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北朝鮮 先月 「テポドン」噴射実験 発射台周囲覆う (読売 2月28日 朝刊) [要約]北朝鮮は弾道ミサイルの発射基地の舞水端里(ムスダンリ)で先月、ミサイル・エンジンの噴射実験が行なわれたことがわかった。これは米偵察衛星が撮影した写真に、地面の変化(高熱を浴びた)などから判明したという。この噴射実験には周囲や上に覆いが設けられ、人々や車両の動きが衛星から判別できないようにしたあったという。また周囲に光ファイバー通信網が設置され、日本が行なっている無線傍受もしにくくしている。このミサイル噴射実験は「瀬戸際外交」のひとつで、アメリカに危機感を与えて交渉に引き出す作戦のひとつと考えられる。

[コメント]昨日は北朝鮮が米朝合意に反して、寧辺の実験用原子炉を再稼動させていると報じられた。(毎日 2/27 夕刊)。そして今日は、先月の出来事とはいえ、ミサイルエンジンの噴射実験である。しかし噴射実験は覆い(屋根)があったので、液体燃料か固体燃料かは判明していない。むろん弾道ミサイルの発射に必要な発射台(やぐら)の建設や、ミサイル本体の組み立てや、液体燃料の注入は行なわれていない。原子炉の再稼動も、あくまで使用済み燃料棒を作る程度で、使用済み燃料棒を再加工して、原爆に必要なプルトニュームを作る過程ではない。(しかし原子炉の再稼動を禁じた米朝合意には違反)。やっていることは今までの瀬戸際外交と同じでも、まさに恐る恐るコソコソとやっている感じがしてならない。むしろ哀れな感じすらする。
 北朝鮮はこんな姑息なことで、アメリカを追い詰めている気になっているのだろうか。それでもイラク攻撃が終われば、アメリカの次の関心は北朝鮮に向かうことは必至である。
 私が一番心配しているのは、これらのことから北朝鮮が明日にでも、日本に核弾頭つきの弾道ミサイルを射ち込んできると騒ぎ出すマスコミのことである。そのような無用の騒動を起こさないために、このホームページを作った理由のひとつでもある。最近は一日のアクセス数が3000件を超え始めた。だから微力だがバカ騒ぎへの抑止力になりつつある。皆さん、冷静に、冷静に。もし本当に危険な時がきたら、防衛庁や政府やマスコミが騒ぎ出す前に、私がこのホームページで大騒ぎします。安心してください。
米国防長官 イラク戦力は「湾岸戦争時の半分」 生物・化学兵器の攻撃警戒 (サンケイ 2月27日 朝刊} [要約]ラムズフェルド国防長官はワシントンで講演し、イラク軍の戦力が湾岸戦争時の半分に落ちていると話した。しかし生物・化学兵器は技術的に進歩し、無人機による散布など、より危険になっていると表明した。米戦略研究所(CSIS)によれば、最近のイラク軍の戦力を、兵員38万9千人、戦車2200〜2600両、航空機は300機としている。

[コメント]私はイラク軍39万人も、開戦になればほとんどが抵抗をしないと予測している。しかし共和国防衛隊の5〜10万人が抵抗する可能性がある。生物・化学兵器はこの共和国防衛隊に配備されている。もし共和国防衛隊が生物・化学兵器を、米英軍ではなく、反乱したイラク軍に使った場合はどうするのか。それでもアメリカはあらゆる兵器(核兵器を含む)での報復を行なうのであろうか。湾岸戦争ではイラク軍は最前線に配備され、もし多国籍軍に戦線を破られて敗走すれば、背後の共和国防衛隊から攻撃を受ける配備だった。今回も、共和国防衛隊が生物・化学兵器を使って、同じようにイラク軍を前線配備する可能性が高い。もしイラク兵が逃亡や反乱を起こせば、イラク共和国防衛隊の生物・化学兵器で攻撃されるのである。そうなると、米英軍は生物・化学兵器に汚染された一帯は立ち入る(通過)ことができない。この問題にどのように対処するのか。自軍さえも人間の楯に使うというのがフセイン流である。
北朝鮮ミサイル 「通常の訓練」 海上幕僚長が認識 (読売 2月26日 朝刊) [要約]古庄海幕長は25日に記者会見をして、「北朝鮮は夏に農作業して、冬に訓練を実施して、地対艦ミサイルを発射している。今回も通常の訓練で、北朝鮮は数日前から一部海域を航行制限した情報を得たので、ミサイル発射訓練の可能性を予測していた」ことを明らかにした。
 またパウエル長官は盧武鉉大統領との会談のあと、記者会見で北朝鮮に最大10万トンの食糧支援を行なうことを表明した。

[コメント]やはり昨夜も最後のラジオの生放送(電話)が終わったのは10時半過ぎでした。それから本日の打ち合わせの電話が数件入って、寝たのは12時少し前でした。そして本日は朝6時半からの生ラジオ(電話)のために5時半に起床して朝刊をチェック。軍事評論家なんて、テレビやラジオで好き勝手に話して、楽な仕事だと思っているでしょう。でも、とんでもない激務のときがあるんです。(しかし時々ですが)。
 ところで昨日は、福田官房長官が「防衛当局は時期が時期だから、的確に判断してミサイル情報を速やかに官邸に報告するように厳命した」なんて言っていました。が、防衛庁や海幕長の本音を言うと、「バカ野郎、どうしてこんな程度の低い情報を一々官邸に上げる必要があるんだ。本当に日本の政治家は軍事を知らなすぎる。この程度の情報をすべて官邸に上げたら、官邸は軍事情報の洪水で機能がストップしてしまう。いいかげんなことを厳命するな」ということになる。これは何も自衛隊への味方をするのではなく、錦の御旗のシビリアンコントロールと、制服(自衛官)の人事権(1佐以上)を官僚(官僚の背後に国防族)に握られているので、何も批判できない自衛隊員のために代弁しているだけです。
 シルクワームが日本に脅威を与えるミサイルなら、蝶々・トンボも鳥のうち。(おそまつ) 

 パウエル長官の北朝鮮・食糧支援の表明は、北朝鮮を支援するというものではなく、盧武鉉新大統領に対するご祝儀である。あくまで太陽政策を継続する盧武鉉大統領を支持するというパウエル長官の態度表明でもある。しかしこのホームページを読む人は知っていてほしい。韓国の太陽政策は、大量の生物・化学兵器を配備し、いつでも発射できる状態の北朝鮮を軍事的に追い詰めないで、非軍事的な手段で厚いマント(閉鎖国家)を脱がせ、北朝鮮の独裁体制を終わらせる政策であることを。これも一種の北朝鮮を崩壊させる政治・外交手段なのである。これを軟着陸と呼んでいる。
北朝鮮がシルクワーム発射 (テレビ速報 2月25日) [要約]北朝鮮が昨日、地対艦ミサイルのシルクワームを発射したことがわかった。これは通常の訓練と思われ、米・韓に緊張する場面はなかった。しかし日本の報道は大騒ぎだった。

