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| シーア派政党「圧勝」 テロの中 イラク議会選 投票所攻撃37人犠牲 選管「約6割投票」 (朝日 1月31日 朝刊) |
[概要]イラクの議会選挙が30日に実施された。投票所を狙ったテロで37人が犠牲になったが、選管の発表では「800万人が投票し、1235万人の登録有権者の6割が投票した」という。特にシーア派が多い南部地域では、60〜90パーセントの高い投票率だった。しかし人口が2割のスンニ派は有権者登録も少なく、多くが投票していない模様。選挙でシーア派が実権を握れば、同じシーア派であるイランとの関係。スンニ派が新政権から排除されれば、同じスンニ派のヨルダンやサウジとの関係、もしクルド人が独立を目指せば、トルコ国内のクルド人の関連というように、周辺国との摩擦が懸念される。ブッシュ米大統領はイラクの選挙は成功したと表明した。 [コメント]はたしてこれが、イラク分裂の大混乱の始まりになるのか。それともシーア派の実権掌握で、イラク国内の治安が回復するのだろうか。あるいは選挙で実権を握ったシーア派が、駐留米軍の撤退を求めて反米闘争を激化させることはないだろうか。まだまだ選挙後を予測するには未知数なことが多すぎる。米国が今回の選挙を急いだのは、他にイラクで効果的な手段が打ち出せなかったからだ。イラク対応が手詰まり状態で、溺れる者がワラを掴んだのが今回の選挙だと思う。 イラクの南部シーア派の地域で、多くの有権者が投票の長い列を作のをTVで見たとき、イラクのスンニ派がこの光景をどのように見るか気になった。私は正直、この選挙でイラクの未来が明るくなったと思えない。むしろ国内に深刻な対立を生んだような気がする。今まではイラクでは、程度の差があっても反米愛国であったものが、シーア派対スンニ派という厳しい対立構造が強まったことである。さらにシーア派とスンニ派が激しく対立すれば、クルド人は団結して建国の意志を強めると思う。クルド人にとってはバグダッドの呪縛から解かれることを意味するからだ。 宗教や民族の対立を知らない日本人は、選挙という民主的な方法だけでイラクの未来を楽観視する傾向があるではないか。イラクには2000年、3000年の歴史があることを知る必要がある。 |
| 北朝鮮 日本への入港事実上不可能 「3月1日より 「船舶油濁損害賠償保障法」を実施 (読売 1月31日 朝刊 「編修手帳」) |
[概要]02年12月、茨城県日立港で北朝鮮貨物船「チルソン号」が座礁した。その際に重油流出対策と解体撤去で6億五千万万円の費用(国と県が負担)がかかった。しかし北朝鮮は八回の督促にもかからわらず、「船体の所有権を放棄し、事故処理を県に一任する」とファクスを送ったままだ。そこで船舶油濁損害賠償保障法の制定に弾みがついた。3月から事故の際に保険が未加入な船は、入港を認めないという法律である。国土交通省の調査では、北朝鮮の保険加入率は、老朽船のため974隻中2,5パーセントでしかない。万景峰号も保険申請に手間取り、新潟港への入港申請を先送りにしているという情報がある。この効果は不透明だが、北朝鮮が座礁船を放置してきたツケが北朝鮮にまわってきた。(読売新聞 コラム「編集手帳」より) [コメント]この情報は「メールにお返事」(12月28日分)で取り上げたので、ここの読者の方ならご存じだと思う。これは北朝鮮にとって、並みの経済制裁以上に厳しい経済制裁となるだろう。人道的な食糧支援に使う船舶まで日本に入港できなくなるからだ。それでいてこれは正式な経済制裁ではなく、今までに無責任な対応したきた北朝鮮自身がまいた種なのである。国際社会は外国の港に座礁した船を放置して、知らん顔が出来るほど甘くはない。これを北朝鮮が「我が国への宣戦布告とみなす」と反応すのか興味がある。 「いや、北朝鮮の代わりに中国が代行するから、このような経済制裁の効果は疑わしい」という意見があるかもしれない。それはそれ、しかし座礁した船を放置し、撤去費用や油汚染防止費用を支払わない貨物船を、日本に入港させるべきではないことを明らかにする必要がある。 だったらカンボジア船籍とか、貧しい国の貨物船はどうするという議論が生まれる。それも日本は適正に対応する必要がある。何も北朝鮮をねらい打ちにした制裁法ではないから、北朝鮮が堂々と反論できないのである。しかしカンボジア船籍の貨物船が座礁し、日本の港に放置した話しは聞かない。あるいは、そのような貧しい国の貨物船の保険は、ODAなどで日本が援助することも可能である。むろん税制などの便宜上、外国船籍にしている船は助ける必要はない。 北朝鮮への送金停止など、日本が経済制裁を発動しなくとも、制裁をやれる手段はいくらでもある。(国連のテロ資金送金禁止決議) 問題は北朝鮮の不誠実さである。すでに独裁体制は存続できないのに、無理に無理を重ね、自国民を苦しめるような政治を許してはいけない。それに日本の拉致者の救出を急ぐにはこの方法しかない。 |
| 自衛隊の海外活動 治安任務考えず 大野防衛庁長官が強調 (朝日 1月29日 朝刊) |
[概要]大野防衛庁長官は28日、朝日ニュースター(CS)の収録番組に出演し、自衛隊の海外派遣を可能にする一般法(恒久法)の制定について、「治安任務は考えていない」と述べた。自衛隊の海外派遣は、あくまで人道復興支援に限定するという。「専守防衛という理念は変えない。自衛隊が弾を撃つのは自己防衛のときだけだ」と語り、現在の正当防衛・緊急避難から拡大すべきではないという考えを示した。 [コメント]よかった。本当によかった。やっと政府は自衛隊のイラク派遣が間違いだと気が付いたようだ。スマトラ大地震とインド洋大津波という不幸な出来事があったが、その大災害の救援を自衛隊が担うことで、イラク派遣の間違いを鮮明にしてくれたと思う。 先日、読売新聞(1月12日付け)に問題の恒久法案の骨子が出ていた。その中身は、サマワ派遣で自衛隊の障害になったことをすべてクリアするものであった。例えば武器の使用制限は緩和する、警備・治安任務を加える、国連の議決無しに派遣できるなど、まさに自衛隊を戦場に投入し、米軍とともに戦えるものにする法案であった。これは明らかに戦争法である。憲法との整合性を問えば、拡大解釈やなし崩し以外の何物でもない。そのような動きを中止したと読める。 この大野発言で自衛隊を米軍の下働きにさせる動きを阻止できると思う。それにしても石破前防衛庁長官とは何者か。小泉首相、福田前幹事長、石破前防衛庁長官という三馬鹿トリオで、自衛隊員はイラクの戦場に片手を縛られて投げ入れこまれた。その石破が国防という本を書いたという。今、自衛隊内でこの三馬鹿トリオの評価は最低である。自衛隊が今までに「信頼される」ことを目標に掲げ、苦労して築いたものを、いとも簡単にぶち壊してしまった。その防衛の最低男が、国防を語る資格などない。 今日はこれから、久しぶりにマリーナのヨットに行く。昨夜、東京ヨットクラブの前会長が、今月、病気で亡くなったことを知った。15年間の付き合いがあった人だ。その人のことを偲びながら、ヨットのキャビンで一杯やろうと思う。私より2歳年上の内科医であった。最後の半年は、マリーナに停泊している自分のヨットで療養した。まさかこれほど早く逝くとは思わなかった。おそらく死を覚悟しての療養だったことを痛感した。残念。 |
| 自衛隊イラク復興支援、第5次編成命令 (読売 1月28日 朝刊) |
