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この情報の最も新しい更新日は1月31日(火)です。

談合主導の疑い

防衛施設庁審議官ら逮捕

前任者含め3名

(読売 1月31日 朝刊)

[概要防衛施設庁の発注した空調設備工事で、東京地検特捜部は談合を行ったとして技術審議官ら3人を競争入札妨害(談合)容疑で逮捕した。技術審議官は施設庁のNO、3で、談合は同庁幹部が主導した「官製談合」と見られる。額賀防衛庁長官は30日夜、施設庁幹部の逮捕を受けて記者会見し、「厳粛に事態を受け止め、施設庁を解体するぐらいのつもりで出直しを図る」と述べた。

[コメント]昨年11月に旧「新東京国際空港公団」の談合事件で、防衛施設庁OBが談合の疑いで摘発されている。その時から防衛施設庁幹部の逮捕は予測されていた。談合の理由は幹部の天下り先の確保というから、社会保険庁や道路公団並みの「公務員犯罪」ということになる。

 いつもいうが、今の時代は「内部告発」が多く、伝統とはいえ、幹部たちの自分さえ良ければ主義は通用しない。これで額賀防衛庁長官の引責辞任も浮上してくる。3月に発表予定の「日米2プラス2」の日程に影響を与える可能性が高い。

 またしても官製談合事件で、政治と閣僚の腐敗や癒着が明らかになった。ライブドア事件、米国産牛肉輸入問題、耐震偽装問題に続いて、不正受注の防衛施設庁の「官製談合事件」である。この国はここまで堕落していたのか。少子化で重い負担がのし掛かってくる子供達に、将来、我々は何と言われて非難されるのか。ホリエモン騒動を演出したマスコミや政治家に猛省を促したい。そして防衛施設庁は悪しき慣習は断て。

イラク派遣

陸自 5月に撤退完了

政府方針 

 3月、首相が決断

(産経 1月31日 朝刊)

[概要政府はサマワの陸自を5月末までに撤退を完了させることを決定した。撤退を開始する3月までに小泉首相が政治決断をする。サマワの英軍、オーストラリア軍も5月撤退でおおむね一致した。撤退作業には2ヶ月程度を予定し、宿営地は取り壊さずにサマワのムサンナ県に受け渡す方向で調整する。撤退のために警備部隊の一部を交代させる可能性が高い。

[コメント]首相の政治決断というより、ほぼ予定通りの撤退となった。撤退のために警備部隊の一部を交代させるのは、習志野の特殊作戦群を投入するためと思われる。すでに今回は空挺部隊が警備に派遣されているが、最終的な撤退時期が近づくと、作戦群が緊急展開訓練を兼ねて、サマワに向かうと推測できる。

在日米軍再編

相模補給廠の一部返還

審議官級日米合意

 陸自部隊配備は見送り

(毎日 1月31日 朝刊)

[概要24日〜26日にハワイで開かれた日米外務防衛担当の審議官級協議で、日米が相模総合補給廠の一部返還に基本合意していた。日本側が求めていた陸自の部隊配備は「将来的な課題」として見送る方針が固まった。防衛庁は緊急即応部隊(普通科1300人規模の部隊)を置く方針で米側と交渉していた。日本側に返還されるのは西側の野積み場で、米側は全体(214ヘクタール)の返還には応じていない。

[コメント]防衛庁が相模補給廠に緊急相応部隊の創隊を断念したのは、地元の賛成が得られないからだという。それなら原案の宇都宮で創隊するのか、あるいは朝霞駐屯地にする可能性もある。しかし近い将来に米軍再編が落ち着き、相模補給廠に米軍の野積み場(52ヘクタール)が残っていれば、再度、緊急即応部隊の移転を探ると思う。

 なぜなら朝霞では近くの練馬駐屯地に第1普通科連隊が配備されているので、それほど存在感が高くない。やはり座間や横田に近く、横須賀にも近いことから、相模補給廠の戦略的な価値が高いからだ。とりあえず、大変革を行わずに、小出しにして様子見をする気のようだ。

小泉外交 光と影

 揺れる日米中  1

米「遊就館」を注視 

皇国史観

 靖国不信広がる

(毎日 1月30日 朝刊)

[概要小泉首相は先週の参院代表質問で、韓国、中国以外に靖国参拝を批判する国はないと答えた。だが、内情は違う。靖国神社に併設されている戦争博物館「遊就館」(02年に大改修)で、第2次大戦のルーズベルト米大統領の政策を批判する展示や映画の強調が、米国を身構えさせているのだ。米共和党の重鎮で、昨年2月まで駐日大使を努めたハワード・べーカー氏は、「あれでは日本が戦争に勝ったみたいだ」と自民党有力議員に不満を伝えた。遊就館では米国の資源禁輸政策で追いつめられ、日本が「自損自衛」のために立ち上がったとという歴史観が示されている。

 昨年12月7日、訪米した前原民主党代表を招いた朝食会で、昨年1月までブッシュ大統領の東アジア外交担当だったジム・ケリー前国務次官補は、「首相の靖国参拝が遊就館の考えを肯定していると受け止められないか」と懸念を表明した。アメリカの親日家たちは、首相の靖国参拝と遊就館との関わりを懸念する。ブッシュ政権の官僚や政治家たちから靖国参拝の不満が広がっている。

 ブッシュ政権内や米議会では、「いまや日中問題こそアジア最大の懸案」という見方が広がっている。下院では3月に日中問題の公聴会を開く予定である。これには中国と関係を深める米ビジネス界の利害と深く関連している。中国はアメリカで活発にロビー攻勢を仕掛け、最近は台湾問題よりも靖国問題を取り上げ、日本のナショナリズムを批判している。日本がワシントンでロビー活動をしている動きはない。ブッシュ大統領の政権人事では、東アジアで日本よりも中国を重視する傾向を強めている。

[コメント]大改修を終えた遊就館を初めて見たとき、自衛隊(少工校)で15才、16才、17才と精神教育を受けた私は違和感を感じなかった。まさしく私が少工校で受けた歴史教育と同じだと思ったからだ。私がいた頃の少工校では、あの戦争で日本は敗れたが、祖国存亡の危機を戦った正義の戦争だったと教えられた。しかし同時に遊就館を見て、アメリカ人がどのように感じるかが不安になったことも事実である。日本では第2次大戦は国家総力戦で正義の戦いでも、アメリカから見ればファシズムとの戦いになるからだ。でも私は遊就館の展示を撤去したり、展示を変えるべきとは思わない。それではあの戦争を正しいと信じて殉じた人が無惨すぎる。

 だからこそ私は靖国神社に代わる国家の追悼施設を、北の丸公園の中に設けるべきと思うのである。信教の自由として靖国神社は今の靖国神社のままでいい。しかし天皇が戦没者慰霊に参拝する施設にはなり得ないのである。だが戦没者を天皇が慰霊に参拝することは大事と思う。それを行わないことは我々世代の怠慢である。それが北の丸公園の新施設である。

 北の丸公園はかつて近衛連隊が駐屯し、戦後は警察関係者の慰霊所で警察官の聖地であることは知っている。今まで警察官で殉職した者は、北の丸公園にある弥生廟(やよいびょう)で慰霊されている。しかし北の丸公園に第2次大戦で戦死した将兵の慰霊施設を作っても、警察関係者は自分たちの聖地が荒らさるとは思わないだろう。同じ追悼施設ではないからだ。

 これから靖国神社と遊就館を結び付けて論じられると、東南アジアの国まで靖国参拝問題を広げることになる。麻生外相や石原都知事が、天皇の靖国参拝に言及し始めている。天皇を政争の具にしてはいけない。

空中給油機移転

米、岩国へ変更要求

日本側拒否

「普天間」計画遅れも

(読売 1月29日 朝刊)

[概要24日から26日までハワイで行われた在日米軍再編の日米審議官級協議で、米側が、米海兵隊普天間飛行場(沖縄県)のKC−130空中給油機の移転先を、鹿屋基地(鹿児島)移転に難色を示し、岩国基地(山口県)に変更を求めてきた。政府筋によると、鹿屋移転を提案したのはもともと米側だが、海兵隊が調査した結果、「鹿屋周辺の港湾、高速道路、鉄道の施設が不十分だ」と判断し、岩国移転を主張したという。しかし日本側は岩国基地に機能が集中することを避けるため、この要求を拒否した。KCー130の移転先が決まらないと、普天間移転を含む再編計画全体が遅れる恐れがある。

 もし岩国移転を認めれば、空母艦載機57機が移転してくることに反対している周辺自治体が態度を硬化する可能性がある。また、米軍再編に関係する自治体も、計画の変更を求めてくることが予測され、防衛庁は鹿屋移転を説得するとしている。

[コメント]米軍にとって岩国は主として朝鮮半島に関与する戦略拠点である。鹿屋は沖縄やグアムなど、西太平洋につながる戦略拠点になる。だから大きな戦略視点で見ると、米軍が鹿屋に空中給油機を配備すると決めた心情は理解できる。しかし米海兵隊は大きな戦略視点よりも、局地的に戦う実戦部隊としての価値観がものを言う。10年後、20年後の戦争(戦略)を考えるより、明日から始まるかもわからない戦争に備えるのが海兵隊だ。

 その点、岩国基地は海兵隊のKC−130部隊に申し分ない条件を備えている。今まで、明日にも始まるかも知れない朝鮮半島有事に備えて整備されていたからだ。アジアで最大の米軍の弾薬庫である川上弾薬庫(広島県)から山陽本線(JR)や山陽自動車道(高速道)と結ばれている。近くには呉という海上自衛隊の軍事拠点が存在している。また朝鮮半島には1時間以内で到達できる位置になる。もし米軍が軸足を西太平洋に移すなら鹿屋で、あくまで朝鮮半島や東シナ海に軸足を置くなら岩国ということになる。米軍は再調整に動き出した。

 しかし日本にとっては絶好のチャンスである。3月に出る予定の「2プラス2 最終報告」が米側の都合で遅れる理由になるからだ。沖縄、座間、岩国、どこを見ても、地元との調整が動いているようには見えない。最終報告の公表は大幅な遅れが必至と思っていた。あるいは見切り発車でさらに状況悪化に陥ると考えていた。ここにきて米軍側からの変更要求である。

 しかしあくまで東アジアの米軍再編は、米軍の西太平洋への移転再編が目的だった。ここにきて対中国戦略から朝鮮半島の重要性に気がついて、再編の再編では混乱が生じることになる。日米が互いに本音を語れぬところが苦しいところだ。

ハマス単独過半数

パレスチナの苦難

映した民意

中東アフリカ総局長

 川上 泰徳 (署名コラム)

(朝日 1月28日 朝刊)

[概要パレスチナ自治評議会選挙でイスラム過激派ハマスの勝利は、ファタハがパレスチナ解放闘争を主導し、中東和平を担った時代が終わったことを告げた。アラブ世界で民主的な選挙で政権交代が行われのは初めてだ。