[コメント]いやー、凄かったよ。瞬間風速は70メートル/秒ぐらいはありました。テレビで速報が流れると、すぐに電話がかかってきて、猛烈に吹き荒れて通り過ぎていきました。
 でも所詮はシルクワームでしょう。先日のMIG19戦闘機と同じで、ガリガリに痩せた猫としか感じられませんでした。(この欄の2/21日を参照) しかしこんなもので大騒ぎをしてくれる日本なんて、北朝鮮はきっと感謝していると思います。
 問題はこの時期になぜ、でしょうが、やはりパウエルさん、小泉さん、韓国の盧武鉉新大統領と日米韓が集まるとなれば、何か一発ぶっ飛ばしたくなるのが北朝鮮の心理だと思います。しかしそれがシルクワームとは情けない。まさに北朝鮮軍の極貧振りが伝わってくるような一発でした。盧武鉉新大統領の就任式を邪魔するとか、米韓合同演習への反発はないと思います。この程度の反発なら、軍事的な反発にならないからです。やはり日米韓の連帯を嫌ったという程度ですね。
 それから気がついたのは、こんどのシルクワームを中国の新型シルクワームとカン違いしていること。中国のは射程(100キロ程度)と長いし、慣性誘導+アクテブ・レーダーホーミングですが、北朝鮮製は射程が40〜60キロ程度で、レーダーホーミングだと思います。
 またこれから夕方から夜にかけて、ひと風吹きそうです。  
米、国連の「平等の弊害」に嫌気 国連の存在意義を問う (読売 2月24日 朝刊) [要約]イラク攻撃が迫る中、米国が国連の存在意義を問い詰めている。ブッシュ大統領は、「このままでは国連は無能で無意味な討論クラブに成り下がる」「米国の不参加で失敗した国際連盟と同じ運命だ」と批判する。国連は第2次世界大戦の戦勝クラブとして生まれ、戦勝5カ国の拒否権や「旧敵国条項」も残したままだ。また安保理常任理事国の拒否権以外、参加国の国力や分担金に関係なく、「一国一票」制や「全会一致」制の原則がある。そのため軍縮会議などでは、イラクや北朝鮮やイランも含まれ、全会一致制のために身動きできなくなっている。このことにアメリカはただ一国の超大国として、国連の存在意義を問い直し、国連の役割に苛立ち始めている。また仏、露、中も、アメリカが国連を軽視することに危機感を持っている。国連が力を失えば自国の影響力が減少するからだ。国連は新たな見直しの時期を迎えた。

[コメント]アメリカのイラク攻撃が目前に迫ってきた。しかし国際世論はアメリカの軍事攻撃に批判的である。その高まりはどんどんと広がっている。昨日はアメリカを支持するスペインの首都マドリッドでも、反戦デモの市民が街の中心部にあふれた。国連では米英の出す「決議案」を否決される可能性さえでてきた。ブッシュ政権にとっては、国連に対して不満この上ないと思う。しかしアメリカ国民がすべて国連に不信感を持っているわけではない。むしろイラク攻撃では国連・安保理の新しい議決を得るべきという米国民が7割近く存在している。
 ということはアメリカの新保守主義という人たちが、今の国連に対して強い不満を持っているということである。私はアメリカが国連を出て行くとか、国連に代わる新たな国際組織を作ることは出来ないと思う。それこそがアメリカ帝国主義であり、世界の反感がアメリカに向けられる要因になる。要するに今は、アメリカの新保守主義者が同時多発テロのショックを利用して、自分達の勢力を広げようとしているだけだ。そのアメリカの新保守主義者だが、イスラエルの強硬派と強く結びついているから不気味だ。
 日本政府はこの新保守主義者とどこまで付き合うのか。いい加減な態度でアメリカ追随ばかりをしていると、ついていったのは新保守主義者の背中だったってことにならないように。
トルコ協力確保 米難航 懐柔狙い援助打診 (朝日 2月22日 朝刊) [要約]米軍がイラク攻撃の際、北からの進攻ルートの拠点となるトルコで、米軍の地上軍駐留交渉が難航している。米国は見返りに60億ドルの贈与を打診したが、トルコは100億ドル程度を求めているという。トルコ沖には米陸軍の第4歩兵師団の戦車や資材を載せた4隻の輸送船が到着し上陸許可を求めている。間もなく、米軍兵士1万5千人を乗せた30隻も到着する予定だという。しかしトルコは米軍駐留を認めないのは、単にお金の問題ではなく、トルコ国民の94パーセントがイラク攻撃に反対し、米国とヨーロッパの亀裂がましているので、トルコが態度を決定できない理由だという。

[コメント]この米軍の第4歩兵師団は、バクダッドを攻撃する部隊ではない。あくまでイラク北部の大油田地帯を占領する部隊である。イラク軍の油田破壊を防ぎ、速やかに油田施設を占領して、戦後の復興を容易にする目的を持っている。
 だから米軍にとって、トルコからの進攻ルートは戦略上重要で、決してほかの方法がない重要事項である。ただしトルコ国民の反発を予測して、この地上部隊はトルコ上陸後、すぐにイラク攻撃に移る態勢をとるだろう。トルコではできるだけ駐留期間を短くするためである。
 ということで、この第4歩兵師団がトルコ上陸を開始した時から、イラク攻撃開始は秒読み段階に入ったと判断してよさそうだ。
 イラク攻撃の時は確実に段々と近づいてきた。トルコに米軍上陸を拒否する力はない。
ミグ19戦闘機 北朝鮮の侵犯 米韓演習前に挑発か (毎日 2月21日 朝刊) [要約]20日、北朝鮮のミグ19戦闘機が韓国領空を侵犯した事件は、来月に米韓合同訓練や、今月19日に国連安保理で北朝鮮の核問題討議を控えているので、韓国国防省は今回の飛行を北朝鮮の威嚇、挑発との見方が強まっている。このミグ19戦闘機は北朝鮮上空を一回旋回したのち、突然、韓国側に向かい時速800キロでジグザグ飛行しながら南下、韓国領空内に13キロ侵入し、約2分間にわたり飛行した。このことからミグ19は意図的に領空を侵犯したと思われる要因になった。

[コメント]これでなぜ「意図的に挑発飛行」を行なったと分析する要因になったかを知る必要がある。まず最初にこのニュースを聞いたとき、私はまた北朝鮮軍からの亡命かと考えた。96年にもそのような騒ぎがあったからだ。しかし亡命の意図があるなら、その戦闘機は速度を落とし(できれば脚を出して)、こちらには戦闘の意志はなく、亡命(降伏)の意図があると相手機に知らせる必要がある。昨日の時速800キロではそのような亡命の意思がないことがわかる。次に計器の故障で、境界線を越えてしまったことが考えられる。実際に96年に亡命したミグ19戦闘機は、計器が満足に作動しておらず、中には外されて計器盤に穴が空いている個所もあったからだ。しかしジグザグで飛行したことで計器故障は否定される。ジグザグ飛行というのは、相手からの迎撃(地対空ミサイルや高射火器)を避けるために行なうからだ。明らかに戦闘行為を意味することになる。このように分析するから、今回の飛行は意図的に領空侵犯を行なったと判断できるのである。
 しかし挑発という判断は、亡命や訓練ではでないから、挑発や警告という分析をしているにすぎない。本当に警告や挑発になるのか。私はミグ19戦闘機と聞いて笑ってしまった。オイオイまたミグ19なのか。これでは挑発にならないよ。と、いうのが私の率直な感想である。
 大きな洞穴の中から、ライオンや虎の唸るような声が聞こえる。「アメリカと戦争だ! 核開発を始めるぞ!」と。しかしよく見ると、洞穴の入り口に姿をチラリと現したら、ガリガリに痩せた老猫だったなんて感じだ。
米英情報機関「イラク貨物船」追跡中 大量破壊兵器積載の可能性 (読売 2月20日 朝刊) [要約]英紙「インデペンデント」は19日付けの1面トップで、米英の情報機関が3隻の大型貨物船(3〜4万トン)を追跡していると報じた。これは国連査察の始まった直後に出港し、積荷や行く先も知らせず、無線通信も絶ったまま、3ヶ月のインド洋など公海を航海しているという。貨物船はエジプトの船会社がチャーターしたもので、船荷は密かにイラクからシリアやヨルダンの港に運ばれ、イラク以外の港から出港したと推測している。積荷はイラクの生物・化学兵器が積載されている可能性がある。もし自沈すると、深刻な環境破壊を起こすため、米英軍は臨検を思いとどまっているという。