[概要]大野防衛庁長官はイラク・サマワで復興支援にあたる第5次復興支援群の編成命令を出した。全体の人数はこれまでと同じ600人。名古屋市の第十師団を中心に編成され、2月上旬に日本を出発する。今回の構成は給水担当を減らし、警備や地元との調整にあたる復興業務支援隊を増員する。 [コメント]この記事はマスコミでいう「ベタ記事扱い」である。サマワ派遣部隊も第五次になると、編成命令がベタ記事になるのかと驚いた。もはや自衛隊のサマワ派遣は、社会の関心がそれほど無いということなのか。それでもサマワに行く自衛隊員の心境は深刻である。2月出発なら5月の猛暑にも耐えなくてはならない。国民議会選挙後に予測される治安の更なる悪化を想定しなければいけない。地元に慣れたサマワのオランダ軍が撤退し、英軍の警備体制に変わることを覚悟する必要がある。第1隊派遣隊と比較して、第5次派遣隊は数倍も苦しい状況に追い込まれる。 昨日、国会中継で小泉首相が、「自衛隊の活動地域が非戦闘地域で、これほどわかりやすい説明はない」という答弁を聞いた。そこで小泉首相を誘拐(言葉が悪ければ強制招待)して、サマワに連れて行きたいと思った。もはや自衛隊がサマワから撤退するためには、数十人の自衛隊員が戦死し、それで内閣が総辞職するしか方法はなさそうだ。我々国民がそんな小泉内閣を選び、それを追求できない野党を許している現実がある。 定年前の自衛隊幹部(豪放磊落だった私の親友)が、「サマワで若い隊員を殺してはいかん。もし自衛隊員の死が必要なら、わしがサマワで死んでくる。わしがサマワに行きたい」と語り泣いた光景を思い出した。自衛隊のサマワ派遣は、小泉政権が政権維持するために、自衛隊員の命をブッシュ政権に差しだし、アメリカの政権加護を求めた結果である。 そのアメリカ国防省で、同時多発テロ以後、イラク戦争を立案したファイス国防次官が退任する。イラク戦争前に、フセイン政権とアルカイダの関係を強引に主張し、アメリカをイラク戦争に突き進ませた中心人物である。またラムズフェルド国防長官、ウォルフォウィツ国防副長官と3人で、イラク戦争を進めた米政府内でネオコンで中心的な役割を演じていた。昨年8月にはファイス次官の側近が、イスラエルのロビー団体職員に、イラク関連の機密文書を渡した疑いでFBIが捜査していた人物だ。(以上、産経新聞 1月28日付け記事を参照) アメリカはネオコンに操られてイラク戦争を始めた。ネオコンはイスラエルに操られている。そのネオコンの戦争に自衛隊は参戦したことになるのだ。これは歴史的な事実として、日本人は強く認識しておく必要がある。 |
| 民間機テロで米研究所報告 ミサイル防衛 巨費必要 装置完備110億ドル (産経 1月27日 朝刊) |
[概要]米国防省に近いシンクタンクの「ランド研究所」は、携帯式対空ミサイルから民間航空機を防御するために、ミサイル防御装置を完備するのに110億ドルに加え、年間21億ドルの稼働費が必要という報告を明らかにした。防御装置は、レーザー熱源を機体から発し、ミサイルの弾道を機体からそらすというシステム。このシステムは誤作動するケースが多く、精度を上げる必要があるという。ちなみに携帯式対空ミサイルは中東や中央アジアの闇市場で、1台五千ドルで購入できるという。 [コメント]この対ミサイル・システムは対空ミサイルの飛来を熱源(あるいはレーダー)で感知すると、機体からニセの熱源(フレア)を発射して誤作動を誘う方式ではない。ミサイルの飛来を探知すると、レーザー光線を照射して、ミサイルの誘導装置を誤作動させるシステムである。これが誤作動というのは、太陽などの熱源を感知して、ミサイルの飛来と誤認するのである。だから精度を上げるとは、太陽とミサイルの熱源を識別できる装置を付けるということだ。 しかし馬鹿馬鹿しいことなのである。今、ニューヨークの街を歩くと、大きな建物に原子力のマークを見るができる。あれはソ連から核ミサイルが飛来した場合、核シェルターの役割をする地下室があるという意味である。これ同じで、気休めにはなっても、実際に役立つかわからない。まず役立たない。MD同様に不確実な兵器なのである。それに最近は携帯ミサイルでも、正面から発射できるものも開発されている。機体の背後からエンジンの熱源を追尾するものではない。射程が5キロ程度なら、射手が電波を機体に当て、その反射波で誘導するレーダーホーミングという誘導方法も開発出来る。むろんミサイル自身がレーダー波を出して目標に誘導する小型ミサイルもある。 そのような矛盾だらけの兵器システムを指摘した調査報告書なのである。これはアメリカ人の不安の表れなのであろう。これにテロに怯えるアメリカ人の姿を見ることができる。軍事力でテロを防ぐことはできない。 |
| 米陸軍 第1軍団司令官が表明 「演習通じ同盟強化」 (毎日 1月26日 朝刊) |
[概要]日米共同方面隊指揮所演習(通称 YAMAZAKURA演習 YS)で来日している第1軍団のドゥーピック司令官が、25日、東千歳駐屯地で記者会見をして「日米同盟は重要性を増しており、共同演習を通じて関係強化に努めたい」と挨拶した。記者会見は第1軍団司令部の座間移転に触れず、質問は共同演習関連に限定するという条件付きで行われた。同席したパーキンス在日米軍司令官も、「80年代と比べ共同演習のシナリオが困難で複雑になってきている。これが日米同盟強化の証左だ」と語った。この演習は自衛隊側4300人、米軍側1500人が参加し、コンピューターを使って行う指揮所シミュレーションで、26日〜31日で総合訓練が実施される。 [コメント]先日の22日(土)に千歳空港に降りると、空港内に迷彩服を着た米兵の姿が多いので、YSが行われることに気が付いた。今回の演習シナリオが気になったが、YSについては米軍側から詳しい想定を知るチャンスが多い。まあ北朝鮮の崩壊(人民軍の一部が韓国に侵入)と、武装難民が日本上陸というテーマではないかと思っている。どれだけ早く北海道の部隊を、本州の日本海側や首都圏に移駐させるかが重要ポイントになるだろう。また米軍基地など主要な軍事施設を、自衛隊が警護することが求められる。それだけ自衛隊の移動や警備目標が多くなり、それで共同演習が複雑化したと考えられる。 今どきYSで北朝鮮軍の3個師団が、北九州と山口県に上陸なんて想定はしないと思う。あと10年もすれば、YSでインド洋の大津波被害を想定した指揮所演習を行う可能性もある。ASEAN諸国からもYSに参加すれば、アジア各地の大災害のほかに、小規模な地域紛争を押さえ込む指揮所演習にもなる。YSもこれから過渡期を迎えるのは時間の問題である。 |
| 米軍准将 イラク選挙当日 「大規模攻撃も」 CNNで語る。(朝日 1月26日 朝刊) |
[概要]イラク駐留米軍のレッセル准将がCNNに出演し、武装勢力が30日の国民会議選挙で、大規模な攻撃を計画している可能性があると語った。これは最近になって武装勢力の攻撃が半減しているのを受け、「嵐の前の静けさで、選挙の直前から当日にかけて、劇的な攻撃をするために力を蓄えてる可能性がある」と述べた。 [コメント]確かにテロリストの論理として、一時的でも米軍やイラク治安機関に連続して猛攻を掛けることは有効な作戦である。イラクで住民が投票所に向かうどころか、怖くて外出も出来ないような状況を作り出すことである。そのためには警戒厳重な米軍施設や投票所を襲う必要はない。シーア派のモスクでも自爆テロの標的になる。やるとすれば人が集まる金曜日ということになる。28日の金曜日から投票日の30日(日曜日)の3日間に、イラクの反米武装勢力が劇的な攻撃を仕掛ける嵐が吹く。ベトナム戦争で米軍が猛攻を受けたテト攻勢を思い出した。ベトナム戦争のテト攻勢を知らない人は、図書館などでベトナム戦争の写真集を探して欲しい。当時、UPI通信のカメラマンであった沢田教一氏の写真集をお薦めする。私が若いときに最も感銘を受けた写真集である。 今や米政府内でも、「イラクはかつてのアフガニスタンに代わる、テロリスト訓練所となっている」(米国家情報評議会(INS)の報告書)という見方も出てきた。私が言う「イラクはテロリストの温床になった」と同じ意味である。もしアメリカがこの嵐の3日間を防ぎきれないなら、アメリカのイラク政策はほぼ敗北したことになる。 |