 イスラエルや欧米からはハマスが、イスラエル国家を認めなければ交渉しないという。今のハマスはイスラエルと停戦という交渉戦術を示している。イスラエルにとって治安の実現は利益になる提案である。これからハマスは政治理念ではなく、実際の政治でどのような政策を実施し、交渉し、合意して、責任を持つかが問われる。

 これを中東全体で見ると、ハマスの勝利は異常ではなく、大きな流れの中にある。12月に結果が出たエジプトの議会選挙では、ムスリム同盟団が現有15席を6倍に伸ばす議席を得た。エジプトで広がる貧困層が「世直し」を求めたからだ。しかしアルカイダ No2のザワヒリは、ムスリム同盟団の選挙参加を非難している。政治参加はテロや武装闘争から脱却する一歩になるからだ。12月のイラク選挙で第1党になったシーア派連合は宗教組織が主導する政党である。これらは米国が唱える中東民主化が反米傾向が強いイスラム勢力の追い風になっている。イスラム教はイスラム社会で生活と社会を支える基盤でもある。イラクでフセイン政権が崩壊したとき、群衆の略奪を止めたのは宗教指導者が出した宗教見解だった。イスラム教の宗教的「世直し」の影響力は大きい。

 パレスチナ自治区では失業が充満する中、自治政府・高官のファタハ幹部は、豪邸に住み、高級車に乗り、休暇は外国で過ごす。またイスラエルはユダヤ人入植地を広げ、国際非難を受けながらも分離壁の建設は進む。今回のハマスの圧勝はパレスチナ民衆が直面している困難さを象徴している。これからも国際社会の関与が求められる。

欧米ではファタハが選挙に負ければ、パレスチナ援助を中止すると表明していた。それほど武力闘争を放棄しないハマスを嫌悪していた。その一方ではファタハ幹部は「援助漬け」にされるほど腐敗(汚職)が深まっていた。アラブ世界では親族の一人が出世すると、誰もがその恩恵で生きようとする傾向がある。そんな社会的な傾向と思っていたが、パレスチナの人々はファタハが汚職の温床で、貧困の原因だと気がついていたようだ。

 ハマスは武装闘争を行いながら、パレスチナ闘争で父を失った貧しい家に行き、食糧を配り、子供の学資を援助していた。無料の病院を建設し、学校を作って子供の教育を行った。それをイスラエルから見れば、ハマスは子供の心からイスラム戦士を養成しているようにも感じる。ユダヤ人のハマスに対する憎しみは増す。しかしパレスチナの貧しい人から見ると、ハマスはまさに「救世主」なのである。すなわち今回の選挙は憎しみよりも、愛情の方が強いという証明でもある。

 言われたように、ハマスが選挙に勝てば援助を中止することほどバカなことはない。ハマスには貧しいが故にテロに傾注する人を救うことができる。今までのパレスチナ援助は一部のファタハ幹部に奪われ、テロの温床になる貧しい人に届かなかった。だからイスラエルとの和平は進展しなかったのだ。これからはパレスチナへの援助を実効あるものにして、パレスチナ全域から貧困や無知をなくし、絶望ではなく平和の喜びを人々に与えるべきと思う。その方法しかテロを根絶すことができないのだ。

 だから私はハマスの勝利を歓迎している。ハマスが政権を取れば、これから無茶な武装闘争はできない。むしろハマス幹部がファタハのように「援助付け(腐敗・汚職)」にされたり、または国際援助が打ち切られて、パレスチナに貧困や絶望が広がることを危惧する。 

ヤマハ発動機

性能劣る機種記載か

対中輸出無人ヘリ

 税関提出書類に

(毎日 1月26日 朝刊)

[概要ヤマハ発動機が中国に軍事転用が可能な無人ヘリを不正輸出しようとされる事件で、同社が昨年12月に名古屋税関に通関書類を提出した際、機種を「RMAX L175」としていたことがわかった。しかし23日の記者会見では「RMAX L181」と説明していた。しかしL175は主に農薬散布に使われる機体で、高度は約5メートル程度の高さしか飛行できない。しかしL181は多目的型で高度約150メートルまで飛行できる。このため捜査本部は同社が「RMAX L181」を意図的に偽り、性能の低い「RMAX L175」と申告した疑いがあるとみている。

[コメント]昨日のメールにお返事で、無人ヘリでは各紙の新聞記事が混乱し、事件が正確に把握できないと批判を書いた。その原因には新聞記者ばかりか、警察当局の対応にも問題があると指摘した。その結果、今日の朝刊にこの記事がでた。これなら記事の言いたいことが理解できる。

 ところで高度5メートルと高度150メートルで何が違うかといえば、回転翼で発生する揚力が「地面効果」を活用できるか、出来ないかという差がある。ヘリが地面すれすれだと、地面にたたきつける風圧で、大きな揚力(地面効果)を得ることができる。だから高度5メートルだと少ない揚力で浮上したり、より重い荷物を搭載できる。しかし多目的型は航空写真撮影などで地面効果を活用しないで高く飛ぶことが求められる。そのあたりの基本性能に違いが出てくるのだ。

 しかしここで本当に問題になるのは、あくまで自律型無人ヘリのことである。すなわち自動操縦能力があるかないかの違いである。高度5メートルしか飛ばないL175であっても、荷物を軽くさえすれば、150メートルの高度を飛行することは可能と思う。また生物・化学兵器を空中散布するなら、人が集まった場所で、L175から薬剤(毒物)を散布することは可能だ。だから今のようなテロの時代では、L175は軍事転用が出来ないで、L181は軍事転用が可能という論理は無理がある。

 以前にも書いたことがあるが、オウム・サリン事件から数年後、私はバイクで丸の内(都心)付近を走っていて震え上がったことがる。その時間は午後2時頃だっと思う。国会の上空(高度100メートルぐらい)に不思議なものが旋回しているのだ。見た瞬間はパラシュートで降下してきた核爆弾と思った。私との直線距離は1,5キロ程度だから、空中で核爆発(広島型)すれば熱線と放射能で即死する距離だった。しかしバイクと止めてよく見ると、エンジン着きのパラグライダー(モーター・パラグライダー)だった。確かに人が操縦して飛んでいる。そのパラグライダーは国会上空を数回旋回し、それからお堀を越えて皇居上空に向かった。すると高度を落とし、皇居の森の中に消えた。テロリストが皇居に侵入したのかと思った。数秒後、パラグライダーはエンジン音を高めて再び浮上してきた。それから数回、皇居上空で浮上と降下を繰り返していたが、数分後にそのまま東の方向に飛び去った。これは作り話ではなく、実際に私が目撃した事実なのである。

 夕方のTVニュースで、この男は緊急発進した警察ヘリや報道ヘリに追いかけられ、江戸川の河川敷に着陸したところを、追跡してきた警察のパトカーに身柄を確保された。ところが翌日の新聞では、航空法の罰則規定がなく、この男は警察で厳しく説教されて帰されたとあった。むろん罰金も課せられていない。もし生物・化学兵器の空中散布を警戒するなら、あのモーター・パラグライダーの都心上空侵入の可能性を検討すべきである。

 経済産業省の「軍事転用品規制リスト」は現状の問題とかい離しているように思う。総合的な対テロ策と合わせて、再検討してもいいのではないか。例えば、日本の大型トレーラーはミサイルの移動発射台として軍事転用できると、輸出が規制されている。しかしミサイルの移動発射台なら安価なロシア製(本物)が簡単に輸入可能である。そのあたりに誰も矛盾を感じないのか。

鳥インフルエンザ

 昨年12月

平壌で流行 人感染も

金総書記

 訪中時、支援要請か

(産経 1月25日 朝刊)

[概要平壌市内では昨年末、3ヶ所でニワトリなどが鳥インフルエンザに感染し、軍が出動してニワトリなどを処分したと政府筋が明らかにした。農村部では昨年9月頃から発生しており、深刻な事態に陥っている可能性がある。平壌では少なくとも女性一人がトリから感染し、赤十字病院に入院した。しかし人から人への感染(ウイルス変異)は確認されていない。こうした事態を受け、金正日総書記は労働党や政府機関に、鳥インフルエンザの抑制・防止の徹底を指示した。

 今月訪中した金総書記は、北京市内の幹部用病院「人民解放軍301病院」で検査を受けたという情報がある。また胡錦涛主席との首脳会談で、この問題が取り上げられ、中国に支援と協力を求めたという。

 昨年9月には朝鮮総連傘下の在日朝鮮人科学技術協会(科協)の幹部が、鳥インフルエンザに効果がある抗ウィルス薬「タミフル」を、アタッシュケース10個分、北朝鮮に持ち込んだ。北朝鮮の人権問題などを告発してきたNGOの「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)」は、「北朝鮮は即刻情報を開示し、抜本的な対策を講じるべき」と語っている。

[コメント]北朝鮮では鶏肉も卵も貴重な栄養源である。北朝鮮当局が速やかに情報を内外に開示しないと、鳥インフルエンザで死亡(あるいは処分)したトリ肉が市場に出回る危険がある。タイや中国では人から人に鳥ウイルスが感染する「ウィルス変異」は防止できても、北朝鮮の食糧難、医療体制の壊滅、慢性的な栄養不足による体力低下、情報の統制による認識不足などで爆発的に広がる危険がある。

 日本では北朝鮮からの招かざる客については、武装工作員とほぼ定着しているが、中国やロシアでは感染症でパニックなった難民と考えている。そのため国境地帯で軍(衛生関係)や医療関係者(医者・看護師)の検査・隔離演習が実施されている。

 日本も貨物船などに乗って日本海に逃れた北朝鮮難民が、日本の海岸などに漂着した場合を想定して、感染症対策の視点から演習を行うべき段階に来ていると思う。それこそノドンのミサイル脅威よりも、緊急に差し迫った「北からのウイルス(細菌)」の脅威であると思う。

 中国でのSARS騒動の時にも思ったが、中国、朝鮮半島、極東ロシア、それに日本は「渡り鳥」で結ばれた運命共同体の関係にある。無関心や無関係では日本が存続できないのだ。

無人ヘリ 対中不正輸出

人民解放軍入手か 

「軍事転用も可能」

取引仲介のブローカー

 「中国の公的職員」

 警察当局

(産経 1月24日 朝刊)

[概要静岡県警、福岡県警の両県警と名古屋税関は、ヤマハ発動機が生物・化学兵器の散布に転用できる無人ヘリを、中国に無許可で輸出しようとした外為法違反容疑で家宅捜査をした。両県警は同日、経済産業省が同社を刑事告発したのを受け捜索に着手した。調べによると、同社は農薬散布などに使う多目的無人ヘリ「RMAX Type UG」を北京の航空専門会社「BVE社」に輸出しようとした疑い。ヤマハは平成13年以降から今まで、BVE社にRMAXのGUを改造したRMAX L181を9機輸出している。昨年12月に10機目のUGを輸出申請していた。