[コメント]もし存在が確認されると、自爆して自沈させる可能性がある貨物船である。できれば密かに特殊部隊が乗船し、一気に制圧することが望ましいが、あらかじめ船内に仕掛けられている爆薬を安全に取り除くことは極めて難しい。しかし押さえることができれば、劣勢になったアメリカの起死回生になることは間違いない。
 私はこれは誤情報でなく、おそらく本当のことだと思う。なぜかというと、まずエジプトの船会社が特定されているからだ。そこから船籍や船名もわかり、積み込み港も判明するし、乗組員もある程度は特定できるだろう。そのような情報は誤情報としては使いないからだ。
 しかし自爆・自沈が怖い。おそらく貨物船にはイラクの秘密工作員が乗船しているから、そう簡単には押さえさせないだろう。この貨物船の追跡は潜水艦を使っている。その潜水艦には特殊部隊(SEAL)が乗船している。
 目立たない夜間に、潜水艦から水面に管を延ばし、風上から密かに睡眠ガスを出し、貨物船の方向に流す方法があるが、密閉した場所ではないので難しい。貨物船のスクリューにワイヤーを絡ませて、船を停船(故障)させる方法は、乗員に気付かれる危険がある。
 どうやって貨物船を押さえるか。この次の展開に注目するしかない。
米反戦デモ 新たなテロの恐怖背景 強硬姿勢支持の心理に揺れ (読売 2月19日 朝刊) [要約]UCLAのバークレー校で客員講師をしている長峰さん(読売・解説部)の記事。バークレー校はかつてベトナム反戦運動が盛んで有名だった。今月16日のサンフランシスコの反戦デモ(25万人が参加)にも千人以上の学生が参加したという。そのようなアメリカ人の反戦運動の中には、ベトナム戦争反戦運動や公民権運動世代の危機意識がある。
 同時にアメリカ人は今後数ヶ月以内の新たなテロが起きると80パーセントの国民が信じている。だから66パーセントの国民がイラクへの攻撃を支持しているが、「もし戦争が数ヶ月に及ぶならば」47パーセント、「イラク市民に多くの死者がでれば」45パーセント、「米兵に多くの死者でれば」46パーセントが支持しないと答えている。また同盟国の支持がなければ、63パーセントが行動すべきでないと答えている。このようにアメリカ国民の心理も微妙に揺れ動いている。(数字はニューヨーク・タイムスとCBSが行なった世論調査)

[コメント]今朝、我が家に泊まっているロサンゼルスから来ている友人に聞いたら、アメリカではすぐに戦争を起こさないと、テロで安心できないという風潮が充満しているという。それだけテロに関して、政府の発表や、マスコミの情報も集中しているそうだ。
 そのような脅迫心理に押されて、ブッシュ大統領はイラク攻撃を押し進めた。しかしここにきてアメリカ国民は、イラク攻撃こそが新たなテロを誘発させるという事態に気がついた。だから心が揺れ動くのである。これはアフガン攻撃を行なっても、ビンラデインを捕捉することが出来ず、アフガン情勢やパレスチナ情勢が好転しない現実にイラだっているのだろう。
 友人の話しでは、アメリカでも裕福な人はイラク攻撃を支持し、貧しい階層の人が反戦を求めてる傾向があるという。イラク戦争に使う軍事費を、福祉や教育や医療や住宅に使えという意味だという。
 日本人やヨーロッパ人にとって、同時多発テロの恐怖心や怒りをアメリカ人と共有はできない。(同情はできる)。だからアメリカ人の価値観で始める戦争に反発が出るのはしかたないのだ。世界は同時多発テロを境にして、一気に新たな時代に動き出したような気がする。
米軍 北朝鮮有事では、日本に北東アジア司令部設置を検討か (サンケイ 2月18日 朝刊)  [要約]韓国の文化日報(夕刊紙)は、米国防省が最近訪米した韓国の次期大統領特使に、朝鮮半島有事の際は、ハワイの太平洋軍司令部から「北東アジア司令部」を分離・独立させると説明したことを報じた。新司令部は日本に設置される可能性が高いという。(時事通信)
 また米韓連合軍司令部は17日に、3月4日から4月2日まで野外機動訓練の「フォール・イーグル」行い、その間に戦時増援演習の「RSOI」を3月19日から26日まで実施すると発表した。フォート・イーグルは本来秋に行なわれる演習で、今回は春と秋の演習を統合させたことになる。この演習は北朝鮮に通告しているが、北朝鮮が強く反発するのは必至だ。

[コメント]今回のイラク攻撃で中東軍司令部を米本土のフロリダから、中東のカタールに移したのと同じ構図である。さて日本に北東アジア司令部を設置するとなるとどこだと思いますか。それは当然、在日米軍司令部のある横田基地だろうと思った方はブーです。基地周囲が市街地化しすぎて、テロや奇襲に弱いという致命的欠陥を持っています。でも平時なら大丈夫。むろん横須賀も狭くてだめです。だったら広大な米軍基地がある沖縄と思った方もブーです。あまりにも中国に近すぎて、米軍の指揮・通信などを中国に監視される危険があります。それなら岩国基地(山口県)はどうだろう。今の飛行場拡張工事が終われば、大規模な司令部を設置する余裕もあるし、それに朝鮮半島と直結できる近くではないかと考えた人は、その可能性は充分にありです。しかしあまりにも朝鮮半島に近いので、逆に敬遠される可能性もあります。
 私は北海道の千歳を第一候補にあげます。まず新千歳空港が建設されて、飛行場の広さに余裕があります。さらに周囲には自衛隊の精鋭部隊が駐屯しています。自衛隊を使って司令部周辺に厳重な防衛ラインを作ることができます。
 まさかと思った方。今はそんな時代なのです。自衛隊はソ連なき今、意味もなく北海道に大部隊を置いているわけではないのです。これって極秘じゃないよね。 
武装解除の意思 米、今後2週間で判断 対イラク決議案 18日にも安保理提出 (朝日 2月17日 朝刊) [要約]米ニューヨーク・タイム紙は米当局者の話として、ブッシュ大統領が今後2週間以内にイラクの大量破壊兵器の武装解除を行なうかどうかの最終判断を下すという。今後2週間でイラクが国連査察に積極的でない場合、イラクには武装を解除する意思がないとして、「深刻な結果」に直面することを通告する新決議案を18日(明日)にも提案する予定。

[コメント]アメリカは安保理国が反対し難いように、イラクの査察協力がない場合は「深刻な結果」となるような表現で新決議案を提出するようだ。今までの「武力行使」という言葉は避けたいのだ。やはり国連での議論や、国際世論が反軍事行動(反米)になってきたので、あらたな展開を模索しているのだろう。
 もしアメリカの新決議案が安保理で反対多数で否決されたら、どのような事態になるか想定する。まず、アメリカは単独(米英軍)でもイラク攻撃を開始するだろう。するとイギリスのブレア首相がすぐに危機に直面する。自分の所属する労働党でさえイラク攻撃反対の声が高まっている。イギリスの国内世論も反イラク攻撃が主流になった。まさに窮地である。次にパウエル国務長官が政治力を急速に失い、逆に国連無用論や新しいヨーロッパとの関係を主張するラムズフェルド国防長官のグループが台頭してくる。また、アメリカの対イラク戦争も国際世論の支持をさらに失っていく。それが逆にイラク国民の士気を高め、戦争が長期化すれば米国民のブッシュ大統領への不満を高めることになる。むろん、対米英テロも激化する可能性が高い。来年末に迫った米大統領選挙でも不利になることは疑いない。
 私はこのような事態になっても、パウエル長官は国連の新たな安保理決議を求め、拒否権を行使しないで武力行使を容認する議決を考えていると思う。安保理常任理事国のフランスやロシアや中国も、パウエル長官を潰してラムズフェルド長官を台頭させることは避けるような気がする。
 この2週間はまさに息を呑むような外交合戦が展開される。かつてのキューバ危機のように新たな展開に世界中の人々が注目している。
海自 「北朝鮮」想定の実動訓練 工作船を警戒 特別警備隊が参加 (読売 2月16日 朝刊)  [要約]海上自衛隊の特別警備隊とイージス艦などの合同実動訓練を、14日の午前から夕方まで、日本海の島根県沖で実施したことがわかった。訓練の想定は、P3Cが工作船を日本海で発見し、イージス艦(今回は『みょうこう』)などの護衛艦隊が追跡を開始する。その間に呉(広島)基地から特別警備隊がヘリで現場に急行する。現場海域に到着した特別警備隊は高速の「リブ(特殊ゴムボート)」で工作船を追跡。そこで工作船を停船させたのち、乗船して武装解除を行なうというもの。海上自衛隊の特別警備隊とは、01年3月に新編成されたもので、工作船の武力抵抗を抑制する任務を持っている。規模は3個小隊で60名。