| インドネシア津波被害救援 自衛隊、長期派遣を検討 半年程度まで延長 (毎日 1月25日 朝刊) |
[概要]防衛庁はインド洋大津波被害の救援活動のため、インドネシアに派遣している自衛隊の派遣期間を、当初想定していた1ヶ月程度から半年程度に延長する検討を始めた。被災地の道路などを復旧させるには、大型の装備を運び込み、現地に拠点を設営する必要があるからだ。「被災地は『不安定の弧』の真ん中にあり、テロリストの手に落ちないように手を差し伸べる必要がある」と防衛庁幹部は述べた。 [コメント]防衛庁はイラク派遣と比べ、今回の国際災害派遣に国内世論の反対がなく、現地の反発もなかったことでやる気を出している。これでいいと考えている。派遣された自衛隊員もやる気を出している。国民も頑張れと自衛隊を応援している。米軍も自衛隊の活躍に期待している。この機会に忘れないで欲しいのは、この成功は「自衛隊員が武器を携行していない」ことなのである。アチェ州は治安が悪いことで国際的に有名な場所であった。政府軍と地元武装勢力の間では激しい戦闘が続いていた。しかし自衛隊は武器を持たず、復旧支援活動を行う自衛隊員を襲撃するGAM(自由アチェ運動)メンバーはいないだろう。アメリカも自衛隊の役割に関心を持って見ていると思う。アメリカは無慈悲にゲリラを殺すことだけが、治安を回復させる方法ではないことに気が付くだろう。アメリカに勉強させるいい機会になる。 次の出番は日本の政治家や外交官である。インドネシア政府は外国部隊のアチェ州からの撤退を求めている。津波や地震で被害を受けたGAMを、この機会に軍事力で壊滅させたいからである。そこで日本の政治家や外交官は、自衛隊をはじめ国際NGOなどが、これからもアチェ州で復興支援活動できるように、インドネシア政府とGAMの停戦協定を結ばせる努力をして欲しい。すでに北欧あたりの政府機関が動いているという情報があるが、日本政府もその役の一端を担うべきなのである。何も日本が主役になる必要はない。日本は国際世論を高め、停戦協定の速やかな成立を後押しするのだ。インドネシア政府に影響力を示して欲しいのである。 しかし世の中には戦争でしか儲けられない者がある。アチェの戦争で儲けている者の存在である。彼らはアチェ州が平和になることを嫌う。一説には、軍部の中にも治外法権のアチェで、武器の密輸などで儲けている者もいるという。そのような勢力を排除するのは、真実を伝えるマスコミの力が必要になるだろう。そのようなことの挑戦から、日本は逃げだすことは出来ないのである。頑張れ!ニッポン。 |
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政府 沖縄の米砲兵隊 海外移転 要求へ 本土常駐費の捻出困難 (産経 1月24日 朝刊) |
[概要]日本政府は米軍の変革・再編(トランス・フォーメーション)で、沖縄に駐留する第3海兵師団第12海兵連隊所属の砲兵部隊を、オーストラリアか米グアムに移転さすように要求する方針を固めた。同砲兵隊については北海道に移転する構想も浮上していたが、地元で米軍部隊の常駐に反対の声が強かったことから、さらに多額の地元対策費を増やすことになり、国の財政事情からも困難と判断して海外移駐を要求することにした。同砲兵隊は平成9年から矢臼別(北海道)や王城寺(宮城県)の演習場で本土訓練を行ってきたが、これまでの防音工事などの地元対策費は約1200億円にのぼり、これからも年間200〜300億円の負担が続くと予測されている。また同部隊が、オーストラリアかグアムに移転しても、東アジアの有事即応態勢は可能と判断した。米側は明らかにしていないが、沖縄の第3海兵師団所属の第4連隊と第11海兵遠征隊がイラクに派遣されているが、第4連隊はイラクでの任務終了後も沖縄に復帰させない運用計画案を固めている。 [コメント]米砲兵隊の常駐は、騒音対策の防音工事などで多額の地元対策費が必要である。夜間に砲弾をドンドン撃つと、付近の人からの苦情がうなぎ登りになる。まして夏など、窓を開ける季節は苦情が殺到する。以前、千歳(北海道)の北海道演習場で、夜間の砲撃演習を取材したことがある。その時に、どうしてこんな近くにあるのかと思うほど、演習場のそばに高層団地が迫っていた。また、この団地から漏れる光で、暗闇のはずの演習場が薄明かりになっていた。これではお互いに困るのである。 しかし砲兵隊の移転は無理でも、海兵隊が北海道に来る可能性はある。まだ正式に決まっていないが、私が予測している米軍の事前集積施設を警備したり、施設の備品点検を行うためである。これは現在の米軍の前方展開戦略を転換するために、どうしても日本での事前集積施設が必要なのである。まあこの任務は、海兵隊の1個大隊規模(連隊が理想的)で十分の兵力だが、この部隊が苫小牧から千歳付近に駐留する可能性がある。おそらく6ヶ月間などの交代で派遣され、事前集積施設の警備や点検の他、自衛隊との共同演習を行うことになるだろう。また北海道で寒冷地や積雪訓練を行うことにもなりそうだ。オーストラリアでの上陸訓練や砂漠訓練、フィリピンでのジャングル訓練、グアムでの市街戦や潜水訓練と、それから北海道での寒冷地訓練である。 この他にも海兵隊には、座間の第5軍団司令部を警備する任務がある。また将来の岩国基地(山口県)を警備する任務を与えられるだろう。私は今月9日に連休を利用して、岩国基地の拡張工事状況を見に行った。岩国基地に隣接する広大な海面が埋め立てられて、あと数年すれば夜間離発着訓練や、空母の寄港(接岸)が可能な軍事拠点が完成する。そして岩国基地が朝鮮半島を睨んだ米軍の最前線基地に変身するはずである。 |
| サマワ自衛隊の安全確保 英外相「責任は認識」 町村外相と会談 (毎日 1月21日 朝刊) |
[概要]町村外相は訪日中のストロー英外相と会談し、オランダ軍がサマワから3月に撤退するのを受け、イラク南部を統括する英軍に協力を要請した。ストロー外相は、「自衛隊の安全に対する日本国内の懸念は十分理解している。統括する立場として責任を認識している」と答えた。英外相が具体的なサマワ派遣を言及しなかったことについて、防衛庁首脳は「英軍がオランダ軍に取って代わるわけではない」と指摘、オランダ軍撤退後の自衛隊員の安全確保が大きな課題であることに変わりないことを強調した。サマワの1300人規模のオランダ軍が撤退しても、英軍がその規模をサマワに派遣できないことから、政府内には「自衛隊の活動規模の縮小を迫られる事態も想定される」という見方がでている。 [コメント]英軍がサマワに派遣できるのは600人程度という情報がある。オランダ軍の半分以下である。英軍600人がムサンナ県で何ができるか。これはサマワの自衛隊を警護するだけの役割しかできない。しかし英軍は自衛隊の世話をすることを理解しているのだろうか。自衛隊は並みの軍隊ではなく、正当防衛以外の戦闘を、厳しく禁じられていると理解しているだろうか。逆に日本政府は、イラクの戦場に自衛隊を送り出した軽率さを理解しているのか。 防衛庁や外務省はこれから英軍に自衛隊の特殊性を説明するという。それで果たして理解してもらえるだろうか。もし実情が理解できても、それならなぜ日本はイラクに自衛隊を派遣したのかと質問されるかもしれない。泳げないほど重いオモリを着けた者を、なぜ沖合に連れて行き海に落としたのかと聞かれるかもしれない。すると日本政府は、イラク情勢がこれほど悪化するとは思わなかったと答えるしかない。それで日英政府間は、最低限の合意をしたことにする。しかし現地に派遣された自衛隊員は、予想外の出来事と済ますわけにはいかないのだ。実際に自分に向かって弾や砲弾が飛んで来るからである。 現地の武装勢力にとって、オランダ軍の撤退はある種の勝利である。さらに自衛隊を撤退させれば、サマワはイラクの武装勢力にとって外国軍排除のモデルケースとなる。米軍がファルージャ攻撃で作り出そうとして逆のモデルケースである。サマワ周辺の武装勢力は、日本がどうの、自衛隊がどうのと言う段階ではなくなってきた。なんとしてもサマワで、外国軍排除のモデルケースを作りたいいと狙うだろう。そこに気が付けば、サマワで自衛隊を狙った攻撃事件が多発する可能性があるのだ。 自衛隊員もイラク派遣特措法で決められた、一時撤退などウソであったことに気が付くだろう。どうしてそのような自衛隊イラク派遣をしたのか、我々はこれから多くの犠牲と責任を覚悟しなければならない。 |