 BVE社の自社ホームページでは、ヤマハの無人ヘリを「軍事転用が可能」と紹介しているから、同ヘリが人民解放軍に渡っている可能性がある。なお、この取り引きの仲介にあたった中国人ブローカーについては、「中国の公的機関の職員」と警察が認定している。この二人はすでに在宅起訴され、昨年10月に罰金50万円の命令を受けている。その時の自供から一人は政党間協力や対外活動を行う「中国共産党中央対外連絡部と完全につながった人物」と公安関係者は見ている。

[コメント]多用途ラジコンヘリとは、農薬散布や航空写真の撮影などに使われる機体である。今までは100cc前後のエンジンを使っていたが、RMAXは250ccのエンジン(ツーサイクル)を使い、31キロまでの重量物を搭載し、60分程度の飛行ができる。外為法では20リットルを超える運搬能力があるものは輸出許可が必要とされている。

 さらに今までは、操縦はあくまでラジコン(無線誘導)による有視界飛行で、操縦範囲は150メートル程度とされていた。しかしGUはそれを超えると、自動的にホバリング(空中停止)したり、着地する性能を持っている。これを自律飛行かどうかだが、軍事転用問題では民事と軍事の境界線になる。私はL181を見たことはないが、そのような自動操縦装置を取り外した機体だと思う。

 しかしヤマハではすでにUGヘリにGPSを搭載して、まさに完ぺきな自律飛行が可能な機体を開発している。この機体は一機1億円程度といわれ、その辺の個人用ヘリよりも高価である。使い道はビデオカメラを積み、山中の送電線の監視(電力会社)を行ったり、近づくのが困難な火山の火口の映像や、雪崩や地滑りといった災害現場の撮影が可能になる。まあ、それだけに使う方も軍事に転用すれば活用範囲は広い。

 ちなみにサマワの陸自はUGに赤外線カメラを積み、夜間監視が可能な無人ヘリを運用している。宿営地が迫撃砲弾やロケット弾の攻撃を受けると、この無人・監視ヘリを飛ばして犯人の探知や追跡を行うためである。(しかしまだ1回も探知に成功したと聞かない)

 無人ヘリにGPSを搭載ほどの高性能の機体ではないが、有視界の150メートルを超えるとホバリングしたり、自動着陸する性能が必要な理由は、日本の農業就労者が老齢化したことも影響している。例えば農薬散布をラジコン・ヘリで行うと、油断すると操縦する範囲(電波到達範囲)を飛び出すことがある。それも老人の場合だと多くなる。もしラジコンヘリが墜落すれば、機体は大破するし、事故を起こす場合もある。機体も800万円程度と高価である。だから自律とは無人ヘリに必要な補助技術なのである。しかし同時に自律飛行というと民事の線を越える性能となってしまう。

 そこで私の考えだが、私はGPS搭載機を含めて、軍事転用品リストから無人ヘリを外すべきと思う。日本は高性能な商品開発で国の発展を行うべき宿命がある。たとえ中国がそれを軍用に転用しても、その程度の中国軍なら恐くはない。田舎のおじいちゃんが農薬散布に使っている無人ヘリを中国のハイテク兵器と呼ぶ方がヘンだからだ。私はヤマハの無人ヘリの技術は世界最高と思っている。しかし米軍無人偵察機のグローバルホークやプレデターとは比較にならない。世界で最先端の軍事技術はヤマハの無人ヘリと比較にはならないのだ。

 かつて日本のトラックが北朝鮮軍で使われている写真とか、日本製のブルドーザーやパワーシャベルがエジプト軍の駐屯地に並んでいるのを見たことがある。何でもカンでも軍事転用の網をかけて本当にいいのか。そんなことを気にすれば、日本の産業や輸出は成り立たない。逆に日本の産業発展にブレーキをかける危険がある。第3国を経由させ誤魔化す方法もあるが、それよりも堂々と論じてこの問題を解決すべきと思う。

 かつて日本製の特殊ステンレス鋼が、北朝鮮の弾道ミサイルの先端部分のカバーに使われたことがあった。耐熱効果が高いからである。そのようなものが北朝鮮に渡ることは避けなければいけないが、日本製無人ヘリはそのような軍事レベルではない。

 おそらく10年後には無人ヘリの輸出規制が撤廃され、アメリカ製や英国製の高性能(自律型)無人ヘリが中国全土を飛び回っているだろう。今の時代は2〜3年もすれば、ヤマハの最先端技術も陳腐化する。国際的に見ても自律型無人ヘリの商品価値は高い。そしてヤマハはその世界のトップ企業である。現在、自律型ヘリを製造できるのはヤマハしかない。日本が足踏みをしていれば、数年後に米国企業などに追いつかれる。日本企業の国際競争力を失速させてはいけない。

名護市長に島袋氏

普天間移設 説得加速へ

「話し合い糸口見えた」

政府・与党

 修正には消極的

反対すれば強行策も

(読売 1月23日 朝刊)

[概要22日投票の名護市長選挙で、普天間基地の代替施設受け入れに含みを残す島袋吉和氏が当選した。国とのパイプを強調した島袋氏を、稲嶺知事や県の経済人たちが応援し、もし対立候補が勝てば県北部の経済発展はないと訴えた。政府は島袋氏の勝利に期待したが、告示後は地元の感情に配慮して現地での応援は避けた。当選した島袋氏の得票が、移設に反対の2候補の合計より上回ったことも、政府・与党は「明るい材料」と受け止めている。しかし政府は地元が求めている修正は、騒音軽減の方法を具体的に説明し、他の振興策を提示するシナリオを描いている。振興策については、鉄道建設や特別交付金をちらつかせている。北部12市町村には、2000年より国から毎年100億円の振興費が支出されている。(10年間で1000億円)

 しかし稲嶺知事は沿岸案に反対をしており、あくまでも地元が受け入れを拒めば、政府は公有水面埋め立ての許認可を、知事から国に移す特別措置法を通常国会に提出する方向で検討している。

[コメント]昨日の島袋氏の当選で、これからは修正案に注目が集まることになる。しかし今のキャンプ・シュワブ沿岸案を変更し、地元が求めているような海上埋め立てのような大規模な修正は応じないだろう。すでにアメリカと合意しているというより、沿岸基地の方がはるかに軍事的な効率がいいからである。建設される新飛行場が地上基地と接していることで、橋や連絡船といった海上交通路が必要ない。これは日常の業務以外に台風などの場合に避難しやすい。また飛行場に軍港を建設することで、運用効率を高めることができる。さらに辺野古弾薬庫と隣接させることで、基地機能を高めることが可能になるからだ。

 すなわちキャンプ・シュワブに建設される普天間代替え基地は、今の普天間基地とは比較できないほど軍事的に強化された基地になる。たとえば新基地によって建設される軍港は、那覇軍港のように軍民共用から解放され、自爆テロなどの脅威を軽減することが可能になる。また新基地が辺野古弾薬庫と合体することで攻撃力が格段に向上する。これほど理想的な新基地構想を米軍は絶対に譲らない。辺野古の位置は、江戸幕府が箱根に関所を築いたのと同じである。島嶼や大陸棚端に位置する沖縄全域を考えても、キャンプ・シュワブ沿岸案は軍事的な理想に適している。まあ、そのことは軍事だけを考えた場合の理由である。

  

 昨夜は名護選の結果を知りたくて、夜10時からテレビのチャンネルを切り替えながら、ニュース速報の字幕を待った。東京で最初の報道は夜11時のNHK定時ニュースだった。島袋氏当選では字幕速報にならなかったのだろう。知り合いの新聞記者は、早い段階で島袋氏当選の予定稿は書いたという。あとは当選直後の島袋氏の発言や、政府関係者のコメントを書き入れればいいようにした予定原稿だったという。しかし島袋氏が落選した場合の予定稿は難しかったそうだ。当然ながら、政府がどのように対応するか読み切れなかったし、また普天間移転案にがどのように影響するか、そのことを読むことができなかっと話していた。同じように、名護市民も自分が住む地域の将来に、「反対」だけでは投票に明るさを感じなかったのではないか。

 このように基地反対だけでは選挙に勝てない時代なのだ。それよりも地域の未来に明るさを感じるような将来像を描くことが大事と思う。その「未来プラン」を描く役割を担うのは、基地建設に”賛成” ”反対”する政党の役目と思う。ならば野党が基地反対の代わりに、どのような「明るい未来」を提案したか。そのあたりに基地建設反対派が負けた原因がありそうな気がする。

米韓外相合意

在韓米軍「柔軟運用」

半島有事以外への

活用念頭

(読売 1月21日 朝刊)

[概要ワシントンでライス国務長官と韓国のバン基文外交通商相が、19日、初の閣僚級戦略協議を行い、在韓米軍を柔軟に運用してことで合意した。会談後に出された共同声明では、強固な米韓同盟を維持すると強調しながら、在韓米軍を朝鮮半島有事以外に活用することを念頭に置いた「戦略柔軟性」を認めることを韓国が了承した。

 韓国では中台紛争などで在韓米軍が派遣され、朝鮮半島以外の紛争に韓国が巻き込まれることを懸念する声がでていた。共同声明では韓国が米軍の地球規模の再編に理解を示し、米国は韓国の懸念を尊重する合意内容となっている。

[コメント]すでに日本では三沢のF−16戦闘機や横須賀の空母、それに沖縄の海兵隊などが、中東などの戦域に出撃している。その点では「在日米軍の戦略的柔軟性」は確立されている。ただしそれは閣僚級の協議ではなく、日本側の拡大解釈やなし崩しによって行われてきた。そのため憲法との整合性はねじ曲げられ、これ以上のねじれは日米安保体制の基本戦略そのものを破壊するエネルギーを蓄積している。その最も顕著な実例が2プラス2(3月最終報告)で、米軍基地を抱える地元の強い反発である。地元にきちんと説明しろと言われても、政府は説明できない事態に追いこまれている。

 ともあれこれで在韓米軍は、本籍は韓国でも現住所は東南アジアやグアムという運用が可能になる。北朝鮮向けに貼り付けた在韓米軍は、全アジア向けの戦域に転戦することになった。米軍の東アジア戦略にとって、ますます日本の役割が高くなることでもある。

 そのような日本の大転換が、憲法を改正し、集団的自衛権を認める動きを加速させている。これからというよりは、これまでのねじれを直し、新たに始まるこれからである。

 私が現役で頑張れるのはこれから15年程度と思う。その15年後の日本には、まったく違った軍事環境が出来上がっているはずだ。私も15年後のプランを考えて挑戦したい。

 

今日は更新を休みます

(1月20日)

 急な原稿依頼で、今日中に書き上げることになりました。そのため時間がなく、今日の更新を休みます。せかっくアクセスしてくださったのにすいません。しかし「軍事通信員報告」と「メールにお返事」だけは更新しました。

金総書記

中国の発展を絶賛

「改革・開放政策は正しい」

6カ国協議米朝

主席代表が会談

(毎日 1月19日 朝刊)