[コメント]海上保安庁の武装船制圧訓練を見たことがあるが、危ないことをしているという気持ちが強かった。工作船には決死の覚悟の工作員が乗船しているのに、小型の警備艇で接近して、海上保安庁の隊員が工作船に乗り移るというやり方に違和感を感じた。
 ところが昨年12月、イエメン沖で北朝鮮の貨物船を停船させ、米特殊部隊(SEAL)が臨検で船倉からスカッドCミサイルの本体15基を発見した事件があった。このときのニュース映像を見て私が感じた違和感の原因がわかった。
 北朝鮮の擬装貨物船を停船させ、特殊部隊(SEAL)が乗り移るということは海保と同じなのだが、特殊部隊を援護している戦力がすごいことになっていた。まず貨物船から数百メートル(200メートル程度)の至近距離に、スペイン海軍の駆逐艦が速射砲や機関砲を停船した貨物船に向けて威嚇していた。さらに駆逐艦の甲板には、伏せの姿勢で狙撃銃を構えた多数の特殊部隊員が、貨物船のデッキにいる船員の顔や胸を狙っていた。貨物船のデッキから双眼鏡で見れば、自分の顔に向かって照準されていることが容易にわかる距離である。
 そのような援護を受けて、空からヘリに乗った特殊部隊が乗り込み、同時にリブに乗った特殊部隊が貨物船の左舷に接岸して縄梯子で乗り込んでいた。このときのニュース映像では見なかったが、上空には攻撃機が旋回して貨物船を威嚇していたと思う。
 このように海自の特別警備隊を北朝鮮の武装船に乗り込ませることは、大変な支援戦力が必要なのである。小型(200トンクラス)の高速警備艇では支援戦力が不足しているように感じた。それが違和感の原因だったのだ。当然ながら、海上自衛隊の特別警備隊は米軍のSEALから学んでいる。海自は工作船を圧倒的な火力(戦力)で威嚇し、その上で海上自衛隊の特別警備隊を乗り込ませる訓練が完了すれば、その姿をマスコミに公開してもいいのではないか。日本が抑止力を発揮するためには、特別警備隊の訓練を公開することも必要なことである。その時はぜひ私も見てみたい。
 また、この時期のこのような訓練だが、私はこの訓練の目的は工作船対策ではなく、北朝鮮崩壊で発生する難民に備えた訓練だと思う。
国連査察 追加報告 「査察継続を求める」「イラクの違反は一部」「イラクの説明不十分」 (各紙 2月15日 朝刊) [要約]国連はイラク査察団(UNMOVIC)のブリクス委員長と、国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長の追加報告を行なった。プリクス委員長の報告は、イラクの対応が改善されたが、一部に違反があったことや、説明が不足していると指摘したが、明らかに違反しているという指摘は避けた。またエルバラダイ事務局長は、イラクが核兵器開発をしている事実は見つからなかったと報告したが、今後も査察を継続することを求めた。

[コメント]これらの査察団報告は「イラクの容疑は灰色」という見方を示したことになる。今回の国連査察ではシロともクロとも断定しないで、これから安保理の判断を求めるか、さらなる査察の継続を求めただけである。まあ、これだけ世界中が注目すれば、言動のひとつひとつを慎重に行いたいと考えたのだろう。しかしここで安保理決議1441が動きだす。1441にはイラクが明確な(無罪)証明を行なうことを求めている。もし国連査察団が無罪宣言を出せないなら、それはイラクの非協力(妨害)という図式も浮かんでくる。ここを米英は突く作戦のようである。大方の予想では、今週末にも武力行使容認案がイギリスから提出される。国連安保理が新しい議決を行なうのはその数日後という計算になる。ちょうどその頃、米英軍の派遣戦力がイラク周辺に展開完了するだろう。
 パウエル長官の考え方としては、@武力行使容認案で安保理の賛成を勝ち取る。(9カ国以上の賛成) A仏、露に拒否権を行使させない Bそのような政治状況下で、フセイン大統領の亡命、あるは宮廷クーデターを働きかける。 Cそれが不可能なら3月上旬、米英軍によるイラク攻撃を開始する。
 すでにアメリカでは今度のイラク攻撃を「3月戦争」と呼び始めたマスコミもある。91年は湾岸戦争で、今度は3月戦争である。イラク攻撃が3月いっぱいで終了すればいいが、もし4月、5月と長引くようなら最悪である。米英軍は砂漠の厳しい自然に逆らえない。
 パウエル長官が考える最悪のシナリオとは、@共和国防衛隊が生物・化学兵器で攻撃してくる。Aバクダッド市街戦に突入する。 B人間の楯によって市民に大量の犠牲者が出て、国際世論で反米が高まる。 なんとしても、この3点だけは避けたいと願うだろう。
フセイン後 米軍統治 米計画にイラン反体制派動揺 (読売 2月14日 朝刊) [要約]アメリカはフセイン後のイラク統治について、今月6日にアンカラで行なわれたイラク反体制派指導者との会談で、ハリルザド米大統領特使が各代表に伝えていた内容が明らかになった。それによれば、@米軍の軍政長官と長官を補佐するイラク人諮問評議会を設置する。A暫定憲法を起草する司法協議会を設置する。B憲法を起草する民選議会選挙を1年以内に実施するという骨子のものである。軍政期間は約2年とした。これに対し、イラク反体制派は暫定政権を作ることで、反米を煽るだけと批判した。しかしアメリカはイラク反体制派が弱く、周辺諸国にイラク混乱が拡大する可能性や、独裁色が濃い周辺国に民主化要求が波及する恐れを危惧したものという。

[コメント]この情報を待っていた。私はイラクではフセイン後をアフガン方式で行なうと予測していた。米軍はイラクに駐留するが、イラクの統治はイラク反体制派にやらせ、バクダッド警備は国際的な機関とイラク軍に委ねるというやり方である。しかしそれではイラク統治に失敗するとも予測していた。だからパウエル長官のフセイン後の問題があると指摘してきたのだ。しかし軍政長官を米軍人が行い、イラク人に新しい憲法と新しい政府を作るやり方を選んだようだ。日本の戦後に導入したGHQ方式に近いが、イラク人諮問機関を置くというのがポイントである。しかしこれではいかにも軍事力で作った植民地的な傀儡(かいらい)政権という色が濃くなることも間違いない。
 イラクはもう20年間も戦争を続けている。極端なフセイン独裁体制が続き、イラク統治に必要な人材が育っていないと思う。この2年間で、それが達成できるほど甘くはないと思う。
 まだまだフセイン後に不安が残る。軍政長官が判断を誤ったり、テロの激化などで状況が変化すると、アメリカはイラクの泥沼に引きずり込まれる。ただイラクが有利なのは、イラクには莫大な石油があることである。イラクの戦後復興に、資金が不足することはない。もしこの統治スタイルが成功すれば、生活が目に見えて向上したイラク国民がアメリカに感謝するだろう。まあ、これしかないか。パウエル長官もそこに賭ける気になったのだろう。
CIA長官 米本土到達可能ミサイル 「北朝鮮保有」 上院公聴会で証言 (朝日 2月13日 夕刊) [要約]テネットCIA長官は上院軍事委員会の公聴会で、北朝鮮が米西海岸に到達可能なミサイルを現時点で保有していることを明らかにした。CIA長官が公式に認めたのは初めて。しかし発射実験は行なっていないことも明らかにした。また、テネット長官はこの発言に先立って、北朝鮮がプルトニューム核爆弾を1〜2個保有してとも語った。このミサイルには核兵器の搭載も可能で、北朝鮮が米本土を核攻撃できることと認めたことになる。