| 北朝鮮機関誌 「日本は百年の宿敵」 金総書記が非難発言 「読売 1月20日 朝刊) |
[概要]北朝鮮労働党の機関誌「労働新聞」は19日付けで、金正日総書記が「日本帝国主義は過去もそうであったが、今日も我が人民の百年の宿敵であり、恨み骨髄に徹する敵である」と激しく非難したという。この発言は日本の「防衛計画の大綱」を批判する評論で紹介された。以前にも、日本を「百年の敵」とする表現はあったが、金総書記の発言として伝えられるのは初めて。 [コメント]国の最高指導者が、日本を公然と百年の敵と非難する。これほど非礼な国はないだろう。小泉首相は「本音と建て前をわきまえる」と言うが、政府の機関紙で論評された言葉である。ここで日本が何も反応しないことは適切なことだろうか。日本人拉致者の遺骨が別人であったことを見ても、国交正常化交渉をぶち壊したのは北朝鮮側である。そのような非礼なことを行いながら、居直って日本を百年の敵と罵る行為である。 だったら北朝鮮は、日本にアサリやカニを持ってくるなと言いたい。北朝鮮から日本に経済制裁をかけて頂きたい。テポドンでもノドンでも、日本に向けて撃ち込めばいい。やりたいなら核実験でもやればいい。やれるものならやってみろである。できもしない、やりもしない、やることもできないくせに、偉そうなことを言うな、である。 昨年、オーストリアで金正日の長男である金正男の暗殺未遂騒動があった。数日間には北朝鮮北部で中国国境のフェリヨン市で、反体制ビラが撒かれ、金正日の肖像画に落書きがされる映像が公開された。また韓国で発刊されている「月刊朝鮮」誌で、金正日本人と愛人、それに金庫番の三人が、他人になりすましてアメリカの長期滞在ビザを申請したという記事が出た。 これらは西側の諜報機関が行う謀略である。米CIAなど情報機関が北朝鮮の支配体制に揺さぶりをかけているのだ。現代のCIAは北朝鮮のようにすぐバレる写真の加工などしない。長男・正男に暗殺計画があると身辺警護を申し出る。相手を不安にさせる効果がある。また脱北者を使って、フェリヨン市でやらせの「反体制ビラ」を撒かせ、そのビデオ映像をネットにのせて世界に配信する。人道的なNGOを使うことで、映像の信憑性を高めることができる。また、金正日や愛人の写真を作り、ニセのパスポートでCIA工作員が米国に長期滞在ビザを申請し、それをマスコミにリーク(漏らす)するのである。アメリカに亡命という信じられないイメージを作りだす。 そのような謀略は、アメリカが軍事力を使わないで、北朝鮮の内部をガタガタにするために揺さぶりをかけている。そのような報道を受けて、金正日の側近や高官に疑心暗鬼の心理を広めているのだ。そのことがわかっていても、北朝鮮は適切な対応策をとれないほど困窮している。また北朝鮮の周辺国には、それを事実と認める風潮が広がっている。 ところでロシア中央部には、朝鮮族が多く住む地域があることをご存じだろうか。これは旧ソ連のスターリン時代に、極東に住む朝鮮族を強制的にロシア中央部に移住させたことがあった。その子孫が住む地域なのである。その地域の街では市場でキムチや牛の内蔵など、朝鮮族の食材が売られており、今も朝鮮語が飛び交っているという。 私はこれを北朝鮮向けの謀略で使えると考えている。そこに超豪華な家を数軒建て、北朝鮮から高官が亡命してくる準備と噂(マスコミにリーク)を流せば、北朝鮮の体制内で動揺が起きることは必至である。今ように情報が発達した現代では、謀略の種は山ほどある。謀略とは兵器を使わない戦争でもある。 もし日本が北朝鮮に本格的な謀略を仕掛けたら、CIAのテクニックなどとは別種の恐怖を与えることが可能だ。なめるなよ、である。 |
| ウラジオストク近郊「東洋のチェルノブイリ」 原潜放置 今も汚染 強い放射能、解体困難 財源不足で遅れる対策 (朝日 1月19日 朝刊) |
[概要]旧ソ連時代の85年8月、ウラジオ近郊のチャジマ湾にある船舶修理工場で、燃料交換中の原潜の原子炉が爆発し、大量の放射能が放出され、10人が即死し290人が被爆する大惨事が起きた。(放射能汚染はチェルノブイリ事故の1/10規模) 爆発した原潜は今もウラジオストクに南東50キロのパブロフスク湾海軍基地に放置され、付近の海を汚染し続けている。ロシア政府関係者はこれを「東洋のチェルノブイリ」と呼んでいる。03年10月に、この軍港を訪れた日本原子力産業会議の調査団は、原潜の表面が剥がれ、骨組みがむき出しになっているように見えたという。そばには85年12月に事故を起こしたもう1隻の原潜と一緒に係留されていた。しかし放射能漏れがひどく、解体できない状況だという。 解体をあきらめたロシア政府は、陸上に運んで石棺に封じ込めて長期保管することを決めた。 しかしロシア政府は80隻の退役原潜の解体を優先し、2隻で三千万ドル(約30億円)の「石棺」財源が工面できない。ロシアは日本側にこの資金援助を求めるが、事故情報は軍事機密で公開せず、現地の視察も認めないということで、日本の資金援助は難しいというのが現状である。 [コメント]私は94年にウラジオ近郊のロシア軍海軍基地で、係留されたまま朽ち果てた潜水艦の墓場を見た。これはら原潜ではなかったと思うが、50隻を越える数十隻が、並んでロープで結ばれ軍港内に係留されていた。よく見ると、その半分は浸水し半沈していたし、浮かんでいるボロボロの潜水艦も、至るところ赤さびで黒い塗装が剥がしていた。近くの陸地(草地)には、潜水艦に搭載した蓄電池が数百個も放置されていた。まさに潜水艦の墓場と呼ぶにふさわしい光景だった。 「原潜はどうしました」という私の質問に、退役したロシアの海軍大佐は、「別のところに保管している」とだけ答えた。 この記事で思ったことは2つ。なぜ日本人はウラジオ近郊に放置され、放射能を垂れ流す原潜に関心を持たないのか。はっきり言って、原潜の「石棺」資金の30億円は日本が支援する性質のものではない。しかしロシアにその能力(資金)がなければ、地球の環境問題という視点で負担してもいいと思う。 もう1点の関心事は、北朝鮮やイランの原子力施設(未稼働は除く)を、アメリカが軍事攻撃するかということである。最近になってメディアにそのような記事が多くなった。しかし私は米軍といえども、「稼働中の原子炉施設を軍事攻撃(破壊)できない」という考えを持っている。それは軍事作戦と言うよりも、地球環境に対する悪質な犯罪行為だからだ。例えば北朝鮮の原子炉施設を爆撃した後、その放射能が風に流され、中国や日本を襲えばアメリカはどのような責任を取るのか。放射能被害に言い訳は通じない。 だから北朝鮮やイランの核施設を米軍が攻撃するというのは、アメリカが仕掛けた心理戦である可能性が高い。それを軍事知識のないものが、素直に信じて「アメリカが北朝鮮の核施設を攻撃する」と騒いでいるのだ。まともな軍事知識があれば、稼働中の核施設を軍事攻撃できることなど出来ないとわかるはずである。またそれを許すような国際関係は存在していない。 どうも日本のコリアン・ウォッチャーに中には、軍事知識に乏しく、とんでもない分析をしているものがいる。ついこの間までは、北朝鮮の工作員が日本の原発施設を襲撃したり、数百のテポドンが東京を襲うと言ったり、北朝鮮の特殊部隊が攻めてくると話していた人である。北朝鮮は怖い国と、日本人を脅してなんぼの人たちである。 |