[概要中朝の報道機関は18日、「視察を通じ、強い印象を受けた。収穫は多かった」と金正日総書記の訪中で、中国の発展振りを高く評価したと報じた。今回の視察個所は山峡ダムや鉄鋼所やバイオ農場など17ヶ所に及んだ。金正書記は「中国の南部都市、特に経済特区で光り輝く業績を目にした」と述べた。80年代の訪中で「中国は修正主義になった」と批判したときとは明らかに違う絶賛である。「平壌の30代、40代の実務官僚は確かに育っている。非常に優秀で、活躍の場が与えられれば経済発展に大きく貢献するだろう」(中朝貿易関係者)と言う。

 18日には北京の釣魚台迎賓館で6カ国協議の米首席代表のヒル国務次官補と北朝鮮首席代表の金柱寛外務次官が会談した。仲介は中国の首席代表の武大偉外務次官が行った。米国の対北朝鮮金融制裁でこう着状態の第5回協議再開について突っ込んだやりとりをした模様だ。

[コメント]産業インフラばかりか、社会インフラも壊滅的にマヒした北朝鮮が、ホイホイと改革・開放政策に転じることが出来るとは思えない。仮に中国の全面的なバックアップがあったとしても、開放によって新しい情報を知った北朝鮮の国民が従順に従うか。

 そのあたりの事情を中国は計算済みで北朝鮮の支援を決めたと思う。たとえ金正日やその体制が崩れても、新たに親中的な政権を北に樹立して、朝鮮半島の北半分(北朝鮮)を併呑する戦略である。すなわちこれは中国の「朝鮮半島併呑戦略」の第2段階の始まりである。金正日も無邪気な者である。しょせん老獪な中国にかかれば、アジア最貧国の北朝鮮など手のひらの蟻(あり)みたいなものだ。

 どうするのですか小泉さん。あなたが靖国問題で身動き出来ないようにされ、その間に中国はここまで東アジア情勢を推し進めてきました。靖国問題が中国の陽動作戦と思わなかったのですか。本当に中国を舐めないでください。一刻も早く中国と本気で対峙しなければ、日本もそのうち中国に併呑されますよ。幸い私は軍事を勉強しているので、逆に中国が軍事力を使わないで侵略してくるのがよく見えます。かわいい小泉チュルドレンを集めて、お砂場で遊ぶのはそろそろ終わりにしては如何ですか。中国は旧ソ連とは明らかに違います。アメリカの軍事力ばかりに頼っていては日本は中国に負けます。

韓国紙報道

高官の部屋

金正哲氏の写真

北の後継決定裏付け?

(読売 1月18日 朝刊)

[概要17日付けの韓国・朝鮮日報紙は、脱北者の話しとして、北朝鮮の労働党高官の事務所に金正日総書記の二男、金正哲氏の写真が金日成、金正日と並んで掲げ始められたと報じた。この脱北者の話しでは、昨年10月の党創立60周年記念行事以降に、金正哲氏の写真が掲げられるようになったという。正哲氏は現在、党中央委員会組織部責任副部長に任命されている。

[コメント]中国の南部を視察した金正日一行は無事に平壌に帰国した模様だ。しかし今回の訪中で不可解なのは、なぜ、かくも行く先々で大行列を繰り広げたかという点である。経済発展が著しい経済特区を視察するなら、何十台という車列の大行列は必要がない。それに中国側の大げさな対応も不自然であった。私は今回の訪中スタイルに、何か、セレモニー(儀式)のような雰囲気を感じていた。非公開の公式行事のようなものである。

 それに約2ヶ月の間に2度の中朝首脳会談の実施である。あまりにも国際的な儀礼に反する異常な訪中であった。何かこの裏で、北朝鮮に新たな動きがないか注意していた。そこにきてこの記事である。これで謎が解けたような気がする。前回、胡錦涛主席が訪朝した際、金正日からいい機会だと後継者として正哲氏を紹介され、それで胡錦涛主席が中国旅行に招待したのではないか。それ以外に中国側のあの歓待ぶりは説明できない。

 また、今回の金正日の訪中は「金正哲氏の後継者決定」披露のセレモニーだったのだ。それであの大行列の謎が解ける。今回の訪中に金正哲氏を同行させ、中国南部の先進経済特区を見せることで、北朝鮮で新たな中国型改革を中国に約束することができる。また、中国は金正哲氏を新たな指導者として厚く遇することで、今後の北朝鮮へ影響力を強化することに繋がることになる。ここに中朝の新しい関係が見えてくる。

 中国型改革を目指す金正哲氏ならば、今までの金正日のような独裁・強権型ではできない。集団指導体制というか、多くの考えを集約できる合議制で進める必要がある。いつも言うように近代社会では独裁型では経済発展はできない。しかし今までの北朝鮮政府にそのことを求めるには無理がある。金正日がへまをすれば、体制内の後継者抗争が体制崩壊の原因になりかねない。そこで中国は正哲氏をバックアップする力として、朝鮮半島で中国の存在感が効いてくる。もし北朝鮮体制内の一部が後継者として正哲氏の排除を企めば、中国が変わって成敗するという構図である。金正日が中国の「虎の威を借る」というやつである。

 これでやっと今回の金正日の訪中の謎が解けた。北朝鮮の偽札やマネーロンダリングに関係なかった。その程度のことでバタバタするようなヤツではなかったのだ。そうか、後継は正哲氏で決めたか。やはりあの長男では無理だよね。

 ここからが見物(みもの)である。まだ北朝鮮ウォッチャーはこのことに気がついていない。彼らが今回の訪中の目的や、後継者問題でどのように軌道修正するか。ここはゆっくり見物したい。皆さん、やはり軍事って本当に面白いでしょう。ここまで読むことが可能なのです。

イランのウラン濃縮再開

研究用か 核兵器製造か

別に秘密施設?

(毎日 1月17日 朝刊)

[概要今月12日、「イランは毎年25〜30発分の高濃縮ウラン製造が可能。最短で09年に核兵器を製造する」と、米シンクタンクの科学・国際安全保障研究所(ISSI)がこんな試算を公表した。04年11月には、「5年以内に核兵器6発分の高濃縮ウラン製造が可能」と、英国のオックスフォード研究所が発表している。しかしいずれも遠心分離器5万台が設置可能な商業用施設の利用が前提になっている。

 今回イランが再開した研究開発施設の遠心分離器の設置台数は164台で、最大でも1000台しか設置できない。別に分厚いコンクリートの壁で覆われた地下の商業用施設には、遠心分離器の設置はゼロである。核技術の専門家は「音速以上の速度で回転する遠心分離器の運用は簡単な技術ではない」と指摘する。日本は岡山の人形峠で79年から旧動燃が独自に開発した遠心分離器を使いウラン濃縮を実施。電力会社が出資した日本原燃も92年から青森県六ヶ所村でウラン濃縮を始めた。しかしウラン濃縮技術は「機密」扱いのため、日本原燃が「国家プロジェクト」の認定を得るまで、旧動燃の技術やノウハウは原燃に伝授されず、六ヶ所村の濃縮施設では遠心分離器の破損などの異常事態で、施設内に設置された7装置のうち3装置が順次運休に追いこまれた。

 国際原子力機関(IAEA)によると、イランは03年までに試験用の遠心分離器を最大164台を利用して、濃縮度は天然ウラン(ウラン235の含有率が0,7%)を1,2%に出来た程度にとどまった。核兵器だと濃縮度は90%以上だから、イランは核燃料の5%にも達しない低レベルである。そのため専門家の中には、「イランの濃縮技術はイランが主張するように研究開発レベルで、実証レベルではない。まだまだ高濃色ウランを製造できる技術取得には時間がかかる」と分析をする人もいる。

 しかし西側情報機関やイランの反体制派の中には、イランには別に秘密の地下核施設があり、闇市場で入手した遠心分離器を保管していると指摘する者もいる。

[コメント]まさにイランの核開発は平和利用に限定されるか、あるいは核兵器開発が最終目的かの真意を探る記事である。この際、イラン反体制派や西側情報機関の秘密地下核施設には信頼に値しない情報と思う。イラクのフセイン大統領が隠していたという大量破壊兵器情報(ウソ)と同じである。

 そこで重要になるのが、イランの意志と能力の問題である。この記事から読み取れる内容は、イランは核兵器(ウラン原爆)を開発できるノウハウを取得できるが、原爆を製造できる能力はないということになる。すなわち濃縮度を燃料級の5%に高める技術は、それを繰り返せば90%も可能だろうという考えである。しかしウエポン級の90%にするためには遠心分離器が圧倒的に足りない。だからイランは平和利用と主張する。問題はこの意識の違いである。果たしてイランを信じるか、信じられないか。

 しかし国際社会のルールに従うなら、やはりイランは平和利用を含めて、核兵器製造が可能になるような技術を持つことは許されない。核拡散防止条約は大国のエゴだと非難しても、人類が核戦争の惨禍を再び繰り返さないためには必要な国際ルールと思うからだ。それを否定すれば、北朝鮮の核兵器開発も正当化されることになる。

 イランはIAEAの検証や査察を受け入れ、核の平和利用が核兵器の開発に繋がらないような規制を受けるべきである。また、IAEAを受け入れることでイランに対する制裁は解除するべきだ。要するにアメリカもイランも核兵器で意地の張り合いは止めて欲しい。

 イランからすれば、すでに隣国のイラクやアフガンに米軍は進駐してきている。イラン周辺に結集を始めた米軍に強い圧力を感じていることは理解できる。その米軍圧力の抑止力に核兵器開発を使おうとしているためだ。核兵器を製造できる能力を示すことで、アメリカの軍事的な圧力を抑止しようとする論理である。ちょうど北朝鮮が核兵器開発の威嚇でアメリカに対抗しようとしたのと同じ構造である。違うことは、北朝鮮には中国という無視できない存在が隣国にあったが、イランにはロシアや中国がその役割を果たすことは出来ない。むしろイランが産する石油輸出の影響力が、イランの主張を支える構図になっている。その分、この問題が混迷すると解決するのが難しくなる。

 まずはイランの危機感を取り除き、事態を沈静化させることが重要である。日本がこれでわかったことは、小泉首相のいうように「アメリカと親密なら外交問題は心配ない」という考えでは解決できないということである。 

パキスタン

米、民間人を誤爆か

ザワヒリ容疑者攻撃

「現場に不在」指摘

(毎日 1月16日 朝刊)

[概要アフガンに近いパキスタンの村で、13日に米CIAが無人偵察機を使ったミサイル空爆を行い、少なくとも民間人18人が死亡した。米側は現場にアルカイダNO2のザワヒリ容疑者がいたというが、パキスタン政府高官は「CIAが誤った情報で誤爆した」と語った。FBIは現場の遺体からDNA鑑定を行って確認することにした。空爆では3軒の民家が破壊され、村の男性8人、女性5人、子供5人が死亡した。一方、15日のニューヨーク・タイムズ紙は、パキスタン高官の話しとして、この空爆で11人の武装勢力が死亡したと報じた。また同紙では、標的になった民家でザワヒリ氏容疑者が参加する夕食会が開かれるという情報があったという。攻撃を受けた村近くでは、14日に約8000人が参加して反米デモが起こり、米国が支援する援助団体の事務所などが放火された。