[コメント]テネット長官は大ボラ吹きである。北朝鮮は核実験もしていない。長射程ミサイル発射実験もしていない。それなのに、アメリカがわざわざ北朝鮮の核武装認定をしてやってどうするのだ。北朝鮮にそんな能力などないことはアメリカがよく知っていることなのである。しかし大ボラであっても、彼は公式の場所で証言した。その理由はなぜか。それは北朝鮮の核開発問題に中国を誘い出したいからだ。以前、彼は北朝鮮は日本まで届くミサイル(ノドン)を配備し、生物・化学兵器どころか核兵器まで持っていると語った。しかし日本は動かなかった。日本がこの驚愕情報でパニックになり、反撃のための武装強化の動きを期待したのである。それは中国を揺さぶるためである。日本が戦力を飛躍的に強化し、北朝鮮まで及ぶ戦略を模索し始めると、一番困るのは中国なのである。しかし日本は動かない。日本は安全保障上の政策というより、軍事問題に鈍感なのである。(テポドン発射のときの騒動を期待したのだ)
 そこでテネット長官は米本土の話に拡大した。こんどはアメリカの西海岸の人が騒ぐことを期待しているのだ。これも中国を揺さぶるためである。だがこの程度の謀略に、老獪な中国が乗るわけがない。昨日は、CIAがこんなにも馬鹿だったのかと心底思った。
 イラクに莫大な工作資金を投入しながら、CIAの地下情報網を作ることに失敗して、何の役にも立たなかったことを指摘されるので焦っているのだろう。
 また昔のミサイル・ギャップ論を思い出した。ソ連が初めて人工衛星を飛ばしたとき、アメリカではミサイル・ギャップ論が沸き起こった。明日にでも、ソ連から核弾頭付きのミサイルが飛んでくるいうパニックが国中を襲った。公共の施設には、地下に核シェルターが作られ、学校では核爆発の避難訓練を行なった。今でもニューヨークの街を歩くと、放射能のマークがついた建物を見ることがある。その建物に核シェルターがあるという印である。これもミサイル・ギャップ時代の名残だ。しかし今になって顧みれば、あれは軍部が予算獲得のために流した情報操作で、当時のソ連にはアメリカを核攻撃できる能力はなかった。その反省を込めて、アメリカでは大ボラを吹いて、軍事予算獲得を目指すことをミサイル・ギャップ論と読んで警戒している。
イラク報告 ライス補佐官が説得 国連査察委員長ブリクス氏に圧力か (毎日 2月13日 朝刊) [要約]12日のワシントン・ポスト紙は、ライス大統領補佐官(安全保障担当)がニューヨークで極秘にブリクス委員長と会談し、14日の国連報告でイラクが大量破壊兵器を自主的に破棄していないことを明確に宣言するように説得したと報じた。ライス補佐官はイラクがU−2偵察機の査察飛行を認めたが、事前に飛行計画を提出するという条件付きで、全面協力になっていないと指摘した。

[コメント]この記事は変である。説得とか圧力という前に、イラクの査察飛行容認は条件が一切ないというのがこれまでの報道だった。しかし事前に飛行計画を提出しろでは、これは査察の制限にあたるのではないか。これは査察なのである。事前に相手に知らせたら、無条件査察ではないことは明白だ。これはワシントン・ポスト紙が報じたものだが、日本のマスコミはどうしてそのことを報じないのか。これまでイラクは無条件の査察飛行容認と報じている。緊急に本当のことを取材して頂きたい。これは重大な問題である。
イラク問題 仏独露が共同宣言 「平和解決を要求」 米大統領「失望」を表明 イラク、U−2査察容認 (読売 2月12日 朝刊) [要約]仏、独、露3国は、国連の対イラク査察継続と・強化と、平和的解決を求める共同宣言を発表した。これは査察団の大幅増員や上空査察などの査察充実を求めている。これに対し、ブッシュ大統領は、「私は失望した」と語り、強い表現で批判した。これでアメリカと西欧の合間の亀裂が深まった。またイラクは国連にU−2偵察機の無条件受け入れを表明した。しかしアメリカ側は、「これはフセインの時間稼ぎ」として、評価に値しないという認識を示した。

[コメント]今朝のNHKニュースによれば、中国もこの3カ国宣言に同意する旨を公表した。私はこれをラムズフェルド国防長官の「古い欧州」という言葉が影響していると思う。NATO同盟国19カ国のうち、新しい加盟国はアメリカとの関係を深めたいと思っている。そこにラムズフェルド長官の「古い欧州」という発言である。これはNATOにおけるフランスの影響力を低下させる考えと読んで、シラク大統領の猛反発を招いたのではないか。
 さらにラムズフェルド長官が訪欧して、さらに傷口を広げてしまった。昨日のCNN放送でパウエル長官の特集を組み、最近はラムズフェルド長官の後片付けに嫌気を感じていると分析していた。私もその通りと思う。パウエル長官はイラクへの国際世論の高まりで、軍事的な圧力を高め、なんとかフセイン亡命に繋げて、戦争をしないで解決(大量破壊兵器の破棄)を目指している。それなのにラムズフェルド長官は、国際世論に反発をさせるようなことばかりする。
 最近では、イラク政府内にも、フセインを排除して、戦争を回避したい者が増えたという兆候がある。もう少しで、戦争を回避することも出来るのである。黙れ、ラムズフェルド。アメリカに新保守主義(新帝国主義)は許さない。とにかく、14日の国連査察団の追加報告の内容が重要である。これまでの対イラク圧力への高まりを崩さないために、イラクのU−2偵察機の容認は「遅すぎる」と蹴飛ばすしかない。
独仏は露に接近 「査察員3倍」提案へ 平和維持軍構想は後退 (サンケイ 2月11日 朝刊) [要約]シラク大統領とプーチン大統領は、パリのエリゼ宮(仏大統領府)で首脳会談を行い、イラクの完全武装解除を目指し、査察員の増強を盛り込んだ仏独共同提案について議論を行なった。ロシアもこの提案に賛成する可能性がある。この共同提案には中国も賛成するとみられている。もし米英のイラク攻撃を前提にした決議案が出されると、米国との直接対決を避けるため、拒否権行使はしないという見かたがある。その一方で、決議に必要な安保理15カ国の3/5である9カ国の賛成が得られるかは、米英がこの独仏の共同提案を崩せるかが焦点になってきた。このような動きにアメリカは不快感を表明している。

[コメント]この共同提案に、独、仏、露、中、シリアが賛成すれば、あと2カ国で7票を押さえることになり、米英支持は8カ国(9カ国が必要)で安保理決議ができなくなる。というのは、表向きの話で、あくまで独、仏、露は、7票をとるような工作はしないで、10対5か9対6できわどく米英案を決議し、常任理事国も拒否権を行使しないで、米英軍のイラク攻撃を容認する作戦と思う。ようするに、独、仏共同提案はお芝居なのである。国内のイラク攻撃反対派やアラブなどの国際世論に配慮して、米英のイラク攻撃に反対しているような姿勢を見せているだけだ。本気で反対しているのではない。これが外交戦なのである。前回の安保理決議1441は全会一致(15カ国)で決議したが、あれこそがアメリカを高圧的にしたと反省しているのだろう。
 日本政府にも、この程度の技を期待したい。
 ところで最近のラムズフェルド国防長官の発言はめちゃくちゃである。パウエル長官に対イラク戦の指導権を奪われたので、その嫉妬で暴言を吐いているようにしか思えない。最近のラムズフェルド発言は評価に値しない。
米英最後通牒 16日に安保理に提案 フセインは48時間以内に亡命しろ 英紙報道 (スポーツ各紙 2月10日 朝刊) [要約]9日付のサンデー・テレグラフ紙(英)は、米英両国が国連安保理にフセイン大統領が48時間以内に亡命しなければ、攻撃を開始すると迫る議決案を策定中と報じた。この決議案は14日の国連査察委員会の追加報告を受け、16日にも安保理に提出する見込みという。亡命先として、サウジが亡命受け入れを承諾したという。