| 韓国のネット新聞 北朝鮮に反体制ビラ 映像を入手 (毎日 1月18日 朝刊) |
[概要]韓国の北朝鮮専門のネット新聞「デーリーNK」は17日、北朝鮮で反体制運動を扇動する写真とビデオを入手したと報じた。ビデオでは北朝鮮東部のフェリヨン市内で撮影され、金正日総書記の肖像画に黒インクで「我々は、自由と民主を要求する」と書かれ、「自由青年同志会」の名となっている。また同市内の軍需物資生産工場内には、「金正日を打倒せよ」「立ち上がり、独裁者を追い出せ」と書かれたビラも見つかったという。同市の橋脚には、「我々は、いつまで飢えて、死んでいかねばならないのか」「人民たちよ、自由民主を取り戻そう」と書かれたビラも見つかっている。 [コメント]報道や意見表現の活動が厳しく統制された北朝鮮では、紙切れ1枚の反体制ビラといえども、社会的な影響は想像する以上のものがある。だから反体制のビラが数枚でも撒かれると、保衛部(秘密治安組織)などが徹底して捜査を開始する。もし走行中の列車からビラが撒かれると、その時間帯に通過した列車すべての乗客が特定され、全員が保衛部の徹底した捜索を受けると聞いたことがある。 今回は厳重な取り扱いが決められている金正日の肖像画に落書きが行われた。そこでフェリヨン市周辺の職場や農場や学校など、金正日の肖像画を掲げてあるところすべての場所を対象に捜査が行われる。もしこれが本当に北朝鮮の反体制メンバーが行ったとすれば、北朝鮮国民の中にもそれだけのリスクを覚悟して、反体制活動を行う必要性を認識したと考えられる。 北朝鮮崩壊の前兆としては、ビラの配布や落書きはそれほどランクは高くはないが、配布場所が特定されていることと、道具に金正日の肖像画が使われていることで、これはオレンジレベル程度の参考情報にはなる。 それから先日、大野防衛庁長官が韓国を訪問した際、韓国の国防相との会談で、「北朝鮮の社会は安定しており、差し迫った変化は起きない」と同意したと報じられた。しかし、これは何の意味もない。思い出すのはベルリンの壁が崩壊したときである。あのとき、つい1週間前であっても、間もなくベルリンの壁が崩壊すると予測できた者は一人もいなかった。大きな変化は我々が予測を越えたところで始まる。まして日韓の国防(防衛)当局者が、どれだけ情報分析の能力があるというのか。イラク情勢の読みを見ても、両者にその能力があるととは思えない。まあ日韓防衛当局が同意した話しは、政治的な発言としてメモ書き程度の情報レベルだ。 |
| 米元特使講演に韓国与党ビックリ 「北朝鮮崩壊 中国に吸収」 (産経 1月17日 朝刊) |
[概要]ブッシュ政権で朝鮮半島平和担当特使を務めたブルッキングス研究所のチャールズ・プリチャード客員研究員が訪韓し、与党ウリ党系のシンクタンクで講演した。プリチャード氏は講演で、「北朝鮮は一瞬に崩壊し、中国に吸収される」という”北朝鮮崩壊論”を展開し、南北融和を掲げるウリ党を慌てさせた。その根拠として、現在の北朝鮮は燃料などを中国に依存しており、吸収はきわめて自然に行われるとの見方を示した。また韓国の企業が進出した開城工業団地(北朝鮮内)に関連する電力供給や鉄路・道路建設で、平壌に利益をもたらす韓国の政策には、今後、ブッシュ政権が制裁を加える可能性があると指摘した。1期目のブッシュ政権の対北朝鮮政策担当者の発言に、南北協調路線の与党ウリ党は渋い顔をしている。 [コメント]この記事が可笑しくて、つい吹き出してしまった。韓国ウリ党員の困惑した顔が想像できるようだ。可笑しいのは、「韓国が北朝鮮でノロノロしていると、中国に北朝鮮を取られてしまうぞ!」 と忠告したからだ。しかし北朝鮮が一瞬で崩壊したとき、韓国の救援隊が北朝鮮に入る速度が遅いと、先に入った大量の中国軍に北朝鮮の実権を奪われる可能性が高い。 私は北朝鮮に救援(崩壊後)に入る中国軍は、国連や韓国政府と連携し、国連や韓国政府の指示に従うと考えていたが、それは中国軍を”善”と見ているからである。いわゆる性善説の善である。しかし性悪説の悪と考えれば、北朝鮮の崩壊は中国が朝鮮半島に進出する最大のチャンスである。中国は戦争という手段ではなく、復興援助という平和的な手段で、中国圏を朝鮮半島に広めることができるのだ。ウリ党や韓国民が震え上がるのは間違いない。 韓国は今は嫌米だが、それは北朝鮮脅威が大幅に減少したからだ。しかし次に中国と国境を接するようになると、韓国の嫌米は強い親米に変わると予測している。韓国では中国という大国を前にすると、アメリカに頼りたくなる心情が強まるからだ。今回のプリチャード講演で、ウリ党の南北融和策は冷水を浴びせられたことになる。そして心情的なだけの北朝鮮融和策は、韓国に大きな損失をもたらすことを警告した。 これはボクシングでいうボデーブローだ。相手をKOで倒すパンチほどの力はないが、腹を殴ることでボクサーの体力や気力を奪っていく。韓国の嫌米感情と北朝鮮融和策に向けたボデーブローである。 これで困惑したのは中国である。はたして痛くもない腹を探られたのか。それとも火のないところで煙を見つけられたのか。そして中国がいつ動くか。無礼を承知で言わせてもらえば、「面白い。今年の朝鮮半島は面白くなる」である。 |
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米ミサイル防衛予算 6年間で50億ドル削減 配備計画軒並み延期 (読売 1月15日 朝刊) |
[概要]米国防省が策定した06年会計年度から6年間の軍備再編計画で、ミサイル防衛予算が50億ドルも削減され、衛星網などの配備計画が軒並み延期されたことが、内部資料で明らかになった。MD予算は06年に10億ドルをカット、のこり5年間で毎年8億ドルを削るという。これは財政赤字の削減とイラク戦争継続を両立されるための措置で、06年の軍事費は全体で約60億ドル削減される。このため、宇宙レーダー衛星の初打ち上げは2015年度、高解像度の映像や位置情報をやりとりする既存の衛星と置き換える高度ミリ波衛星の初打ち上げは08年度になり、当初2006年に予定されていた宇宙赤外線システムは抜本的に見直すことが空軍に指示された。 [コメント]昨年、海上から敵の弾道ミサイルを迎撃するSM3ミサイル(イージス艦に搭載)の実験に失敗して、MDシステムの信頼性は非常に低下している。この迎撃実験は成功を前提にした甘い設定であった。(オトリは考慮しない。命中しなくとも近くを通過すればいいなど)。だから弾道ミサイルを宇宙から探知する基幹衛星網のシステムは前に進めないのだ。これはイラク戦争がMD配備の足を引っ張っているというより、開発技術の遅れが歩みを止め、後退していると考えられる。 段々とレーガン時代のスターウォーズ(SDI)計画の末期症状に似てきた。最初の構想は派手に打ち上げられ、莫大な開発予算は湯水のごとく投入された。しかし前提の迎撃技術が開発・実用化できないで、計画そのものがキャンセル(失敗)されるという末期症状である。 これは石破前防衛庁長官が訪米して、一夜でMD配備が決められた経緯がある。いわば政治家主導で行われた軍事政策の決定である。いわゆる制服組にはMDに関して充分な信頼感はない。政治家から信頼しろと言われても、信頼に足る十分な確証情報がないからである。そこにはアメリカの政治家や高官に恫喝され、ハイハイと従う頼りない日本の政治家の姿だけが浮かび上がる。 今、自衛隊は大きく変身しようとしている。昨年末に改定された新しい防衛大綱と、米軍の再編(トランスフォーメーション)がそれを後押ししている。自衛隊が新しく変身するために、莫大なエネルギーと国防予算が必要である。とてもMDなどに無駄な防衛予算を投じる余裕はないのである。 ※ これから毎年1月恒例の「高尾山初詣」に出かけます。とにかく高尾山のおみくじは良くあたる。昔(20代の頃)、6年間続いて「凶」を引いたことがある。確かにその頃は苦労ばかりでいいことはなかった。野郎4人が高尾山に初詣に出かけ、4人全員が凶を引いたこともあった。しかし私は7年目に「吉」が出て、それから劇的に人生が変わったような気がする。軍事を本格的に勉強し始めて3年後のことだった。しかし「吉」が出た翌年から、また数年間は「凶」を引いた。収入が増えたと喜び、遊び狂って、努力を怠った時期であった。最近は吉が多くなったが、昨年は大吉でちょっと油断し不調だった気がする。はたして今年は何がでるのか。 帰りに高尾山の麓で、「山菜そば」と「板わさ」で一杯やることにしている。今日は吉が出ると嬉しいが、凶が出てもショックを受けないように心構えをして向かう。ちょっと怖いが行くしかない。おみくじの結果は発表しません。 |