[コメント]ザワヒリはエジプトの裕福な家庭に生まれ、近代的な医学など高等教育を受けたエジプト出身のインテリである。その彼がイスラム教に基づく自爆テロを推奨している。またアフガン東北部とパキスタン国境は険しい山岳地帯で、冬季にはアメリカ軍が立ち入って掃討作戦を行うのは難しい。そのような場所と季節を考えれば、ザワヒリが上空の無人偵察機を誤認させ、また地域に偽情報を流すことで、CIAの誤爆を誘うことは可能である。この付近一帯で住民の反米意識を高め、同時にCIA要員が隠れるかもしれない米系民間援助団体を追放するためである。

 以上は私の推測だが、米CIAが無人偵察機プレデターに頼り、数人のパキスタン人エージェントを送り込んで情報収集をしていると思えば、対抗して誤爆を誘う作戦に出る可能性は高い。この点では米軍もザワヒリも、村人を誤爆することなど平気である。そのような気持ちでなければ、誰もゲリラや対ゲリラ戦争は戦えないからだ。

 間違った空爆で死亡した18人は本当に気の毒である。私はこのような記事を読むと、いつも私がその場所にいたらどうするかと考える。もし私が誤爆で生き残れば、押さえきれないほどの怒りを抱え込むと思う。特にイスラム教徒は復讐する心が強い。ますますゲリラ戦争は激しくなる。

本日 400万アクセス達成

(1月14日 たぶん深夜頃)

 今日、朝起きてホームページを見ると、訪問者数(アクセス)が400万件を越えていました。最近、ちょっと気にはしていましたが、とうとう400万件を達成したことを感激しています。

 ちなみに300万を突破したのは04年10月27日でした。昨年は大きな戦争などが起こりませんでしたから、今日のこの数字でも驚きなのです。このままなら今年中にも500万件を越えると思います。なんだか500件突破の時には、皆さん全員を東京にお招きして、ドカンとお礼のパーティーをしたいような気分です。(でも気持ちだけです)

 これからも出来るだけ頑張って続けるつもりです。私はいつも皆さんと一緒にこのホームページを作っている気持ちです。これからもよろしくお願いします。

イラン核問題の行方

安保理付託へ国際包囲網

中露の動向カギ

(毎日 1月14日 朝刊)

[概要イランが昨年8月にマフマディネジャド大統領政権を発足以来、強硬姿勢を打ち出し、半年足らずでウラン転換から濃縮へ核関連活動をエスカレートさせた。しかしこれは個別交渉で核問題の解決を目指してきた英独仏を怒らせ、イランとの交渉を打ち切って国連安保理に付託して制裁を課す動きに出た。エルバラダイIAEA事務局長もイラン非難に踏みきり、非同盟諸国もイラン制裁に賛成する傾向が強まった。米国はイランの安保理付託は不可避と見なしながらも、今は国際社会と協調する姿勢を持続させている。

 焦点になるのは常任理事国のロシアと中国の動向だが、ロシアのラブロフ外相はライス米国務長官と電話会談し、安保理付託に反対しないと約束した。アメリカは中国への説得を強化する方針だが、エネルギー需用がひっ迫する中、産油国イランに経済制裁を加えることができるか疑問視する声もある。中露は安保理に付託されてもイランへの経済制裁には反対という声もある。そのような場合、アメリカは「有志連合」を率いてイラン制裁というやり方が急浮上してきた。しかしイランにアザデガン油田などの権益を持つ日本は厳しい対応を迫られることになる。

 イランは安保理に付託されても、イランの石油や天然ガスに関心を抱く中露がいるかぎり、経済制裁の足並みはそろわないという楽観論がイランの強気を支えている。

[コメント]この動きで私が注目しているのは、アメリカ軍やイスラエル軍がイランの核施設を空爆する準備をしているという怪情報が出てこないことである。無論、そのような情報はCIAあたりが流す脅しであるが、今回はそのような情報操作が一切ない。それだけ事態が深刻に推移しているからではないか。

 この問題を考える上で、イランは本当に原発だけの平和利用で核開発を行なのかという点と、平和利用は隠れ蓑であくまで核兵器を開発することが目的かという点である。イランが性悪か政善かで評価がわかれる。それでも日本では核武装をすることは悪い行為であるが、イランではアメリカの圧力を押し返す愛国的な行為になっていることもある。そうなるとイランと欧米の価値観の違いが深刻な事態に陥る可能性に結びつく。このように勘違いで大きな戦争に発展したことは多い。

 そので日本の役割だが、イランと欧米の価値観の違いを理解し、イランに核兵器開発断念を説得することが重要だ。欧米にはできない発想でイランを説得するのだ。欧米はイランの核兵器がやがて自分たちに向かうと考えている。そのためにイランに経済制裁(有志連合)を加える一方で、イランに軍事包囲網を築くように動くはずだ。そこでイラン(中東)が戦場になれば、日本に中東から入る石油は大打撃を受けることになる。資源のない日本は戦争で国益を守ったり、奪ったりはできない国なのである。

 イランの核危機はこれからますますエスカレートすることは必至だ。日本がこの問題でガンガンとイランに特使を派遣して、イランの核兵器開発断念を説得する外交を展開する国になって欲しい。日本が21世紀も平和と繁栄を続けることの条件でもある。

国立追悼施設

封印された

「北の丸公園」案

02年の私的懇談会

で提言当時

政府内で具体策

(毎日 1月13日 朝刊)

[概要小泉首相の靖国神社参拝で浮かび上がった無宗教の国立戦没者追悼施設建設構想で、福田元官房長官の私的懇談会が、02年12月当時に具体的な設置場所として、北の丸公園内を「最も現実的である」とする原案を検討していた。小泉政権下では調査費計上の見送りが決まり、「幻の案」として封印されたが、今後の議論に影響しそうだ。

 懇談会では都心の公園で大規模な式典ができる場所が候補地として絞り込まれた。その結果、北の丸公園は毎年8月15日に戦没者追悼式が行われる武道館に隣接し、靖国神社や千鳥ヶ淵戦没者墓苑に近く、追悼の場所としてふさわしいとして最終候補地に残った。実際に複数の担当者が現地の視察を行った。小泉首相も03年3月に官邸に懇談会のメンバーを招いた際、「追悼施設はつくる」と2回明言するなど、施設建設に前向きな姿勢を見せていた。

 しかし自民党内に新施設建設に反対論も強く、構想自体が迷走した。また中韓があまりにも強く靖国参拝に反発したので、首相は追悼施設建設が外国の要求に屈したと取られるので嫌がったという経緯があった。

 「北の丸公園案」は福田氏に懇談会から説明されたが、小泉首相に上げられるまでに至らなかったという。

[コメント]この記事が新聞に掲載されたことで、靖国問題は北の丸公園に国立戦没者追悼施設建設で収束する方向に向かう。これは必ず大河の流れになる。外国からとやかく言われて決めたことではない。

 北の丸公園は私の好きな散歩コースである。とくに桜の季節は美しい。私も北の丸公園が国立の戦没者慰霊施設に最もふさわしい場所と思っていた。そう思ったのは、4年前に娘と8月15日に靖国神社に参拝したときである。何をどう間違えたか、旧軍の軍服や戦闘服の集団が、隊列を組んで参拝し、外では額を割られて顔が血だらけになったデモが歩いていた。警備の機動隊が靖国神社を取り囲み、小学生の娘はその光景に「恐い」と言って顔を伏せた。その時、このような場所に「天皇は来られない」と強く感じたからだ。

 天皇陛下が出席して追悼儀式のできる国立戦没者慰霊施設を作ることは、政治の重要な仕事である。外国の要人が訪日の際に参拝し、国民の誰もが訪れることができる追悼施設である。

 こんな簡単な問題を泥沼化すること自体が異常なのである。国民は靖国神社を靖国神社としてお参りすればいい。太平洋戦争を賛美しょうが、A級戦犯を祭ろうが、分祀したくないとか、西郷隆盛が祭られていないとかは、靖国神社の自由である。そのことが信教の自由なのだ。

 しかし参拝が国民の心の問題なら、信仰上の理由などで靖国神社にお参りできない人の心はどうするのか。何よりも、天皇がお参りできない。私は今までの靖国神社を見て、天皇にお参りするように勧める気にはなれない。

 北の丸公園はいい。美しい公園である。私はすでに北の丸公園こそが国立の戦没者慰霊施設であるような気持ちでいた。これで暗く閉ざされた靖国問題に明かりが見えてきた。

 しかし私は同期生達(一人でも)と春の桜の頃と、夏の御霊(みたま)祭りには、これからも靖国神社にお参りする。訓練中の水死事故で死んでいった13人の同期と約束したからである。参拝したい人は参拝すればいいと思う。

 私が数日前(1月12日のメールにお返事)に、靖国問題は簡単に片づく問題であると書いたのは、天皇が参拝できる国立戦没者追悼施設を、北の丸公園に建設することと考えたからである。第2次大戦で犠牲になった方々の慰霊を行う国立の追悼施設である。

防衛庁長官表明

2007年度

米製無人偵察機配備へ

北ミサイルなど監視

(読売 1月12日 夕刊)

[概要額賀防衛庁長官は訪英中のロンドンで記者会見し、07年度から米国製の無人偵察機を導入し配備する方針を明らかにした。06年からミサイル防衛(MD)が始まるのに合わせ、赤外線センサーを搭載した無人偵察機で、北朝鮮の弾道ミサイルの動きを監視する方針だ。防衛庁は国産機の開発を進めていたが、自主開発に10年程度かかるとされ、MDや離島防衛などのため、早期の配備が必要と米機の導入に踏み切った。

 機種はグローバルホークかプレデターになる見通し。グローバルホークは高度1万8000メートルを飛行し、35時間以上の滞空が可能だが、1機約64億円が必要になる。プレデターは1機約14〜18億円だが、高度は1万5000メートルぐらいを飛行し、滞空時間は30時間以上とグローバルホークより性能面で劣る。

[コメント]夕方のTBSラジオのニュース・トーク番組で、「どうして無人偵察機を導入する必要があるのですか」と本質ズバリの質問が来た。しかし私の口から、「北朝鮮の弾道ミサイルを阻止するためです」というようなインチキは言えない。「北朝鮮が崩壊する前に、急いで配備しないと、崩壊してからでは意味を失うからです」と答えた。「防衛予算の使い道がなくて困っているのです。こんなものでも買わないと防衛予算を削減されます」と追加説明しておいた。すぐに頭の中に防衛庁のあの人の顔が浮かんだので、「こんなことを言うと防衛庁の人が気分を悪くするでしょうが」と補足しておいた。でも本当だからしかたがない。