[コメント]私は毎朝、5時半頃には起きている。まず新聞を読み、テレビのニュースをチェックするためである。ところが本日は新聞の休刊日。そこで朝のテレビ番組でスポーツニュースの記事紹介を見ていたら、電話の呼び出し音だ。この時間の電話はほとんどがラジオ生放送の依頼である。というのは通勤時間にあわせて、全国のラジオ局はニュース番組を流す。そこに電話で登場して、今朝のニュースの解説(コメント)を依頼される。今朝の電話はニッポン放送だった。
 電話で記者の方と簡単な打ち合わせを行い、放送時間まで書斎で待機となる。その間に記者の方から、関連する新聞記事のファックスが次々と届く。その記事を読みながら、簡単なメモを作っていく。特に気をつけるのは、知っている名前でも赤線を引いておくこと。ブッシュ大統領、パウエル長官、フセイン大統領、プリクス査察委員長も線を引いておく。以前、信じられないことだが、度忘れで生放送中にラムズフェルドという名前が出てこなくなったことがある。その時の慌て振りが、生放送でははっきりと出てしまう。これが怖いのである。
 さてこの記事の分析だが、これも心理戦のひとつである。喧嘩する前に、「殴るぞ」と言っているのと同じ。本気ならさっさと殴ればいいのである。喧嘩の前に「殴るぞ」というのは、相手が「ごめんなさい」というのを期待しているからだ。
 そういえば、喧嘩には警察式の喧嘩と、軍隊式の喧嘩があるのをご存じだろうか。警察式の喧嘩は、まず相手の胸倉を掴んで、「このやろう。やる気か。半殺しにするぞ」と睨みつけながら、拳を振り回して始めるもの。これに対して軍隊式の喧嘩は、まず地面にある砂を掴んで相手の顔面に投げつけて視覚を奪うか、適当な石ころや棒を手にして、相手の額を殴り、顔面からの出血で視覚を奪うといういうやり方だ。視覚を奪えば、殴るなり、蹴るなり、あとは好き勝手に始末できる。
 これはあくまで軍事と警察の対応の違いを示したもので、絶対に実際の喧嘩で行なってはいけません。でもこれは緊迫した国際情勢を分析する上では重要な認識方法なのです。
安保理 米英に5ヶ国同調か 対イラク決議 両派、説得工作を強化 (毎日 2月9日) [要約]国連外交筋の話しでは、米英の対イラク武力行使容認決議案で、15カ国のうちスペイン、チリ、パキスタン、ブルガリア、アンゴラの五ヶ国の非常任理事国が米英に理解を示している。さらに2カ国で9カ国が支持にまわると、フランスなどが拒否権を使いにくくなり、決議裁決は一気に現実味を帯びてくる。ドイツとシリアは妥協する見込みがないことから、ギニア、メキシコ、カメルーンの対応が注目される。両派は対象国など焦点を絞って説得工作を展開している。

[コメント]14日に、国連査察団の追加報告で、「イラクが国連査察に非協力である」という報告が出ると、常任理事国の拒否権はさらに使いにくくなる。パウエル流の国連戦略がグイグイと効きだした。
 私は国連安保理の武力容認決議がでれば、フセイン亡命(あるいは宮廷クーデター)の可能性は一気に高まると思う。フセインは頼みの国際世論に見放されれば、米英軍と戦って殉教者になるより、亡命の道を選択するような気がする。独裁者というのは、本来、気が弱く、臆病な者が多いと思う。味方の裏切りを恐れるあまり、残忍な粛清や虐殺を繰り返す。また独裁者側につくものも、今の独裁者より強いものが現れたなら、そのまま独裁者に従わない要素を持っていると思う。
 これは北朝鮮の独裁者にも同じことがいえる。気が弱く、臆病でなければ独裁者になれないのである。また独裁者より強いものが現れると、狂信的であっても独裁制は成り立たない。
 アメリカはそのあたりの心理分析を詳細に行なって、フセイン体制に熾烈な心理戦を仕掛けているようだ。空母2隻の派遣追加、米第101空挺部隊の追加派遣、そして国連安保理での武力容認決議。フセイン大統領はかなり追い詰められているはずだ。今のところ、フセイン亡命(宮廷クーデター)が成功するか、どうかは五分と五分といったところ。安保理決議が可決されると、6分と4分でさらに亡命(宮廷クーデター)の可能性が高まる。
中国 ミサイル多弾頭化 発射実験成功 米MD構想に対抗 (読売 2月8日 朝刊) [要約]中国は昨年12月、射程1800キロの中距離ミサイル「東風21」の多弾頭化実験に成功した。今回の実験は米国が進めるMD(ミサイル防衛)構想に対抗する目的がある。この多弾頭にはMIRV(個別誘導多弾頭)技術が用いられたと思われる。今後さらに精度を上げる改良を行い、将来はアメリカを射程におさめるICBM(大陸間弾道核ミサイル)や、SLBM(潜水艦発射弾道核ミサイル)のMIRV化に応用していくだろう。

[コメント]MIRV弾頭とは、一本のロケットの先端に6〜12個の弾頭を搭載して発射する。この多弾頭は飛翔最終段階で別々の目標に向かって個別に切り離される。切り離された個別の弾頭はさらに弾道を修正して目標に命中する。これによって初期の段階でロケットの弾道を探知しても、弾道が個別に飛翔コースに変化させるので迎撃しにくくなる。例えば、中国から日本に向け発射されたロケットを探知したとする。その弾道コースの解析から、このロケットは東京を狙って発射されたと分析された。そこで東京方面のミサイル迎撃システム(MD)を作動しても、関東上空にロケットがくると、弾頭が分裂して、横浜、千葉、甲府、宇都宮、静岡、仙台、・・・・・、と別々の目標に落下していくのだ。これではあらかじめロケットの飛翔コースを解析し、未来位置で迎撃しようとするMDでは迎撃できないことになる。アメリカはMD構想を進めているが、中国とロシアのMIRV化については認めているようである。要するに、アメリカとロシアと中国の間では、今までの確証破壊戦略(MAD)を認め、核抑止戦略を今後も存続させる気なのだ。
 まあ、核兵器を持たない日本としては、どうぞ好き勝手にやってくれと突き放すか、核兵器反対と声を上げるかの2つしか選択肢はない。
 しかし日本はアメリカのMD研究段階に参加することを決めている。今後はMDの開発段階に移行するために、アメリカから早く態度を決めろとせかされている。開発段階だと日本の費用負担は1兆円と予測されている。でも中国がMIRV化した中距離弾道ミサイルを配備すれば、この1兆円は・・・・・・・・パー。このことを中国は言いたかったようだ。
 私は日本が、アメリカ、中国、ロシアの核戦略にかかわりを持たないほうが賢明だと思う。
米空母を増派 湾岸戦争並み6隻態勢 (朝日 2月7日 朝刊) [要約]AP通信が複数の米政府当局者の話として、横須賀を母港にしている空母キティホークと、サンデエゴを母港にしている空母ミニッツの2隻に近く出動命令が出ると報じた。これで中東周辺には湾岸戦争並みの空母6隻態勢が整うことになる。