| ミサイル防衛で新解釈 検討 日本上空通過なら迎撃 米国標的「個別的自衛権」で調整 (産経 1月14日 朝刊) |
[概要]政府はミサイル防衛(MD)で、米国に向けて発射された弾道ミサイルが、日本上空を通過した時に迎撃しても、集団的自衛権の行使にあたらないという検討に入った。平成19年度から配備予定のMDだが、その発射命令は時間的な問題で、現場指揮官に委任することを念頭に自衛隊法の改正を進めている。しかしミサイルは上昇を終えた段階でしか、着弾地が日本か米国か判断できない。そのため迎撃に必要な時間的な余裕がなく、政府は弾道ミサイルが日本上空を通過した場合に、「我が国に着弾する恐れがある」として迎撃できる検討に入ることにした。また弾頭から切り離された部品が、日本に落下する危険性があり、迎撃は「個別的自衛権」の範囲とすることを検討している。北朝鮮から弾道ミサイルが発射された場合、ハワイやグアムは日本上空を通過するが、米本土やアラスカは日本上空を通過しない。 [コメント]弾道ミサイルの専門家に、北朝鮮の弾道ミサイルが、米国向けか日本向けの判断はいつかと質問すると、確かに「上昇が段階が終わり、飛行段階に移った時点」と聞いたことがある。それなら事実上、日本海を上昇中はミサイルを迎撃できないと考えた。この記事によると、日本にミサイルが到着までが10分で、そのうち3分が着弾地の分析する時間で、反撃に使える時間はミスがなくて7分しか残されていないという。 そこで迎撃の1分でも多く時間を稼ぐために、ミサイルが上昇中であっても日本に向かえば迎撃するという意味だろう。それなら人工衛星の打ち上げはどうなるかのか。人工衛星打ち上げに関する国際的な取り決めがあると聞いたことがない。慣例的に周辺国に通知することになっているが、これは義務化されていないと思うが。それに宇宙空間は領空権が認められていない。個別自衛権でも宇宙空間を飛ぶのを迎撃できるのだろうか。 そのような議論が日本で十分になされていないのに、19年度のMD配備が決まっていることは異常ではないのか。このような問題を考えると、日本が核武装していなくて本当によかったと思う。核兵器保有国は常にそのよう不安に怯えているからだ。互いに核兵器で威嚇し合い、打たれたら終わりという恐怖である。 それにしても中国や北朝鮮は、北朝鮮の核弾頭ミサイルの脅威にさらされる日本のことを本気で考えているのか。北朝鮮は政権認知と援助欲しさに、核兵器と弾道ミサイルでアメリカを脅すが、本当に怖いのは日本の反応である。アメリカは数千発の核弾頭を保有している。北朝鮮の数発の核弾頭など、日本と比べると脅威の度合いが違う。さらに付け加えれば、中国は北朝鮮に対して日本が行うことは、中国に対しても対応していることを忘れないで頂きたい。 |
| 信管付き サマワ宿営地内にロケット弾 (読売 1月13日 朝刊) |
[概要]サマワ南部に派遣されている陸自・宿営地内に、信管が付いたロケット弾(107ミリ弾)が着弾した。砲弾は宿営地の北西側から撃ち込まれた模様。着弾場所は隊員の居住区から離れていたが、午後7時前で隊員たちはまだ活動中であった。ロケット弾は爆発せず、陸自隊員や施設に被害はない。しかし宿営地内への着弾は3回目で、今回のような信管付きは初めてである。
いつも言うように、どのような軍事力でも、テロを防ぐことは出来ないのである。今回のようにテロとは、テロを実行(攻撃)する側が、いつ(時間)、どこで(場所)、どのような方法(攻撃方法)かを決定できる有利さがあるからだ。自衛隊はサマワ派遣前は、迫撃弾やロケット弾の攻撃を想定しなかった。自動車などを使った自爆テロ、銃撃、携帯式対戦車ロケット弾(RPG−7など)である。まさか射程が10キロもある107ミリ・ロケット弾の攻撃など想定していなかった。 昨年5月には、自衛隊の宿営地近くの路上で、装甲車など吹き飛ばす威力の対戦車地雷も発見されている。サマワの自衛隊は、想定外の脅威にさらされているのである。 対策としてとっているのは、コンテナを積み上げ、その上に砂袋を積み上げて眠り、夜間の迫撃弾の直撃を防ぐこと。監視用無人ヘリを使い、夜間の警戒に使っている。宿営地(居住区)周辺の一部をコンクリの壁で覆い、ロケット弾の直撃を防いでいる程度である。この程度のことは「秘密」扱いではない。これなら誰でも想像できるし、焼け石に水程度の防護策でしかないことも理解できる。ここで思い出して欲しいのは、「戦略の失敗を戦術で補うことは出来ない」という言葉である。いくらサマワの自衛隊員が頑張っても、政策(戦略)の失敗は補えないのである。 また地元部族への懐柔策(お金のばらまき)も、部族間の不公平を生んで、逆に恨みを深める結果を招いた。その程度のことなら、カンボジアのPKO活動で学んで欲しかった。また産業のないところに、雇用の促進などないのである。(写真はサマワ宿営地内に着弾した107ミリ・ロケット弾。陸上自衛隊提供。読売新聞 1月13日付けに掲載) |
| 自衛隊法改正案 通常国会に提出へ 海外派遣態勢を整備 国際活動の本来任務化「恒久法」遠のく懸念も (産経 1月12日 朝刊) |
[概要]政府は21日招集の通常国会で、自衛隊の海外平和協力活動を国土防衛に並ぶ「本来任務」に格上げする自衛隊法改正案を提出することを決めた。現行の自衛隊法で国際協力活動は、オリンピックなど運動競技支援と同じ第100条「自衛隊の任務に支障を生じさせない限度(付随的任務)で行う」となっている。しかし昨年12月に閣議決定された「防衛計画の大綱」で「国際活動」を本来任務化への方針が示された。この改正案が決まれば、自衛隊は長距離輸送機や派遣教育隊などの整備が進むことになる。しかしこの改正案とセットで国会提出が検討されていた「海外派遣恒久法(一般法)」は切り離されることになる。また自衛隊の海外活動が本来任務に格上げされても、武器使用などの制限は現在と変わらない。 [コメント]この自衛隊法改正案はインド洋津波の災害支援などで、各党の抵抗感は少ないようだ。この法案はぜひ”全党一致”で採決して欲しい。それをしても問題はないと思う。 しかし今朝の読売新聞には驚いた。1面トップに産経が”「恒久法」は遠のく懸念”と書いた「恒久法案の骨子」を報じている。それも「『国連決議無し』可能に」と大見出しを打っている。小見出しでは「武器使用も緩和」とある。読売の記事をよく読むと、恒久案では、国連の決議が必要ないとか、PKO参加5原則で決められている紛争当事者間の停戦合意が削除され、武器使用を緩和することや、治安維持や警護任務などもあるという。これでは「海外派遣恒久案」が、限りなくイラクの米軍と共同作戦できるのが目的と理解できる。そんな戦争法案とセットで平和協力法が国会に提出されることが異常である。 幸い今は、日本に自衛隊のイラク派遣に強い反省がある。日本が期待した解放軍となるべき米軍はイラク占領軍になった。イスラム国からイラクに派遣してくれる支援部隊は来なかった。必然的に米軍はイスラムの敵になってしました。段々とイラク国内の治安は悪化していき、その被害は平和が前提で派遣された自衛隊に迫ろうとしている。もはや自衛隊内でもサマワ派遣を美化する声はなくなった。そのような厳しい世論が「恒久法」の国会提出を許さないのだ。 各政党にお願いしたい。この自衛隊法改正案は何としても採決して欲しい。自衛隊が米軍の弾運びや弾避けに使われないために必要である。日本がアジアで平和大国として尊敬されるために必要な法案なのである。 |
