しかしここで気になるのは、そのような環境の劇的変化に北朝鮮の金正日体制が耐えれるのかということである。もし北朝鮮で暴動が起きたりして、ベルリンの壁の崩壊やフィリピンのピープルパワーが発生すれば、世界的に見て深刻な事態が起きてしまう。その朝鮮半島の混乱が、世界恐慌の発生原因にさえなってしまう。
海自 特別警備隊 制圧武器装備 3小隊 (読売 4月9日 朝刊) [要約]海自が不審船対策として設置する特別警備隊は、自衛艦隊司令官の直轄部隊として、江田島(広島県)に常駐することを決めた。編成は全部で3個小隊で1個小隊を18名で編成、2個即応小隊と1個教育小隊になる。装備は小型の自動小銃や閃光手榴弾、それに手錠や特殊警防など「非致死性」の制圧武器を装備する。当分は陸上自衛隊で武器の操作や、パラシュート降下などの訓練を受ける予定。

[コメント]どのような者が選抜されて、どのような訓練を受けるか楽しみである。しかし一人前になるには3年ぐらいはかかるだろう。それでもやっと基礎訓練を終えた一人前程度で、それから各種の応用訓練と実戦経験で使い物になるか、ならないかがわかる。ここでひとつ提案をしたい。彼らが装備する武器の中に、ネバネバの液体を放出して、敵の体の自由を奪うものがある。まあ鳥もちとか瞬間接着剤を、相手の体に吹き付けるようなものだ。相手が小型の船舶程度なら、艦艇から高圧放水銃で放水すれば良い。ぜひこの武器の装備を提案する。ヘリで上空から接近しても、携帯SAMで撃ち落される危険がある。対戦車ロケットの攻撃に耐えれる程度の高速艦船を建造して、そのデッキにリモコンの高圧放水銃を装備すれば、放水手が敵に撃たれる心配もない。ぜひ検討をお勧めする。こんど高速の密漁船を相手に、この訓練をやってみてはどうか。暴力団がやっている高速密漁船が、携帯式の対空火器や対戦車火器をもっていると想定しての制圧訓練である。その訓練をやるときはぜひ招待をお願いする。
北朝鮮 飢えた層に食糧届かぬ 救援組織の責任者に聞く (毎日 4月7日 朝刊) [要約]北朝鮮で援助活動を認められたNGOがあいついで撤退をしている。その中で今年2月に撤退した世界的な飢餓救済組織「アクション・アゲンスト・ハンガー」(本部 パリ)の現地責任者が撤退の理由を語っている。それにおよれば、食糧援助は政府を通さなければならないので、本当に飢えた人に食糧が届いていないと言う。また食糧援助が政治戦略のために行なわれ、米、日、韓国の食糧援助は、金正日体制の崩壊を防ぐために行なわれている。食糧援助は政治目的と人道目的を混同すると危険なことになり、北朝鮮では多くに人が犠牲になっている

[コメント]この指摘は重要な要素を持っている。北朝鮮の金正日体制が極めて非民主的な独裁を行なっているのは周知の事実である。しかし米、日、韓国は昨年のペリー報告に基づいて、北朝鮮の現体制を温存することを決めた。それは北朝鮮という小さな脅威を利用して、中国に対抗するために米日韓の軍事体制の強化を図るためである。そのことで北朝鮮では、飢餓が深まり、多くの国民に人権を無視した政治が続く。こんな単純なことも、国家の論理で簡単に押しつぶしてくる。アメリカのマスコミもよく人権とか民主化をガタガタいう割には、北朝鮮の悲惨な現状には見向きもしない。しかし必ず北朝鮮で不満が爆発するときがくる。それを強く信じたい。
米,アジア太平洋で多国間(5か国)演習を提案 「趣旨はPKO」強調 中国の反発必至 (朝日 4月6日 朝刊) [要約]フィリピン国防省筋によれば、昨年の11月に米国防省から、フィリピン、タイ、オーストラリア、シンガポール、マレーシアの5カ国と、「国連PKOの概念で、おこり得る衝突を解決する多国籍軍の演習」を提案してきたと言う。今までは個別に行なっていた定例の演習を、これからは多国籍軍の演習として一本化したいようだ。しかし南砂問題などで米国のプレゼンスを嫌う中国は、このような動きを嫌うのは必至である。フィリピン軍幹部は「これで解決できる問題より、新たに生まれる問題が多いかもしれないな」とコメントしている

[コメント]アメリカがやりたい気持ちは痛いほどにわかるが、そう簡単にNATOの多国籍軍ようにはいかないだろう。NATO軍も地域紛争を解決するという目的でPKO演習を始めた。その結果がまずはコソボ軍事介入であった。しかしコソボ紛争が解決したとは思えない。ただアメリカを支える軍事力として、NATO軍を地域紛争に投入できたのは,アメリカにとって成功であったという成果だけである。さてアジアのほうだが、アメリカ軍としては対中、対ロシアだけに対峙して、アジアの地域紛争はこの5カ国にやらせたいというのが本音だ。やがて国連PKOならOKといって、日本の自衛隊や韓国軍も参加させることを含んでの提案である。このようなアジア各国やアメリカの動きに対し、日本の国益に立って外交を展開できる政治家が日本にはいない。森首相のリーダーシップにはとても期待できない。出て来い、本当の日本のりーダー。過去のしがらみから開放された、新世代の登場に期待する。


 3月25日よりの西日本(中国、九州)の取材を終えて,本日4月5日に帰京しました。

やっと今日から,再び、このHPでガンガンと情報を発信します。なお今回の取材の成果を、明日よりのHPで報告します。お楽しみに!
  ここから上は4月6日(木)以降の情報を掲載しています。