 2年前に防衛庁は無人偵察機の調査費を予算化している。さらに今年度は自主開発費も予算に盛り込んだような記憶がある。しかしここにきて急に米機導入に踏み切った。おいおい、今までの予算は何だったと聞きたくなる。日本の国情にあった無人偵察機ができると楽しみにしていたのに、あっとう間に白旗が上がった。米国のMD開発の遅れで、急に予算の隙間を埋めるために導入を決めたと疑いたくなる。私のようにMDに疑問を持つと、簡単にMD関連の装備と聞くと、またインチかと疑ってしまう。

 まあ、今の流れで行けば、グローバルホークに決定することは間違いない。グローバルホークは空軍の無人偵察機というイメージがあるが、プレデターは陸軍の武装型無人偵察機というイメージが強い。プレデターはプロペラで推進し、高度も6000〜8000メートルの高度がちょうどいい。TVカメラや赤外線カメラで偵察する他に、レーザーで誘導爆弾に目標を指示したり、ヘルファイアー対戦車ミサイルを発射できる。ちょっと戦闘型タイプの無人偵察機である。これに対しグローバルホークは大型のジェット推進で、高度2万メートルの高々度を飛行する。各種光学カメラの他に対地上レーダーも搭載できる。50センチ程度の識別も可能というから、地上の人間の追跡も可能になる。

 例えば、先月のことだが、イラクで自動車爆弾が爆発した。そこで上空を飛行中のグローバルホークの映像を巻き戻すと、自動車爆弾を仕掛ける者たちが撮影されていた。さらに画像を巻き戻すと、爆弾を仕掛けた者たちが出撃したアジトが見つかった。そこを精密誘導爆弾で攻撃したら、無関係な人が死んだと抗議されている。地元のイラク警察もその家が反米勢力のアジトではなかっと会見した。今は米軍の誤爆調査が入っている。そんな使い方ができるのである。

 とにかく日本には早期警戒管制機、空中給油機、無人偵察機、偵察衛星、ヘリ空母(ヘリ搭載護衛艦)と、なんでもありのハイテク化が進む。これから米軍と自衛隊の一体化するということは、米軍はこのようハイテク兵器が自衛隊に必要になるのだろう。

 私は米軍が自衛隊と一体化するのは、東アジアで抑止力を高めるという意味と、日本に勝手な動きをされないための歯止めの気持ちがあると感じている。これで日本にないのは核兵器だけである。これから、アメリカが日本を警戒する心理がわかるような気がする。そういえばアルカイダやフセイン政権はアメリカが作り上げた怪物だった。・・・・・まさか・・・・・・。

中国貿易黒字

 1000億ドル突破

不均衡 強まる国際圧力

世界最大規模

 前年比3倍増

(産経 1月12日 朝刊)

[概要2005年の中国の貿易黒字が1018億8000万ドル(約11兆6650億円)に達し、初めて1000億ドルを突破したと中国税関総局が11日に発表した。04年実績の3倍以上で、日本、ドイツを抜き世界最大の貿易黒字国になった。貿易総額は1兆4221億2000万ドルで、米、ドイツにつぐ世界第3位を維持した。世界貿易機関(WTO)の輸入割当制度が撤廃されたことで繊維製品は23パーセントの伸びになった。輸出額のうち加工品が55パーセントを占める。地域別輸出先はEU(22,6パーセント),米国(24,8パーセント、日本(9,9パーセント)で(数字は昨年比増加割合)、ともに2桁近い伸びを記録した。しかし中国国内では過剰な生産と過剰な投資で、黒字が拡大する中で赤字企業が増えるなど、構造的な矛盾も抱えている。政府の業種別生産停止命令も実効性があがっていない。欧米では中国に対する輸出攻勢に対する批判が根強く、昨年2パーセント切り上げた人民元の再起利上げ圧力も再燃しそう。

 アメリカでは昨年、対中貿易赤字額が史上最高の2000億ドル超を更新したことで、中国に対する不満が強まっている。中国がWTOに加盟して丸4年。米議会の有力議員たちは人民元の切り上げや海賊版の取り締まりを中国に強く求めており、中国が成果を出さない場合は対中関税の引き上げ法案を可決すると警告している。経済専門家の中には、人民元は30〜40パーセントの切り上げが必要と指摘する。しかし中国の黒字は欧米や日本企業などが、中国に過剰に投資を拡大し、過剰生産したことで加速した背景もある。市場関係者の中には、「単純に中国を批判できない」という見方もある。今後、中国が内需の拡大や、沿海部と内陸部の格差是正などを行い、通商や為替政策で収支のバランスをどのように改善させるかが問われている。

[コメント]この記事で私が驚いたのは、中国が今年になってわずか11日目で昨年の貿易総額を公表したことである。、無論、常時、全国の税関の統計コンピューターを使って、日々の貿易額の数値を入力していたと思うが、そのような情報を入手できる体制がとれているようだ。このことはいち早く中国経済の異常や変化をとらえ、適切な対策をとるべき”提案”ができることを証明している。しかしその”提案”を聞き、実行するかどうかに問題がありそうだ。そうであれば、古くても中国共産党の一党独裁型が強制力を発揮するように思えるが、それでは民主化や情報の公開など先進国型社会インフラの整備が遅れることになる。しかしこのような貿易数値が出てくると、中国で大きな変化が起きるのは必然である。その最大のキーワードは「内需の拡大」であると思う。今は軍事などに構っている暇はなさそうだ。

 先日、デトロイトで開催中のモーターショーで、中国がアメリカで100万円前後の車を販売するというニュースを見た。今のアメリカでは安い車の代名詞は韓国製の車だという。しかし新しい中国車は韓国車の半額程度という。これで故障さえしなければ、中国車は確実にアメリカで売れると思う。車検のないアメリカでは、これでよく走るなと思うようなポンコツ車が走っている。そのような低所得者層や学生などに売れるのではないか。

 10年前、初めて中国吉林省の朝鮮族自治区を訪ねたとき、安い衣料や食品を山のように積み上げているのを見た。衣服のデザインも材質も想像していた中国製より良かった。同時に、これが日本に入ってくれば大変なことになるなと感じた思い出がある。まさに現在はそのような「大変な」時代になった。日本も中国を好む、好まないにかかわらず、中国の激変は日本の大混乱を生む。

 軍事に関して言えば、中国軍の近代化のスピードよりも、日米がRMA化で進歩するスピードがはるかに速い。中国はソ連軍の痛い経験から、米国(日本を含む)との軍拡競争に挑戦してこない。すなわち東アジアで中国軍と日米軍のミリタリーパワーが逆転することはない。日本は日中の軍事のことを気にすることなく、中国との経済問題に全力で取り組んでもいい。アメリカも中国と軍事対立する気はさらさらない。”不安定の弧”の東端である東アジアが、テロの温床になることもない。中国の経済台頭にどのように対応するか。これが最重要な日本の政治・外交テーマである。

胡主席と会談へ

金総書記の訪中確認

「後ろ盾」を期待 

米の金融制裁で苦況に

(朝日 1月11日 朝刊)

[概要北朝鮮の金総書記が中国を訪問したことがわかった。中朝間では昨年10月に胡錦涛主席が訪朝したばかりで、2ヶ月余りの間に中朝の首脳会談が繰り返されるのは異例だ。詳しい日程は不明だが、金総書記は胡錦涛主席と会談し、6カ国協議の再開問題や、米国による金融制裁をめぐり中国からの働きかけを求める可能性がある。

 北朝鮮は昨年11月に休会した6カ国協議で、米国の金融制裁の撤回を6カ国協議への復帰の条件と要求した。しかし孔泉外務報道官は10日の定例記者会見で、「中国政府はいかなる資金洗浄も金融犯罪も許さない」と述べた。

 金総書記は金融「制裁」問題で中国の後ろ盾を期待し、訪中に踏み切り、事態の打開をはかろうとしているようにみられる。韓国政府は今回の訪中を北朝鮮側の強い要請とみる。

 金融制裁で金体制を支えてきた海外資金の流通が止まり、金書記周辺は大きな打撃を受けたとされる。中国は6カ国協議の再開で北朝鮮を説得する立場にあるが、資金洗浄や偽札製造の犯罪を見過ごせば、自分の首を絞める結果につながる。6カ国協議の議長国として中国の対応が注目される。

[コメント]アメリカの金融制裁は意外なほど北朝鮮を追いつめている様だ。中国も自国の外貨(ドル)が北朝鮮の偽ドルに汚染されているといわれれば、苦しい立場に追いやられる。だから口が裂けてもアメリカに、北朝鮮への経済制裁を止めてくれとは言えない。このことが、北朝鮮の精巧な偽札は自国の経済(外貨政策)も破壊する行為だといったのである。

 少しでも経済(軍事でも可)を研究していれば、この程度の偽札知識は知ることができる。しかし北朝鮮のような独裁体制は「イエスマン」ばかりで、側近の建設的なアドバイスも認めない。神輿(みこし)を担ぐ者しかいない。だから近代的な国家は独裁政権が成立しないのである。

 アメリカとしては核問題を扱う6各国協議と経済制裁は別問題として、いっさい北朝鮮に譲歩することはない。中国もこの問題だけは北朝鮮の側に立つことは出来ない。北朝鮮に経済支援することも、今後、ますます難しくなっていくばかりだ。

 もしアメリカが北朝鮮に止めを刺すと決めたなら、北朝鮮国内に粗悪な偽ドル札を大量に持ち込む手がある。まあ、戦時下ではないからアメリカもそこまではやらないと思う。とにかく中国が泣きついてきた金正日をどのように扱うか。今はそのことに注目してみたい。 

 

 ちょっと疲れました。今日の

更新は休みます。

 (1月10日)

 7日、8日、9日の連休で、今年最初の原稿書きと、今日の午前中の直しで疲れました。さっきやっとすべての原稿を送りました。どっと疲れました。なぜ疲れたかというと、自衛隊がテロと戦う姿を想像できないからです。新幹線爆破や、原発へのテロなんて、軍事知識を無視した想像の産物です。それは警察や海保が対応します。この機会に、半ば常識化した自衛隊の対テロの認識を問い直してみました。

 それから韓国は大韓航空爆破テロになぜ北朝鮮に報復しなかったのか。日本も新幹線が爆破されても北朝鮮に報復をためらうのか。そんな疑問も原稿で解明しました。

 明日から再び元気に再開します。きょうはこれから夕方の散歩をしてきます。3日間、机に向かい精神を集中させていました。年始めのいい仕事になったと思います。

ダムで干上がるメコン

中国乱造 下流は悲鳴

カンボジア 漁獲35l減

タイ 貨物船運航不能

(産経 1月8日 朝刊)

[概要中国南部のメコン川上流に建設されている水力発電ダムが、メコン川の水位を低下させ、下流の国で漁業や船舶運航に深刻な被害が出ている。カンボジアのトンレサップ湖では大型魚が姿を消し、漁獲量が半減したという環境団体の報告がある。トンレサップ水系で取れる魚は、カンボジア人のタンパク質摂取量の60パーセントを占めるといわれている。魚の値段も03年から1年間に69パーセントも値上がりした。魚危機の背景には、乱獲や森林の違法伐採などの原因が考えられるが、最大の問題はメコン川の水位の低下だという。