[コメント]この2隻増派はイラク攻撃に直接関係のない増派である。今回のイラク攻撃では4隻の空母戦力で充分すぎるくらいなのだ。さらに2隻の増派を決めたのは、フセイン体制に心理的な圧力を加えるためである。一昨日の国連でのパウエル報告で、国連安保理で武力容認決議が可決されることは不可避になった。8日にプリクス国連査察委員長がバクダッドに入って、U−2偵察機を使った査察を申し入れる。しかしイラクはこれを断わる。14日に国連査察団の追加報告が行なわれる。そこでイラクが国連査察に非協力であり、安保理決議1441への重大な違反が指摘される。そこで国連安保理は圧倒的多数で、イラクへの武力査察を容認することになる。(国連査察に非協力なのは重大な1441決議違反になる)
 この段階で、フセイン大統領の亡命が現実的な問題になってくる。イラク軍が20万人を超える米・英軍と戦って、勝つ見込みはまったくない。イラク兵士にとって米・英軍と戦うことは死を意味する。しかしフセイン大統領とは心中をしたくないと思うものが、イラク国内ばかりか、フセイン政権中枢にまで広がることは確実である。
 それを敏感に察知したフセイン大統領は、最初は恐怖心を与えて「体制内の離反」を乗り切ろうとする。だがさらに形勢を不利にさせるだけである。そこでフセインは密かに亡命工作を行なうことになる。そのような状況を作り出すための米空母2隻の増派なのである。
 一昨日の国連報告で、パウエル長官の名声は一気に高まった。さらにフセイン亡命に成功して、戦闘を行なうことなく勝利(イラクの大量破壊兵器の完全破棄)すれば、歴史に残る名将として名を刻むことになる。
 ついでに言えば、金正日ごときが挑んで勝てる相手ではない。
パウエル国務長官 国連でイラク非難 衛星写真や盗聴電話録音を公開 イラクは重大な決議違反 (各紙 2月6日 朝刊) [要約]パウエル長官は国連の外相級協議で演説し、イラクが大量破壊兵器を隠して国連の査察を妨害し、安保理決議1441に違反していると語った。その証拠としては、イラク当局者が査察逃れを話し合う電話盗聴記録、査察前にあった疑惑施設が査察では姿を消していた衛星写真、またイラクが開発した生物兵器の開発に必要な移動式の実験装置18台の存在などとした。その上で、イラクは1441決議に重大な違反をしているとし、武力行使による武装解除を決議するように求めた。

[コメント]事前の予測通り、これらは決定的な証拠ではなかったが、かなりの衝撃を与えたと思う。イラクが航空機(Uー2偵察機)による査察の実施、科学者などへの単独聴取を容認しなければ、パウエル長官のこの指摘が正しいと判定されるからだ。8日にはプリクス国連査察委員長(UNMOVIC)がバクダッドを訪問する。ブリクス委員長は当然ながらパウエル長官の疑惑をイラク側に突きつける。そこでイラクがU−2偵察機の活用などの査察方法を容認しなければ、イラクは「国連査察に非協力、隠そうとしていう」という致命的な結論を招くことなる。
 さらに14日には国連査察団の追加報告が行なわれる。こんどはアメリカではなく国連が武力決議を提案する側になる。これで一気にイラク攻撃容認に国連は動きだすだろう。アメリカ軍のイラク攻撃スケジュールに変更はない。
 それにしてもアメリカが確かな証拠を見せて、イラクへの攻撃容認を迫る方法よりも、国連の側からイラクの重大な違反(非協力)を証明させ、その上で武力容認決議を得るのがパウエル長官の国連作戦だったようだ。だからパウエル演説は衝撃的なのである。まさに軍人らしい作戦の立てかたである。
 まあ、イラクが2万人も動員して、国連査察団の動きを広範囲に監視し、大量破壊兵器をトラックや列車で移動させ、あくまで隠し通そうとしているなら、U−2偵察機の査察参加は不可避である。これで国際世論の傾きがアメリカに変った。(写真は国連で報告するパウエル米国務長官)
朝鮮総連系企業が発注 ミサイル関連機器 万景峰号の入港直前に新潟港に搬入 (読売 2月5日 朝刊) [要約]イランにミサイル開発に必要な粉砕「ジェットミル」を不正輸出した工学機器メーカー「セイシン企業」が、94年に北朝鮮の人民武力省の傘下企業にも同じ製品を輸出した疑いが強まった。このジェットミルは固体をミクロの単位まで粉砕するもので、ミサイル燃料の過塩素酸アンモニウムを均一に粉砕し、飛距離や推進力を高めることができる。同社は総連系企業から受注され、あて先を人民武力省の傘下企業としていた。これを万景峰号が入港する2日目に新潟港の倉庫に搬入した。しかし北朝鮮に輸出ができないMTCR(ミサイル関連技術輸出規制)には該当しないとして、申請そのものを行なっていなかった。だが外為法違反が立証されても、時効(5年)がすぎているので刑事訴追はできない。

[コメント]昔(25年ぐらい前)、自衛隊の幹部の人から北朝鮮の地対地ミサイル搭載車の写真を見せられ、日産のトラックが使われていると説明を受けた。「けしからん。日本製品が北朝鮮で軍事転用されている。日本の企業は軍事転用を承知で北朝鮮に輸出している」と怒っていた。そこで私は、「トラックぐらいいいじゃないですか。ミサイルじゃないんだから」と話すと、ひどく叱られた思い出がある。「ダメです。トラックも立派な兵器なのです」。ところが15年前にエジプトの陸軍基地を訪問した時、基地の中に日本製のブルドーザーやトラックがモス・グーリン色に塗られて並んでいた。この写真を撮って、写真週刊誌に持ち込めば、写真原稿料の15万円ぐらいは払ってくれたと思う。しかし馬鹿ばかしので写真を撮るのはやめた。
 しかし今回の事件は明らかに、ミサイルの性能を高めるための機器である。国際的に北朝鮮には輸出することを禁じられた製品である。
 昨日、アメリカの大手新聞社からインタビューを受けた。万景峰号の工作活動について聞かれた。過去に行なった工作活動や不正品の輸出などを詳しく話した。記者「そんなに以前から疑惑があったのに、日本政府はどうして放置してきたのですか」、「まあ、いろいろ厳しくできない理由があったからでしょう」。記者「それでは今になって、急に万景峰号のことで騒ぐのはなぜですか」、「昨年の末から与党の一部で、万景峰号の新潟寄港を停止さすことと、日本からの送金を止める法制化を目指す動きがあるからです」。記者「それは経済制裁ではないですか」、「そうです。日本が独自に行なう経済制裁です。北朝鮮にとってはかなりきつい制裁になるでしょう」。記者「工作員との関連は如何ですか」、「もう工作員も万景峰号ルートは重視していないと思います。公安筋の監視が厳しくなって、万景峰号に出入りすれば、撮影されて身元を調べられ、公安当局の監視対象、日本からの工作対象(情報提供者)になりますから、今は身元のばれている年寄りばかりです」。記者「それなら、北朝鮮の工作員は日本に来ていないのですか」、「日本に来ることは来ていると思います。しかし中国でニセのパスポートを買って、香港やクワラルンプール経由で日本に入国しています。定期船を使った工作活動など、(外貨がなく)航空券が買えなくなった事情があるんです」。と、まあ、こんな具合である。外国の新聞社だと、日本の事情を説明するのに時間がかかる。
 「どうして日本政府は今まで放置してきたか」という質問には、00さん(故人)、大物政治家と言われる00さん、それに野党党首の00さんなどに聞いてくれと話した。ついでに警察OBの00議員にも話を聞くようにすすめた。
米国防予算4%増 ミサイル防衛(MD)は20%増 北朝鮮ミサイルに対抗 (各紙 2月4日 朝刊) [要約]米国防省は総額3799億ドル(45兆6千億円)の2004年国防予算を発表した。さらに05年から09年までの5年間に、毎年年間200億ドル増額する中期計画も提示した。米国の国防費は2001年の実績で見ると、世界最高額ばかりか、2位〜11位までの合計した国防費に等しい。またミサイル防衛では地上発射の迎撃ミサイル10基を配備するとしているが、これは北朝鮮の弾道ミサイルに対抗する狙いがあると明記した。今回の国防予算が掲げているのは、対テロ戦の勝利、米軍の変革、部隊と兵員の質の維持の三本柱。このため特殊部隊予算は、15億ドル増の45億ドルになった。また無人偵察機や戦闘用無人機(UCAV)なども14億ドル計上した。なお、今回の予算には2000億ドルといわれている対イラク戦費は含まれていない。