| 佐渡沖 海保ヘリ着水、水没 訓練の乗員6人救助 (朝日1月11日 朝刊) |
[概要]10日午後1時10分頃、新潟県佐渡市赤泊港の東方13キロ沖で、つり上げ訓練中の海保ヘリが海に着水、500メートルの海底に水没した。乗っていた潜水士を含む海上保安官6人全員は巡視船に救助された。ヘリは巡視船「やひこ」の甲板から潜水士をつり上げる訓練を始め、一人目をつり上げたあと、左エンジンの出力が弱まり、ホバリング中に高度が低下し着水した。佐渡沖は10メートルを超える強風が吹き、雪雲に覆われていた。9管本部はエンジンの不具合を調べている。
この例でもわかるが、海水はヘリにとって怖い存在なのである。輸送艦「くにさき」でCH−47ヘリの運用を、日常的に行うことの難しさがわかってもらえると思う。なお10メートルを超える強風は、ヘリにとっては必ずしも障害にはならない。逆に強風を味方にして、ヘリの性能をアップすることも可能である。ベテランヘリのパイロットは「強風は味方にする」と平然と話す。 そのベテランヘリのパイロットが退官する。1月22日、陸自でUHー1ヘリのパイロットであった同期が定年で退官する。私も札幌市内で開かれる退官パーティーに出席する予定。(写真は海上に着水し、ひっくり返った海保ヘリ。海上保安庁提供、朝日新聞1月11日付に掲載) |
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防衛庁2007年発足を目指す 陸自国際教育隊は5部門 100人規模 (読売 1月11日 朝刊) |
[概要]防衛庁は07年春の発足を目指す、陸上自衛隊の「国際活動教育隊」の部隊編成の内容を固めた。部隊は富士駐屯地(静岡県)に置き、隊員数は100人規模で、共通教育科、訓練支援科など5部門を設置する。将来的には、外国の国連平和維持活動(PKO)要員などの教育・訓練機能を持つことも検討している。この部隊は06年に新設する「中央即応集団」の傘下で、部隊を管理維持する隊本部と、研究科、共通教育科、訓練支援科、教育支援小隊で構成する。国際教育隊発足後も、国際任務は各方面隊が持ち回りで行うが、平時の教育・訓練に備え、派遣第一陣の中核を教育隊が担うことで、即応体制が強化される。 [コメント]教育隊の隊員が100人規模なら、海・空自衛隊からも教官や研究員など10名程度を派遣して、統合的な活動を担えるように編成すべきである。陸自の要員であっても、輸送艦や輸送機の運用を知る必要がある。特に国際災害派遣などでは、後方から送られてくる援助物資の輸送方法について、そのシステムを熟知する必要がある。また海自や空自も、陸自の活動実態を知っておく方がいいのではないか。 そのような常識的なことを、なぜか自衛隊では言わない風潮がある。旧軍のように縦割りでは済まない。どうも日本人は統合運用という考えが不足している。もう陸海空がバラバラで専守防衛している時ではない。 また外国のPKO要員の教育・訓練はぜひ実施して欲しい。インドネシアでは日本の国際緊急援助隊が持参した救助機材を、現地の救急救難関係者が興味深げに見つめていた。将来、日本の自衛隊チームが素早い活動を行うのは、現地で自衛隊の活動を熟知している人のサポートは欠かせない。どんどんと受け入れるべきである。まさに日本がこの分野でアジアの指導権(リーダーシップ)を取るといった心構えが必要だ。日本はアジアの救難・救助大国であって欲しい。 そうすることで、イラクに自衛隊を派遣するといった愚行を改めることができる。自衛隊は実施部隊や待機部隊や含め、将来は約4万人規模の海外派遣部隊を考えているようだ。この自衛隊員の4万人を、米軍の弾運びや弾避けに使わせてはならない。日本が平和国家としてアジアに君臨できるか、その将来に自衛隊が創設するこの「国際活動教育隊」が強く関わっている。 |
| ミサイル防衛網 レーザー撃破 政府、共同研究検討へ 米国の打診受け (毎日 1月10日 朝刊) |
[概要]米国は日本政府に対し、敵の弾道ミサイルを上昇中に航空機からレーザーで撃破するシステムについて、日米共同研究を非公式に打診していることが明らかになった。これは大型航空機に高出力のレーザー砲を搭載し、数百キロ離れた上空から、上昇中の弾道ミサイルを撃破するエアーボーン・レーザーシステムである。すでに米軍とボーイング社が研究開発しているが、配備までにはまだ数千億円規模の開発費がかかるといわれている。 このシステムをMDに取り入れることにより、上昇中(ブースト段階)はこの航空機搭載のレーザー、飛行中(ミッドコース段階)はイージス艦のSM3ミサイル、着弾段階(ターミナル段階)は地上配備のパトリオットPAC3対弾道ミサイルというMD全体システムが完成することになる。しかし上昇中の弾道ミサイルを攻撃することは、まだ弾道ミサイルがどこに向かうか不明なので、日本の集団的自衛権行使に抵触するおそれもあり、政府の中には共同研究に慎重な意見もある。 [コメント]問題はレーザー砲の開発よりも、レーザーエネルギーを発生させる装置の小型化である。レーザー砲の原理そのものは簡単である。しかし高エネルギーのレーザーを発生させる装置は、ドーム型球場の大きさが必要である。これを航空機に乗せれるほど小型に開発できるのか。もしそれが可能なら、イージス艦やパトリオットPAC3も必要ない。イージス艦や地上にエネルギー発生装置を設置(搭載)できるから、海上や陸上でも、レーザー砲で正確に弾道ミサイルを撃破できることになる。それができないからイージス艦やパトリオットが代替えで開発されたのである。しかしそれさえもまだ開発に成功していない。夢のまた夢に数千億円の開発費なのである。これは集団的自衛権の問題というより、開発失敗の可能性が高い兵器に、日本政府が数千億円を投資するのかという問題である。それも最終的に数千億円の開発資金で済むような問題ではない。これから開発資金は雪だるま式に増えていく。まずは小口の数千億円から始めるという話しなのだ。 アメリカは日本の軍事的な脅威が激減していることを承知している。これからは日本の防衛費を米国に投資させることが最も有効と考えている。だから好き勝手にアイデアを出し、日本に資金援助(共同開発)を打診しているのである。しかし軍事関係者はレーザー兵器開発は、軍事分野でのM資金話し(詐欺)的な話題であることを知っている。それを日本は集団的自衛権に抵触するという口実で逃げているのだ。 仮にレーザー兵器を日米が共同開発しても、米軍だけが運用するば集団的自衛権の問題は発生しないという拡大解釈で逃げる道がある。それをしないのはレーザー砲がM資金話しであることを知っているからだ。 これは史上最大の疑獄事件に発展する要素が大きい事案だ。米国のたちの悪い兵器屋と政治屋が、日本に巨額の詐欺を仕掛けていると見ればいい。 |
| スマトラ沖地震 首脳会議 日本、中国に対抗心 対ASEAN 思惑交錯 米、イスラム教徒意識 (朝日 1月7日 朝刊) |