 中国はメコン川上流に93年と03年に巨大なダムが建設され、04年には川のせき止めが行われた。また現在建設中の小湾ダムは世界最大規模とされ、小湾ダムを含む3つの建設中のダムが稼働する予定になっている。このほかにも3つのダム建設計画がある。

 タイ北部のメコン川では、水位が下がって貨物船が航行不能に陥った。タイの貨物船の運航は一日5〜10隻から1〜2隻に落ち込み、輸出が20パーセントも減少した。タイの輸出業者は、中国は自国の貨物船が航行するとき、都合よく水位を上げ、それ以外は水位を下げているという。タイの環境保護団体東南アジア河川ネットワークによると、「このままでは漁業者だけでなく、メコン川周辺の経済に影響を与える」と警告する。

[コメント]中国は長期的や広範囲な影響を検討しないで、目先のエネルギー確保に走りすぎているから起こる事態である。さらに河川情報を公開する姿勢にも欠けている。タイの輸出業者が中国は自国の貨物船の運航に都合がいいように水流を調整している語っているが、そのことは中国の輸出業者がダムの放水計画をダムの管理機関に問い合わせ、自社の貨物船の運行を調整していると思う。そのような情報をタイの業者にも公開すべきなのである。すなわち改善できる部分があるが、十分な国際会議が行われていないことの証明でもある。

 しかし水位の低下は深刻な事態を招くことは確かだ。当然ながら、中国はダム建設によって被った被害を、下流の住民に補償する義務がある。下流の都合も考えず、上流側が勝手に振る舞えば、それは水戦争が起きることを意味する。また下流地域の経済が低迷すれば、中国の輸出が減ることにも結びつく。中国は自分で自分の首を締めることにななる。そのように考えると、中国がメコン川開発で下流国と真剣に話し合うメリットは多い。急いで、中国にそのことを理解させる必要がある。

 同じようにウクライナやヨーロッパでは、ロシアの天然ガス供給をめぐる問題が浮上している。日本もシベリアルートで天然ガスのパイプライン計画が動いている。このような場合、何が最も重要かといえば、相互依存の体制を作り出すことが必要だ。また別のバックパップ体制を作ることも必要になる。

 カンボジアのトンレサップ湖の水位が下がれば、新しく生まれた湖周辺は肥沃な農地に変えることも可能である。今までは雨期になれば水位が増し、水没した樹木が魚の産卵場所になった場所である。このように危機をチャンスに換えることも発展過程では必要だ。 

六ヶ所再処理

プルトニューム

原発16〜18基で利用

2012年度以降 

年間計5,5トン

〜6,5トン

(読売 1月7日 朝刊)

[概要電気事業連合会は6日、原発の使用済み核燃料を再処理して作るプルトニューム利用計画を初めて公表した。電力業界が出資する日本動燃の再処理工場(青森県六ヶ所村)で取り出したプルトニュームを、2012年度以降、沖縄電力を除く9社の電力会社と、日本原子力発電と電源開発公社の合計11社で、原子力発電所16〜18基で年間5,5〜6,5トン利用し、すべて発電用燃料として使用して余剰プルトニュームを持たない国際公約を果たす内容になっている。再処理工場は今年2月から実際の使用済み核燃料を使った試験を開始し、プルトニュームの取り出しが始まる。今年度中に0,1トン、06年度に1,5トンのプルトニュームを取り出す計画だ。

[コメント]この1/1000の規模であっても、これを北朝鮮が秘密裏に行えば東アジアの安定を一気に崩し、北朝鮮の政治体制そのものが存続することはありえない。しかし日本の場合は、IAEAの監視を受け、国際的にも公開して平和利用に限定して実施する。むろん、IAEAが製造したプルトニュームを追跡することや、抜き打ち査察も可能になっている。だから日本製核兵器に転用される危険はない。

 しかし核兵器を保有することと、核兵器開発能力を持つことは別問題だ。日本は核武装の意志はなくとも、核兵器の原材料を製造する能力があることは世界に公言したことになる。いわゆる潜在的な核兵器保有国家として、国際社会から公式に認知されることは間違いない。だからこれからも、不要な疑惑を与えないように、さらなる原則公開に努める必要がある。

 それにしても日本でプルトニュームを生産するようになるとは・・・・万が一にも、プルトニュームの騙しや隠し、それに曖昧さやデタラメは絶対に許されない。もし露見すれば、最高管理者の首が飛ぶばかりか、日本の国際的な信用ががた落ちする。日本の核の専門家はプルトニュームを徹底的に管理(監視)していただきたい。

韓国潜水艦

2020年に倍増

(18隻体制に増強)

(産経 1月6日 朝刊)

 時事 ソウル

[概要5日付の韓国紙・朝鮮日報は、韓国軍が2020年までに9隻の潜水艦を導入し、現有の2倍になる18隻に増強すると報じた。韓国は日中両国などの周辺有事に備え、イージス艦のような水上艦よりも潜水艦を活用するほうが費用対効果が高いと判断した。

 韓国軍は10年かけて3隻の潜水艦を配備し、さらに12年頃からドイツ製の「214型」(全長65メートル、水中排水量1800トン)6隻を導入する。「214型」は海中で2週間の作戦に従事する能力があり、最大20発の魚雷と艦対地巡航ミサイルを搭載できる。

[コメント]まだ韓国軍が北朝鮮とのミリタリーバランス(軍事的な均衡)で、自国の軍事力を整備していると考えているなら大間違いである。すでに韓国軍は北朝鮮軍との戦争を想定している考えはない。あくまで朝鮮半島に統一国家が誕生し、その新国家が周辺国の中国やロシアや日本とどのような軍事関係を構築するかに関心が移っている。

 そこで韓国軍は潜水艦戦力の増強を決意したわけである。この韓国軍の潜水艦が向いているのは第1次的に中国海軍(北海艦隊・司令部は青島)の艦船である。すでに中国海軍が沿岸海軍から外洋海軍(オーシャン・ネービー)を目指していることはよく知られている。ところが中国海軍が外洋に向かう海洋の2/3を、韓国(朝鮮半島)、九州、奄美や沖縄と南西諸島などの島嶼海域で取り囲まれている。アメリカはその海の防衛ライン(これは中国軍の第1防衛ラインと同じ)で、中国海軍が西太平洋に進出することを阻止できる戦力を、韓国や日本に期待している。そして韓国軍潜水艦が担当するのが東シナ海の北部海域(北海艦隊)ということになる。

 この記事で、ドイツの214型が2週間の程度の水中作戦が可能と聞き、ずいぶん短期間と誤解された人はいないか。これは潜水艦が深く潜航したまま、2週間程度の作戦継続が可能という意味である。2週間程度の航海というわけではない。このような新しい潜水艦はAIP(非大気依存型推進)を採用している。214型潜水艦のAIPは燃料電池を搭載し、水素と酸素を反応させて電力を発生させる方式である。原子力潜水艦のように2週間程度は大気を必要としない。

 なぜAIPが凄いかといえば、ディーゼル機関のよりもはるかに騒音が少ないし、充電式の電池式よりも潜航時間を画期的に長くできる。AIP潜水艦なら低速だとほとんど無音状態(スクュリュー音を除く)のまま、水中を長時間推進して、敵艦船の警戒や待ち伏せることができる。14年後の2020年であっても、中国海軍程度の艦船や対潜部隊なら、水中のAIP潜水艦を探知することはできない。すなわち中国の北海艦隊は韓国軍の潜水艦が恐くて、中国の軍港から海に出ることができなくなる。そうであれば、韓国軍はAIP潜水艦から地上の目標に艦対地巡航ミサイルを発射して攻撃する。

 これから新しく導入する韓国のAIP潜水艦部隊は、中国の北海艦隊が目指す外洋進出を、東シナ海で封じることができる戦力なのである。この海域は浅いので、小型(214型は1800トン)の潜水艦が行動するのに適している。

 また中国の北海艦隊には中国海軍の戦略核ミサイル原潜(SLBM)が配備されている。これで韓国海軍のAIP潜水艦が、中国の核戦略に脅威を与える可能性が生まれてくる。まさに虎の尾を

踏むことにもなる。はたして中国海軍がどのような対抗策をとるか。ロシアから対潜兵器の導入も考えられるし、軍拡競争に引き込まれるのを嫌って無視する可能性もある。たとえロシアの最新式対潜機器であっても、AIP潜水艦を探知することは難しい。

今年の世界

 欧州の安全保障

東欧、親米路線強める

米軍基地「対露の防波堤」

仏、英、独 対応にズレ

対米 西欧諸国は複雑

(読売 1月5日 朝刊)

[概要今年、東欧のルーマニアとブルガリアに新しい米軍基地が生まれ、これで東欧各国と米国の関係が一段と緊密化する。東欧革命から16年を経て、改革が遅れているといわれたルーマニアが米軍の主要パートナーにおどりでる。04年にEU加盟を果たしたポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、バスト3国(エストリア、ラトピア、リトアニア)は親米路線をとり、アメリカから新しいヨーロッパと呼ばれている。多くの東欧諸国はイラクにも兵士を派遣し、アメリカと緊密化することで、ロシアに対して米軍を防波堤に使う意図を隠さない。さらにポーランドは自国内に米国の長距離ミサイルの迎撃基地を建設することを協議している。これはイランやシリアからの弾道ミサイル攻撃で欧州全域を守ることが目的である。

 これは米国から距離を置く「古いヨーロッパ」(米国の呼称)のフランスからすれば、東欧の動きはEUの土台を掘り崩しかねない。EUは03年のイラク戦争開戦時に、英、スペインの開戦賛成派と、フランス、ドイツなどの反対派に真っ二つに割れた。その後、東欧各国のEU加盟で振り子は親米に傾きつつある。さらにEUはルーマニア、ブルガリアの新規加盟を予定通りに07年にするかの最終決断を、今年の夏にする。これでEUの共通外交政策が分裂する懸念が出てきた。

 米軍はドイツに駐留させた兵力を削減する一方で、東欧に兵力を移し、西欧の頭越しに東欧との関係強化することに西欧諸国は複雑な心理だ。しかしフランスのシラク大統領はアメリカの影響力に対抗し、EUを統一EU(欧州)にしたいという願望が今も強い。しかしフランス国民には統一EUは不人気だ。またイギリスのブレア首相は米国との軍事関係の強化をしつつ、EUとは市場や経済の利点を拡大したいいう信念を持っている。ドイツのメルケル首相はEUが政治的に統一を深めることを支持しつつ、米国とは対立せずに欧米協調路線を志向している。

 またアメリカはイランの核疑惑解決を目指す英仏独の努力を支持している。しかし古いヨーロッパと新しいヨーロッパとの付き合い方の模索を続けている。まだ安定した米国と欧州同盟の姿は見えてこない。