[コメント]これほど巨額の軍事費をつぎ込んでも、アメリカ人は襲ってくるテロの恐怖から逃れられない。アメリカという軍事巨大化した国が、どうしてテロから逃れられないのか考えるいい機会である。また北朝鮮の弾道ミサイルに対抗するとしたのは、北朝鮮が韓国を射程に収めるフロッグやスカッドを無力化するためである。もし北朝鮮が崩壊すれば、この対弾道ミサイル(MD)は中国やロシアを刺激しないように、朝鮮半島から中東に向けて移転する兵器となる。
 対テロ戦争には終わりがない。冷戦のようにソ連が崩壊してお仕舞いというわけにはいかない。果てしなく続く戦いの道である。 (表は本日(2/4)の読売新聞に掲載された米国防費のグラフ。冷戦終結後に96年まで減少している。しかし現在は増加に転じており、09年までには1000億ドル増の4800億ドルに拡大する)
NLP誘致 水面下の交渉 町長に猛反発 沖美町議会誘致を撤回 (毎日 2月4日 朝刊) [要約]米空母艦載機の夜間発着訓練(NLP)を、厚木から広島県沖美町の無人島に移転する計画は、同町の町議会が一転して誘致に反対を表明した。これは昨年1月に沖美町長が島の活性化を目指して、「NLP誘致の補助金」を防衛施設庁に問い合わせ、この案に施設庁が飛びついて交渉が始まった。しかし三宅島で住民のNLP反対運動が高まって中断した経緯があり、施設庁と沖美島との交渉は水面下で行なった。町長が県知事や町議に明かしたのは先月28日で、町議会で話し合う2日前だった。最初は施設庁に誘致要請を行なうことを話し合った町議会も、水面下で交渉が行なわれていたことに反発し、誘致の白紙撤回を決め、この問題を町議会で話しあわないことを決めた。町長は、年度末までに決定(誘致)できるように努力したいと話している。

[コメント]この島に2000〜2500メートルの滑走路と宿舎(兵舎)を建設するには1000億円の経費が見込まれている。この問題を地元で取材している記者によれば、すでにいろいろな利権が取りざたされているという。この背景追及には、多くの記者が投入されたので、当分は政治家の動きが封じられるだろう。しかし島の町長から話を施設庁に持っていくとは考えられない。NLP移転とは軍事レベルが高すぎる内容だからだ。それに朝鮮半島情勢もからんでいる。21世紀のアメリカの東アジア戦略にも影響を与えている。町長が考えられるレベルをはるかに超えている。
 しかし誘致派も簡単には引き下がらないだろう。説得工作のための甘い果実が掲げられ、これからガンガンと切りくずしが始まる。だが地元の意向を無視して建設を強硬すれば、第2の成田空港(あるいは三宅島)になる危険もある。
 関係者には失礼かもしれないが、当分は地元の反対派、政府(施設庁)、業者や政治家など利権集団の「三竦み」(さんすくみ)状態が続くだろう。軍事的には「超」がつくほど完璧な軍事力拡充案だけどね。しかし広島県の平和教育のレベルはすごいよ。これを見誤ると、この問題は泥沼になると思う。
米紙報道 イラク攻撃 空爆48時間で3千発、のち地上戦 国防省案 (朝日 2月3日 朝刊)  [要約]2日のニューヨーク・タイムス紙は、米国防省が立案したイラク攻撃の詳細なシナリオを報じた。それのよれば、作戦に必要な兵力は2月中旬に整う見通し。空爆は開始後48時間で3千発を使う予定。空爆の期間も1週間以内。精密誘導爆弾などを大量に使い、イラク軍の戦意を喪失させる目的を重視するもの。地上部隊は陸軍2個師団と海兵隊で構成し、トルコとクエート側の2方向からイラク領に進攻する。また数万ワットの電力を発して、イラク国内のコンピューターを動作不能にする強力な極超短波兵器などを実験的に使用する検討が行なわれている。

[コメント]かなり心理戦の濃い報道である。イラク側に動揺を与えるために情報操作である。しかし全部がウソという訳ではない。最初の空爆は猛烈に行なわれるだろう。イラク軍の防空施設や通信施設、司令部の場所などは、猛烈に攻撃して戦闘意欲を失わせる爆撃となる。しかし91年の湾岸戦争の時は45日間の空爆が続いた。今回は事前の情報活動が詳細に行われ、空爆の場所が限定されるし、精密誘導爆弾の割合も増している。空爆期間は1週間でも問題ないと考えているようだ。極超短波兵器はバクダッド包囲完了後に、ノン・リーサルウエポン(非致死性兵器)として使われる可能性がある。
 私が考える問題は3つ。一つはクエートからバクダッドに進撃するルートだが、ユーフラテス川沿いに行くか、砂漠の道路を北上してバクダッドに行くルートである。海兵隊をユーフラテス川沿いに使い、戦車部隊などは砂漠ルートを進ませる方法もある。もう一つの問題は、バクダッドを包囲を完了した段階で、米軍は市街戦を避け、どのようにフセイン体制を崩壊させるかである。もろんバクダッドを猛烈に攻撃(爆撃や砲撃)することはできない。3つ目の問題は、フセイン体制が崩壊したあとのイラク統治である。うまく親米政権ができて、その政権を支えることが出来るかという点だ。(地図・・・・書店に行くと上の、『イラクその周辺』(昭文社刊 500円)という地図を売っています。この地図があると便利です)
スペースシャトル「コロンビア」が着陸態勢に入ったときに爆発。乗員全員が死亡 (各紙 2月2日 朝刊)  本日のWhat New !は、亡くなったコロンビア号の乗員の喪に服するために休刊とします。
北朝鮮 使用済み核燃料棒を搬出か 衛星意識し示威行為? (各紙 2月1日 朝刊) [要約]北朝鮮が寧辺にある保管中の核燃料棒を運び出した兆候を、アメリカの偵察衛星が捕えていたことが明らかになった。ここには8000本の使用済み燃料棒が保管されており、この燃料棒を1.6キロはなれた再処理施設(放射化学研究所)に持ち込めば、数ヶ月で核兵器級のプルトニュームの製造が可能になる。しかし再処理施設は稼動できる状態ではなく、赤外線探知でも稼動しているような熱反応はでていなという情報がある。北朝鮮がさらに緊張状態を高めるために、意図的に搬出するような動きを見せている可能性がある。

[コメント]アメリカのイラク攻撃が迫る中で、北朝鮮は米朝交渉を急ぎたいという気持ちがひしひしと感じられる。もしイラクの攻撃が始まれば、アメリカは北朝鮮に見向きもしなくなる。そのかわり、イラクの次は北朝鮮という言葉の意味が強まってくる。これを北朝鮮はあせっているのだ。
 私は今までに何度も言っているが、同時多発テロ以降は北朝鮮の瀬戸際外交が、アメリカを挑発しているだけの意味しかないと。まさにアメリカを戦争に誘い出す口実にしかならないということである。北朝鮮は核兵器開発を強めれば強めるほど、アメリカに北朝鮮制裁の口述を与え、中国やロシアを反金正日に向かわせるだけだと思う。
 もがけば、もがくほど、沼の底に沈んでいく。まさに末期症状である。