[概要]6日、インドネシアのジャカルタで開かれたインド洋津波災害をめぐる緊急首脳会談で、日本政府は5億ドルの無償援助を表明した。金額ではオーストラリアやドイツに及ばないが、全額無償援助としたことで、事実上は日本が最大の援助国になることは間違いない。当初、日本政府は三千万ドルの援助を表明したら、中国が六千万ドルの援助資金を表明した。そこで日本はASEANなどアジア各国に日本の存在を示すために5億ドルの額につながったという。外務省幹部はその裏には、中国に対する日本の対抗意識があるという。また米国はイスラム教徒が大多数を占めるインドネシアのアチュ島沖に、空母部隊を展開してヘリで奥地に援助物資の輸送を行っている。各国が地震、津波被害者の救難に取り組んでいるが、そこには各国の複雑な思惑が働いているようだ。 [コメント]そのことは皆さんがわかっていると思う。しかしそれを非難したり、援助を拒否することはできない。被災者が本当に困っているからだ。そのためなら敵に塩を送ることもある。 これを機会に日本政府は中国向けのODAを、インド洋津波被害地の復興に差し替えることを提案するチャンスである。もし中国が不快感を示せば、そのことを世界に公表するべきだ。中国と外交を行うとは、そのような火花を散らす覚悟がなくてはできない。近い将来、人口13億人の中国が、本気でインド洋津波のような被害者救援に取り組んだら、日米が組んでも歯が立たない時代がくる。その時に対応を考えても間に合わない。 小泉首相は援助金額が中国よりも多いと満足していけない。中国へのODAは年間約900億円程度と記憶している。それだけで約8億ドルになる。これを今回の津波や地震の復興援助に10年間使えれば、日本が果たす被災地への貢献は計り知れない。むろん日本に対する評価も高まる。 外務省は3千万ドルを5億ドルにしたと自己満足しないで、中国のODAを打ち切って被災地支援に切り替えるように交渉を開始すべきだ。今こそ中国へのODAを見直す(切り替える)絶好のチャンスである。 |
| インド洋津波 支援 自衛隊 初の一体運用 指揮命令 海自艦に陸自ヘリ (読売 1月6日 朝刊) |
[概要]防衛庁はインド洋の津波被害に対する緊急援助活動で、陸海空自衛隊の指揮・命令系統を一元化する「統合運用」を、事実上初めて実施する方針を固めた。一元化することで、迅速・効率的な支援が行える狙いがある。今回は陸自が輸送ヘリ5機(CHー47 2機 UH60 3機)と医療チーム(200人)、海自が輸送艦、護衛艦、補給艦の3隻(600人)、空自がC−130輸送機を1機か2機(約40人)を派遣する。空自が物資をタイのウタパオ基地からスマトラ島に運び、その沖に海自の輸送艦を停泊させ、陸自ヘリで被災地との運用を行う体制をとる。また米軍などが活動拠点にしているウタパオ基地に設置する「現地連絡・調整本部」に、統幕会議の幹部らが3自衛隊の調整を行う方針だ。これによって来年3月に新設する「統合幕僚監部」(現在は統幕会議)に新設する3自衛隊運用体制のテストケースする考えだ。 [コメント]これは自衛隊が将来型戦略と研究している「離島防衛」の実動実験でもある。まあ簡単に言えば、冷戦型の自衛隊が、これから始まるRMA時代の海兵隊タイプに変身するテストだと気が付いて欲しい。もうこのような方法しか近未来の自衛隊を運用できないのだ。その点で自衛隊を研究する人は、この指揮・運用を詳細に観察することを勧める。特に通信・指揮や情報など、新しい機材がどの程度活用できるか試される点に注目して欲しい。 これはこれからの離島防衛にも使えるが、今回のように海外での災害援助活動でも有効に活用できる。 さらに日本の防衛当局が力を入れるのは、イラクのサマワに陸自を派遣した愚を繰り返したくないからである。今回のインド洋津波で自衛隊の力を存分に発揮し、アメリカや東南アジアに、自衛隊の平和力のプレゼンスを示したい狙いがある。 本日の朝日(6日付け 朝刊 国際面)が書いているが、米欧は国際救援の枠組みを競いだした。米国は日本、インド、オーストラリア、オランダ、カナダの6カ国で主導したいと考えている。これに対し、EUなどは国連を中心にした救援を重視している。ともにアジア地域での影響力を競っているのである。そのように仕掛けたのはパウエル長官である。アメリカがイラク戦争で孤立しているのを、インド洋の津波救援活動で巻き返したい意図を感じる。アメリカの「国連はずし」という指摘はあたらない。しかしEUは国連を表に出すことで、アメリカの影響力を落とすことを計算している。 そのような時だから、今回の津波救援で自衛隊が目立つことは、日本がアメリカに非戦闘地域(大災害救援活動)での国際貢献をアピールできるのである。 私は今回の統合救援派遣に賛成する。大いに実験して貴重な経験を持ち帰って欲しい。そして今後はイラクのサマワ派遣など、自衛隊が想定しない任務を与えないことを願っている。 できれば中古の石油タンカーを改造して、輸送艦よりも効率のいいヘリ搭載型の病院船を作ることを勧める。常に軍用と民用を混同すると、非効率である上に自衛隊の防衛という任務が薄くなる。また警察や消防や海上保安庁と共同することの垣根にもなるからだ。それと救難活動で重要なことは、民間が出来ることは民間に委ねるという原則は、海外の援助活動でも変わらない。 まあ今回は初の実験ということで、国民の視点もやさしく見つめるだろう。 |
| 最悪被害に最大支援 自衛隊800人超派遣 インド洋大津波 先遣隊が出発 米軍1万2600人投入、全被災者500万人 (産経 1月5日 朝刊) |
[概要]日米中、ASEAN、国連などの緊急支援会議が、6日、ジャカルタで開催される。国連によるとインド洋の津波被害の死者は15万人で、被災者は500万人を超え、いまだに約200万人が救助を求めている。まさに史上最大の被害を与えた大災害となった。これに対し米軍は過去最大規模の1万2千人を超える部隊と空母部隊を展開させて支援活動を行い、3億五千万ドルの資金援助を表明した。日本政府も八百数十人の自衛隊部隊を派遣し、5億ドルの無償供与を行う予定である。EUは三千百ドル、中国は約2億八千万円(2163万元)相当の緊急援助物資と、65億円(5億元)の緊急援助を発表した。これによって23億五千万ドル(2420億円)という”史上最大の支援作戦”になる模様。 [コメント]タイのプーケットは6年前にお正月の家族旅行した思い出の地であった。その街を大津波が襲う光景をTVニュースで見た。あれでは逃げられないと背筋が凍った。都市を襲う津波は海水だけではない。津波で運ばれた岩や石、それに市街地の木片や鉄板などが含まれている。それらが人の体を貫き、身体を切り刻むのである。何度も災害派遣を経験した友人(自衛官)は、土砂崩れの掘り起こしが、一番嫌な作業だと話していた。人の体がバラバラになっているからだという。被災地では感染症(伝染病)の被害拡大が懸念されている。津波で流された汚物(主に排泄物)が住環境にあふれているからだ。 そのような最悪極限の環境で、組織的な救援活動が出来るのは自衛隊だけである。医療部隊はもちろんだが、消毒などの防疫部隊も出動して欲しい。そのためには、大型の高速病院船がぜひ欲しい。船内には現地の防疫に必要な車両や装備を搭載しているが、現地の港でそれらを降ろすと、高度な手術室などが完備した病院船になる大規模災害対策船だ。救助ヘリも搭載する。自前の救急車も必要だろう。また付近に展開して、野戦病院セットを施設してもいい。軽い患者は天幕の医療施設で治療する。しかし重病人はヘリや救急車で病院船に搬送して治療する。そのような活動が最大6ヶ月出来れば申し分ない。そのような活動が出来るのは自衛隊である。そんなことを夢見ることは無理なのか。 そのようなことを考え出すと、陸・海・空の垣根など、これからは邪魔であり障害でしかない。 |
| 謹賀新年! あけましておめでとうございます。(1月1日) | 新しい2005年があけました。今年はイラク戦争や北朝鮮問題など、緊張した事態がいろいろ懸念されています。そのような問題と取り組む方に、このホームページはいろいろな情報や軍事知識を提供したいと頑張ります。そしてこのホームページは多くの方がいっしょに作る軍事情報サイトです。今年もよろしくお願いします。 |