[コメント]国家は危機で団結し、繁栄は奪い合うものかと思ったことがある。東欧各国にはロシアに対する不信感(警戒心)が強い。だからアメリカの軍事力に強い依存心が生まれてくる。逆にフランスなどは欧州の繁栄(富)をアメリカに奪われるという不信感がある。だから欧州全体の価値観がいくつかに分裂するのだと思う。それを無理に統一させることが無理なのである。そこでドイツのメルケル首相のような「いいこと取り」といった中間案(現実主義)が拡大してくるのではないか。それが出来ないなら欧州は分裂しかない。ただし、これからもアメリカに欧州の富を奪われることは間違いない。

 日本にとってこれは最高の研究課題となる。東南アジアや東アジアで日本の立場と日米関係を考える上で生きた教材として使えるからだ。日本が中国との経済関係ばかりに心を奪われると、米国やASEANとの関係が疎遠になる。しかし米国との軍事同盟だけに頼ると、アジアの大発展から日本は取り残されてしまう。結論を先にいうと、まあまあの緩い関係が適切というところだろう。

 これを軍事論でいえば、右手で握手(あるいは食事)をしながら、左手には小さな棍棒(こんぼう)を握りしめていることである。もしくは腰に刀(脇差し)を差した状態をいう。小さな棍棒は利き手の右に持ち替えなければ、相手に致命傷を与えることはできない。腰の脇差しも抜いて構えなければ、相手を刺したり切ることはできない。そのように相手の出方(対応)によって、仲良くすることもできるし、殴りかかってきた腕を骨折(あるいは切り落とす)ことも出来る状態である。また日本はその力があることを隠さないで相手に見せることも大事である。

 しかし相手に刀の先を突きつけて、握手や食事をしてはいけない。これは礼儀である。そればかりか、自分の懐(ふところ)にナイフを隠してもいけない。もし懐にナイフを隠せば、暗殺の意志があると思われても仕方がない。しかし懐のふくらみが、ナイフなのか、手を拭くタオルなのか相手に分からない場合がある。突然だが、これが靖国神社の本質的な問題である。英霊や戦争犠牲者の慰霊とか、A級戦犯の問題ではない。これは宗教的な見方や、考え方の違いではないのだ。

 国際社会で相手を納得させる説明が出来るかという問題である。互いの違いを理由にしては、国際社会の問題は絶対に解決できない。 

 

特集 時時刻刻

北朝鮮製?

超精巧「スーパーノート」

「偽100ドル札」米朝対立

米国「犯罪政権だ」

北朝鮮「中傷」と反発

(朝日 1月4日 朝刊)

[概要昨年12月6日、米国務省にアジアや欧州など二十数カ国の外交官が集められた。北朝鮮製の偽100ドル札「スーパーノート」を説明する会合だった。そこで示された偽100ドル札の精巧さに誰もが息をのんだ。「よくよく注意して見ないと全くわからない」「いろいろな偽札があり、見ているうちにどれが本物か分からなくなった」という。スーパーノートは89年頃から出回り、米国の押収分だけでも4500万ドル(54億円)相当にのぼる。発見されずに流通しているのは1億ドル分以上とみられる。

 韓国当局によると、米政府は北朝鮮が精巧な凸版印刷機を入手し、見る角度によって色が変わる特殊インクをスイスから購入した可能性を指摘したという。いずれも北朝鮮の紙幣印刷には必要がないものだった。

 米政府が北朝鮮の偽ドル関与を「断定」したのは、欧米の偽札流通の元締めで「正統派アイルランド共和国軍(OURA)」の指導者ガーランド容疑者を逮捕し、彼が北朝鮮外交官と接触したほか、ベラルーシで偽札の取り引きを行ったことを掴んだからだ。ガーランド容疑者は88年〜01年にかけ少なくとも6回訪朝し、金永南最高人民会議常任委員長と密接な関係を築いている。

 米財務省は、マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア」が北朝鮮の偽札を資金洗浄した疑いがあると指摘している。また米司法当局は昨年8月に、ニュージャージ州とロサンゼルスで北朝鮮製偽札を450万ドル押収している。

 北朝鮮はこのような米国の指摘に、「ブッシュ大統領一味の中傷キャンペーン」と激しく反発している。しかし米政府も状況証拠だけで、確かな証拠に乏しいのが現状である。今後、北朝鮮とアイルランドの偽札ルートが摘発されたことで、北朝鮮製の偽札解明が進展する可能性がでてきた。

[コメント]昨年の暮れ頃から、アメリカは北朝鮮のヤミ資金を取り締まる強化策を打ち出した。北朝鮮の麻薬ルートや武器密輸などである。そのひとつが偽100ドル札である「スーパーノート」の摘発だった。その背景には、6カ国協議で北朝鮮をなかなか追いつめることができないジレンマがある思う。だから北朝鮮のヤミの資金源を断つことで、北の支配体制崩壊を誘発させる目的も確かにある。

 しかし国家規模で行う偽札製造には、逆に偽札製造側に重くのしかかる負の要素も無視できない。北朝鮮が精巧な偽ドル札を大量に流通させればさせるほど、北朝鮮が得た正当なドル紙幣も偽札として支払いを拒否される危険が生まれるからだ。

 私が初めて偽ドル札の点検を受けたのは、20年前のイスラエルの銀行だった。イスラエルの現地通貨に換えるために街の銀行で100ドル札の両替を頼んだ。すると女性の銀行員はいくつかの検査を目の前で行った。最初は意味がわからなかったが、あとでガイド(政府関係者)に聞くと偽札の検査だと教えてくれた。しばらくすると、いくつかの国で100ドル札の両替を断わられるようになった。私の顔が北朝鮮の人と同じからだと言われた。東アジア系の顔をしているだけで、100ドル札の両替お断りなのである。だから4年前にタイのプーケットに行ったときに、街の両替屋(屋台風)で100ドル札を出して両替してもらった時は新鮮な気持ちがした。

 ともあれいくら北朝鮮が精巧な偽100ドル札を製造しても、偽札はあくまで偽札でしかない。逆に偽札で得られる以上のものを失う場合もある。北朝鮮が国内で流通する外貨を、ドルからユーローにしたのはそのような事情があるからだ。毒は毒で制する。北朝鮮に大量の偽ドル札を持ち込むことで、北朝鮮の外貨政策を破壊させることも可能なのである。アメリカ政府は北朝鮮製偽ドルの対策に、そのような「毒は毒で制する」ことを仕掛ける可能性もある。

 この記事で米国務省が識別不可能な偽ドル札と教え、それでアメリカ政府が新たな一手を打ったような気がする。これからは北朝鮮が必死に外貨を稼いでも、北朝鮮とドル決済(受け取り)をする国や者はいなくなるだろう。特に中国や韓国では北朝鮮の偽ドルに対し不信感が高まる。それで北朝鮮は偽ドル(スーパーノート)で稼いだ以上の打撃を受けることになる。このことは偽金の歴史が語っていることである。「悪貨は良貨を駆逐する」。

レバノン元首相暗殺

「シリア大統領が脅す」

事件の数ヶ月前

元副大統領が証言

(毎日 1月3日 朝刊)

[概要]リアのハダム元副大統領は30日、中東の衛星テレビ「アルアラビーア」に出演し、レバノンのハリリ元首相が暗殺(05年2月)される数ヶ月前、アサド・シリア大統領と会談した際「我々の決定を邪魔する者は誰だろうとたたきつぶす」と脅されたことを証言した。ハダム氏は「いかなるシリア機関も独断でこのような決定は出来ない」と、ハリリ元首相の暗殺にシリア政権中枢の関与を示唆した。二人が会談した当時、殺されたハリリ元首相は親シリアのラフード・レバノン大統領の辞任を求めていた。ハダム氏はアサド大統領の父、故ハフェズ・アサド前大統領時代の重鎮。84年からの21年間にわたりシリアの副大統領を務め、昨年6月にシリア軍のレバノン撤退でシャラ現外相と対立して辞任している。(以上、毎日)

 このTV証言を受けシリア与党のバース・アラブ社会党はハダム氏を党から除名し、「国家の裏切り者」として非難する声明を発表した。(以上、産経)

 この証言を受けて、ハリリ元首相暗殺事件を調査している国連独立調査委員会はシリアのアサド大統領とシャラ外相に対し、事情聴取に応じるように求めたことを明らかにした。(以上、読売)

[コメント]TV証言したハダム元副大統領は昨年6月に辞任後、事実上はフランスで亡命生活を送っている。権力闘争で敗北した亡命者とはいえ、当時のシリア政権で中枢を担っていた副大統領の証言だから政治的に重い。これでシリアに対する国際世論の風当たりが強くなることは必至だ。

 私は今年中にもシリアで大きな政変が起きると思う。それはイラクから多国籍軍ばかりか、米軍さえも撤退する動きが始まるからだ。イラクの駐留外国軍の兵力が大幅に減少すれば、新生イラク軍や警察といった治安機関だけでは不安である。その場合、最も効果的な対応策は地中海の港からイラクに通じる陸路を開くことである。地中海に面したレバノンの港を活用し、シリアを通ってイラクのバグダッドとの間に陸路を開通させる。そして大量の軍事物資や生活用品をイラクに運び込むことである。

 それによってイラクに世俗的なイスラム教徒を増やし、原理主義的なイスラム過激派を封じ込む戦略である。その最大の障害がシリアのアサド政権である。だからアメリカのCIAはあの手この手でアサド政権を倒そうと画策している。アルアラビーア・テレビにハダム元副大統領を出演させたのも、CIAが身の安全を保障することを条件に説得したのではないか。シリアは秘密警察国家と言われるほど暗殺の得意な国である。いくらハダム元副大統領がフランスに亡命中とはいえ、シリア秘密警察の刺客を無視することはできない。さらにCIAはシリアで政変が起きれば、ハダム元副大統領が神輿(みこし)に乗るように説得した可能性が高い。(あるいはハダム氏が要求)

 私はイラクで戦争が始まったとき、アメリカの次のターゲットはイランではなくシリアだと推測した。アメリカがイラクで政権を維持するためには地中海に通じる回廊を確保する必要がある。その考えは今も変えていない。ネオコンのイラン攻略作戦は、アフガン、中央アジア、イラク、アラビア海、そしてトルコやサウジなどのイラン周辺地域を押さえる必要がある。そこでネオコンの次の一手はシリアという意味である。

 今年もシリアをめぐる動きから目が離せない。日本も国際的な情報機関を育成したいなら、シリアかレバノンに研修目的のスパイ候補生を、二桁ぐらいの人数を送り込むぐらいの気構えが必要だ。口先だけで日本に情報機関を作るといっても、それを担う人材を育てるほうがより重要である。日本の外務省にそのようなことを期待するのは無理である。

 

新年あけましておめでとう

ございます。

(2006年1月2日 正月)

 いよいよ2006年が始まりました。今年もよろしくお願いします。今年もご一緒にこのホームページを作っていきましょう。(本日 禁酒0日目)




※これ以前のデータはJ−rcomFilesにあります。